JPH06350143A - 温度測定装置およびそれを用いた半導体製造装置 - Google Patents

温度測定装置およびそれを用いた半導体製造装置

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JPH06350143A
JPH06350143A JP5141039A JP14103993A JPH06350143A JP H06350143 A JPH06350143 A JP H06350143A JP 5141039 A JP5141039 A JP 5141039A JP 14103993 A JP14103993 A JP 14103993A JP H06350143 A JPH06350143 A JP H06350143A
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JP5141039A
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Inventor
Hidemi Narita
秀美 成田
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Hitachi Ltd
Renesas Semiconductor Package and Test Solutions Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Hokkai Semiconductor Ltd
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 極低温における精密な温度測定が可能な温度
測定装置を提供する。 【構成】 ジョセフソン素子(超伝導素子)7と、この
ジョセフソン素子7の近傍の薄膜抵抗体(加熱手段)8
とで構成されるセンサ機構1と、センサ機構1と電気的
に接続され、センサ機構1からの検出情報によって被測
定体の温度を算出する検出情報処理機構2と、これらに
併設された水素蒸気圧温度計(既存温度計)3と、検出
情報処理機構2および水素蒸気圧温度計3と電気的に接
続され、両者のいずれかを選択して温度表示器4に接続
する表示切換回路5と、表示切換回路5と電気的に接続
され、被測定体の温度を表示する温度表示器4とからな
る。被測定体の温度は、水素蒸気圧温度計3、または被
測定体によって超伝導状態とされたジョセフソン素子7
が加熱されて常伝導状態へ遷移した時における薄膜抵抗
体8に供給された電流量から検出情報処理機構2によっ
て算出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、温度測定装置および
それを用いた半導体製造装置に関し、特に極低温領域で
の精密な温度測定が可能な温度測定装置、およびこの温
度測定装置を用いて構成される半導体製造装置について
有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造装置や原子力の分野等では高
真空設備が多く使用されている。このような高真空設備
において超高真空を作るための装置として、たとえば半
導体製造装置におけるエッチング装置にみられるよう
に、クライオポンプが用いられている。
【0003】このクライオポンプとは、液体ヘリウムな
どの寒剤を用いたり、冷凍機を運転することにより極低
温の固体表面を作り、その面で気体を凝縮させて気体分
子を空間から排出するという原理で超高真空を発生させ
るものである。
【0004】そして、このクライオポンプや超伝導磁石
等のように、その機能を発生させる条件として極低温が
要求されるものは、正確な作動状態を維持するために、
極低温における温度を測定することのできる温度測定装
置が必要となる。
【0005】従来、このような温度測定装置の一つとし
て水素蒸気圧温度計等の蒸気圧温度計が使用されてい
る。
【0006】この蒸気圧温度計は、気相から液相への液
化現象を利用した温度計であり、水素蒸気圧温度計の場
合、20K付近における水素の液化現象を利用したもの
である。
【0007】すなわち、水素を密封した容器を被測定体
に設置しておくと、被測定体の温度低下に伴ってこの容
器内の水素ガス圧力が低下してゆく。ここで、液体と熱
平衡状態にある飽和蒸気の示す圧力は温度の関数として
定まるので、この水素ガス圧力を圧力計で測定すること
によって、被測定体の温度を求めるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この水素蒸気
圧温度計をはじめとする蒸気圧温度計は、被測定体の温
度が蒸気圧温度計に使用されている物質の液化温度以下
である場合、液相における体積変化が微小であるために
圧力が温度の関数でなくなってしまい、測定が実質的に
不能となる。
【0009】このように、蒸気圧温度計においては、液
相における微少な体積変化のために、極低温領域での精
密な温度測定が困難であった。
【0010】そこで、本発明の目的は、このような問題
点を解決するためになされたものであり、極低温領域に
おける被測定体の精密な温度測定が可能な温度測定装置
に関する技術を提供することにある。
【0011】また、本発明の他の目的は、この温度測定
装置を用いて構成される半導体製造装置を提供すること
にある。
【0012】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を説明すれば、次の通
りである。
【0014】すなわち、本発明の温度測定装置は、超伝
導素子と、この超伝導素子に近接して設けられ、これを
加熱する加熱手段とによって構成され、被測定体に設置
されるセンサ機構と、このセンサ機構と電気的に接続さ
れて、センサ機構からの検出情報によって被測定体の温
度を測定する検出情報処理機構と、この検出情報処理機
構と電気的に接続され、検出情報処理機構によって測定
された被測定体の温度を表示する温度表示手段とからな
り、超伝導素子の臨界温度以下である被測定体によって
超伝導状態とされたセンサ機構の超伝導素子が、加熱手
段によって加熱されて常伝導状態へ遷移した時における
加熱手段に供給された電流量から検出情報処理機構によ
って被測定体の温度が算出されるものである。
【0015】また、本発明の温度測定装置は、超伝導素
子と、この超伝導素子に近接して設けられ、超伝導素子
を加熱する加熱手段とによって構成され、被測定体に設
置されるセンサ機構と、このセンサ機構と電気的に接続
され、センサ機構からの検出情報によって被測定体の温
度を算出する検出情報処理機構と、前記センサ機構およ
び前記検出情報処理機構と併設され、被測定体の温度を
測定する既存温度計と、検出情報処理機構および既存温
度計と電気的に接続され、検出情報処理機構または既存
温度計のいずれかを選択して温度表示手段に接続する表
示切換回路と、この表示切換回路と電気的に接続され、
表示切換回路から伝送された被測定体の温度を表示する
温度表示手段とからなり、前記の既存温度計によって、
または被測定体によって超伝導状態とされた超伝導素子
が加熱手段によって加熱されて常伝導状態へ遷移した時
における加熱手段に供給された電流量から検出情報処理
機構によって、被測定体の温度が算出されるものであ
る。
【0016】これらの場合において、前記検出情報処理
機構は、センサ機構の超伝導素子と電気的に接続され、
この超伝導素子の超伝導状態から常伝導状態への遷移時
を検知し、この遷移時を演算回路へ伝送する状態監視回
路と、センサ機構の加熱手段と電気的に接続されてこの
加熱手段に電流を供給し、その電流値を演算回路へ伝送
する電源供給回路と、状態監視回路から伝送された超伝
導素子の超伝導状態から常伝導状態への遷移時において
電源供給回路から加熱手段へ供給される電流量によって
被測定体の温度を算出する演算回路とからなるものとす
ることができる。
【0017】さらに、これらの場合において、前記セン
サ機構の超伝導素子と加熱手段とが半導体ウエハ上に近
接して形成されているものとすることができる。
【0018】そして、本発明の半導体製造装置は、前記
の温度測定装置を用いて構成されているものである。
【0019】
【作用】上記のような構成の温度測定装置によれば、被
測定体の温度が超伝導素子の臨界温度以下の場合では、
この超伝導素子は超伝導状態となっているので、この超
伝導素子を加熱手段で加熱することにより常伝導状態へ
遷移させて、この遷移のタイミングを検知し、またこの
時の加熱手段への供給電流量によって、加熱手段が発生
した熱量値を求めることによって被測定体の温度を極め
て正確に算出し、表示することができる。
【0020】この場合において、センサ機構の超伝導素
子と加熱手段とを半導体ウエハ上に近接して形成すれ
ば、センサ機構を小形化することができる。
【0021】
【実施例】図1は本発明の一実施例である温度測定装置
のブロック図、図2はその温度測定装置のセンサ機構に
設けられたジョセフソン素子(超伝導素子)の電流−電
圧特性図である。
【0022】まず、本実施例の温度測定装置の構成につ
いて説明する。
【0023】本実施例の温度測定装置は、たとえば半導
体製造装置におけるエッチング装置のクライオポンプに
付設されるもので、被測定体の温度を検知するセンサ機
構1と、このセンサ機構1と電気的に接続され、被測定
体の温度を測定する検出情報処理機構2と、このセンサ
機構1および検出情報処理機構2と併設される水素蒸気
圧温度計(既存温度計)3と、検出情報処理機構2およ
び水素蒸気圧温度計3と電気的に接続され、この検出情
報処理機構2または水素蒸気圧温度計3のいずれかを選
択して温度表示器4に接続する表示切換回路5と、測定
温度を表示する温度表示器4とからなる。
【0024】センサ機構1は、半導体ウエハ6上に積層
形成することによって近接して設けられたジョセフソン
素子(超伝導素子)7と、このジョセフソン素子7を加
熱するための薄膜抵抗体(加熱手段)8とからなり、ジ
ョセフソン素子7と薄膜抵抗体8との間には、図示しな
い絶縁膜(絶縁手段)が介在されている。そして、この
センサ機構1には、前記の水素蒸気圧温度計3の水素蒸
気圧センサ(既存センサ)9が併設されている。
【0025】そして、ジョセフソン素子7は検出情報処
理機構2に設けられた状態監視回路10と、薄膜抵抗体
8は同じく検出情報処理機構2に設けられた電源供給回
路11と、それぞれ電気的に接続されている。
【0026】また、水素蒸気圧センサ9は、水素蒸気圧
温度計3の水素蒸気圧センサコントローラ(既存センサ
コントローラ)12と電気的に接続されており、この水
素蒸気圧センサ9と水素蒸気圧センサコントローラ12
とで水素蒸気圧温度計3が構成されている。
【0027】検出情報処理機構2は、前述した状態監視
回路10、電源供給回路11に加えて、この状態監視回
路10および電源供給回路11と電気的に接続された演
算回路13からなる。
【0028】ここで、状態監視回路10は、ジョセフソ
ン素子7に電流を流してこのジョセフソン素子7の電流
−電圧特性を常に測定することによって、薄膜抵抗体8
の加熱によるジョセフソン素子7の状態遷移(すなわ
ち、ジョセフソン素子7における超伝導状態から常伝導
状態への遷移)に伴う電流−電圧特性の変化を検出し、
この検出信号を演算回路13へ伝送するようになってい
る。
【0029】また、電源供給回路11は、たとえば一定
周期の鋸歯状電流を発生させて薄膜抵抗体8に供給する
ようになっており、さらに、この薄膜抵抗体8に供給し
た電流値を演算回路13に伝送するようになっている。
【0030】この状態監視回路10及び電源供給回路1
1と電気的に接続された演算回路13は、状態監視回路
10からのジョセフソン素子7の状態変位検出信号と、
電源供給回路11からの薄膜抵抗体8への供給電流値と
によって被測定体の温度を算出するようになっており、
また、この測定温度値を表示切換回路5へ伝送するよう
になっている。
【0031】一方、水素蒸気圧センサコントローラ12
は、水素蒸気圧センサ9から伝送された情報によって水
素ガス圧力値から被測定体の温度を算出し、これを表示
切換回路5へ伝送するようになっている。
【0032】そして、表示切換回路5は、伝送された演
算回路13または水素蒸気圧センサコントローラ12の
いずれかを選択して、これを温度表示器4に接続するよ
うにされており、温度表示器4は、表示切換回路5から
伝送された温度測定値をたとえばディジタル表示にて表
示するようになっている。
【0033】次に、本実施例の温度測定装置の動作につ
いて説明する。
【0034】本実施例の温度測定装置は、被測定体に設
置されたセンサ機構1からの検出信号が検出情報処理機
構2に送られ、または水素常気圧センサ9の検出信号が
水素蒸気圧センサコントローラ12に送られ、この検出
情報処理機構2または水素蒸気圧センサコントローラ1
2で被測定体の温度が測定され、この測定温度が表示切
換回路5に伝送されて、温度表示器4によって表示され
るようになっている。
【0035】ここで、ジョセフソン素子7は、臨界温度
(この臨界温度は構成される素子材料により決定され
る。)以下に冷却して電極間に電流を流すと、素子自体
の固有抵抗がゼロとなって、電流は流れるが電圧は発生
しないというオームの法則(V=IR)が不成立となる
状態、すなわち超伝導状態を示すという特性を有してい
る。
【0036】本実施例の温度測定装置における温度測定
は、このようなジョセフソン素子7の特性を利用するも
のであり、被測定体の温度が臨界温度以下の場合にはセ
ンサ機構1および検出情報処理機構2で、臨界温度以上
の場合には水素蒸気圧温度計3で、それぞれ温度測定が
行われるようになっている。
【0037】被測定体の温度がジョセフソン素子7の臨
界温度以下の場合、すなわち、ジョセフソン素子7が超
伝導状態となっている場合の本温度測定装置の動作は次
のようなものである。
【0038】状態監視回路10からセンサ機構1のジョ
セフソン素子7に電流が流され、ジョセフソン素子7の
電流−電圧特性がこの状態監視回路10によって測定さ
れる。同時に、電源供給回路11からはたとえば一定周
期の鋸歯状電流がセンサ機構1の薄膜抵抗体8に供給さ
れている。なお、電源供給回路11から薄膜抵抗体8へ
供給される電流値は演算回路13へ伝送されている。
【0039】薄膜抵抗体8は電源供給回路11から供給
された電流によって発熱され、その結果、この薄膜抵抗
体8と近接するジョセフソン素子7が加熱されて素子温
度が上昇してゆく。
【0040】供給電流量が少なく薄膜抵抗体8の発熱量
が小さいときには、ジョセフソン素子7に与えられる熱
量も小さく素子温度は殆ど上昇せず、超伝導状態を保っ
ている。したがって、状態監視回路10によって測定さ
れる電流−電圧特性は、図2の(I)部に示す特性、す
なわち電流は流れるが電圧は発生しないという特性を示
す。
【0041】ここで、電源供給回路11から薄膜抵抗体
8への供給電流量が次第に増加されてゆくと、薄膜抵抗
体8の発熱量が大きくなってゆき、この薄膜抵抗体8に
よって加熱されるジョセフソン素子7の素子温度が上昇
して臨界温度に至る。
【0042】このような状態になると、ジョセフソン素
子7は超伝導状態を維持できなくなって常伝導状態に遷
移し、このとき状態監視回路10によって監視される電
流−電圧特性は、図2の(II)部に示す特性、すなわち
電圧が発生しオームの法則が成立するような特性を示
す。状態監視回路10は、このジョセフソン素子7の超
伝導状態から常伝導状態への遷移時の電流−電圧特性の
変化のタイミングを捕らえ、これを演算回路13へ伝送
する。
【0043】一方、前記のように、演算回路13へは電
源供給回路11から薄膜抵抗体8へ供給している電流量
が伝送されている。そこで、演算回路13は、ジョセフ
ソン素子7の状態遷移の瞬間における薄膜抵抗体8への
供給電流量によって、ジョセフソン素子7の状態遷移時
に薄膜抵抗体8が発生した熱量値を求めて被測定体の温
度を算出し、これを表示切換回路5へ伝送する。
【0044】すなわち、当初の超伝導状態にあるジョセ
フソン素子7の温度は、このジョセフソン素子7が設置
されている被測定体の温度であり、これが求める温度で
ある。一方、前記のようにジョセフソン素子7の素子材
料から臨界温度は予めわかっているので、ゼロKから臨
界温度までジョセフソン素子7を温めるのに必要な熱量
が決定される。そこで、ジョセフソン素子7の温度を臨
界温度まで上昇させた熱量値がわかれば、当初のジョセ
フソン素子7の素子温度(すなわち、被測定体の温度)
が極めて正確に求められることになるからである。
【0045】被測定体の温度がジョセフソン素子7の臨
界温度以上の場合、すなわち、ジョセフソン素子7が常
伝導状態となっている場合は、前記のように水素蒸気圧
センサ9の検出情報を水素蒸気圧センサコントローラ1
2で処理することによって温度測定を行い、これを表示
切換回路5へ伝送する。
【0046】被測定体の温度がジョセフソン素子7の臨
界温度以上の場合に、このような既存の方法で温度測定
を行うのは、ジョセフソン素子7を用いた温度測定が素
子温度の変化による超伝導状態から常伝導状態への遷移
という特性を利用するものであるために、ジョセフソン
素子7が臨界温度以上で常伝導状態にあるときにはこれ
を利用することができないからである。
【0047】そして、表示切換回路5は、被測定体の温
度がジョセフソン素子7の臨界温度以下の場合には演算
回路13からの温度測定値が、また、臨界温度以上の場
合には水素蒸気圧温度計3の水素蒸気圧センサコントロ
ーラ12からの温度測定値が、温度表示器4によって表
示されるように、演算回路13または水素蒸気圧センサ
コントローラ12のいずれかを選択して温度表示器4に
接続する。
【0048】温度表示器4は、この表示切換回路5から
送られた温度測定値をたとえばディジタル表示にて表示
する。
【0049】以上、本発明者によってなされた発明を実
施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例
に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0050】たとえば、本実施例の温度測定装置におけ
る水素蒸気圧温度計(既存温度計)3は、測定温度がジ
ョセフソン素子7の臨界温度以下であるような場合には
省略することができる。
【0051】また、本実施例におけるセンサ機構1およ
び検出情報処理機構2についても、センサ機構1とは被
測定体に設置される必要のあるジョセフソン素子7およ
び薄膜抵抗体8を指すものであり、また検出情報処理機
構2とはこのジョセフソン素子7および薄膜抵抗体8以
外を指すものであって、たとえば状態監視装置10が薄
膜抵抗体8の近傍に設けられていても、この状態監視装
置10が検出情報処理機構2の一部であることに変わり
はない。
【0052】本実施例において用いられている既存温度
計は、水素蒸気圧を利用した水素蒸気圧温度計3である
が、これに限定されるものではなく、熱電対式温度計や
ダイオード式温度計など種々の既存温度計を用いること
ができる。
【0053】さらに、本実施例におけるジョセフソン素
子7の臨界温度以下における被測定体の温度算出方法
は、ジョセフソン素子7の状態遷移の瞬間における電源
供給回路11から薄膜抵抗体8への供給電流値によっ
て、その時に薄膜抵抗体8が発生した熱量値を求めるも
のである。そして、熱量値は電源供給回路11から薄膜
抵抗体8への供給電流値によって決定されるものである
から、電源供給回路11の供給電流値から被測定体の温
度を算出することは、薄膜抵抗体8が発生した熱量値か
ら被測定体の算出することと同義である。
【0054】センサ機構1についても、本実施例におい
ては半導体ウエハ6上に形成されているが、必ずしも半
導体ウエハ6上でなくてもよい。また、半導体ウエハ6
上に形成する場合においても、本実施例のようにジョセ
フソン素子7と薄膜絶縁体8とを絶縁膜を介して積層形
成することで近接させることのみならず、同一平面上に
おいて近接形成することも可能である。
【0055】そして、本実施例においては、ジョセフソ
ン素子7の臨界温度以下の領域における温度測定はセン
サ機構1および検出情報処理機構2を用いて行っている
が、ジョセフソン素子7の臨界温度が高く、臨界温度以
下のある一定の範囲において水素蒸気圧温度計3による
温度測定が可能な場合には、その範囲の温度測定を水素
蒸気圧温度計3に行わせることも可能である。
【0056】なお、本実施例の温度測定装置は、半導体
製造装置におけるエッチング装置のクライオポンプに付
設されるものであるが、このような用途のみに限定され
るものではなく、他の半導体製造装置や、さらには原子
力の分野など、極低温の温度測定を必要とする全てのも
のに用いることができることは言うまでもない。
【0057】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下
記の通りである。
【0058】(1) すなわち、上記のような構成の温度測
定装置によれば、被測定体の温度が超伝導素子の臨界温
度以下の場合では、この超伝導素子は超伝導状態となっ
ているので、これを加熱手段で加熱することにより常伝
導状態へ遷移させて、この遷移のタイミングを検知し、
またこの時の加熱手段への供給電流量によって、加熱手
段が発生した熱量値を求めることによって被測定体の温
度を算出することができる。
【0059】したがって、従来の蒸気圧温度計などでは
精密な温度測定が困難な極低温領域の温度を極めて正確
に算出し、表示することができる。
【0060】(2) また、既存温度計を併用することによ
って、被測定体の温度が超伝導素子の臨界温度以上の場
合にはこの水素蒸気圧温度計で、被測定体の温度が超伝
導素子の臨界温度以下の場合には超伝導素子の常伝導状
態への状態遷移を利用することで、広範な温度領域にお
ける温度測定が正確にできることとなる。
【0061】(3) さらに、この温度測定装置のセンサ機
構における超伝導素子と加熱手段とを半導体ウエハ上に
近接して形成すれば、センサ機構をコンパクトにするこ
とができ、温度測定装置の小形化を図ることができる。
【0062】(4) そして、本発明の温度測定装置を用い
て構成される半導体製造装置によれば、被測定体の極低
温領域における装置の正確な作動状態を維持することが
でき、半導体製造装置自体の性能の向上を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による温度測定装置を示すブロ
ック図である。
【図2】その温度測定装置のセンサ機構に設けられたジ
ョセフソン素子の電流−電圧特性図である。
【符号の説明】
1 センサ機構 2 検出情報処理機構 3 水素蒸気圧温度計(既存温度計) 4 温度表示器 5 表示切換回路 6 半導体ウエハ 7 ジョセフソン素子(超伝導素子) 8 薄膜抵抗体(加熱手段) 9 水素蒸気圧センサ(既存センサ) 10 状態監視回路 11 電源供給回路 12 水素蒸気圧センサコントローラ(既存センサコン
トローラ) 13 演算回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超伝導素子と、該超伝導素子に近接して
    設けられ、前記超伝導素子を加熱する加熱手段とによっ
    て構成され、被測定体に設置されるセンサ機構と、前記
    センサ機構と電気的に接続され、前記センサ機構からの
    検出情報によって前記被測定体の温度を算出する検出情
    報処理機構と、前記検出情報処理機構と電気的に接続さ
    れ、前記検出情報処理機構によって測定された被測定体
    の温度を表示する温度表示手段とからなり、前記超伝導
    素子の臨界温度以下である前記被測定体によって超伝導
    状態とされた前記センサ機構の前記超伝導素子が、前記
    加熱手段によって加熱されて常伝導状態へ遷移した時に
    おける前記加熱手段に供給された電流量から前記検出情
    報処理機構によって前記被測定体の温度が算出されるこ
    とを特徴とする温度測定装置。
  2. 【請求項2】 超伝導素子と、該超伝導素子に近接して
    設けられ、前記超伝導素子を加熱する加熱手段とによっ
    て構成され、被測定体に設置されるセンサ機構と、前記
    センサ機構と電気的に接続され、前記センサ機構からの
    検出情報によって前記被測定体の温度を算出する検出情
    報処理機構と、前記センサ機構および前記検出情報処理
    機構と併設され、前記被測定体の温度を測定する既存温
    度計と、前記検出情報処理機構および前記既存温度計と
    電気的に接続され、前記検出情報処理機構または前記既
    存温度計のいずれかを選択して温度表示手段に接続する
    表示切換回路と、前記表示切換回路と電気的に接続さ
    れ、前記表示切換回路から伝送された被測定体の温度を
    表示する温度表示手段とからなり、前記既存温度計によ
    って、または前記被測定体によって超伝導状態とされた
    前記超伝導素子が前記加熱手段によって加熱されて常伝
    導状態へ遷移した時における前記加熱手段に供給された
    電流量から前記検出情報処理機構によって、前記被測定
    体の温度が算出されることを特徴とする温度測定装置。
  3. 【請求項3】 前記検出情報処理機構は、前記センサ機
    構の前記超伝導素子と電気的に接続され、前記超伝導素
    子の超伝導状態から常伝導状態への遷移時を検知し、こ
    の遷移時を演算回路へ伝送する状態監視回路と、前記セ
    ンサ機構の前記加熱手段と電気的に接続されて前記加熱
    手段に電流を供給し、その電流値を前記演算回路へ伝送
    する電源供給回路と、前記状態監視回路から伝送された
    前記超伝導素子の超伝導状態から常伝導状態への遷移時
    において前記電源供給回路から前記加熱手段へ供給され
    る電流量によって被測定体の温度を算出する前記演算回
    路とからなることを特徴とする請求項1または2記載の
    温度測定装置。
  4. 【請求項4】 前記センサ機構の前記超伝導素子と前記
    加熱手段とが半導体ウエハ上に近接して形成されている
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の温度測定
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の温
    度測定装置を用いて構成されることを特徴とする半導体
    製造装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6103400A (en) * 1998-01-16 2000-08-15 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Electrode for dielectric-thin film device, and ultrasonic wave oscillator using the electrode
JP2008016554A (ja) * 2006-07-04 2008-01-24 Toshiba Corp 高温超電導コイル装置
CN115978444A (zh) * 2023-03-21 2023-04-18 北京中科富海低温科技有限公司 一种低温传输系统

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