JPH06348686A - 配管系における圧力脈動の低減のためのオリフィス選定方法 - Google Patents

配管系における圧力脈動の低減のためのオリフィス選定方法

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JPH06348686A
JPH06348686A JP13556893A JP13556893A JPH06348686A JP H06348686 A JPH06348686 A JP H06348686A JP 13556893 A JP13556893 A JP 13556893A JP 13556893 A JP13556893 A JP 13556893A JP H06348686 A JPH06348686 A JP H06348686A
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orifice
unit
pulsation
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JP13556893A
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Eiko Hirooka
栄子 廣岡
Minoru Kato
稔 加藤
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】往復圧縮機などの加圧源の圧力変動による配管
系の圧力脈動を低減するためのオリフィス選定方法に関
し、ニューラルネットワークのモデルの一つであるボル
ツマンマシンを用い、配管系におけるオリフィスの種類
及び位置の最適の組み合わせを自動的に選定することを
目的とする。 【構成】オリフィスの種類とオリフィスを挿入可能な位
置とを示すユニットマトリックスUMを定義し、ユニッ
トマトリックスUMの各行及び各列に1であるユニット
Uikが1つずつあるときに最小となる第1の関数と、
脈動圧力値と基準値との差を評価する第2の関数との加
重加算によってネットワークのエネルギー関数を定義
し、模擬焼き鈍しの方法によって収束したときのユニッ
トUikの状態によって、オリフィスの種類と位置とを
決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、往復圧縮機などの加圧
源の圧力変動による配管系の圧力脈動を低減するための
オリフィス選定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】往復圧縮機から吐出されるガスは間欠的
であるため、往復圧縮機に接続された配管内又は機器内
に圧力脈動が発生する。圧力脈動が大きい場合には、圧
縮機の性能低下をもたらしたり配管を破損させたりする
おそれがあるので、圧力脈動を所定の基準値以下に抑え
るように対策を講じる必要がある。そのような基準値を
定めた規格として、例えば米国石油協会規格(API規
格)がある。
【0003】配管系の圧力脈動を低減する方法として、
適当な種類(縮径比)のオリフィスを配管系の適所に挿
入することが知られている。オリフィスを挿入すると圧
力脈動は減少するが、しかし、オリフィスを挿入するこ
とによりエネルギーロスが生じて効率が低下するので、
挿入するオリフィスの個数はなるべく少なく且つその縮
径比はなるべく1に近いものが好ましい。
【0004】したがって、圧力脈動を基準値以下に抑え
且つ効率の低下を最小限に抑えるために、基準値を超え
ずにできるだけ基準値に近い圧力脈動となるようなオリ
フィスの種類と位置との最適な組み合わせを選定する必
要がある。
【0005】従来において、オリフィスの種類と位置を
選定するために、配管系における圧力脈動をシミュレー
ションする圧力脈動解析装置(又は圧力脈動解析プログ
ラム「PULSAS」)が用いられている(特開平4−
62446号公報、「往復圧縮機配管系の圧力脈動解
析」神戸製鋼技報Vol.37No.1、「往復圧縮機
の圧力脈動解析」同Vol.41No.1)。
【0006】つまり、まず、圧力脈動解析装置を用いて
配管系の圧力脈動解析を行うことによって、配管系の位
置及び周波数に対する脈動圧力値を求める。基準値を超
える脈動圧力値がある場合に、操作者の勘と経験に基づ
いて適当な位置にオリフィスを模擬的に挿入し、又は位
置を変更し、再度圧力脈動解析を行う。従来において
は、これらの操作を試行錯誤で繰り返すことによって、
オリフィスの種類と位置とについての最適と思われる組
み合わせを見つけ出していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の選定方法では、どんな種類のオリフィスを配管系のど
こに配置するか、という重要な点について、操作者の勘
と経験に頼っているため、操作者に対して高度な熟練と
工学的センスが要求され、且つ多くの時間を要している
とともに、操作者の個人差によっても結果が異なってく
るという問題があった。
【0008】本発明は、ニューラルネットワークのモデ
ルの一つであるボルツマンマシンを用い、配管系におけ
るオリフィスの種類及び位置の最適の組み合わせを自動
的に選定するための方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る方
法は、上述の課題を解決するため、配管系における圧力
脈動の低減のために前記配管系内に挿入するオリフィス
の種類と位置とをボルツマンマシンを用いて選定する方
法であって、オリフィスの種類とオリフィスを挿入可能
な位置とを示すユニットマトリックスを定義し、前記ユ
ニットマトリックスの各行及び各列に1であるユニット
が1つずつあるときに最小となる第1の関数と、脈動圧
力値と基準値との差を評価する第2の関数との加重加算
によってネットワークのエネルギー関数を定義し、模擬
焼き鈍しの方法によって収束したときのユニットの状態
によって、オリフィスの種類と位置とを決定する方法で
ある。
【0010】請求項2の発明に係る方法は、オリフィス
の種類とオリフィスを挿入可能な位置及び脈動圧力値を
評価する要素とを示すユニットマトリックスを定義し、
ネットワークのエネルギー関数Eを次式のように定義
し、 E=(A・E1+B・E2)/(n+1) 但し、E1:ユニットマトリックスの拘束条件を与える
関数 E2:脈動圧力値と基準値との差を評価する関数 A:E1の重み B:E2の重み n:脈動圧力値が基準値を超えた要素の個数 模擬焼き鈍しの方法によって収束したときのユニットの
状態によって、オリフィスの種類と位置とを決定する方
法である。
【0011】請求項3の発明に係る方法は、圧力脈動解
析を行って基準値を超える要素を求める第1ステップ、
オリフィスの種類とオリフィスを挿入可能な位置及び脈
動圧力値を評価する要素とを示すユニットマトリックス
を定義する第2ステップ、エネルギー関数に基づいてネ
ットワークのエネルギーを計算する第3ステップ、ネッ
トワークのエネルギー状態が収束したか否かを判断し、
収束した場合には処理を終了し、収束していない場合に
は次の処理に移行する第4ステップ、各ユニット間の結
合の重み、各ユニットのしきい値、及び各ユニットへの
入力の総和を計算する第5ステップ、入力の総和に基づ
いてボルツマンの確率を求める第6ステップ、確率に応
じて各ユニットの状態を決定する第7ステップ、圧力脈
動解析を行って脈動圧力を計算する第8ステップ、第8
ステップで計算された脈動圧力が基準値を超えているか
否かを判断する第9ステップ、第9ステップで基準値を
超えていないと判断された場合に、第3ステップ以降の
処理を繰り返す第10ステップ、及び、第9ステップで
基準値を超えていると判断された場合に、第5ステップ
で計算された結合の重み及びしきい値を1回前の値に戻
し、第6ステップ以降の処理を繰り返す第11ステッ
プ、を含んでなる方法である。
【0012】請求項4の発明に係る方法は、前記第7ス
テップで決定された各ユニットの状態が、前回に決定し
たユニットの状態と同じであるか否かを判断し、同じで
あれば第3ステップ以降の処理を繰り返す方法である。
【0013】請求項5の発明に係る方法は、複数の往復
圧縮機によって運転する場合に、これらの往復圧縮機の
異なる組み合わせに対して請求項1乃至請求項4のいず
れかに記載の方法により最適のオリフィスを選定し、且
つ選定したオリフィスを可変可能に取り付けておき、往
復圧縮機の運転時の組み合わせに応じて前記オリフィス
を最適の状態に可変する方法である。
【0014】
【作用】ボルツマンマシンは、原則としてネットワーク
のエネルギーを下げるように動作するので、最適化問題
の変数をニューロン(ユニット)の状態に、目的関数を
ネットワークのエネルギーに対応付けることができれ
ば、これらのメカニズムによって組み合わせ最適化問題
が解けることが知られている。
【0015】本発明においては、ユニットマトリックス
の各行及び各列に1であるユニットが1つずつあるとき
に最小となる第1の関数と、脈動圧力値と基準値との差
を評価する第2の関数との加重加算によってネットワー
クの目的関数(エネルギー関数)を定義することによっ
て、オリフィスの種類及び位置の組み合わせを選定する
という最適化問題の解が得られる。
【0016】オリフィスの種類及び位置は、収束したと
きのユニットマトリックスにおけるユニットの状態によ
り決定される。
【0017】
【実施例】図7は本発明の方法に用いるニューロン(ユ
ニット)Uiのモデルを示す図である。なお、ユニット
Uの添字であるiは、使用される箇所に応じて、j,i
k,jlなどのように異ならせている。
【0018】図7において、ユニットUiへの入力の総
和Iiは、次の(1)式で示される。
【0019】
【数1】
【0020】但し、Wij:ユニットUiとユニットU
jとの結合の重み Si :外部からの入力 θi :ユニットUiのしきい値 ユニットUiの状態(これも「Ui」で示す)は、入力
の総和Iiに応じて変化する。ボルツマンマシンでは、
ニューラルネットワークにおけるユニットの状態の変化
が確率的に行われる。すなわち、入力の総和Iiに基づ
いて、次の(2)式に示す確率でユニットUiの新しい
状態が「1」に設定される。
【0021】
【数2】
【0022】但し、T:ネットワークの温度(>0) ここで、ネットワークにおけるある状態aのエネルギ関
数E(a)を次の(3)式のように定義する。
【0023】
【数3】
【0024】ここで、Ui(a)は、状態aにおけるユ
ニットUiの値である。上述の(2)式に示すような確
率でユニットUiの状態を変化させると、E(a)は最
小値に近づくことが知られている。
【0025】さて、次に、本実施例のニューラルネット
ワークで用いるユニットマトリックスUM及びエネルギ
ー関数Eについて説明する。図1は本発明に係るユニッ
トマトリックスUMの例を示す図、図4は配管系PLの
モデルの一例を示す図である。
【0026】図4に示す配管系PLでは、2台の圧縮機
CA,CBによって圧縮されたガスが、配管PP、スナ
ッバSNA,SNB、連結要素E9、クーラーCL、ス
クラバSRなどを経由して開放端から出力される。但
し、圧縮機CAと配管PPとの接続部分は閉じられた状
態である。
【0027】この配管系PLにおける圧力脈動を解析す
るために、先に述べた公知の圧力脈動解析装置(PUL
SAS)が用いられる。圧力脈動解析装置は、有限要素
法を適用して配管内における流体の圧力脈動を解析し、
配管系PLの各位置(要素)における基本波成分及び高
調波成分の圧力脈動の数値解を得るものである。
【0028】圧力脈動解析装置によると、例えば図5に
示すように、各周波数成分毎に、横軸に沿った位置(要
素)に対する脈動圧力値が示される。破線は基準値(A
PI規格値)VSTである。また、図6に示すように、
横軸を周波数、縦軸を圧力として、基本波及びn次高調
波の脈動圧力値が実線の棒グラフで示され、基準値VS
Tが破線で示される。
【0029】図1において、ユニットマトリックスUM
は、オリフィスの種類O1,O2,…Okが行方向に、
オリフィスの位置(流量節点)Q1,Q2,…Qm、及
び脈動圧力値が基準値を超える要素P1,P2,…Pn
が列方向に、それぞれ配置されて構成されている。
【0030】オリフィスの種類として、例えば、縮径比
が1/2、1/3、1/4などのものをO1,O2,
…,Ok−1というように対応付け、縮径比が1/1で
あるダミーオリフィスをOkに対応付け、合計k種類の
オリフィスを用いることとしている。しかし、各種類の
オリフィスをm個の各節点(流量節点)Q1,Q2,…
Qmに対応付けることを可能とするため、各種類のオリ
フィスをm個ずつ準備し、合計(k×m)個のオリフィ
スを配置して(k×m)の列を設けている。なお、ダミ
ーオリフィスは、節点Qにオリフィスを挿入しないとき
に使用するためのものであり、これをm個準備すること
によって、実際に挿入するオリフィスが1個以下である
場合にも対応可能なようになっている。
【0031】オリフィスの位置として、配管系PL上に
とったm個の節点Q1,Q2,…Qmが準備されてい
る。要素P1,P2,…Pnは、圧力脈動解析を行って
脈動圧力値が基準値を超えるl個の要素P1,P2,…
Plを得た場合に、実際にはこれらの全部の要素を用い
るのではなく、各次数の振動モードを考慮することによ
ってそれよりも少ない要素P1,P2,…Pn(n<
l)としたものである。
【0032】このようにして、オリフィスを挿入する位
置(行)と種類(列)を示すユニットマトリックスUM
ができ上がる。なお、ユニットマトリックスUMを正方
行列とするために以下の操作を行う。 (1)n+m≧m×kの場合には、(n+m−m×k)
個のOkを追加する。 (2)n+m<m×kの場合には、〔m×k−(n+
m)〕個の流量節点Qm+1,Qm+2…を追加する。
【0033】ユニットマトリックスUMにおいて、ユニ
ットUiの値が「1」である場合に、それに該当する位
置Q1,Q2,…Qmに該当する種類O1,O2,…,
Okのオリフィスを挿入することを示す。
【0034】このようなユニットマトリックスUMに対
して、各要素の脈動圧力値と基準値との差の2乗が最小
になるときにネットワークのエネルギが最小となるよう
に、ユニットUiの結合を決める。
【0035】まず、次の2つの関数E1,E2を定義す
る。 (1)ユニットマトリックスUMの拘束条件を与える関
数E1を次の(4)式に示すように定める。関数E1
は、ユニットマトリックスUMの各行各列に「1」であ
るユニットUiがそれぞれ1つずつあるときに最小値が
0となる関数である。
【0036】
【数4】
【0037】(2)要素Piでの脈動圧力値と基準値と
の差を評価する関数E2を次の(5)式に示すように定
める。
【0038】
【数5】
【0039】但し、係数Ciは次の(6)式によって示
される。 Ci=(Ai−pi)2 ……(6) ここで、Ai及びpiは要素Piでの基準値および脈動
圧力値である。また、節点に関する係数Ckは「0」と
する。
【0040】次に、エネルギー関数(目的関数)Eを、
次の(7)式に示すように、上述した2つの関数E1,
E2の重み付けの和として定義する。 E=(A・E1+B・E2)/(n+1) ……(7) ここで、nは脈動圧力値が基準値を超えた要素の個数で
ある。
【0041】さらに、γ=A/B、δ=B/T0(T0
は初期温度)とすると、(7)式は次の(8)式のよう
に変形できる。 E=B(γE1+E2)/(n+1) ……(8) この(8)式を展開すると、次の(9)式のようにな
る。
【0042】
【数6】
【0043】ここで、δij、δklはクロネッカのデ
ルタである。(3)式で外部からの入力Siを「0」と
したときのエネルギ関数E(a)の式と(9)式とを比
較すると、ネットワークにおけるユニットUikとユニ
ットUjlとの結合の重みWikjl、及びユニットU
ikのしきい値θikは、次の(10)式及び(11)
式のようになる。
【0044】
【数7】
【0045】これらの(10)式及び(11)式を
(1)式に代入することにより、ユニットUikへの入
力の総和Iikが求められる。この入力の総和Iikに
基づいて、(2)式に示す確率によってユニットUik
の新しい状態を設定していく。
【0046】このとき、模擬焼き鈍しの方法を適用す
る。つまり、ネットワークのエネルギーを最小値付近に
到達させるために、ネットワークの状態変化を行わせな
がら、ネットワークの温度Tを次の(12)式に示すよ
うに除々に下げていく。
【0047】T=T0exp(D・L) ……(12) ここで、T0は先に述べたように初期温度(=B/δ)
であり、Dは負の定数(本実施例では「−0.02」と
した)であり、Lは状態変化の繰り返し数である。
【0048】次に、図2及び図3に示すフローチャート
に基づいてオリフィス選定のための処理又は操作につい
て説明する。まず、収束計算の繰り返し回数を表す変数
Lを「0」に初期化し(#1)、圧力脈動解析装置によ
り圧力脈動解析を行って基準値を超える要素P1,P
2,…Pnを求める(#2)。
【0049】オリフィスの種類O1,O2,…,Ok及
び取り付け可能な位置Q1,Q2,…Qmを入力し(#
3)、ユニットマトリックスUMの各ユニットUikの
初期値を入力して「0」に初期化し(#4)、変数Lに
1を加算する(#5)。ネットワークの温度Tを(1
2)式に基づいて求め(#6)、γを自動算出する(#
7)。
【0050】ここで、γは2つの関数E1,E2の重み
の比(A/B)であり、各δに対して最適な値がプログ
ラムによって自動的に決定される。すなわち、収束計算
を行っていく中で、関数E1が「0」にならない場合に
は、関数E1に関する重みAが小さ過ぎると見なされ、
γがγ=a・Hにしたがって増加するように処理され、
これによって関数E1の重みAを増加させる。なお、H
はE1が「0」でない回数である。また、aは2つの関
数E1,E2の比に関連する定数であり、2つの関数E
1,E2のバランスが保持されるように、例えば、0.
001〜0.004程度の値が用いられる。
【0051】エネルギー関数Eの計算を行い(#8)、
収束したか否かの判断を行う(#9)。本実施例では、
全部のユニットUikの状態が連続10回にわたって何
の変化もない場合には、ネットワークがその状態に収束
したものと判断し、処理を終了する。
【0052】収束していない場合には、結合の重みWi
kjl及びしきい値θikを(10)式及び(11)式
に基づいて計算し、(1)式に基づいて入力の総和Ii
kを求める(#11)。
【0053】次に、入力の総和Iikから上述の(2)
式に基づいて確率Gikを求め(#12)、求めた確率
Gikの値をその都度発生させた乱数Rと比較する(#
13)。
【0054】確率Gikが乱数Rよりも大きいときには
(#13でイエス)、当該ユニットUikの状態を
「1」とし(#14)、そうでない場合には当該ユニッ
トUikの状態を「0」とする(#15)。
【0055】ユニットマトリックスUMの状態、つまり
オリフィスの組み合わせが前回と異なっている場合には
(#16でイエス)、圧力脈動解析を行って脈動圧力値
を計算し(#17)、計算した脈動圧力値が基準値を超
えていない場合には(#18でノー)、ステップ#11
で計算された結合の重みWikjl及びしきい値θik
をレジスタW,θにそれぞれ保持し(#19)、ステッ
プ#5以降を繰り返す。
【0056】脈動圧力値が基準値を超えている場合には
(#18でイエス)、結合の重みWikjl及びしきい
値θikを、前回に計算してレジスタW,θに保持した
値とし、且つ入力の総和Iiを算出し(#20)、ステ
ップ#12以降を繰り返す。つまり、この場合には、結
合の重みWikjl及びしきい値θikを更新すること
なく、新たに発生した乱数Rを用いてユニットUikの
状態を決定し、これによって新たなオリフィスの組み合
わせを選出する。
【0057】前回と同一のオリフィスの組み合わせが選
出されている場合には(#16でイエス)、ステップ#
5以降を繰り返す。ステップ#5以降が繰り返されるこ
とにより、ネットワークの温度Tが徐々に低下していき
ながら、エネルギー関数Eが最小値に近づいていき、ユ
ニットマトリックスUMの各行各列のユニットUikが
それぞれ1つだけ「1」となり、且つ脈動圧力値と基準
値との差が最小となる。脈動圧力値が基準値を超える要
素が含まれていた場合には、ステップ#12以降が繰り
返されることによってそのようなオリフィスの組み合わ
せが自動的に取り除かれる。つまり、基準値を超える要
素がなくなるまで、次々と発生された乱数Rとの比較に
よってユニットUikの状態が決定され、ユニットマト
リックスUMの状態が変化する。
【0058】このように、フローチャートの内容が繰り
返して実行されることにより、脈動圧力値が基準値を超
えない範囲で基準値に近づくとともに、予め設定した各
節点Q1,Q2,…Qmに対して挿入すべきオリフィス
の種類O1,O2,…,Okが自動的に決定される。
【0059】したがって、収束した後のユニットマトリ
ックスUMにより示される位置及び種類のオリフィスを
選定し、それらを配管系PLに実際に挿入することによ
って、脈動圧力値を基準値以下に抑え且つ効率の低下を
最小限に抑えることができる。
【0060】図6はオリフィスを取り付ける前後におけ
る脈動圧力値の状態の一例を示す図である。これらの図
で、図6(a)はある要素Paにおけるオリフィス取り
付け前の状態、図6(b)はある要素Paにおけるオリ
フィス取り付け後の状態、図6(c)はある要素Pbに
おけるオリフィス取り付け前の状態、図6(d)はある
要素Pbにおけるオリフィス取り付け後の状態を示す。
【0061】図6(b)(d)に示されるように、基準
値VSTを越えることなく基準値VSTに近い解を選定
していることが分かる。ところで、上述した方法によ
り、配管系PLにおける種々の運転状態におけるオリフ
ィスの最適な位置と種類を選定し、且つ選定したオリフ
ィスを可変可能に取り付けておき、実際の運転状態に応
じてオリフィスを最適の状態に可変調整することが可能
である。
【0062】例えば、図4に示すような圧縮機CAと配
管PPとの接続部分が閉じられた運転状態の他に、圧縮
機CAと配管PPとの接続部分が開かれた運転状態、さ
らには圧縮機CBと配管PPとの接続部分が閉じられた
運転状態などにおいて、それぞれ最適のオリフィスの位
置と種類を選定しておき、それぞれ選定された状態を実
現することが可能なように可変型のオリフィスを取り付
けておくことによって、実際の種々の運転状態に合わせ
てオリフィスを可変調整し、脈動圧力値を基準値以下に
抑え且つ効率の低下を最小限に抑えることができる。
【0063】上述の実施例においては、脈動圧力値をA
PI規格値で定められた基準値VST以下に抑えるよう
にした例について説明したが、基準値VSTとして他の
適当な値を設定することが可能である。また、脈動圧力
値を基準値以下に抑えることなく、単に基準値にできる
だけ近づけたい場合にも適用することができる。
【0064】上述の実施例において、ボルツマンマシン
は、例えば高速の汎用コンピュータ上でシミュレーショ
ンを行うことにより、また専用のニューロチップを用い
ることにより、それぞれ実現することができる。ユニッ
トマトリックスUMの行及び列の数は、配管系PLの状
態、オリフィスの種類、節点又は要素のとり方などに応
じて種々変更することができる。フローチャートの内容
又は順序は本発明の主旨に沿って変更することが可能で
ある。
【0065】
【発明の効果】本発明によると、配管系におけるオリフ
ィスの種類及び位置の最適の組み合わせを自動的に選定
することができ、高度の熟練度や工学的センスを有して
いなくても少ない時間で最適のオリフィスを選定するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るユニットマトリックスの例を示す
図である。
【図2】オリフィス選定のための処理又は操作を示すフ
ローチャートである。
【図3】オリフィス選定のための処理又は操作を示すフ
ローチャートである。
【図4】配管系のモデルの一例を示す図である。
【図5】オリフィスを取り付ける前におけるある周波数
成分の脈動圧力値の状態の解析結果を示す図である。
【図6】オリフィスを取り付ける前後における脈動圧力
値の状態の解析結果の一例を示す図である。
【図7】本発明の方法に用いるニューロンのモデルを示
す図である。
【符号の説明】
UM ユニットマトリックス O1,O2,Ok 種類(オリフィスの種類) Q1,Q2,Qm 節点(オリフィスの位置) P1,P2,Pn 要素(脈動圧力値を評価する要素)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配管系における圧力脈動の低減のために前
    記配管系内に挿入するオリフィスの種類と位置とをボル
    ツマンマシンを用いて選定する方法であって、 オリフィスの種類とオリフィスを挿入可能な位置とを示
    すユニットマトリックスを定義し、 前記ユニットマトリックスの各行及び各列に1であるユ
    ニットが1つずつあるときに最小となる第1の関数と、
    脈動圧力値と基準値との差を評価する第2の関数との加
    重加算によってネットワークのエネルギー関数を定義
    し、 模擬焼き鈍しの方法によって収束したときのユニットの
    状態によって、オリフィスの種類と位置とを決定するこ
    とを特徴とする配管系における圧力脈動の低減のための
    オリフィス選定方法。
  2. 【請求項2】配管系における圧力脈動の低減のために前
    記配管系内に挿入するオリフィスの種類と位置とをボル
    ツマンマシンを用いて選定する方法であって、 オリフィスの種類とオリフィスを挿入可能な位置及び脈
    動圧力値を評価する要素とを示すユニットマトリックス
    を定義し、 ネットワークのエネルギー関数Eを次式のように定義
    し、 E=(A・E1+B・E2)/(n+1) 但し、E1:ユニットマトリックスの拘束条件を与える
    関数 E2:脈動圧力値と基準値との差を評価する関数 A:E1の重み B:E2の重み n:脈動圧力値が基準値を超えた要素の個数 模擬焼き鈍しの方法によって収束したときのユニットの
    状態によって、オリフィスの種類と位置とを決定するこ
    とを特徴とする配管系における圧力脈動の低減のための
    オリフィス選定方法。
  3. 【請求項3】配管系における圧力脈動の低減のために前
    記配管系内に挿入するオリフィスの種類と位置とをボル
    ツマンマシンを用いて選定する方法であって、 圧力脈動解析を行って基準値を超える要素を求める第1
    ステップ、 オリフィスの種類とオリフィスを挿入可能な位置及び脈
    動圧力値を評価する要素とを示すユニットマトリックス
    を定義する第2ステップ、 エネルギー関数に基づいてネットワークのエネルギーを
    計算する第3ステップ、 ネットワークのエネルギー状態が収束したか否かを判断
    し、収束した場合には処理を終了し、収束していない場
    合には次の処理に移行する第4ステップ、 各ユニット間の結合の重み、各ユニットのしきい値、及
    び各ユニットへの入力の総和を計算する第5ステップ、 入力の総和に基づいてボルツマンの確率を求める第6ス
    テップ、 確率に応じて各ユニットの状態を決定する第7ステッ
    プ、 圧力脈動解析を行って脈動圧力を計算する第8ステッ
    プ、 第8ステップで計算された脈動圧力が基準値を超えてい
    るか否かを判断する第9ステップ、 第9ステップで基準値を超えていないと判断された場合
    に、第3ステップ以降の処理を繰り返す第10ステッ
    プ、 及び、 第9ステップで基準値を超えていると判断された場合
    に、第5ステップで計算された結合の重み及びしきい値
    を1回前の値に戻し、第6ステップ以降の処理を繰り返
    す第11ステップ、 を含んでなることを特徴とする配管系における圧力脈動
    の低減のためのオリフィス選定方法。
  4. 【請求項4】請求項3記載のオリフィス選定方法におい
    て、 前記第7ステップで決定された各ユニットの状態が、前
    回に決定したユニットの状態と同じであるか否かを判断
    し、同じであれば第3ステップ以降の処理を繰り返すこ
    とを特徴とする配管系における圧力脈動の低減のための
    オリフィス選定方法。
  5. 【請求項5】複数の往復圧縮機によって運転する場合
    に、これらの往復圧縮機の異なる組み合わせに対して請
    求項1乃至請求項4のいずれかに記載の方法により最適
    のオリフィスを選定し、且つ選定したオリフィスを可変
    可能に取り付けておき、往復圧縮機の運転時の組み合わ
    せに応じて前記オリフィスを最適の状態に可変すること
    を特徴とする配管系における圧力脈動の低減のためのオ
    リフィス選定方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007051731A (ja) * 2005-08-19 2007-03-01 Mitsuboshi Belting Ltd 歯付ベルト最適形状予測装置及び歯付ベルト最適形状予測方法、並びにプログラム
CN105889136A (zh) * 2016-04-22 2016-08-24 江苏大学 一种用来降低离心泵内部压力脉动的离心泵改进方法

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