JP2002257879A - 雑音検出装置及び検出方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的広い周波数帯域を持つ雑音の測定に際
し、各周波数帯域毎に雑音強度を弁別検出し、その強弱
を各帯域毎に簡略表示することにより、発生雑音の周波
数特性をより広い範囲にわたって容易に把握できる簡易
型の雑音検出装置を提供する。 【解決手段】 被測定ケーブル３３から発生する電磁雑
音を電流プローブ３０を使ってピックアップし、複数の
中心周波数の異なる帯域フィルタからなる周波数分離部
３を用いてそれぞれの周波数帯域毎の雑音信号として取
り出す。そのピーク値を連続的に保持し、その値を各周
波数帯毎に大、中、小等の簡易的方法によって表示部６
に一括表示する。これにより、比較的広い周波数帯域の
発生雑音を包括的に把握できる雑音対策実務上も利便性
の高い簡易型の雑音検出装置を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、通信ケーブル、電
源ケーブル、接地線等の導体ケーブルに混入した雑音
を、非接触で検出する雑音検出装置及び検出方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、ノイズ対策用に使用されている簡
易型の雑音検出装置は、単一の周波数、又は単一の周波
数帯域の雑音を検出表示する方法が一般的であり、広い
周波数帯域の雑音を同時に検出、表示、蓄積等をするた
めには、スペクトルアナライザやオシロスコープ等の高
価な測定器が必要だった。このような従来型の簡易型雑
音検出装置では、発生雑音の周波数帯域を俯瞰的に把握
出来ず、発生雑音が広い周波数帯域にわたる場合、一部
の周波数帯の雑音を検出して雑音対策を行っても他の周
波数帯での雑音が解消されず雑音対策実務上効率が悪
く、総合的雑音対策を行う面で支障が有った。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のように今までの
簡易型のノイズ対策用雑音検出装置においては、発生し
た雑音がどのような周波数帯域でどの程度の強さで発生
しているか直接的乃至は俯瞰的になかなか把握できず、
発生雑音に対する全周波数帯域にわたるトータル的なノ
イズ対策において問題があり、対策効率が悪かった。

【０００４】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、その目的は、発生雑音の周波数帯域毎の雑音
レベルを連続して検出し、各周波数帯域とそれぞれの雑
音ピーク値を同時に且つ簡易的に連続表示することによ
って、広い帯域（複数の周波数帯域）での雑音対策を包
括的に行う事を可能とする、より効率的な簡易型の雑音
検出装置及び検出方法を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上述した課題を
解決すべくなされたもので、請求項１に記載の発明は、
被測定ケーブルに混入した雑音を測定する雑音検出装置
において、前記被測定ケーブルの雑音を電気的に非接触
で検出する検出手段と、検出された雑音を周波数帯域ご
とに弁別する弁別手段と、弁別されたそれぞれの周波数
帯の雑音のピーク値を蓄積する記憶手段と、前記記憶手
段に蓄積されたデータを周波数帯毎に表示する表示手段
とを備えたこと特徴とする雑音検出装置である。

【０００６】また、請求項２に記載の発明は、請求項１
記載の雑音検出装置において、前記検出手段は、電磁結
合型の電流プローブであることを特徴とする。また、請
求項３に記載の発明は、請求項１または請求項２に記載
の雑音検出装置において、前記弁別手段は、受動素子に
よる複数のバンドパスフィルタであることを特徴とす
る。

【０００７】また、請求項４に記載の発明は、請求項１
または請求項２に記載の雑音検出装置において、前記弁
別手段は、能動素子により構成された複数のアクティブ
型のバンドパスフィルタであることを特徴とする。ま
た、請求項５に記載の発明は、請求項１〜請求項４のい
ずれかの項に記載の雑音検出装置において、前記表示手
段は、周波数帯域毎の雑音のレベルに応じて点灯数の変
わる複数のＬＥＤ表示器であることを特徴とする。

【０００８】また、請求項６に記載の発明は、請求項１
〜請求項５のいずれかの項に記載の雑音検出装置におい
て、前記記憶手段に蓄積されたデータを時系列的に蓄積
し、印刷する手段を設けたことを特徴とする。また、請
求項７に記載の発明は、請求項１〜請求項６のいずれか
の項に記載の雑音検出装置において、前記記憶手段内の
データを外部の制御装置へ伝送する伝送手段を設けたこ
とを特徴とする。

【０００９】また、請求項８に記載の発明は、被測定ケ
ーブルに混入した雑音を検出する雑音検出方法におい
て、被測定ケーブルの雑音を電気的に非接触で検出し、
検出された雑音を周波数帯域ごとに弁別し、弁別された
それぞれの周波数帯の雑音のピーク値を記憶手段内に蓄
積し、その蓄積されたデータを周波数帯毎に表示するこ
とを特徴とする雑音検出方法である。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、図１〜図５を参照して本発
明の実施形態を説明する。図１は同実施形態による雑音
検出装置の概略ブロック図、図２は外観図である。図１
において、符号１は本装置本体の入力部であり、測定に
際し電流プローブ３０が接続される。図３に本電流プロ
ーブ３０の詳細図を示す。図３に示すように電流プロー
ブ３０はトロイダルコア３１の一部にセンサコイル３２
を巻いたもので、トロイダルコア３１は分割可能となっ
ており、この開閉により被測定ケーブル３３を容易にト
ロイダルコア３１の内部に挿入出来る構造になってい
る。センサコイル３２の両端には負荷抵抗３４が接続さ
れ、センサコイル３２に誘導された雑音電流を雑音電圧
に変換して出力する。

【００１１】図１の符号２は増幅部であり、電流プロー
ブ３０から入力された微弱な雑音信号を増幅する広帯域
増幅回路からなり、入力雑音信号を所定のレベルまで増
幅する。符号３は中心周波数の異なる複数の帯域フィル
タ（バンドパスフィルタ）から構成される周波数分離部
である。図４に各帯域フィルタの周波数特性を示す。横
軸は周波数、縦軸はフィルタの減衰量を示す。各帯域フ
ィルタは中心周波数からずれる程減衰量が大きくなる。
増幅部２から周波数分離部３に入力された雑音信号は中
心周波数ｆ１〜ｆｎのＮ個の並列に設置された帯域フィ
ルタを通過することによりＮ個の周波数帯域別の雑音信
号に分離される。この周波数弁別機能により本装置に入
力された雑音信号は具備された帯域フィルタの数に応じ
た周波数帯域毎の雑音信号に分離され識別される。符号
４は各帯域フィルタからの出力信号を整流して直流電圧
に変換する整流部である。

【００１２】符号５は整流部から出力された直流電圧の
最大値（ピーク値）を保持するピークホールド部であ
る。このピークホールド部５に保持される電圧値は表示
用にのみ使用されるものであり、各周波数帯における時
系列的な最大値を常に保持する。即ち、整流部４から新
たに入力された雑音信号は、制御部９の電圧比較／リセ
ット部７に保持されている前回のピーク電圧値と比較さ
れ、前回よりも大きいければ、ピークホールド部５は前
回保持した直流電圧をリセットして新たな電圧に置き換
えて保持する。新たに入力した雑音電圧値が前回検出し
た電圧より小さければ、ピークホールド部５の電圧はリ
セットされず新たな雑音がくるまで保持される。従って
雑音対策後等に新たな測定を行う場合には電源スイッチ
２４（図２）の切／入を行いデータの初期化を行う。
尚、ピークホールド部５の電圧値は順次記憶部８に保持
され、印刷やデータ転送の際の時系列データとして使用
される。

【００１３】符号６は表示部であり、ピークホールド部
５に保持された周波数帯域別の雑音ピーク電圧値をその
強弱に応じて４つの雑音レベルに分け、図２の表示パネ
ル２０上の１２個（３ｘ４）の表示ＬＥＤ２１で表示す
る。図５に検出雑音レベルと表示レベルとの関係を示
す。この図に示すように検出された雑音電圧の強さを、
「レベル大」、「レベル中」、「レベル小」、「表示せ
ず」の予め設定した４段階の表示レベルに区分けし、こ
れに応じて表示ＬＥＤ２１（図２）を点滅させる。

【００１４】図２の表示パネル２０上の表示例では、周
波数帯ｆ１は３個、ｆ２は２個、ｆ３は零、ｆｎは２個
のＬＥＤがそれぞれ点灯しているので、周波数帯ｆ１で
は雑音レベルが「大」、周波数帯ｆ２では雑音レベルは
「中」、周波数帯ｆ３では「極めて小さい」、周波数帯
ｆｎでは雑音レベルは「中」である事を示している。

【００１５】図１の符号９は本装置の各部を制御する制
御部であり、上述した電圧比較／リセット部７、記憶部
８、データ転送部１０等を有している。データ伝送部１
０は本装置の測定データを外部に転送するもので、電話
回線、携帯電話回線等を介して外部の制御装置へ記憶部
８内のデータを送信する。符号１１は本装置の電源部、
符号１２は外部印刷装置である。この印刷装置は記憶部
８内の時系列雑音データを印刷する。図２の符号２２は
データ伝送用のコネクタ、符号２３はプリンターＩ／Ｆ
用のコネクタである。

【００１６】尚、本実施例の周波数分離部３で使用され
る帯域フィルタは受動素子型帯域フィルタ（パッシブ型
バンドパスフィルタ）でも能動素子型帯域フィルタ（ア
クティブ型バンドパスフィルタ）のどちらでも選択可能
である。また、表示部６はＬＥＤパネルでの表示のみな
らず、液晶（ＬＣＤ）パネルでの表示も可能である。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、被測定ケーブルの雑音を電気的に非接触で検出する
検出手段と、検出された雑音を周波数帯域ごとに弁別す
る弁別手段と、弁別されたそれぞれの周波数帯の雑音の
ピーク値を蓄積する記憶手段と、前記記憶手段に蓄積さ
れたデータを周波数帯毎に表示する表示手段を有するの
で、被測定ケーブルに発生した雑音信号は所定周波数帯
域毎に識別、分離され、各周波数帯域毎にピーク電圧値
が連続的に表示される。この機能により使用者は発生雑
音の周波数分布及びその強度を巨視的（周波数帯域毎）
に捉える事ができる。この機能を利用することにより、
スペクトルアナライザー等の高価な測定器を使用する事
なく、比較的広帯域の雑音の測定、対策を効率的に行う
ことができる。

【００１８】また、請求項２の発明によれば、被測定ケ
ーブルからの雑音を検出する手段として、開閉式の電磁
結合型電流プローブが使用されるので、電気的に非接触
の測定が可能であり、また電流プローブの被測定ケーブ
ルへの脱着も容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施の形態に係る雑音検出装置の概
略ブロック図である。

【図２】 同装置の電流プローブ付きの外観図である。

【図３】 同装置で使用される電流プローブの詳細図で
ある。

【図４】 同装置で使用される帯域フィルタの周波数特
性の例証図である。

【図５】 同装置における入力雑音レベルとその表示方
法を示す相関図である。

【符号の説明】 １ 入力部 ２ 増幅部 ３ 周波数分離部 ４ 整流部 ５ ピークホールド部 ６ 表示部 ７ 電圧比較・リセット部 ８ 記憶部 ９ 制御部 １０ データ転送部 １１ 電源部 １２ 印刷装置 １３ データ 回線 ２０ 表示バネル ２１ 表示ＬＥＤ ２２ 伝送コネクタ ２３ プリンター用コネクタ ３０ 電流プローブ ３１ トロイダルコア ３２ センスコイル ３３ 被測定ケーブル ３４ 負荷抵抗

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被測定ケーブルに混入した雑音を測定す
   る雑音検出装置において、 前記被測定ケーブルの雑音を電気的に非接触で検出する
   検出手段と、 検出された雑音を周波数帯域ごとに弁別する弁別手段
   と、 弁別されたそれぞれの周波数帯の雑音のピーク値を蓄積
   する記憶手段と、 前記記憶手段に蓄積されたデータを周波数帯毎に表示す
   る表示手段と、 を備えたこと特徴とする雑音検出装置。
2. 【請求項２】 前記検出手段は、電磁結合型の電流プロ
   ーブであることを特徴とする請求項１記載の雑音検出装
   置。
3. 【請求項３】 前記弁別手段は、受動素子による複数の
   バンドパスフィルタであることを特徴とする請求項１ま
   たは請求項２に記載の雑音検出装置。
4. 【請求項４】 前記弁別手段は、能動素子により構成さ
   れた複数のアクティブ型のバンドパスフィルタであるこ
   とを特徴とする請求項１または請求項２に記載の雑音検
   出装置。
5. 【請求項５】 前記表示手段は、周波数帯域毎の雑音の
   レベルに応じて点灯数の変わる複数のＬＥＤ表示器であ
   ることを特徴とする請求項１〜請求項４のいずれかの項
   に記載の雑音検出装置。
6. 【請求項６】 前記記憶手段に蓄積されたデータを時系
   列的に蓄積し、印刷する手段を設けたことを特徴とする
   請求項１〜請求項５のいずれかの項に記載の雑音検出装
   置。
7. 【請求項７】 前記記憶手段内のデータを外部の制御装
   置へ伝送する伝送手段を設けたことを特徴とする請求項
   １〜請求項６のいずれかの項に記載の雑音検出装置。
8. 【請求項８】 被測定ケーブルに混入した雑音を検出す
   る雑音検出方法において、 被測定ケーブルの雑音を電気的に非接触で検出し、 検出された雑音を周波数帯域ごとに弁別し、 弁別されたそれぞれの周波数帯の雑音のピーク値を記憶
   手段内に蓄積し、 その蓄積されたデータを周波数帯毎に表示することを特
   徴とする雑音検出方法。