JPH064669A - 濃淡画像のパターンマッチング装置 - Google Patents

濃淡画像のパターンマッチング装置

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JPH064669A
JPH064669A JP4185859A JP18585992A JPH064669A JP H064669 A JPH064669 A JP H064669A JP 4185859 A JP4185859 A JP 4185859A JP 18585992 A JP18585992 A JP 18585992A JP H064669 A JPH064669 A JP H064669A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】パターンマッチングの対象画素を効率的に削減
することにより、相関演算の計算量を減少して処理時間
を短縮させる。 【構成】モデルパターンの各構成画素の濃度データを2
次微分し、さらにその2次微分値の絶対値をとる。この
2次微分値の絶対値を所定のしきい値THと比較し、2
次微分値の絶対値がしきい値THより大きな値をとる画
素のみをパターンマッチングの対象画素として選択す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、対象物を撮像して得
られた濃淡画像について、対象物のモデルパターンを用
いてパターンマッチングを行うための濃淡画像のパター
ンマッチング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、対象物を撮像して得られた濃淡画
像からパターンマッチングの手法を用いて対象物の位置
などを求めることが行われている。図12は、正規化相
関濃淡マッチング法を説明するための図であって、同図
中、1は予め用意された矩形状のモデルパターン、2は
入力された濃淡画像(以下、「入力画像」という)であ
る。このモデルパターン1により入力画像が1画素ずつ
全画面にわたり走査され、走査位置Pj 毎にモデルパタ
ーン1と入力画像2との一致度合を相関演算により求
め、相関値が最大となるモデルパターン1の走査位置P
j から対象物の位置などが求められる。
【0003】いまモデルパターン1の入力画像2上のj
番目の走査位置Pj の座標を(Xj,Yj )、モデルパ
ターン1におけるi番目の画素の濃度データをMi 、入
力画像2の対応する画素の濃度データをIi 、モデルパ
ターン1の構成画素数をnとすると、走査位置Pj にお
ける相関値r2 (Xj ,Yj )はつぎの(1) 式で与えら
れる。
【0004】
【数1】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】(1) 式から明らかなよ
うに、従来は、モデルパターン1の全ての構成画素の濃
度データMi について、入力画像2の対応する画素の濃
度データIi との間で相関演算を行っているが、モデル
パターン1の全ての構成画素がパターンマッチングの対
象となっているため、相関演算の計算量が膨大となり、
処理時間が長くかかるという問題がある。
【0006】この発明は、上記問題に着目してなされた
もので、パターンマッチングの対象画素を効率的に削減
することにより、相関演算の計算量を減少して処理時間
を短縮させた濃淡画像のパターンマッチング装置を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、対象
物のモデルパターンを用いて入力された濃淡画像のパタ
ーンマッチングを行う装置において、モデルパターンの
各構成画素の濃度データを2次微分して得られた値の絶
対値が所定のしきい値を越える画素をパターンマッチン
グの対象画素として選択する画素選択手段を備えたもの
である。
【0008】請求項2の発明は、対象物のモデルパター
ンを用いて入力された濃淡画像のパターンマッチングを
行う装置において、モデルパターンの各構成画素の濃度
データを2次微分して得られた値の絶対値が所定のしき
い値を越える画素を選択する画素選択手段と、前記画素
選択手段で選択された画素を一定割合で間引き処理して
パターンマッチングの対象画素を選定する間引処理手段
とを備えたものである。
【0009】請求項3の発明は、請求項2に記載された
パターンマッチング装置であって、前記間引処理手段と
して、前記の2次微分値が正の値をとる画素と負の値を
とる画素とを同じ割合で間引き処理してパターンマッチ
ングの対象画素を選定する手段を用いたものである。
【0010】請求項4の発明は、請求項2に記載された
パターンマッチング装置であって、前記間引処理手段と
して、複数個の指定画素位置から最小距離にある画素を
抽出することにより前記画素選択手段で選択された画素
を間引き処理してパターンマッチングの対象画素を選定
する手段を用いたものである。
【0011】請求項5の発明は、請求項2または4に記
載されたパターンマッチング装置であって、前記間引処
理手段として、複数個の指定画素位置から最小距離にあ
る画素を前記の2次微分値が正の値をとる画素と負の値
をとる画素とを同数ずつ抽出することにより前記画素選
択手段で選択された画素を間引き処理してパターンマッ
チングの対象画素を選定する手段を用いたものである。
【0012】
【作用】請求項1にかかるパターンマッチング装置で
は、モデルパターンの各構成画素のうち濃度データの2
次微分値の絶対値が所定のしきい値を越える画素のみを
パターンマッチングの対象画素とするので、パターンマ
ッチングの対象画素を効率的に削減できる。これにより
相関演算の計算量が減少し、処理時間が短縮される。
【0013】請求項2にかかるパターンマンチング装置
では、モデルパターンの各構成画素のうち濃度データの
2次微分値の絶対値が所定のしきい値を越える画素のみ
を選択した上で、さらに選択された画素を一定割合で間
引き処理してパターンマッチングの対象画素とするの
で、パターンマッチングの対象画素を一層削減できる。
これにより相関演算の計算量の大幅な減少と処理時間の
大幅な短縮とが実現される。
【0014】請求項3にかかるパターンマッチング装置
では、前記の2次微分値が正の値をとる画素と負の値を
とる画素とを同じ割合で間引き処理してパターンマッチ
ングの対象画素を選定するので、パターンマッチングの
精度を低下させずに間引き処理が可能である。
【0015】請求項4にかかるパターンマッチング装置
では、複数個の指定画素位置から最小距離にある画素を
抽出することにより選択された画素を間引き処理してパ
ターンマッチングの対象画素を選定するので、パターン
マッチングの対象画素を任意の指定画素位置数に設定で
きる。
【0016】請求項5にかかるパターンマッチング装置
では、複数個の指定位置から最小距離にある画素を前記
2次微分値が正の値をとる画素と負の値をとる画素とを
同数ずつ抽出することにより選択された画素を間引き処
理してパターンマッチングの対象画素を選定するので、
パターンマッチングの精度を低下させずにパターンマッ
チングの対象画素を任意の指定画素位置数に設定でき
る。
【0017】
【実施例】図1および図2は、この発明の第1実施例の
原理説明図である。図1(1)は、対象物のモデル(こ
の場合、文字「A」)を撮像して得られたモデルパター
ン1を示す。同図中、3が文字Aの画像部分、4が背景
の画像部分であり、この例では文字Aの画像部分3が白
く、背景の画像部分4が黒い。
【0018】このモデルパターン1のある水平ライン6
に沿う各画素の濃度データ(0〜255階調)を図で表
すと、図2(1)に示すとおりである。また各画素の濃
度データを微分した値は図2(2)に示すとおりであ
り、さらにその2次微分値は図2(3)に示すとおりで
ある。また、この2次微分値の絶対値は図2(4)に示
すような形となる。
【0019】この実施例では、各画素の2次微分値の絶
対値が所定のしきい値THと比較され、このしきい値T
Hより大きな値をとる画素がパターンマッチングの対象
画素として選択されることになる。
【0020】図2(5)は前記しきい値THにより2値
化された2値化データ、すなわちパターンマッチングの
対象画素の範囲を示しており、前記2値化データにより
モデルパターン1の濃度データをサンプリングすると、
図2(6)のようなサンプリングデータが得られる。な
お図1(2)はこのようにしてサンプリングされた濃度
データより成る濃淡画像5を示すもので、サンプリング
された濃度データには文字Aの画像部分3についての濃
度データ、すなわちエッジの内側近傍の画素の濃度デー
タと背景の画像部分4についての濃度データ、すなわち
エッジの外側近傍の画素の濃度データとが同程度に含ま
れる。
【0021】前記モデルパターン1により入力画像を1
画素ずつ全画面にわたり走査し、走査位置毎に前記2値
化データによりサンプリングされたモデルパターン1の
濃度データと、2値化データによりサンプリングされた
入力画像の濃度データとの間で相関演算を行い、その相
関値が最大となるモデルパターン1の走査位置から対象
物の位置が求められる。
【0022】図3は、上記原理に基づく第1実施例の回
路構成例を示す。図示例の装置は、カメラ10と濃淡画
像処理部11とモニタ12とで構成され、濃淡画像処理
部11はA/D変換器13,微分計測部14,LUT1
5,画像メモリ16,17,2値メモリ18,表示制御
部19,D/A変換器20,制御部21などを含んでい
る。
【0023】前記A/D変換器13はカメラ10より濃
淡画像のアナログ信号を入力してディジタル信号に変換
する。このディジタル信号を構成する各画素の濃度デー
タは例えば256階調のいずれか値をとる。対象物のモ
デルを撮像して得られた濃淡画像は、A/D変換器13
を経て微分計測部14に入力されると共に、モデルパタ
ーン1として一方の画像メモリ16に格納される。また
計測対象物を撮像して得られた入力画像は、A/D変換
器13を経て他方の画像メモリ17に格納される。各画
像メモリ16,17は濃度データを画素単位で記憶す
る。
【0024】前記微分計測部14は、各画素の濃度デー
タを2次微分して、その2値微分値の絶対値をとる。L
UT15は微分計測部14より与えられる各画素の2次
微分値の絶対値を所定のしきい値THで2値化するため
のもので、2次微分値の絶対値がアドレスとしてLUT
15に与えられると、対応するアドレス領域より2値化
データが出力される。この2値化データは2値メモリ1
8に画素単位で格納される。
【0025】前記表示制御部19はモニタ12の画像表
示動作を制御するためのもので、モデルや計測対象物に
ついての濃淡画像信号や2値化データを入力してそのい
ずれかをD/A変換器20へ出力する。D/A変換器2
0は入力信号をアナログ信号に変換してモニタ12へ出
力する。
【0026】前記制御部21は、制御・演算の主体であ
るCPU22と、プログラムが格納されるROM23
と、各種データを記憶させるRAM24とを含む。前記
CPU22はプログラムに従い装置全体の動作を制御
し、画像メモリ16,17,2値メモリ18,RAM2
4に対するデータの読み書きを行いつつ、パターンマッ
チングに関わる各種演算や処理を実行する。
【0027】図4は、パターンマッチングの対象画素を
選択するための処理の流れをステップ1〜ステップ5
(図中、各ステップは「ST」で示す)で示す。
【0028】同図のステップ1で、CPU22はLUT
15の各アドレス領域に2値化処理のための2値データ
を設定する。ステップ2でカメラ10により対象物のモ
デルが撮像されると、その濃淡画像は濃淡画像処理部1
1に取り込まれ、モデルパターンとして画像メモリ16
に格納されると共に、微分計測部14により前記2次微
分値の絶対値が算出される(ステップ3)。各画素の2
次微分値の絶対値がアドレスとしてLUT15に与えら
れると、LUT15は該当するアドレス領域より2値化
データを出力する(ステップ4)。この2値化データは
2値メモリ18に画素単位で格納される(ステップ
5)。
【0029】図5は、前記CPU22によるパターンマ
ッチングの制御手順をステップ1〜ステップ17で示
す。同図のステップ1でCPU22はRAM24のワー
クエリアの内容をクリアして初期化した後、計測対象物
を撮像して得られた入力画像を濃淡画像処理部11に取
り込み、A/D変換後に画像メモリ17に格納する(ス
テップ2,3)。
【0030】つぎのステップ4でモデルパターン1の走
査位置Pj を計数するCPU22の内部のカウンタjを
ゼロに設定して、モデルパターン1を入力画像上の最初
の走査位置P0 (X0 ,Y0 )に設定する。つぎのステ
ップ5でCPU22はモデルパターン1における画素位
置を計数するためのカウンタiをゼロに設定した後、つ
ぎのステップ6でCPU22は2値メモリ18を参照し
てモデルパターン1における最初の画素位置(x0 ,y
0 )の2値化データを読み取る。
【0031】もしその2値化データが「1」であれば、
ステップ7の判定が「YES」となってステップ8へ進
み、CPU22は最初の画素位置(x0 ,y0 )のモデ
ルパターン1の濃度データMi と、入力画像の対応する
画素位置の濃度データIi とを各画像メモリ16,17
より読み出し、つぎのステップ9で前記した式におけ
るIi ・Mi ,Ii 2 ・Mi 2 を算出する。
【0032】つぎにCPU22は、ステップ9の算出値
を用いて累積加算値ΣIi ・Mi ,ΣIi ・ΣMi ,Σ
i 2 ,(ΣIi 2 ,ΣMi 2 ,(ΣMi 2 を算出
してRAM24のワークエリアに記憶させる(ステップ
10)。もし前記のステップ7において、2値化データ
が「0」であると判定されたとき、ステップ8〜10は
スキップされて前記の演算が省略される。
【0033】つぎのステップ11では、CPU22は前
記カウンタiの値がモデルパターン1の総画素数に達し
たか否かを判定しており、その判定が「NO」であれ
ば、ステップ12でカウンタiの値をインクリメント
し、CPU22はモデルパターン1におけるつぎの画素
位置(x1 ,y1 )の2値化データを読み取り、前記と
同様の手順を実行する。
【0034】モデルパターン1における全ての画素位置
について上記手順が繰り返し実行されると、ステップ1
1の判定が「YES」となり、つぎのステップ13でC
PU22はステップ10の算出値を用いて(1) 式の演算
を実行し、最初の走査位置(X0 ,Y0 )での相関値r
2 (X0 ,Y0 )を算出する。
【0035】つぎのステップ14では、CPU22はそ
の相関値r2 (X0 ,Y0 )と相関値の最大値とを比較
する。この場合、相関値の最大値はゼロに初期設定され
ているから、ステップ14の判定は「YES」となり、
ステップ15で前記相関値r2 (X0 ,Y0 )を相関値
の最大値としてRAM24に記憶させ、さらにステップ
16で走査位置P0 の座標(X0 ,Y0 )を対象物の位
置(X´,Y´)としてRAM24に記憶させる。な
お、もしステップ14の判定が「NO」であれば、ステ
ップ15,16はスキップされ、相関値の最大値は更新
されない。
【0036】つぎのステップ17では、モデルパターン
1の走査位置Pi が最終位置に達したか否かをカウンタ
jの値により判定しており、この場合、その判定は「N
O」であるから、CPU22はステップ18でカウンタ
jをインクリメントして、モデルパターン1を入力画像
上のつぎの走査位置P1 (X1 ,Y1 )に設定し、上記
と同様の手順を実行する。
【0037】このようにして入力画像の全画面をモデル
パターン1により走査しつつ全ての走査位置Pj で上記
手順を実行することにより相関値が最大となる走査位置
jの座標(X´,Y´)が得られ、ステップ17の判
定が「YES」になったとき、CPU22はパターンマ
ッチングを終了させる。
【0038】なお上記実施例では、2値メモリ18の内
容を参照し、2値化データが「1」のときモデルパター
ン1の濃度データMi をその都度画像メモリ16より読
み出しているが、パターンマッチングに先立ち、2値化
データが「1」のモデルパターン1における画素の濃度
データMi を画素位置の座標(xi ,yi )とともにR
AM24などにテーブル化して記憶させておいてもよ
い。
【0039】図6は、この発明の第2実施例についての
原理説明図である。図6(1)は、対象物のモデル(こ
の場合、リング体)を上方より撮像して得られたモデル
パターン1を示したもので、同図中、31がリング体の
画像部分、32が背景の画像部分である。
【0040】また図6(2)には、上記した第1実施例
と同様の方法で選択された各画素(以下、「選択画素」
という)の濃度データにより生成される濃淡画像33が
示してあり、この濃淡画像33を構成する各選択画素の
濃度データは、図7に示すように、画素位置(xk ,y
k )と共にRAM24にテーブル化して記憶させてあ
る。なお図7に示す選択テーブルTB1において、符号
k は前記の2次微分値が正値であるか、負値であるか
を示すものであり、例えば正値であれば「1」が、負値
であれば「0」が、それぞれ記憶させてある。
【0041】この実施例では、これら選択画素を一定割
合で間引き処理してパターンマッチングの対象画素を選
定するものであり、図6(3)には、この間引き処理に
より選定された各画素(以下、「選定画素」という)の
濃度データにより生成される濃淡画像34が示してあ
る。
【0042】図8は、CPU22による間引き処理の制
御手順をステップ1〜ステップ12で示す。なお第2実
施例および後記する第3実施例の回路構成は第1実施例
(図3)と同様であり、図示および説明を省略する。図
8のステップ1で間引き間隔qが入力されると、つぎの
ステップ2でCPU22は内部の各カウンタk,k+
- をゼロにセットした後、つぎのステップ3で0番目
(k=0)の選択画素の符号H0 をRAM24の前記選
択テーブルTBより読み取る。なお前記カウンタkは選
択画素の番号を計数し、カウンタk+は2次微分値が正
の値をとる選択画素の個数を計数し、カウンタk- は2
次微分値が負の値をとる選択画素の個数を計数するため
のものである。
【0043】もし前記符号H0 が「1」であれば、ステ
ップ4の判定が「YES」となり、CPU22はステッ
プ5でカウンタk+ をインクリメントし、続くステップ
6で前記カウンタk+ の値を間引き間隔qを割って、そ
の余りを求める。この場合、余りはゼロであるから、ス
テップ7の判定が「YES」となり、CPU22はステ
ップ8で0番目の選択画素についてのデータをそのまま
選択テーブルTB1に保存する。もし仮にq=5,k+
=7であるような場合は、余りが出るから、ステップ7
の判定が「NO」となり、CPU22はステップ9でそ
の選択画素についてのデータをテーブルTBより削除す
ることになる。
【0044】前記ステップ4において、もし0番目の選
択画素の前記符号H0 が「0」であれば、ステップ4の
判定が「NO」となり、CPU22はステップ10でカ
ウンタk- をインクリメントし、続くステップ11で前
記カウンタk- の値を間引き間隔qを割って、その余り
を求める。この場合、余りはゼロであるから、ステップ
12の判定が「YES」となり、CPU22はステップ
8で0番目の選択画素についてのデータをそのまま選択
テーブルTB1に保存する。もし仮に余りがゼロでない
場合は、ステップ12の判定が「NO」となり、CPU
22はステップ9でその選択画素についてのデータを選
択テーブルTB1より削除することになる。
【0045】つぎのステップ13では、CPU22は前
記カウンタkの値が選択画素の総数Nに達したか否かを
判定しており、この場合、その判定が「NO」であるか
ら、CPU22はステップ14でカウンタkの値をイン
クリメントして、つぎの選択画素の符号H1 をRAM2
4の選択テーブルTB1より読み取り、前記と同様の手
順を実行して、間引き処理を継続する。全ての選択画素
について上記手順が繰り返し実行されると、ステップ1
3の判定が「YES」となり、CPU22は間引き処理
を終了させる。
【0046】図9は、この発明の第3実施例についての
原理説明図である。図9(1)は、対象物のモデル(こ
の場合、円筒体)を上方より撮像して得られたモデルパ
ターン1を示したもので、同図中、41が円筒体の画像
部分、42が背景の画像部分である。
【0047】また図9(2)には、上記した第1,第2
の実施例と同様の方法で選択された各選択画素の濃度デ
ータにより生成される濃淡画像43が示してあり、この
濃淡画像43を構成する各選択画素の濃度データは、前
記の図7に示すように、画素位置(xk ,yk )と共に
RAM24にテーブル化して記憶させてある。
【0048】この実施例では、図9(3)に示すよう
に、選択画素のうち、複数個の指定画素位置Q1 〜Q16
(ただし図示例ではQ1 〜Q8 とQ9 〜Q16とは同じ画
素位置である)から最小距離にある画素を、2次微分値
が正の値をとる画素S1 〜S8と、負の値をとる画素S
9 〜S16とを同数ずつ抽出することにより間引き処理を
行ってパターンマッチングの対象画素を選定し、その選
定された画素(以下、「選定画素」という)についての
データを図10に示すように、RAM24にテーブル化
して記憶させてある。なお各指定画素位置の座標はキー
ボードなどの入力装置を用いて入力することは勿論であ
る。
【0049】図10に示す選定テーブルTB2におい
て、(xQt, Qt)は各指定画素位置Q1 〜Q16の座
標、(xMt, Mt)は各指定画素位置Q1 〜Q16から最
小距離Lt にある選定画素の位置S1 〜S16の座標であ
る。
【0050】図11は、CPU22による上記間引き処
理の制御手順をステップ1〜ステップ18で示す。同図
のステップ1では、CPU22は選択画素の番号を計数
するための内部のカウンタkをゼロにセットして、前記
選択テーブルTB1より0番目の選択画素の画素位置
(x0 ,y0 )および符号H0 を読み取る。
【0051】つぎのステップ2では、CPU22は前記
符号H0 が「1」か否かを判定しており、もしその判定
が「YES」であれば、CPU22はステップ3で前記
選定テーブルTB2における選択画素の番号を計数する
ための内部のカウンタtを「1」にセットして、1番目
の指定画素位置Q1 (xQ1,yQ1)と0番目の選択画素
の位置(x0 ,y0 )との間の距離Lをつぎの一般式に
より算出する(ステップ4)。
【0052】
【数2】
【0053】つぎにCPU22はステップ5で前記距離
Lと指定画素位置Q1 からの最小距離L1 とを大小比較
するが、前記最小距離L1 は十分に大きな任意の値に初
期設定してあるので、ステップ5の判定は「YES」と
なり、CPU22はつぎのステップ6で前記距離Lを最
小距離L1 として選定テーブルTB2の内容を書き換え
ると共に、前記選択画素の画素位置(x0 ,y0 )を選
定画素の画素位置(xM1, M1)として選定テーブルT
B2に書き込む。
【0054】つぎにステップ8でCPU22は、前記カ
ウンタtの値を「2」にインクリメントするが、この場
合、つぎのステップ9の「t≦8」の判定は「YES」
であるからステップ4へ戻り、第2番目の指定画素位置
2 (xQ2,yQ2)と0番目の選択画素の位置(x0
0 )との間の距離Lを算出して、その距離Lと最小距
離L2 とを大小比較する(ステップ4,5)。
【0055】同様の手順をステップ9の判定が「NO」
となるまで繰り返し実行するもので、ステップ9が「N
O」となったとき、CPU22はステップ17でカウン
タkの値を「1」にインクリメントして、前記選択テー
ブルTB1よりつぎの選択画素の画素位置(x1
1 )および符号H1 を読み取ることになる。
【0056】前記のステップ2において、もしその判定
が「NO」であれば、CPU22はステップ10でカウ
ンタtを「9」にセットして、9番目の指定画素位置Q
9 (xQ9,yQ9)と前記選択画素の位置との間の距離L
を前記の(2) 式により算出する(ステップ11)。
【0057】つぎにCPU22はステップ5で距離Lと
9番目の指定画素位置Q9 からの最小距離L9 とを大小
比較するが、前記最小距離L9 は十分に大きな任意の値
に初期設定してあるので、ステップ12の判定は「YE
S」となり、CPU22はつぎのステップ13で前記距
離Lを最小距離L9 として選定テーブルTB2の内容を
書き換えると共に、前記選択画素の画素位置(x0 ,y
0 )を選定画素の画素位置(xM9, M9)として選定テ
ーブルTB2に書き込む(ステップ14)。
【0058】つぎにステップ15でCPU22は、前記
カウンタtの値を「10」にインクリメントするが、こ
の場合、つぎのステップ9の「t≦16」の判定は「Y
ES」であるからステップ11へ戻り、10番目の指定
画素位置Q10(xQ10 ,yQ10 )と前記選択画素の位置
との間の距離Lを算出して、その距離Lと最小距離L10
とを大小比較する(ステップ12)。
【0059】同様の手順をステップ16の判定が「N
O」となるまで繰り返し実行するもので、ステップ16
が「NO」となったとき、CPU22はステップ17で
カウンタkの値を「1」にインクリメントして、前記選
択テーブルTB1よりつぎの選択画素の画素位置
(x1 ,y1 )および符号H1 を読み取ることになる。
【0060】このようにして全ての選択画素の画素位置
(xk ,yk )と指定画素位置Q1〜Q8 またはQ9
16との間の距離Lを算出しつつ各指定画素位置から最
小距離L1 〜L16にある選択画素を抽出するもので、ス
テップ18の判定が「NO」になったとき、CPU22
は間引き処理を終了させる。
【0061】
【発明の効果】この発明は上記のように、モデルパター
ンの各構成画素のうち濃度データの2次微分値の絶対値
が所定のしきい値を越える画素のみをパターンマチング
の対象画素として選択するから、パターンマッチングの
対象画素を効率的に削減でき、相関演算の計算量の減少
および処理時間の短縮を実現できる。
【0062】また請求項2の発明では、選択された画素
をさらに一定割合で間引き処理してパターンマッチング
の対象画素を選定するから、パターンマッチングの対象
画素を一層削減でき、相関演算の計算量の大幅な減少と
処理時間の大幅な短縮とを実現できる。
【0063】さらに請求項3の発明では、前記の2次微
分値が正の値をとる画素と負の値をとる画素とを同じ割
合で間引き処理してパターンマッチングの対象画素を選
定するから、パターンマッチングの精度を低下させずに
間引き処理が可能である。
【0064】さらにまた請求項4の発明では、複数個の
指定画素位置から最小距離にある画素を抽出することに
より選択された画素を間引き処理してパターンマッチン
グの対象画素を選定するから、パターンマッチングの対
象画素を任意の指定画素位置数に絞ることができる。
【0065】さらにまた請求項5の発明では、複数個の
指定位置から最小距離にある画素を前記2次微分値が正
の値をとる画素と負の値をとる画素とを同数ずつ抽出す
ることにより選択された画素を間引き処理してパターン
マッチングの対象画素を選定するから、パターンマッチ
ングの精度を低下させずにパターンマッチングの対象画
素を任意の指定画素位置数に絞ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例についての原理説明図で
ある。
【図2】この発明の第1実施例についての原理説明図で
ある。
【図3】この発明の一実施例であるパターンマッチング
装置の回路構成例を示すブロック図である。
【図4】パターンマッチングの対象画素を選択する処理
の流れを示すフローチャートである。
【図5】第1実施例についてのCPUによるパターンマ
ッチングの制御手順を示すフローチャートである。
【図6】この発明の第2実施例についての原理説明図で
ある。
【図7】選択テーブルの内容を示す説明図である。
【図8】第2実施例についてのCPUによる間引き処理
の制御手順を示すフローチャートである。
【図9】この発明の第3実施例についての原理説明図で
ある。
【図10】選定テーブルを内容を示す説明図である。
【図11】第3実施例についてのCPUによる間引き処
理の制御手順を示すフローチャートである。
【図12】従来の正規化相関濃淡マッチング法を示す説
明図である。
【符号の説明】
10 カメラ 11 濃淡画像処理部 14 微分計測部 15 LUT 21 制御部 22 CPU 23 ROM 24 RAM

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象物のモデルパターンを用いて入力さ
    れた濃淡画像のパターンマッチングを行う装置におい
    て、 モデルパターンの各構成画素の濃度データを2次微分し
    て得られた値の絶対値が所定のしきい値を越える画素を
    パターンマッチングの対象画素として選択する画素選択
    手段を備えて成る濃淡画像のパターンマッチング装置。
  2. 【請求項2】 対象物のモデルパターンを用いて入力さ
    れた濃淡画像のパターンマッチングを行う装置におい
    て、 モデルパターンの各構成画素の濃度データを2次微分し
    て得られた値の絶対値が所定のしきい値を越える画素を
    選択する画素選択手段と、 前記画素選択手段で選択された画素を一定割合で間引き
    処理してパターンマッチングの対象画素を選定する間引
    処理手段とを備えて成る濃淡画像のパターンマッチング
    装置。
  3. 【請求項3】 前記間引処理手段は、前記の2次微分値
    が正の値をとる画素と負の値をとる画素とを同じ割合で
    間引き処理してパターンマッチングの対象画素を選定す
    る手段である請求項2に記載された濃淡画像のパターン
    マッチング装置。
  4. 【請求項4】 前記間引処理手段は、複数個の指定画素
    位置から最小距離にある画素を抽出することにより前記
    画素選択手段で選択された画素を間引き処理してパター
    ンマッチングの対象画素を選定する手段である請求項2
    に記載された濃淡画像のパターンマッチング装置。
  5. 【請求項5】 前記間引処理手段は、複数個の指定画素
    位置から最小距離にある画素を前記の2次微分値が正の
    値をとる画素と負の値をとる画素とを同数ずつ抽出する
    ことにより前記画素選択手段で選択された画素を間引き
    処理してパターンマッチングの対象画素を選定する手段
    である請求項2または4に記載された濃淡画像のパター
    ンマッチング装置。
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