JPH064541B2 - 止血用薬剤組成物 - Google Patents

止血用薬剤組成物

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JPH064541B2
JPH064541B2 JP59130204A JP13020484A JPH064541B2 JP H064541 B2 JPH064541 B2 JP H064541B2 JP 59130204 A JP59130204 A JP 59130204A JP 13020484 A JP13020484 A JP 13020484A JP H064541 B2 JPH064541 B2 JP H064541B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の分野) この発明は哺乳動物における血友病的出血の制御に関す
る。さらに詳しくは、この発明は燐脂質とファクターX
aとの相乗的混合物を用いるファクターVIII:Cバイ
パス法によるファクターVIII:C欠乏患者の医薬的処
置に関する。
(発明の背景) 古典的な血友病(classic hemophilia)Aは、伴性劣性
遺伝的血液疾患であり、この場合血液凝固の連鎖の過程
に要求される特定の凝固因子(蛋白質)の活性が低下し
ており、又は欠損している。男性人工10,000人におよそ
1人が血友病に罹患する。血友病は深刻な出血性疾患を
もたらし、そして臨床的に最も頻繁に遭遇する凝固疾患
である。およそ1965年以来、正常な供血者の輸血可能な
血液から得られた特異的凝固因子代替生成物が入手でき
るようになったため、罹患した個体の予後は相当に改善
されてきている。これらの生成物は最も一般に欠損して
いる因子、すなわちファクターVIIIを濃縮された形で
含有する。しかしながら不都合なことに、治療を受けた
すべての血友病患者の約10%において輸血されたファ
クターVIII:Cに対する抗体が出現し、そしてこの方
法による治療ができなくなる。この発明は、このような
抗体感作された血友病患者の治療及び管理のための方法
を提供することを目的とする。
(従来技術) 従来、ファクターVIII:Cに対する抗体を有する血友
病患者は、種々の療法により管理されていたが、いずれ
の療法も満足できるものではなかった。免疫制御療法の
使用は完全には満足すべきものではなく、そしてこれに
は罹患率の増加が伴う。他の、すなわち豚又は牛に由来
するファクターVIII:Cの使用は効果的な代替法であ
ることが示されたが、しかし外来性抗体の出現のために
大きな副作用が伴うであろう。最近、プロスロンビン複
合体濃縮物(PCC)の使用に大きな関心が示された。
後にさらに詳細に記載するように、血液の凝固は、循環
している不活性凝固因子(チモゲン)が蛋白質分解酵素
に転換される活性化段階の連鎖により生ずる。この連鎖
の最終生成物がスロンビン(IIa)であり、このものが
ゾル蛋白質であるフィブリノーゲンをそのゲル形である
フィブリンに転換する。最近の研究は、ファクターVII
I:Cが蛋白質分解酵素ではなく、ファクターIXaがファ
クターXをXaに活性化する場合の活性化段階の有効な
コーファクターであることを証明した。古典的血友病A
においては、このコーファクター活性が低下し又は欠落
しているため、他のすべての凝固因子が正常なレベルで
存在する場合でもファクターXの有意な活性化が生じな
い。上に記載したように、ファクターVIII:C濃縮物
の輸注によりこの異状を矯正することができ、そして同
様の濃縮物がファクターIXの先天的不足のために開発
されている。これらの濃縮物は、有意量の他の凝固因
子、すなわちX、VII及びII(プロスロンビン)を含有
する点においてファクターVIII:Cのそれと異なる。
さらに、すべての濃縮物はこれらの凝固因子の活性化生
成物、すなわちIXa、Xa、VIIa及びIIa(スロン
ビン)の痕跡の混入物を含有するのが一般的である。フ
ァクターIXは例外として、その他の3種類の凝固因子
は、連鎖中で、臨界的に重要なファクターVIII:C依
存段階の下方に位置することが注目されよう。これらの
濃縮物は、あらかじめ活性化された生成物を提供するこ
とにより、ファクターVIII:Cに対する抗体の出現に
よりファクターVIII:C補完が不可能となった血友病
患者において、ファクターVIII:Cバイパス活性(FEB
A)を達成すると仮定されている。最初の逸話的な臨床
報告は将来有望のようであったが、決して同意は得られ
なかった。この同意の欠除は、際も臨界的である構成凝
固因子の不確実さと関連する。使用される生成物には2
つのタイプがある。第一の生成物は「非活性化」PCC
として知られており、そしてそれが含有している凝固因
子の不足を補完するために特に開発された生成物であ
る。このような患者においては、血栓塞栓症の副作用の
ために活性化された凝固因子を輸注することは望ましく
ないと考えられる。従って、分画工程において、すべて
の生成物が幾分含有するとしても、活性化された凝固因
子含量を最小にする試みが行われる。活性化された凝固
因子含有物が阻害物質を伴う血友病患者の治療における
推定上の薬剤であると考えられたから、若干の製造者
は、この目的のためにPCC製品を意識的に活性化し
た。これらは「活性化」PCCとして知られている。最
近の臨床的試行により、非活性化PCCの使用は偽薬に
比べて有利であるが、その反応は阻害物質を伴わない血
友病患者における常用のファクターVIII:C補完から
期待される反応に比べて最適より低いことが確認され
た。同様の研究により、同じ製造者により製造された非
活性化PCCを用いる治療と活性化PCCを用いる治療
が比較された。活性化製品について重要でない利点が認
められた。これにもかかわらず、反応は最適以下であ
り、そして製品中の効果に寄与する特異成分についての
明確な指標が欠けており、同じと見られる生成物の個々
の製造ロットのロット間の再現性を確保することは不可
能である。結果として、このアプローチの有効性につい
ての一般的な合意は存在しない。
“Blood”V.59,401〜407頁、1982年2月,Giles等
は、プロスロンビン複合体濃縮物の生体内血栓形成性
(thrombgenicity)がその濃縮物のそれぞれの凝固活性
燐脂質の含有量と高度に関連することを証明した。しか
しながら、この成物は単独では血栓形成性を有さず、フ
ァクターXaの存在を必要とした。高投与量において、
後者は単独で血栓形成性を有したが、この活性は少量の
凝固活性燐脂質の存在により劇的に増加した。これらの
2種類の成分の組合わせによりプロスロンビン複合体濃
縮物の使用と関連する血栓形成性が説明されることが示
唆され、そしてこ血栓形性効果を、高度に精製されたフ
ァクターXaとホスファチジルコリン−ホスファチジル
セリン(PCPS)脂質小胞との組合わせにより模倣するこ
とができる証拠がもたらされた。このことは、十分に特
定されていない蛋白質/脂質成分を使用したBarton等、
Journal of Lipid Research V.11,87頁、1970,の知
見を確認するものである。
(発明の要約) 第1図から明らかなように、ファクターXaの存在は単
独でファクターVIII:Cの要求をバイパスする。これ
は試験管内の場合であるが、生体内においては多数の阻
害過程の存在が、ファクターVIII:Cバイパス活性の
達成におけるその使用を複雑化する。このファクターと
PCPS小胞の形での凝固活性燐脂質との組合せが、おそら
くファクターXaと血小板燐脂質との間の正常な相互作
用を模倣することにより、生体内において明白な相乗活
性を発揮する。体重kg当りファクターXaの最少投与量
が要求される点、及び燐脂質の投与量が許容されない毒
性(血栓形成性)を回避するために限定されなければな
らない点において、各成分の投与量は臨界的であること
が明らかにされた。
従って、この発明の1つの観点によれば、出血を止める
のにちょうど十分な相対比率及び量において、燐脂質小
胞(phorpholipid vesicles)と哺乳動物ファクターX
aとの相乗的混合物を哺乳動物に静脈内投与することを
含んで成る哺乳動物の血友病を制御する方法が提供され
る。
この発明の他の観点によれば、燐脂質小胞及び哺乳動物
血ファクターXaの出血を止めるのにちょうど十分な相
対比率における相乗的混合物を含んで成る哺乳動物にお
ける血友病の治療のための薬剤組成物が提供される。
(発明の詳細な記載) 第1図に示すように、血液凝固は、循環している不活性
凝固因子が蛋白質分解酵素に転換される一連の活性化段
階により行われる。この連鎖の最終生成物はスロンビン
(IIa)であり、このものはゾル蛋白質であるフィブリ
ノーゲンをそのゲル形であるフィブリンに転換し、この
フィブリンが血液凝固の基本成分である。ファクターV
III:Cは蛋白質分解酵素ではなく、ファクターIXa
がファクターXをXaに活性化する活性化段階の有効な
コーファクターである。確かに、ファクターVIII:C
は律速因子であり、このものが欠損又は減少した場合、
他のすべての凝固因子が正常なレベルで存在しても、フ
ァクターXのファクターXaへの活性化が停止し又は減
少する。プロスロンビン(ファクターII)のスロンビン
(ファクターIIa)への転換に必要なファクターXa、
ファクターV及びカルシウムの複合体が、血小板により
提供される燐脂質表面上に集まることが知られている。
PCPS小胞と組合された高度に精製されたファクターXa
の相乗的効果がこの生理的現象との密接な類似性をもた
らすことが提案される。この複合体のその他の成分、す
なわちファクターV及びイオン化カルシウムは、ファク
ターVIII:Cの存否には影響されず、受領者の血液中
にすでに存在する。2成分、すなわちファクターXa及
びPCPS小胞の生体内における真の相乗性が研究により証
明された。同一の終点、すなわちスロンビンの生成を達
成するためにファクターXaの投与量の減少がPCPSの投
与量の増加により融通され、そしてこの逆も成立する。
しかしながら、スロンピンは生体内において多数の機能
を有し、そしてこれらの幾つかは相互に拮抗的である。
第1図に示すように、スロンビンはフィブリノーゲンの
フィブリンへの転換のため必要な蛋白質分解酵素であ
る。スロンビンが、有効な抗凝固物質であるビタミンK
依存性蛋白質、すなわちプロテインCを活性化するのに
必要であることもまた知られている。この抗凝固効果
は、臨界的に重要なコーファクターである。ファクター
VIII:C及びVの不活性化により達成される。このも
のはまた、フィブリン分解機構、すなわちスロンピンに
よるフィブリノーゲンの転換によって形成されたフィブ
リンを除去するために機能する機構に対して有意な制御
を行うことも明らかである。活性化されたプロテンイン
Cはその抗凝固効果を発揮するために燐脂質表面を必要
とすることが示された。従って、止血を達成するため
に、ファクターVIII:Cバイパス効果はファクターX
aとPCPSの臨界的投与比率を要求する。これは、投与量
/kg体重を基準に計算される。ファクターXaの投与量
は臨界的である。所定量より多い場合には許容できない
毒性(血栓形成)が生じ、他方一定レベルより少い場合
には、おそらくは活性化されたプロテインCの抗凝固効
果に寄与する燐脂質が相対的に過剰となるために、正常
動物、すなわちVIII:Cを十分に有する動物におい
て、出血傾向が生ずる。
ファクターXaは、正常な供血者からの血漿を分画して
前駆体チモゲンファクターXを得、これを公知の方法
(Bajaj等、J.Biol.Chem.248:7729,1973;Downin
g等、J.Biol.Chem.250:8897,1974)により活性化
することにより得られる。ファクターXaは50%グリ
セリン中-20℃において無期限に貯蔵することができ
る。投与形におけるファクターXaの量は非常に少な
く、そして常法の療法を準備するために数千人が必要で
あるのに対して、非常に多人数の血友病患者に十分な量
が少人数の供血者から得られる。このことは自明の経済
的利点とは別に明確な利点である。感染の突然の伝播
は、血友病患者のごとき患者における、多数の輸注の実
施における主要な災害である。肝炎及び後天性免疫不全
症候群が主要な問題である。必要とされる供血者の数を
限定することによって、これらの問題について注意深い
選別を行うことができ、これによって危険が、除去され
ないにしても、劇的に低下するであろう。さらに、精製
されたファクターXaは、現在使用されている多くの血
液製品と異なり、比較的容易に殺菌することができ、そ
してファクターVIII:Cに比べて相対的に安定であ
り、このため複雑な病院設備を使用することができない
地域において使用するのにより適当である。
ホスファチジルコリン及びホスファチジルセリンは半精
製試薬として商業的に入手し得る。これらはそれぞれ卵
白及びウシの脳から製造される。PCPS脂質小胞は常用の
そして標準化された方法(Nesheim等、J.Biol.Che
m.254:10952,1979;及びBarenholz等、Biochem.J.
16:2806,1976)により調製することができ、この方法
により均一な寸法(325〜350A)の単区画小胞(single
compartment vesicles)が生成し、このものは4℃に
て2〜3週間貯蔵することができる。ホスファチジルセ
リンとホスファチジルコリンのモル比は、小胞の調製に
使用されるこれらの脂質の相対量に基いて約1:3であ
る。
ファクターXa/PCPS混合物は、使用の直前にファクタ
ーXaとPCPSを所望の比率で混合することにより新たに
調製される。
治療の効果を証明するために、任意に水を与えそして通
常は乾燥した犬餌(Ralston−Purina、セントルイス、
ミズリー)を与えて飼育した正常なイヌ及び特に育成さ
れた血友病のイヌについて試験を行った。詳細は例1〜
7に記載する。動物を、即効性静脈内バルビッレート5
%−18mg/kg体重により麻酔した。21ゲージのバタ
フライ針を通して頭静脈に、等張塩溶液を用いて連続注
入を確立し、注射のために静脈を開いたままに保持し
た。すべての薬剤投与はこのルートで行った。つめの下
に血液が流れ込むのを防止するために、動物のつめの周
囲からすべての毛を刈り、そしてシリコングリースを適
用した。背側の爪溝に関して見えるようにされた、又は
配置された爪少皮(nail cuticle)の先端を切るために
スプリングで加圧されたスライドブレドギロチン(slid
ing blade guillotine)を用いた。手術台の縁を越えて
足先を配置することにより血液が自由流下できるように
した。正常なイヌにおいては、出血は突然に〔6.0(平
均)±3.7(標準偏差)分〕止まり、他方血友病の動物にお
いては出血は一時的には止まることがあるがしかし常に
再発しそして硝酸銀により止血するまで(Blood,Vol.6
0,No3,727〜730頁、1982年9月)続いた。すべての場合
に、ファクターXa/PCPSの投与量は、投与量/kg体重
を基礎とした。PCPSの量はアービトラリー・ユニット
(arbitrary unit)で表した。1アービトラリー・ユニ
ットのPCPSは、無機燐測定により測定した場合の燐脂質
の1×10-8モルに等しい。ファクターXaは国際的に認
められた分類に従って単位を表示し、この場合1ユニッ
トのファクターXは1mlの正常血漿中に存在する量であ
り、そして1ユニットのファクターXaは1ユニットの
ファクターXが十分に活性化された場合に存在する活性
の量である。測定は、Soumela H.等(Thrombsis Re
search10:267,1977)により記載されGilesA.R.
等(Thrombosis Research17:353,1980)により改変
された正常な貯蔵血漿標準中の活性に対する試験標品中
の活性を測定することにより標準化される。
例1.(参考例) 右後爪4の小皮(cuticul)を切ることにより、上記の
ようにして正常なイヌを試験した。出血は5分間目に自
然に止まったが9分間目からさらに3分間再出血した。
第1の小皮出血時間の開始から15分間後に、PCPS/X
aを、体重kg当りそれぞれ40ユニット及び0.5ユニッ
トの量で注入した。この注入から2分間後、右後爪3を
切った。出血は12分間継続し、そして小皮は硝酸銀の
適用を伴う焼灼(cautery)を必要とした。PCPS/Xaを
注入して60分間後に右後爪2を切ったが出血は7分後
に自然に止まった。小皮出血時間は最初は正常であった
が、PCPS/Xaをこの投与量において注入した直後に異
常になり、このことはPCPSの相対的過剰が活性化された
プロテインCの抗凝固効果に好都合となり、そして出血
を止めるために正常に要求されるフィブリンの生成が減
少することが注目される。この効果はPCPS/Xaの注入
後60分間で消失した。
例2.(参考例) 例1の前記の方法を反復し、正常なイヌの小皮出血時間
に対する、体重kg当りそれぞれ40ユニットおよひ0.05
ユニットの投与量におけるPCPS/Xaの効果を示す。左
前爪1の小皮を切った。出血は3分間後に自然に停止し
た。第1の小皮出血時間を開始してから13分間後、PC
PS/Xaのボルス(bolus)注入を体重kg当り40ユニ
ット/0.05ユニットの投与量で行った。注入の2分間
後、左前爪3を切った。出血は硝酸銀焼灼により止血す
るまで12分間継続した。PCPS/Xaの注入から60分
後、左前爪2を切った。出血は3分間後に自然に止まっ
た。得られた結果は例1のそれと実質上同じであり、そ
して同じ結論が導かれる。
例3. 血友病のイヌ(ファクターVIII:Cレベル<4%)に
おいて、例1及び2と同じ小皮出血時間法を行った。右
前爪4を切った。出血は、PCPS/Xaを体重kg当りそれぞ
れ8.0ユニット及び0.2ユニットの投与量においてボルス
(bolus)とし注入するまで、14分間継続した。出血
は突然停止したが、第1の小皮出血時間の開始から18
分目及び23分目に2回の小さい再出血(各場剤に1
滴)が生じた。PCPS/Xaの注入の1分間前に右前爪3
を切ったが、出血はPCPS/Xaの投与後30秒間で止ま
った。観察期間は、第1の小皮出血時間の開始後30分
間を越えて継続しなかった。これらの結果は、PCPS/X
aの組合わせが、用いた投与量において、ファクターV
III:Cが不足している動物において出血を止める点に
おいてファクターVIIIをバイパスすることを証明して
いる。このような動物の損傷された小皮は通常は、硝酸
銀で焼灼されるまで出血するであろう。注入の直後に、
動物に無呼吸及び心博の不整が生じたが、これらは注入
後5分間以内に自然に解消した。
例4. 異る血友病の動物(ファクターVIII:C<1%)を用
いて例3の方法を反復した。右後爪3を切った。出血
は、第1の小皮出血時間の開始の16分間後においてPC
PS/Xaを体重kg当りそれぞれ8.0ユニット及び0.2ユニ
ットの投与量においてボルス注入するまで継続した。PC
PS/Xaを投与する1分間前に右後爪2を切ったが、出
血はPCPS/Xaの投与後30秒以内に止まった。12分
間後に再出血が起こり、そして硝酸銀焼灼により出血さ
れるまで17分間継続した。PCPS/Xa投与の18分間
後、右後爪3を切った。出血は、硝酸銀焼灼により止血
するまで12分間継続した。
PCPS/Xa注入の直後に一時的な心肺停止が動物に生じ
たが、フェースマスクを介して100%の酸素を適用したほ
か人工蘇生術を施すことなく、動物の生命徴候が再現し
た。これらの結果は、この投与量におけるPCPS/Xaの
組合わせのファクターVIIIバイパス活性を確認するも
のである。心肺副作用はこの投与量における限界毒性を
示唆している。右後爪2の再出血及び右後爪3の異常な
小皮出血時間は、ファクターVIII:Cバイパス効果が
一時的であることを示唆している。
例5. 例3及び4のような血友病のイヌを、上記のようにして
試験した。右後爪2を切った。小皮からの出血は12分
間後に硝酸銀により止めた。左後爪1を切り、そして2
分間後にPCPS/Xaを体重kg当りそれぞれ4.0ユニット
及び0.1ユニットの投与量で注入した。出血は、硝酸銀
焼灼により止血するまでさらに10分間継続した。動物
は毒性を示さなかったが、PCPS/Xaのこの投与量にお
いては出血が止まらなかった。
例6. 例5の方法を反復した。但し、異る血友病のイヌを使用
し、そして体重当り4.0ユニットの投与量のPCPSと組合
わせてファクターXaの投与量を体重当り0.2ユニット
に増加した。右後爪2を切った。出血は、PCPS/Xaの
組合わせをボルスとして注入するまで15分間続いた。
出血は突然停止したが27分間目に再発し、そしてその
後硝酸銀焼灼により止血した40分間まで継続した。PC
PSの注入の15分間前に右後爪2を切ったが、出血はPC
PS/Xa組合わせ注入の20秒以内に止まった。出血は
12分間後に再発し、そして硝酸銀焼灼により止血する
まで13分間継続した。心肺毒性は観察されなかった。
例3及び4の結果と比較して、PCPSの投与量の50%の
減少は、血友病動物において観察されるファクターVII
I:Cバイパス活性を低下させなかった。例5との比較
において、4ユニットのPCPSと組合わされたファクター
Xaの投与量の倍化は、同じ投与量のPCPSと組合わされ
たより低い投与量のファクターXaによっては達成され
なかったファクターVIII:Cバイパスを達成した。
例7. 例6の方法を反復した。但し別の血友病のイヌを用い、
そしてファクターXaの投与量は維持したがPCPSの投与
量を0.1ユニット/kg体重に減少した。左前爪5を切っ
た。出血は16分後継続したが、PCPS/Xaの注入によ
り突然停止した。観察期間中再出血は起こらなかった。
PCPS/Xaの注入の1分間前に左前爪4をきった。出血
は、PCPS/Xaの注入の1分間以内に止まったが、4分
間後に再発し、そして硝酸銀焼灼によって止血するまで
22分間続いた。PCPS/Xaの注入の15分後、左前爪
3を切った。出血は、硝酸銀焼灼により止血するまで1
2分間続いた。これらの結果は、PCPS/Xa投与量のさ
らに有意な減少に、なおファクターVIIIバイパス活性
が伴うが、その効果は十分に維持されないことを示して
いる。
ウシの血液由来のファクターXaを用いてイヌをモデル
にして行われたこれらの研究を基礎にして、1ユニット
/kg体重より少なくないPCPS小胞との組合わせにおい
て、必要とされるファクターXaの最少投与量は0.2ユ
ニット/kg体重であると信じられる。イヌの血液及びヒ
トの血液由来のファクターXaを用いる試験により同様
の結果が確認された。これらの成分のいずれか一方のみ
の注入は、ファクターVIII:Cが不足している動物の
小皮出血時間を矯正する効果を有しないのみならず、血
栓形成性も有しないことが示された。しかしながら、PC
PSと組合わされたファクターXaは非常に効果的な試薬
であり、そして0.5ユニット/kg体重という少量におい
て十分に毒性、すなわち血栓形成性を有し、死亡の原因
となる可能性があることが強調される。XaとPCPSの組
合わせが相乗的であるため、より高い投与量のPCPSと組
合わせた場合、より低い投与量のファクターXaが毒性
(すなわち血栓形成性)となる。上記の例は、8ユニッ
ト/kg体重の投与量のPCPSと組合わせた場合、0.02ユニ
ット/kg体重の投与量においてファクターXaの毒性限
界が達成されることを示唆している。PCPS:Xaのこの
比率(40:1)は実際的な最大値であると考えられ、
他方PCPS1ユニット対Xa0.2ユニットの比率(5:
1)が実際的な最小値であると考えられる。
また、これらの研究はイヌのモデルについてなされたも
のであり、そしてこのモデルが古典的血友病A(ファク
ターVIII:C欠乏)のヒトの疾患を非常に密接に擬制
する(simulate)ものであるが、PCPSとファクターXa
との相乗的混合物中のこれらの間の比率、及びこれらの
実際の投与量は、イヌのモデルにおいて決定されたもの
とは幾分異ることがあることが強調される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、血液凝固の連鎖における段階を示す略図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−70814(JP,A) 特開 昭57−46921(JP,A) 青木延確ほか編「凝固・線溶・キニン」 (1980−7−10)中外医学社P.1〜2, 187〜195

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】止血効果を相乗的に発揮する相対比率の燐
    脂質小胞及び哺乳動物血ファクターXaの混合物を含ん
    で成る哺乳動物における血友病の治療のための非経口投
    与用薬剤組成物。
  2. 【請求項2】前記哺乳動物がイヌである特許請求の範囲
    第1項記載の組成物。
  3. 【請求項3】燐脂質小胞がホスファチジルコリンとホス
    ファチジルセリンとの混合物(PCPS)である特許請求の
    範囲第1項記載の組成物。
  4. 【請求項4】前記PCPSが前記混合物中に体重Kg当り1及
    び8ユニットの間の量において存在する特許請求の範囲
    第3項記載の組成物。
  5. 【請求項5】ファクターXaが前記混合物中に体重Kg当
    り0.2及び0.5ユニット未満の間の量において存在する特
    許請求の範囲第1項記載の組成物。
  6. 【請求項6】PCPSとファクターXaとの比率が40:1〜
    5:1の範囲にある特許請求の範囲第3項記載の組成
    物。
JP59130204A 1983-06-27 1984-06-26 止血用薬剤組成物 Expired - Lifetime JPH064541B2 (ja)

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EP0129998B1 (en) 1995-09-27
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EP0129998A2 (en) 1985-01-02
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AU2926884A (en) 1985-01-03
JPS6069027A (ja) 1985-04-19
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