JPH0635618B2 - 溶接後熱処理が不要な圧力容器用鋼の製造方法 - Google Patents
溶接後熱処理が不要な圧力容器用鋼の製造方法Info
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- JPH0635618B2 JPH0635618B2 JP63144723A JP14472388A JPH0635618B2 JP H0635618 B2 JPH0635618 B2 JP H0635618B2 JP 63144723 A JP63144723 A JP 63144723A JP 14472388 A JP14472388 A JP 14472388A JP H0635618 B2 JPH0635618 B2 JP H0635618B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、化学プラント、原子力プラント等に用いられ
るCr−Mo鋼を対象とし、溶接施工後の後熱処理が不
要な圧力容器用鋼を製造する方法に関するものである。
るCr−Mo鋼を対象とし、溶接施工後の後熱処理が不
要な圧力容器用鋼を製造する方法に関するものである。
(従来の技術) 化学プラント、原子力プラント等に用いられるCr−M
o鋼は、焼ならし−焼もどし熱処理の後、溶接施工によ
り機器に加工されることが多い。溶接継手の溶融部近傍
では素材が高温に加熱された後急冷されるため、Cr、
Mo等が含有され焼入れ性が高いこともあり、最高硬さ
はHv300以上となる。
o鋼は、焼ならし−焼もどし熱処理の後、溶接施工によ
り機器に加工されることが多い。溶接継手の溶融部近傍
では素材が高温に加熱された後急冷されるため、Cr、
Mo等が含有され焼入れ性が高いこともあり、最高硬さ
はHv300以上となる。
この局部的に硬い領域を解消するため溶接後熱処理(S
R)が実施されるが、SRの加熱中に割れが生じる場合
がある。この割れに対する感受性を低減するため、特開
昭59−110765号公報等ではCa、REM等を添
加している。
R)が実施されるが、SRの加熱中に割れが生じる場合
がある。この割れに対する感受性を低減するため、特開
昭59−110765号公報等ではCa、REM等を添
加している。
溶接継手部に前記のような局部的に硬化減が形成されな
いと、溶接後熱処理は不必要になると考えられる。これ
迄、この硬化域の形成は不可避であるとの予断から、S
Rは当然であると考え、耐SR割れ性の優れた鋼材の開
発が主体であった。
いと、溶接後熱処理は不必要になると考えられる。これ
迄、この硬化域の形成は不可避であるとの予断から、S
Rは当然であると考え、耐SR割れ性の優れた鋼材の開
発が主体であった。
(発明が解決しようとする課題) Cr−Mo鋼はSR中に割れを生じる場合があった。ま
た、SRと化学プラントあるいは原子力プラントの製造
上余分な工程であり、製造コスト上からも省略すること
が望ましい。
た、SRと化学プラントあるいは原子力プラントの製造
上余分な工程であり、製造コスト上からも省略すること
が望ましい。
本発明は、上記の用途に用いられるCr−Mo鋼につい
て、溶接後処理を必要としない圧力容器用Cr−Mo鋼
板の製造方法を提供するものである。
て、溶接後処理を必要としない圧力容器用Cr−Mo鋼
板の製造方法を提供するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは溶接継手部の最高硬さに及ぼす素材炭素含
有量の影響を調査した。また、素材炭素含有量低減によ
る強度低下を補う方法を種々検討した結果、圧延終了温
度からの直接焼入れで補うことが可能であることを見出
した。
有量の影響を調査した。また、素材炭素含有量低減によ
る強度低下を補う方法を種々検討した結果、圧延終了温
度からの直接焼入れで補うことが可能であることを見出
した。
本発明は前記の知見に基づいてなされたものであり、そ
の要旨は、重量%にて、C:0.03−0.08%、S
i:0.02−1.0%、Mn:0.1−1.5%、C
r:0.6−2.5%、Mo:0.4−1.5%、C
u:0.05−0.5%、Ni:0.05−0.5%、
Al:0.003−0.05%、N:0.015%以
下、P:0.02%以下、S:0.02%以下、残Fe
及び不可避不純物からなる鋼を1100−1280℃に
加熱した後、875−1050℃で圧延を終了し、直ち
に875℃以上の温度から焼入れ625−750℃で焼
もどすことを特徴とする溶接後熱処理が不要な圧力容器
用鋼板の製造方法である。
の要旨は、重量%にて、C:0.03−0.08%、S
i:0.02−1.0%、Mn:0.1−1.5%、C
r:0.6−2.5%、Mo:0.4−1.5%、C
u:0.05−0.5%、Ni:0.05−0.5%、
Al:0.003−0.05%、N:0.015%以
下、P:0.02%以下、S:0.02%以下、残Fe
及び不可避不純物からなる鋼を1100−1280℃に
加熱した後、875−1050℃で圧延を終了し、直ち
に875℃以上の温度から焼入れ625−750℃で焼
もどすことを特徴とする溶接後熱処理が不要な圧力容器
用鋼板の製造方法である。
更に本発明は上記基本成分にNb:0.005−0.0
5%、V:0.01−0.5%の1種または2種を含有
し、又は上記基本成分にB:0.0002−0.005
%を単独またはTi:0.005−0.05%を組合せ
て含有し、又は上記基本成分にNb、Vの1種又は2種
とBを単独又はTiと組合せて含有し、残部Fe及び不
可避不純物からなる鋼を1100−1280℃に加熱し
た後、875−1050℃で圧延を終了し、直ちに87
5℃以上の温度から焼入れ、625−750℃で焼もど
すことを特徴とする溶接後熱処理が不要な圧力容器用鋼
板の製造方法である。
5%、V:0.01−0.5%の1種または2種を含有
し、又は上記基本成分にB:0.0002−0.005
%を単独またはTi:0.005−0.05%を組合せ
て含有し、又は上記基本成分にNb、Vの1種又は2種
とBを単独又はTiと組合せて含有し、残部Fe及び不
可避不純物からなる鋼を1100−1280℃に加熱し
た後、875−1050℃で圧延を終了し、直ちに87
5℃以上の温度から焼入れ、625−750℃で焼もど
すことを特徴とする溶接後熱処理が不要な圧力容器用鋼
板の製造方法である。
(作用) 以下本発明についてさらに詳細に説明する。
Cは常温および高温の強度を高めるのに有効な元素であ
る。しかし、第1図に0.01−0.09%C−0.2
5%Si−0.5%Mn−1.55%Cr−0.5%M
o鋼について示すように、溶接継手部の最高硬さ及び最
低硬さは炭素含有量とともに上昇する。0.08%超に
なるとSRが不必要である限界硬さHv300を満たさ
なくなる場合があるため、炭素含有量の上限は0.08
%とする。一方、炭素含有量が0.03%未満では継手
部の最低硬さがCr−Mo鋼に必要なHv180を満た
さなくなる場合があるため、炭素含有量の下限を0.0
3%とする。
る。しかし、第1図に0.01−0.09%C−0.2
5%Si−0.5%Mn−1.55%Cr−0.5%M
o鋼について示すように、溶接継手部の最高硬さ及び最
低硬さは炭素含有量とともに上昇する。0.08%超に
なるとSRが不必要である限界硬さHv300を満たさ
なくなる場合があるため、炭素含有量の上限は0.08
%とする。一方、炭素含有量が0.03%未満では継手
部の最低硬さがCr−Mo鋼に必要なHv180を満た
さなくなる場合があるため、炭素含有量の下限を0.0
3%とする。
Siは脱酸および強度上昇のため0.02%以上添加す
るが、添加量が多いと靭性を低下するため上限を1.0
%とする。
るが、添加量が多いと靭性を低下するため上限を1.0
%とする。
MnはSを固定し、強度を高めるのに有効な元素である
か、添加量が多いと材料内の偏析を著しく、靭性の異方
性を増すため、0.1−1.5%とする。
か、添加量が多いと材料内の偏析を著しく、靭性の異方
性を増すため、0.1−1.5%とする。
Crは焼入れ性を増すとともに、焼もどしで炭窒化物を
析出し、高温強度を向上させる。またCrは炭窒化物を
安定化し、鋼の耐水素侵食性を向上させるため、0.6
%以上添加する。しかし、2.5%超の添加はSRを省
略する用途では不必要なため、上限を2.5%とする。
析出し、高温強度を向上させる。またCrは炭窒化物を
安定化し、鋼の耐水素侵食性を向上させるため、0.6
%以上添加する。しかし、2.5%超の添加はSRを省
略する用途では不必要なため、上限を2.5%とする。
Moは高温強度、特にクリープ破断強度を増すために添
加する。しかし、0.4%未満の添加では効果が顕著で
なく、1.5%超では効果が飽和するため、添加量を
0.4−1.5%とする。
加する。しかし、0.4%未満の添加では効果が顕著で
なく、1.5%超では効果が飽和するため、添加量を
0.4−1.5%とする。
Cuは鋼材の焼入れ性を上昇し、また耐食性を向上する
元素である。0.05%未満の添加では硬化が顕著でな
く、0.5%超の添加で熱間加工性を損なう。このため
Cu量の範囲を0.05−0.5%とする。
元素である。0.05%未満の添加では硬化が顕著でな
く、0.5%超の添加で熱間加工性を損なう。このため
Cu量の範囲を0.05−0.5%とする。
Niは鋼材の靭性を向上させる元素であるが、0.05
%未満では効果が顕著でなく、0.5%超では添加コス
トに見合った効果が得られないため、0.05−0.5
%とする。
%未満では効果が顕著でなく、0.5%超では添加コス
トに見合った効果が得られないため、0.05−0.5
%とする。
Vはそれ自体炭窒化物を形成し、強度を上昇するととも
に、Crの炭窒化物に固溶し、Cr炭窒化物をさらに安
定化する効果がある。しかし、0.01%未満では効果
が認められず、0.5%超では効果が飽和し添加量に応
じた効果が得られないため、0.01−0.5%とす
る。
に、Crの炭窒化物に固溶し、Cr炭窒化物をさらに安
定化する効果がある。しかし、0.01%未満では効果
が認められず、0.5%超では効果が飽和し添加量に応
じた効果が得られないため、0.01−0.5%とす
る。
Nbは焼もどし時に安定な炭窒化物を形成し、鋼の高温
強度を向上させる効果を有する元素である。また、圧延
により加工誘起析出し、結晶粒界の移動を妨げ、再結晶
粒の粗大化を阻止する。このため、0.005%以上を
添加するが、0.05%超では添加量に見合った効果が
得られないため、経済的に0.05%以下に抑制する。
強度を向上させる効果を有する元素である。また、圧延
により加工誘起析出し、結晶粒界の移動を妨げ、再結晶
粒の粗大化を阻止する。このため、0.005%以上を
添加するが、0.05%超では添加量に見合った効果が
得られないため、経済的に0.05%以下に抑制する。
TiはNと結合し、Bが焼入れ性向上に無効なBNとな
るのを妨げる効果を有する。このため、Bとともに添加
することができる。しかし、0.005%未満では効果
が十分でない。0.05%を超えるとTiNが増えす
ぎ、却って靭性を害するので0.005−0.05%と
する。
るのを妨げる効果を有する。このため、Bとともに添加
することができる。しかし、0.005%未満では効果
が十分でない。0.05%を超えるとTiNが増えす
ぎ、却って靭性を害するので0.005−0.05%と
する。
Alは鋼の脱酸に不可欠な元素であり、この目的から
0.003%以上を添加する。しかし、Al添加量が高
くなるとクリープ破断強度を害するため添加の上限を
0.05%以下とする。
0.003%以上を添加する。しかし、Al添加量が高
くなるとクリープ破断強度を害するため添加の上限を
0.05%以下とする。
Bは微量添加で焼入れ性を上昇させる元素であり、焼入
れ性を必要とする場合に添加する。焼入れ向上効果は
0.0002%のB添加から認められるが、0.005
%超に増量する意味はない。このため、添加量を0.0
002−0.005%とする。
れ性を必要とする場合に添加する。焼入れ向上効果は
0.0002%のB添加から認められるが、0.005
%超に増量する意味はない。このため、添加量を0.0
002−0.005%とする。
NはCと同様、鋼の強度を上昇させるが、継手硬さも同
時に上昇させるため、添加を0.015%以下とする。
時に上昇させるため、添加を0.015%以下とする。
Pは鋼中でミクロ偏析し靭性の方向差を著しくするばか
りでなく、焼もどし時および溶接後熱処理時に粒界に偏
析し靭性を低下させる元素であるため、減少させること
が望ましいので、上限を0.02%とする。
りでなく、焼もどし時および溶接後熱処理時に粒界に偏
析し靭性を低下させる元素であるため、減少させること
が望ましいので、上限を0.02%とする。
Sは鋼中で非金属介在物MnSを形成し、靭性の方向差
を大きくし、且つシャルピー試験での上部棚エネルギー
を低下させるため、上限を0.02%とする。
を大きくし、且つシャルピー試験での上部棚エネルギー
を低下させるため、上限を0.02%とする。
次に、圧延条件について述べる。
前記のような化学成分を有する鋼は転炉、電気炉で溶製
した後、必要に応じて取鍋精練や真空脱ガス処理を施し
て得られ、通常鋳型あるいは一方向凝固鋳型で造塊した
後、分塊でスラブとされる。スラブは連続鋳造法により
溶鋼から直接製造しても良い。分塊での均熱・圧下はい
かなるものであっても構わない。即ち、スラブを冷却し
た後均熱してもよく、分塊のまま熱片で均熱炉に装入し
ても良い。一般に1000−1300℃で均熱の後、圧
延または鍛造によりスラブとする。スラブ厚は製品板厚
の1.3−2.5倍程度が好ましい。
した後、必要に応じて取鍋精練や真空脱ガス処理を施し
て得られ、通常鋳型あるいは一方向凝固鋳型で造塊した
後、分塊でスラブとされる。スラブは連続鋳造法により
溶鋼から直接製造しても良い。分塊での均熱・圧下はい
かなるものであっても構わない。即ち、スラブを冷却し
た後均熱してもよく、分塊のまま熱片で均熱炉に装入し
ても良い。一般に1000−1300℃で均熱の後、圧
延または鍛造によりスラブとする。スラブ厚は製品板厚
の1.3−2.5倍程度が好ましい。
スラブは鋼に含有されるNbおよびVの一部あるいは全
部が固溶する温度で加熱されることが不可欠である。し
たがって、1100℃以上の温度で加熱する。しかし、
1280℃を超えると、オーステナイト粒が粗大化しす
ぎ、圧延によっても、微細化できなくなるため、128
0℃以下とする。
部が固溶する温度で加熱されることが不可欠である。し
たがって、1100℃以上の温度で加熱する。しかし、
1280℃を超えると、オーステナイト粒が粗大化しす
ぎ、圧延によっても、微細化できなくなるため、128
0℃以下とする。
圧延終了温度は次に述べる焼入れ温度を確保する観点か
ら875−1050℃とする。しかして、875℃未満
では焼入れ開始温度が確保できず、材質確保が困難とな
る。一方、1050℃を超えると、圧延によるオーステ
ナイト粒の細粒化が十分でなく、組織が粗くなり材質と
くに靭性確保が困難になり好ましくない。
ら875−1050℃とする。しかして、875℃未満
では焼入れ開始温度が確保できず、材質確保が困難とな
る。一方、1050℃を超えると、圧延によるオーステ
ナイト粒の細粒化が十分でなく、組織が粗くなり材質と
くに靭性確保が困難になり好ましくない。
圧延後は速やかに焼入れるものであるが、これは875
℃以上の焼入れ温度を確保せんがためである。即ち、焼
入れ開始温度が875℃より低い場合、固溶したNb、
V等の強化元素の一部が析出し、強化に寄与しなくな
る。このため、焼入れ開始温度は875℃以上とする。
焼入れは冷却水の散水による急冷が良く、加速冷却等の
利用により能率的に行うことが好ましい。
℃以上の焼入れ温度を確保せんがためである。即ち、焼
入れ開始温度が875℃より低い場合、固溶したNb、
V等の強化元素の一部が析出し、強化に寄与しなくな
る。このため、焼入れ開始温度は875℃以上とする。
焼入れは冷却水の散水による急冷が良く、加速冷却等の
利用により能率的に行うことが好ましい。
焼入れ後は常法に従い焼もどしをして製品となるが、焼
もどしは均質で優れた強度および靭性を得るために必要
であり、通常のCr−Mo鋼の焼もどしと同様に625
−750℃で30分以上保持するものである。
もどしは均質で優れた強度および靭性を得るために必要
であり、通常のCr−Mo鋼の焼もどしと同様に625
−750℃で30分以上保持するものである。
圧延直接焼入れ焼もどしを施された鋼板は、製品として
出荷後、溶接、曲げ等の加工を受け、化学反応容器等の
圧力容器となる。
出荷後、溶接、曲げ等の加工を受け、化学反応容器等の
圧力容器となる。
(実施例) 第1表に示す化学成分を有する鋼を第2表に示す条件で
圧延直接焼入れした。冷却は表裏面からの冷却水の散水
により急冷を用いた。焼もどし後JIS4号試験片を用
いた引張試験を行うとともに、手溶接(入熱20KJ/c
m)の溶接条件で溶接継手を作成し、HAZ部の最高硬
さを調べた。
圧延直接焼入れした。冷却は表裏面からの冷却水の散水
により急冷を用いた。焼もどし後JIS4号試験片を用
いた引張試験を行うとともに、手溶接(入熱20KJ/c
m)の溶接条件で溶接継手を作成し、HAZ部の最高硬
さを調べた。
結果を第2表に示す 本発明法では、焼もどし後の引張強さは60kgf/mm以上
の値が得られ、且つSRを実施しなくても継手の最高硬
さはHv300を超えない。
の値が得られ、且つSRを実施しなくても継手の最高硬
さはHv300を超えない。
一方、板番11Bおよび板番12Bは本発明の成分範囲
外であり、板番11Bでは継手の最高硬さがHV300
を超え、板番12Bでは継手最高硬さはHv300以下
であるが炭素含有量が低く過ぎるため、圧延直接焼入れ
によっても母材引張強さは50kgf/mm程度で圧力容器用
としては不適当な値しか得られない。板番1B、7B、
8B、10B、13Bおよび14Bは、継手の最高硬さ
はHv<300を満足するものの、圧延終了温度、焼入
れ温度とも875℃より低く、焼もどし後の引張強さが
約50kgf/mmギリギリ又は以下と低い。板番2B、5B
および6Bは加熱温度が1100℃より低く、また圧延
終了温度および焼入れ温度とも875℃より低いため、
焼もどし後の強度が50kgf/mm前後と低い。
外であり、板番11Bでは継手の最高硬さがHV300
を超え、板番12Bでは継手最高硬さはHv300以下
であるが炭素含有量が低く過ぎるため、圧延直接焼入れ
によっても母材引張強さは50kgf/mm程度で圧力容器用
としては不適当な値しか得られない。板番1B、7B、
8B、10B、13Bおよび14Bは、継手の最高硬さ
はHv<300を満足するものの、圧延終了温度、焼入
れ温度とも875℃より低く、焼もどし後の引張強さが
約50kgf/mmギリギリ又は以下と低い。板番2B、5B
および6Bは加熱温度が1100℃より低く、また圧延
終了温度および焼入れ温度とも875℃より低いため、
焼もどし後の強度が50kgf/mm前後と低い。
板番3Bおよび4Bは加熱温度が低く、Cr、Mo等の
合金元素の固溶が不充分で強度が低い。板番9Bは加熱
温度が低くまた焼入れ開始温度が低いため焼入れ時の合
金元素の固溶量が十分でなく、引張強さが得られない。
合金元素の固溶が不充分で強度が低い。板番9Bは加熱
温度が低くまた焼入れ開始温度が低いため焼入れ時の合
金元素の固溶量が十分でなく、引張強さが得られない。
(発明の効果) 本発明による鋼板は強度が優れているばかりでなく、溶
接後熱処理を実施しなくても工業上問題となる局部的な
硬化域が無く、圧力容器用鋼として極めて有用なもので
あり工業的価値が大きい。
接後熱処理を実施しなくても工業上問題となる局部的な
硬化域が無く、圧力容器用鋼として極めて有用なもので
あり工業的価値が大きい。
第1図は炭素含有量とSRを行わない溶接継手の最高硬
さの関係を示す図表である。
さの関係を示す図表である。
Claims (4)
- 【請求項1】重量%にて、 C:0.03−0.08%、Si:0.02−1.0% Mn:0.1−1.5%、Cr:0.6−2.5% Mo:0.4−1.5%、Cu:0.05−0.5% Ni:0.05−0.5%、Al:0.003−0.0
5% N:0.015%以下、P:0.02%以下 S:0.02%以下 残Fe及び不可避不純物からなる鋼を1100−128
0℃に加熱した後、875−1050℃で圧延を終了
し、直ちに875℃以上の温度から焼入れ625−75
0℃で焼もどすことを特徴とする溶接後熱処理が不要な
圧力容器用鋼板の製造方法。 - 【請求項2】重量%にて、 C:0.03−0.08%、Si:0.02−1.0% Mn:0.1−1.5%、Cr:0.6−2.5% Mo:0.4−1.5%、Cu:0.05−0.5% Ni:0.05−0.5%、Al:0.003−0.0
5% N:0.015%以下、P:0.02%以下 S:0.02%以下 を基本成分とし、さらに、Nb:0.005−0.05
%、V:0.01−0.5%の1種または2種を含有
し、残部Fe及び不可避不純物からなる鋼を用いること
を特徴とする請求項1に記載する溶接後熱処理が不要な
圧力容器用鋼板の製造方法。 - 【請求項3】重量%にて、 C:0.03−0.08%、Si:0.02−1.0% Mn:0.1−1.5%、Cr:0.6−2.5% Mo:0.4−1.5%、Cu:0.05−0.5% Ni:0.05−0.5%、Al:0.003−0.0
5% N:0.015%以下、P:0.02%以下 S:0.02%以下 を基本成分とし、さらに、B:0.0002−0.00
5%を単独またはTi:0.005−0.05%を組合
せて含有し、残部Fe及び不可避不純物からなる鋼を用
いることを特徴とする請求項1に記載する溶接後熱処理
が不要な圧力容器用鋼板の製造方法。 - 【請求項4】重量%にて、 C:0.03−0.08%、Si:0.02−1.0% Mn:0.1−1.5%、Cr:0.6−2.5% Mo:0.4−1.5%、Cu:0.05−0.5% Ni:0.05−0.5%、Al:0.003−0.0
5% N:0.015%以下、P:0.02%以下 S:0.02%以下 を基本成分とし、Nb:0.005−0.05%、V:
0.01−0.5%の1種または2種、さらにB:0.
0002−0.005%を単独またはTi:0.005
−0.05%を組合せて含有し、残部Fe及び不可避不
純物からなる鋼を用いることを特徴とする請求項1に記
載する溶接後熱処理が不要な圧力容器用鋼板の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63144723A JPH0635618B2 (ja) | 1988-06-14 | 1988-06-14 | 溶接後熱処理が不要な圧力容器用鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63144723A JPH0635618B2 (ja) | 1988-06-14 | 1988-06-14 | 溶接後熱処理が不要な圧力容器用鋼の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01316419A JPH01316419A (ja) | 1989-12-21 |
JPH0635618B2 true JPH0635618B2 (ja) | 1994-05-11 |
Family
ID=15368820
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63144723A Expired - Fee Related JPH0635618B2 (ja) | 1988-06-14 | 1988-06-14 | 溶接後熱処理が不要な圧力容器用鋼の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0635618B2 (ja) |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS5620121A (en) * | 1979-07-25 | 1981-02-25 | Kawasaki Steel Corp | Manufacture of chromium-molybdenum steel for pressure vessel |
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JPS62256946A (ja) * | 1986-04-30 | 1987-11-09 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 耐クリ−プ脆化性および耐低温割れ性に優れたCr−Mo鋼 |
-
1988
- 1988-06-14 JP JP63144723A patent/JPH0635618B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (7)
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Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01316419A (ja) | 1989-12-21 |
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