JPH0640097B2 - 表面波による液体音速・粘度測定方法及びその装置 - Google Patents

表面波による液体音速・粘度測定方法及びその装置

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JPH0640097B2
JPH0640097B2 JP1218607A JP21860789A JPH0640097B2 JP H0640097 B2 JPH0640097 B2 JP H0640097B2 JP 1218607 A JP1218607 A JP 1218607A JP 21860789 A JP21860789 A JP 21860789A JP H0640097 B2 JPH0640097 B2 JP H0640097B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、表面波を用いて液体の音速および粘度を測定
する表面波による液体音速・粘度測定方法および装置に
関する。
[従来の技術] 液体の音速や粘度等の音響的な特性を測定する方法は、
古くから研究され多くのものが実用化されている。
これまで実用化されている粘度計には、細管流体の流れ
を利用した細管粘度計、粘性抵抗を測定する回転粘度計
や振動粘度計、気泡の上昇や球の落下を用いた気泡粘度
計や落体粘度計等がある。
また、液体の音速測定には超音波パルスの伝搬時間を測
定するパルス法、連続波の干渉を利用した連続波法、そ
して光を使った光学的測定法が用いられている。
そしてこれら液体の音速および粘度の測定方法は各種液
体の製造装置に適用され、液体品質の一定化、良品質化
および検査等に使用されている。
また、最近では表面波を利用して上記測定を行なう方法
も提示されている。この表面波は、圧電体基板および交
差指電極から構成されるトランスデューサ(IDT;In
ter Digital Transduser)で励振されることが知られて
いる。このような表面波では、その変位成分は、進行方
向の成分U、表面に平行で進行方向に垂直な成分
、基板の深さ方向の成分Uの3つの成分である。
このような目的に使われる表面波用の基板には、これま
でU成分が非常に小さなSHモード表面波が伝搬する
圧電体基板のみを使用していた。U成分が非常に小さ
なSHモードの表面波は、液体中に置かれてもそのエネ
ルギーを放射することなく伝搬する。しかし液体に粘性
があるとこの波はU、U成分と結合して速度の遅延
や減衰を生じるため、液体の粘度計として利用すること
ができるものである。そして粘度は下記の摂動理論より
導出される一般式(1)により求める。
上式は摂動論による圧電体基板表面に粘性液体が負荷さ
れた時の単位長さあたりの表面波の伝搬損失α[db/mm]
である。但し、P:非摂動時における単位幅当りのパワ
ーフロー、ρ:液体の密度、η:液体の粘度、Vi(i
=1,2,3):表面での粒子速度成分、Vs:表面波
の伝搬速度、κ:液体の体積弾性率である。
上式の右辺第1項は液体中への粘性によりエネルギーを
放射することによる減衰を示し、第2項は超音波放射に
よる減衰を示している。この(1)式によれば、SHモー
ドの表面波を使うことにより液体の粘度を求めることが
できる。
[発明が解決しようとする課題] しかし、これらはいずれも粘度または音速のいずれか一
つを測定するのみで、両方を同時に測定することは出来
なかった。
また、被測定対象物である液体は多量の試料として抽出
されたものであり、測定を行なうための作業に手間がか
かるとともに、液体の製造段階等で実時間の測定をする
ことができなかった。
また、表面波による粘度の測定を行なうものは、U
分が非常に小さな圧電体基板のみを使用していたため、
前記式(1)の右辺第2項を省略し、近似式により求めて
いた。
これは、U成分が非常に小さいと仮定していたためで
あるが、誤差の要因となる問題点を有していた。
また、U成分を有効利用する方法及び具体的なIDT
の構成が提示されていないことによるものであった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、
液体の音速及び粘度を高精度に測定することができる表
面波を用いた液体音速・粘度測定方法を提供することを
第1の目的としている。
また、液体の音速および粘度を同時に実時間で測定する
ことができ、かつ液体が少量のみでこの測定を行なえ作
業性を向上することができると共に、この測定を全自動
化することができる表面波を用いた液体音速・粘度測定
装置を提供することを第2の目的としている。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため本発明の表面波を用いた液体音
速・粘度測定方法は、被測定対象としての液体1中に設
けられた表面波と超音波の送・受波を行なうセンサ2お
よび反射板3を用い、該液体中での表面波と超音波の伝
搬特性により液体の音速及び粘度を測定する表面波によ
る液体音速・粘度測定方法であって、 前記センサ及び反射板の間の距離を移動させることによ
って得られる変化量△に基づき、超音波速度Va 但し、V;表面波の速度、△t;移動時に得られる遅
延時間差、△h;移動量。
を求めた後、 この超音波速度Vaに基づき、下記式により液体の体積
弾性率κ を演算し、 この後、単位長さあたりの表面波の伝搬損失αを測定し
た後、前記体積弾性率κを用いて下記式により液体の粘
度η 但し、 P;非摂動時における単位幅当りのパワーフロー ρ;液体の密度、 Vi(i=1,2,3);表面での粒子速度成分、 V;表面波の伝搬速度。
を演算することにより、液体の音速および粘度を測定す
ることを特徴とする。
また、請求項2記載の表面波による液体の音速・粘度測
定装置は、被測定対象としての液体1中に設けられ、基
板の深さ方向に対する放射成分が大きな材質により形成
された圧電体基板2aと、該圧電体基板上に設けられた
液体中に超音波を放射する送波電極2c,2gと、これ
を受波する受波電極2d,2e,2f,2h,2iと、
から成るセンサ2と、 前記液体中に設けられ、該センサから放射される超音波
を反射する反射板3と、 前記センサ及び反射板の間の距離を移動させるZ軸移動
手段6と、 該Z軸移動手段を移動させることにより前記センサで検
出される液体の検出信号tの差から音速Vaを演算し、
この結果から、液体の体積弾性率κを演算し、この液体
の体積弾性率を用いて粘度ηを演算する解析装置5と、 を具備したことを特徴とする。
[作用] 請求項1記載の方法によれば、液体1の超音波速度Va
は、センサ及び反射板の間の距離を移動させることによ
って得られる変化量Δ(Δh,Δt)に基づいて容易に
求めることができる。
続いて超音波速度Vaにより液体の体積弾性率κを求め
た後、この液体の体積弾性率κを用いて液体の粘度を求
めるようにしたので、液体の粘度を高精度に測定するこ
とができる。
請求項2記載の装置によれば、センサ2は、液体に対す
るU成分が大きな性質を有する圧電体基板2aを用い
ているから、センサ2の移動時における検出信号tが大
きく、その変化量が大きく正確な測定を行なうことがで
きる。
また、センサ2自体が小型化できるとともに、少量の液
体1で測定を行なうことができる。
また、センサ2は、Z軸移動手段6により反射板3との
間の距離が正確に移動されるので高精度な移動を行なう
ことができる。
また、解析装置5は、Z軸移動手段6によるセンサ2の
移動時の変化量Δを得るのみで液体1の音速Va、この
音速Vaを基にした液体1の体積弾性率κ、この液体1
の体積弾性率κから液体の粘度ηを得る一連の演算動作
を自動的に行なうことができる。
したがって、上記装置によれば1つのセンサ2を用いる
のみで、このセンサが液体1中で移動した直後に液体1
の音速Vaと粘度ηを同時に求めることができる。
[実施例] 第1図は、本発明の表面波による液体音速・粘度測定装
置の第1実施例を示す概要図である。
1は、被測定対象としての液体であり、センサ2はこの
液体1中に反射板3から所定距離離れて設けられる。反
射板3は、ガラス等超音波を反射する材質により構成さ
れる。
センサ2は、第2図の斜視図に示す如く、IDTと呼称
されるものであり、圧電体基板2a上に櫛状の交差指電
極2c、2dが間隔Lをおいてパターン成形されたもの
である。即ち、表面波遅延線(SAWdelay line)を構
成している。これ交差指電極2c、2dの一方2cが超
音波放射用と表面波の励振用としての送波電極、また他
方2dが受波用としての受波電極であり、第1図のよう
に送波電極2cは入力装置4に接続され、受波電極2d
は解析装置5に接続される。入力装置4は、高周波発振
器4a、クロック発振器4b、とこれらを混合すること
によりクロック周期で高周波を出力するゲート回路等か
らなるミキサ4cにより構成される。
解析装置5は、後述する動作を行なうことにより液体中
の音速及び粘度を測定処理する処理装置5a、測定値を
表示する表示部5bにより構成される。
尚、解析装置5としては、シンクロスコープによる波形
観測を行なう様にしても良い。
また、Z軸移動手段6は、例えばZ軸ステージにより構
成されセンサ2をZ軸方向(後述するΔh)に移動する
ものであり、センサ2はアーム6aを介してZ軸移動手
段6に固定される。このZ軸移動手段6は、処理装置5
aからの制御信号により動作が制御される。
ここで、このセンサ2による測定原理について説明す
る。
前記圧電体基板2aおよび送波電極2cを用いて弾性表
面波が励振される。
本発明の圧電体基板2aはニオブ酸リチウム(LiNbO3)
や、タンタル酸リチウム(LiTaO3)等の表面を伝搬する表
面波のうちUとU、Uが共に存在するSHモード
に近い波を利用するものである。
LiNbO3、LiTaO3そして水晶等において特定のカットをし
た圧電体基板2表面の表面波(第1図中矢印I)は、U
、U、Uの変位成分を有する。例えば、Ycut の
LiNbO3基板のX方向に伝搬する表面波のカット面を変え
た時の各変位の成分は第3図に示す通りである。
本発明者はこのような圧電体基板2aを有するセンサ2
を液体1中に入れて実験したところ下記の特徴を発見し
た。
1)表面波はU成分により液体1超音波と結合し、液
体1中にエネルギーを放射して減衰する。
2)液体1に粘性があると、U成分と結合して表面波
が減衰する。
粘性の大きさはこのU成分による減衰特性を測定する
ことにより得られ、音速は液体1中に放射された超音波
の伝搬特性を測定することにより得られる。
したがって、第1図に示す構成の装置において、伝波電
極2cから励振された表面波は、モード変換によりエネ
ルギーの一部を超音波として放射しながら伝搬し(第1
図中矢印II)、受波電極2dにより検出される。また、
放射された超音波は圧電体基板2aに平行に置かれた反
射板3で反射され、再び圧電体基板2aに入射し、表面
波に変換され、受波電極2dによって受波される。した
がって、受波電極2dには遅延時間の異なる2つの信号
(高周波パルス)が受波された電気信号として表われ
る。
この受波特性によって後述する測定を行なうことができ
る。
第4図に示すのは、前記処理装置5の内部構成を示すブ
ロック図である。
Z方向移動量設定手段51は、Z軸移動手段6のZ軸方
向(高さ方向)の移動量Δhが設定され、後述の動作
時、Z軸移動手段6の移動動作信号aを出力する。
データ入力手段52には、受波電極2dからの検出信号
t(T1,t1,t2)が入力され、A/D変換後、後
段に出力する。そして、これら検出信号tは後段のディ
ジタル処理化のために図示しないサンプルホールド回路
とピーク値抽出回路によりその最大値が後段に供給され
ることになる。また、この検出信号T1は送受波電極2
c,2d間で発生する表面波の遅延時間で、t1,t2
は超音波にモード変換した波の遅延時間である。
データ格納手段53は、Z軸移動手段6を移動させる以
前の検出信号t1を一時的に格納保持する。これにはZ
軸移動手段6を△h移動した時の検出信号t2も格納さ
れる。
Δt算出手段54は、検出信号t1,t2に基づき Δt=t1−t2 により遅延時間差Δtを算出する。尚、検出信号t2は
後述の動作時におけるZ軸移動手段6の移動時に得られ
る。
音速演算手段56は、パラメータ記憶手段55に記憶さ
れているデータに基づき下式(2)により液体中の超音波
速度(以下音速と略称する)Vaを演算し、データ出力
手段59に出力する。
ここで、Vsは液体1中で圧電体基板2a表面を伝搬す
る表面波の速度であり、センサ2製造時における送波電
極2cと受波電極2dとの間隔LからVs=L/T1
(L;伝搬距離,T1;表面波の遅延時間)の関係より
容易に求められる固定値である。また、この固定値は、
液体の種類、性質により異なるがT1より常に各々の場
合について定めることができる。このVはパラメータ
記憶手段55に記憶されている。
そして、この式(2)は、本発明者による独自のものであ
り、この新規な手段(式(2)およびZ方向への移動制
御)により、従来音速を演算する際に厳密考慮しなけれ
ばならなかったセンサ2の放射角θに依存することなく
音速を正確に求めることができるようになっている。
体積弾性率演算手段57は、音速演算手段56の演算値
Vaを基に、下式(3)から液体の体積弾性率κを演算す
る。
粘度演算手段58は、体積弾性率演算手段57の演算値
κから前記式(1)により液体の粘度ηを算出し、データ
出力手段59に出力する。
データ出力手段59は、A/Dを介し表示部5bに前記
アナログ測定波形、音速、粘度データ等を出力する。
次に、上記構成による動作を第5図のフローチュートを
用いて説明する。
まず、上記構成によるセンサ2を液体1中に設け、デー
タ入力手段52により液体1の遅延特性tを検出信号t
1として測定し(SP1)、データ格納手段58に記憶
させる。
次に、単位長さあたりの表面波の伝搬損失αを測定して
おく(SP2)。
次に、Z方向移動量設定手段51によりZ軸移動手段6
をΔh方向に移動させる(SP3)。これによりセンサ
2は、U成分の方向に移動されることとなり、前記遅
延特性が変化する。
ここで、センサ2はZ軸移動手段6により高精度の移動
制御を行なうことができるため、高精度な遅延特性の測
定を行なうことができる。
次に、センサ2により検出信号t2を測定する(SP
4)。
そして、△t算出手段54により検出信号t2および、
データ格納手段53に記憶された検出信号t1との差Δ
t(遅延時間差)を演算する(SP5)。
次に、音速演算手段56により前記式(2)により液体1
の音速Vaを演算する(SP5)。必要なパラメータの
うち、Δtは前記Δt演算手段の演算出力値を用い、Δ
hは、前記Z方向移動量設定手段51の値を用い、V
は、パラメータ記憶手段55に記憶されている値を用い
る。
そして、この音速演算手段56で求められた液体の音速
Vaは、データ出力手段59に送出される。
ここで求められた音速Vaを基に、体積弾性率演算手段
57では、前記式(3)により液体1の体積弾性率κを演
算する(SP6)。
次に、粘度演算手段58では、前記式(1)により液体1
の粘度ηを演算する(SP7)。
そして、既に単位長さあたりの表面波の伝搬損失α、お
よび前記液体の体積弾性率κが得られているので式(1)
における右辺第2項のU成分による損失が正確に求め
られることになり、粘度ηを高精度に求めることができ
る。この粘度ηはデータ出力手段59に送出される。
データ出力手段59は、前記検出信号tの測定波形と、
音速演算手段56から送出され音速Vaと、粘度演算手
段58から送出される粘度ηを表示部5bに出力する。
次に、第6図(a),(b)は本装置の具体的な設置例
を示す図である。
第6図(a)に示すのは液体1製造装置の一部を構成す
る貯槽60の正面断面図であり、この貯槽60に前記セ
ンサ2を設置した例である。
図において、61は底面に反射板3、上部位置にZ軸移
動手段6が設けられ、側部には液体1流入用の開口部6
2が設けられた収納筺体である。また、Z軸移動手段6
下部にはセンサ2が固定される。
第6図(b)に示すのは、液体1製造過程における送出
管71の平面断面図であり、中途位置に分岐路72を設
け、この分岐路72部分に前記センサ2及び反射板3を
設けたものである。センサ2は不図示のZ軸移動手段6
により上下方向に移動自在である。
そして、これら具体的構成において、主要部(第1図)
であるセンサ2部分は1cm程度に形成されるものであ
るため、このセンサ2による検出に必要な液体の量は2
〜3cm程度あれば十分に行なうことができ、センサ2
およびセンサ2の周辺装置を小型化することができ、液
体1の製造装置に容易に設置することができる。
尚、上述した実施例においてZ軸方向への移動はセンサ
2側で行なうようにしたが、他、反射板3をこのZ軸方
向に移動させるよう構成しかつセンサ2を固定する構成
としてもよく、この場合でも上述した実施例と同様の作
用効果を得ることができる。
次に、第7図(a)は、本発明の第2実施例を示す斜視
図である。
この実施例において、上記第1の実施例と異なるのはセ
ンサであり、他の構成部は第1の実施例と同様であり説
明を省略する。
このセンサ22は、前記実施例と同様の圧電体基板2a
を用いる。この圧電体基板2a中央部分には送波電極2
cを設ける。さらに、送波電極2cの左右に2つの受波
電極2e,2fを各々設ける。受波電極2eは送波電極
2cから距離L1離れて設け、受波電極2fは送波電極
2cから距離L2離れて設ける(但し、L1<L2)。
このようなセンサ22を用いることにより伝搬損失α
(α=α2−α1)を容易に得ることができる。
次に、第7図(b)は、本発明の第2実施例を示す斜視
図である。
この実施例は前記第2の実施例の変形例である。
このセンサ23は、前記実施例と同様の圧電体基板2a
を用いる。この圧電体基板2a端部には送波電極2gを
設ける。さらに、中央部分と他端部に2つの受波電極2
h,2iを各々設ける。受波電極2eは送波電極2aか
ら距離L1離れて設け、受波電極2iは送波電極2cか
ら距離L2離れて設ける。
このようなセンサ23を用いることにより前述の実施例
同様、伝搬損失αを容易に得ることができるとともに、
いずれの受波電極2h,2iも送波電極2gから視て同
一方向に設けられた構成であるため、U成分の超音波
のうち同一方向に放射されたものについて各々受波する
ことから伝搬損失αの測定確度を向上することができる
ものである。
本発明の具体的適用例としては、上述した各種液体の製
造装置の他、血液中のタンパク質等のモニタとして用い
ることができ、この場合であっても試料は極僅かで済む
ことから本発明の効果を有効に利用することができるも
のである。
{実施例} 次に、上記実施例を用いた実施例について示す。
1)使用センサについて 使用センサ;第7図(a)のセンサ22,センサ22の
基板2aの材質; 36゜YX LiNbO, L1;5mm, L2;10mm, 高周波発振器4aの周波数;30MHz , 液体;グリセリン水溶液, 液体量;4〜5cc, 2)音速の測定 前記(2)式により音速Vaを求める手順 (第8図(a)は、送波電極2cに入力する入力波形で
あり、第8図(b)は、受波電極2eあるいは2fから
出力される波形で、かつZ方向移動主段6の移動前の波
形、第8図(c)は、同受波電極の波形であり、Z方向
に移動させた後の波形。) 1)Z軸移動手段6移動前の波形よりt1を得る。この
t1は、入力波および水中伝搬波応答1の先頭肩位置部
分を基に得る。
2)Z軸移動手段6によりΔh移動(センサ2と反射板
3との間隔を移動前に比して1mm接近移動)させた後に
入力波および水中伝搬応答2からt2を得る。
3)入力波および表面波応答(移動前後いずれでもよ
い)からT1を得る。
4)V(表面波速度)をT1とL(送受波電極間の距
離)より求める。(V=L/T1) 5)Δt=t1−t2を求める。
6)Δt,V,Δhより前記(2)式を使って音速を求
める。
ここで、水の音速(公称値)は23゜〜27゜で150
0m/s であるから、本発明の測定法により従来法と同等
の測定制度を得ることができ、かつ従来法より簡単に測
定することができた。
尚、第9図に従来法および本発明による音速測定結果を
示した。
3)液体粘度を得るための前提となる表面波の伝搬損失
αの測定 1)水及びグリセリン水溶液の公称値について 2)36゜YX LiNbO基板のパワーで規格化し
た粒子速度成分 3)測定値と計算値との比較 上記値は前記式(1)における単位長さあたりの損失αを
示している。計算値は上記1),2)に示される値を使
った。
このように測定値は計算値に高精度に接近した値のもの
が得られた。
これにより、液体の粘度は前記式(1)を用いて 1.005cp(グリセリン溶液0%) …基準値 6.70cp( グリセリン溶液50%) となる。このように、50% 溶液の粘度は公称値6.05cpに
比較的よい一値を示している。
そして、第10図には、粘度変化−伝搬損αの特性を示
したが本発明の方法によれば摂動解に極めて近い値を示
し粘度が正確に測定できた。
[発明の効果] 請求項1記載の表面波による液体音速・粘度測定方法に
よれば、液体の音速および粘度を高精度に測定すること
ができる。
請求項2記載の表面波による液体音速・粘度測定装置に
よれば、液体の音速および粘度を1つのセンサで同時、
かつ実時間で測定することができる効果がある。
また、このセンサは小型化することができるため、適用
箇所のスペースを取らないとともに、測定に必要な液体
は極僅かな量のみでよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の表面波による液体音速・粘度測定装
置の第1実施例を示す概要図、第2図は、同装置のセン
サを示す斜視図、第3図は、圧電体基板に用いたYcut
のLiNbO3基板のX方向に伝搬する表面波のカット面を変
えた時の各変位の成分を示すグラフ、第4図は、同装置
の処理装置内部のブロック図、第5図は、本発明の表面
波による液体音速・粘度測定方法である上記装置の動作
を示すフローチャート、第6図(a),(b)は、各々
同装置の具体的適用例を示す側断面図、及び平面断面
図、第7図(a)は本装置の第2実施例を示すセンサの
斜視図、第7図(b)は同装置の第3実施例を示すセン
サの斜視図、第8図は、反射板移動前後の入出力波形を
示す図、第9図は、従来法および本発明による音速測定
値、第10図は、粘度変化−伝搬損αの特性表である。 1……液体、2,22,23……センサ、2a……圧電
体基板、2c,2g……送波電極、2d,2e,2f,
2h,2i……受波電極、3……反射板、4……入力装
置、4a……高周波発振器、4b……クロック発振器、
4c……ミキサ、5……解析装置、5a……処理装置、
5b……表示部、6……Z軸移動手段、6a……アー
ム、51……Z方向移動量設定手段、52……データ入
力手段、53……データ格納手段、54……Δt演算手
段、55……パラメータ記憶手段、56……音速演算手
段、57……体積弾性率演算手段、58……粘度演算手
段、59……データ出力手段、60……貯槽、61……
収納筺体、62……開口部、71……送出管、72……
分岐路。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定対象としての液体(1)中に設けら
    れた表面波の送・受波を行なうセンサ(2)および反射
    板(3)を用い、該液体中での表面波の伝搬特性により
    液体の音速及び粘度を測定する表面波による液体音速・
    粘度測定方法であって、 前記センサ及び反射板の間の距離を移動させることによ
    って得られる変化量Δに基づき、超音波速度Va 但し、V;表面波の速度、Δt;移動時に得られる遅
    延時間差、Δh;移動量。 を求めた後、 この超音波速度Vaに基づき、下記式により液体の体積
    弾性率κ を演算し、 この後、単位長さあたりの表面波の伝搬損失αを測定し
    て求めた後、前記体積弾性率κを用いて下記式により液
    体の粘度η 但し、P;非摂動時における単位幅当りのパワーフロ
    ー、 ρ;液体の密度、 Vi(i=1,2,3) ;表面での粒子速度成分、 V;表面波の伝搬速度。 を演算することにより、液体の音速および粘度を測定す
    ることを特徴とする表面波による液体音速・粘度測定方
    法。
  2. 【請求項2】被測定対象としての液体(1)中に設けら
    れ、基板の深さ方向に対する放射成分が大きな材質によ
    り形成された圧電体基板(2a)と、該圧電体基板上に
    設けられ液体中に超音波を放射する送波電極(2c,2
    g)と、これを受波する受波電極(2d,2e,2f,
    2h,2i)と、から成るセンサ(2)と、前記液体中
    に設けられ、該センサから放射される超音波を反射する
    反射板(3)と、 前記センサ及び反射板の間の距離を移動させるZ軸移動
    手段(6)と、 該Z軸移動手段を移動させることにより前記センサで検
    出される液体の検出信号(t)の差から音速(Va)を
    演算し、この結果から、液体の体積弾性率(κ)を演算
    し、この液体の体積弾性率を用いて粘度(η)を演算す
    る解析装置(5)と、 を具備したことを特徴とする表面波による液体音速・粘
    度測定装置。
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