JPH0643111A - 欠陥検査装置 - Google Patents
欠陥検査装置Info
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- JPH0643111A JPH0643111A JP5089769A JP8976993A JPH0643111A JP H0643111 A JPH0643111 A JP H0643111A JP 5089769 A JP5089769 A JP 5089769A JP 8976993 A JP8976993 A JP 8976993A JP H0643111 A JPH0643111 A JP H0643111A
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- light receiving
- substrate
- receiving
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 回路パターンと異物との弁別精度を向上す
る。 【構成】 基板1から所定距離離れた位置に設けられ
た、受光器2に入射する光の受光面20における強度分
布の基づいて異物と回路パターンとを弁別する。受光面
20には複数の受光領域A、B、Cが設けられており、
回路パターンの周期方向と入射光Iの入射方向とを最適
化する。
る。 【構成】 基板1から所定距離離れた位置に設けられ
た、受光器2に入射する光の受光面20における強度分
布の基づいて異物と回路パターンとを弁別する。受光面
20には複数の受光領域A、B、Cが設けられており、
回路パターンの周期方向と入射光Iの入射方向とを最適
化する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、欠陥検査装置に関し、
特に半導体製造装置で使用される回路パターンが形成さ
れているレチクルやフォトマスク等の基板上の回路パタ
ーン以外の異物等の欠陥を検出する欠陥検査装置に関す
るものである。
特に半導体製造装置で使用される回路パターンが形成さ
れているレチクルやフォトマスク等の基板上の回路パタ
ーン以外の異物等の欠陥を検出する欠陥検査装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般にIC製造工程においては、レチク
ル又はフォトマスク等の基板上に形成された露光用の回
路パターンを半導体焼き付け装置(ステッパー又はアラ
イナー)によりレジストが塗布されたウェハ面上に転写
して製造している。この際、基板面上に異物等が存在す
ると回路パターンと共に異物も転写されIC製造の歩留
りを低下こせる原因となる。その為、IC製造過程にお
いて基板上の異物の存在を検出することが不可欠となっ
ており、従来より種々の検査方法が提案されている。図
16は従来の異物検査装置の一例を示す図である。図に
おいて走査用ミラー163と走査レンズ164を介して
レーザ光源160からの光束をビームエキスパンダー1
62等により平行拡大してからミラー163により基板
165の表面に入射させ、走査用ミラー163を回転も
しくは振動させて基板165上を走査している。そして
基板からの正反射光及び直接透過光の光路から離れた位
置に受光器166、167、168を設ける。これら複
数の受光器166、167、168からの出力信号を用
いて基板165上の異物の存在を検出している。即ち、
回路パターンからの回折光の強度分布は空間的に指向性
が強いため、複数の受光器からの各々の出力値は相異な
るが、異物からの散乱光の強度分布は空間的に指向性が
弱い(空間的に等方的に分布する)ため、複数の受光器
各々の出力値はほぼ等しくなる。従って、複数の受光器
各々からの出力値により異物と回路パターンとの弁別が
可能となる。
ル又はフォトマスク等の基板上に形成された露光用の回
路パターンを半導体焼き付け装置(ステッパー又はアラ
イナー)によりレジストが塗布されたウェハ面上に転写
して製造している。この際、基板面上に異物等が存在す
ると回路パターンと共に異物も転写されIC製造の歩留
りを低下こせる原因となる。その為、IC製造過程にお
いて基板上の異物の存在を検出することが不可欠となっ
ており、従来より種々の検査方法が提案されている。図
16は従来の異物検査装置の一例を示す図である。図に
おいて走査用ミラー163と走査レンズ164を介して
レーザ光源160からの光束をビームエキスパンダー1
62等により平行拡大してからミラー163により基板
165の表面に入射させ、走査用ミラー163を回転も
しくは振動させて基板165上を走査している。そして
基板からの正反射光及び直接透過光の光路から離れた位
置に受光器166、167、168を設ける。これら複
数の受光器166、167、168からの出力信号を用
いて基板165上の異物の存在を検出している。即ち、
回路パターンからの回折光の強度分布は空間的に指向性
が強いため、複数の受光器からの各々の出力値は相異な
るが、異物からの散乱光の強度分布は空間的に指向性が
弱い(空間的に等方的に分布する)ため、複数の受光器
各々の出力値はほぼ等しくなる。従って、複数の受光器
各々からの出力値により異物と回路パターンとの弁別が
可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如き従来の技術においては近年IC回路パターンの微細
化に伴い、レチクル又はフォトマスク等の基板上の回路
パターンも微細化し、離散的に現れる回折光の強度分布
が等方的になり、異物からの散乱光の強度分布と区別が
つかなくなってきた。
如き従来の技術においては近年IC回路パターンの微細
化に伴い、レチクル又はフォトマスク等の基板上の回路
パターンも微細化し、離散的に現れる回折光の強度分布
が等方的になり、異物からの散乱光の強度分布と区別が
つかなくなってきた。
【0004】そこで、本発明は前述のような従来の問題
点に鑑みてなされたもので、微細な回路パターンと異物
とを高い分離検出率をもって検査可能である欠陥検査装
置を提供することを目的とする。また、検査点から所定
距離離れた位置に設けられた受光器の受光面における、
回路パターンからの回折光の強度分布と受光面に設けら
れた複数の受光領域との位置関係が最適となるようにす
るため、回路パターンの周期方向と入射光の入射方向と
の関係を最適化することを目的とする。
点に鑑みてなされたもので、微細な回路パターンと異物
とを高い分離検出率をもって検査可能である欠陥検査装
置を提供することを目的とする。また、検査点から所定
距離離れた位置に設けられた受光器の受光面における、
回路パターンからの回折光の強度分布と受光面に設けら
れた複数の受光領域との位置関係が最適となるようにす
るため、回路パターンの周期方向と入射光の入射方向と
の関係を最適化することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明では、表面に回路パターンが形成された基板
(1)の表面に照射する光束(I)を生成する光源
(6)と、光源からの光束を基板表面上の検査点に集光
させる集光手段(3、4、5)と、光束を基板上で一次
元方向に光走査する光走査手段(4)と、基板を載置す
るとともに、少なくとも前記光走査の方向とほぼ垂直な
方向に移動可能な基板ステージ(10)と、被検査点か
ら発生する光束を受光する受光面(20)を有し、受光
面で受光された光束の強度に応じた受光信号を出力する
受光手段(2)と、受光信号に基づいて基板表面の欠陥
の有無を弁別する弁別手段(100)とを有する欠陥検
査装置において、受光面は複数の受光領域(A、B、
C)に分割され、受光領域毎に入射する光束の強度に応
じた複数の独立した受光信号を出力し、弁別手段は複数
の受光信号のすべてが所定の閾値以上のときに欠陥あり
の判断を行い、それ以外のときは欠陥なしの判断を行う
ものであって、回路パターンからの回折光が受光面に入
射し、受光面上に形成される回折光の強度分布を直接ま
たは間接的に測定する回折光分布測定手段(12)と;
基板への前記光束の照射する方向を選択する照明方向選
択手段(11)と;受光面を回転させることにより前記
受光領域の位置を調整する受光領域調整手段と照明方向
選択手段と受光領域調整手段とを調整する調整手段(1
00)とを有し、回折光分布測定手段は、欠陥検査を行
う前に前記受光面上に入射しうる回折光分布を測定し、
調整手段はこの結果に基づいて照明方向選択手段により
回路パターンに対する前記光束の照射する方向を規定す
ることによって前記受光面上の回折光分布を最適化する
こととした。
めに本発明では、表面に回路パターンが形成された基板
(1)の表面に照射する光束(I)を生成する光源
(6)と、光源からの光束を基板表面上の検査点に集光
させる集光手段(3、4、5)と、光束を基板上で一次
元方向に光走査する光走査手段(4)と、基板を載置す
るとともに、少なくとも前記光走査の方向とほぼ垂直な
方向に移動可能な基板ステージ(10)と、被検査点か
ら発生する光束を受光する受光面(20)を有し、受光
面で受光された光束の強度に応じた受光信号を出力する
受光手段(2)と、受光信号に基づいて基板表面の欠陥
の有無を弁別する弁別手段(100)とを有する欠陥検
査装置において、受光面は複数の受光領域(A、B、
C)に分割され、受光領域毎に入射する光束の強度に応
じた複数の独立した受光信号を出力し、弁別手段は複数
の受光信号のすべてが所定の閾値以上のときに欠陥あり
の判断を行い、それ以外のときは欠陥なしの判断を行う
ものであって、回路パターンからの回折光が受光面に入
射し、受光面上に形成される回折光の強度分布を直接ま
たは間接的に測定する回折光分布測定手段(12)と;
基板への前記光束の照射する方向を選択する照明方向選
択手段(11)と;受光面を回転させることにより前記
受光領域の位置を調整する受光領域調整手段と照明方向
選択手段と受光領域調整手段とを調整する調整手段(1
00)とを有し、回折光分布測定手段は、欠陥検査を行
う前に前記受光面上に入射しうる回折光分布を測定し、
調整手段はこの結果に基づいて照明方向選択手段により
回路パターンに対する前記光束の照射する方向を規定す
ることによって前記受光面上の回折光分布を最適化する
こととした。
【0006】
【作用】被検査基板が半導体製造の為に用いられるレチ
クル等の場合、1枚のレチクル上で2次元周期パターン
を多く含んでいる場合がほとんどである。この点に着目
し、本発明では基板毎に、または検査エリア毎に検査装
置の投光系の入射方向と回路パターンの周期方向との関
係を最適化する。
クル等の場合、1枚のレチクル上で2次元周期パターン
を多く含んでいる場合がほとんどである。この点に着目
し、本発明では基板毎に、または検査エリア毎に検査装
置の投光系の入射方向と回路パターンの周期方向との関
係を最適化する。
【0007】そのため、本発明では基板の2次元周期パ
ターンのフーリエスペクトルを測定するセンサを設け、
センサにより計測された2次元周期パターンのフーリエ
スペクトルに基づいて投光系の入射方向と回路パターン
の周期方向との位置関係を最適化する。
ターンのフーリエスペクトルを測定するセンサを設け、
センサにより計測された2次元周期パターンのフーリエ
スペクトルに基づいて投光系の入射方向と回路パターン
の周期方向との位置関係を最適化する。
【0008】
【実施例】図1は本願発明の第1の実施例による欠陥検
査装置の概略構成を示す斜視図である。図1でレーザ光
源6から射出された光束は、ビームエキスパンダー5を
経て、基板1(レチクル、ウエハ等)と光束とを相対移
動させる移動手段を構成する振動ミラー4、fーθレン
ズ3を介して、回路パターンが形成されている基板1の
検査点Oに集光される。集光された入射光束Iは、振動
ミラー4により基板1上でX方向に沿って相対走査さ
れ、基板1上に光走査線L−O−Rを形成する。f−θ
レンズ3は、焦点距離の大きいレンズ系であり、図では
入射光束Iの基板1への入射方向はY方向とほぼ等しく
なっている。ビームエキスパンダー5はエアーシリンダ
ー等の駆動手段9により入射光学系の光路中から退避可
能となっている。基板1はY方向に移動可能なステージ
10上に載置されており、振動ミラー4とステージ10
により基板1上全面に渡って異物検査することができ
る。ステージ10はステージ駆動手段11によりX、Y
方向に2次元移動可能であるとともに、XY平面内で回
転可能となっている。
査装置の概略構成を示す斜視図である。図1でレーザ光
源6から射出された光束は、ビームエキスパンダー5を
経て、基板1(レチクル、ウエハ等)と光束とを相対移
動させる移動手段を構成する振動ミラー4、fーθレン
ズ3を介して、回路パターンが形成されている基板1の
検査点Oに集光される。集光された入射光束Iは、振動
ミラー4により基板1上でX方向に沿って相対走査さ
れ、基板1上に光走査線L−O−Rを形成する。f−θ
レンズ3は、焦点距離の大きいレンズ系であり、図では
入射光束Iの基板1への入射方向はY方向とほぼ等しく
なっている。ビームエキスパンダー5はエアーシリンダ
ー等の駆動手段9により入射光学系の光路中から退避可
能となっている。基板1はY方向に移動可能なステージ
10上に載置されており、振動ミラー4とステージ10
により基板1上全面に渡って異物検査することができ
る。ステージ10はステージ駆動手段11によりX、Y
方向に2次元移動可能であるとともに、XY平面内で回
転可能となっている。
【0009】受光面20は基板1より所定距離離れた位
置に設けられている。そして、受光器2の受光面はフア
イバー束(受光セグメントD)で構成され、受光面に入
射する光束を伝導するイメージファイバー13を介して
2次元CCDアレイ等の2次元光電変換素子12によ
り、受光面20における入射光束の強度分布を検出可能
となっている。
置に設けられている。そして、受光器2の受光面はフア
イバー束(受光セグメントD)で構成され、受光面に入
射する光束を伝導するイメージファイバー13を介して
2次元CCDアレイ等の2次元光電変換素子12によ
り、受光面20における入射光束の強度分布を検出可能
となっている。
【0010】また、受光面20は各々独立して光電変換
可能な受光領域A、B、Cを有する。各々の受光領域
A、B、Cに入射した光束の各々は光ファイバー7によ
ってそれぞれ光電変換器8に導かれて独立に光電変換さ
れる。光電変換器8からの信号A1 、B1 、C1 は制御
器100に入力され、制御器100は各々の信号の例え
ば論理積をとることにより異物と回路パターンとを弁別
する(詳細後述)。また、受光器2は不図示の駆動手段
により受光面とほぼ平行な面内で回転可能となってお
り、長手方向を有する受光領域A、B、Cの方向を調整
可能となっている。制御器100はステージ駆動手段1
1や受光器2を回転させる駆動手段(不図示)を制御す
るとともに、装置全体を統括的に制御する。ここで検査
点O(入射光束Iの集光点)を中心として、模式的に描
いた球体Sを考える。図では、入射光束Iと球体Sの球
面との重複領域である曲断面をi、また曲断面iの基板
1表面(XY平面)上への正射影(垂直方向への射影)
を正射影i’で示す。また、基板1による正反射光束I
rの球体Sによる曲断面はrとなり、曲断面rの基板1
表面(XY平面)上への正射影(垂直方向への射影)を
正射影r’で示す。受光面上の図形jは、離散的に発生
する回折光が受光面の中央に入射する際の照射領域(回
折像)を示している。図では、この回折光と球体Sの球
面との重複領域である曲断面をj’で、曲断面j’の基
板1表面への正射影をj”で示している。この正射影
j”は入射光束Iの正射影i’と合同な図形である。
可能な受光領域A、B、Cを有する。各々の受光領域
A、B、Cに入射した光束の各々は光ファイバー7によ
ってそれぞれ光電変換器8に導かれて独立に光電変換さ
れる。光電変換器8からの信号A1 、B1 、C1 は制御
器100に入力され、制御器100は各々の信号の例え
ば論理積をとることにより異物と回路パターンとを弁別
する(詳細後述)。また、受光器2は不図示の駆動手段
により受光面とほぼ平行な面内で回転可能となってお
り、長手方向を有する受光領域A、B、Cの方向を調整
可能となっている。制御器100はステージ駆動手段1
1や受光器2を回転させる駆動手段(不図示)を制御す
るとともに、装置全体を統括的に制御する。ここで検査
点O(入射光束Iの集光点)を中心として、模式的に描
いた球体Sを考える。図では、入射光束Iと球体Sの球
面との重複領域である曲断面をi、また曲断面iの基板
1表面(XY平面)上への正射影(垂直方向への射影)
を正射影i’で示す。また、基板1による正反射光束I
rの球体Sによる曲断面はrとなり、曲断面rの基板1
表面(XY平面)上への正射影(垂直方向への射影)を
正射影r’で示す。受光面上の図形jは、離散的に発生
する回折光が受光面の中央に入射する際の照射領域(回
折像)を示している。図では、この回折光と球体Sの球
面との重複領域である曲断面をj’で、曲断面j’の基
板1表面への正射影をj”で示している。この正射影
j”は入射光束Iの正射影i’と合同な図形である。
【0011】また、受光面20に入射する光束は球体S
の球面上の曲断面20aに対応し、曲断面20aの基板
1表面への正射影は20bとなる。受光領域A’、
B’、C’は球体Sの球面上の曲断面に対応し、曲断面
A’、B’、C’の基板1表面への正射影はA”、
B”、C”となる。次に図2は図1をZ軸方向から見た
模式的な図であり、各受光面に入射する光束のフーリエ
スペクトル(詳細後述)と入射光束のフーリエスペクト
ルを示す図である。図には各受光領域の正射影A”、
B”、C”が示されている。図中r’は正反射光Ir
(図1参照)と球体Sとの重複領域である曲断面rの正
射影r’である。図2のUV座標系は正射影r’の中心
位置を原点とした新たな直交座標系である。
の球面上の曲断面20aに対応し、曲断面20aの基板
1表面への正射影は20bとなる。受光領域A’、
B’、C’は球体Sの球面上の曲断面に対応し、曲断面
A’、B’、C’の基板1表面への正射影はA”、
B”、C”となる。次に図2は図1をZ軸方向から見た
模式的な図であり、各受光面に入射する光束のフーリエ
スペクトル(詳細後述)と入射光束のフーリエスペクト
ルを示す図である。図には各受光領域の正射影A”、
B”、C”が示されている。図中r’は正反射光Ir
(図1参照)と球体Sとの重複領域である曲断面rの正
射影r’である。図2のUV座標系は正射影r’の中心
位置を原点とした新たな直交座標系である。
【0012】正射影i’、r’は図2のU軸(X軸)と
平行方向に長手方向を有し、短手方向はV方向に一致
し、V0 の幅となっている。また各受光領域の正射影
A”、B”、C”はX方向に長手方向を有し、各受光領
域の正射影A”、B”、C”のY方向の幅はdとなって
いる。このdはパターンと異物の弁別能力を考慮すると
短いほどよい。dを短くすることにより減少する受光面
積はU軸方向に平行な方向の長さを延長することで補う
ことが可能である。ここでは正射影A”と正射影C”と
の間隔は回折光の正射影j”(正射影i”)のY軸方向
の幅に等しくなっている。同図における図形j”は図形
i’及び図形r’と合同である。
平行方向に長手方向を有し、短手方向はV方向に一致
し、V0 の幅となっている。また各受光領域の正射影
A”、B”、C”はX方向に長手方向を有し、各受光領
域の正射影A”、B”、C”のY方向の幅はdとなって
いる。このdはパターンと異物の弁別能力を考慮すると
短いほどよい。dを短くすることにより減少する受光面
積はU軸方向に平行な方向の長さを延長することで補う
ことが可能である。ここでは正射影A”と正射影C”と
の間隔は回折光の正射影j”(正射影i”)のY軸方向
の幅に等しくなっている。同図における図形j”は図形
i’及び図形r’と合同である。
【0013】尚、図1においてf−θレンズ3や受光器
2は、光走査距離に比べて十分遠くに配置することが望
ましい。これは、振動ミラー4により光走査を行って検
査点Oが移動した場合に、正射影図(図2参照)上にお
ける各正射影の関係が所定の関係(詳細後述)からなる
べく変化しないようにするためである。次に本発明の原
理に関して回折光の発生状態の様子とともに説明する。
2は、光走査距離に比べて十分遠くに配置することが望
ましい。これは、振動ミラー4により光走査を行って検
査点Oが移動した場合に、正射影図(図2参照)上にお
ける各正射影の関係が所定の関係(詳細後述)からなる
べく変化しないようにするためである。次に本発明の原
理に関して回折光の発生状態の様子とともに説明する。
【0014】基板1上の回路パターンに入射ビームIを
基板上で集光するように入射させると基板上では平面波
となる。基板上の照明領域には回路パターンの有無およ
び反射率などによって決まる光の振幅分布が形成され
る。この入射平面波の振幅分布により生じる回折現象を
入射光束の照明領域の無限遠点で観測した場合、フラン
フォーファー回折として扱える。基板面における2次元
回路パターンにより決定する入射平面波の振幅分布をF
(x,y)と示す。すると無限遠点における回折像f
(u,v)との関係はフーリエ変換の関係になってい
る。数式1にこの関係を示す。
基板上で集光するように入射させると基板上では平面波
となる。基板上の照明領域には回路パターンの有無およ
び反射率などによって決まる光の振幅分布が形成され
る。この入射平面波の振幅分布により生じる回折現象を
入射光束の照明領域の無限遠点で観測した場合、フラン
フォーファー回折として扱える。基板面における2次元
回路パターンにより決定する入射平面波の振幅分布をF
(x,y)と示す。すると無限遠点における回折像f
(u,v)との関係はフーリエ変換の関係になってい
る。数式1にこの関係を示す。
【0015】
【数1】
【0016】数式1においてfは観察点までの距離、C
aは定数である。ここで、基板面におけるx、yは位置
を示す座標であり、回折像の座標u,vは空間周波数を
示す。両者の間には数式2、数式3の関係がある。 (l−l0 )/λ=u …(2) (m−m0 )/λ=v …(3) ここで、λは入射光の波長を示し、l0 、m0 は平面波
が基板面に入射する方向の方向余弦を示し、l、mは基
板からの無限遠点での観測点に対応する空間ベクトルの
方向余弦である。
aは定数である。ここで、基板面におけるx、yは位置
を示す座標であり、回折像の座標u,vは空間周波数を
示す。両者の間には数式2、数式3の関係がある。 (l−l0 )/λ=u …(2) (m−m0 )/λ=v …(3) ここで、λは入射光の波長を示し、l0 、m0 は平面波
が基板面に入射する方向の方向余弦を示し、l、mは基
板からの無限遠点での観測点に対応する空間ベクトルの
方向余弦である。
【0017】前述の照明領域を±xe、±yeと定義す
ると、数式4を満足することで無限遠点を実現できる。 f≫ 2(xe2 +ye2 )/λ …(4) ここで、半径fを有し、照明領域を中心に持つ模式的な
球体Sを考えてみる。すると前述のu、vは数式5、数
式6のようになる。 f・(l−l0 )=U=u・λ・f …(5) f・(m−m0 )=V=v・λ・f …(6) (方向余弦)×f、すなわち方向余弦に対応する球体S
上の点を基板上に正射影すると、フーリエ変換面での座
標u,vに比例したUV座標に変換される。以下では簡
単のためUV平面をフーリエ面と呼ぶ。また原点は0次
光位置になる。また、以下では模式的に描いた球体の半
径f=1/λとし、これが数式4の条件を満足するもの
として説明する。
ると、数式4を満足することで無限遠点を実現できる。 f≫ 2(xe2 +ye2 )/λ …(4) ここで、半径fを有し、照明領域を中心に持つ模式的な
球体Sを考えてみる。すると前述のu、vは数式5、数
式6のようになる。 f・(l−l0 )=U=u・λ・f …(5) f・(m−m0 )=V=v・λ・f …(6) (方向余弦)×f、すなわち方向余弦に対応する球体S
上の点を基板上に正射影すると、フーリエ変換面での座
標u,vに比例したUV座標に変換される。以下では簡
単のためUV平面をフーリエ面と呼ぶ。また原点は0次
光位置になる。また、以下では模式的に描いた球体の半
径f=1/λとし、これが数式4の条件を満足するもの
として説明する。
【0018】図1の基板1上に設けられている比較的微
細度の高いパターンニングで製作されるDRAM等のメ
モリICの回路パターンは、2次元の周期パターンを多
く含み、基板1のX方向、Y方向に周期を持つものや、
X或いはY方向に線対象の周期を持つパターンが殆どで
ある。ここでは、基板のX方向、Y方向と図中のX方
向、Y方向は一致しているものとし、単にX方向、Y方
向と言う。
細度の高いパターンニングで製作されるDRAM等のメ
モリICの回路パターンは、2次元の周期パターンを多
く含み、基板1のX方向、Y方向に周期を持つものや、
X或いはY方向に線対象の周期を持つパターンが殆どで
ある。ここでは、基板のX方向、Y方向と図中のX方
向、Y方向は一致しているものとし、単にX方向、Y方
向と言う。
【0019】以下、2次元の周期パターンにより発生す
る回折光について説明する。図3は2次元周期パターン
より発生する回折光の様子を示すために、図1の一部を
概略的に示す図である。図3で入射光Iは検査点O中心
とした所定の開口角(f−θレンズの開口数で決まる角
度)γを有する円錐状の光束であり、球体Sの球面の一
部分を貫通している。前述の如く、この貫通部分(入射
光束Iと球面との重複部分)を曲断面iとして示し、同
様に正反射光との貫通部分を曲断面rとして示してい
る。各々の正射影をi’、r’として示しており、入射
光束Iのフォーカス点と検査点Oが一致しているので、
正射影i’と正射影r’は合同な図形となる。
る回折光について説明する。図3は2次元周期パターン
より発生する回折光の様子を示すために、図1の一部を
概略的に示す図である。図3で入射光Iは検査点O中心
とした所定の開口角(f−θレンズの開口数で決まる角
度)γを有する円錐状の光束であり、球体Sの球面の一
部分を貫通している。前述の如く、この貫通部分(入射
光束Iと球面との重複部分)を曲断面iとして示し、同
様に正反射光との貫通部分を曲断面rとして示してい
る。各々の正射影をi’、r’として示しており、入射
光束Iのフォーカス点と検査点Oが一致しているので、
正射影i’と正射影r’は合同な図形となる。
【0020】正射影i’と正射影r’(以下正射影i’
(r’)と表記する)の形状は入射光束Iの開口角γと
入射角θにより決定される。いま、球体Sの半径を1/
λとすると、正射影i’(r’)のV(Y)方向の長さ
v0 と、U(X)方向の長さu0 は数式7、数式8で示
される。 v0 =(2/λ)・sinγ・cosθ …(7) u0 =(2/λ)・sinγ …(8) ここで、入射光束Iの照射領域が回路パターンより小さ
く複数の回路パターンが照射領域に入らない場合は、回
折光の発生は単純であり、従来の装置でも対応可能であ
った。しかしパターンが微細化し、照射領域中(例えば
長径30μm、短径10μm程度の楕円状の領域)に複
数の回路パターンが存在すると、回折光は離散的に発生
し、また、マクロ的には等方的な回折光分布となる。こ
のため、前述の如く異物と回路パターンとの弁別が困難
となった。
(r’)と表記する)の形状は入射光束Iの開口角γと
入射角θにより決定される。いま、球体Sの半径を1/
λとすると、正射影i’(r’)のV(Y)方向の長さ
v0 と、U(X)方向の長さu0 は数式7、数式8で示
される。 v0 =(2/λ)・sinγ・cosθ …(7) u0 =(2/λ)・sinγ …(8) ここで、入射光束Iの照射領域が回路パターンより小さ
く複数の回路パターンが照射領域に入らない場合は、回
折光の発生は単純であり、従来の装置でも対応可能であ
った。しかしパターンが微細化し、照射領域中(例えば
長径30μm、短径10μm程度の楕円状の領域)に複
数の回路パターンが存在すると、回折光は離散的に発生
し、また、マクロ的には等方的な回折光分布となる。こ
のため、前述の如く異物と回路パターンとの弁別が困難
となった。
【0021】次に微細な2次元パターンの周期性に着目
して回折光の分布状態を説明する。まず、図4(a)に
示すX、Y直交座標に沿った2次元周期パターン(X方
向のピッチはPx、Y方向のピッチはPy)の回折光の
発生状態を考える。図4(a)のようなX、Y直交座標
に沿った2次元周期パターンはDRAMではキャパシ
タ、コンタクトホール等に多く用いられる。図4(b)
は図3の正射影i’(r’)の作図と同様な手順で、回
路パターンからの回折光と球体Sとの重複領域である曲
断面の正射影を示す図である。図4(a)でのUV座標
軸は正反射光Irの正射影r’の中心を原点とした新た
な座標軸であり、XY座標軸が実在平面を示し、単位は
長さであるのに対し、UV座標軸は回折光の方向余弦を
表示するためのフーリエ平面であり、単位は空間周波数
である。微細な回路パターンからの回折光は、空間的に
離散度をもって発生し、図4(a)に示すように回折光
の正射影も離散的となる。また、離散的な回折光各々の
正射影は、正反射光の正射影r’と合同な形状となって
いる。更に回折光の正射影のピッチは、実際のパターン
のピッチに逆比例しており、U軸方向のピッチは1/P
x、V軸方向のピッチは1/Pyとなる。
して回折光の分布状態を説明する。まず、図4(a)に
示すX、Y直交座標に沿った2次元周期パターン(X方
向のピッチはPx、Y方向のピッチはPy)の回折光の
発生状態を考える。図4(a)のようなX、Y直交座標
に沿った2次元周期パターンはDRAMではキャパシ
タ、コンタクトホール等に多く用いられる。図4(b)
は図3の正射影i’(r’)の作図と同様な手順で、回
路パターンからの回折光と球体Sとの重複領域である曲
断面の正射影を示す図である。図4(a)でのUV座標
軸は正反射光Irの正射影r’の中心を原点とした新た
な座標軸であり、XY座標軸が実在平面を示し、単位は
長さであるのに対し、UV座標軸は回折光の方向余弦を
表示するためのフーリエ平面であり、単位は空間周波数
である。微細な回路パターンからの回折光は、空間的に
離散度をもって発生し、図4(a)に示すように回折光
の正射影も離散的となる。また、離散的な回折光各々の
正射影は、正反射光の正射影r’と合同な形状となって
いる。更に回折光の正射影のピッチは、実際のパターン
のピッチに逆比例しており、U軸方向のピッチは1/P
x、V軸方向のピッチは1/Pyとなる。
【0022】図5(a)は、a軸、b軸方向に各々ピッ
チPbで配列された周期パターンを示している。a軸と
b軸とはX軸及びY軸に対して線対称な関係となってお
り、各々X軸に対してθ1 だけ傾いている。図5(a)
に示すパターンはDRAMでは、素子分離体として多く
用いられる。図5(b)は回路パターンからの回折光の
正射影を示しており、図5(a)との関係は図4(a)
と図4(b)との関係と同様である。図5(b)におけ
る回折光の周期方向a’、b’はそれぞれパターン周期
方向a、bに直交しており、回折光の正射影の周期方向
a’またはb’のピッチ1/Pbとなり、パターンのピ
ッチPbと逆比例する。
チPbで配列された周期パターンを示している。a軸と
b軸とはX軸及びY軸に対して線対称な関係となってお
り、各々X軸に対してθ1 だけ傾いている。図5(a)
に示すパターンはDRAMでは、素子分離体として多く
用いられる。図5(b)は回路パターンからの回折光の
正射影を示しており、図5(a)との関係は図4(a)
と図4(b)との関係と同様である。図5(b)におけ
る回折光の周期方向a’、b’はそれぞれパターン周期
方向a、bに直交しており、回折光の正射影の周期方向
a’またはb’のピッチ1/Pbとなり、パターンのピ
ッチPbと逆比例する。
【0023】図6(a)は、X軸及びY軸に対称なc軸
とd軸とに周期方向をもつ一般的なパターンが各周期方
向に各々ピッチPbで配列された例を示す図である。c
軸とd軸とは各々X軸に対してθ2 だけ傾いている。回
折光の分布するUV座標系の座標位置はパターン1つず
つの形状に左右されないため、丸印で存在箇所を示し
た。図6(b)は図6(a)の回路パターンからの回折
光の正射影を示しており、図6(a)との関係は図4
(a)と図4(b)との関係と同様である。図6(b)
の回折光の正射影はc’軸とd’軸上に分布する。図5
の場合と同様に、c軸とc’軸,d軸とd’軸とは直交
し、回折光の周期方向のピッチ1/PbはパターンPb
に逆比例する。
とd軸とに周期方向をもつ一般的なパターンが各周期方
向に各々ピッチPbで配列された例を示す図である。c
軸とd軸とは各々X軸に対してθ2 だけ傾いている。回
折光の分布するUV座標系の座標位置はパターン1つず
つの形状に左右されないため、丸印で存在箇所を示し
た。図6(b)は図6(a)の回路パターンからの回折
光の正射影を示しており、図6(a)との関係は図4
(a)と図4(b)との関係と同様である。図6(b)
の回折光の正射影はc’軸とd’軸上に分布する。図5
の場合と同様に、c軸とc’軸,d軸とd’軸とは直交
し、回折光の周期方向のピッチ1/PbはパターンPb
に逆比例する。
【0024】さて、ここで、図7を用いて基板上の回路
パターンと異物との弁別の基本原理を説明する。図7
(a)は図4〜図6に示したような2次元の周期パター
ンによる回折光の発生状態を正射影上におけるV軸方向
の強度分布として、1次元的にとらえたものである。同
図において、離散的に発生する回折光(正射影)のピッ
チP1 、P 2 、P3 はパターン周期方向と微細度により
決定される。図7(b)は図7(a)の回折光の分布を
UV座標系で示したものである。図7(a)のハッチン
グと図7(b)のハッチングはそれぞれ対応している。
一方、図7(d)は異物からの散乱光の強度分布を示す
もので、パターン回折光が離散的であるのに対して異物
散乱光は空間的に連続して発生する。また、図7(c)
は検査点からの光を受光する独立した受光領域の正射影
をUV座標系で示したもので、ここでは図1の3つの受
光領域に対応する正射影A1 ”、B1 ”、C1 ”が示し
てある。
パターンと異物との弁別の基本原理を説明する。図7
(a)は図4〜図6に示したような2次元の周期パター
ンによる回折光の発生状態を正射影上におけるV軸方向
の強度分布として、1次元的にとらえたものである。同
図において、離散的に発生する回折光(正射影)のピッ
チP1 、P 2 、P3 はパターン周期方向と微細度により
決定される。図7(b)は図7(a)の回折光の分布を
UV座標系で示したものである。図7(a)のハッチン
グと図7(b)のハッチングはそれぞれ対応している。
一方、図7(d)は異物からの散乱光の強度分布を示す
もので、パターン回折光が離散的であるのに対して異物
散乱光は空間的に連続して発生する。また、図7(c)
は検査点からの光を受光する独立した受光領域の正射影
をUV座標系で示したもので、ここでは図1の3つの受
光領域に対応する正射影A1 ”、B1 ”、C1 ”が示し
てある。
【0025】パターン回折光の離散性と異物散乱光の連
続性を利用して両者を弁別するためには、各受光領域は
正射影図上で以下の条件を満たすように配置されなけれ
ばならない。先ず、受光領域の中の最も離れた受光領域
同士の間隔βがパターン回折光の幅v0 以上であること
が条件となる。そして、ここではβ=v0 とすると、以
下の数式9も満たす必要がある。 δ=P−v0 ≧2d+〔v0 −(n−2)d〕/(n−1)=R(n)…(9) δ:パターン回折光の間隔 P:パターン回折光のピッチ n:受光領域の数 d:受光領域の幅 v0 :パターン回折光の幅(=入射光束の幅) なお、Rは弁別能力を示す評価値であり、この値が小さ
いほど弁別能力が高くなる。
続性を利用して両者を弁別するためには、各受光領域は
正射影図上で以下の条件を満たすように配置されなけれ
ばならない。先ず、受光領域の中の最も離れた受光領域
同士の間隔βがパターン回折光の幅v0 以上であること
が条件となる。そして、ここではβ=v0 とすると、以
下の数式9も満たす必要がある。 δ=P−v0 ≧2d+〔v0 −(n−2)d〕/(n−1)=R(n)…(9) δ:パターン回折光の間隔 P:パターン回折光のピッチ n:受光領域の数 d:受光領域の幅 v0 :パターン回折光の幅(=入射光束の幅) なお、Rは弁別能力を示す評価値であり、この値が小さ
いほど弁別能力が高くなる。
【0026】上記条件を満足するとき、図7(c)に示
す3つの受光領域の正射影の全てに回折光の正射影(図
7(b))が重なることはなく、検査点Oからの光が連
続的な異物散乱光か離散的なパターン回折光かの弁別
(以下「離散性の弁別」という)が行える。具体的には
各受光領域からの信号の例えば論理積をとることにより
パターンと異物とを弁別する信号を得る。
す3つの受光領域の正射影の全てに回折光の正射影(図
7(b))が重なることはなく、検査点Oからの光が連
続的な異物散乱光か離散的なパターン回折光かの弁別
(以下「離散性の弁別」という)が行える。具体的には
各受光領域からの信号の例えば論理積をとることにより
パターンと異物とを弁別する信号を得る。
【0027】数式9に基づいて受光領域の数nを決定す
る際、弁別すべきパターン回折光の最小の間隔を知る必
要がある。各受光領域からの信号をある閾値により2値
化し、各2値化信号の論理積をとることにより、パター
ンと異物の弁別が可能となる。図9(d)の散乱光強度
eの異物を検出するためには、散乱光強度eよりもや低
い強度レベルに閾値Th1 を設定する。図9(d)より
明らかなように受光領域A”,B1 ”,C1 ”からの信
号はすべて閾値Th1 を越える。
る際、弁別すべきパターン回折光の最小の間隔を知る必
要がある。各受光領域からの信号をある閾値により2値
化し、各2値化信号の論理積をとることにより、パター
ンと異物の弁別が可能となる。図9(d)の散乱光強度
eの異物を検出するためには、散乱光強度eよりもや低
い強度レベルに閾値Th1 を設定する。図9(d)より
明らかなように受光領域A”,B1 ”,C1 ”からの信
号はすべて閾値Th1 を越える。
【0028】図9(a)に示す回路パターンから発生す
るピッチP1 ,P2 ,P3 の回折光はすべて閾値Th1
を越えているがパターン回折光の幅V0 とパターン回折
光のピッチPが数式9を満足しているため少なくとも1
つの受光領域にはパターン回折光が入射しない状態であ
る。すなわち、各受光領域からの信号の2値化信号の論
理積をとると、図9(d)に示す異物の場合に論理積を
とった結果としての真理値と異なる真理値となるためパ
ターンと異物の弁別が行える。
るピッチP1 ,P2 ,P3 の回折光はすべて閾値Th1
を越えているがパターン回折光の幅V0 とパターン回折
光のピッチPが数式9を満足しているため少なくとも1
つの受光領域にはパターン回折光が入射しない状態であ
る。すなわち、各受光領域からの信号の2値化信号の論
理積をとると、図9(d)に示す異物の場合に論理積を
とった結果としての真理値と異なる真理値となるためパ
ターンと異物の弁別が行える。
【0029】実際に装置を設計する上では、まず最小の
検出異物の信号強度が決定され、これを検出できるよう
に閾値Th1 を決定し、これを越える信号レベルについ
て離散性の弁別がおこなえればよい。換言すれば、閾値
Th1 を越えるパターン回折光について数式9が成立す
ればよい。周期パターンによる回折光のピッチPは周期
パターンのピッチと逆比例する。図9(a)に示すよう
にピッチPが小さくなると同時に強度が低下する。これ
は受光領域を正反射光の位置、つまりUV平面上の原点
Oから離れた位置に設けていることによる。従って、図
9(a)に示す閾値Th1 を越えるパターン回折光のピ
ッチPはある値δ0 よりも小さくならない。閾値Th1
を越えるパターン回折光のピッチPの最小値δ0 に対し
て数式(a)が成り立つように、受光領域の幅dが受光
領域の数nを設定する。最小の値δ0 を決定するパラメ
ータとして 入射ビームの入射角 受光領域の位置 入射ビームのスポットサイズなどがあり、実験により
〜のパラメータを最適化し、なるべくδ0 の値を大
きくなるように構成し、最小のnにより離散性の弁別を
行う。 本発明は以上の原理にもとづいてなされたものである。
検出異物の信号強度が決定され、これを検出できるよう
に閾値Th1 を決定し、これを越える信号レベルについ
て離散性の弁別がおこなえればよい。換言すれば、閾値
Th1 を越えるパターン回折光について数式9が成立す
ればよい。周期パターンによる回折光のピッチPは周期
パターンのピッチと逆比例する。図9(a)に示すよう
にピッチPが小さくなると同時に強度が低下する。これ
は受光領域を正反射光の位置、つまりUV平面上の原点
Oから離れた位置に設けていることによる。従って、図
9(a)に示す閾値Th1 を越えるパターン回折光のピ
ッチPはある値δ0 よりも小さくならない。閾値Th1
を越えるパターン回折光のピッチPの最小値δ0 に対し
て数式(a)が成り立つように、受光領域の幅dが受光
領域の数nを設定する。最小の値δ0 を決定するパラメ
ータとして 入射ビームの入射角 受光領域の位置 入射ビームのスポットサイズなどがあり、実験により
〜のパラメータを最適化し、なるべくδ0 の値を大
きくなるように構成し、最小のnにより離散性の弁別を
行う。 本発明は以上の原理にもとづいてなされたものである。
【0030】さて、次に図1の受光器2の受光セグメン
トDに入射する光束と2次元光電変換素子アレイ12と
の関係を図8を参照して説明する。図8は図2に対応さ
せて2次元光電変換素子アレイ12をフーリエ面で示し
たものである。受光セグメントDとイメージファイバー
13はフーリエ変換光学素子を形成している。すなわ
ち、2次元光電変化素子アレイ12の各素子に入射する
イメージファイバー13からの光は各々図8に示すよう
に球体S上の曲断面の基板1への正射影上の各点と対応
している。つまり、図8の点aに対応する光束は、図8
のU’V’平面上の点a’に対応する。U’,V’は光
電変換素子アレイ12のフーリエ変換面上での中心を原
点とした新たな座標系である。
トDに入射する光束と2次元光電変換素子アレイ12と
の関係を図8を参照して説明する。図8は図2に対応さ
せて2次元光電変換素子アレイ12をフーリエ面で示し
たものである。受光セグメントDとイメージファイバー
13はフーリエ変換光学素子を形成している。すなわ
ち、2次元光電変化素子アレイ12の各素子に入射する
イメージファイバー13からの光は各々図8に示すよう
に球体S上の曲断面の基板1への正射影上の各点と対応
している。つまり、図8の点aに対応する光束は、図8
のU’V’平面上の点a’に対応する。U’,V’は光
電変換素子アレイ12のフーリエ変換面上での中心を原
点とした新たな座標系である。
【0031】図1の受光器2の受光領域A、B、Cは異
物検査用であり、基板1のフーリエスペクトル測定に
は、2次元光電変換素子アレイ12で行う。図8におい
て正射影20bは受光面に含まれる光束のフーリエスペ
クトル範囲、正射影12”はアレイの測定するスペクト
ルを示している。次に、基板1をXY平面内で回転させ
た時のフーリエスペクトルの様子を説明する。図9は図
5に示すようなX、Y軸に対称な周期方向を有するパタ
ーンのフーリエスペクトルの一例を示す。図9は基板1
のZY平面を入射面とした場合を示し、受光面に入射す
る光束のフーリエスペクトル(の総和)をフーリエ面上
でE”と仮定する。
物検査用であり、基板1のフーリエスペクトル測定に
は、2次元光電変換素子アレイ12で行う。図8におい
て正射影20bは受光面に含まれる光束のフーリエスペ
クトル範囲、正射影12”はアレイの測定するスペクト
ルを示している。次に、基板1をXY平面内で回転させ
た時のフーリエスペクトルの様子を説明する。図9は図
5に示すようなX、Y軸に対称な周期方向を有するパタ
ーンのフーリエスペクトルの一例を示す。図9は基板1
のZY平面を入射面とした場合を示し、受光面に入射す
る光束のフーリエスペクトル(の総和)をフーリエ面上
でE”と仮定する。
【0032】このとき、V方向の回折光の存在しないフ
ーリエスペクトルの幅はG1 で表される。図9の基板1
をXY平面内で45°だけθ方向に回転したときの2次
元周期パターンのフーリエスペクトルを図10に示す。
2次元周期パターンのフーリエスペクトルは離散的なス
ペクトル各々の中心点(以下では単に「逆格子点」とい
う)のフーリエ面での座標は基板1の回転に伴い、0次
回折光のスペクトル位置O’を中心に45°回転移動す
る。しかしながら、入射光束が傾いているので入射光束
の楕円状のフーリエスペクトルは常にU方向が長手方向
になっている。このためE”内で観測されるフーリエス
ペクトルの様子は異なり、回折光の存在しないV方向の
幅はG2 (G2 >G1 )で示される。回折光の存在しな
いV方向の幅は大きいほど異物とパターンとのスペクト
ル弁別(離散性による弁別)には優位である。すなわ
ち、受光器2を回転させることより受光領域A”,
B”,C”の長手方向をフーリエスペクトルの周期方向
(U方向)と一致させたとき、回折光の存在しないV方
向の幅が大きいほどスペクトル弁別には優位である。ま
た、このとき入射光束の楕円状のフーリエスペクトルの
長手方向と受光領域A”,B”,C”の長手方向とは一
致しており、スペクトル弁別に優位である。
ーリエスペクトルの幅はG1 で表される。図9の基板1
をXY平面内で45°だけθ方向に回転したときの2次
元周期パターンのフーリエスペクトルを図10に示す。
2次元周期パターンのフーリエスペクトルは離散的なス
ペクトル各々の中心点(以下では単に「逆格子点」とい
う)のフーリエ面での座標は基板1の回転に伴い、0次
回折光のスペクトル位置O’を中心に45°回転移動す
る。しかしながら、入射光束が傾いているので入射光束
の楕円状のフーリエスペクトルは常にU方向が長手方向
になっている。このためE”内で観測されるフーリエス
ペクトルの様子は異なり、回折光の存在しないV方向の
幅はG2 (G2 >G1 )で示される。回折光の存在しな
いV方向の幅は大きいほど異物とパターンとのスペクト
ル弁別(離散性による弁別)には優位である。すなわ
ち、受光器2を回転させることより受光領域A”,
B”,C”の長手方向をフーリエスペクトルの周期方向
(U方向)と一致させたとき、回折光の存在しないV方
向の幅が大きいほどスペクトル弁別には優位である。ま
た、このとき入射光束の楕円状のフーリエスペクトルの
長手方向と受光領域A”,B”,C”の長手方向とは一
致しており、スペクトル弁別に優位である。
【0033】次にフーリエ面の画像処理の方法の一例に
ついて説明する。図11に示すようにU軸となす角αの
座標Wに直角な直線のコンボリューションマスクLを用
い、例えば図5(a)に示すようなパターンについてα
をパラメータとして座標Wに沿って、畳み込み積分を行
う。この結果のピーク値を抽出することにより、フーリ
エスペクトルが図5(b)に示すようなものである場
合、図12(a)、(b)、(c)、(d)に示すよう
に、α=α1 、α2 、α3 、α4 において周期線列が得
られる。
ついて説明する。図11に示すようにU軸となす角αの
座標Wに直角な直線のコンボリューションマスクLを用
い、例えば図5(a)に示すようなパターンについてα
をパラメータとして座標Wに沿って、畳み込み積分を行
う。この結果のピーク値を抽出することにより、フーリ
エスペクトルが図5(b)に示すようなものである場
合、図12(a)、(b)、(c)、(d)に示すよう
に、α=α1 、α2 、α3 、α4 において周期線列が得
られる。
【0034】このとき、各々の周期線列のピッチP1 、
P2 、P3 、P4 のうち、最大のときのαを選択する。
このαに対応する直線Nの方向が入射ビームのスペクト
ルの長手方向となるように被検査面に対する入射面の方
向を決定する。すなわち、直線Wの方向を入射面の方向
に一致させる。換言すればフーリエスペクトルの周期方
向と入射光束の楕円状のフーリエスペクトルの長手方向
とを一致させる。
P2 、P3 、P4 のうち、最大のときのαを選択する。
このαに対応する直線Nの方向が入射ビームのスペクト
ルの長手方向となるように被検査面に対する入射面の方
向を決定する。すなわち、直線Wの方向を入射面の方向
に一致させる。換言すればフーリエスペクトルの周期方
向と入射光束の楕円状のフーリエスペクトルの長手方向
とを一致させる。
【0035】次に基板1の2次元周期パターンのフーリ
エスペクトルの測定方法と検査前動作の一例を説明す
る。まず、図1の駆動手段9にてビームエキスパンダー
5を送光系の光軸から撤去する。これにより、送光系の
開口数が小さくなり、検査点Oでのビーム径が送光系の
開口数に反比例して大きくなる。入射ビームの開口数を
小さくすることで照射領域が拡大し、フーリエスペクト
ルの測定時間を短縮できる。これと同時に図13
(a)、(b)に示すように、フーリエスペクトルの各
スペクトルが小さくなり、入射ビームのフーリエスペク
トルの影響の少ない点状のフーリエスペクトル分布が得
られる。尚、図13(a)は図4(b)に対応するもの
であり、図13(b)は図5(b)に対応するものであ
る。
エスペクトルの測定方法と検査前動作の一例を説明す
る。まず、図1の駆動手段9にてビームエキスパンダー
5を送光系の光軸から撤去する。これにより、送光系の
開口数が小さくなり、検査点Oでのビーム径が送光系の
開口数に反比例して大きくなる。入射ビームの開口数を
小さくすることで照射領域が拡大し、フーリエスペクト
ルの測定時間を短縮できる。これと同時に図13
(a)、(b)に示すように、フーリエスペクトルの各
スペクトルが小さくなり、入射ビームのフーリエスペク
トルの影響の少ない点状のフーリエスペクトル分布が得
られる。尚、図13(a)は図4(b)に対応するもの
であり、図13(b)は図5(b)に対応するものであ
る。
【0036】そこで、例えば、エキスパンダ倍率を10
倍とすると、撤去時には1倍の状態のビーム径(挿入時
の10倍)でフーリエスペクトルの測定を行うものであ
る。次に基板上で2次元周期パターンの存在する領域が
既知であればその領域のみを光走査し、前述した「フー
リエ面の画像処理」により基板に対する入射面の方向を
決定し、ステージ駆動手段11によりステージ10を回
転させ、基板1を所定の方向に回転、固定する。以上で
スペクトル測定と検査前動作を完了する。検査時には駆
動手段9によりビームエキスパンダー5を光軸上に復帰
させ、異物の検査に最適化されたビーム径としたのち、
異物検査を行う。
倍とすると、撤去時には1倍の状態のビーム径(挿入時
の10倍)でフーリエスペクトルの測定を行うものであ
る。次に基板上で2次元周期パターンの存在する領域が
既知であればその領域のみを光走査し、前述した「フー
リエ面の画像処理」により基板に対する入射面の方向を
決定し、ステージ駆動手段11によりステージ10を回
転させ、基板1を所定の方向に回転、固定する。以上で
スペクトル測定と検査前動作を完了する。検査時には駆
動手段9によりビームエキスパンダー5を光軸上に復帰
させ、異物の検査に最適化されたビーム径としたのち、
異物検査を行う。
【0037】次に本発明の第2の実施例について説明す
る。図14は第2の実施例に好適な装置の概略を示す斜
視図であり、図1と同様の部材には同様の符号を付して
ある。図14の装置では2次元周期パターンのフーリエ
スペクトルの測定専用の光学系13を有している点で図
1の装置とは異なる。スペクトル測定用の光学系はフー
リエ変換レンズ13によりフーリエ面14を形成してい
る。この面に2次元光電変換素子12を一致させること
で、測定点Oのフーリエスペクトルを測定する。本実施
例もエアシリンダ等の駆動手段9を有しており、これに
よって第1の実施例と同様の動作により測定点O上のビ
ームスポットサイズを可変とする。
る。図14は第2の実施例に好適な装置の概略を示す斜
視図であり、図1と同様の部材には同様の符号を付して
ある。図14の装置では2次元周期パターンのフーリエ
スペクトルの測定専用の光学系13を有している点で図
1の装置とは異なる。スペクトル測定用の光学系はフー
リエ変換レンズ13によりフーリエ面14を形成してい
る。この面に2次元光電変換素子12を一致させること
で、測定点Oのフーリエスペクトルを測定する。本実施
例もエアシリンダ等の駆動手段9を有しており、これに
よって第1の実施例と同様の動作により測定点O上のビ
ームスポットサイズを可変とする。
【0038】本実施例では、フーリエスペクトルの測定
の際に、フーリエ変換レンズ13を用いるため基板上を
振動ミラー4により光走査しながらスペクトル測定を行
う場合、フーリエ変換レンズ13の視野は十分に走査範
囲をカバーしなくてはならない。以上、第1、第2の実
施例ではフーリエスペクトルを光学的に測定している
が、回路パターンの設計データに基づいて算出してもよ
い。
の際に、フーリエ変換レンズ13を用いるため基板上を
振動ミラー4により光走査しながらスペクトル測定を行
う場合、フーリエ変換レンズ13の視野は十分に走査範
囲をカバーしなくてはならない。以上、第1、第2の実
施例ではフーリエスペクトルを光学的に測定している
が、回路パターンの設計データに基づいて算出してもよ
い。
【0039】図15は第1の実施例のフーリエスペクト
ル測定範囲12”と第2の実施例のフーリエスペクトル
測定範囲13”を示している。同図には一般的な2次元
周期パターンのフーリエスペクトルを入射ビームのスペ
クトルi”とともに示している。以上の実施例では基板
1を回転することにより、入射光Iと回路パターンの周
期方向との関係を最適化、換言すれば回折光のフーリエ
スペクトルの間隔が、受光領域の短手方向に関して最も
広くすることを行っていたが、光源6、ミラー4、f−
θレンズ3等で構成される送光系を移動することによ
り、入射光Iと回路パターンの周期方向との関係を最適
化するようにしてもよい。この際、送光系と受光器2と
を一体に移動させてもよい。また、送光系のみを移動さ
せ、送光系の移動により変化する回折光の長手方向と受
光領域の長手方向とが一致するように受光器2を回転さ
せるようにしてもよい。
ル測定範囲12”と第2の実施例のフーリエスペクトル
測定範囲13”を示している。同図には一般的な2次元
周期パターンのフーリエスペクトルを入射ビームのスペ
クトルi”とともに示している。以上の実施例では基板
1を回転することにより、入射光Iと回路パターンの周
期方向との関係を最適化、換言すれば回折光のフーリエ
スペクトルの間隔が、受光領域の短手方向に関して最も
広くすることを行っていたが、光源6、ミラー4、f−
θレンズ3等で構成される送光系を移動することによ
り、入射光Iと回路パターンの周期方向との関係を最適
化するようにしてもよい。この際、送光系と受光器2と
を一体に移動させてもよい。また、送光系のみを移動さ
せ、送光系の移動により変化する回折光の長手方向と受
光領域の長手方向とが一致するように受光器2を回転さ
せるようにしてもよい。
【0040】以上の実施例ではフーリエ座標系で本発明
の原理、受光領域の正射影とフーリエスペクトルの関係
について述べてきたが、フーリエ座標上の1点と受光面
上の1点とは一体一に対応しており、以上のようなフー
リエ座標系を実際の受光面上の座標系に変換することが
できる。従って、フーリエ座標系で説明した本発明の原
理、受光領域の正射影とフーリエスペクトルの関係と同
様にして実際の受光面上で受光領域を設定することがで
きる。
の原理、受光領域の正射影とフーリエスペクトルの関係
について述べてきたが、フーリエ座標上の1点と受光面
上の1点とは一体一に対応しており、以上のようなフー
リエ座標系を実際の受光面上の座標系に変換することが
できる。従って、フーリエ座標系で説明した本発明の原
理、受光領域の正射影とフーリエスペクトルの関係と同
様にして実際の受光面上で受光領域を設定することがで
きる。
【0041】尚、以上の各々の実施例において、図16
に示すように基板1と受光器2との間に第1対物レンズ
30a、第2対物レンズ30bからなる受光レンズ30
を設け、受光レンズ30の瞳面、もしくは瞳共役面上に
受光器2の受光面20を配置するようにしてもよい。受
光レンズ30は基板1上の走査線L−O−Rを見込むよ
うに配置されており、第1対物レンズ30aに入射した
光束は基板1に対して共役な位置で走査線L−O−Rと
ほぼ平行に設けられた像面スリット31により、迷光の
除去がなされ、第2対物レンズ30bに入射し、さらに
受光レンズ30の瞳面、もしくは瞳共役面上に配置され
た受光面20に入射するように受光器2が設けられてい
る。
に示すように基板1と受光器2との間に第1対物レンズ
30a、第2対物レンズ30bからなる受光レンズ30
を設け、受光レンズ30の瞳面、もしくは瞳共役面上に
受光器2の受光面20を配置するようにしてもよい。受
光レンズ30は基板1上の走査線L−O−Rを見込むよ
うに配置されており、第1対物レンズ30aに入射した
光束は基板1に対して共役な位置で走査線L−O−Rと
ほぼ平行に設けられた像面スリット31により、迷光の
除去がなされ、第2対物レンズ30bに入射し、さらに
受光レンズ30の瞳面、もしくは瞳共役面上に配置され
た受光面20に入射するように受光器2が設けられてい
る。
【0042】また以上の実施例で、光電変換素子12の
各受光素子を適宜選択して受光領域A,B,Cからの信
号に基づいて異物検出を行ってもよい。すなわち、光電
変換素子12でフーリエスペクトルの測定と異物検査と
の両方を行うようにしてもよい。
各受光素子を適宜選択して受光領域A,B,Cからの信
号に基づいて異物検出を行ってもよい。すなわち、光電
変換素子12でフーリエスペクトルの測定と異物検査と
の両方を行うようにしてもよい。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、周期性パ
ターンの周期方向と入射光の入射方向とを最適となるよ
うに位置調整を可能としたので、異物の弁別能力が向上
する。
ターンの周期方向と入射光の入射方向とを最適となるよ
うに位置調整を可能としたので、異物の弁別能力が向上
する。
【図1】本発明の第1の実施例による欠陥検査装置の概
略を示す斜視図である。
略を示す斜視図である。
【図2】図1の基板表面をZ方向からみた概念図であ
る。
る。
【図3】図1の装置を部分的に示す図である。
【図4】(a)は回路パターンを示す図、(b)はフー
リエ面における回折光の分布を示す図である。
リエ面における回折光の分布を示す図である。
【図5】(a)は回路パターンを示す図、(b)はフー
リエ面における回折光の分布を示す図である。
リエ面における回折光の分布を示す図である。
【図6】(a)は回路パターンを示す図、(b)はフー
リエ面における回折光の分布を示す図である。
リエ面における回折光の分布を示す図である。
【図7】(a)〜(d)は回路パターンと異物の弁別原
理を説明する図である。
理を説明する図である。
【図8】図1の基板表面をZ方向からみた概念図に2次
元光電変換素子アレイを対応ささて示す図である。
元光電変換素子アレイを対応ささて示す図である。
【図9】パターンの周期方向と入射面との関係を示す図
である。
である。
【図10】パターンの周期方向と入射面との関係を示す
図である。
図である。
【図11】画像処理の方法の一例を説明する図である。
【図12】(a)〜(d)画像処理により検出される周
期方向を説明する図である。
期方向を説明する図である。
【図13】送光系の開口数とフーリエスペクトルの大き
さとの関係を説明する図である。
さとの関係を説明する図である。
【図14】本発明の第2の実施例による欠陥検査装置の
概略を示す斜視図である。
概略を示す斜視図である。
【図15】第1の実施例のフーリエスペクトル測定範囲
と第2の実施例の測定範囲のフーリエスペクトルの測定
範囲を示している。
と第2の実施例の測定範囲のフーリエスペクトルの測定
範囲を示している。
【図16】受光光学系の瞳面上に受光面を設けた場合を
説明する図である。
説明する図である。
【図17】従来の欠陥検査装置を説明する図である。
1…基板 2…受光器 3…f−θレンズ 6…光源 8…光電変換素子 9…駆動手段 10…ステージ 11…ステージ駆動部材 12…2次元光電変換素子 20…受光面 30…受光光学系 A、B、C…受光領域
Claims (10)
- 【請求項1】表面に回路パターンが形成された基板の表
面に照射する光束を生成する光源と、該光源からの光束
を前記基板表面上の検査点に集光させる集光手段と、前
記光束を前記基板上で一次元方向に光走査する光走査手
段と、前記基板を載置するとともに、少なくとも前記光
走査の方向とほぼ垂直な方向に移動可能な基板ステージ
と、前記被検査点から発生する光束を受光する受光面を
有し、該受光面で受光された光束の強度に応じた受光信
号を出力する受光手段と、該受光信号に基づいて前記基
板表面の欠陥の有無を弁別する弁別手段とを有する欠陥
検査装置において、 前記受光面は複数の受光領域に分割され、該受光領域毎
に入射する光束の強度に応じた複数の独立した受光信号
を出力し、前記弁別手段は該複数の受光信号のすべてが
所定の閾値以上のときに欠陥ありの判断を行い、それ以
外のときは欠陥なしの判断を行うものであって、 前記回路パターンからの回折光が前記受光面に入射し、
前記受光面上に形成される回折光の強度分布を直接また
は間接的に測定する回折光分布測定手段と;前記基板へ
の前記光束の照射する方向を選択する照明方向選択手段
と;前記照明方向選択手段を調整する調整手段とを有
し、 前記回折光分布測定手段は、欠陥検査を行う前に前記受
光面上に入射しうる回折光分布を測定し、前記調整手段
はこの結果に基づいて前記照明方向選択手段により前記
回路パターンに対する前記光束の照射する方向を規定す
ることによって前記受光面上の回折光分布を最適化する
ことを特徴とする欠陥検査装置。 - 【請求項2】前記受光面は受光光束を規定する開口に相
当する平面上に設けられていることを特徴とする請求項
1記載の装置。 - 【請求項3】前記受光手段は受光光学系を有し、前記受
光面は該受光光学系の瞳面上に設けられていることを特
徴とする請求項1記載の装置。 - 【請求項4】前記照明方向選択手段は前記基板ステージ
を前記基基板表面を含む面内で回転させることにより照
明方向を選択することを特徴とする請求項1記載の装
置。 - 【請求項5】前記照明方向選択手段は前記基板に入射す
る光束を前記基板に対して移動させることにより照明方
向を選択することを特徴とする請求項1記載の装置。 - 【請求項6】前記照明方向選択手段は前記集光手段と前
記受光手段とを一体に移動させることにより照明方向を
選択することを特徴とする請求項1記載の装置。 - 【請求項7】前記受光面上の複数の受光領域は、長手方
向を有し、各々の受光領域の長手方向が受光面上の第1
方向に向くように並列に設けられ、前記照明方向選択手
段は該受光面上に発生しうる回路パターンからの回折光
であって、離散的な点または楕円の2次元配列として観
測される回折光分布のうちで第2方向の直線上に離散的
に整列する回折光分布に平行に受光領域を配置するため
に、前記第1方向を第2方向に一致させることを特徴と
する請求項1記載の装置。 - 【請求項8】前記受光面上の複数の受光領域は長手方向
を有し、各々の受光領域の長手方向が受光面上の第1方
向に向くように並列に設けられ、前記照明方向選択手段
は該受光面上に発生しうる回路パターンからの回折光で
あって離散的な楕円の2次元配列として観察される回折
光分布のうちで楕円の直径方向に平行な第3方向に平行
に受光領域を配置するために前記第1方向を第3方向に
一致させることを特徴とする請求項1記載の装置。 - 【請求項9】前記入射方向選択手段は前記受光面上に発
生しうる回路パターンからの回折光であって離散的な楕
円の2次元配列方向として観測される回折光分布のうち
で前記第2方向の直線上に離散的に整列する回折光分布
に平行方向に該楕円の長径方向である前記第3方向を一
致させるように入射方向を選択することを特徴とする請
求項8記載の装置。 - 【請求項10】前記受光手段は前記受光面とほぼ平行な
方向に回転可能もしくは空間的に移動可能な受光器移動
手段を有し、前記照明方向選択手段と該受光器駆動手段
との両方を調整することにより、前記受光領域の長手方
向と回折光分布とを最適化することを特徴とする請求項
7又は請求項8に記載の装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5089769A JPH0643111A (ja) | 1992-04-20 | 1993-04-16 | 欠陥検査装置 |
US08/904,890 US5798831A (en) | 1991-12-19 | 1997-08-04 | Defect inspecting apparatus and defect inspecting method |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-99765 | 1992-04-20 | ||
JP9976592 | 1992-04-20 | ||
JP5089769A JPH0643111A (ja) | 1992-04-20 | 1993-04-16 | 欠陥検査装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0643111A true JPH0643111A (ja) | 1994-02-18 |
Family
ID=26431173
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5089769A Pending JPH0643111A (ja) | 1991-12-19 | 1993-04-16 | 欠陥検査装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0643111A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5838433A (en) * | 1995-04-19 | 1998-11-17 | Nikon Corporation | Apparatus for detecting defects on a mask |
WO2009125805A1 (ja) * | 2008-04-09 | 2009-10-15 | 株式会社ニコン | 表面検査方法および表面検査装置 |
JP2012132859A (ja) * | 2010-12-24 | 2012-07-12 | Hitachi High-Technologies Corp | 検査装置 |
JP2013076651A (ja) * | 2011-09-30 | 2013-04-25 | Toppan Printing Co Ltd | 周期性パターン検査方法および周期性パターン検査装置 |
-
1993
- 1993-04-16 JP JP5089769A patent/JPH0643111A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5838433A (en) * | 1995-04-19 | 1998-11-17 | Nikon Corporation | Apparatus for detecting defects on a mask |
WO2009125805A1 (ja) * | 2008-04-09 | 2009-10-15 | 株式会社ニコン | 表面検査方法および表面検査装置 |
CN101990636A (zh) * | 2008-04-09 | 2011-03-23 | 株式会社尼康 | 表面检查方法和表面检查装置 |
JPWO2009125805A1 (ja) * | 2008-04-09 | 2011-08-04 | 株式会社ニコン | 表面検査方法および表面検査装置 |
US8115916B2 (en) | 2008-04-09 | 2012-02-14 | Nikon Corporation | Surface inspecting method and surface inspecting apparatus |
JP2012132859A (ja) * | 2010-12-24 | 2012-07-12 | Hitachi High-Technologies Corp | 検査装置 |
JP2013076651A (ja) * | 2011-09-30 | 2013-04-25 | Toppan Printing Co Ltd | 周期性パターン検査方法および周期性パターン検査装置 |
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