JPH064290A - 知識ベースシステムの知識獲得装置およびその知識修正装置 - Google Patents

知識ベースシステムの知識獲得装置およびその知識修正装置

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JPH064290A
JPH064290A JP16303892A JP16303892A JPH064290A JP H064290 A JPH064290 A JP H064290A JP 16303892 A JP16303892 A JP 16303892A JP 16303892 A JP16303892 A JP 16303892A JP H064290 A JPH064290 A JP H064290A
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智恵子 小林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】知識ベースの知識獲得を自動的に行い、その知
識修正を簡易に行う。 【構成】複数のデータに対してクラスタ分析部10は所
定のクラスタに分類し、このクラスタごとに帰納学習部
11がルールの条件部の知識を獲得し、データ分析部1
2が重回帰分析により所定の計算式を得てルールの実行
部の知識を獲得し、知識生成部13は、クラスタごとに
ルールとしてまとめ、知識ベース3に知識として格納す
る。一方、新規データに対しては、知識ベース3の既存
ルールと照合し、満足しない場合はさらに、知識までに
は至らずに格納されていたサブ知識と照合し、満足する
場合はこのサブ知識をルールの条件部に追加し、既存ル
ールおよびサブ知識を満足していた場合は該当するルー
ルの実行部の計算を行って出力値が許容範囲を満足する
か否かを判定し、満足する場合はそのルールの実行部の
計算式のみの修正を行う。サブ知識あるいは許容範囲を
満足しない場合は、新規データを含む全データに対して
クラスタ分析からやり直し、再度知識を獲得する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、診断、推定、予測、制
御、計測等の分野において、取得したデータから知識を
獲得し、知識を修正することができる知識ベースシステ
ムの知識獲得装置およびその知識修正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、知識ベースシステムは、プロダク
ション・ルールと呼ばれるIF(条件部)−THEN
(実行部)形式の知識を格納する知識ベースを有し、こ
の知識ベースの知識を組み合わせて推論等を行ってい
た。この知識ベースの知識獲得およびその修正は、知識
ベースシステムの能力を左右する重要なものである。
【0003】しかし、この知識ベースシステムの知識ベ
ースの知識獲得およびその知識修正は、知識獲得のため
の十分なデータを保持していいても、別の手段により統
計的にデータの分析を行い、その結果を利用して知識を
獲得していたため、知識ベースに知識を格納するのに多
大の労力を必要とした。また、この場合の知識修正も獲
得した知識との整合性を考慮しないために多大の労力を
必要とした。
【0004】例えば、エキスパートシステムで使用され
る知識ベースのルールは、専門家から専門知識を獲得
し、解釈し、さらにこの獲得した知識をエキスパートシ
ステムに適合する形式のルールを作成して知識ベースに
格納する作業が必要であり、十分なエキスパートシステ
ムを構築するためには、多大の時間および労力を必要と
するという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、従来
の知識ベースシステムにおいて、知識ベースに格納され
る知識の獲得およびその知識の修正は、知識ベースシス
テムの能力を左右する重要なものでもあるにもかかわら
ず、多大の時間および労力を必要としていたという問題
点があった。
【0006】そこで、本発明は、かかる問題点を除去
し、知識の獲得を自動的に行い、かつ知識の修正を簡易
に行うことができる知識ベースシステムの知識獲得装置
およびその知識修正装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、複数の属
性に対応したデータを有している複数のデータ群から知
識ベースシステムの知識ベースに格納される知識を獲得
する知識ベースシステムの知識獲得装置において、前記
複数の属性のうちの特定された第1の属性群からなる前
記複数のデータ群の部分データ群をクラスタ分析して前
記複数のデータ群をクラスタに分類するデータ分類手段
と、前記データ分類手段により分類されたクラスタ単位
の複数のデータ群から前記知識ベースの知識を獲得する
クラスタ単位知識獲得手段とを具備したことを特徴とす
る。
【0008】第2の発明は、第1の発明において、前記
クラスタ単位知識獲得手段は、前記データ分類手段によ
り分類されたクラスタごとに、所定の帰納学習方法によ
り求めたクラスタ属性条件の論理式をルールの条件部の
知識として獲得する条件部知識獲得手段と、前記データ
分類手段により分類されたクラスタごとに、特定された
第2の属性群からなる該クラスタ内の複数の部分データ
群に基づき、所定のデータ分析方法により最適な数値的
関係式をルールの実行部の知識として獲得する実行部知
識獲得手段と、前記条件部知識獲得手段と前記実行部知
識獲得手段とから得られる前記クラスタごとの知識から
前記知識ベースのルールを生成するルール生成手段とを
具備したことを特徴とする。
【0009】第3の発明は、複数の属性に対応したデー
タを有している複数のデータ群をもとに、該複数の属性
のうちの特定された第1の属性群からなる前記複数のデ
ータ群の部分データ群をクラスタ分析して前記複数のデ
ータ群をクラスタに分類するデータ分類手段と、前記デ
ータ分類手段により分類されたクラスタごとに、所定の
帰納学習方法により求めたクラスタ属性条件の論理式を
ルールの条件部の知識として獲得する条件部知識獲得手
段と、前記データ分類手段により分類されたクラスタご
とに、特定された第2の属性群からなる該クラスタ内の
複数の部分データ群に基づき、所定のデータ分析方法に
より最適な数値的関係式をルールの実行部の知識として
獲得する実行部知識獲得手段と、前記条件部知識獲得手
段と前記実行部知識獲得手段とから得られる前記クラス
タごとの知識から前記知識ベースのルールを生成するル
ール生成手段とを有し、前記条件部知識獲得手段により
獲得された知識のうち知識ベースの知識としての利用を
留保する知識をサブ知識として前記知識ベースに格納し
て、新規データ群に対する前記知識ベースの知識修正を
行う知識ベースシステムの知識修正装置において、前記
新規データ群と前記知識ベースに格納されているルール
の条件部の知識とを照合して満足するものがあるか否か
を判定する知識判定手段と、前記知識判定手段により満
足するものがない場合に、前記新規データ群と前記知識
ベースに格納されている前記サブ知識とを照合して満足
するものがあるか否かを判定するサブ知識判定手段と、
前記サブ知識判定手段により満足するものがあると判定
した場合に、前記サブ知識の留保を取り消して前記ルー
ルの条件部の知識に追加するサブ知識追加手段と、前記
知識判定手段あるいは前記サブ知識判定手段により満足
するものがあると判定された場合、前記ルールの条件部
の知識に対応する前記ルールの実行部の知識による処理
を行い、該処理出力が所定の許容範囲内か否かを判定す
る許容範囲判定手段と、前記許容範囲判定手段により許
容範囲内と判定された場合は、前記ルールの条件部の知
識および修正した前記ルールの実行部の知識を修正知識
として前記知識ベースに格納する部分知識修正手段と、
前記サブ知識判定手段により満足するものがないと判定
された場合あるいは前記許容範囲判定手段により許容範
囲内でないと判定された場合に、再度、前記新規データ
群を含めた前記複数のデータ群から知識獲得を行わせる
指示をする全体知識修正手段とを具備したことを特徴と
する。
【0010】
【作用】第1の発明は、複数の属性に対応したデータを
有している複数のデータ群から知識ベースシステムの知
識ベースに格納される知識を獲得する知識ベースシステ
ムの知識獲得装置において、データ分類手段が、前記複
数の属性のうちの特定された第1の属性群からなる前記
複数のデータ群の部分データ群をクラスタ分析して前記
複数のデータ群をクラスタに分類し、クラスタ単位知識
獲得手段が、前記データ分類手段により分類されたクラ
スタ単位の複数のデータ群から前記知識ベースの知識を
獲得する。
【0011】第2の発明は、第1の発明において、前記
クラスタ単位知識獲得手段の条件部知識獲得手段が、前
記データ分類手段により分類されたクラスタごとに、所
定の帰納学習方法により求めたクラスタ属性条件の論理
式をルールの条件部の知識として獲得し、前記クラスタ
単位知識獲得手段の実行部知識獲得手段が、前記データ
分類手段により分類されたクラスタごとに、特定された
第2の属性群からなる該クラスタ内の複数の部分データ
群に基づき、所定のデータ分析方法により最適な数値的
関係式をルールの実行部の知識として獲得し、前記クラ
スタ単位知識獲得手段のルール生成手段が、前記条件部
知識獲得手段と前記実行部知識獲得手段とから得られる
前記クラスタごとの知識から前記知識ベースのルールを
生成する。
【0012】第3の発明は、複数の属性に対応したデー
タを有している複数のデータ群をもとに、該複数の属性
のうちの特定された第1の属性群からなる前記複数のデ
ータ群の部分データ群をクラスタ分析して前記複数のデ
ータ群をクラスタに分類するデータ分類手段と、前記デ
ータ分類手段により分類されたクラスタごとに、所定の
帰納学習方法により求めたクラスタ属性条件の論理式を
ルールの条件部の知識として獲得する条件部知識獲得手
段と、前記データ分類手段により分類されたクラスタご
とに、特定された第2の属性群からなる該クラスタ内の
複数の部分データ群に基づき、所定のデータ分析方法に
より最適な数値的関係式をルールの実行部の知識として
獲得する実行部知識獲得手段と、前記条件部知識獲得手
段と前記実行部知識獲得手段とから得られる前記クラス
タごとの知識から前記知識ベースのルールを生成するル
ール生成手段とを有し、前記条件部知識獲得手段により
獲得された知識のうち知識ベースの知識としての利用を
留保する知識をサブ知識として前記知識ベースに格納し
て、新規データ群に対する前記知識ベースの知識修正を
行う知識ベースシステムの知識修正装置において、知識
判定手段が、前記新規データ群と前記知識ベースに格納
されているルールの条件部の知識とを照合して満足する
ものがあるか否かを判定し、サブ知識判定手段が、前記
知識判定手段により満足するものがない場合に、前記新
規データ群と前記知識ベースに格納されている前記サブ
知識とを照合して満足するものがあるか否かを判定し、
サブ知識追加手段が、前記サブ知識判定手段により満足
するものがあると判定した場合に、前記サブ知識の留保
を取り消して前記ルールの条件部の知識に追加し、許容
範囲判定手段が、前記知識判定手段あるいは前記サブ知
識判定手段により満足するものがあると判定された場
合、前記ルールの条件部の知識に対応する前記ルールの
実行部の知識による処理を行い、該処理出力が所定の許
容範囲内か否かを判定し、部分知識修正手段が、前記許
容範囲判定手段により許容範囲内と判定された場合は、
前記ルールの条件部の知識および修正した前記ルールの
実行部の知識を修正知識として前記知識ベースに格納
し、全体知識修正手段が、前記サブ知識判定手段により
満足するものがないと判定された場合あるいは前記許容
範囲判定手段により許容範囲内でないと判定された場合
に、再度、前記新規データ群を含めた前記複数のデータ
群から知識獲得を行わせる指示をする。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例につ
いて説明する。図1は、本発明の一実施例である知識ベ
ースシステムの構成ブロック図である。ここで、本知識
ベースシステムを、事例ベース推論システムに応用した
場合について説明する。事例ベース推論システムとは、
過去の問題解決経験を事例として蓄積しておき、新規問
題に対して類似事例を検索・修正することにより結論を
導く推論を行うものである。具体的に、売上予測システ
ムに適用して、以下詳細に説明する。すなわち、家電製
品、販売店、あるいはコンビニエンス・ストアやレスト
ランなどのチェーン店において、過去の出店事例を蓄え
ておき、その中から類似店を検索し、類似店の情報を参
考にすることから新規に出店する予定の店舗の売上高を
予測するものである。ここでは、売上高を予測計算する
ルールの獲得、あるいはルールの修正について説明す
る。
【0014】図1において、売上予測システム内の知識
ベースシステムは、知識を獲得する知識獲得装置1、知
識を修正する知識修正装置2、IF−THEN形式の知
識を格納している知識ベース3、知識のもとになるデー
タが格納されている事例ベース4、知識獲得装置1,知
識修正装置2および事例ベース4の制御して知識ベース
の知識を獲得・修正の全体制御を行う知識ベース制御部
5、知識ベース3の知識をもとに推論等を行う推論部
8、入力部6および出力部7から構成される。また、知
識獲得装置1は、事例ベース4に格納されているデータ
をクラスタ分析するクラスタ分析部10、クラスタ分析
部10により分類されたクラスタごとにルールの条件部
を帰納学習してルールの条件部の知識を獲得する帰納学
習部11、クラスタ分析部10により分類されたクラス
タごとに、クラスタ内のデータを分析し、ルールの実行
部の知識を獲得するデータ分析部12、帰納学習部11
およびデータ分析部12で獲得された知識をもとにIF
−THEN形式のルールを生成するルール生成部13か
ら構成される。
【0015】さらに、知識修正装置2は、新たに入力さ
れたデータを含めて知識とするために、新たに入力され
たデータの抽象データと知識ベース3に格納されている
全てのルールの条件部とを照合して満足するルールがあ
るか否かを判定する知識判定部20、知識判定部20の
判定結果により満足するルールの条件部がない場合に知
識ベース3に格納されているサブ知識、すなわち、帰納
学習部11の知識獲得の条件を満足しているが知識ベー
ス3に知識として活用される知識適用要件を満足してい
ないもので知識ベースに格納されているルールの条件を
含めたルールの条件部を満足するものがあるか否かを判
定するサブ知識判定部21、サブ知識判定部21の判定
によりルールの条件部を満足するものがある場合に満足
するサブ知識を照合したルールの条件部に追加するサブ
知識追加部22、知識判定手段20により満足すると判
定されたルールの条件部に対応するルールの実行部およ
びサブ知識追加部22により追加されたルールの条件部
に対応するルールの実行部の処理を行って被決定要因の
出力値が所定の許容範囲内であるか否かを判定する許容
範囲判定部23、許容範囲判定部23の判定により許容
範囲を満足する場合にデータ分析部12を起動させるこ
とによりルールの実行部のみを修正する部分知識修正部
24、サブ知識判定部21あるいは許容範囲判定部23
の判定を満足しない場合に再度新たに入力されたデータ
を含めた全データに対して知識獲得装置1により知識獲
得を行う指示をする全体知識修正指示部25から構成さ
れる。次に、知識獲得装置1について説明する。図2
は、知識獲得装置1の動作フローチャートである。図2
において、事例ベース4からデータを入力する(ステッ
プ201)。入力されたデータはクラスタ分析部10に
おいてクラスタ分析を行う(ステップ202)。このク
ラスタ分析に際して使用するデータは、共通する一部の
データ群により行う。そして、その結果として、所定の
類似度に従って、グループすなわちクラスタに分類され
る(ステップ203)。
【0016】ここで、売上予測システムの具体的なクラ
スタ分析について説明する。まず、取得したデータには
2種類あり、1つは、売場面積、従業員数、駐車場収容
台数等の店舗情報と、人口密度、家族構成、道路状況等
の地域情報とからなる調査データであり、1つは、上記
地域情報から抽出した抽象項目データである。この抽象
項目データは、アンケートにより求めてもよいし、他の
抽出方法により求めてもよい。また、地域情報そのもの
を抽象項目データとしてもよい。なお、取得したデータ
は、それぞれの店舗ごとのデータ(事例)として求めら
れている。
【0017】ここでは、抽象項目データとして、次のよ
うな8つの項目を取り上げ、それぞれかっこ内のような
値をとるものとする。なお、かっこ内の値は連続値と離
散値が考えられるが、本実施例では、離散値とする。 ・住民生活リッチ度(1.低い 2.やや低い 3.普通 4.
高い 5.非常に高い) ・周辺地域状況 (1.良くない 2.あまり良くない
3.普通 4.良い5.非常に良い) ・交通事情 (1.良くない 2.あまり良くない
3.普通 4.良い5.非常に良い) ・顧客タイプ (1.固定 2.両方 3.多い方) ・季節変動性 (1.小 2.中 3.大) ・OA化の普及度 (1.小 2.中下 3.中 4.中上 5.
上) ・マニア性 (1.低い 2.普通 3.高い) ・ファミリー性 (1.弱い 2.普通 3.強い) これら8つの抽象項目データをもとにクラスタ分析を行
う。クラスタ分析とは、似ている度合いすなわち、類似
度、あるいはその逆に標本間の性質的な違いすなわち、
距離に基づいてクラスタに分類しようとするものであ
る。
【0018】図3および図4は、具体的な抽象項目デー
タを示す図である。図3および図4には、上記した8つ
の抽象項目に対する68店舗のデータが示されており、
事例ベース4に格納されている。この事例ベース4への
入力は、入力部6により入力される。
【0019】図5および図6は、重み付けされた抽象項
目データを示す図である。図5および図6に示されたデ
ータは、図3および図4のデータに対して重み付けがさ
れたデータであり、8つの抽象項目データの値に対して
それぞれ次のような重み付けの値が乗算され、重み付け
がされている。すなわち、 住民生活リッチ度×0.58 周辺地域状況 ×0.66 交通事情 ×0.85 顧客タイプ ×0.42 季節変動性 ×0.22 OA化の普及度 ×0.39 マニア性 ×0.27 ファミリー性 ×0.34 従って、ステップ201において、入力されるデータは
図5および図6に示した重み付けされたデータが入力さ
れる。なお、重み付けについては、別に重み付け専用の
手段を設けてもよい。
【0020】さて、この重み付けされた抽象項目データ
に基づいてクラスタ分析を行う。このクラスタ分析の方
法は種々のものがあるが、本実施例における計算方法
は、距離計算を「標準ユークリッド距離」、クラスタ結
合を「最短距離法」により行う。もちろん、他の計算方
法によりクラスタ分析を行ってもよい。
【0021】図7は、クラスタ分析の結果を示す樹状図
である。図7の樹状図は、横軸に図5および図6のデー
タ番号が適切に配置されたクラスタを表し、縦軸にクラ
スタ間の類似度を表している。ここで、本実施例におい
ては、クラスタ分析の類似度を「a」と指定しておくこ
とにより、16個のクラスタを得ることができる。すな
わち、類似度「a」の線Laと交わるクラスタの樹は1
6箇所となり、68店舗のデータは、16のクラスタに
分類されたことになる。ここで、指定する類似度は任意
に設定できるものであり、例えば類似度「b」に設定す
ることにより類似度「b」の線Lbは5個のクラスタの
樹を交わり、5個のクラスタを得ることができる。 な
お、クラスタの分類は、図7の線La、Lbのように全
てのデータに対して同一の類似度を設定する必要はな
く、異なる類似度でクラスタに分類してもよい。例え
ば、あるクラスタは線Laで交わる類似度で分類され、
また、あるクラスタは線Lbで交わる類似度で分類さ
れ、最終的に全てのデータがあるクラスタに分類されれ
ばよい。
【0022】ここでは、類似度を「a」として、16個
のクラスタを得ることができたとする。すなわち、 クラスタ番号 1={データ番号 1,35} クラスタ番号 2={データ番号 2,3,5,6,
7,8,10,12,13,18,20,26,27,
28,32,34,36,37,40,41,42,4
4,46,47,52,54,60,61,62,6
6,68} クラスタ番号 3={データ番号 4、38} クラスタ番号 4={データ番号 9,33,43,6
7} クラスタ番号 5={データ番号 11,45} クラスタ番号 6={データ番号 14,48} クラスタ番号 7={データ番号 15,31,49,
65} クラスタ番号 8={データ番号 16,50} クラスタ番号 9={データ番号 17,51,58} クラスタ番号10={データ番号 19,21,30,
53,55,64} クラスタ番号11={データ番号 22,56} クラスタ番号12={データ番号 23} クラスタ番号13={データ番号 24} クラスタ番号14={データ番号 25,59} クラスタ番号15={データ番号 29,63} クラスタ番号16={データ番号 57} このようにして、クラスタ分析部10はクラスタ分析を
行い、入力データを抽象項目の数量化されたデータに基
づいてクラスタ分類を行う。
【0023】次に、図2に戻り、フローチャートの説明
を続ける。帰納学習部11は、クラスタ分析部10によ
りクラスタ分類された1つのクラスタを取りだし(ステ
ップ204)、所定の帰納学習法により帰納学習を行う
(ステップ205)。そして、所定の帰納学習法により
獲得された属性条件の論理式をルールの条件部知識とし
て獲得する(ステップ206)。
【0024】一方、データ分析部12も、ステップ20
4で取りだしたクラスタのデータのうちルールの実行部
獲得に関するデータ群を取り出し(ステップ207)、
1つの被決定要因と複数の決定要因との間の数値的関係
を求めるため統計的方法の1つである重回帰分析を行い
(ステップ208)、1つの数値的関係を有する計算式
のパラメータを獲得する(ステップ209)。そして、
このパラメータを含む計算式をルールの実行部知識とし
て獲得する(ステップ210)。
【0025】まず、帰納学習部11の動作を売上予測シ
ステムの具体例をもとに詳細に説明する。本実施例にお
いて、帰納学習部11は帰納学習の方法として「ID
3」を採用している。この「ID3」は、教示型の帰納
アルゴリズムの1つである。ここで、例えばクラスタ番
号“2”に対し、「ID3」により帰納学習する場合
は、クラスタ番号“2”に属する32店舗のデータを正
例とし、その他の店舗のデータを負例として帰納学習す
る。
【0026】図8は、帰納学習部11の帰納学習結果を
示す図である。図8において、帰納学習法「ID3」に
より成功した8つの条件S1〜S8が得られる。ここ
で、データ数が“1”であるものは、データ数が少ない
ため例外と判断し、獲得された知識として知識ベース3
に格納されるが、知識ベース3における知識として活用
されることはない。そして、この知識は、後述する知識
ベース3の知識の修正あるいは追加のときに利用され
る。この獲得された例外の知識を以下「サブ知識」ある
いは「サブ条件」という。
【0027】従って、データ数が1つであるサブ条件S
1,S3,S8は、例外とみなされ、クラスタ番号
“2”から獲得されたルールの条件部の知識は、次のよ
うになる。すなわち、 ・住民生活リッチ度(やや低い) かつ ファミリー性(普通) 又は ・住民生活リッチ度(普通) かつ 交通事情{ (普通) OR(良い) OR(たいへん良い)} 又は ・住民生活リッチ度(高い) かつ マニア性(低い) とまとめられることになる。
【0028】次に、データ分析部12の具体的動作につ
いて説明する。データ分析部12は、重回帰分析を利用
してルールの実行部の知識を獲得するため、各クラスタ
ごとに重回帰分析を行う。この際、変量は売上高に影響
を及ぼしそうな調査データを用いる。なお、予め影響を
及ぼしているデータ項目をピックアップすることも可能
である。
【0029】具体的には、次のようなものが考えられ
る。すなわち、 目的変量:新規店の売上高 説明変量:売場面積比(新規店の売場面積/類似店の売
場面積) :従業員数比(新規店の従業員数/類似店の従業員数) :駐車場収容台数比(新規店の駐車場収容台数/類似店
の駐車場収容台数) とし、各変量におけるパラメータを求める。パラメータ
とは、重み付け値であり回帰係数を求めることになる。
すなわち、式(1)のパラメータa,b,c,dを求め
ることになる。 Ps={(Us/Ur)・a+(Js/Jr)・b +(Cs/Cr)・c+d}・Pr (1) ここで、式(1)中の符号の意味は下記の通りである。 Ps:新規店の売上高 Pr:類似店の売上
高 Us:新規店の売場面積 Ur:類似店の売場
面積 Js:新規店の従業員数 Jr:類似店の従業
員数 Cs:新規店の駐車場収容台数 Cr:類似店の駐車
場収容台数 a :売上面積比の回帰係数 b :従業員数比の
回帰係数 c :駐車場収容台数比の回帰係数 d :定数 なお、説明変量を新規店と類似店とのデータ比を用いて
いるが、データを対にせず、データをそのまま代入する
式(1−1)のような計算式であってもよい。なお、式
(1−1)におけるa’、b’、c’、d’は回帰係数
である。本実施例では、類似店のデータの効果すなわ
ち、類似店のデータの影響力を加味するため、データを
対として扱っている。 Ps=Ur・a’+Jr・b’+Cr・c’+d’ (1−1) さて、次に、パラメータa,b,c,dを求めることに
なる。この場合、初期ルールの獲得であるので、1つの
事例をピックアップして新規店と仮定して、重回帰分析
を行う。例えば、データ番号2の事例は、クラスタ分析
の結果からデータ番号36の事例が最も類似しているの
で、新規店のデータはデータ番号2のデータを式(1)
に代入し、類似店のデータはデータ番号36のデータを
式(1)に代入する。ここで、新規店であるデータ番号
2のデータおよび類似店であるデータ番号36のデータ
は次のような値である。 Ps=9000万円 Pr=7900万円 Us= 40平方m Ur= 30平方
m Js= 2人 Jr= 1人 Cs= 10台 Cr= 10台 同様に他のデータ対の値を、式(1)に代入して重回帰
分析を行うと、各パラメータは次のような値になる。す
なわち、 a=0.0636,b=0.2236,c=0.003
6,d=0.6984 が得られ、ルールの実行部の知識として、次の式(2)
が獲得されることになる。 Ps={(Us/Ur)・0.0636+(Js/Jr)・0.2236 +(Cs/Cr)・0.0036+0.6984}・Pr (2) 図9は、クラスタ番号2の重回帰分析結果による実際の
売上高と予想売上高との誤差を示す図である。図9にお
いて、左から事例のデータ番号、事例の実際の売上高、
予想売上高、実際の売上高と予想売上高との誤差、およ
び類似店としてピックアップされた事例のデータ番号を
示している。図9において、誤差は全体的に少ないこと
がわかり、妥当な売上予測が可能である。このようにし
て、他のクラスタについても同様にして処理される。
【0030】さらに、図2に戻り、フローチャートの説
明を続ける。1つのクラスタに対し、帰納学習部11に
より獲得されたルールの条件部の知識と、データ分析部
12により獲得されたルールの実行部の知識は、知識生
成部13によりルールとしてまとめられ、知識ベース3
に格納される(ステップ211)。そして、まだクラス
タがある場合には、ステップ204に移行してクラスタ
ごとの知識獲得を行い、全クラスタがなくなるまで処理
を行う(ステップ212)。
【0031】例えば、クラスタ番号2により獲得され、
知識ベース3に格納される知識は、次のようにまとめら
れる。 IF ・住民生活リッチ度(やや低い) かつ ファミリー性(普通) 又は ・住民生活リッチ度(普通) かつ 交通事情{ (普通) OR(良い) OR(たいへん良い)} 又は ・住民生活リッチ度(高い) かつ マニア性(低い) THEN Ps={(Us/Ur)・0.0636+(Js/Jr)・0.2236 +(Cs/Cr)・0.0036+0.6984}・Pr このようにして、クラスタ単位でルールの獲得が行わ
れ、知識ベース13に格納される。
【0032】さて、次に、上記のようにして獲得された
ルールの修正について説明する。ルールの獲得後は、新
しいデータに対してルールを修正する必要がある場合が
ある。以下、新規に出店する予定の店舗の売上高を予測
計算する既存のルールの修正について説明する。
【0033】図10は、知識修正装置2の動作フローチ
ャートである。図10において、まず、入力部6におい
て入力された(ステップ301)新規データは、知識ベ
ース制御部5を介して知識修正装置2の知識判定部20
に入力され、知識判定部20は、新規データに対し、知
識ベース3が有するルールの条件部の全てと照合し(ス
テップ302)、ルールの条件部の照合が成功したか否
かを判定する(ステップ303)。新規データが知識ベ
ース3が有するルールの条件部との照合に失敗した場合
は、サブ知識判定部21において、知識ベースに格納さ
れているサブ知識と新規データを照合し(ステップ30
4)、照合が成功したか否かを判定する(ステップ30
5)。ステップ305において、照合が成功した場合
は、サブ知識追加部22において、ルールの条件部に照
合が成功したサブ知識を加える(ステップ306)。
【0034】一方、ステップ303においてルールの条
件部の照合が成功した場合、あるいはステップ306に
おいて、ルールの条件部にサブ知識が追加された場合
は、許容範囲判定部23において、照合が成功あるいは
サブ知識が追加されたルールの条件部に対応する実行部
の処理を行い、処理結果である出力値が、予め設定した
許容範囲を満足するか否かを判定する(ステップ30
7)。この許容範囲を満足した場合には、さらに、ルー
ルの実行部の修正を行うか否かを判断する(ステップ3
08)。ルールの実行部の修正を行う場合には、データ
分析部12においてまず、新規データを加えた重回帰分
析を行い(ステップ309)、回帰式のパラメータを獲
得し(ステップ310)、各クラスタごとのルールの実
行部の知識を獲得する(ステップ311)。すなわち、
ルールの実行部のみの修正を、知識獲得装置1内のデー
タ分析部12により行う。その後、部分知識修正部24
は、ルールの条件部とそのルールの条件部に対応する修
正したルールの実行部をまとめる(ステップ312)。
【0035】一方、ステップ308において、ルールの
実行部の修正を行わない場合は、許容範囲を満足するこ
とを含めたデータを事例ベース4に格納する(ステップ
313)。この事例ベース4に格納されたデータは、そ
の後知識ベース制御部5によるバッチ処理によりルール
の実行部の修正をデータ分析部12を起動して行うこと
になる。
【0036】ところで、ステップ307において、許容
範囲を満足しない場合、あるいはステップ305におい
て、サブ知識を含めたルールの条件部の照合に失敗した
場合は、知識ベースに格納されているルール全体の修正
を行うか否かを全体知識修正指示部25が判断し(ステ
ップ314)、修正処理を行う場合は、知識獲得装置1
により知識の獲得を最初から行う(ステップ315)。
すなわち、全データのクラスタ分析から知識ベースへの
知識格納までを行う。一方、修正処理を行わない場合
は、ステップ313と同様に、データを事例ベース4に
格納する(ステップ316)。すなわち、事例ベース4
に格納されたデータは、その後知識ベース制御部5によ
るバッチ処理により知識ベース3の全体修正を行う。
【0037】次に、売上予測システムの具体的なルール
の修正について説明する。上述したように、ルールの修
正は、大きく次の3つの場合がある。第1に、適用可能
なルールの条件部がサブ知識を考慮しても知識ベースに
存在しない場合であり、この場合は、知識獲得装置1に
おいてクラスタ分析から行い、全ルールの修正を行う。
第2に、適用可能なルールの条件部が知識ベースに存在
するが、ルールの実行部の処理結果が許容範囲を満足し
ない場合であり、この場合も、知識獲得装置1において
クラスタ分析から行い、第3に、適用可能なルールの条
件部が知識ベースに存在し、かつルールの実行部の処理
結果が許容範囲を満足する場合であり、この場合は、ル
ールの条件部に対応するルールの実行部の修正のために
データ分析のみを行う。
【0038】以下、第3の場合で、ルールの条件部の照
合に失敗するがサブ知識を考慮したルールの条件部の照
合を満足する場合を中心に説明する。まず、重み付けさ
れた新規データが、知識修正装置2の知識判定部20に
入力されると、知識判定部20は、新規データに対し、
知識ベース3が有するルールの条件部の全てと照合す
る。新規データと、複数のルールの条件部との照合を繰
り返し、ルールの条件部の照合が成功したか否かを判定
する。新規データと知識ベース3が有するルールの条件
部との照合に失敗すると、サブ知識判定部21におい
て、知識ベースに格納されているサブ知識としてのルー
ルの条件部と新規データを照合する。例えば、図8は上
述したように、帰納学習を用いて知識の獲得を行った結
果であり、8つの知識が獲得されているのがわかる。し
かし、ルールの条件部を獲得する際の事例数を考慮し、
データ数が1個の場合は、例外とみなされ、サブ知識と
なる。事例数が1個では、現段階で典型的なルールとみ
なすわけにはいかないからである。
【0039】ここで、サブ条件の照合を繰り返し、全て
のサブ条件の照合に失敗した場合は、どの条件にも属さ
ないデータであるので、もう一度クラスタ分析からやり
直すことになる。なお、クラスタ分析からやり直すか否
かのタイミングの決定は、任意であり、例えば、計算機
上に設定しておき、データ数が所定数になったら自動的
に処理を開始するようにしたり、あるいは、ユーザが指
定することにより処理を行うようにする。ここでは、ユ
ーザの指定により処理を行うようにしており、ユーザの
指定でデータの処理を行う場合は、もう一度クラスタ分
析からやり直すことになる。また、データの処理を行わ
ない場合は、データを事例ベースに格納し、指定のあっ
た時に処理を行う。また、データのサブ条件の照合に成
功した場合は、満足したサブ条件をルールの条件部の知
識に追加する。例えば、新規データが、次のような場
合、すなわち、 ・住民生活リッチ度(2.やや低い) ・周辺地域状況 (3.普通) ・交通事情 (3.普通) ・顧客タイプ (2.両方) ・季節変動性 (1.小) ・OA化の普及度 (2.中下) ・マニア性 (1.低い) ・ファミリー性 (3.強い) である場合は、既に図8のクラスタ番号2から獲得され
たルールの条件部の知識を満足しないが、「住民生活リ
ッチ度(やや低い)かつファミリー性(強い)」という
サブ条件は満足する。したがって、図8のルールの条件
部の知識は、次のように変更される。すなわち、 ・住民生活リッチ度(低い) かつファミリー性(普通) …サブ条件 ・住民生活リッチ度(やや低い)かつファミリー性(普通) …ルール条件 ・住民生活リッチ度(やや低い)かつファミリー性(強い) …ルール条件 ・住民生活リッチ度(普通) かつ交通事情(普通) …ルール条件 ・住民生活リッチ度(普通) かつ交通事情(良い) …ルール条件 ・住民生活リッチ度(普通) かつ交通事情(非常に良い) …ルール条件 ・住民生活リッチ度(高い) かつマニア性(低い) …ルール条件 ・住民生活リッチ度(高い) かつマニア性(普通) かつOA化の普及度(中) …サブ条件 これにより、「住民生活リッチ度(やや低い)かつファ
ミリー性(強い)」というサブ条件は、ルール条件に変
更され、ルールの条件部に追加される。
【0040】次に、新規データが、ルールの条件部を満
足した場合は、この新規データをルールの実行部の計算
式に代入した時に、計算した出力値は許容範囲を満足す
るか否かを判断する。ここで、許容範囲とは、出力値に
対して、誤差を含む程度を設定したものである。計算式
に代入して求められた値すなわち予測値に対してのみ許
容範囲を設定して判断することもできるが、本実施例に
おいては、重回帰分析を用いているので、この分析結果
を十分に利用するため、計算式のパラメータである回帰
係数の信頼区間を設けて許容範囲を満足するか否かを判
断する。これは、被決定要因データと各決定要因との相
関関係の確率値に応じて決めることができる。ここで、
確率値とは、データ分析結果から導かれる信頼度であ
る。つまり、予測をする時の、予測が当たる可能性すな
わち、有意水準を「%」で表現したものである。
【0041】例えば、被決定要因の“売上高比”に対し
て、決定要因の“売場面積比”、“駐車場収容台数
比”、“従業員数比”との信頼度が順番に99%、90
%、90%以下とすると、この信頼度に応じて範囲の幅
を決めることができる。なぜなら、相関関係の強いもの
は、影響力が大きいことからデータの範囲は狭くなり、
逆に、相関関係の弱いものは、影響力が小さいことから
データの範囲を強いものに比べて広くとることができる
からである。また、決定要因(重回帰分析では、一般に
説明変数と呼んでいる)の最大値と最小値の制限も重要
である。つまり、入力される決定要因データが過去のデ
ータを用いて重回帰分析を行った時の決定要因データの
最大値と最小値の間に収まっているかどうかである。こ
の制限値に入力データが収まっていなければ、被決定要
因を求めるための計算式に当てはめても意味のない予測
値となるからである。
【0042】新規データが許容範囲を満足しない場合
は、もう一度、クラスタ分析からやり直すことになる。
この処理は、サブ条件を満足しない場合と同様に行う。
【0043】データが許容範囲を満足する場合は、入力
したデータが既存のルールを満足するので、問題はない
が、さらに厳格なルールに修正するために、重回帰分析
を行うことができる。この修正を行うタイミングは、ル
ールの実行部の修正を行うか否かで判断する。データの
処理を行わない場合は、このデータを事例ベースに格納
し、指定のあった時に処理を行う。すなわち、バッチ処
理を行う。データの処理を行う場合は、格納していたデ
ータを加えて、ルールの獲得のときと同様にして、重回
帰分析を行い、計算式のパラメータを獲得し、各クラス
タごとの実行部獲得し、新しいルールの実行部として修
正し、ルールにまとめる。
【0044】例えば、知識獲得装置1により当初のルー
ルが獲得されたクラスタ番号2の既存ルールは、まず、
次のように修正結果を得る。 ・照合に成功したサブ条件をルールの条件部に追加 ・新たな重回帰分析の結果 a=0.0642,b=0.2228,c=0.002
5,d=0.7001 そして、既存ルールは、次のように修正される。すなわ
ち、 IF ・住民生活リッチ度(やや低い) かつ ファミリー性{(普通) OR (強い)} 又は ・住民生活リッチ度(普通) かつ 交通事情{ (普通) OR(良い) OR(たいへん良い)} 又は ・住民生活リッチ度(高い) かつ マニア性(低い) THEN Ps={(Us/Ur)・0.0642+(Js/Jr)・0.2228 +(Cs/Cr)・0.0025+0.7001}・Pr となる。
【0045】このようにして、IF−THEN形式のル
ールの獲得および修正を行うことができる。
【0046】上述したように、膨大なデータを、第1段
階として、クラスタ分類手段により最適なクラスタに分
類し、第2段階として、この分類されたクラスタ単位に
IF−THEN形式のルールを獲得するようにしている
ため、知識の獲得が自動的に行うことができ、かつその
知識の修正は、獲得されたクラスタ単位の知識との整合
性を考慮しつつ行うようにしているため、簡易に行うこ
とができる。すなわち、獲得した知識は、クラスタごと
に分類されているため、後で、簡易に修正したり、追加
したり、検証したり、様々な活用ができる。また、専門
家からの獲得が困難であるような知識も自動的に獲得す
ることができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、複数の
属性に対応したデータを有している複数のデータ群から
知識ベースシステムの知識ベースに格納される知識を獲
得する知識ベースシステムの知識獲得装置において、デ
ータ分類手段が、前記複数の属性のうちの特定された第
1の属性群からなる前記複数のデータ群の部分データ群
をクラスタ分析して前記複数のデータ群をクラスタに分
類し、条件部知識獲得手段が、前記データ分類手段によ
り分類されたクラスタごとに、所定の帰納学習方法によ
り求めたクラスタ属性条件の論理式をルールの条件部の
知識として獲得し、実行部知識獲得手段が、前記データ
分類手段により分類されたクラスタごとに、特定された
第2の属性群からなる該クラスタ内の複数の部分データ
群に基づき、所定のデータ分析方法により最適な数値的
関係式をルールの実行部の知識として獲得し、ルール生
成手段が、前記条件部知識獲得手段と前記実行部知識獲
得手段とから得られる前記クラスタごとの知識から前記
知識ベースのルールを生成する。また、適用可能な条件
部知識がサブ知識を考慮しても知識ベースに存在しない
場合は、前記データ分類手段によるデータ分類から行
い、新規データを含む全データから全知識の修正を行
う。適用可能な条件部知識が知識ベースに存在するが、
実行部知識による処理結果が許容範囲を満足しない場合
も、データ分類手段によりデータ分類から行い、新規デ
ータを含む全データから全知識の修正を行う。適用可能
な条件部知識が知識ベースに存在し、かつ実行部知識に
よる処理結果が許容範囲を満足する場合は、条件部知識
に対応する実行部知識の修正のみを実行部知識獲得手段
により行うようにしている。したがって、本発明は、知
識ベースの知識獲得を自動的に行うことができ、その知
識の修正、更新も獲得された知識がクラスタごとに分け
られているため簡易に行うことができ、知識ベースの知
識獲得およびその修正のための時間および労力が短縮で
きるという利点を有する。
【0048】また、専門家に全てを頼ること無く、複数
のデータ群から客観的かつ簡易に知識の獲得・修正する
ことができるため、その後も獲得した知識ベースの知識
を追加、修正、検証等により活用することができるとい
う利点を有する。
【0049】さらに、獲得した知識は、予め、専門家か
ら獲得することが困難な知識も獲得することができると
いう利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である知識ベースシステムの
構成ブロック図。
【図2】知識獲得装置1の動作フローチャート。
【図3】具体的な抽象項目データを示す図。
【図4】具体的な抽象項目データを示す図。
【図5】重み付けされた抽象項目データを示す図。
【図6】重み付けされた抽象項目データを示す図。
【図7】クラスタ分析の結果を示す樹状図。
【図8】帰納学習部11の帰納学習結果を示す図。
【図9】クラスタ番号2の重回帰分析結果による実際の
売上高と予想売上高との誤差を示す図。
【図10】知識修正装置2の動作フローチャート。
【符号の説明】
1 知識獲得装置 2 知識修正装置 3 知識ベース 4 事例ベース 5 知識ベース制御部 6 入力部 7 出力部 8 推論部 10 クラスタ分析部 11 帰納学習部 12 データ分析部 13 知識生成部 20 知識判定部 21 サブ知識判定部 22 サブ知識追加部 23 許容範囲判定部 24 部分知識修正部 25 全体知識修正指示部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の属性に対応したデータを有している
    複数のデータ群から知識ベースシステムの知識ベースに
    格納される知識を獲得する知識ベースシステムの知識獲
    得装置において、 前記複数の属性のうちの特定された第1の属性群からな
    る前記複数のデータ群の部分データ群をクラスタ分析し
    て前記複数のデータ群をクラスタに分類するデータ分類
    手段と、 前記データ分類手段により分類されたクラスタ単位の複
    数のデータ群から前記知識ベースの知識を獲得するクラ
    スタ単位知識獲得手段とを具備したことを特徴とする知
    識ベースシステムの知識獲得装置。
  2. 【請求項2】前記クラスタ単位知識獲得手段は、 前記データ分類手段により分類されたクラスタごとに、
    所定の帰納学習方法により求めたクラスタ属性条件の論
    理式をルールの条件部の知識として獲得する条件部知識
    獲得手段と、 前記データ分類手段により分類されたクラスタごとに、
    特定された第2の属性群からなる該クラスタ内の複数の
    部分データ群に基づき、所定のデータ分析方法により最
    適な数値的関係式をルールの実行部の知識として獲得す
    る実行部知識獲得手段と、 前記条件部知識獲得手段と前記実行部知識獲得手段とか
    ら得られる前記クラスタごとの知識から前記知識ベース
    のルールを生成するルール生成手段とを具備したことを
    特徴とする前記請求項1記載の知識ベースシステムの知
    識獲得装置。
  3. 【請求項3】複数の属性に対応したデータを有している
    複数のデータ群をもとに、該複数の属性のうちの特定さ
    れた第1の属性群からなる前記複数のデータ群の部分デ
    ータ群をクラスタ分析して前記複数のデータ群をクラス
    タに分類するデータ分類手段と、 前記データ分類手段により分類されたクラスタごとに、
    所定の帰納学習方法により求めたクラスタ属性条件の論
    理式をルールの条件部の知識として獲得する条件部知識
    獲得手段と、 前記データ分類手段により分類されたクラスタごとに、
    特定された第2の属性群からなる該クラスタ内の複数の
    部分データ群に基づき、所定のデータ分析方法により最
    適な数値的関係式をルールの実行部の知識として獲得す
    る実行部知識獲得手段と、 前記条件部知識獲得手段と前記実行部知識獲得手段とか
    ら得られる前記クラスタごとの知識から前記知識ベース
    のルールを生成するルール生成手段とを有し、 前記条件部知識獲得手段により獲得された知識のうち知
    識ベースの知識としての利用を留保する知識をサブ知識
    として前記知識ベースに格納して、新規データ群に対す
    る前記知識ベースの知識修正を行う知識ベースシステム
    の知識修正装置において、 前記新規データ群と前記知識ベースに格納されているル
    ールの条件部の知識とを照合して満足するものがあるか
    否かを判定する知識判定手段と、 前記知識判定手段により満足するものがない場合に、前
    記新規データ群と前記知識ベースに格納されている前記
    サブ知識とを照合して満足するものがあるか否かを判定
    するサブ知識判定手段と、 前記サブ知識判定手段により満足するものがあると判定
    した場合に、前記サブ知識の留保を取り消して前記ルー
    ルの条件部の知識に追加するサブ知識追加手段と、 前記知識判定手段あるいは前記サブ知識判定手段により
    満足するものがあると判定された場合、前記ルールの条
    件部の知識に対応する前記ルールの実行部の知識による
    処理を行い、該処理出力が所定の許容範囲内か否かを判
    定する許容範囲判定手段と、 前記許容範囲判定手段により許容範囲内と判定された場
    合は、前記ルールの条件部の知識および修正した前記ル
    ールの実行部の知識を修正知識として前記知識ベースに
    格納する部分知識修正手段と、 前記サブ知識判定手段により満足するものがないと判定
    された場合あるいは前記許容範囲判定手段により許容範
    囲内でないと判定された場合に、再度、前記新規データ
    群を含めた前記複数のデータ群から知識獲得を行わせる
    指示をする全体知識修正手段とを具備したことを特徴と
    する知識ベースシステムの知識修正装置。
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WO2015040790A1 (ja) * 2013-09-20 2015-03-26 日本電気株式会社 払出量予測装置、払出量予測方法、記録媒体、及び払出量予測システム
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JP2017146810A (ja) * 2016-02-18 2017-08-24 株式会社日立製作所 行動特定システムおよび行動特定方法

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