JPH0645907B2 - 電解重合膜の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は電解重合法による電解重合膜の製造方法に係る
ものであり、本発明により得られる独立膜は各種有機半
導体デバイス（ダイオード，トランジスタ，太陽電池
等），各種電気電子部品（抵抗器，電池等）の分野に利
用される。

従来の技術 電解重合法は電解液中に種々のモノマーを配合し、電圧
を印加することにより、電極上に膜状ポリマーを生成さ
せる方法である。更にこの膜を用いて各種デバイスや部
品を製作する場合には、従来から一方の電極として電解
重合時に用いた電極がそのまま用いられる方法、即ちポ
リマー膜を電極付きの界面膜として応用する方法が採ら
れてきた。

発明が解決しようとする問題点 しかるに、かような界面膜を用いる方法では、電解重合
時の最適電極材とデバイス，部品等の最適電極材が必ず
しも一致せず、良好な電解重合時の材料選択，条件で良
好なデバイス，部品特性を得ることが困難である。又、
電気付着膜は特に電極側部品の洗滌，乾燥等も困難であ
る。

上記の問題点は従来の界面膜法を独立膜法化することに
より解決可能であるが、膜は電極上に密着しており、例
え電極と共に異溶媒中に投入しても、はく離，分離し難
く、更に機械的にはく離操作を行うと膜が破壊すること
が多い。このため、特に５０ミクロン未満の膜厚のもの
は大変強度が低く、速やかで且つ工業的なはく離，分離
操作は不可能であり、独立膜の連続製膜法の発展を困難
ならしめている。

問題点を解決するための手段 本発明者は電解重合膜の電極からのはく離に関し、種々
実験研究の結果、電解重合に際して、電解液中にこの電
解液を構成する物質とは反応しない各種の油類を添加し
ておくことにより、電極から５０ミクロン未満の膜のは
く離，分離が極めて良好になることを確認した。

作用 これは電解重合時に電極表面上に、薄い油膜が形成さ
れ、且つこの油膜は何ら電解重合時に重合反応即ち膜形
成に支障をきたさず、膜特性も油膜のないものと同等な
値のものを得ることが可能であることを合せて確認し
た。尚上記の油類には、鉱物油類，アルキルベンゼン
油，ジアリールエタン油，アルキルナフタレン油，メチ
ルシリコン油，フェニルシリコン油，硅酸エステル油，
フタル酸エステル油，脂肪酸エステル油，リン酸エステ
ル油等の合成油類，大豆油，アマニ油等の植物油類，ポ
リエチレングライコール油，ポリプロピレングライコー
ル油等の親水性油類等があり、電解液中には、生成膜の
種類，電解液への溶解性等を考慮して選択し、添加す
る。

実施例 前述した様に本発明の油類は電極面と生成膜間に薄い油
膜層が形成するために、異溶媒中に投入するだけで膜が
はく離，分離して、独立膜となるものや異溶媒に投入し
なくても膜の損傷なく機械的に分離可能となるものが多
い。特に、従来の方法では損傷のひどかった５０ミクロ
ン未満の膜厚の独立膜を容易に形成できる。このためそ
の効果は極めて大きく、速やかで且つ工業的な独立膜形
成法が達成されるし、連続法も可能である。

次表に実施例を示す。

発明の効果 以上のように本発明の電解重合膜の製造方法によれば、
電極から５０ミクロン未満の膜のはく離，分離が極めて
良好になり、且つ膜の加工性も良好となり、その産業的
価値は大なるものである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電解液組成物中に、この電解液組成物とは
   非反応性の油類を添加し電解重合を行うことを特徴とす
   る膜厚５０ミクロン未満の電解重合膜の製造方法。