JPH0637343Y2 - 電力線搬送通信用インピーダンス・チェッカー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、家屋内にある電力線の任意のコンセントに接
続されている。電気機器のインピーダンスレベルを簡易
に判別することが出来る電力線搬送通信用インピーダン
ス・チェッカーに関するものである。

〈従来の技術〉 近年、ホーム・オートメーションやホーム・セキュリテ
ィーなどで通信路に電力線を利用する電力線搬送通信機
器などのシステムがあるが、これらの機器の多くは通信
信号に高周波（例えば125kHz）を用いているため、電力
線につながる電気機器の負荷インピーダンスの状態によ
っては、信号が送れないことがある。即ち、電気機器の
種類により、そのインピーダンスは大きく異なってお
り、極端に低い場合は信号が短絡され伝送されない場合
が生じる。このような電気機器の負荷インピーダンスの
状態を調査しようとする場合は、電力線に接続されてい
る電気機器の種類を一つ一つ当たっていく他に方法は無
いが、しかし、これらの電気機器は種類によって抵抗性
であり、容量性であり、又、誘導性であるといった複雑
なインピーダンス特性を持ち、更にこれらの電気機器が
並列接続されているため、より一層電力線のインピーダ
ンスの状態を判別することは困難である。特に容量性の
低インピーダンス負荷では高周波信号が伝送されないた
め、電力線を使った通信が不可能となった。このような
場合は、誘導負荷となるコイル（フィルタ）を低インピ
ーダンスの電気機器と直列に接続し、合成インピーダン
スを高めなければならない。

〈考案が解決しようとする課題〉 前述のように、電力線搬送通信機器類の設置において
は、設置箇所の電力線のコンセントにつながっている負
荷のインピーダンスが極めて小さい場合、通信機器より
出た高周波信号が減衰し信号が送れない場合がある。従
って、通信機器設置の際、このインピーダンスをチェッ
クすることは極めて重要なことである。しかし電力線に
接続されている電気機器の負荷インピーダンスは複雑な
ため、従来、これらの合成インピーダンスを判別するこ
とは非常に困難であった。

本考案は、上記の点に鑑み成されたもので、家屋内にあ
る電力線の任意のコンセントより見た合成インピーダン
スのレベルを簡易に判別することにより、通信機器を設
置するコンセントの適否を即座に判別することが出来る
ことを目的としたものである。

〈課題を解決する手段〉 本考案は、電力線搬送通信において問題になるインピー
ダンス負荷の電気機器の接続によっておこる通信障害の
有無を、搬送通信機器の設置前に把握するためのもので
あって、送信部より電力線に高周波信号を印加し、受信
部では送信部からの出力信号を受信表示することで、設
置されている電気機器のインピーダンスの大きさの程度
を受信信号レベルから知ることができ、搬送通信機器設
置の適否の判別を可能にするものである。

〈実施例〉 以下、本考案装置の一実施例について図面を用いて説明
する。

本考案装置の構成は、第１図に示すように送信部１と、
受信表示部12とから成る。送信部１においてＰは正電位
である。13は送信スイッチであり、電力線搬送用データ
・トランシーバ（例えばLM1893なるIC）２の送信・受信
モード選択ピンに接続されている。スイッチを閉じる
（ON状態）と電力線搬送用データ・トランシーバ２は送
信モードとなり、高周波信号ｏ（例えばｏ＝125kH
z）を出力する。この出力2aは結合回路３を経て、プラ
グ４を電力線のコンセントに差し込むことにより、出力
3aが電力線上へ出力される。結合回路３における電力線
とのカップリングは、第２図に示す結合トランス14と結
合コンデンサ15で行なう。結合トランス14は、信号周波
数付近での電力線との結合を密にするためのトランスで
あり、そのインダクタンスは非常に小さい。そのため
に、商用電源電圧のほとんどが結合コンデンサ15にかか
るので、結合コンデンサ15は高耐圧のものを用いてい
る。又、18はサージ吸収用のダイオードである。

電力線上に出力された信号は、第１図のACライン５を経
て、受信表示部12に導かれる。この時の入力信号レベル
は電力線のインピーダンスによって変わる。信号は、ト
ランスとコンデンサの並列接続からなる同調回路６で、
商用周波数と分離され6aが出力される。同調回路６を第
３図に示すが、信号周波数ｏ＝125kHzの時、トランス
16及びコンデンサ17よりなる並列共振回路の共振周波数
（＝1/2π▲√▼）が＝ｏとなるように、
トランス16のインダクタンスとコンデンサ17のキャパシ
タンスの値を決めている。又、19はサージ吸収用のダイ
オードであり、第２図のダイオード18と同様なものであ
る。更に、第１図の出力6aは、周知の、コンデンサと抵
抗（図示しない）を合わせた微分回路７によって、不要
な低周波成分がカットされ7aが出力される。微分回路７
を通過した信号7aは、増幅回路８へ入力され、数10倍に
増幅されて8aが出力される。信号8aは、検波回路９によ
って、そのピーク検波を行うことにより、デジタル信号
に変換され9aが出力される。比較表示回路10の詳細を第
４図に示すが、ここでは、デジタル出力信号9aとの比較
を３個のコンパレータ回路20で行う。各コンパレータ回
路のしきい値電圧Va〜Vcは、最高基準電圧と最低基準電
圧（GND）の設定により、基準電圧を抵抗比によって３
分割することによって与えられ、9aからの信号レベルに
よって、低い方から10a、10b、10cと順次出力される。1
0a〜10cの出力は、スケール表示LED11に入力されてａ〜
ｃのLEDが点灯し、最終的にはACライン５より導かれた
信号レベルがスケール表示される。

〈考案の効果〉 上述のように本考案の電力線搬送通信用インピーダンス
・チェッカーは、、そのプラグを電力線のコンセントに
差し込むだけで、そのコンセントにつながる電気機器の
インピーダンスレベルがすぐに判別できるために、電力
線搬送通信機器類を設置しようとする場合、極めて簡易
に、設置箇所のコンセントの状態適否を判別することが
出来る装置となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の構成、第２図は送信部の結合回
路、第３図は受信部の結合回路、第４図は比較表示回路
を示すものである。 １……送信部、２……搬送回路、３……結合回路、４…
…プラグ、５……ACライン、６……同調回路、７……高
域通過フィルタ、８……増幅回路、９……検波回路、10
……比較表示回路、11……LEDレベルメータ、12……受
信表示部、13……送信スイッチ、14……結合トランス、
15……結合コンデンサ、16……トランス、17……コンデ
ンサ、18、19……ダイオード、20……コンパレータ回路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】高周波信号を発生する発信回路と、該発信
   回路の出力電流を商用の電力線に重畳するための第１の
   結合回路とから成る送信部と、該送信部から発せられる
   前記高周波信号を第２の結合回路により受信した後、前
   記高周波信号のみ取り出す同調回路と、該同調回路の出
   力信号の不要成分を除去する高域通過フィルタ回路と、
   該高域通過フィルタ回路を通過した信号を増幅する増幅
   回路と、該増幅回路の出力信号をピーク検波する検波回
   路と、該検波回路の出力信号が所定値を越えると所定の
   表示を行う比較表示回路とから成る受信部とを備えたこ
   とを特徴とする電力線搬送通信用インピーダンス・チェ
   ッカー。