JPH0641741U

JPH0641741U - 注射針分離器

Info

Publication number: JPH0641741U
Application number: JP079527U
Authority: JP
Inventors: 豊治井藤
Original assignee: 有限会社サンライト技研
Priority date: 1992-11-18
Filing date: 1992-11-18
Publication date: 1994-06-03

Abstract

(57)【要約】【目的】本考案は、注射針分離器を、注射器本体から
注射針を分離し安全に保管する作業が安全に行なえるも
のとして、しかも可及的に簡単な構造で耐久性および低
コスト化の要求を満足でき、かつ移動自在で簡便に取り
扱えるものとする。【構成】ステンレス鋼製で方形状の容器１の頂壁２
に、注射針３基端のハブ４を挿入可能なハブ挿入穴５を
形成すると共に、これより小径のハブ係止穴６とを連ね
て長穴状の連続穴７を形成する。そして、注射針分離器
の内部には、厚紙製の方形状包装容器８を収納し、この
包装容器８には前記した連続穴７に対向する配置で開口
部９を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は注射器本体から注射針を分離して保管する注射針分離器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、消毒の手間が不必要で、しかも低価に量産できる注射器として、いわゆる使い捨て用の注射器が急速に拡販された。このものは、図１に示されるように、プラスチック製注射器本体１２と、この注射器本体１２に形成された先端小径部１３に嵌まり合うプラスチック製ハブ４を基端部分に有する注射針３とからなるものである。

【０００３】このような使い捨て用の注射器は、使用された注射針に血液などが付着して感染性の高い細菌に汚染されている場合があるため、廃棄時の取扱いに注意を要し、特に廃棄業者の安全性の要望に応えるべく、針と注射器本体を分離してそれぞれをまとめて回収するようにしている。

【０００４】また、病院内で医師や看護婦が注射針で誤って手などを傷つけ、これが原因となって細菌に二次感染する事故も多く、これを防止するために注射針分離器が開発されている。このような注射針分離器としては、金属製容器の内部に注射針を装着した注射器を差し込んだ際、自動的に金属製の注射針を把持して、これをプラスチック製ハブから分離する電動式分離機構を装備したものが知られている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記した従来の注射針分離器は、プラスチック製ハブから注射針を自動的に引き抜くための複雑な分離機構を設けたものであるから、その分、大型となり、たとえば移動可能なワゴン等といった医師や看護婦の手近な場所に置いて簡便に使用できるものではない。また、このものは、耐久性に欠け、部品点数も多いため、低コスト化の要求に応えられないという問題点もある。

【０００６】そこで、この考案は上記した問題点を解決し、注射針分離器を、注射器本体から注射針を分離し安全に保管する作業が安全に行なえ、しかも可及的に簡単な構造で耐久性および低コスト化の要求を満足でき、かつ移動自在で簡便に取り扱えるものとすることを課題としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するため、この考案においては、硬質素材からなる容器の壁面に、注射針基端のハブが挿入可能なハブ挿入穴とこれより小径のハブ係止穴とを連ねた連続穴を形成した構成を採用したのである。

【０００８】また、注射針分離器の内部に、前記連続穴に対向するよう開口部を形成した包装容器を着脱自在に設け、注射針分離器にこの包装容器の取り出し口を開閉可能に形成した構成を採用することもできる。

【０００９】

【作用】

この考案の注射針分離器は、注射器の先端を前方に向けて持つ通常の取扱動作において、注射針およびその基端に形成されているハブを連続穴の一部のハブ挿入穴から容器内部に挿入し、次に、連続穴の形状に沿って注射器を移動させて、前記ハブをこれより小径のハブ係止穴の内壁面に係止する。この状態で注射器を傾けるかまたは前記容器から引き抜くようにすると、ハブ付きの注射針は注射器本体から抜脱されて容器内部に収容される。

【００１０】また、注射針分離器の内部に付設した包装容器内に、前記ハブ付きの注射針を収容すれば、開状態とした取り出し口から包装容器ごと注射針を取り出して、廃棄作業をより簡単に、かつ安全に行なえる。

【００１１】

【実施例】

この考案の実施例を以下、添付図面に基づいて説明する。

【００１２】図１および図２に示すように、実施例の注射針分離器は、ステンレス鋼製で方形状の容器１の頂壁２に、注射針３基端のハブ４を挿入可能なハブ挿入穴５を形成すると共に、これより小径のハブ係止穴６とを連ねて長穴状の連続穴７を形成したものである。

【００１３】そして、注射針分離器の内部には、厚紙製の方形状包装容器８を収納し、この包装容器８には前記した連続穴７に対向する配置で開口部９を形成している。また、注射針分離器の上部側壁面を全周に亘って切り離し可能な取り出し口１１を、蓋１０付きで開閉可能に形成している。

【００１４】前記した容器１を形成する材料は、硬質であって注射針３を安全に保管でき、しかも衛生的で耐久性があるものを選択使用して成形すればよく、たとえば鋼、銅、などの金属の他、セラミックスや硬質プラスチックなど周知の硬質材料を一種または２種以上併用して採用できる。したがって、たとえば連続穴７の形成部分にステンレス板を嵌め込んだプラスチック製の蓋１０としてもよい。また、容器１は、図示した四角柱以外の多面体、円筒形などの円曲面を有する形状などに形成してもよいのは勿論である。

【００１５】連続穴７の一部を構成するハブ挿入穴５の穴径Ａ’は、注射針３の基端に一体に固定されているプラスチック製ハブ４の最大径Ａより若干大径に形成し、たとえば最大径７ｍｍのハブを有する注射針を対象とした場合には、穴径Ａ’が８〜９ｍｍである円穴状のハブ挿入穴５を形成している。連続穴７の一方に長穴状に延びるハブ係止穴６は、その短径の寸法ａ’を注射器本体１２の先端小径部１３が挿脱可能な径である約５ｍｍに形成している。

【００１６】そして、図３および図４に示すように、容器１の頂壁２内側のハブ係止穴６の周囲には、穴形状に合わせて切欠を形成した当て板１４を固定することにより、ハブ係止穴６の周囲の肉厚を、注射器本体１２に装着されたハブ４の上端面と注射器本体１２の大径部先端１２ａとの距離Ｌにほぼ一致させるように調整している。このようにすると、注射器１２をハブ係止穴６の短径方向に若干傾斜させるだけで距離Ｌを広げることとなり、ハブ４と注射器本体１２とをより簡単な操作で確実に切り離すことができる。

【００１７】ところで、注射器本体１２とハブ４の形式や寸法は種々異なるものであるから、できるだけ多くの形式に適合するハブ係止穴６とするべく、当板１４の肉厚をハブ係止穴６の長手方向に沿って連続的に増加または減少させて、いわゆる楔状の当て板１４としてもよい。また、当て板１４を設けずに頂壁２の肉厚そのもので調節してもよい。このようにして頂壁２内側のハブ係止穴６の周囲の肉厚を変えた場合でも、なお肉厚と距離Ｌが整合しない場合も考えられるが、この場合は注射器本体１２を上方に引き抜けば、注射針３を注射器本体１２から容易に分離できることはいうまでもない。

【００１８】頂壁２内側の連続穴７の近傍には、長方形状のゴム板１５の一端を接着して逆止弁としており、容器１内部に一旦収容された注射針３が再び連続穴７から抜け出るのを防止している。

【００１９】このような容器１の側壁には、透明板付きの覗き窓１６を設けて、包装容器８の収納を確認し、またはこのような包装容器８を装備しない場合の注射針３の収容量を計るようにしている（図１参照）。

【００２０】前記した包装容器８は、厚紙のカートンを折り曲げて直方体状に形成したものであるが、その材質は特に限定せずプラスチックの成形品などであって、注射針３が不用意に突出せず、使い捨て可能なものであればよい。開口部９は、連続穴７の直下に位置するよう略同じ開口面積で形成しており、使用後は粘着テープなどで密封する。

【００２１】図３に示すように、蓋１０は、蝶番１７で容器１の上部に取付けられているが、このような蓋１７に代えて、容器側壁に開き戸（図示せず）を設けることもできる。また、蓋１７が軽量で不用意に開き易い場合には、図外の板バネ等で容器１の内側にスナップ係合させるか、周知の鍵付き係止具を取り付けて係止してもよい。

【００２２】このように構成された注射針分離器でもって使用後の注射器を処理するには、その注射針３を先方に向けて持った状態で、注射器本体１２の先端小径部１３までをハブ挿入穴５から容器１内部に挿入し、次に、連続穴７の形状に沿って注射器本体１２をハブ係止穴６まで移動させて、注射器本体１２を傾けるかまたは引き抜くようにすればよく、この時に、ハブ付きの注射針３は先端小径部１３から抜脱されて包装容器８内に収容される。そして、蓋１０を開けた容器１から包装容器８を取り出して図外のテープで開口部９を密閉し、包装容器８ごと廃棄すればよい。

【００２３】

【効果】

この考案は、以上説明したように、注射針およびその基端に形成されているハブを簡単な動作で容器のハブ係止穴に係止し、ハブ付きの注射針を注射器本体から抜脱して、前記した容器内または包装容器内に収容するようにしたので、注射器本体から注射針を分離しかつ安全に保管する作業において、注射針に手を近づける動作が全く不要となり、このような作業をきわめて安全に行ない得る注射針分離器となる。また、機械装置を有しない簡単な構造であるから耐久性があり、小型で簡便に取り扱いできるので、きわめて実用的価値の高いものであるといえる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の注射針分離器および注射器を示す斜視
図

【図２】実施例の注射針分離器を示す斜視図

【図３】図２のII−II線縦断面図

【図４】使用状態を説明する図２のII−II線縦断面図

【符号の説明】

１容器２頂壁３注射針４ハブ５ハブ挿入穴６ハブ係止穴７連続穴８包装容器９開口部１１取り出し口

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】硬質素材からなる容器の壁面に、注射針
基端のハブが挿入可能なハブ挿入穴とこれより小径のハ
ブ係止穴とを連ねた連続穴を形成してなる注射針分離
器。
【請求項２】請求項１記載の注射針分離器の内部に、
前記連続穴に対向するよう開口部を形成した包装容器を
着脱自在に装着し、容器の壁面には包装容器の取り出し
口を開閉可能に形成した注射針分離器。