JPH0634730A - 有機化合物のnmr化学シフトの演算方法およびその装置 - Google Patents
有機化合物のnmr化学シフトの演算方法およびその装置Info
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- JPH0634730A JPH0634730A JP4190579A JP19057992A JPH0634730A JP H0634730 A JPH0634730 A JP H0634730A JP 4190579 A JP4190579 A JP 4190579A JP 19057992 A JP19057992 A JP 19057992A JP H0634730 A JPH0634730 A JP H0634730A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 種々の官能基を有する有機化合物のNMR化
学シフトを、パーソナルコンピュータ程度でも演算可能
にする。 【構成】 ヘテロ原子(および又は)多重結合が単結合
に置き換えられた母核構造中のすべての炭素原子のNM
R化学シフトがリンデマン−アダムスの方法で演算され
る。そして、置き換えられたヘテロ原子の位置における
官能基の効果が官能基の種類と、各官能基の中心原子と
対象原子との距離とに基づいて演算される。この官能基
効果を、官能基の種類と、各官能基の中心原子と対象原
子との距離とに基づいて演算すると、演算量が少なくな
り、パーソナルコンピュータ程度でも可能となる。ま
た、官能基効果が、官能基の種類と、各官能基の中心原
子と対象原子との距離とをパラメータとして表現される
ので、官能基効果の演算には、官能基毎の相違が陽に現
われなくなるので、プログラムの修正が容易となる。
学シフトを、パーソナルコンピュータ程度でも演算可能
にする。 【構成】 ヘテロ原子(および又は)多重結合が単結合
に置き換えられた母核構造中のすべての炭素原子のNM
R化学シフトがリンデマン−アダムスの方法で演算され
る。そして、置き換えられたヘテロ原子の位置における
官能基の効果が官能基の種類と、各官能基の中心原子と
対象原子との距離とに基づいて演算される。この官能基
効果を、官能基の種類と、各官能基の中心原子と対象原
子との距離とに基づいて演算すると、演算量が少なくな
り、パーソナルコンピュータ程度でも可能となる。ま
た、官能基効果が、官能基の種類と、各官能基の中心原
子と対象原子との距離とをパラメータとして表現される
ので、官能基効果の演算には、官能基毎の相違が陽に現
われなくなるので、プログラムの修正が容易となる。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、有機化合物ののNM
R化学シフトを演算する演算装置に関し、とくに有機化
合物の想定構造からその各原子のNMR化学シフトを所
謂パーソナルコンピュータを用いて正確に演算すること
のできる有機化合物のNMR化学シフトの演算方法およ
びその方法を用いた演算装置に関する。
R化学シフトを演算する演算装置に関し、とくに有機化
合物の想定構造からその各原子のNMR化学シフトを所
謂パーソナルコンピュータを用いて正確に演算すること
のできる有機化合物のNMR化学シフトの演算方法およ
びその方法を用いた演算装置に関する。
【0002】
【従来の技術】NMR化学シフトは有機化合物の構造解
析に利用されている。NMR化学シフトとは、核磁気共
鳴(NMR)において、原子の結合状態が変わると同一
の核種でもその共鳴周波数が変化する現象を言う。この
NMR化学シフトは推算するしかない。
析に利用されている。NMR化学シフトとは、核磁気共
鳴(NMR)において、原子の結合状態が変わると同一
の核種でもその共鳴周波数が変化する現象を言う。この
NMR化学シフトは推算するしかない。
【0003】NMRを推算する方法としての従来技術
に、 1) J. D. Roberts とF. J. Wirgert とJ. I. Krosc
hwitz とH. J. Reichの論文(J. Amer. Chem. Soc. (197
0) 92 1338); 2) S. OchiaiとY. HirotaとS. Sasaki の論文(Japan
Analyst. (1973) 22399) 3) 森輝雄 「NMR化学シフトの計算プログラム
(1)」(JAPC (1985) 759) 4) 田中善生、山岡清 「化学者のためのマイコンガ
イド」(1981) 5) 小山菊彦 「マイコン実用プログラム(21)」
(化学(1984)39付録) 6) 安部昭吉 「3D−molmaster 第8
報」 (JAPC (1991) 1243) 7) ソフトサイエンス(株) 「13C−NMR化学シ
フト計算プログラム」(1986) 8) 基盤技術促進センタ− 「SDBS」化技研 9) サトラ− 「C−SEARCH] 10) BASF 「INKADAT」等がある。
に、 1) J. D. Roberts とF. J. Wirgert とJ. I. Krosc
hwitz とH. J. Reichの論文(J. Amer. Chem. Soc. (197
0) 92 1338); 2) S. OchiaiとY. HirotaとS. Sasaki の論文(Japan
Analyst. (1973) 22399) 3) 森輝雄 「NMR化学シフトの計算プログラム
(1)」(JAPC (1985) 759) 4) 田中善生、山岡清 「化学者のためのマイコンガ
イド」(1981) 5) 小山菊彦 「マイコン実用プログラム(21)」
(化学(1984)39付録) 6) 安部昭吉 「3D−molmaster 第8
報」 (JAPC (1991) 1243) 7) ソフトサイエンス(株) 「13C−NMR化学シ
フト計算プログラム」(1986) 8) 基盤技術促進センタ− 「SDBS」化技研 9) サトラ− 「C−SEARCH] 10) BASF 「INKADAT」等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例中の、1)
や2)の手法は、所謂パ−ソナルコンピュータを用いて
気軽にできるというものではなく、また、対象となる官
能基も限られているものであった。また、8)〜10)
の手法は、コンピュータを使用した場合、数メガバイト
以上のメモリと、大量のスペクトルデータを含むデータ
ベースを必要とするので、手軽に利用できるというもの
ではない。
や2)の手法は、所謂パ−ソナルコンピュータを用いて
気軽にできるというものではなく、また、対象となる官
能基も限られているものであった。また、8)〜10)
の手法は、コンピュータを使用した場合、数メガバイト
以上のメモリと、大量のスペクトルデータを含むデータ
ベースを必要とするので、手軽に利用できるというもの
ではない。
【0005】また、文献3)〜7)の手法は、パーソナ
ルコンピュータにも適用できるものではあるが、3)の
手法はその対象が飽和炭化水素に限られ、4)〜7)の
手法は、官能基毎に異なるサブルーチンや異なる形式の
パラメ−タを用いているので、プログラム自体の変更無
しにパラメータの修正ができず、そのために対象官能基
の範囲の拡張も不可能である。
ルコンピュータにも適用できるものではあるが、3)の
手法はその対象が飽和炭化水素に限られ、4)〜7)の
手法は、官能基毎に異なるサブルーチンや異なる形式の
パラメ−タを用いているので、プログラム自体の変更無
しにパラメータの修正ができず、そのために対象官能基
の範囲の拡張も不可能である。
【0006】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、 i: パーソナルコンピュータ程度の簡単なコンピュー
タシステムにも適用可能であり、 ii: 演算プログラムの変更を行なわなくても、原理
的に全ての官能基に適用可能である 有機化合物のNMR化学シフトの演算方法およびその装
置を提供せんとするものである。
あり、その目的とするところは、 i: パーソナルコンピュータ程度の簡単なコンピュー
タシステムにも適用可能であり、 ii: 演算プログラムの変更を行なわなくても、原理
的に全ての官能基に適用可能である 有機化合物のNMR化学シフトの演算方法およびその装
置を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、有機化合物の分子の想定構造から、その
分子を構成する各原子のNMR化学シフトを演算する方
法であって、 a:前記分子のヘテロ原子を炭素に、そして(又は)多
重結合を単結合に、仮想的に置き換え、その置き換えた
構造中のすべての炭素原子のNMR化学シフトを、リン
デマン−アダムスの方法で演算する工程と、 b:前記置き換えられたヘテロ原子位置及び多重結合位
置における官能基の夫々について、各官能基の種類と、
各官能基の中心原子と対象原子との距離毎に、当該官能
基による官能基効果を演算し、 c:bで演算された各官能基について演算された官能基
効果を、aにおいてリンデマン−アダムスの方法で演算
されたNMR化学シフトに加える工程とを具備すること
を特徴とする。
め、本発明は、有機化合物の分子の想定構造から、その
分子を構成する各原子のNMR化学シフトを演算する方
法であって、 a:前記分子のヘテロ原子を炭素に、そして(又は)多
重結合を単結合に、仮想的に置き換え、その置き換えた
構造中のすべての炭素原子のNMR化学シフトを、リン
デマン−アダムスの方法で演算する工程と、 b:前記置き換えられたヘテロ原子位置及び多重結合位
置における官能基の夫々について、各官能基の種類と、
各官能基の中心原子と対象原子との距離毎に、当該官能
基による官能基効果を演算し、 c:bで演算された各官能基について演算された官能基
効果を、aにおいてリンデマン−アダムスの方法で演算
されたNMR化学シフトに加える工程とを具備すること
を特徴とする。
【0008】また、同目的を達成するための本発明は、
有機化合物の分子の想定構造から、その分子を構成する
各原子のNMR化学シフトを演算する演算装置であっ
て、前記分子の構造を入力して記憶する手段と、記憶さ
れたされた分子構造中のヘテロ原子を炭素に、そして
(又は)多重結合を単結合に、仮想的に置き換え、置き
換えられた母核を記憶する操作手段と、その置き換えた
母核構造中のすべての炭素原子のNMR化学シフトを、
リンデマン−アダムスの方法で演算する演算手段と、前
もって、ヘテロ原子位置及び多重結合位置における官能
基の夫々について、各官能基の種類と、各官能基の中心
原子と対象原子との距離毎に、当該官能基による官能基
効果を演算し、その演算値を官能基効果値として記憶す
るメモリ手段と、前記メモリ中から、前記母核構造中の
ヘテロ原子位置における官能基の夫々について、該各官
能基の夫々の対象原子について、各官能基の種類と、各
官能基の中心原子と対象原子との距離とをキーにして前
記メモリ手段中の官能基効果値を索引して読み取る手段
とを具備し、前記演算手段で計算された化学シフトと読
み取り手段で読み取られた官能基効果値とに基づいて当
該分子のNMR化学シフトとすることを特徴とする。
有機化合物の分子の想定構造から、その分子を構成する
各原子のNMR化学シフトを演算する演算装置であっ
て、前記分子の構造を入力して記憶する手段と、記憶さ
れたされた分子構造中のヘテロ原子を炭素に、そして
(又は)多重結合を単結合に、仮想的に置き換え、置き
換えられた母核を記憶する操作手段と、その置き換えた
母核構造中のすべての炭素原子のNMR化学シフトを、
リンデマン−アダムスの方法で演算する演算手段と、前
もって、ヘテロ原子位置及び多重結合位置における官能
基の夫々について、各官能基の種類と、各官能基の中心
原子と対象原子との距離毎に、当該官能基による官能基
効果を演算し、その演算値を官能基効果値として記憶す
るメモリ手段と、前記メモリ中から、前記母核構造中の
ヘテロ原子位置における官能基の夫々について、該各官
能基の夫々の対象原子について、各官能基の種類と、各
官能基の中心原子と対象原子との距離とをキーにして前
記メモリ手段中の官能基効果値を索引して読み取る手段
とを具備し、前記演算手段で計算された化学シフトと読
み取り手段で読み取られた官能基効果値とに基づいて当
該分子のNMR化学シフトとすることを特徴とする。
【0009】
【作用】上記方法および装置によると、ヘテロ原子(お
よび又は)多重結合が単結合に置き換えられた母核構造
中のすべての炭素原子のNMR化学シフトがリンデマン
−アダムスの方法で演算される。そして、置き換えられ
たヘテロ原子の位置における官能基の効果が官能基の種
類と、各官能基の中心原子と対象原子との距離とに基づ
いて演算される。この官能基効果を、官能基の種類と、
各官能基の中心原子と対象原子との距離とに基づいて演
算すると、演算量が少なくなり、パーソナルコンピュー
タ程度でも可能となる。また、官能基効果が、官能基の
種類と、各官能基の中心原子と対象原子との距離とをパ
ラメータとして表現されるので、官能基効果の演算に
は、官能基毎の相違が陽に現われなくなるので、プログ
ラムの修正が容易となる。
よび又は)多重結合が単結合に置き換えられた母核構造
中のすべての炭素原子のNMR化学シフトがリンデマン
−アダムスの方法で演算される。そして、置き換えられ
たヘテロ原子の位置における官能基の効果が官能基の種
類と、各官能基の中心原子と対象原子との距離とに基づ
いて演算される。この官能基効果を、官能基の種類と、
各官能基の中心原子と対象原子との距離とに基づいて演
算すると、演算量が少なくなり、パーソナルコンピュー
タ程度でも可能となる。また、官能基効果が、官能基の
種類と、各官能基の中心原子と対象原子との距離とをパ
ラメータとして表現されるので、官能基効果の演算に
は、官能基毎の相違が陽に現われなくなるので、プログ
ラムの修正が容易となる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図面に基づい
て説明する。この実施例の手順の概略は、ステップI :対象分子のへテロ原子を炭素に、多重結合
を単結合に置き換えた構造を入力する。これにより、対
象分子はアルカン(パラフィン炭化水素)に近似され、
Lindeman- Adamsの方法を適用することが可能となる。ステップII :その構造の全炭素原子のNMR化学シフト
をLindeman-Adamsの方法で計算する。ステップIII :対象分子のへテロ原子と多重結合を入力
する。ステップIV :後述の方法により官能基効果を計算し、そ
の値をIIで求めた化学シフトに加える。
て説明する。この実施例の手順の概略は、ステップI :対象分子のへテロ原子を炭素に、多重結合
を単結合に置き換えた構造を入力する。これにより、対
象分子はアルカン(パラフィン炭化水素)に近似され、
Lindeman- Adamsの方法を適用することが可能となる。ステップII :その構造の全炭素原子のNMR化学シフト
をLindeman-Adamsの方法で計算する。ステップIII :対象分子のへテロ原子と多重結合を入力
する。ステップIV :後述の方法により官能基効果を計算し、そ
の値をIIで求めた化学シフトに加える。
【0011】上記手法を、図1の(A)に示した、非環
式化合物のC13のNMR化学シフトを求める場合につい
て具体的に説明する。図1の(A)のaとbの位置にお
けるC13のNMR化学シフトを計算するものとする。す
ると、ステップIにおいて、ヘテロ原子を炭素原子Cに
置き換える。また、多重結合を単結合に置き換える。次
に、ステップIIにおいてLindeman-Adamsの方法によ
り、aにおける化学シフトSa0とbに於ける化学シフト
Sb0を求める。次に、ステップIVにおいて、官能基効
果を加えて、求める化学シフトを計算する。最終的な化
学シフトSaとSbは、 Sa=Sa0+(Oのγ効果)+(Nのγ効果)+(二重
結合γ効果) Sb=Sb0+(Nのβ効果)+(二重結合のβ効果) となる。γ効果、β効果などについては後に詳述する。 〈装置の構成〉図2は実施例の演算システムの構成を示
す。図中、CRTは対象の有機分子の構造を表示するた
めの表示装置である。CRTはCPUの制御の下でCR
Tコントローラ(CRTC)により制御される。操作者
は、キーボード(KBD)やマウス(PD)などを用い
ながらステップIの原子や多重結合の置き換えを行な
う。さらに、FDはフロッピーデイスクドライブ、HD
はハードデイスクドライブであり、プログラムやデータ
などを記憶しておく外部記憶装置である。RAMはCP
Uが実行するプログラムや使うデータを記憶するメモリ
である。なお、分子の構造を表現するための手法は、本
出願人による論文「NMR化学シフトの計算プログラ
ム」(JAPC, Vol .7, No.2, P59;1985)に詳しく開示され
ている。 〈Lindeman-Adamsの方法〉ステップIIのLindeman-Ada
msの手法は、論文(Anal. Chem. (1971)43 1245)により
提案されたもので、アルカンのK番目の炭素の化学シフ
トσcは次の式で計算される。
式化合物のC13のNMR化学シフトを求める場合につい
て具体的に説明する。図1の(A)のaとbの位置にお
けるC13のNMR化学シフトを計算するものとする。す
ると、ステップIにおいて、ヘテロ原子を炭素原子Cに
置き換える。また、多重結合を単結合に置き換える。次
に、ステップIIにおいてLindeman-Adamsの方法によ
り、aにおける化学シフトSa0とbに於ける化学シフト
Sb0を求める。次に、ステップIVにおいて、官能基効
果を加えて、求める化学シフトを計算する。最終的な化
学シフトSaとSbは、 Sa=Sa0+(Oのγ効果)+(Nのγ効果)+(二重
結合γ効果) Sb=Sb0+(Nのβ効果)+(二重結合のβ効果) となる。γ効果、β効果などについては後に詳述する。 〈装置の構成〉図2は実施例の演算システムの構成を示
す。図中、CRTは対象の有機分子の構造を表示するた
めの表示装置である。CRTはCPUの制御の下でCR
Tコントローラ(CRTC)により制御される。操作者
は、キーボード(KBD)やマウス(PD)などを用い
ながらステップIの原子や多重結合の置き換えを行な
う。さらに、FDはフロッピーデイスクドライブ、HD
はハードデイスクドライブであり、プログラムやデータ
などを記憶しておく外部記憶装置である。RAMはCP
Uが実行するプログラムや使うデータを記憶するメモリ
である。なお、分子の構造を表現するための手法は、本
出願人による論文「NMR化学シフトの計算プログラ
ム」(JAPC, Vol .7, No.2, P59;1985)に詳しく開示され
ている。 〈Lindeman-Adamsの方法〉ステップIIのLindeman-Ada
msの手法は、論文(Anal. Chem. (1971)43 1245)により
提案されたもので、アルカンのK番目の炭素の化学シフ
トσcは次の式で計算される。
【0012】 σc(K)=Bs+ΣDMASM+γsN3+ΔsN4 ........ (1) ここで、上記式の第2項の加算はM=2からM=4まで
の範囲で行なわれる。また、sはK番目の炭素に結合す
る炭素の数、DMはK番目の炭素に隣接していてM個の
隣接炭素(K番目の炭素を含む)を持つ炭素の数、N3
はK番目の炭素から3番目の炭素の数、N4はK番目の
炭素から4番目の炭素の数、と定義する。図3は、sを
いろいろと変えたときの(1)式の各定数の値を表にし
たものである。すると、図4に示すような構造の3−メ
チルヘプタンのC−5(K=5)については、C−4、
C−6の2つの炭素が結合しているからs=2となり、
C−5に隣接しているC−4、C−6の持つ炭素数はそ
れぞれ2個であるから、D2=2、D3=D4=0とな
る。C−5から3番目の炭素はC−2とC−8の2つだ
からN3=2となる。また、C−5から4番目の炭素は
C−1のみだからN4=1となる。従って、 σc(5)=B2+2・A22+0・A23+0・A24+γ2・2
+Δ2・1=29.7(ppm) となる。 〈官能基効果の演算〉前述したように、本実施例の方法
は、ヘテロ原子を炭素原子に置き換えているので、その
ヘテロ原子位置にありえる官能基が置き換えられなかっ
た場合の効果を計算しなくてはならない。そのために、
まず、ステップIIIにおいて、対象分子のヘテロ原子と
多重結合とを入力する。その上で、以下の手順で官能基
効果の計算を行なう。ステップIV-1 :対象分子の全炭素原子につき、以下の手
順(ステップIV-2、ステップIV-3)で官能基効果を加え
た化学シフトを計算する。ステップIV-2 :対象原子(その化学シフトを計算しよう
としている原子)から出発して3結合(γ位)までの原
子を探索し、いずれかがsp3炭素原子以外の原子であ
った場合は官能基効果を計算する。この原子を「官能基
中心原子」と定義し、さらに周辺の原子を含めて官能基
を定義する。
の範囲で行なわれる。また、sはK番目の炭素に結合す
る炭素の数、DMはK番目の炭素に隣接していてM個の
隣接炭素(K番目の炭素を含む)を持つ炭素の数、N3
はK番目の炭素から3番目の炭素の数、N4はK番目の
炭素から4番目の炭素の数、と定義する。図3は、sを
いろいろと変えたときの(1)式の各定数の値を表にし
たものである。すると、図4に示すような構造の3−メ
チルヘプタンのC−5(K=5)については、C−4、
C−6の2つの炭素が結合しているからs=2となり、
C−5に隣接しているC−4、C−6の持つ炭素数はそ
れぞれ2個であるから、D2=2、D3=D4=0とな
る。C−5から3番目の炭素はC−2とC−8の2つだ
からN3=2となる。また、C−5から4番目の炭素は
C−1のみだからN4=1となる。従って、 σc(5)=B2+2・A22+0・A23+0・A24+γ2・2
+Δ2・1=29.7(ppm) となる。 〈官能基効果の演算〉前述したように、本実施例の方法
は、ヘテロ原子を炭素原子に置き換えているので、その
ヘテロ原子位置にありえる官能基が置き換えられなかっ
た場合の効果を計算しなくてはならない。そのために、
まず、ステップIIIにおいて、対象分子のヘテロ原子と
多重結合とを入力する。その上で、以下の手順で官能基
効果の計算を行なう。ステップIV-1 :対象分子の全炭素原子につき、以下の手
順(ステップIV-2、ステップIV-3)で官能基効果を加え
た化学シフトを計算する。ステップIV-2 :対象原子(その化学シフトを計算しよう
としている原子)から出発して3結合(γ位)までの原
子を探索し、いずれかがsp3炭素原子以外の原子であ
った場合は官能基効果を計算する。この原子を「官能基
中心原子」と定義し、さらに周辺の原子を含めて官能基
を定義する。
【0013】図5は、この手法によった場合に、ある分
子内の対象原子からどれだけの結合距離の原子が官能基
効果を有するかを説明したものである。ステップIV-3: 官能基効果は以下の式で近似する。 λ=p・σ+q ここで、λを官能基効果、p、qを官能基および官能基
中心原子と対象原子の結合距離に固有のパラメータ、σ
をLindeman-Adamsの方法で計算した対象原子の13CのN
MR化学シフトとする。
子内の対象原子からどれだけの結合距離の原子が官能基
効果を有するかを説明したものである。ステップIV-3: 官能基効果は以下の式で近似する。 λ=p・σ+q ここで、λを官能基効果、p、qを官能基および官能基
中心原子と対象原子の結合距離に固有のパラメータ、σ
をLindeman-Adamsの方法で計算した対象原子の13CのN
MR化学シフトとする。
【0014】ここで、パラメータpとqと分子構造との
関係について言及する。pとqとは官能基中心原子と対
象原子の結合距離により、次の4通りに分けられる。 x効果:官能基中心原子と対象原子が同一である場合
の、その中心原子が対象原子に及ぼす効果、 α効果:官能基中心原子と対象原子が結合1つだけ隔た
っているである場合の、その中心原子が対象原子に及ぼ
す効果、 β効果:官能基中心原子と対象原子が結合2つだけ隔た
っているである場合の、その中心原子が対象原子に及ぼ
す効果、 γ効果:官能基中心原子と対象原子が結合3つだけ隔た
っているである場合の、その中心原子が対象原子に及ぼ
す効果。
関係について言及する。pとqとは官能基中心原子と対
象原子の結合距離により、次の4通りに分けられる。 x効果:官能基中心原子と対象原子が同一である場合
の、その中心原子が対象原子に及ぼす効果、 α効果:官能基中心原子と対象原子が結合1つだけ隔た
っているである場合の、その中心原子が対象原子に及ぼ
す効果、 β効果:官能基中心原子と対象原子が結合2つだけ隔た
っているである場合の、その中心原子が対象原子に及ぼ
す効果、 γ効果:官能基中心原子と対象原子が結合3つだけ隔た
っているである場合の、その中心原子が対象原子に及ぼ
す効果。
【0015】上記の4つの効果の夫々は、さらに、以下
の3つの構造パラメータ(K1、K2、K3)に応じて分
けられる。 K1:官能基の種類(後述)によって決められるパラメ
ータ、 K2:官能基中心原子と対象原子の間にあって、官能基
中心原子に隣接する原子の非水素結合数によって決めら
れるパラメータ、 K3:対象原子の非水素原子の結合数によって決められ
るパラメータ 上記の、x〜γ効果およびK1〜K3に基づいて分類され
るタイプ毎に既知の測定結果を用いて、パラメータpと
qを前もって決定しておき、この決定しておいたパラメ
ータを用いて官能基効果を求める。
の3つの構造パラメータ(K1、K2、K3)に応じて分
けられる。 K1:官能基の種類(後述)によって決められるパラメ
ータ、 K2:官能基中心原子と対象原子の間にあって、官能基
中心原子に隣接する原子の非水素結合数によって決めら
れるパラメータ、 K3:対象原子の非水素原子の結合数によって決められ
るパラメータ 上記の、x〜γ効果およびK1〜K3に基づいて分類され
るタイプ毎に既知の測定結果を用いて、パラメータpと
qを前もって決定しておき、この決定しておいたパラメ
ータを用いて官能基効果を求める。
【0016】pとqは実測のNMR化学シフト値から以
下に示す手順で最小二乗法により求める。即ち、構造パ
ラメータK1、K2、K3および官能基中心原子と対象原
子の結合距離が1種類のもののデータを集める。この
時、対象原子に対する官能基効果はただ1個の官能基か
らのものである構造を選ぶ。つまり、対象原子から3結
合以内には1個の官能基しかないような構造を選ぶ。こ
れは、他の官能基からのノイズを防ぐためである。この
ようにして集められたデータを以下の一次式にあては
め、最小二乗法によりpとqとを計算する。
下に示す手順で最小二乗法により求める。即ち、構造パ
ラメータK1、K2、K3および官能基中心原子と対象原
子の結合距離が1種類のもののデータを集める。この
時、対象原子に対する官能基効果はただ1個の官能基か
らのものである構造を選ぶ。つまり、対象原子から3結
合以内には1個の官能基しかないような構造を選ぶ。こ
れは、他の官能基からのノイズを防ぐためである。この
ようにして集められたデータを以下の一次式にあては
め、最小二乗法によりpとqとを計算する。
【0017】 Y−X=p・X+q .......... (2) ここで、Xは官能基を飽和炭化水素骨格に変換した構造
での対象原子の化学シフトであり、前述のLindeman-Ada
msの方法で計算される。Yは対象原子について実測した
化学シフトである。なお、NMRの実測値を得た化合物
の集合があれば、その中の非等価な原子の数だけのNM
R化学シフト値が得られており、これらのデータ中から
a、bを求めるのに必要なデータを選び出すことにな
る。 〈官能基計算サブルーチンの共通化〉官能基を表現する
パラメータを同一形式とすれば、官能基効果を計算する
サブルーチンを共通化することができる。即ち、官能基
の種類の表現に、原子は元素の種類と、結合電子の混成
と、非水素原子結合定数とで表現する。官能基を構成す
る原子を、 A0、A1、A2、A3、A4、A5 で表す。ここで、A0はヘテロ原子の種類を、A1〜A5
を各原子の種類を示す文字列とする。そして、この6つ
の原子の、元素の種類と混成と非水素原子結合定数をパ
ラメータ化する。図7は、6つの原子(A0、A1、
A2、A3、A4、A5)からなる官能基の取り得る構造
を、数字0〜5を用いて表現したものである。
での対象原子の化学シフトであり、前述のLindeman-Ada
msの方法で計算される。Yは対象原子について実測した
化学シフトである。なお、NMRの実測値を得た化合物
の集合があれば、その中の非等価な原子の数だけのNM
R化学シフト値が得られており、これらのデータ中から
a、bを求めるのに必要なデータを選び出すことにな
る。 〈官能基計算サブルーチンの共通化〉官能基を表現する
パラメータを同一形式とすれば、官能基効果を計算する
サブルーチンを共通化することができる。即ち、官能基
の種類の表現に、原子は元素の種類と、結合電子の混成
と、非水素原子結合定数とで表現する。官能基を構成す
る原子を、 A0、A1、A2、A3、A4、A5 で表す。ここで、A0はヘテロ原子の種類を、A1〜A5
を各原子の種類を示す文字列とする。そして、この6つ
の原子の、元素の種類と混成と非水素原子結合定数をパ
ラメータ化する。図7は、6つの原子(A0、A1、
A2、A3、A4、A5)からなる官能基の取り得る構造
を、数字0〜5を用いて表現したものである。
【0018】各原子は、 F、n1、n2 により表現する。ここで、Fは元素記号を、n1は混成
の種類を、n2は非水素原子の結合数を意味する。さら
に、混成を6種類とし、0〜5の数字でパラメータ化し
た。
の種類を、n2は非水素原子の結合数を意味する。さら
に、混成を6種類とし、0〜5の数字でパラメータ化し
た。
【0019】0:sp3 1:sp2 2:sp 3:定義なし 4:アロマテイック(aromatic) 5:アレン(allen) すると、代表的な官能基について、それらを構成する6
つの原子の表現パラメータ(A0、A1、A2、A3、
A4、A5)夫々の構造パラメータ(F、n1、n2)と、
各官能基について実験的に求めたパラメータp、qを図
7に示す。
つの原子の表現パラメータ(A0、A1、A2、A3、
A4、A5)夫々の構造パラメータ(F、n1、n2)と、
各官能基について実験的に求めたパラメータp、qを図
7に示す。
【0020】なお、官能基のどの部分を計算に用いるか
は、官能基中心原子と対象原子の結合距離に応じて変え
る。結合距離が3結合である場合(γ効果)は、そのよ
うな対象原子の寄与は弱いので無視し、中心原子のみを
用いる。距離が2結合(β効果)ある例を図8〜図12
に示す。図8〜図12において、obsは対象原子を、
0〜5の数字は原子を、そして、0を官能基中心原子を
表すものとする。β効果の場合は、sp3(図8)と芳
香環(図9)については、0の位置の原子(即ち、官能
基中心原子)を計算の対象とする。また、二重結合(図
10)の場合は、0、1、3の位置にある原子を計算の
対象とし、三重結合(図11)の場合は0と1にある原
子を計算の対象とし、アレン(図12)の場合は0、
1、3の原子を計算の対象とする。なお、二重結合、三
重結合、アレンの場合において、1と3の位置の原子の
非結合水素数を計算の対象にしない。
は、官能基中心原子と対象原子の結合距離に応じて変え
る。結合距離が3結合である場合(γ効果)は、そのよ
うな対象原子の寄与は弱いので無視し、中心原子のみを
用いる。距離が2結合(β効果)ある例を図8〜図12
に示す。図8〜図12において、obsは対象原子を、
0〜5の数字は原子を、そして、0を官能基中心原子を
表すものとする。β効果の場合は、sp3(図8)と芳
香環(図9)については、0の位置の原子(即ち、官能
基中心原子)を計算の対象とする。また、二重結合(図
10)の場合は、0、1、3の位置にある原子を計算の
対象とし、三重結合(図11)の場合は0と1にある原
子を計算の対象とし、アレン(図12)の場合は0、
1、3の原子を計算の対象とする。なお、二重結合、三
重結合、アレンの場合において、1と3の位置の原子の
非結合水素数を計算の対象にしない。
【0021】距離が1結合(α効果)ある例を図13〜
図17に示す。図13〜図17において、0〜5の数字
は原子を、そして、0を官能基中心原子を、obsは対
象原子を、0〜5の数字は原子を、そして、0を官能基
中心原子を表すものとする。距離が1結合だと、sp3
(図13)では2の原子が対象原子に一致し、芳香環
(図14)では3の原子が対象原子に一致し、二重結合
(図15)、三重結合(図16)、アレン(図17)で
は2の原子が対象原子に一致する。そして、α効果を考
慮するときは、sp3(図13)では3、4、5の原子
を計算対象にし、芳香環(図14)については0、1、
2、4、5の原子を計算対象にし、二重結合(図13)
については0、1、3、4、5の原子を計算対象にし、
三重結合(図16)については0、1、4の原子を対象
にし、アレン(図17)の場合は0、1、3、4の原子
を計算の対象とする。なお、二重結合、三重結合、アレ
ンの場合において、4の位置の原子の非結合水素数を計
算の対象にしない。
図17に示す。図13〜図17において、0〜5の数字
は原子を、そして、0を官能基中心原子を、obsは対
象原子を、0〜5の数字は原子を、そして、0を官能基
中心原子を表すものとする。距離が1結合だと、sp3
(図13)では2の原子が対象原子に一致し、芳香環
(図14)では3の原子が対象原子に一致し、二重結合
(図15)、三重結合(図16)、アレン(図17)で
は2の原子が対象原子に一致する。そして、α効果を考
慮するときは、sp3(図13)では3、4、5の原子
を計算対象にし、芳香環(図14)については0、1、
2、4、5の原子を計算対象にし、二重結合(図13)
については0、1、3、4、5の原子を計算対象にし、
三重結合(図16)については0、1、4の原子を対象
にし、アレン(図17)の場合は0、1、3、4の原子
を計算の対象とする。なお、二重結合、三重結合、アレ
ンの場合において、4の位置の原子の非結合水素数を計
算の対象にしない。
【0022】結合距離が0の場合(x効果)を図18〜
図21に示す。距離が0だと、0の原子が対象原子に一
致する。そして、x効果を考慮するときは、sp3(図
18)では0、2、3、4、5の原子を計算対象にし、
二重結合(図19)については0、1、2、3、4、5
の原子を計算対象にし、三重結合(図20)については
0、1、2、4の原子を対象にし、アレン(図21)の
場合は0、1、2、3、4の原子を計算の対象とする。
なお、二重結合、三重結合、アレンの場合において、
2、3、4、5の位置の原子の非結合水素数を計算の対
象にしない。
図21に示す。距離が0だと、0の原子が対象原子に一
致する。そして、x効果を考慮するときは、sp3(図
18)では0、2、3、4、5の原子を計算対象にし、
二重結合(図19)については0、1、2、3、4、5
の原子を計算対象にし、三重結合(図20)については
0、1、2、4の原子を対象にし、アレン(図21)の
場合は0、1、2、3、4の原子を計算の対象とする。
なお、二重結合、三重結合、アレンの場合において、
2、3、4、5の位置の原子の非結合水素数を計算の対
象にしない。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の有機化合
物のNMR化学シフトの演算方法およびその方法を用い
た演算装置によれば、リンデマン−アダムスの方法によ
る演算や官能基効果の演算もパーソナルコンピュータ程
度で行なうことができる。
物のNMR化学シフトの演算方法およびその方法を用い
た演算装置によれば、リンデマン−アダムスの方法によ
る演算や官能基効果の演算もパーソナルコンピュータ程
度で行なうことができる。
【図1】 本発明の演算方法の一例の手順を概略的に表
す図。
す図。
【図2】 本発明を適用した実施例の演算装置のブロッ
ク図。
ク図。
【図3】 リンデマン−アダムスの方法に用いられる各
種パラメータの値を表として表した図。
種パラメータの値を表として表した図。
【図4】 リンデマン−アダムスの方法を適用する対象
の一例の分子構造図。
の一例の分子構造図。
【図5】 実施例による官能基効果が及ぶ範囲を示す
図。
図。
【図6】 官能基をパラメータ化するときの原子の配置
位置を数字化した模式図。
位置を数字化した模式図。
【図7】 官能基を表すパラメータとパラメータp、q
とをテーブル化した図。
とをテーブル化した図。
【図8】 sp3についてのβ効果を考慮する範囲を示
す図。
す図。
【図9】 芳香環についてのβ効果を考慮する範囲を示
す図。
す図。
【図10】 二重結合についてのβ効果を考慮する範囲
を示す図。
を示す図。
【図11】 三重結合についてのβ効果を考慮する範囲
を示す図。
を示す図。
【図12】 アレンについてのβ効果を考慮する範囲を
示す図。
示す図。
【図13】 sp3についてのα効果を考慮する範囲を
示す図。
示す図。
【図14】 芳香環についてのα効果を考慮する範囲を
示す図。
示す図。
【図15】 二重結合についてのα効果を考慮する範囲
を示す図。
を示す図。
【図16】 三重結合についてのα効果を考慮する範囲
を示す図。
を示す図。
【図17】 アレンについてのα効果を考慮する範囲を
示す図。
示す図。
【図18】 sp3についてのx効果を考慮する範囲を
示す図。
示す図。
【図19】 二重結合についてのx効果を考慮する範囲
を示す図。
を示す図。
【図20】 三重結合についてのx効果を考慮する範囲
を示す図。
を示す図。
【図21】 アレンについてのx効果を考慮する範囲を
示す図。
示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 9118−2J G01N 24/00 B
Claims (3)
- 【請求項1】 有機化合物の分子の想定構造から、その
分子を構成する各原子のNMR化学シフトを演算する方
法であって、 a:前記分子のヘテロ原子を炭素に、そして(又は)多
重結合を単結合に、仮想的に置き換え、その置き換えた
構造中のすべての炭素原子のNMR化学シフトを、リン
デマン−アダムスの方法で演算する工程と、 b:前記置き換えられたヘテロ原子位置および多重結合
位置における官能基の夫々について、各官能基の種類
と、各官能基の中心原子と対象原子との距離毎に、当該
官能基による官能基効果を演算し、 c:bで演算された各官能基について演算された官能基
効果を、aにおいてリンデマン−アダムスの方法で演算
されたNMR化学シフトに加える工程とを具備すること
を特徴とする有機化合物のNMR化学シフトの演算方
法。 - 【請求項2】 有機化合物の分子の想定構造から、その
分子を構成する各原子のNMR化学シフトを演算する演
算装置であって、 前記分子の構造を入力して記憶する手段と、 記憶されたされた分子構造中のヘテロ原子を炭素に、そ
して(又は)多重結合を単結合に、仮想的に置き換え、
置き換えられた母核を記憶する操作手段と、 その置き換えた母核構造中のすべての炭素原子のNMR
化学シフトを、リンデマン−アダムスの方法で演算する
演算手段と、 前もって、ヘテロ原子位置および多重結合位置における
官能基の夫々について、各官能基の種類と、各官能基の
中心原子と対象原子との距離毎に、当該官能基による官
能基効果を演算し、その演算値を官能基効果値として記
憶するメモリ手段と、 前記メモリ中から、前記母核構造中のヘテロ原子位置に
おける官能基の夫々について、該各官能基の夫々の対象
原子について、各官能基の種類と、各官能基の中心原子
と対象原子との距離とをキーにして前記メモリ手段中の
官能基効果値を索引して読み取る手段とを具備し、 前記演算手段で計算された化学シフトと読み取り手段で
読み取られた官能基効果値とに基づいて当該分子のNM
R化学シフトを演算することを特徴とする有機化合物の
NMR化学シフトの演算装置。 - 【請求項3】 請求項2の演算装置において、官能基効
果γは、リンデマン−アダムスの方法で演算された化学
シフト値σと比例定数pとの積と初期値qとの和で近似
され、各官能基についての前記比例定数pと初期値q
は、前もって、官能基中心原子と分子中の各原子との距
離と、各原子の種類と、その各原子の混成と、その各原
子と非水素原子の結合数とをパラメータとしてテーブル
化され、前記メモリ手段に記憶されている。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4190579A JPH0634730A (ja) | 1992-07-17 | 1992-07-17 | 有機化合物のnmr化学シフトの演算方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4190579A JPH0634730A (ja) | 1992-07-17 | 1992-07-17 | 有機化合物のnmr化学シフトの演算方法およびその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0634730A true JPH0634730A (ja) | 1994-02-10 |
Family
ID=16260413
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4190579A Pending JPH0634730A (ja) | 1992-07-17 | 1992-07-17 | 有機化合物のnmr化学シフトの演算方法およびその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0634730A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014207670A1 (en) * | 2013-06-25 | 2014-12-31 | Council Of Scientific & Industrial Research | Simulated carbon and proton nmr chemical shifts based binary fingerprints for virtual screening |
CN118351983A (zh) * | 2024-05-22 | 2024-07-16 | 西南石油大学 | 保留官能团的等键反应构造方法 |
-
1992
- 1992-07-17 JP JP4190579A patent/JPH0634730A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014207670A1 (en) * | 2013-06-25 | 2014-12-31 | Council Of Scientific & Industrial Research | Simulated carbon and proton nmr chemical shifts based binary fingerprints for virtual screening |
US10216910B2 (en) | 2013-06-25 | 2019-02-26 | Council Of Scientific & Industrial Research | Simulated carbon and proton NMR chemical shifts based binary fingerprints for virtual screening |
CN118351983A (zh) * | 2024-05-22 | 2024-07-16 | 西南石油大学 | 保留官能团的等键反应构造方法 |
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