JPH0647017A - 動的に離調されるrf体積コイル - Google Patents

動的に離調されるrf体積コイル

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JPH0647017A
JPH0647017A JP5090314A JP9031493A JPH0647017A JP H0647017 A JPH0647017 A JP H0647017A JP 5090314 A JP5090314 A JP 5090314A JP 9031493 A JP9031493 A JP 9031493A JP H0647017 A JPH0647017 A JP H0647017A
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coil
detuning
capacitor
pair
volume coil
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JP5090314A
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Ralph S Hashoian
ラルフ・サーキス・ハショアン
Robert W Prost
ロバート・ウィリアム・プロスト
Perry S Frederick
ペリー・スコット・フレデリック
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General Electric Co
Original Assignee
General Electric Co
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    • G01R33/34046Volume type coils, e.g. bird-cage coils; Quadrature bird-cage coils; Circularly polarised coils
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 同調時のコイル動作をそこなうことのない電
子的離調回路をそなえたRF体積コイルを提供する。 【構成】 鳥かご形コイルの一対の端ループ301,3
02の各々の中に接続されたコンデンサ304と並列に
接続したピンダイオード317を含む離調回路310が
設けられる。ドライバ回路320により上記ダイオード
は逆バイアスまたは順バイアスされて、対応するコンデ
ンサに対する分路を開放または短絡して、コイルを同調
または離調した状態にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の分野は核磁気共鳴イメー
ジングの方法およびシステムである。更に詳しくは、本
発明はNMRパルス系列の間、システム内の他のコイル
から減結合することができる改良されたRF(無線周
波)体積コイル(volume coil )に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気モーメントを持つどの核も、それが
中に配置された磁界の方向に自身を揃えようとする。し
かし、そうする際、核は磁界の強さおよび特定の核種の
性質(核の磁気回転比γ)によって決まる特性角周波数
(ラーモア周波数)で上記の方向を中心にして歳差運動
を行う。この現象を示す核をここでは「スピン」と呼
ぶ。
【0003】人体組織のような物質に一様な磁界(分極
磁界B0 )が加えられたとき、組織内のスピンの個々の
磁気モーメントはこの分極磁界と揃おうとするが、それ
を中心としてそれらの特性ラーモア周波数でランダムな
順序に歳差運動を行う。分極磁界の方向に正味磁気モー
メントMzが作成されるが、垂直平面すなわち横平面
(x−y平面)のランダムな方向を向いた磁気成分は相
互に相殺する。しかし、x−y平面の中にありラーモア
周波数に近い磁界(励起磁界B1 )が物質すなわち組織
に加えられると、正味の、揃えられたモーメントMzが
回転または「傾けられて」x−y平面に入れられること
により、正味横磁気モーメントMtが作成され、これは
ラーモア周波数でx−y平面内で回転すなわちスピンす
る。この現象の実際的な価値は、励起信号B1 の終了後
に、励起されたスピンが放出する信号に存在する。この
核磁気共鳴(NMR:nuclear magneti
cresonance)現象が用いられる種々様々な測
定系列がある。
【0004】NMRイメージングシステムでは、励起磁
界は無線周波数であり、RFコイルにより作成される。
結果として得られるNMR信号も無線周波数であり、同
じRFコイルまたは別のRFコイルによって検知するこ
とができる。たとえば、大きな体積を通じて一様なRF
励起磁界を作成するRF体積コイルを用い、また大きな
体積の中の充分に規定さされた領域から結果のNMR信
号を受けるために別のRF表面コイルを用いるのが普通
のやり方である。
【0005】NMRを使って画像を作成するとき、対象
内の特定の位置からNMR信号を得るための手法が用い
られる。通常、イメージングすべき領域(関心のある領
域)は使用している特定の局在化法に応じて変わる一連
のNMR測定サイクルによって走査される。結果として
得られる受信したNMR信号の組をディジタル化し、処
理することにより、多数の周知の再構成手法の中の一つ
を使って画像が再構成される。このような走査を行うた
め、勿論、対象内の特定の位置からのNMR信号を引き
出す必要がある。これは分極磁界B0 と同じ方向を持つ
がx、yおよびzの各軸に沿って勾配を持つ磁界(G
x、Gy、およびGz)を用いることによって行われ
る。各NMRサイクルの間にこれらの勾配の強さを制御
することによって、スピン励起の空間分布を制御するこ
とができ、結果として得られるNMR信号の位置を識別
することができる。
【0006】イメージングのために使用される磁界勾配
は、継続時間(ミリ秒)が短く、磁界の強さが大きい。
たとえば、単一のNMR測定パルス系列の間、各軸に対
する勾配(Gx,Gy,Gz)は1回以上パルス状にさ
れ、その極性が逆転される。結果として得られる磁界に
より、RFコイルを含むシステムの導電性素子に対する
力が生じる。これらの力により、これらの素子の運動ま
たは振動が生じる。RFコイル素子のこのような運動に
より、取得されたNMRデータに雑音が誘導され得る。
したがって、RFコイルの物理的構造は重要な設計上の
考慮点である。
【0007】上記のように、RF励起および結果のNM
R信号はともにラーモア周波数になる。その結果、RF
励起コイルとNMR受信コイルの両方をこの周波数で共
振するように同調させなければならない。同じ周波数に
同調し、関心のある同じ領域内に配置された二つのコイ
ルの交差結合は問題を生じる。この交差結合により、R
F励起磁界に非一様性が生じ、両方のコイルに周波数シ
フトとインピーダンスシフトが生じ、劣化したNMR信
号が取得される。
【0008】交差結合問題に対する解は、RF励起磁界
を作成している間に受信コイルを離調し、NMR信号を
取得しているときRF励起コイルを離調することであ
る。機械的スイッチはNMRパルス系列の間に使用する
には充分に高速でなく、電子スイッチを使用しなければ
ならない。たとえば、ダイオードをスイッチとして使用
することにより一対の同一平面上の表面コイルを選択的
に離調することが米国特許第4,620,155号に述
べられている。同様に、米国特許第4,833,409
号では、一組のダイオードをスイッチとして用いて、全
身用コイルの端リングを周囲のシールドに短絡すること
により、全身用コイルが離調される。後者の解はNMR
信号の取得の間に事実上離調させるが、その性能は理想
より劣る。第一に、この回路およびシールドへの接続に
於ける増大したRF損失、およびダイオードの漏れイン
ピーダンスにより、コイルのQが低下し、画質が低下す
る。第二に、RFコイルと取り囲むシールドとの間の物
理的接続は、新式のNMRパルス系列で使用される高勾
配磁界パルスが生じる力が加える物理的拍動に耐えなけ
ればならない場合には、製造費が高くなる。
【0009】
【発明の概要】本発明はNMRシステムのためのRF体
積コイルに関するものであり、特に一組の縦方向の素子
によって結合された間隔を置いて配置された二つの端ル
ープ、およびこのようなコイルの性能を劣化させずにこ
のようなコイルを離調させる手段をそなえる型の全身用
コイルに関するものである。更に詳しく述べると、本発
明による改良されたRF体積コイルは、一組の縦方向の
導電性素子により結合され、間隔を置いて配置された一
対の端ループであって、各端ループ中に縦方向の導電性
素子のインダクタンスとの組み合わせでRF体積コイル
を所望のラーモア周波数に同調させるように動作する一
組の容量性素子を含む一対の端ループ、および上記各端
ループの容量性素子の両端間に接続された電子スイッチ
素子であって、制御信号に応動して、上記容量性素子の
分路となる低インピーダンス路を形成することによりR
F体積コイルを離調させるように動作し得る電子スイッ
チ素子をそなえている。
【0010】本発明の一般的な目的は、同調コイルとし
てのRF体積コイルの動作を損なうこと無く、RF体積
コイルを電子的に離調させることである。電子スイッチ
素子としてパッシベーションされたピンダイオードを使
うことにより、漏れ電流が最小となり、RF受信の際に
コイル性能が劣化しない。本発明のもう一つの目的は、
高勾配磁界パルスの印加の間、物理的に安定であり、経
済的に製造できる離調可能な全身用RF体積コイルを提
供することである。RFコイルとそれを取り囲むシール
ドとの間の接続を無くすことにより、機械的安定度を著
しく改善することができ、製造コストを削減することが
できる。電子スイッチは、端ループおよび容量性素子を
支持する同じ支持基板に取り付けられる。
【0011】本発明の上記および他の目的および利点は
以下の説明から明らかとなる。説明では付図を参照する
が、付図は本明細書の一部を構成し、本発明の一実施例
を図示している。しかし、このような実施例は必ずしも
本発明の全範囲を表すものではないので、本発明の範囲
の解釈に当たっては請求範囲を参照しなければならな
い。
【0012】
【詳しい説明】図1は、本発明を含み、ゼネラルエレク
トリック社(General Electric Co
mpany)から「シグナ」(S1GNA)という商標
名で販売されている好ましいNMRシステムの主要構成
要素をブロック図形式で示したものである。システム全
体の動作は[データゼネラル社(Data Gener
al)のMV7800のような]主コンピュータ101
を含むホストコンピュータシステム100によって制御
される。コンピュータにはインタフェース102が含ま
れており、これを介して複数のコンピュータ周辺装置お
よび他のNMRシステム構成要素が結合されている。コ
ンピュータ周辺装置の中には磁気テープ駆動装置104
があり、主コンピュータの指示のもとにこれを使って患
者のデータおよび画像をテープに保管することができ
る。処理された患者データは画像ディスク記憶装置11
0に格納してもよい。画像プロセッサ108の機能は拡
大、画像比較、グレースケール調整、実時間データディ
スプレイのような対話型画像ディスプレイ操作を可能に
することである。コンピュータシステムには、ディスク
データ記憶システム112を使用して(画像構成前の)
なまデータを記憶するための手段が設けられている。操
作卓116もインタフェース102を介してコンピュー
タに結合されており、これにより操作者は患者の検査に
関連するデータ、ならびに較正、スキャンの開始および
終了のようなNMRシステムの正しい動作に必要な付加
的なデータを入力する手段が得られる。操作卓はディス
クまたは磁気テープに記憶された画像をディスプレイす
るためにも使用される。
【0013】コンピュータシステム100はシステム制
御器118および勾配増幅システム128によってNM
Rシステムを制御する。コンピュータ100は熟練した
当業者には周知の方法でリンク103によつてシステム
制御器118と通信する。システム制御器118には、
パルス制御モジュール(PCM−pulse cont
rol module)120、アレープロセッサ10
6、無線周波数トランシーバ122、ステータス制御モ
ジュール(SCM−status and contr
ol module)124、および構成要素を付勢す
るために必要な、全体を126で表した電源のような数
個のサブシステムが含まれている。PCM120は、主
コンピュータ101が発生する制御信号を使って、勾配
コイル励起を制御するディジタル波形ならびにRF励起
パルスを変調するためトランシーバ122で使用される
RFエンベロープ波形のようなタイミングおよび制御用
のディジタル信号を発生する。勾配波形はGx増幅器1
30、Gy増幅器132、およびGz増幅器134でほ
ぼ構成される勾配増幅システム128に印加される。各
増幅器130、132、134は全体を136で表した
集合体の中の対応する勾配コイルを励起するために使用
される。付勢されると、勾配コイルは主分極磁界と同じ
方向に磁界の磁界勾配Gx、GyおよびGzを発生す
る。これらの勾配はデカルト座標系の互いに直角なX軸
方向、Y軸方向、およびZ軸方向に向いている。すなわ
ち、主磁石(図示しない)が発生する磁界がz方向を向
いていてB0 と表すことにし、z方向の総磁界をBzと
表すことにすれば、Gx=dBz/dx、Gy=dBz
/dy、およびGz=dBz/dzとなり、任意の点
(x,y,z)での磁界はB(x,y,z)=B0 +G
xX+GyY+GzZで与えられる。
【0014】トランシーバ122、RF増幅器123お
よびRFコイル138の発生する無線周波数パルスと組
み合わせて勾配磁界を使用することにより、空間情報が
符号化されて、検査している患者の領域から出てくるN
MR信号となる。パルス制御モジュール120から与え
られる波形制御信号はトランシーバサブシステム122
がRF搬送波の変調およびモード制御のために使用す
る。送信モードでは、送信器は制御信号に従って変調さ
れた無線周波数波形をRF電力増幅器123に供給す
る。次に、RF電力増幅器123は主磁石集合体146
の中にあるRFコイル138を励磁する。患者の中の励
起された核が放射するNMR信号が送信に使用されるの
と同じRFコイルまたは異なるRFコイルによって検知
され、前置増幅器139によって増幅される。このNM
R信号はトランシーバ122の受信部で増幅、復調、フ
ィルタリング、およびディジタル化される。処理された
NMR信号は専用の片方向リンク105によってアレー
プロセッサ106に送られて処理される。
【0015】PCM120およびSCM124は独立な
サブシステムであり、両者とも直列通信リンク103に
より主コンピュータ101、患者位置ぎめシステム15
2等の周辺システムと通信し、また相互に通信する。P
CM120およびSCM124はそれぞれ、主コンピュ
ータ101からの命令を処理するために[インテル(I
ntel)80286のような]16ビットのマイクロ
プロセッサを含む。SCM124には、患者のクレード
ル(cradle−台)の位置および可動患者位置合わ
せ光扇状ビーム(図示しない)の位置に関する情報を取
得するための手段が含まれている。主コンピュータ10
1はこの情報を使って画像ディスプレイおよび再構成パ
ラメータを修正する。SCM124は患者輸送位置合わ
せシステムの作動のような機能の開始も行う。
【0016】勾配コイル集合体136およびRF送受信
コイル138は分極磁界を作成するために使用される磁
石の穴の中に取り付けられる。磁石は患者位置合わせシ
ステム148を含む主磁石集合体の一部を構成する。主
磁石と結合され、分極磁界の不均一を補正するために使
用されるシムコイルを付勢するために、シム電源140
が使用される。超電導磁石の場合には、磁石の発生する
分極磁界を適正に動作する強さにするため、主電源14
2が使用された後、切り離される。永久磁石の場合に
は、電源142は必要とされない。患者位置合わせシス
テム148は患者クレードル輸送システム150および
患者位置ぎめシステム152との組み合わせで動作す
る。外部発生源からの干渉を最小限にするため、これら
のNMRシステム構成要素は全体を144で表したRF
シールド室に入れられている。
【0017】特に図1および2に示すようにトランシー
バ122には、電力増幅器123を介してコイル138
AでRF励起磁界B1 を発生する構成要素およびコイル
138Bに結果として誘導されるNMR信号を受信する
構成要素が含まれている。RF励起磁界のベースすなわ
ち搬送波の周波数は周波数シンセサイザ200の制御下
で作成される。周波数シンセサイザ200は主コンピュ
ータ101から通信リンク103を介して一組みのデイ
ジタル信号(CF)を受ける。これらのディジタル信号
は出力201に作成されるRF搬送波信号の周波数およ
び位相を示す。この命令されたRF搬送波が変調器20
2に印加される。変調器202では、PCM120から
バス103を介して受けた信号R(t)に応じてRF搬
送波が変調される。信号R(t)は作成すべきRF励起
パルスのエンベロープ、したがって帯域幅を規定する。
これは、所望のエンベロープを表すRF励起パルスを作
成するとき一連の記憶されたディジタル値を順次読み出
すことによりPCM120で作成される。これらの記憶
されたディジタル値をコンピュータ100が変更するこ
とにより、所望のRFパルスエンベロープを作成するこ
とができる。線205を介して出力されるRF励起パル
スの大きさは送信減衰回路206によって減衰される。
送信減衰回路206は主コンピュータ101から通信リ
ンク103を介してディジタル信号TAを受ける。減衰
されたRF励起パルスはRF送信コイル138Aを駆動
する電力増幅器123に印加される。トランシーバ12
2のこの部分の更に詳細な説明については、ここに引用
されている米国特許第4,952,877号を参照でき
る。
【0018】やはり図1および図2に示すように、被検
体で生じるNMR信号は受信コイル138Bによってピ
ックアップされ、受信器207の入力に印加される。受
信器207はNMR信号を増幅する。次に、これは主コ
ンピュータ101からリンク103を介して受けたディ
ジタル減衰信号(RA)によって定まる量だけ減衰され
る。受信器207もPCM120から線211を介して
与えられる信号によってターンオンおよびターンオフす
る。これにより、遂行している特定の取得が必要とする
期間だけ、NMR信号が取得される。
【0019】受信されるNMR信号はラーモア周波数ま
たはその近傍にある。この高周波信号は復調器208内
で二段階の過程で復調される。復調器208はまずNM
R信号を線201の搬送波信号と混合した後、結果とし
て得られる差信号を線204の2.5MHzの基準信号
と混合する。線212の、結果として得られる復調され
たNMR信号は帯域幅が125kHzであり、中心周波
数が187.5kHzである。復調されたNMR信号は
アナログ−ディジタル(A/D)変換器209の入力に
印加される。A/D変換器209は250kHzの速度
でアナログ信号をサンプリングし、ディジタル化する。
A/D変換器209の出力はディジタル直角検出器21
0に印加される。ディジタル直角検出器210は受信さ
れたディジタル信号に対応する16ビットの同相(I:
in−phase)値および16ビットの直角(Q:q
uadrature)値を発生する。結果として得られ
る、受信NMR信号のディジタル化されたI値およびQ
値の流れがバス105を介してアレープロセッサに出力
され、アレープロセッサで画像を再構成するために用い
られる。
【0020】受信されたNMR信号の中に含まれる位相
情報を維持するため、送信部の中の変調器202と受信
部の中の復調器208はともに共通の信号で動作する。
更に詳しく述べると、周波数シンセサイザ200の出力
201の搬送波信号および基準周波数発生器203の出
力204の2.5MHzの基準信号は変調過程と復調過
程の両方で用いられる。このようにして位相の一貫性が
維持され、復調された受信NMR信号の位相変化は励起
されたスピンが発生する位相変化を正確に示す。基準周
波数発生器203は共通の10MHzのクロック信号か
ら2.5MHzの基準信号の他に5MHz、10MH
z、および60MHzの基準信号を作成する。周波数シ
ンセサイザ200は5MHz、10MHz、および60
MHzの基準信号を用いて搬送波信号を作成し、出力2
01に送出する。受信器の更に詳しい説明については、
ここに引用されている米国特許第4,992,736号
を参照できる。
【0021】遂行されている走査に応じて、RFコイル
138Aおよび138Bは多数の形式をとることができ
る。NMRシステムには、送信コイル138Aと受信コ
イル138Bの両方として動作し得る単一の全身用RF
コイルが含まれている。このような場合には、送信/受
信スイッチがこのコイルを電力増幅器123と受信器2
07の両方に接続する。送信/受信スイッチはパルス制
御モジュール120からのT/R信号によって制御され
る。これにより、RF励起パルスの発生の間、単一のコ
イル138が電力増幅器123に電気的に接続され、N
MR信号が取得されているときは、単一のコイル138
が受信器207に接続されている。
【0022】第二の動作モードではRFコイル138A
および138Bは、米国特許第4,641,097号に
開示されている頭部用コイルのような単一の局部コイル
の形をとることができる。このような場合には、送信/
受信スイッチが全身用コイルから切り離され、局部頭部
用コイルに再接続される。この動作モードでは、パルス
系列の送信部分と受信部分の両方の間、局部頭部用コイ
ルが用いられ、本発明の教示に従って全身用コイルが離
調される。これにより、局部頭部用コイルとの相互イン
ダクタンスによりRF磁界が乱されることが無い。
【0023】最後に、第三の動作モードでは、パルス系
列の送信部分の間に全身用コイルを用いることにより、
それの関心のある比較的大きな体積を通じてRF励起磁
界が作成され、そして米国特許第4,620,155号
に開示されたような局部表面コイルを用いることによ
り、関心のある体積内の小さな領域からNMR信号を取
得することができる。このような表面コイルは、たとえ
ば、全身用コイルより良好に人体組織の特定の領域から
NMR信号を受けるように設計される。このような場
合、電力増幅器123は全身用コイルに接続され、局部
表面コイルは受信器207に接続される。次に詳細に説
明するように、パルス系列の受信部分の間、T/R制御
信号を用いて全身用コイルが離調される。
【0024】図3には、全身用コイルが概略図示されて
いる。全身用コイルには、中心軸300のまわりに配置
された一対の導電性ループ301および302が含まれ
ており、導電性ループ301および302は一組の縦方
向の導電性素子303によって接続される。縦方向の導
電性素子303は、円形の導電性ループ301および3
02のまわりに等間隔に配置されている。縦方向の導電
性素子303は互いに、また中心軸300に平行になっ
ている。ループ素子301および302の各々の中に、
コンデンサ304が接続されている。軸方向の導電性素
子303に対する各対の接続の間に、一つのコンデンサ
が配置されている。コンデンサ304は、縦方向の導電
性素子303の分布インダクタンスとの組み合わせで動
作して、ラーモア周波数で共振を生じるような値になっ
ている。この全身用コイルは、ここに引用されている米
国特許第4,680,548号に詳細に説明されてお
り、当業者により「高域鳥かご形」コイルと呼ばれる。
【0025】好ましい実施例では、全身用コイルは0.
5テスラの分極磁界で用いられ、21.3MHzのラー
モア周波数に同調させられる。但し、1.5テスラの分
極磁界と63.86MHzのラーモア周波数で使用する
ように、類似のコイルも作られた。図3は8個の縦方向
の導電性素子303を示しているが、好ましい実施例で
は等間隔に配置された16個の縦方向の導電性素子30
3が用いられている。このコイル設計の重要な要因は、
コンデンサ304の値がその共振周波数を決めるという
こと、そしてそれらの値の大幅の変化によりコイルがラ
ーモア周波数から離調されるということである。この離
調が本発明の一般的な目的である。
【0026】図3および図4に示すように全身用コイル
の離調は、8個のコンデンサ304の両端間に直接接続
された8個の離調回路の組によって行われる。4個の離
調回路310は導電性ループ301の中の一つ置きのコ
ンデンサ304の両端間に接続され、4個の離調回路3
10は導電ループ302の中の一つ置きのコンデンサ3
04の両端間に接続されている。すべてのコンデンサ3
04の両端間に離調回路310を接続することもできる
が、図示するように二つの導電性ループ301および3
02でそれらの接続をずらすことにより8個だけで良好
な性能が達成された。離調回路のこのような一つ置き
で、ずらした接続により、最良のコスト対性能比が得ら
れる。
【0027】離調回路310が図4に概略図示されてお
り、これには一対の入力311および312が含まれて
いる。入力312は信号地気に接続され、入力311は
他の離調回路310の各々の入力311に接続される。
入力311は電流制限抵抗313を介してRFチョーク
314にも接続され、入力312は第二のRFチョーク
315に接続されている。フィルタコンデンサ316が
RFチョーク314および315の入力側の両端間に接
続され、ピンダイオード(pin diode )317がRFチ
ョーク314および315の出力側の両端間に接続され
ている。ピンダイオード317の二つの端子は離調回路
310の出力を形成する。この離調回路310の出力
は、コイルのコンデンサ304の両端間に接続されてい
る。その結果、ピンダイオード317が、それに対応す
るコンデンサ304と並列に、すなわち分路関係で接続
される。
【0028】入力311に正のDC電圧が印加される
と、ピンダイオード317が逆バイアスされ、コンデン
サに対して非常に高インピーダンスの分路となる。更
に、RFチョーク314および315は全身用コイル内
で高周波RF信号に対して非常に高インピーダンスとな
る。その結果、正のDC電圧で駆動されたとき、離調回
路310が全身用コイルの動作に及ぼす影響は無視でき
る。他方、離調回路310の入力311に負のDC電圧
が印加されたとき、ピンダイオード317が順方向バイ
アスされ、電流を通す。この順方向バイアスされた状態
では、ピンダイオード317はそれに対応するコンデン
サ304のまわりに非常に低いインピーダンスの分路を
形成する。これにより、コンデンサ304が事実上短絡
され、全身用コイルからコンデンサ304が除かれる。
その結果、全身用コイルが離調され、それが他のコイル
の動作に及ぼす影響が著しく低減される。
【0029】ピンダイオード317を除けば、離調回路
310内の他の構成要素は標準の市販されている製品で
ある。RFチョーク314および315のインダクタン
スは3.3μHであり、コンデンサ316の値は0.0
1μFである。抵抗313は、順方向バイアスされたピ
ンダイオード317を通る電流を約1アンペアに制限す
るように選択される。これにより、順方向バイアスされ
たときピンダイオード317はそれの低インピーダンス
状態になる。
【0030】ピンダイオード317は本発明の良好な動
作に対して非常に重要である。逆バイアスされたとき、
全身用コイル内でRF信号に対して非常に高インピーダ
ンスとなること、そしてその漏れ電流が最小となること
が重要である。ピンダイオードの表面をパッシベーショ
ンすることにより逆バイアス時のその漏れ電流を小さく
すれば、大幅に改善された結果を達成できるということ
が本発明の発見の一つである。これは、漏れ電流を減ら
すため低焼成ガラスに入れられた従来のピンダイオード
と対照的である。更に、送信モードの間に全身用コイル
内で発生する高電圧に耐えるため、ピンダイオード31
7の降伏電圧は充分に高くなければならない(好ましい
実施例では1,000ボルトより大)。この用途に好ま
しいピンダイオードは米国マサチューセッツ州バーリン
トンのエム/エー・コム半導体部(M/A Com S
emiconductor Division of
Burlington, MA)からMA4P4000
シリーズのデバイスとして市販されている。
【0031】再び図3に示すように、離調回路310の
入力は送信/受信ドライバ回路320によって駆動され
る。ドライバ回路320は信号アースおよび各離調回路
310の入力311に接続されている。全身用コイルが
それの同調ラーモア周波数で動作すべきとき、ドライバ
回路320は入力311に450ボルトの正のDC電圧
を生じる。これによりすべてのピンダイオードが逆バイ
アスされるので、殆ど電流が流れない。他方、全身用コ
イルを離調すべきときは、ドライバ回路は負のDC電圧
を入力311に印加する。これにより、ピンダイオード
317が順方向バイアスされ、ピンダイオード317を
通って充分な電流が流れる。ドライバ回路はその電流を
8アンペアに制限するので、各離調回路は上記のように
約1アンペアを通す。各離調回路310の抵抗313の
値は、順方向バイアスされたピンダイオード317の抵
抗よりずっと大きい。この抵抗はドライバ回路320か
ら見た入力抵抗を支配し、順方向バイアスされたピンダ
イオード317の抵抗のどのような小さな変動もマスク
する。パルス制御モジュール120からのT/R制御線
を用いることにより、送信/受信ドライバ回路320が
その二つの状態の間にスイッチングされる。
【0032】回路素子および取り囲むシールドへの接続
のために手の込んだ、費用のかかる機械的支持物を必要
とする従来の離調回路と異なり、本発明の離調回路31
0は鳥かご形コイルを支持するのと同じ基板上に簡単に
取り付けられる。図4に示すように、鳥かご形コイルの
素子はガラス繊維で作られた管形基板325上に取り付
けられる。コイル素子301および303は銅フォイル
で形成され、定められた場所にボンディングされる。コ
ンデンサ304は銅フォイルに直接はんだ付けされ、各
離調回路310はそれに対応するコンデンサ304の側
面に直接沿って基板に取り付けられる。離調回路310
からのリード線を銅フォイルに直接はんだ付けすること
により、上記のような分路を形成する。実施例では、電
流制限抵抗313が別々に板326上に取り付けられ
る。これにより、電流制限抵抗313が発生する熱は他
の回路素子から物理的に取り除かれる。
【0033】各離調回路310に対する物理的支持物を
設ける他に、保守員が回路素子に容易にアクセスできる
ように、管形基板325に窓(図示しない)が形成され
る。回路素子はNMRシステムの中心開口の方へ内向き
に面しており、小さなパネルを取り除くことにより、そ
こからアクセスできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いるNMRシステムのブロック図で
ある。
【図2】図1のNMRシステムの一部を形成するトラン
シーバの電気ブロック図である。
【図3】図1のNMRシステムで使用される全身用RF
体積コイルの概略図である。
【図4】図3のコイルと一緒に用いられる離調回路の回
路図である。
【図5】本発明の全身用コイルの実施例の部分斜視図で
ある。
【符号の説明】
138 RFコイル 300 中心軸 301、302 導電性ループ 303 縦方向の導電性素子 304 コンデンサ 310 離調回路 311、312 入力 313 電流制限抵抗 314、315 RFチョーク 317 ピンダイオード 320 送信/受信ドライバ回路 325 管形基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 9118−2J G01N 24/04 C (72)発明者 ロバート・ウィリアム・プロスト アメリカ合衆国、ウィスコンシン州、ナシ ョタ、ワイルドウッド・レーン、エヌ40・ ダブリュ32786(番地なし) (72)発明者 ペリー・スコット・フレデリック アメリカ合衆国、ウィスコンシン州、ウォ ーケシャ、エーピーティ17、キムバリー・ ドライブ、410番

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NMRシステム用のRF体積コイルに於
    いて、 各々が中心軸のまわりに配置され、間隔を置いて配置さ
    れた一対の端ループ、 上記の間隔を置いて配置された一対の端ループに接続さ
    れ、該一対の端ループの間に中心軸の方向に沿って伸び
    る一組の縦方向の導電性素子、 各端ループの中に接続され、NMRシステムのラーモア
    周波数で共振するようにコイルを同調させる値を持つ一
    組のコンデンサ、 各々が上記コンデンサのそれぞれ一つと並列に接続され
    たピンダイオードを有している一組の離調回路、および
    上記離調回路の各々に接続されたドライバ回路であっ
    て、制御信号に応じて、上記ピンダイオードを逆バイア
    スする電圧を発生することによりそれぞれのコンデンサ
    に対して設けられた分路を開放するか、または上記ピン
    ダイオードを順方向バイアスする電流を発生することに
    よりそれぞれのコンデンサに対して設けられた分路を短
    絡してコイルを上記ラーモア周波数から離調させるドラ
    イバ回路を含むことを特徴とするRF体積コイル。
  2. 【請求項2】 上記コンデンサの組は、上記の各端ルー
    プにおいて、該端ループと上記縦方向の導電性素子との
    対の接続点の間にそれぞれ接続されたコンデンサを含
    み、上記離調回路が上記各端ループの中の上記コンデン
    サのうちの一つ置きのコンデンサに接続されている請求
    項1記載のRF体積コイル。
  3. 【請求項3】 上記一対の端ループの一方の中のコンデ
    ンサに対する離調回路の一つ置きの接続が、他方の端ル
    ープの中のコンデンサに対する離調回路の一つ置きの接
    続からずらされている請求項2記載のRF体積コイル。
  4. 【請求項4】 上記ピンダイオードをパッシベーション
    することにより、上記ドライバ回路によって逆バイアス
    されたときの上記ピンダイオードの漏れ電流を小さくし
    た請求項1記載のRF体積コイル。
  5. 【請求項5】 上記離調回路は、上記ピンダイオードと
    上記ドライバ回路との間に接続されたRFチョークを含
    んでいる請求項1記載のRF体積コイル。
  6. 【請求項6】 上記各離調回路はそれを上記ドライバ回
    路に接続する一対の入力を有し、一対のRFチョークに
    より上記一対の入力が上記ピンダイオードのそれぞれの
    リード線に接続されている請求項5記載のRF体積コイ
    ル。
  7. 【請求項7】 上記各離調回路はその上記一対の入力の
    間に接続されたコンデンサを含んでいる請求項6記載の
    RF体積コイル。
  8. 【請求項8】 上記端ループおよび上記縦方向の導電性
    素子が管形の基板の上に取り付けられ、上記各離調回路
    が上記基板に取り付けられて、上記一組のコンデンサの
    うちの対応するコンデンサに隣接して配置されている請
    求項1記載のRF体積コイル。
  9. 【請求項9】 電流制限抵抗が上記ドライバ回路と上記
    各離調回路との間に接続されている請求項8記載のRF
    体積コイル。
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