JPH0636052B2 - 硬化オーバーコート被覆燃料粒子およびそれを使用した核燃料体の製造方法 - Google Patents

硬化オーバーコート被覆燃料粒子およびそれを使用した核燃料体の製造方法

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JPH0636052B2 JP63313588A JP31358888A JPH0636052B2 JP H0636052 B2 JPH0636052 B2 JP H0636052B2 JP 63313588 A JP63313588 A JP 63313588A JP 31358888 A JP31358888 A JP 31358888A JP H0636052 B2 JPH0636052 B2 JP H0636052B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は硬化オーバーコート被覆燃料粒子およびそれを
使用した核燃料体の製造方法に関し、さらに詳しく言う
と、核燃料体中における被覆燃料粒子の被覆層の破損率
の低い核燃料体を製造することのできる核燃料体の製造
方法に関する。
[従来技術および発明が解決しようとする課題] 一般に、高温ガス炉等で使用される核燃料体には、被覆
燃料粒子が用いられている。
前記被覆燃料粒子は、通常、ウラン、トリウム、プルト
ニウム等の核燃料物質からなる燃料核に、炭化ケイ素、
炭化ジルコニウム等のセラミックスや炭素(たとえば熱
分解炭素)などを被覆したものであり、たとえばBIS
O型、TRISO型のように多層の被覆層を有するもの
がある。
前記被覆燃料粒子の被覆層は、原子炉運転中に生じる核
分裂生成物の放出を防止するための障壁層になるなどの
機能を有し、高温ガス炉等で使用される核燃料体におい
ては、核燃料の健全性を保持する重要な構成要素であ
る。
このような核燃料体は、通常、前記被覆燃料粒子が、黒
鉛を含有する黒鉛マトリクス中に分散した構造に形成さ
れている。
従来、前記のような核燃料体は以下のようにして製造さ
れる。
たとえば、先ず、被覆燃料粒子に黒鉛粉末および熱硬化
性樹脂等の結合剤からなるマトリクス材をオーバーコー
トする。この段階では、被覆燃料粒子をオーバーコート
するマトリクス材中の結合剤は、未硬化状態である。次
いで、このマトリクス材をオーバーコートしてなる被覆
燃料粒子の集合体を、加圧成形装置等に充填して加圧成
形(プレス成形)し、成形の際の加熱により熱硬化性樹
脂を硬化せしめる。そして得られる成形体を不活性雰囲
気中に高温加熱して焼成する。
前記の方法においては、加圧成形時に、被覆燃料粒子に
オーバーコートされているマトリクス材が、軟化流動し
て被覆燃料粒子の隙間を埋める。そして、マトリクス材
中の結合剤は、焼成段階において炭化され、被覆燃料粒
子と黒鉛マトリクスとからなる核燃料体が得られる。
しかしながら、このような方法においては、以下のよう
な問題点がある。
すなわち、加圧成形時にマトリクス材全域が軟化流動す
るので、局部的に被覆燃料粒子同志が相互に接触した
り、被覆燃料粒子がプレス表面に直接に接触することに
より、被覆燃料粒子自体の破損あるいは被覆層の破損を
引き起したりする。また、前記加圧成形時に前記破損を
起さなかったとしても、焼成工程において、結合剤の炭
化によりマトリクス材が収縮する一方、被覆燃料粒子は
熱膨張するので、被覆燃料粒子同志が接触している場合
には、被覆燃料粒子の被覆層に顕著な応力が負荷され
て、遂には被覆層の破損が引き起こされる。
したがって、このような方法により製造される核燃料体
は、被覆燃料粒子の被覆層の機能を充分に発揮すること
ができないので、高温ガス炉等で使用される核燃料体と
して、充分に有効でないという問題点がある。
本発明は前記の事情に基いてなされたものである。
すなわち、本発明の目的は、前記課題を解決し、製造時
において被覆燃料粒子の被覆層に亀裂などの破損が生じ
にくくて、核燃料体中における被覆燃料粒子の被覆層の
破損率が低い核燃料体に製造することのできる硬化オー
バーコート被覆燃料粒子およびそれを用いた核燃料体の
製造方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 前記課題を達成するために、鋭意検討を重ねた結果、特
定の構造を有する被覆燃料粒子を採用し、その被覆燃料
粒子を使用すると、製造時において被覆燃料粒子の被覆
層に亀裂などの破損あるいは被覆燃料粒子自体の破損等
が生じにくくて、核燃料体中における被覆燃料粒子の被
覆層の破損率が低い核燃料体を製造することができるこ
とを見い出して、本発明に到達した。
前記課題を解決するための本発明は、被覆燃料粒子の表
面を、黒鉛粉末を含有すると共に、熱硬化性樹脂からな
るマトリックス材を硬化してなる硬化オーバーコート層
で被覆してなることを特徴とする硬化オーバーコート被
覆燃料粒子であり(請求項1)、 被覆燃料粒子と黒鉛粉末および結合剤からなるマトリク
ス材とを加圧成形することによる核燃料体の製造方法に
おいて、前記被覆燃料粒子として、被覆燃料粒子の表面
を、黒鉛粉末を含有すると共に、熱硬化性樹脂からなる
マトリックス材を硬化してなる硬化オーバーコート層で
被覆してなる硬化オーバーコート被覆燃料粒子を使用す
ることを特徴とする核燃料体の製造方法であり(請求項
2)、 被覆燃料粒子と黒鉛粉末および結合剤からなるマトリク
ス材とを加圧成形することによる核燃料体の製造方法に
おいて、前記被覆燃料粒子として、被覆燃料粒子の表面
を、黒鉛粉末を含有すると共に、熱硬化性樹脂からなる
マトリックス材を硬化してなる硬化オーバーコート層で
被覆してなる硬化オーバーコート被覆燃料粒子の表面
に、黒鉛粉末および結合剤からなる黒鉛マトリクス層を
形成してなる二層コート被覆燃料粒子を使用することを
特徴とする核燃料体の製造方法であり(請求項3)、 被覆燃料粒子を加圧成形することによる核燃料体の製造
方法において、前記被覆燃料粒子として、被覆燃料粒子
の表面を、黒鉛粉末を含有すると共に、熱硬化性樹脂か
らなるマトリックス材を硬化してなる硬化オーバーコー
ト層で被覆してなる硬化オーバーコート被覆燃料粒子の
表面に、黒鉛粉末および結合剤からなる黒鉛マトリクス
層を形成してなる二層コート被覆燃料粒子を使用するこ
とを特徴とする核燃料体の製造方法である(請求項
4)。
本発明の硬化オーバーコート被覆燃料粒子につき説明す
る。
硬化オーバーコート層の形成 本発明において重要な点の一つは、被覆燃料粒子の表面
に、黒鉛粉末および熱硬化性樹脂からなるマトリクス材
をオーバーコートし、前記マトリクス材(以下、マトリ
クス材Aと言うことがある。)を熱硬化することによ
り、前記被覆燃料粒子に硬化オーバーコート層を形成す
ることにある。
使用に供される被覆燃料粒子としては、通常、高温ガス
炉等で使用する核燃料体に用いられている公知の被覆燃
料粒子を挙げることができる。
前記被覆燃料粒子は、核燃料物質からなる燃料核に、炭
化ケイ素、炭化ジルコニウム等のセラミックスや炭素
(熱分解炭素)などを被覆して被覆層を形成したもので
あり、たとえばBISO型、TRISO型のように多層
の被覆層を有するものがある。
前記燃料核は、ウラン、トリウム、プルトニウム等を含
有する核燃料物質からなり、通常、平均粒径 400〜600
μmのウラン、トリウム、プルトニウム等の酸化物粒子
が挙げられる。
前記被覆燃料粒子の平均粒径は、通常、 800〜900 μm
である。
前記被覆層の層厚としては、通常、 150〜250 μmであ
る。
前記被覆燃料粒子の被覆層は、原子炉運転中に生じる核
分裂生成物の放出を防止するための障壁層になるなどの
機能を有する。
したがって、高温ガス炉等で使用される核燃料体におい
ては、前記被覆層は核燃料の健全性を保持する上で重要
である。
使用に供されるマトリクス材Aは、黒鉛粉末および熱硬
化性樹脂を含有する。
前記黒鉛粉末としては、公知のものを使用することがで
き、時に制限がない。
前記黒鉛粉末の平均粒径は、通常、20〜30μmである。
前記熱硬化性樹脂としては、たとえば、フェノール樹
脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、ポリエ
ステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等を挙げるこ
とができ、通常、フェノーリ樹脂が採用され、特にノボ
ラック形フェノール樹脂が採用される。
本発明においては、前記熱硬化性樹脂としては、アセト
ン煮沸加熱でのゲル残存物が70重量%以上であるのが好
ましい。アセトン煮沸加熱でのゲル残存物が70重量%以
上であると、プレス時の変形が少なく、十分な効果が得
られる。ただし、アセトン煮沸加熱でのゲル残存物が70
重量%未満であっても、本発明の目的を達成することが
できる。
使用に供されるマトリクス材Aにおける前記黒鉛粉末と
前記熱硬化性樹脂との配合比(黒鉛粉末:熱硬化性樹
脂)は、通常、9:1〜6:4であり、好ましくは 8.
5:1.5 〜7:3である。
なお、前記マトリクス材Aは、前記黒鉛粉末および前記
熱硬化性樹脂の他に、添加剤を含有していても良い。
前記添加剤としては、たとえば、ステアリン酸、ステア
リン酸亜鉛等の粉体成型に一般に用いられる潤滑剤など
を挙げることができる。
前記被覆燃料粒子の表面に、前記マトリクス材Aをオー
バーコートするには、通常、前記被覆燃料粒子を前記マ
トリクス材A上で転動しながら、溶媒を噴霧したり、ま
たは、熱を加えたりして、前記被覆燃料粒子と前記マト
リクス材Aとの間に粘着性を付与して、オーバーコート
する方法を採用することができる。
前記被覆燃料粒子の表面に、前記マトリクス材Aをオー
バーコートして形成される前記マトリックス材Aからな
る層の厚さとしては、通常、50〜200 μmであり、75〜
100 μmとなるようにしておこなうのが好ましい。
前記被覆燃料粒子の表面に、オーバーコートされた前記
マトリクス材Aを熱硬化するには、前記熱硬化性樹脂が
充分に硬化するように加熱すればよい。前記マトリクス
材Aを熱硬化する際の加熱条件は、使用に供される前記
熱硬化性樹脂の種類および量によって異なるが、通常、
加熱温度 130〜220 ℃、加熱時間5分〜1時間、好まし
くは、加熱温度 130〜170 ℃、加熱時間20分〜40時間で
ある。
このようにして、たとえば、第1図に示すような被覆燃
料粒子1の表面に硬化オーバーコート層2を形成してな
る硬化オーバーコート被覆燃料粒子3を得ることができ
る。
次に核燃料体の製造方法について説明する。
成形工程 本発明において重要な点の一つは、前記硬化オーバーコ
ート被覆燃料粒子と、黒鉛粉末および結合剤からなるマ
トリクス材(以下、マトリクス材Bと言うことがあ
る。)とを使用して核燃料体を製造する。
使用に供されるマトリクス材Bは、黒鉛粉末および結合
剤からなる。
マトリクス材Bに含まれる黒鉛粉末の平均粒径は、通
常、20〜30μmであり、前記のマトリクス材Aに含まれ
る黒鉛粉末と同じ平均粒径のものであるのが好ましい。
前記結合剤としては、熱硬化性樹脂、熱軟化性樹脂など
を採用することができるが、焼成段階での成形体の変形
を防止するために熱硬化性樹脂を採用するのが好まし
い。
マトリクス材Bに含有できる熱硬化性樹脂としては、マ
トリクス材Aに含有できる熱硬化性樹脂と同様のものを
挙げることができる。
本発明において、前記のマトリクス材Bに含まれる熱硬
化性樹脂は、前記のマトリクス材Aに含まれる熱硬化性
樹脂と同様の熱硬化性樹脂であるのが好ましい。
使用に供されるマトリクス材Bにおける前記黒鉛粉末と
結合剤と前記の配合比(黒鉛粉末:結合剤)は通常、
9:1〜6:4であり、好ましくは 8.5:1.5 〜7:3
である。
本発明においては、マトリクス材Bは、前記マトリクス
材Aと同じ組成であるのが好ましい。
マトリクス材Bと前記マトリクス材Aとが同じ組成であ
ると、成形体を焼成後、前記マトリックス材Bの結合剤
が炭化されてなる黒鉛マトリクスと、前記マトリクス材
Aの熱硬化性樹脂が炭化されてなる黒鉛マトリクスとが
均一になるので、得られる核燃料体中の黒鉛マトリクス
を均一化することができる。また、マトリクス材Bと前
記マトリクス材Aとが同じ組成であると、マトリクス材
の調製を簡略化することができる。
核燃料体を製造するに際し、たとえば第3図に示すよ
うに、硬化オーバーコート被覆燃料粒子3と黒鉛粉末お
よび結合剤からなるマトリクス材4との集合体を加圧成
形する方法、たとえば第2図に示すように、前記硬化
オーバーコート被覆燃料粒子3の表面に、さらに黒鉛粉
末および結合剤からなる黒鉛マトリクス層5を形成し、
得られる二層コート被覆燃料粒子6の集合体を加圧成形
する方法、およびたとえば第4図に示すように、前記
二層コート被覆燃料粒子6と黒鉛および結合剤からなる
マトリクス材4との混合物を加圧成形する方法を採用す
ることができる ここで、前記マトリクス材4は、公知の黒鉛および結合
剤からなるマトリクス材(前記マトリクス材B)であ
り、前記二層コート被覆燃料粒子における黒鉛マトリク
ス層は、前記マトリクス材4(前記マトリクス材B)を
使用して形成することができる。ただし、黒鉛マトリク
ス層の厚みとしては、通常 150〜350 μmであり、好ま
しくは 250〜300 μmである。
前記の加圧成形を行なうための手段としては、たとえ
ば、ダイス内に、硬化オーバーコート被覆燃料粒子とマ
トリクス材Bとの混合物、あるいは前記二層コート被覆
燃料粒子の集合体、あるいは前記二層コート被覆燃料粒
子とマトリクス材Bとの混合物を充填し、上下からパン
チすることによりおこなう手段、ラバープレス法などの
等方圧成形法による手段を挙げることができ、これらの
プレス法においては、温間プレスおよび冷間プレスのい
ずれであっても良い。さらに、前記加圧成形を行なう手
段として、押出成形法による手段を採用することもでき
る。
これらの加圧成形を行なうための手段により、中実円筒
状、中空円筒状、球状、その他の任意の形状の成形体を
得ることができる。
なお、加圧成形の際の成形圧は、通常、20〜50kg/cm2
範囲内であり、30〜40t/cm2 の範囲内に設定するのが好
ましい。
このようにして得られる成形体の状態は、たとえば、第
5図に示すように、硬化オーバーコート層2を形成して
なる被覆燃料粒子1とマトリクス材4とからなり、被覆
燃料粒子1と被覆燃料粒子1との間には、最小でも硬化
オーバーコート層2の層厚の2倍に相当する間隔aがあ
り、被覆燃料粒子1とプレス面7との間には、最小でも
硬化オーバーコート層2の層厚に相当する間隔bがあ
る。
この硬化オーバーコート層の存在により、被覆燃料粒子
は保護されることになり、加圧成形の際の応力に対して
この硬化オーバーコート層が緩衝材になる。また、加圧
成形の際に加熱をするのであれば、この硬化オーバーコ
ート層は熱衝撃、熱収縮、照射衝撃等に対して、緩衝作
用を示す。
その他 次いで、前記成形体の焼結処理を行なう。
前記焼結処理における焼結温度は、通常、1600〜1900℃
の範囲内に設定する。
焼結に要する時間は、通常、1〜5時間である。
このような焼結処理を行なうことにより、成形体中の前
記マトリクス材(マトリクス材Aおよびマトリクス材
B)は、そのマトリクス材中の有機物が炭化されて、黒
鉛マトリクスとなる。
このようにして、被覆燃料粒子および黒鉛マトリクスか
らなる核燃料体が得られる。
本発明の方法により製造される核燃料体は、被覆燃料粒
子の被覆層の破損率を低くめることができる。
また、本発明の方法により製造される核燃料体は、核燃
料体中に被覆燃料粒子が適度に分散されているので、局
部的に核燃料体における黒鉛マトリクスの密度が低くな
り過ぎることがなくて、黒鉛マトリクスが有する機能
(熱伝導性向上、被覆燃料粒子の被覆層の保護)を充分
に発揮させることができる。
したがって、この方法により製造されるような核燃料体
は、たとえば高温ガス炉等で使用される核燃料体とし
て、好適に用いることができる。
[実施例] 次いで、本発明の実施例を示し、本発明についてさらに
具体的に説明する。
(実施例1) 二酸化ウランの核に、常法により、炭素、および、炭化
ケイ素あるいは炭化ジルコニウムを含有するセラミック
スを被覆熱分解蒸着した直径 900μmの被覆燃料粒子
に、黒鉛粉末80重量%、フェノール樹脂20重量%からな
る粉体を、75μmの厚さになるまで、エタノールを噴霧
しながら付着させてオーバーコートして後、 170℃の加
熱炉で30分間加熱し、フェノール樹脂を硬化させ、硬化
オーバーコート層を形成してなる被覆燃料粒子を得た。
次に、得られた硬化オーバーコート層を形成してなる被
覆燃料粒子に、前述した黒鉛粉末80重量%、フェノール
樹脂20重量%からなる粉体と同じ粉体を、前述と同様に
して 300μmの厚さになるまで付着させてオーバーコー
トした。ただし、このオーバーコート量は、仕様によっ
て定められた核燃料体中の被覆燃料粒子と黒鉛マトリッ
クス層の密度によって変わる。
この粒子(硬化オーバーコート層を形成してなる被覆燃
料粒子に、さらに黒鉛粉末等をオーバーコートした被覆
燃料粒子)を、 180℃のダイス内に充填し、プレス成形
し成形体を得た。
この成形体を、真空中で1800℃まで昇温し、1時間保持
して焼結することにより、核燃料体を得た。
得られた核燃料体を 800℃で焙焼し、焙焼して得られた
被覆燃料粒子を硝酸で浸漬後、溶出したウランを分析し
破損率を調べた。ここで、破損率とは、被覆燃料粒子被
覆層における炭化ケイ素層(セラミックス層)の破損率
である。核燃料体中における被覆層の破損率は、 1.4×
10-6%であり、従来製造方法における破損率5×10-4
に比べて、充分に低い破損率であった。
(実施例2) 硬化オーバーコート層を形成してなる被覆燃料粒子に、
さらに黒鉛粉末等をオーバーコートした被覆燃料粒子を
得るまでは、実施例1と同様にして行なった。
この粉体(硬化オーバーコート層を形成してなる被覆燃
料粒子に、さらに黒鉛粉末等をオーバーコートした被覆
燃料粒子)を、ゴム状型材に充填し、静水圧で等方加圧
して、直径60mmの球形に加圧成形した後、加熱炉で 1
80℃で5分間保持して、フェノール樹脂を硬化させて成
形体を得た。
この成形体を、真空中で1800℃まで昇温し、1時間保持
して焼結することにより、核燃料体を得た。
得られた核燃料体を、実施例1と同様にして破損率を調
べたところ、核燃料体中における被覆燃料粒子の被覆層
の破損率は、 1.8×10-6%であり、充分に低い破損率で
あった。
[発明の効果] 本発明によると、 (1) 製造時において被覆燃料粒子の被覆層に亀裂など
の破損が生じにくく、 (2) 核燃料体中における被覆燃料粒子の被覆層の破損
率を低めることができ、 (3) さらに、核燃料体中に被覆燃料粒子が適度に分散
されている核燃料体を製造することができるので、核燃
料体における黒鉛マトリクスの密度が低くなり過ぎるこ
とがなくて、黒鉛マトリックスが有する機能(熱伝導性
向上、被覆燃料粒子の被覆層の保護)を充分に発揮させ
ることができる、 等の利点を有する、効果オーバーコート被覆燃料粒子及
びそれを使用した核燃料体の製造方法を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、硬化オーバーコート層を形成してなる被覆燃
料粒子の一例を示す説明図である。第2図乃至第4図
は、硬化オーバーコート層を形成してなる被覆燃料粒子
をマトリクス材Bと共に加圧成形する態様の一例を示す
説明図である。第5図は、本発明の方法における成形体
の状態の一例を示す説明図である。 1……被覆燃料粒子、2……硬化オーバーコート層、3
……硬化オーバーコート被覆燃料粒子、4……黒鉛粉末
および結合剤からなるマトリクス材、5……黒鉛粉末お
よび結合剤からなるマトリクス層、6……二層コート被
覆燃料粒子、7……プレス面。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被覆燃料粒子の表面を、黒鉛粉末を含有す
    ると共に、熱硬化性樹脂からなるマトリックス材を硬化
    してなる硬化オーバーコート層で被覆してなることを特
    徴とする硬化オーバーコート被覆燃料粒子。
  2. 【請求項2】被覆燃料粒子と黒鉛粉末および結合剤から
    なるマトリクス材とを加圧成形することによる核燃料体
    の製造方法において、前記被覆燃料粒子として請求項1
    に記載の硬化オーバーコート被覆燃料粒子を使用するこ
    とを特徴とする核燃料体の製造方法。
  3. 【請求項3】被覆燃料粒子と黒鉛粉末および結合剤から
    なるマトリクス材とを加圧成形することによる核燃料体
    の製造方法において、前記被覆燃料粒子として、請求項
    1に記載の硬化オーバーコート被覆燃料粒子の表面に、
    黒鉛粉末および結合剤からなる黒鉛マトリクス層を形成
    してなる二層コート被覆燃料粒子を使用することを特徴
    とする核燃料体の製造方法。
  4. 【請求項4】被覆燃料粒子を加圧成形することによる核
    燃料体の製造方法において、前記被覆燃料粒子として、
    請求項1に記載の硬化オーバーコート被覆燃料粒子の表
    面に、黒鉛粉末および結合剤からなる黒鉛マトリクス層
    を形成してなる二層コート被覆燃料粒子を使用すること
    を特徴とする核燃料体の製造方法。
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