JPH0640351B2 - Dpマッチングを利用したファジー推論による手書き文字認識装置 - Google Patents

Dpマッチングを利用したファジー推論による手書き文字認識装置

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JPH0640351B2
JPH0640351B2 JP63321669A JP32166988A JPH0640351B2 JP H0640351 B2 JPH0640351 B2 JP H0640351B2 JP 63321669 A JP63321669 A JP 63321669A JP 32166988 A JP32166988 A JP 32166988A JP H0640351 B2 JPH0640351 B2 JP H0640351B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、手書きによる漢字、ひらがな、かたかな、漢
数字、英文字、英数字などの各種文字をDP(ダイナミ
ックプログラミング)マッチング利用によるファジー推
論により認識するための手書き文字認識装置に関するも
のである。
[従来の技術] 手書き文字を入力データとして例えば電子計算機に入力
する場合、手書きされた文字を正確に認識することが極
めて重要なことになる。
そのため、従来より手書き文字を認識するための手段に
関する様々な研究が行なわれてきた。そして上記従来の
手書き文字認識手段の多くは、手書き文字入力データの
時空間軸上から特徴を抽出するものであった。
手書き文字を認識するとき、最終的には実時間で認識す
る必要があり、そのため、個々の入力文字にどれだけの
処理時間を必要とするかが、手書き文字認識装置として
の有効性を決定する上で重要な要素になる。
しかしながら、前記従来の手書き文字認識手段の場合は
一般に計算量が多いため、処理時間が長くなることが多
く、これを解決するためには高速の高価な電子計算機を
用いなければならないという問題があった。
そこで上記問題を解決するため、手書き過程にある文字
のストローク単位で、X,Y座標点列の移動量対応のフ
ーリエ変換を行い、上記X,Y座標点列の移動量を周波
数領域として扱うとともに、ファジー推論を行うことに
より計算量を少なくし、入力された手書き文字の認識に
要する処理時間を短くするというファジー推論による手
書き文字認識装置が本願と同一出願人により既に提案さ
れている。
[発明が解決しようとする課題] 上記ファジー推論による手書き文字認識装置の場合、フ
ァジー化され、標準パターン化される標準文字と、手書
き入力文字とが同一人のものでない場合の認識率は、上
記両文字が同一人のものである場合の認識率に比較して
低いことが各種の実験により明らかになっている。この
最大の理由は筆順の違いによるものである。このため、
上記標準文字と手書き入力文字とが同一人のものでない
場合は、筆順の違いを発見し、入力された手書き文字の
入力パターンの筆順を標準パターンの筆順に合わせると
いう操作が必要になる。
そこで、本発明では手書き文字の入力パターンのストロ
ークの並びに対して置換えを行ない、これによって得ら
れる新しいストローク列のパターンのそれぞれと、標準
パターンのストローク列との間でDPマッチングを利用
したファジー推論を行ない、その中で最も高い確信度を
与えるストローク列のパターンが標準パターンの筆順と
合致していると見なし、この確信度を入力パターンと標
準パターンの間の確信度とすることによって標準文字を
推定することを解決すべき技術的課題とするものであ
る。
[課題を解決するための手段] 上記課題解決のための技術的手段は、DPマッチングを
利用したファジー推論による手書き文字認識装置を、文
字が手書きされる過程で、同文字を所定の時間間隔でX
座標、及びY座標に対応した点列データとして出力する
文字入力手段と、前記文字入力手段から出力された前記
手書き文字対応の点列データを入力し、入力された手書
き文字の大きさを統一するとともに、入力された手書き
文字の筆速を一定にするために同手書き文字の点列の間
隔を一定にする入力データ正規化手段と、前記入力デー
タ正規化手段により正規化された手書き文字をストロー
ク単位でX,Y移動量対応のフーリエ変換を行い、周波
数の強度を求めるためのフーリエ変換手段と、前記フー
リエ変換手段においてフーリエ変換して得られたフーリ
エ級数データを曖昧な手書き文字データとして扱うこと
ができるようにファジー化するためのファジー化手段
と、標準文字をファジー化したパターンデータを記憶し
ておくための標準パターン記憶手段と、前記標準パター
ン記憶手段から前記パターンデータを得て、手書き文字
認識のためのプロダクションルールを生成するためのル
ール生成手段と、前記プロダクションルールに基づいて
手書きされた入力文字のストロークの順番を入れ替えた
ものと、前記標準パターン記憶手段から検索された標準
パターンとの間でDPマッチングを利用したファジー推
論を行ない、最も確信度の高いストロークの並び順を
得、それを入力文字と標準文字との間の確信度としたと
き、最も高い確信度を与える標準文字を推定するDPマ
ッチング利用のファジー推論手段と、前記ファジー推論
手段で最も確信度が高いと推定された文字を前記入力さ
れた手書き文字に対応する標準文字データとして出力す
る認識文字出力手段とを備えた構成にすることである。
[作用] 上記構成のファジー推論による手書き文字認識装置によ
れば、文字が手書きされる過程で文字入力手段は、上記
文字を所定の時間間隔でX座標、Y座標に対応した点列
データとして入力データ正規化手段に出力する。
上記点列データを入力したデータ正規化手段は、入力さ
れた手書き文字の大きさを統一するとともに、入力され
た手書き文字の筆速を一定にするために同手書き文字の
点列の間隔を一定にする。そして、フーリエ変換手段は
入力データ正規化手段により正規化された手書き文字を
ストローク単位でX,Y移動量対応のフーリエ変換を行
い、周波数の強度を求め、更にファジー化手段におい
て、前記フーリエ変換手段においてフーリエ変換して得
られたフーリエ級数データを曖昧な手書き文字データと
して扱うことができるようにファジー化する。
一方、DPマッチング利用のファジー推論手段は、前記
プロダクションルールに基づいて手書きされた入力文字
のストロークの順番を入れ替えたものと、前記標準パタ
ーン記憶手段から検索された標準パターンとの間でDP
マッチングを利用したファジー推論を行ない、最も確信
度の高いストロークの並び順を得、それを入力文字と標
準文字との間の確信度としたとき、最も高い確信度を与
える標準文字を推定する。そして、認識文字出力手段は
前記DPマッチング利用のファジー推論手段で最も確信
度が高いと推定された文字を、前記入力された手書き文
字に対応する標準文字データとして出力する。
[実施例] 次に、本発明の一実施例を図面を参照しながら説明す
る。
第1図は、手書き文字認識システムの構成を示したブロ
ック図である。図に示すように文字入力手段としてタブ
レット状のメディアグラフ1が用いられており、このメ
ディアグラフ1に手書きされた文字は、手書きされる過
程でX座標、及びY座標に対応した座標点列データとし
てパーソナルコンピュータ2に入力される。
上記メディアグラフ1は、有効読取り範囲を例えば21
0mm×148mm、分解能を例えば約0.1mm、ポイント読
取り誤差は±1mm、有効読取り高さは3mm以下であり、
ポイント転送速度を35ポイント/秒とし、ポイント間
距離が1mm以上になったとき、パーソナルコンピュータ
2に対して前記点列データのポイント転送を行うように
設定されている。
メディアグラフ1からパーソナルコンピュータ2に上記
点例データが転送されると、手書きされた文字の各スト
ロークの座標点列は、入力の順序に従ってストロークの
書き始めと書き終わりの情報を伴ってパーソナルコンピ
ュータ2のソフトウェア、すなわち入力データ正規化部
3に転送される。
一般に、メディアグラフ1に手書きされる文字は、その
大きさも異なり、筆速も異なるため、同パーソナルコン
ピュータ2のソフトウェアである入力データ正規化部3
は、入力された座標点列に対して文字の大きさと、筆速
の正規化を行う。その為、例えば長さ256ビットの正
方形の中に、文字が一杯に納まるように、入力パターン
を縦方向と横方向に別々の拡大率(縮小率)で延ばす
(あるいは縮める)。しかし、「−」のように極端に横
長あるいは縦長の文字については横方向、縦方向の拡大
率を同一とし、上詰めあるいは左詰めとする。また、前
記正方形の座標系は、パーソナルコンピュータ2のディ
スプレイ画面の座標系と合わせるために、左上を原点と
し、Y座標については下向きとする。
一方、筆速の正規化については、前記メディアグラフ1
から入力された座標点列データをもとに、単位時間に書
かれる線長が一定になるような新たな座標点列を求め、
これらの新たな座標点列データをフーリエ変換のための
データとするものである。
フーリエ変換部4におけるフーリエ変換は、メディアグ
ラフ1に書かれる文字のストローク毎に、ストロークを
書き始めたところからのX軸での移動量と、Y軸での移
動量に対して行われる。従って、与えられた座標点列は
それぞれの軸での移動量に変換される。第2図(A)は、
文字「の」について、X軸での移動量、Y軸での移動量
を示したものである。ところで、第2図(A)に示したよ
うな波形に対してフーリエ変換を行うと、始点と終点と
が一致していないために、非連続な波形に対してのフー
リエ級数を求めることになる。このため、収束率の悪い
フーリエ級数となるので、終点の位置で線対称に波形を
第2図(B)のように折返させ、波形が連続になるように
し、この波形についてフーリエ変換を行うものである。
フーリエ変換により、 (t)=a0/2+a1cosθ+b1sinθt+a2cos2θt+b2sin2θt+a
3cos3θt+b3sin3θt… の各係数を得ることができる。第3図(A)、第4図(A)、
第5図(A)、及び第6図(A)はそれぞれ代表的なストロー
クを示しており、第3図(B)、第4図(B)、第5図(B)、
及び第6図(B)は上記ストロークそれぞれのX軸での移
動量を示し、更に第3図(C)、第4図(C)、第5図(C)、
及び第6図(C)は上記X軸での移動量について前記フー
リエ変換を行ったときの各係数の値を示したものであ
る。なお、前述したように前記波形を終端の位置で線対
称に折り返したことにより、前記フーリエ変換式におけ
るbn項(n=1,2,3,…)は小さな値になるため、上記
図においては特に示していない。
上記第3図(C)、第4図(C)、第5図(C)、及び第6図(C)
に示すように、係数a0/2はストロークの重心の位置を示
し、a1はその軸上での始点と終点の間での離れ具合いを
示し、a2はその軸での曲がり具合いを示すという性質を
表す。なお、a3,a4はa1,a2に対してそれぞれ補完的な意
味を持っていると考えられるが、手書き文字の認識の過
程では上記a3,a4を使用しない。
以上のように各ストロークの長さと、フーリエ変換によ
り得られた各周波数の強度対応値は、ファジー化部5に
転送される。
一般に、手書き文字におけるストロークの長さとか、前
記周波数の強度は、同一人が同じ文字を書く場合でも毎
回異なるものであり、書く人が変わればさらに異なる。
従って、手書き文字より得られたこれらのデータは絶対
的なものではなく、その値の近くにあるということを示
していると考えなければならない。そこで、上記データ
に対してはファジー値を用いて表すことが適当である。
すなわち、ストロークの長さについては、非常に長いと
か、極めて短いとか、というような曖昧さを持つ表現を
用い、周波数の係数(強さ)についても同様の表現を用
いるものである。このような曖昧な表現を用いることに
より、手書き文字の認識のためのプロダクションルール
そのものが分かりやすくなるし、また、この表現のなか
に、それに近い表現をも、ある程度含むということを語
感の中に持たせることができる。
そこで、ファジー化部5において用いられる上記ストロ
ーク長に関するファジー値と、その対応値を第7図に、
周波数の係数a0/2に関するファジー値と、その対応値を
第8図に、周波数の係数a1に関するファジー値と、その
対応値を第9図に、更に、周波数の係数a2に関するファ
ジー値と、その対応値を10図に示している。なお、パ
ーソナルコンピュータ2の中ではファジー値をO〜Fま
での16進数で便宜的に表すこととする。第7図〜第1
0図にはこの便宜値を併せて記してある。
また、第11図は、ある人が書いた14画の教育漢字の
全てについて、そのストロークの長さと周波数の強度を
ファジー値に直したときの分布状態を示したものであ
る。
一般に、ストローク長は、画数が少ない場合には大きい
方に、画数が多い場合には小さい方に分布するが、第1
1図に示すように、14画では既に小さい方に分布して
いる。また、ストロークの重心を表すa0は、X軸、Y軸
ともにほぼ均等な分布をなしている。始点と終点の離れ
具合いを表すa1は、やや中央に傾いて分布している。こ
れは、画数が多くなってくると、ストローク長が短くな
ってくることに起因している。更にストロークの曲がり
具合いを示すa2は中央に傾いている。これは曲がってい
るストロークが少ないことに起因している。
従って、ファジー化部5に入力されたデータをファジー
化してファジー値を割り付ける場合、ファジー化部5は
前記第7図から第11図に示した値を用いるものであ
る。しかしながら、上記データは、それに与えられたフ
ァジー値に完全に含まれているわけではなく、その近く
のファジー値の中に含まれる可能性を有している。ファ
ジー理論では、ファジー値の中に含まれる可能性をメン
バーシップ値といい、ファジー値とメンバーシップ値の
関係をメンバーシップ関数で表す。メンバーシップ関数
は、多くの場合、三角形で表される。第12図は上記例
を示したものであり、データに与えられたファジー値で
のメンバーシップ値を1とし、そこから離れるに従っ
て、0.1の割合でメンバーシップ値が減ることを示して
いる。
次に、標準パターン部6について説明する。
標準パターン部6には、標準文字として手書きで入力さ
れた文字が、フーリエ変換、ファジー化を経た後で、フ
ァジー値の形で記憶されている。
また、ルール生成部7では、標準パターン部6よりファ
ジー化データを取り出し、これより、それぞれの標準文
字に対してプロダクションルールを作り出す。このプロ
ダクションルールはストローク対応に作り出され、それ
は「if条件文then結論」の形をとる。また、上記条件文
は複数の条件の論理積として構成される。それぞれの条
件はファジー化されたデータのそれぞれについて、すな
わちストロークの長さや周波数の強度について条件を規
定する。例えば第13図(A)に示すようなパターンで
「疑」という文字が入力され、標準パターン部6に第1
3図(B)に示すようにファジー化データとして記憶され
ているとする。これより、次のようなプロダクションル
ールが作り出される。
ルール「疑」1: 第一ストロークにおいて、 ストローク長が相当に短く、 X軸の移動量で見たとき、 ストロークの重心が左端に相当に接近していて、 終点が始点に対して右に相当に接近していて、 曲がり具合は水平で、 Y軸の移動量で見たとき、 ストロークの重心が上端に非常に接近していて、 終点が始点に対して下に相当に接近していて、 曲がり具合は垂直ならば、 この文字は「疑」であるというルールを生成する。
ルール「疑」2: 第二ストロークにおいて、 ストローク長は短く、 X軸の移動量で見たとき、 ストロークの重心が左端に非常に接近していて、 終点が始点に対して左に接近していて、 曲がり具合いは凹にやや曲がっていて、 Y軸の移動量で見たとき、 ストロークの重心が上端に相当に接近していて、 終点が始点に対して下に接近していて、 曲がり具合いは凸にやや曲がっているならば、 この文字は「疑」であるというプロダクションルールを
生成する。
次に、DPマッチングを利用したファジー推論部8につ
いて説明する。
前述したようにプロダクションルールにおける条件文は
条件の論理積として表されているので、条件の満たされ
具合い、すなわち条件の確信度と、条件の論理積に対す
る確信度を決める必要がある。そこで、本実施例では計
算のし易さを配慮して、各条件の確信度は2つのメンバ
ーシップ関数を比較し各ファジー値でのメンバーシップ
値においてその小さい方をとり、その中で最大のものを
とるmin-max(最小の中で最大のもの)で、条件の論理
積に対する確信度は条件の確信度の中のmin(最小のも
の)ということにする。すなわち、条件の確信度は次の
ように定める。条件の記述は、「AがA′であるなら
ば」ということにして、かつ、A′は標準パターンの方
から与えられるファジー値とする。また入力文字の方か
らもAに対してA″というファジー値を得る。例えば
「疑」2のルールで、「ストローク長は短く」は条件で
あるが、この条件でA′は「短い」であり、Aはストロ
ーク長である。このときストローク長は入力文字の第二
ストロークの長さを示すものであり、短いとか長いとか
のファジー値を有している。この二つのファジー値から
この条件に対する確信度を求めることになるが、これは
ファジー値が示すメンバーシップ関数を用いる。
第14図、及び第15図は上記条件に対する確信度を求
めるときの説明図である。条件に関する確信度は標準パ
ターンの方から得られるメンバーシップ関数と入力文字
パターンの方から得られるメンバーシップ関数から得る
が、これは次のように行なう。各ファジー値に対して2
つのメンバーシップ関数のメンバーシップ値を比較し、
その値が小さい方をとる。次にこのようにして選ばれた
メンバーシップ値の中から最大のものをとる。これが条
件に対する確信度である。第14図と第15図は「疑」
2のルールの条件の一つである。「ストローク長は短
く」の条件に対する確信度を求める方法を示したもので
ある。標準パターンにおいては第二ストロークの長さは
短いのでそのメンバーシップ関数は「短い」の所(図で
は4の所)をメンバーシップ値1とした三角形となる。
即ち第14図の左側の波形となる。ここで入力文字にお
いては第二ストロークの長さは少し短かったとする。こ
のとき、入力文字の第二ストロークの長さに対するメン
バーシップ関数は「少し短い」の所(図では6の所)を
メンバーシップ値1とした三角形となる。即ち第14図
の右側の波形となる。次にファジー値に対応してメンバ
ーシップ値の小さい方を選ぶと第15図の波形を得る。
この波形より最も大きなメンバーシップ値を選ぶ。図で
は0.8なのでこれが第二ストロークに少し短めのものを
書いたときのストローク長は短いという条件に対する確
信度となる(第15図参照)。
また、論理積で結ばれた条件については、その条件の確
信度の中で小さい方を、論理積で結ばれた条件の確信度
とする。
今第16図(A)の文字を入力したとする。このとき第二
ストロークに対するファジー値は次のようになる。スト
ローク長は少し短い。又、X軸の移動量で見たとき、ス
トロークの重心は左端に相当に接近していて終点が始点
に対して左に相当に接近していて、終点が始点に対して
左に相当に接近していて曲がり具合が凹に少し曲がって
いる。さらにY軸の移動量で見たときストロークの重心
は上端にかなり接近していて、終点が始点に対して下に
接近していて曲がり具合が凸に少し曲がっている。そこ
で「疑」2のルールを適応すると各条件に対する確信度
はストローク長については0.8、X軸の移動量でのスト
ロークの重心は0.9、終点と始点の離れ具合は1.0、曲が
り具合は0.9、Y軸の移動量でのストロークの重心は0.
9、終点と始点の離れ具合は1.0、曲がり具合は0.9とな
る。従って条件の論理積、即ち条件式に対する確信度は
この中の最小のものということで0.8となる。
プロダクションルールの中には、同一の結論を導きだす
ものが複数存在する。一般にファジー推論では結論もフ
ァジー値となっていて、条件文によって得られた確信度
でそれぞれの結論のファジー値を補正するとともに、同
一の結論を導き出すものが複数個ある場合には、その平
均をとるということが行われる。しかし、本実施例で
は、結論はファジー値ではなく0か1の値をとるものと
する。そこで、結論についての確信度は条件文の確信度
とする。また、同一の結論が複数個存在する場合には、
それぞれの結論に対する確信度の平均をとる。
上記の例として、第16図(A)に示すような文字が入力
されたものとする。そしてこれに対するファジー化デー
タは第16図(B)に示すものであった場合、標準文字
「疑」での各ストロークに対するプロダクションルール
から、つぎのような確信度をそれぞれ得る。
第一ストロークに対する確信度は1.0、第二ストローク
に対する確信度は0.8、以下第三ストローク以降、第十
四ストロークまでの確信度は0.8,0.8,0.7,0.8,0.7,0.9,
0.9,0.8,0.8,0.8,0.9,0.9となる。
従って、これら確信度の平均は0.83であるので、この入
力文字に対する標準文字「疑」の確信度は0.83というこ
とになる。ファジー推論部では入力文字と同一画数の標
準パターン全てについて、入力文字との間でプロダクシ
ョンルールを適応し、入力文字の各標準パターンに対す
る確信度を計算する。そして確信度が最も高かった標準
パターンを入力文字に対応する認識文字として認識文字
出力部9に出力する。
例えば第16図(A)の文字を入力すると、標準パターン
「疑」に対して確信度0.83、「読」に対して確信度0.6
9、「誤」に対して確信度0.66、「説」に対して確信度
0.65、「認」に対して確信度0.65というような値を得
る。そこで入力文字は「疑」と判定する。
しかしながら、標準パターンと入力文字パターンとが同
一人のものでない場合の入力文字の正しい認識率は、同
一人のものである場合の認識率と比較するとあまりよく
ない。その最大の原因は筆順の違いにある。例えば、文
字「田」では中に書かれる「+」の部分は縦棒を先に書
く場合もあるし、横棒を先に書く場合もある。このた
め、標準パターンと入力文字パターンとが同一人のもの
でない場合には、筆順の違いを発見し、上記二つのパタ
ーンの筆順を合わせるという操作が必要になる。そこ
で、ここでは、入力文字パターンのストロークの並びに
対して置換を行ない、これによって得られる新しいスト
ローク列のパターンの各々に対して標準パターンとの間
でDPマッチングを利用したファジー推論を行ない、そ
の中で最も高い確信度を与えるストローク列のパターン
が標準パターンの筆順と合致していると見なし、この確
信度を入力文字パターンと標準パターンの間の確信度と
する方法を取った。しかし、置換によって生じる全ての
異なるストローク列について、DPマッチングを利用し
たファジー推論を行なうとすると、その画数が小さい場
合はよいが、画数が大きくなるとその量は膨大になる。
そこで、ここでは筆順を合わせるために、DPマッチン
グを限定された箇所に適用し、少ない計算時間で、筆順
を一致させる方法を取った。
この手法は次のようになっている。まず標準パターンと
入力文字パターンの筆順を大まかに一致させるというこ
とを行なう。人によっては、へん、にょう、つくり等の
単位で、筆順が入れ替わっている場合がある。まず、こ
れを発見するために、入力文字パターンののストローク
を循環させ、確信度が最大になったものを、大まかに一
致しているものとみなした。
標準パターンと入力パターンとの筆順を大まかに一致さ
せた後、部分的に筆順が違っている箇所を一致させると
いう操作を行なう。それは次のようにして行なう。循環
後の入力文字パターンにおいて、結論の確信度がある程
度(ここでは0.8とした)を越えていないプロダクショ
ンルールにおいては、ストロークの筆順が一致していな
いとみなした。例えば、「漁」という文字が第17図に
示す筆順で入力されたとする。この時、1,2,8,
9,10,11番目のプロダクションルールでは結論に
対する確信度が小さかったとする。(実際は1,2,
8,9,10番目は筆順が違うため、11番目は点の打
ち方が違うため低い値となった)このとき、1,2,
8,9,10,11番目のストロークについては筆順が
一致していないとみなす。この様に筆順が一致していな
いとみなされたものについて、その間で置換を行ない、
確信度が最大になるものをDPマッチングで選ぶように
した。この場合には、(1,2,8,9,10,11)
を(2,1,10,8,9,11)のように置換したも
のが最大の確信度を与えた。
しかし、筆順が一致していないと思われる全てのストロ
ークについて置換を行なうとなると非常に沢山のものに
ついてDPマッチングを行なうこととなる。そこでここ
では、計算量を少なくするために、DPマッチングの各
段階で上位(ここでは10位まで)に属していないもの
は切り捨てることにした。しかし、この様にすると多数
の候補の中から少数の候補を選ぶということ強いられ
る。このため、筆順が一致しているものが途中で捨てら
れるということが起らないようにするため、一致してい
ないものの確信度がより低くなるように、ストロークの
重心についてはその絶対的な場所ではなく、前のストロ
ークからの相対的な場所で表わすようにした。
以上のような手段で、入力文字パターンと標準パターン
とが同一人のものでない場合の認識率を求めたのが第1
8図である。この結果により次のことがいえる。DPマ
ッチングをすることにより認識率は向上する。しかも、
画数が多い場合には認識率は同一人の時と同程度にまで
なる。しかし、画数が小さい場合には個人差が大きく、
認識率はそれほど高くない場合も見受けられる。
画数が小さい場合には標準パターンと入力文字パターン
との間での僅かな差が大きく影響していると考えられ
る。そこで、画数の小さなものについては、各文字に対
して、複数の標準パターンを用意しておき、いずれかが
入力文字パターンによく似ているようにすれば認識率は
上がると考えられる。そこで、被検者とは異なる5人の
人に標準パターンを作ってもらい、各文字について5つ
の標準パターンを用意し、これらと入力文字パターンと
の間で、いままで述べた認識方法を取らせるようにし
た。第19図に3画の場合の実験結果を示す。この場合
の認識結果は非常に良好であった。
これらの実験結果から、画数の小さいものについては同
一の文字に対して複数の標準パターンを用意し、画数の
多い場合には一つの標準パターンをもたせれば認識率の
高いシステムを構築することができることは明らかであ
る。
以上のようにして推論され、結論ずけられた文字は、認
識文字出力部9から標準文字に対応したパターン信号と
して出力される。
第20図は、以上のように構成されたファジー推論によ
る手書き文字認識装置により、メデアグラフ1に手書き
された文字を認識させるための文字認識行程図を示した
ものである。
同図に示すように、ステップ1(以後、S1,S2,S
3,…S7のように記載する。)に示すように、メデア
グラフ1に手書きされた文字の筆順に従って所定の時間
間隔で筆の位置を示すX,Y座標を点列データとしてパ
ーソナルコンピュータ2に入力させる。S2において、
手書き文字対応の点列データがパーソナルコンピュータ
2に入力されると、同入力文字の大きさを統一するとと
もに、同入力文字の筆速を一定にするための正規化を行
う。S3において、正規化された手書き文字の各ストロ
ーク毎のX座標の移動量、及びY座標の移動量に対して
フーリエ変換を行い、そのあと、S4において、正規化
された手書き文字の各ストローク毎のX座標の移動量、
及びY座標の移動量に対するそれぞれのフーリエ変換に
よって得られたフーリエ級数a0/2,a1,a2それぞれをファ
ジー化する。
S5において、手書きされた入力文字の画数と同一画数
の標準文字のファジー化データを標準パターン部から検
索し、検索されたファジー化データに基ずき、ストロー
ク単位でプロダクションルールを生成する。S6におい
て、プロダクションルールに基づいて手書きされた入力
文字のストロークの順番を入れ替えたものと、前記標準
パターン記憶手段から検索された標準パターンとの間で
DPマッチングを利用したファジー推論を行ない、最も
確信度の高いストロークの並び順を得、それを入力文字
と標準文字との間の確信度としたとき、最も高い確信度
を与える標準度を与える標準文字を推定したあと、S7
において、最も確信度が高いと推定された標準文字を認
識文字として出力し、そのあと、次の文字認識処理に移
行する。
[発明の効果] 以上のように本発明によれば、文字入力手段において手
書きされた文字をX座標、Y座標に対応した点列データ
として入力し、入力データをストローク単位でフーリエ
変換したあと、二番目の周波数の係数までをファジー値
で表し、標準パターンから得られるプロダクションルー
ルにより、DPマッチングを利用したファジー推論を行
い、手書き文字を認識するため、従来の手書き文字認識
手段に比較して計算量が極めて少なくなり、手書き文字
の認識のための処理時間を短くすることができるととも
に、手書き文字の筆順が標準文字の筆順と異なっていて
も正しく認識することができるため、手書き文字の認識
確信度を高めることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
図面は実施例に係り、第1図は手書き文字の認識のため
のシステム構成ブロック図、第2図(A)は文字「の」に
ついて、X軸での移動量、Y軸での移動量を示した説明
図、第2図(B)は第2図(A)の波形の終点の位置で線対称
に波形を折返した波形図、第3図(A)、第4図(A)、第5
図(A)、及び第6図(A)はそれぞれ代表的なストロークを
座標上に示したストローク図、第3図(B)、第4図(B)、
第5図(B)、及び第6図(B)は上記ストロークそれぞれの
X軸での移動量を示した移動量説明図、第3図(C)、第
4図(C)、第5図(C)、及び第6図(C)は上記X軸での移
動量について前記フーリエ変換を行ったときの各係数値
を示した表示図、第7図は手書き文字のストローク長に
関するファジー値と、その対応値を示した対応図、第8
図は周波数の係数a0/2に関するファジー値と、その対応
値を示した対応図、第9図は周波数の係数a1に関するフ
ァジー値と、その対応値を示した対応図、第10図は周
波数の係数a2に関するファジー値と、その対応値を示し
た対応図、第11図は14画の教育漢字の全てについ
て、そのストロークの長さと周波数の強度のファジー値
の分布図、第12図はメンバーシップ関数図、第13図
(A)は標準文字「疑」のパターン図、第13図(B)は標準
文字「疑」のファジー化データ表示図、第14図は二つ
のメンバーシップ関数を示したメンバーシップ関数図、
第15図は、第14図に示した二つのメンバーシップ関
数から選択された確信度の高いメンバーシップ関数図、
第16図(A)は入力文字「疑」のパターン図、第16図
(B)は入力文字「疑」のファジー化データ表示図、第1
7図は「漁」という文字の筆順の一例を示した筆順図、
第18図はDPマッチング利用のファジー推論をした場
合の実験結果を示した表図、第19図は3画文字の場合
の実験結果を示した表図、第20図は文字認識行程図で
ある。 1……メディアグラフ 2……パーソナルコンピュータ 3……入力データ正規化部 4……フーリエ変換部 5……ファジー化部 6……標準パターン部 7……ルール生成部 8……DPマッチング利用のファジー推論部 9……認識文字出力部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】文字が手書きされる過程で、同文字を所定
    の時間間隔でX座標、及びY座標に対応した点列データ
    として出力させる文字入力手段と、 前記文字入力手段から出力された前記手書き文字対応の
    点列データを入力し、入力された手書き文字の大きさを
    統一するとともに、入力された手書き文字の筆速を一定
    にするために同手書き文字の点列の間隔を一定にする入
    力データ正規化手段と、 前記入力データ正規化手段により正規化された手書き文
    字をストローク単位でX,Y移動量対応のフーリエ変換
    を行い、周波数の強度を求めるためのフーリエ変換手段
    と、 前記フーリエ変換手段においてフーリエ変換して得られ
    たフーリエ級数データを曖昧な手書き文字データとして
    扱うことができるようにファジー化するためのファジー
    化手段と、 標準文字をファジー化したパターンデータを記憶してお
    くための標準パターン記憶手段と、 前記標準パターン記憶手段から前記パターンデータを得
    て、手書き文字認識のためのプロダクションルールを生
    成するためのルール生成手段と、 前記プロダクションルールに基づいて手書きされた入力
    文字のストロークの順番を入れ替えたものと、前記標準
    パターン記憶手段から検索された標準パターンとの間で
    DPマッチングを利用したファジー推論を行ない、最も
    確信度の高いストロークの並び順を得、それを入力文字
    と標準文字との間の確信度としたとき、最も高い確信度
    を与える標準文字を推定するDPマッチング利用のファ
    ジー推論手段と、 前記DPマッチング利用のファジー推論手段により最も
    確信度が高いと推定された文字を前記入力された手書き
    文字に対応する標準文字として出力する認識文字出力手
    段とを備えたことを特徴とするDPマッチング利用のフ
    ァジー推論による手書き文字認識装置。
JP63321669A 1988-12-20 1988-12-20 Dpマッチングを利用したファジー推論による手書き文字認識装置 Expired - Lifetime JPH0640351B2 (ja)

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DE69429847T2 (de) * 1993-10-14 2002-11-07 Omron Tateisi Electronics Co Bildverarbeitungsgerät und Verfahren zur Erkennung eines eingegebenen Bildes und Fotokopierer, der dasselbe einschliesst
JP4595083B2 (ja) * 2003-07-25 2010-12-08 タマティーエルオー株式会社 データ解析方法、データ解析装置およびデータ解析プログラム

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