JPH0640917U - ヘッドマウントディスプレイ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な操作でディスプレイ部を装着者の眼の
位置に正確に調節できるＨＭＤを提供することを目的と
する。 【構成】 ヘルメット内部にエアーマットを装着すると
ともに、該マットに送るエアーを制御するエアーポンプ
をヘルメットに付設したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、頭に装着されるヘルメット及びこのヘルメットに支持された表示装 置を有するヘッドマウントディスプレイ（以下、ＨＭＤという）に関する。

【０００２】

【従来技術】

遠隔操作装置を用いて放射線放出物質等汚染物質を処理または操作する際等に 操作者に操作用の情報を表示したり、人工現実（仮想現実）を体感させるための 画像を表示したりする際等にＨＭＤが使用されている。

【０００３】 従来、かかる遠隔操作や人工現実などに使用されるＨＭＤは、ヘルメットと、 このヘルメットに支持された画像表示装置及びこの画像表示装置に表示された画 像の虚像を適当な位置に結像させる光学系を有しており、光学系は、ヘルメット の眼前に固定されているのが一般的な構成である。

【０００４】 また、画像表示装置そのものを眼前に固定して使用するものもある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、光学系などを固定した従来のＨＭＤでは、個人により頭の大き さや眼の位置が違うので、ヘルメットを被ったときに例えば、図２に示す如くデ ィスプレイ部が丁度眼の位置に来ないことがあった。図２で、１１はヘルメット 、１２は画像表示装置、１３は画像表示装置のディスプレイ部である。なお、画 像表示装置の内部構成は公知であるので省略してある。

【０００６】 かかる構成では、装着者の眼の位置にディスプレイ部１３を持ってくるために は、ヘルメット１１内にパッド等の詰め物１４を入れるという手法が一般的に採 られている。

【０００７】 しかし、この手法によれば、調節の度に（詰め物を入れる度に）ヘルメットを 脱がねばならず煩に耐えなかった。しかも、この手法によっても、装着者の眼の 位置に正確にディスプレイ部を持っていく調節は困難であった。

【０００８】 なお、上記手法以外に装着者がヘルメットを被った後、ディスプレイ部を眼の 位置に合わせて固定する方法も考えられるが、この方法だと装着者の他にもう１ 名の補助が必要となり、実用的でなかった。

【０００９】 そこで、本考案は、簡単な操作でディスプレイ部を装着者の眼の位置に正確に 調節できるＨＭＤを提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記事情に鑑みなされたもので、被検者の頭部に装着されるヘルメ ットと、該ヘルメットに固定され、被検者の眼前に情報を表示する画像表示装置 とを備えたヘッドマウントディスプレイにおいて、該ヘルメット内部に流体によ り容積が変動するマットを装着するとともに、該マットに送る流体量を制御する 制御部をヘルメットに付設したことを特徴とする。

【００１１】 ここで、ヘルメットは、頭部の全体を覆うようなものばかりではなく、頭部に 装着して固定することができるものの一般を指し、例えば、頭部に巻き付けるバ ンド状のものや、フレーム状のものも含む。

【００１２】 画像表示装置は、ヘルメットに固定できるものならばその形状は問わず、また 、画像は、例えばＣＲＴ、液晶パネルなどで作成されるが、その手段は問わない 。 被検者への像は、虚像、実像どちらでもよく、虚像を見せるときは、レンズ 等の公知の光学系が必要となる。

【００１３】 ヘルメットへの画像表示装置の取り付けは、ヘルメットの中に埋設する方式で も、ヘルメットに付属させてテープなどで固着させる方式でも何でも良い。ただ し、被検者に実像を見せるときは、被検者の眼前に固定しなければならない。

【００１４】 ヘルメット内部に装着するマットは、中に流体が入ることにより容積が変形す る（いわゆるふくらみなどを起こさせる）ものならば何でもよく、例えば、エア マットが好適である。流体は、空気、水などを問わないが、マット破裂時などを 想定すると、空気が好ましい。

【００１５】 また、マットの装着は、接着剤や両面テープなどを使って行うことができるが 、その手段は問わない。マットの装着箇所は、主にヘルメットの上下位置を調節 するため、被検者の上頭部に相当する位置に装着する。

【００１６】 マットに送る流体量を制御する制御部は、例えば、マットとしてエアーマット を使用するときはエアーポンプを使用するが、これには限定されない。

【００１７】

【作用】

本考案では、被検者がヘルメットを被った後でも、ヘルメット内部に装着した マットに送る流体量を制御することにより、ヘルメットの位置、すなわち、画像 表示装置の位置を被検者の眼前に調節できる。

【００１８】

【実施例】

本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１９】 図１は、本考案の一実施例の側断面図で、Ｈが被検者が装着するヘルメットを 示し、ヘルメットＨは内側シェル２と、この内側シェル２の外側に緩衝材３を介 して設けられた外側シェル４とを備えている。かかる内側シェル２は、例えばガ ラスファイバで強化されたポリカーボネイト等の強度の高い樹脂を用いて形成さ れ、前記外側シェル４は例えばポリプロピレン等の軽量の樹脂を用いて形成され ている。

【００２０】 ヘルメットＨは反射鏡によって構成された光路変更部材６を備えており、この 光路変更部材６には後述する画像投光装置Ｋから画像表示光が入射する。画像投 光装置Ｋと光路変更部材６とで、本考案の画像表示装置が構成される。この画像 表示装置は、ヘルメット装着者の左右両眼に対応して配置された左眼用ケース及 び右眼用ケースに収容されている。

【００２１】 画像投光装置Ｋは、ヘルメットＨの前記内側シェル２と外側シェル４との間の 空間の正面上部に配置されており、この投光装置Ｋには、画像表示部Ｄ及び光学 部材Ｂが配置されている。

【００２２】 光学部材Ｂは、複数のレンズ系Ｂ１，Ｂ２とから構成され、画像表示部Ｄは液 晶パネルＤ１，バックライト用光源Ｄ２とで構成されている。従って、液晶パネ ルＤ１からの画像表示光は光学部材Ｂに入射され、光路変更部材６に向かわされ るとともに画像の虚像を結像させることになる。

【００２３】 １は、本考案の要旨たるエアーマットを示し、これにはエアーポンプ５により エアーが入れられるようになっている。エアーポンプ５は、装着者が適宜手で操 作が可能なように手元に置かれる。

【００２４】 以上の構成により、装着者がヘルメットＨを装着したとき、光路変更部材６ （すなわち画像が見える位置）が眼前にないときは、エアーポンプ５を使ってエ アーマット１にエアーを入れ、装着者自身が画像が最も良く見える位置になるま でエアーマット１をふくらませることにより、常に最適位置に画像が来るように 調節できる。

【００２５】 なお、この時チンストラップをあごにかけておればヘルメットＨを適度に固定 することが可能となる。

【００２６】 また、上記実施例では、エアーマット１は装着者の上頭部に相当するところに 入れてあったが、ヘルメットの前後左右に入れておけば画像視認位置を前後左右 に調節することができる。

【００２７】

【考案の効果】

本考案によれば、ＨＭＤ装着者が画像を見ながら、自分の最も良く見える位置 にヘルメットを調節し、固定することができる。

【００２８】 また、エアーマットをヘルメットに入れるので、ヘルメットを頭の形状にフィ ットさせることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のＨＭＤの側断面図

【図２】従来装置の概略図

【符号の説明】

１：エアーマット ５：エアーポンプ Ｂ：光学部材 Ｄ：画像表示部 Ｋ：画像投光装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 被検者の頭部に装着されるヘルメット
   と、該ヘルメットに固定され、被検者の眼前に情報を表
   示する画像表示装置とを備えたヘッドマウントディスプ
   レイにおいて、 該ヘルメット内部に流体により容積が変動するマットを
   装着するとともに、該マットに送る流体量を制御する制
   御部をヘルメットに付設したことを特徴とするヘッドマ
   ウントディスプレイ。