JPH064016A - 動画撮影テクニック指導方法およびその教材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 容易にかつ低費用でビデオカメラの撮影テク
ニックを習得可能なビデオカメラの撮影テクニック指導
方法およびその教材を提供する。 【構成】 現地において目視視野を情景映像として撮影
しておき（ａ）、この映像をディスプレイ上に上映して
（ｂ）、この映像内で、プロカメラマンにベスト構図，
ズーム，パン，チル等の最良のテクニックを駆使して、
ビデオカメラにより再撮影してもらう（ｃ）。そして、
この再撮影した映像をモニターしながら（ｄ）、編集機
により（ｅ）、ワイプを用いて、情景映像（ａ）で、プ
ロカメラマンが撮影しなかった部分にスモークをかけて
いく（ｆ）。そして編集された情景映像（ｆ）に、撮影
手順説明の音声を同期させて（ｇ，ｈ）、動画撮影テク
ニック指導用教材を製作する。そして、この教材を上映
して、受講者が説明音声に従ってカメラファインダーを
再撮影映像に追従すれば、操作テクニックが習得でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ビデオカメラの動画
撮影テクニック指導方法およびその教材に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】小型で安価なビデオカメラ技術開発の成
果により、近年、一般家庭等においても、ビデオカメラ
の購入，使用が可能になっおり、このビデオカメラを携
えて親が運動会等で子供の活躍の様子を撮影する光景も
よく見かけられる。

【０００３】ところでビデオカメラの撮影テクニックを
習うには従来、ビデオカメラ撮影教室等で専門家により
指導を受けなければならなかった。そして、ビデオカメ
ラ撮影教室から撮影の練習をする現地へ出向き、講師に
より現地で指導を受けながらビデオカメラを操作して撮
影テクニックを学んでいた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従って、現地へ出かけ
て専門家の指導を受けなければならないので、ビデオカ
メラの撮影テクニックを習得するのに多大の時間と費用
を要していた。

【０００５】特に、運動会，繁華街，観光地等の種々の
現地でのビデオカメラの撮影テクニックを習得するに
は、それぞれその現地に出向いて取得しなければならな
いので、非常に煩雑であった。

【０００６】従って、これらの理由により、一般家庭等
のビデオカメラの利用者は、撮影テクニックを習わず
に、そのまま、実際のビデオカメラでの撮影を行う場合
が多く、この場合には、これを再生すると、被写体構図
やパン（レンズの左右方向移動），チル（レンズの上下
方向移動），ズーム等のテクニックが、ふだん見慣れて
いるテレビや映画等のテクニックに比してレベルが低い
ので、従って、家族や友人に冷やかされ、自分はカメラ
センスが不適切と判断してカメラ離れを起こし、購入し
たビデオカメラが十分に利用されない場合があった。

【０００７】そこで本発明の目的は、容易にかつ低費用
でビデオカメラの撮影テクニックを習得することが可能
なビデオカメラの動画撮影テクニック指導方法およびそ
の教材を提供し、以て、利用者が撮影テクニックの優れ
た撮影を行い、これによりビデオカメラのより十分な利
用を図ることにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の動画撮影テクニック指導用教材は、情景映
像と、情景映像内で、パン，チルまたはズームを用い
て、情景映像とは区別して明示された撮影教示映像とか
らなる。

【０００９】動画撮影テクニック指導用教材は、情景映
像をパン，チルまたはズームを用いないで撮影し、撮影
された情景映像を上映し、上映された情景映像の一部を
パン，チルまたはズームを用いて再び撮影し、再び撮影
した情景映像の一部をモニターに映しながら、情景映像
の内、モニターに写されていない部分をワイプを用いて
スモークをかけて編集することにより、撮影教示映像を
製作することが好ましい。

【００１０】また、動画撮影テクニック指導用教材は、
撮影教示映像に同期した、撮影手順説明の音声を具備し
ていることが好ましい。

【００１１】また、上記目的を達成するために、本発明
の動画撮影テクニック指導方法は、上記に記載の動画撮
影テクニック指導用教材の撮影教示映像を、受講者がビ
デオカメラで撮影することにより、動画撮影のテクニッ
クを指導する。

【００１２】また、上記目的を達成するために、本発明
の動画撮影テクニック指導用装置は、上記に記載の動画
撮影テクニック指導用教材と、動画撮影テクニック指導
用教材の再生装置と、動画撮影テクニック指導用教材の
ディスプレイ装置とを具備している。

【００１３】

【作用】情景映像内に、区別して明示した撮影教示映像
はベスト構図，ズーム，パン，チル等の模範映像を示す
ものであり、撮影教示映像を受講者がビデオカメラのフ
ァインダーで覗いて視野を合わせ、撮影教示映像の動き
にその視野を追従することにより、ベスト構図，ズー
ム，パン，チル等の撮影テクニックを習得することがで
きる。

【００１４】従って、現地で専門家に直接指導を受ける
ことなく撮影テクニックを習得することができ、また種
々の情景の動画撮影テクニック指導用教材を用意してお
くことにより、種々の現地での撮影テクニックを、一つ
の場所で全て習得することができる。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。

【００１６】まず、動画撮影テクニック指導用教材の製
作手順の一実施例を図１に基づいて説明する。

【００１７】まず、受講者が、観光地等の現地にいた場
合に目視することができる全体の視野を情景映像とし
て、例えば高画質のビデオカメラ等で、１０ｍｍ前後の
短い単玉レンズを用いてワイドな画角で、動画映像とし
て撮影する（図１（ａ））。このとき、ズーム，パン，
チル等の動作を行わず、ほぼ一定視野に固定した状態
で、あるいは情景によっては極めてゆっくりとしたパン
移動を行って、全体の視野を撮影する。

【００１８】次にこの撮影した映像を編集室に持ち帰
り、例えば５０〜７０インチ程度のリアプロジェクター
に上映する（同図（ｂ））。

【００１９】そして、撮影テクニックを習得しているプ
ロカメラマンに、この教材が対象としている人々が利用
すると考えられるビデオカメラを用いて、リアプロジェ
クターの映像内において、この映像が現場の全体視野で
ある場合のベスト構図の映像を撮影してもらい、あるい
はズーム，パン，チル等の模範動作をしてもらって映像
を撮影してもらう（同図（ｃ））。これが撮影教示映像
になる。

【００２０】次に、プロカメラマンが撮影した映像をモ
ニター上に映す（同図（ｄ））。そして、現地で撮影し
た情景動画映像（同図（ａ））をリアプロジェクターに
上映しながら、編集機（同図（ｅ））のソフトワイプを
用いて、リアプロジェクターの情景動画映像のうち、プ
ロカメラマンが撮影しなかった部分にスモークをかける
という作業を行う（同図（ｆ））。これによりスモーク
がかけられた部分が鮮明さが減じた状態となる。なお、
ズームスピードは、プロカメラマンが撮影したモニター
上のズームスピードと同一スピード，即ちこの教材が対
象としている人々が利用すると考えられるビデオカメラ
のスピードとなる。スモークがかけられることにより、
撮影教示映像が他の部分から明確に区別されて、明るく
映し出される。

【００２１】次に、オーディオのアフレコを行い、プロ
カメラマンが撮影しなかった部分にスモークがかけられ
た情景動画映像を見ながら、ナレーターによる、例えば
「カメラのファインダー内の視野範囲を画面の明るい部
分いっぱいに合わせてください。」等の、ベスト構図撮
影の説明、あるいはズーム，パン，チル移行の説明等、
所定の音声を情景動画映像に同期させて吹き込む（同図
（ｇ）（ｈ））。これにより、一つの現場における、説
明音声が同期し、撮影教示映像が明示された情景動画映
像が製作される。

【００２２】このようにして、子供の運動会，銀座，新
宿等の繁華街，日光，箱根等の観光地，あるいは、遊園
地，ピアノ発表会，スキー合宿，テニスの試合，海水
浴，博覧会等の種々の現地の情景動画映像を製作する。

【００２３】そして、これらの、説明音声が同期し、撮
影教示映像が明示された、例えば１０種類の情景動画映
像を、レーザーディスクやビデオテープ等の記録媒体に
収録する。なお、例えば、１種類の情景動画映像の所要
時間を２，３分とし、全種類の情景動画映像の所要時間
を１時間前後とした記録媒体を製作する。この記録媒体
が動画撮影テクニック指導用教材となる。

【００２４】次に、この動画撮影テクニック指導用教材
を用いた動画撮影テクニック指導方法を説明する。

【００２５】ビデオカメラ撮影教室に、動画撮影テクニ
ック指導用教材と、その再生装置と、例えば５０〜７０
インチのリアプロジェクターからなるディスプレイ装置
とを準備する。

【００２６】そして、動画撮影テクニック指導用教材を
再生装置により再生して、説明音声とともに、ディスプ
レイ装置上に上映する。

【００２７】そして、受講者は、説明音声を聴きなが
ら、その指示の通りに、ビデオカメラのファインダー内
の視野を、明るく映し出された撮影教示映像に合わせて
追従する。例えば、「カメラのファインダー内の視野範
囲を画面の明るい部分いっぱいに合わせてください。」
という指示があると、受講者は画面の明るい部分にファ
インダー視野を合わせ、「ズームバックしましょう。」
という指示があると、明るい部分が、この教材が対象と
している人々が利用すると考えられるビデオカメラのズ
ームスピードの実力の範囲で広がるので、受講者はそれ
に合わせてズームバックし、更に、「画面に向かって右
にパンします。」，「画面に向かって左にパンしま
す。」，「画面に向かって右上にズームバックしましょ
う。」等のナレーターの指示に従って、受講者はズー
ム，パン，チルしつつ画面を撮影する。

【００２８】このように、受講者は、情景動画映像内
で、音声の指示通り、ズームアップ，ズームバック，パ
ン，チルすることにより、現実の撮影に近いテクニック
で、ベスト構図を習得でき、また、最良のズームアッ
プ，ズームバック，パン，チルの動作方法を習得するこ
とができる。また、明確に区別された全体情景動画映像
と撮影教示映像とを比較しながら、ベスト構図，ズー
ム，パン，チル等を学ぶことができるので、従来の専門
家が現地で指差しながら漠然とベスト構図，ズーム，パ
ン，チル等を指導する場合に比して、より適格なこれら
の撮影テクニックの習得ができる。

【００２９】そして１０種類の情景動画映像が上映され
るので、それらにおいて、指示通りにビデオカメラの操
作を行うことにより、そのビデオカメラ撮影教室内で、
それらの１０種類の現地における撮影テクニックを、全
て習得することができる。

【００３０】なお、これらのビデオカメラの撮影テクニ
ックは、説明音声にしたがって習得するので、撮影テク
ニックの専門家を必要とせず、従って、低費用で受講す
ることができ、また説明音声にしたがって撮影教示映像
に追従すればよいので、極めて楽に習得することができ
る。また、専門家を招かないので任意の多くの場所でか
つ随時に、ビデオカメラ撮影教室を開くことができ、多
くの人が利用することが可能になる。

【００３１】そして、受講者は、上記により撮影テクニ
ックを習得後、実際の現地での撮影で、目視する視野を
情景動画映像と見なし、上記により習得した通りに、そ
の中でのベスト構図の設定やズーム，パン，チルの動作
等を行うことにより、優れたカメラセンスの撮影を行う
ことができる。これにより受講者は自分のカメラセンス
に自信を持ち、ビデオカメラを更に活用しようと意図す
るため、ビデオカメラのより十分な利用が図られる。

【００３２】なお、動画撮影テクニック指導用教材を用
いたビデオカメラ撮影教室は、ビデオカメラを利用する
人および利用予定の人のみならず、一般の人も利用する
ことができる。一般の人が利用した場合には、「ビデオ
カメラ撮影でこんなに簡単にテレビ等で見る映像が私に
も撮れる」と感想し、ビデオカメラに関心を寄せ、ビデ
オカメラの更なる利用を促すことができる。

【００３３】上記実施例ではビデオカメラ撮影教室で本
発明を実施するとしたが、動画撮影テクニック指導用教
材，その再生装置およびディスプレイ装置があれば、個
人的にも本発明を実施可能である。また、一般家庭等に
おいて、動画撮影テクニック指導用教材をビデオテープ
レコーダー等により再生して、小型のテレビジョン等に
上映し、ナレーターの説明音声を聴きながら、撮影教示
映像がどのように変化していくかを見るのみによって
も、即ちビデオカメラのファインダーで覗いてビデオカ
メラを操作することを行わなくても、撮影テクニックを
習得することが可能である。

【００３４】

【発明の効果】本発明は、以上のように、情景映像とそ
の内に区別して明示した撮影教示映像とからなる動画撮
影テクニック指導用教材を用いることとしたので、容易
にかつ低費用でビデオカメラの撮影テクニックを習得す
ることが可能になり、従って受講者がこれを利用するこ
とにより、より容易に、優れたカメラセンスのある撮影
を行うことが可能になる。これによりカメラの利用者は
ビデオカメラのより多くの利用を図り、また一般の人に
ビデオカメラへの関心を起こさせることが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】同図（ａ）〜（ｈ）は本発明の動画撮影テクニ
ック指導用教材の製作の手順を示す説明図である。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 情景映像と、 上記情景映像内で、パン，チルまたはズームを用いて、
   上記情景映像とは区別して明示された撮影教示映像とか
   らなることを特徴とする動画撮影テクニック指導用教
   材。
2. 【請求項２】 請求項１において、 情景映像をパン，チルまたはズームを用いないで撮影
   し、 上記撮影された情景映像を上映し、 上記上映された情景映像の一部をパン，チルまたはズー
   ムを用いて再び撮影し、 上記再び撮影した情景映像の一部をモニターに映しなが
   ら、上記情景映像の内、上記モニターに写されていない
   部分をワイプを用いてスモークをかけて編集することに
   より、撮影教示映像を製作することを特徴とする動画撮
   影テクニック指導用教材の製作方法。
3. 【請求項３】 請求項１または２において、 上記撮影教示映像に同期した、撮影手順説明の音声を具
   備したことを特徴とする動画撮影テクニック指導用教
   材。
4. 【請求項４】 請求項１，２または３に記載の動画撮影
   テクニック指導用教材の撮影教示映像を、受講者がビデ
   オカメラで撮影することにより、動画撮影のテクニック
   を指導することを特徴とする動画撮影テクニック指導方
   法。
5. 【請求項５】 請求項１，２または３に記載の動画撮影
   テクニック指導用教材と、 上記動画撮影テクニック指導用教材の再生装置と、 上記動画撮影テクニック指導用教材のディスプレイ装置
   とを具備したことを特徴とする動画撮影テクニック指導
   用装置。