JPH0639354A - 洗浄方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シャンデリアや仏具などの被洗浄物を洗浄す
るときの作業が容易にできるようにする。 【構成】 洗浄方法を、被洗浄物２に液洗剤を付着させ
る第１工程と、この第１工程に続いて同上被洗浄物２に
泡洗剤４３を付着させる第２工程と、この第２工程から
所定時間経過後に、上記泡洗剤４３に対しそれまでの採
光とは別の光１２を照射して加熱する第３工程と、この
第３工程の後、上記被洗浄物２にすすぎ液をかける第４
工程とで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えば、ホテル、デ
パートの天井から吊り下げられたシャンデリアや、寺
院、神社の天井から吊り下げられた仏具等の被洗浄物を
洗浄する洗浄方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】上記シャンデリアは、通常、装飾用の電
灯など多数の小物部品を複雑に組み合わせることにより
構成され、天井から吊り下げられている。また、上記仏
具における例えば珱珞（ようらく）も、金箔や漆が施さ
れた木製品など多数の小物部品を布糸やステンレス糸な
どで互いに連結させることにより構成され、天井から吊
り下げられている。ところで、上記シャンデリアや珱珞
を長期間使用すると、これらに塵や煙の粒子が付着し
て、見栄えが低下し、特に、シャンデリアではこれから
の光の照射が遮られて、所望の明るさが得られなくなる
という不都合もある。そこで、従来では、上記シャンデ
リアや仏具を定期的に洗浄することが行われている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記洗浄を
する場合、小物部品を１つ１つふき取るようにすると、
上記小物部品は多数であるため、作業が極めて煩雑とな
る。そこで、上記シャンデリアや仏具を、洗剤を用いて
水洗いすることが考えられるが、通常、水洗いは水量が
多くなるため、洗浄時や洗浄後の水処理が極めて煩雑と
なる。

【０００４】

【発明の目的】この発明は、上記のような事情に注目し
てなされたもので、シャンデリアや仏具などの被洗浄物
を洗浄するときの作業が容易にできるようにすることを
目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの発明の特徴とするところは、被洗浄物に液洗剤を
付着させる第１工程と、この第１工程に続いて同上被洗
浄物に泡洗剤を付着させる第２工程と、この第２工程か
ら所定時間経過後に上記泡洗剤に対しそれまでの採光と
は別の光を照射して加熱する第３工程と、この第３工程
の後、上記被洗浄物にすすぎ液をかける第４工程とで構
成した点にある。

【０００６】

【作 用】上記構成による作用は次の如くである。被洗
浄物２を洗浄する場合には、まず、第１工程として、上
記被洗浄物２に液洗剤を付着させる。次に、上記第１工
程に続き、第２工程として、同上被洗浄物２に泡洗剤を
噴霧等によって付着させ、この泡洗剤で上記液洗剤を覆
う。次に、第３工程として、上記第２工程から所定時間
経過後に、上記被洗浄物２に対し、それまでの採光とは
別の光１２を照射して、泡洗剤４３が曇点（どんてん）
に達するまで、この泡洗剤４３を加熱する。そして、上
記泡洗剤４３が曇点に達すると、その各泡は急速に消滅
する。上記第３工程の後、第４工程として、上記被洗浄
物２にすすぎ液をかけ、この被洗浄物２から液洗剤や、
このとき残存している泡洗剤４３を除去し、これによ
り、洗浄作業を終える。

【０００７】上記の場合、第２工程で、被洗浄物２に付
着させた液洗剤を泡洗剤４３で覆ったため、この泡洗剤
４３によって、被洗浄物２から液洗剤が蒸発することが
防止される。よって、被洗浄物２に液洗剤が付着した状
態が所定時間維持されることから、少量の液洗剤によっ
て被洗浄物２が効果的に洗浄される。

【０００８】また、第３工程において、泡洗剤４３に対
し光１２を照射して、加熱し、上記泡洗剤４３を消滅さ
せるようにしたため、その分、第４工程のすすぎの作業
におけるすすぎ液の量が少なくて済む。しかも、第３工
程において、被洗浄物２に付着した泡洗剤４３に対し光
１２を照射すると、上記したように泡洗剤４３が急速に
消滅して、液洗剤により洗浄された被洗浄物２が急速に
視認できる。

【０００９】

【実施例】以下、この発明の実施例を図面により説明す
る。図において、符号１はホテルやデパート等における
天井で、この天井１にはシャンデリアである被洗浄物２
が着脱可能に吊り下げられている。この被洗浄物２は上
記天井１に吊り下げられた掛吊具３と、この掛吊具３に
多数取り付けられる装飾用の電灯４とで構成されてい
る。

【００１０】符号６は洗浄装置で、この洗浄装置６は足
場台７を有し、この足場台７上にホッパー８が載置され
ている。上記被洗浄物２を覆う樹脂製のシート９が設け
られる。このシート９は透明もしくは不透明のもので、
これを展開すると水平方向に長い長方形をなし、上記被
洗浄物２に巻き付けられてその端部は接着テープ１１に
よって同上シート９の中途部に貼付されている。また、
上記シート９の上部は接着テープによって絞られ、掛吊
具３の上下中途部に取り付けられている。一方、同上シ
ート９の下部は小径に絞られて、上記ホッパー８内に嵌
め込まれている。また、上記被洗浄物２に対し、光１２
を照射可能な単数、もしくは複数の照明電灯１３が設け
られ、これら照明電灯１３は床や壁側に固定され、もし
くは、手提げ式とされている。上記照明電灯１３は白熱
電球を有し、その光１２は十分の熱を有している。な
お、この照明電灯１３は白色光以外に黄色光、青色光、
赤色光など着色したものであってもよい。

【００１１】１９は液洗剤を入れた洗剤容器、２０はす
すぎ液たる水を入れた水容器、２１はすすぎ液たる溶剤
を入れた溶剤容器であり、これら各容器１９，２０，２
１はバルブ２２，２３，２４と可撓性供給パイプ２５と
を介してスプレーガン２６に接続されている。上記の場
合、液洗剤はアルカリ性、酸性、中性のいずれであって
もよい。また、溶剤はイソプロピルアルコール（ＩＰ
Ａ）が好ましいが、その他、アセトン、ベンゼン、フッ
素系統の溶剤であってもよい。

【００１２】また、２７は空気圧縮機で、この圧縮機２
７の吐出口は、可撓性加圧パイプ２８とバルブ２９，３
０，３１とを介して上記各容器１９，２０，２１に接続
され、かつ、可撓性圧縮空気パイプ３３とバルブ３４と
を介して前記スプレーガン２６に接続されている。更
に、上記圧縮機２７の吐出口には可撓性圧縮空気パイプ
３５とバルブ３６とを介してエアーガン３７が接続され
ている。一方、前記ホッパー８の底部にはバルブ３９を
介して吸入装置４０が接続され、この吸入装置４０は吸
入ポンプ４１と、収容器４２とを備えている。

【００１３】次に、上記洗浄装置６により、被洗浄物２
を天井１から吊り下げたままで洗浄する方法につき説明
する。まず、第１工程として、被洗浄物２をシート９で
覆い、このシート９を接着テープ１１で被洗浄物２側に
固定する。

【００１４】次に、バルブ２２，２９を開いて圧縮機２
７からの圧縮空気により、洗剤容器１９内の液洗剤をシ
ート９内にスプレーガン２６を通し注入して、この液洗
剤を上記被洗浄物２に注ぎかけて付着させる。この場
合、バルブ２９の開度を小さくして、液洗剤が泡となら
ないようにして、ほぼ液状のままで被洗浄物２に全体的
に注ぎかける。

【００１５】次に、第２工程として、同上バルブ２９を
大きく開けて、液洗剤をシート９内にスプレーガン２６
を通して噴出させる。すると、上記液洗剤は無数の泡で
ある泡洗剤４３となって、上記シート９内に充填させら
れる。この泡洗剤４３がシート９内に充満すれば、上記
バルブ２２，２９を閉じて上記充填を終える。この場
合、泡洗剤が硬過ぎれば、液洗剤内に少し水を注入し
て、泡洗剤を軟らかくする。

【００１６】上記第２工程で、被洗浄物２に付着させた
液洗剤を泡洗剤４３で覆ったため、この泡洗剤４３によ
って、被洗浄物２から液洗剤が蒸発することが防止され
る。よって、被洗浄物２に液洗剤が付着した状態が所定
時間維持されることから、少量の液洗剤によって被洗浄
物２が効果的に洗浄される。

【００１７】上記第２工程から所定時間（１５〜２０
分）放置し、液洗剤が十分に作用してから、次に、第３
工程として、照明電灯１３をオン（ＯＮ）する。そし
て、これにより、上記被洗浄物２に対し、それまでの採
光とは別の光１２を照射し、泡洗剤４３が少なくとも曇
点（約４０℃）に達するまで、この泡洗剤４３を加熱す
る。そして、上記泡洗剤４３が曇点に達すると、その各
泡は急速に消滅する。

【００１８】上記第３工程の後、第４工程として、水容
器２０とバルブ２３を開いて、スプレーガン２６を通し
被洗浄物２にすすぎ液たる水をかけ、この被洗浄物２か
ら液洗剤や、このとき残存している泡洗剤４３を除去
し、これにより洗浄作業を終える。なお、上記したよう
に水をかけることに代え、もしくは、これと共に、溶剤
容器２１とバルブ２４を開いて、スプレーガン２６を通
し被洗浄物２にすすぎ液たる溶剤をかけてもよい。この
ようにすると、上記被洗浄物２に付着していた液洗剤や
泡洗剤４３が共沸作用によって、上記溶剤の蒸発と共に
強制的に蒸発除去させられる。

【００１９】上記第３工程において、泡洗剤４３に対し
光１２を照射して、加熱し、上記泡洗剤４３を消滅させ
るようにしたため、その分、第４工程のすすぎの作業に
おけるすすぎ液の量が少なくて済み、この点でも、その
後の水処理が容易となる。しかも、上記第３工程におい
て、被洗浄物２に付着した泡洗剤４３に対し光１２を照
射すると、上記したように泡洗剤４３が消滅して、既
に、液洗剤により洗浄された被洗浄物２が急速に視認で
きる。

【００２０】上記洗浄作業中に、ホッパー８内に落下す
る液洗剤や、ほぼ消泡された泡洗剤４３は、吸入装置４
０の吸入ポンプ４１の駆動により吸引され、収容器４２
内に溜められる。次に、被洗浄物２からシート９を取り
外して必要に応じ、エアーガン３７により被洗浄物２を
空気乾燥させる。

【００２１】なお、被洗浄物２は、珱珞であってもよ
く、須弥壇（しゅみだん）上の仏像のように台上に固定
されたものであってもよい。また、シート９は被洗浄物
２に容易に外嵌させることのできる筒状のものであって
もよい。更に、バルブ３９と吸入装置４０はなくてもよ
い。

【００２２】

【発明の効果】この発明によれば、被洗浄物を洗浄する
場合には、まず、第１工程として、上記被洗浄物に液洗
剤を付着させる。次に、上記第１工程に続き、第２工程
として、同上被洗浄物に泡洗剤噴霧等によって付着さ
せ、この泡洗剤で上記液洗剤を覆う。次に、第３工程と
して、上記第２工程から所定時間経過後に、上記被洗浄
物に対し、それまでの採光とは別の光を照射して、泡洗
剤が曇点に達するまで、この泡洗剤を加熱する。そし
て、上記泡洗剤が曇点に達すると、その各泡は急速に消
滅する。上記第３工程の後、第４工程として、上記被洗
浄物にすすぎ液をかけ、この被洗浄物から液洗剤や、こ
のとき残存している泡洗剤を除去し、これにより、洗浄
作業を終える。

【００２３】上記の場合、第２工程で、被洗浄物に付着
させた液洗剤を泡洗剤で覆ったため、この泡洗剤によっ
て、被洗浄物から液洗剤が蒸発することが防止される。
よって、被洗浄物に液洗剤が付着した状態が所定時間維
持されることから、少量の液洗剤によって被洗浄物が効
果的に洗浄される。この結果、従来の水洗いに比べて、
必要水量が極めて少量で足り、その後の水処理が容易と
なる。

【００２４】また、第３工程において、泡洗剤に対し光
を照射して、加熱し、上記泡洗剤を消滅させるようにし
たため、その分、第４工程のすすぎの作業におけるすす
ぎ液の量が少なくて済み、この点でも、その後の水処理
が容易となる。このように多量の水を使わないで効果的
な洗浄ができることから、被洗浄物を洗浄するときの作
業が容易にできることとなる。しかも、第３工程におい
て、被洗浄物に付着した泡洗剤に対し光を照射すると、
上記したように泡洗剤が急速に消滅して、既に、液洗剤
により洗浄された被洗浄物が急速に視認できると共に、
被洗浄物に対する照明が明るくなって、この被洗浄物の
洗浄状態を、これを見るものに十分確認させることがで
きる。

【００２５】しかも、上記したように洗浄に要する水量
は極めて少なくて足りるため、特に、被洗浄物が仏具の
場合には、被洗浄物における金箔の欠損部等対する水分
の染み込みが防止され、つまり、水分による被洗浄物の
損傷が防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】全体線図である。

【符号の説明】

２ 被洗浄物 ６ 洗浄装置 ９ シート １２ 光 １３ 照明電灯

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被洗浄物に液洗剤を付着させる第１工程
   と、この第１工程に続いて同上被洗浄物に泡洗剤を付着
   させる第２工程と、この第２工程から所定時間経過後
   に、上記泡洗剤に対しそれまでの採光とは別の光を照射
   して加熱する第３工程と、この第３工程の後、上記被洗
   浄物にすすぎ液をかける第４工程とで構成した洗浄方
   法。