JPH0636928Y2 - プラテン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、ワイヤインパクト式ドットマトリックスプ
リンタなどに使用されるプラテンに関する。

［従来の技術及び考案が解決しようとする問題点］ 従来、この種の装置に於けるプラテンは、その材質に於
いて鉄、樹脂、ゴム等が各種使用されてきたが、一般的
には耐摩耗性と摩擦係数には相反するものがあり、耐摩
耗性に重点を置くと摩擦係数は小さいものになってしま
う。即ちワイヤインパクト式ドットマトリックスプリン
タにおいて縦罫線を同一箇所にたえず印字するような場
合、プラテンには円周方向に溝が入り、その溝に対応す
る箇所での印字不良、用紙の穴あき、最悪の状態では印
字ヘッドのワイヤが引掛り折損に至る事も考えられる。

これを解決するのに、ゴムの硬度を上げれば（極端な例
は鉄にする）当然摩耗に対しては良好となるが、逆に摩
擦係数が小さくなるため、単票用紙の挿入時に先端が速
やかに送込まれない、所謂喰いつきが悪くなってしま
う。

ゴム、樹脂プラテンの場合、一般的には「何千万ドッ
ト」印字したらプラテンを交換するようにしているが、
使用者には交換時期がわかりにくく、早めに交換しなけ
ればならないのが現実であった。

［問題点を解決するための手段］ この考案は上記問題点を解決するために、プラテンの芯
材の表面に、その芯材とは色が異なる薄膜を形成し、そ
の薄膜の厚さを、その薄膜が摩耗して芯材が表面にあら
われた際に、印字性能に影響を及ぼす厚さとする。

［作用］ 上記構成により、この考案は印字動作に伴い、表面の薄
膜が摩耗することによって芯材の色が表面にあらわれて
くるので、プラテンの交換時期を容易に知ることができ
る。

［実施例］ 本考案の一実施例について図面を参照しながら以下に説
明する。

プリンタの図示しないフレームには円筒形のプラテン１
が回転可能に支持されるとともに、このプラテン１の前
方には、それと平行に延びるガイド軸２が固定されてい
る。このガイド軸２には、キャリッジ３がプラテン１の
長手方向に沿って往復移動可能に支持されている。

前記キャリッジ３上には、プラテン１と対向する先端部
が縦１列に整列された複数の印字ワイヤを有するドット
マトリックス型の印字ヘッド４が着脱可能に装着されて
いる。又、この印字ヘッド４上には、リボンマスク50の
一部が固定され、そのリボンマスク５と印字ヘッド４と
の間には、図示しないリボンカセットから露出するイン
クリボン６が挿通されている。そして、前記キャリッジ
３をキャリッジ駆動装置（図示せず）によりプラテン１
上の印字用紙（図示せず）の印字行に沿って移動させつ
つ、印字ヘッド４を駆動してインクリボン６を介して印
字用紙上に所要の印字をする。

プラテン１は、軸10のまわりにスチレンブタジエンゴ
ム，ニトリルゴム等の合成ゴム材からなる芯材11が形成
され、その外周に同材質で厚さ約50μの薄膜12が形成さ
れている。芯材11は例えば白または灰色に着色され、薄
膜12はそれとは異なる色例えば黒色に着色されている。
薄膜12の厚さは、ワイヤインパクト式プリンタにおいて
印字性能に影響を与える摩耗量（約50μ）から選定され
ている。

したがって印字動作に伴い、表面の薄膜12が摩耗してく
ると、芯材11の白または灰色が表面にあらわれて、交換
時期を知ることができる。

［考案の効果］ 以上のようにこの考案は、目視によりプラテンが印字性
能の限界に達したことを知ることができ、従来の「何千
万ドット」印字したらプラテンを交換する方法のよう
に、交換時期がわかりにくく、それにより印字ヘッドの
ワイヤを摩耗溝に引掛けたり、ドット抜け等の印字不良
を未然に防止することができるという優れた効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案をワイヤインパクト式プリンタに具体化
した要部斜視図である。 １はプラテン、11は芯材、12は薄膜

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】芯材の表面に、その芯材とは色が異なる薄
   膜を形成してなり、その薄膜の厚さを、その薄膜が摩耗
   して芯材が表面にあらわれた際に、印字性能に影響を及
   ぼす厚さとしたことを特徴とするプラテン。
2. 【請求項２】前記薄膜の厚は約50μである実用新案登録
   請求の範囲第１項に記載のプラテン。