JPH0634835Y2 - エアースプレイ噴霧装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、シリンダに管状のノズルを突成し、そのノズ
ルの噴出口を空気流中に置くことにより、その噴出口を
負圧にしてシリンダ内の流体を空気流中に混入し、霧化
して噴出するようにしたエアースプレイ噴霧装置に関す
る。

従来の技術及び考案が解決しようとする問題点 塗料を少量ずつ霧化して噴出させる際には、補充用の塗
料タンクを接続したシリンダに管状のノズルを突成し、
ノズルの噴出口を空気流中に置いてその噴出口を負圧に
することにより、シリンダ内の塗料を少量ずつ空気流中
に混入して霧化しつつ噴出するようにしたエアースプレ
イ噴霧装置が用いられているが、従来は、シリンダの容
積が一定で、このシリンダと塗料タンクとが、常時、連
通していたため、シリンダ内には、常に、塗料タンク内
に貯留されている塗料の圧力が作用し、塗料タンク内に
塗料の量が多いときにはシリンダ内の圧力が高くて噴出
口から空気流中への塗料の混入量が多く、逆に、塗料タ
ンクの塗料が少ないときには混入量が少なくなることと
なつて、塗料の噴出量が一定にならないという欠点があ
り、これは、塗料以外の流体を少量ずつ霧化しつつ噴出
する場合においても同様に生じる問題であつた。

問題点を解決するための手段 本考案は、上記問題点を解決するための手段として、シ
リンダ内に流体の増減に伴つて摺動するピストンを緊密
に嵌入し、そのピストンにシリンダ内の流体を増大させ
る方向に付勢する錘を連結するとともに、そのピストン
を２位置で検知するセンサと、そのセンサの検知信号に
よりシリンダ内に流体を補充する管路に設けた開閉弁を
開閉する制御装置とを設けた構成とした。

考案の作用及び効果 本考案は上記構成になり、開閉弁を閉弁した状態におい
てシリンダ内は錘の付勢により一定の負圧に保たれてお
り、ノズルの噴出口を空気流中に置くことにより噴出口
をシリンダ内より強い負圧にすることによって流体を霧
化して噴出させると、シリンダ内の流体が消費されてそ
の体積が減少するにつれてピストンがシリンダ内をノズ
ルに近付く方向へ摺動することによつて、シリンダ内の
圧力が一定の負圧に保たれ、ピストンまたは錘が一方の
検知位置に達すると、センサからの検知信号により開閉
弁が開弁されて、流体が管路を通してシリンダに補充さ
れ、シリンダ内の流体の体積の増大につれてピストンが
ノズルから離れる方向に摺動することによつて、シリン
ダ内の流体の圧力が一定に保たれ、ピストンが他方の検
知位置に達すると、センサからの検知信号により開閉弁
が閉弁されてシリンダへの流体の補充が停止すると同時
にピストンの摺動が停止し、これが繰り返されることに
より流体が連続的に霧化されて噴出するのであつて、シ
リンダ内の圧力が常に一定の負圧となるようにしたか
ら、ノズルの噴出口から空気流中に混入される流体の量
が一定に保たれて安定した噴霧を行うことができる効果
がある。

実施例 以下、本考案を塗料用の噴霧装置に適用した一実施例を
添付した第１図に基づいて説明する。

図において、１は、左端が閉塞された水平方向の筒状を
なし、右端部に上下方向の中空を有する支持部２を下向
きに連成してなるシリンダであつて、シリンダ１の左端
部下面に形成した流出口３の外周の雄ねじ部４に、極く
細い上下方向の導孔６を有し、下端部を斜めに切断する
ことによつて噴出口７を形成した注射針状の塗料用ノズ
ル５が、その上端の雌ねじ部８を螺着することにより、
噴出口７を図の左側に向けて開口させた状態で装着さ
れ、また、支持部２の左側面には、加圧空気圧送源10に
接続されたエアーガン11が、その先端の空気用ノズル12
を塗料用ノズル５の噴出口７に向けた姿勢でブラケツト
13により固定されていて、空気用ノズル12から空気流Ａ
を噴出させると、その空気流Ａ中において下流側に開口
する噴出口７に負圧が生じるようになつている。

シリンダ１内には、その右端に連通する支持部２の中空
との間を隔絶するピストン15が緊密かつ摺動自由に嵌装
されていて、このピストン15には、支持部２の内周に沿
つて上下動する錘16が、両端をピストン15の右端面と錘
16の上端面とに連結して転向プーリ17に掛け回された可
撓条18を介して一体的に連結されており、この錘16に
は、先端に当接部21を有する押圧板20が水平に突成さ
れ、一方、支持部２の互いに高さの異なる２位置には、
制御装置25に接続された一対のリミツトスイツチ26a、2
6bが、その図示しない接点を入切させる板ばね27a、27b
を支持部２の中空内において錘16の押圧板20に上下方向
に対応するように水平に突出させた状態で設置されてい
て、上側のリミツトスイツチ26aはその板ばね27aが押し
上げられることにより、下側のリミツトスイツチ26bは
その板ばね27bが押し下げられることにより、夫々、検
知信号を制御装置25に向けて出力するようになつてい
る。

シリンダ１の左端部と、その上方に設置された補充用の
塗料タンク30との間には、前記制御装置25に接続された
電磁開閉弁31が、その上端部に形成した流入管32と下端
部に形成した流出管33を、夫々、塗料タンク30の下面の
接続孔34とシリンダ１の上面の接続孔35とに嵌着するこ
とによつて介設されていて、リミツトスイツチ26a、26b
からの検知信号によつて制御装置25から出力される制御
信号により、電磁開閉弁31は図示しないソレノイドに通
電されて開弁し、または、通電を遮断されて閉弁される
ようになつている。

本実施例は上記構成になり、シリンダ１内のピストン15
よりも左側の空間に塗料を充填して電磁開閉弁31を閉弁
すると、ピストン15が錘16を吊り下げたままで一定の位
置に停止した状態で負圧に保持され、この状態でエアー
ガン11から空気流Ａを噴出させて塗料用ノズル５の噴出
口７をシリンダ１内より強い負圧にすると、塗料が、シ
リンダ１内から吸引されて塗料用ノズル５の導孔６を通
ることにより噴出口７から空気流Ａ中に少量ずつ混入し
て霧化され、霧化用エアーガン11の前方の図示しない被
塗装物に向かつて噴出することによつて塗装が行われる
のであり、この間に、シリンダ１内の塗料が消費されて
その体積が減少するのにともない、ピストン15が、支持
部２内の錘16を上昇させつつ、シリンダ１内を塗料用ノ
ズル５に接近するように図の左方向に低速度で摺動し、
これによつて、シリンダ１内の圧力は所定の負圧に保た
れる。

そして、ピストン15及び錘16が図の鎖線で示す位置に移
動して、錘16の押圧板20が上側のリミツトスイツチ26a
の板ばね27aに当接してこれを押し上げると、このリミ
ツトスイツチ26aからの検知信号により制御装置25から
制御信号が出力されて、電磁開閉弁31が開弁し、塗料タ
ンク30内の塗料が、流入管32、開弁した電磁開閉弁31及
び流出管33を通ることによつてシリンダ１内に補充さ
れ、シリンダ１内の塗料の体積が増大するのにともなつ
て、ピストン15がシリンダ１を塗料用ノズル５から離間
するように図の右方向に比較的速い速度で摺動すること
により、シリンダ１内の圧力が変動することなく一定の
値に保たれる。

そして、ピストン15の摺動にともなつて下降する錘16が
図に実線で示す位置に達して、その押圧板20が下側のリ
ミツトスイツチ26bの板ばね27bに当接してこれを押し下
げると、このリミツトスイツチ26bからの検知信号によ
り制御装置25から制御信号が出力されて、電磁開閉弁31
が閉弁し、シリンダ１への塗料の補充が停止するととも
にピストン15と錘16の移動が停止し、この後、上記の作
動が繰り返されることにより、塗装が連続的に行われる
のであつて、シリンダ１への塗料の補充を行つている間
も補充を停止している間も、シリンダ１内の圧力が常に
一定の負圧に保たれるから、塗料用ノズル５から空気流
Ａ中に吸引される塗料の量が一定となり、安定した塗装
を行うことができる。

なお、本考案は、塗料以外にも、接着剤等の他の流体を
少量ずつ霧化しつつ噴出させる場合にも適用することが
できるものである。

【図面の簡単な説明】

添付した第１図は本考案の一実施例の一部切欠側面図で
ある。 1:シリンダ、5:塗料用ノズル、7:噴出口 15:ピストン、25:制御装置、26a、26b:リミツトスイツ
チ、32:流入管、33:流出管、A:空気流

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シリンダに管状のノズルを突成し、該ノズ
   ルの噴出口を空気流中に置くことにより、該噴出口を負
   圧にして前記シリンダ内の流体を前記空気流中に混入
   し、霧化して噴出するようにしたエアースプレイ噴霧装
   置において、前記シリンダ内に流体の増減に伴つて摺動
   するピストンを緊密に嵌入し、該ピストンに前記シリン
   ダ内の流体を増大させる方向に付勢する錘を連結すると
   ともに、該ピストンまたは錘を２位置で検知するセンサ
   と、該センサの検知信号により前記シリンダ内に流体を
   重力により補充する管路に設けた開閉弁を開閉する制御
   装置とを設けたことを特徴とするエアースプレイ噴霧装
   置。