JPH06342750A - 近接効果の補正方法 - Google Patents

近接効果の補正方法

Info

Publication number
JPH06342750A
JPH06342750A JP3340077A JP34007791A JPH06342750A JP H06342750 A JPH06342750 A JP H06342750A JP 3340077 A JP3340077 A JP 3340077A JP 34007791 A JP34007791 A JP 34007791A JP H06342750 A JPH06342750 A JP H06342750A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pixel
electron beam
exposure
pattern
pixels
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3340077A
Other languages
English (en)
Inventor
Geraint Owen
ゲレーント・オーウェン
Hua-Yu Liu
ファ・ユ・リュー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HP Inc
Original Assignee
Hewlett Packard Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hewlett Packard Co filed Critical Hewlett Packard Co
Publication of JPH06342750A publication Critical patent/JPH06342750A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】電子ビーム描画において、電子ビームの後方散
乱に起因する近接効果を補正し、描画精度の向上した一
回描き描画を実現する。 【構成】描画すべき所定パターンとその相補パターンを
画素に分割し、露光の模擬を行う。所定パターン内画素
には直接ビームを、相補パターン内画素には後方散乱効
果ビームを照射して、各画素の累積露光量を計算し、そ
の露光量となるように描画電子ビーム電流を変調し、一
回の描画で描き切る。OwenとRissman の方法と同等の品
質で高速である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は一般に電子ビーム描画法に
関するものであり、更に詳細には、材料の所定層の電子
ビーム露光を電子の後方散乱により生ずる近接効果につ
いて補正することに関する。
【0002】
【発明の従来技術とその問題点】T.H.P.Chan
gがJourn.Vac.Sci.Tech.,vo
l.12(1975)、1271〜1275で、および
その他の著者が記しているように、入射電子ビームによ
る一様な露光が、直接露光域内の電子およびその材料の
裏貼りとして働く基板内の電子の後方散乱により、パタ
ーン領域に一様でないエネルギ堆積の分布を生ずる可能
性がある。大きなパターン要素は小さなパターン要素よ
り露光を多く受け、分離されたパターン要素は電子ビー
ムに露光される他のパターン要素に隣接しているパター
ン要素より少い露光を受ける。更に、パターン要素の中
央にある小さな露光領域は、その中央領域を取囲む隣接
領域ら、パターン要素の縁に隣接する小さい領域が受け
るより多い露光を受ける。所定の線群を照射すれば、こ
れら各線を囲んで広がる吸収エネルギは、とりわけ、線
の幅および線と線との間隙幅によって左右される。Ch
angは、前掲書中で、1μmより小さい線幅および間
隙幅に対する露光量の変動は20keVのビームエネル
ギのとき特に面倒である。
【0003】以前の研究者達は、電子ビームリトグラフ
ィの解像度を減らす近接効果および他の効果を補償すべ
く多数の方法により探究してきた。Greeneich
は、米国特許第4,264,711号で、近接効果によ
りパターン要素の縁に近い電子ビーム露光が、パターン
要素内部の正味のビーム露光に比し、かなり減ることを
述べている。Greeneichは、パターン要素内の
この非一様性を、パターン要素の周辺部をパターン要素
の内部領域に対する露光時間よりかなり長い時間電子ビ
ームにさらすことにより矯正している。
【0004】OwenおよびRissmanは、米国特
許第4,463,265号で、所定パターンを露光する
第1のビーム照射と材料の表面上の相補パターンのすべ
ての点を露光する第2の電子ビーム照射とを行うことを
開示している。二つのビーム照射を別々の時間に行い、
第2の照射のビームパラメータを、材料を通じて電子の
後方散乱により一様な背景エネルギ堆積を生ずるように
選択する。同様な結果は、OwenおよびRissma
nによりJour.Appl.Phys,vol.54
(1983)、pp.3573〜3581に開示されて
いる。
【0005】Nakasuji他も、米国特許第4,7
43,766号で、二電子ビーム照射を行い、同じ仕方
で近接効果を補償することを提案している。ただし、二
つの別々の露光を行うのではなく、Nakasuji等
は、ビームを被照射パターンから遠ざけて消去するので
はなく、ビームを減衰し、焦点をぼかす特殊な電子ビー
ム手段の使用を開示している。
【0006】Nicholasに対して発行された米国
特許第4,746,587号は、陰極投射システムおよ
び選択的光電子放出を利用したOwenおよびRiss
manの方法の使用を開示している。
【0007】電子ビームリトグラフィの集積回路製作へ
の応用では、基板に取付けられ電子ビームを通過させる
電子ビームレジスト層のパターニングにリトグラフィを
適用することが非常に多い。レジスト材料を通過する入
射電子は、基板材料内の原子により散乱され、後方散乱
されさえするので、これら入射電子のかなりな割合がレ
ジスト材料に戻り、レジスト層を不要に露光させてレジ
スト層のパターンの所要コントラストを減少させる。パ
ターン領域のコントラストはその領域のパターン密度に
依存する。そして、この近接効果によりパターン密度に
よって変る寸法誤差が生ずる。近接効果は、普通言われ
ているように、解像度の損失を生じないことに注目する
こと。基板の原子による散乱の効果の一例は、前掲のO
wenおよびRissmanの特許の図1に示されてい
る。
【0008】電子輸送のモンテカルロシミュレーション
を行って、前掲の、Changは、0.6μmのPMM
Aレジストで被覆されたシリコンウェーハに入射され、
室温で60秒間現像される25keVの電子ビームの露
光強度分布(「EID」、電子エネルギ堆積の尺度)を
実験的に調べている。Changは、EIDを、二つの
ガウス分布の和、すなわちE(γ)=C1 exp[−
(γ/B1 2 ]+C2exp[−γ/B2 2 ]によ
り厳密に近似し得ることを見出した。ただしB2/B1
1でありC2 /C1 <1である。EID関数E(γ)
の第2項は、後方散乱電子によるレジストの追加露光を
表わしており、これに関連する現象は、近接効果として
知られている。集光後のビーム幅が約0.5μm以下の
入射電子ビームの場合、後方散乱電子により露光される
領域の半径は、初期ビームエネルギ20keVのとき約
2μmとすることができる。後方散乱によりレジストに
供給される全エネルギの進行電子に対する比は従来か
ら。ηe で表わされている。Changの式を参照し
て、 ηe =C2 b 2 /C1 b 2 ηe は「後方散乱エネルギ係数」として一般的に知られ
ている。
【0009】Jackel他は、Appl.Phys.
Lett.vol.45(1984),pp.698〜
700で、20〜120keVの初期ビームエネルギE
について、ηe の実験的測定値が0.70〜0.78の
範囲にあることを発表し、η e とビームエネルギとはほ
ぼ無関係であると結論している。Jackel他はま
た、レジスト材料内の電子の範囲βは、ほぼE1.7 に比
例して増大することを見出しているが、これはモンテカ
ルロシミュレーションを行ってレジスト材料内の電子ビ
ーム散乱を調査したParikhおよびKyserの、
Jour.Appl.Phys.vol.50(197
9)、pp.1104〜1111での結論と一致する。
【0010】後方散乱電子のコントラストに及ぼす影響
は、前掲の、OwenおよびRissmanの特許にそ
の図3A、図3B、図3C、図4A、図4Bおよび図4
Cに関連して説明され且つ図示してある。電子ビームリ
トグラフィからの所要パターン線に対応する一連のピー
クの高さは同じ最大高さ(ピーク)または同じ最小高さ
(谷)を持たないので、パターン線の「中心」での露光
量は一様でないことがわかっている。隣接線間の空間の
露光量も一様でない。
【0011】近接効果を補償する幾つかの方法が提案さ
れており、それには(1)ドーズ補正による補償、
(2)パターン形状補正による補償、および(3)多層
レジスト膜の使用による補償がある。これら各技法は後
方散乱エネルギ分布を不完全にしか補償しないのでパタ
ーン寸法の誤差がなお幾らか存在する。レジスト材料内
の後方散乱電子による付加ビームエネルギの存在および
堆積を一層精密に補償する方法が必要である。望ましく
は、その方法は、レジスト材料の露光域を一回描画のラ
スタ式またはベクトル走査式で電子ビームを照射させる
のがよい。
【0012】
【発明の目的】本発明の目的は、近接効果を1回描画で
補正し、露光されたパターンの誤差を減少させることで
ある。
【0013】
【発明の概要】前記目的は、他のドーズ方式の場合のよ
うに、ビームが所定のパターンを走査横断するにつれて
電子ビームの電荷密度を変えるドーズ補正方式により達
成される。所要のドーズ変化を計算するために露光前に
所定のパターンデータを予備処理する。特に、予備処理
機構は、OwenおよびRissmanの機構と類似で
はあるが、それとは異なり、予備処理計算時にその技法
で使用した補正露光の効果を模擬する。以前の研究者達
は近接効果を補正するのに第2の露光を行う必要があっ
たが、ここではこれが不要である。その上、本発明で
は、入射電荷密度を、パターンがレジスト材料に書込ま
れるにつれて、変えなければならない。
【0014】予備処理計算は次のように行われる。パタ
ーン領域内の各画素にコンピュータ内の記憶場所を割当
てる。所定のパターンの各画素に対応する各記憶場所
に、電子ビームにより堆積された照射電荷密度に対応す
る直接ビーム露光数Qf を割当てる。次に、コンピュー
タは相補パターン(すべての画素は所定パターンにな
い)の各画素に移動し、その画素の中心の周りに半径R
b (1+ηe -1/4の円を「描く」。補正ビーム露光Q
f ηe 2 /πRb 2 (1+ηe1/4をこの円内にある
各画素に加える。画素が円と交差している場合、画素面
積の50%を超える部分が円内にあれば、その画素を完
全に円内に入っているものとして取扱う。所定のパター
ン内および相補パターン内のすべての画素がここで述べ
たように処理されてしまったとき予備処理は完了する。
【0015】露光は、各画素で、入射電荷密度を対応す
る記憶場所に格納されている数で変調することにより行
われる。この方法に関する新規な点は、予備処理計算と
単一描画露光とである。特に、この改善された方法の計
算時間は、使用する画素の全数Nと共にほぼ直線的に増
加する。対照的に、従来のドーズ補正方式は、一層計算
集約的であって、計算時間は典型的にはN3 で増大す
る。この方式は計算が簡単であり、必要な算術演算が画
素の数と共に直線的に増大するだけであり、補正の有効
性が前掲のOwenおよびRissmanの特許に提示
された方法のものとほとんど同じ程良好なはずである。
手順に固有の量子化によりわずかな悪化が生ずることは
あるが、これは非常に小さいはずである。この方式によ
れば、OwenおよびRissmanの特許で企図して
いるような電子ビームを物理的に焦点をはずすことによ
り発生する「シルクハット型」関数よりも更に良好なド
ーズ分布を模擬することができる。
【0016】
【発明の実施例】図5を参照すると、曲線21は、レジ
スト材料の露光面に入射するビームの電子からの、単位
体積あたりの直接ビームエネルギ堆積の分布を、ビーム
の中心からの半径方向変位γの関数として表わしてい
る。電子ビームはほぼ単一エネルギ的であると仮定して
いる。ビーム電子は、レジスト材料を最初に通過するに
つれて減速し、そのエネルギの一部を個々の電子の軌道
に沿ってレジスト材料に堆積する。このようにして堆積
されたエネルギを前方散乱エネルギ堆積と言う。ビーム
電子はレジスト材料を通過してから、基板または裏貼り
材料に入り、更に散乱される。ビーム電子の一部はレジ
スト材料に散乱し戻されて、「後方散乱エネルギ堆積」
として知られているエネルギ堆積を更に生ずる。これを
図5の曲線23で厳密に近似している。図5に示す曲線
21および23は形状がほぼガウス曲線で、次のパラメ
ータを有する。 Ef (γ)=exp(−γ2 /Rf 2 )Qf ΔVf /πRf 2 h (1) Eb (γ)=exp(−γ2 /Rb 2 )Qb ΔVf /πRb 2 h (2) ここで、Rf およびRb はそれぞれ直接ビームおよび後
方散乱ビームのe-1(ここでeは自然対数の底)ビーム
幅を表わし、Qf は基板に入射する電荷の直接ビーム密
度(C/cm2 で表わす)であり、hはレジスト膜の厚
さであり、ΔVf は前進電子が膜を通過するとき前進電
子により失われる平均エネルギである。
【0017】厚さ5000 のRMMAレジストで被覆
したシリコンウェーハに入射する20keVのビームの
場合、パラメータRf 、Rb 、Qf 、およびQb はほぼ Rf は0.1〜0.2μm (3) Rb は2μm, (4) ηe は0.7 (5) で与えられる。ここでηe は後方散乱パラメータ(即わ
ち後方エネルギ係数)である。この電子後方散乱の結
果、レジスト材料(「薄い」と仮定する)に堆積される
後方散乱電子ビームエネルギの半径方向分布で直接ビー
ムのみにより照射される厳密に規定した所定パターン領
域に隣接する領域のレジスト膜が不必要に付加露光され
る。図5の曲線25は、二つのエネルギ堆積の和E
p (γ)=Ef (γ)+Eb (γ)を表わしており、こ
れはパターン照射の結果受けた全エネルギ堆積をビーム
中心からの半径方向変位の関数として表わしたものであ
る。後方散乱電子によるレジスト材料の余分な露光によ
り近接効果として知られている現象が生じ、回路図形の
幅が約1μm以下の場合、回路図形の寸法にかなり影響
する可能性がある。たとえば、直接ビームの幅が約0.
5μmである場合、後方散乱電子により露光される領域
は、シリコンウェーハ基板で裏打ちされた厚さ0.5μ
mのレジスト層に入射する20keVの電子ビームにつ
いて約2μmである。
【0018】一連の、ほぼ平行な、間隔を置いて設けら
れた線を電子ビーム照射により画定しようとする場合、
これらの線に対する電子後方散乱が存在するとき、およ
び存在しないときのエネルギ堆積の分布は、Owenお
よびRissmanの特許の、それぞれ図3Aおよび図
3Bに示されている。前掲のOwenおよびRissm
anの特許の図3Bに、それぞれ包絡線27および27
で表わされている背景エネルギ堆積およびピークエネル
ギ堆積の高さは電子後方散乱が存在するとき一様でない
ことに注目すべきである。
【0019】図2Aは、露光面31にあるパターンの一
例の平面図であって、所定パターンに対する直接ビーム
で照射される所定パターン要素33A、33B、33
C、33D、33E、および33Fを備えている。第2
の電子ビームは、補正露光ビームと言うが、要素35
A、35B、35C、35D、35E、35F、および
35Gを含む相補パターンを照射する。相補パターン3
5は、所定パターン31の一部とならないレジスト材料
の露光面上のすべての点から構成されている。
【0020】OwenおよびRissmanの特許で
は、この方法で補正すべき近接効果に対して次の関係を
満たさなければならないことが示されている。直接ビー
ム露光に使用する電流密度をQf (C/cm2 )、エネ
ルギ後方散乱係数をηe 、および後方散乱エネルギ分布
のe-1半径をRb としよう。こうすれば、補正ビーム露
光に対し、必要な電流密度は Qc =Qf ηe /(1+ηe ) (6) であり、ぼかし補正露光ビームの所要半径は R’=Rb (1+ηe -1/4 (7) である。
【0021】本発明では先づ補正露光をコンピュータで
模擬し、次いで補正を実行する。対応する電荷を露光手
段のビーム電流を適切に変調することにより供給する。
【0022】図3に示す画素の集まりの中で、画素43
のように斜線を施した画素で示した所定パターン41を
考える。画素53のような空白の各画素は相補パターン
に属しており、画素43のような斜線を施した各画素は
模擬した(所定の)パターンに属している。所定パター
ン内の各画素はRf が画素の辺の長さdにほぼ等しい)
かまたは2Rf が画素の直径にほぼ等しいとして、対応
する画素の中心に位置する半径Rf の直接電子ビームに
より照射される。
【0023】図4Aは、図3に示す所定模擬パターン内
の画素43への直接電子ビームの投射を示す。相補パタ
ーン内の各画素は、その画素の中心にあってその電荷密
度がηe f 2 /πRb 2 (1+ηe 1/2 =XQf
である半径方向に対称な補正露光により照射される。
後者の電荷密度はこの中心画素に、およびその中心がこ
の中心画素にあって半径がR’=Rb (1+ηe -1/4
である円内にあるすべての画素に加えられる。これは相
補パターン内の各画素について行われる。各画素は、所
定の模擬パターンに属していようと相補模擬パターンに
属していようと、1画素をほぼ覆う半径Rf のビームに
より実際に照射されることに注目する。しかし、模擬の
目的で、補正露光ビームは、模擬半径R’=Rb (1+
ηe -1 /4を有するとして取扱う。図4Bは、画素53
の中心に中心があり、半径R’=2.5dを有する模擬
補足ビームを示す。
【0024】境界の近くにある所定模擬パターンの各画
素に関連する累積電流密度または露光および模擬相補パ
ターン内の各画素に関連する累積露光は、これら各照射
画素の近くの所定パターンおよび相補パターンの相対的
形状に従って変化する。図2Bは、以下の構成例に対す
る各種画素に関連する累積露光を示している。(1)相
補パターン内のより広い二つの構成要素35Aおよび3
5Bに隣接する孤立した狭い所定パターン線33A、
(2)所定パターン内のより広い二つの構成要素33B
および33Cに隣接する相補パターン内の孤立した狭い
線35C、および(3)相補パターンの一連の狭い線ま
たは他の構成要素35D、35E、35F、および35
Gにより隔てられた、所定パターンの一連の狭い線33
D、33E、および33F。模擬所定パターンの画素に
対する「余分の」露光、または過剰電流密度(または電
荷)Q−Qf 、および模擬相補パターンの画素に対する
過剰電流密度(または電荷)Q−XQf は、相補パター
ンの各画素に対して模擬補正露光ビーム半径R′=Rb
(1+ηe -1/4>>Rf を使用したことから生ずる
「こぼれ」の効果を実証している。図2Bの35Cのよ
うな孤立した相補パターン画素は、最小電流密度または
このような画素に関連する露光XQを有するに過ぎな
い。図2Bに示す三つの例で所定または相補パターンの
境界近くに現存するすべての可能性を包含するつもりは
ない。
【0025】補正露光ビーム(図4Bに示す画素53の
ような、模擬相補パターンの画素に中心がある)に対し
て放射を各画素に割当てるためにここに使用するアルゴ
リズムは、その画素の面積の少くとも半分が半径R′の
円で覆われていれば、補正露光ビーム露光XQf の放射
の1単位を画素に割当てる。その画素の面積の半分未満
がその円で覆われている場合には、その画素にはその特
定の補正露光に対して0放射露光が割当てられる。
【0026】電子ビームの近接効果を補正するのに使用
される方法の一実施例を図1に示してある。最初の段階
61で、模擬画素の集合を、各画素が同じ形状および同
じ面積を有し、恐らく画素境界点に存在する以外は二つ
の画素が重ならず、しかも露光面上の各点が少くとも一
つの画素に属するようにして、露光面上に敷設する。第
2および第3の段階63および65で、記憶場所を前記
集合の中の各画素に割当て、始めに各記憶場所に0を格
納する。(段階65)。第4の段階67で、模擬した所
定パターンの第1の画素を識別する。段階69Aで、直
接ビーム露光の計算値Qf をこの第1の画素の記憶場所
に加え、この段階を模擬所定パターンの各画素について
繰返す(段階69Aま、69B、および69C)。段階
71で、模擬相補パターンの第1の画素(「C画素」即
ち模擬相補パターン内の画素)を識別する。段階73A
で、補正ビーム露光量XQf をその画素の記憶場所およ
び今取り上げたC画素の中心から距離R′=Rb /(1
+ηe 1/4 以内にある(いずれかの模擬パターンに属
する)すべての画素の記憶場所に加え、この照射段階を
模擬相補パターンの各C画素について繰返す(段階73
A、73B、および73C)。これで模擬露光の計算が
終る。
【0027】実際のパターンを(すべての画素を横断す
る一回描画で)露光したら、画素に対するドーズをその
画素に対応する記憶場所に格納されている累積露光値に
従って変調する。変調は、ビーム電流を変えることによ
り、または各画素での滞留時間を変えることにより行う
ことができる。実際のパターン内の画素を横断する電子
ビームの走査は、ラスタ走査またはベクトル走査を使用
することができる。特定の模擬所定パターンの画素また
はC画素に中心のある模擬露光から生ずる隣接画素の露
光の計算では、前方散乱電子ビーム電流密度分布Jの半
径方向の分布は、図6の曲線8で示されるような、 J1 (r)=J0 rがR1 ′に等しいはより小さいとき、 (8) =0 r>R1 ′のとき (8) R1 ′=Rf またはR′ (9) で示される、シルクハット形分布のものに似ていると仮
定されている。電流密度J(r)の一層正確な記述は、
ガウス分布により下記のように与えられる。 J2 (γ)=J0 exp 〔−γ2 /R2 〕 (10) J20≒J0 (11) R2 ≒R1 (12) S0 J(γ)2πγdr=πJ0 2 2=πJ0 R′2 (13) 但しS0は0から無限大までの定積分記号である。シル
クハット形密度分布J1(γ)をガウス電流分布または
他の非一様電流密度分布J2 (γ)で置換えれば、現在
ビームの中心になっている「中心」画素は、正方形状画
素に対して ∫d/2dx∫d/22 (〔X2 +y2 1/2 )dy= πR2 220O O (14) (IO O は積分値を表わす,Sd/2-d/2から+d/2
での定積分を表わす)という特定のビームからの全露光
を受けることになる。この置換により、その中心が「中
心」画素(m=0、n=0)に対してデカルト座標(Δ
x,Δy)=(md、nd)だけ変位している画素は、 S(m-1/2)ddxS(n-1/2)d2 (〔x2 +y2 1/2 )dy= πR2 220m,n (15) (Im,n は積分値を表わすS(m+1/2)d,S(n+1/2)dはそ
れぞれ(m-1/2)dから(m+1 /2)dまでの定積分と(n-1/2)d
(n+1/2)dまでの定積分を表わす)というその特定ビー
ムからの全露光を受けることになる。比d/R2 が不変
であれば、整数mおよびnに対する積分Im,n は数値的
に計算することができ、各画素に対するビーム露光の全
寄与を決定して各画素に対するシルクハット形累積露光
の代りに使用することができる。
【0028】特性ビーム半径Rf を有する、一般正規化
電流密度分布Jf (γ;Rf )を直接ビームに対して使
用する場合には、基板およびレジスト材料の中の電子の
後方散乱により、これに応じてレジスト材料内に正規化
電流密度分布Jb (γ;Rb)を生ずる。ただしJ
b (γ;Rb )=Jf (Rf γ/Rb ;Rb )。直接ビ
ーム(模擬所定パターン)に対する(非正規化)エネル
ギ堆積がQf f (γ;Rf )に比例すれば、補正露光
ビームエネルギ堆積は、Qb b (γ;R′)に比例す
る。ただしQb =ηe f /(1+ηe )、R′=Rb
(1+ηe -1/4である。
【0029】カットオフしきい値を、一般的電流分布、
図6の曲線81および83により示したシルクハット形
分布またはガウス分布を使用して計算した累積露光に適
用することができる。すべてのビームにより特定の画素
の照射の累積露光に対してカットオフしきい値Q
thr (>=XQf )を比較的高く、たとえばQthr をQ
f 近くまたはやや低目に設定すれば、(半径R′=Rb
(1+ηe -1/4の)補正露光ビームによる、C画素に
中心を有する実質上すべての放射が無視され、模擬所定
パターンの画素に中心を有するビームから生ずる露光だ
けが含まれることになる。このような場合は、図2Bに
示す累積露光のプロットは模擬所定パターン画素におけ
るスパイクの集まりのように見え、すべてのC画素に対
して累積露光が0である。XQf とQf との間にカット
オフしきい値Qthr を設定した場合には、幾つかのC画
素に対する集積露光が無視される。たとえば、累積露光
に対するカットオフしきい値を比較的低く、たとえばQ
thr をXQf の近くまたはやや大き目に設定すれば、図
2Bの35D、35E、35F、および35Gのよう
な、模擬相補パターン内の近接しているが離れている一
連の画素の各々に対する累積露光が保持される。しか
し、図2Bの35Cのような、相補パターンの孤立画素
に対する累積露光は0に等しく設定される。図5、図
3、図4A、および図4Bの図示に使用した画素は正方
形であるが、長方形および六角形のような他の凸形状を
レジスト材料の露光面の敷き詰めまたは被覆を行うのに
使用することができる。
【0030】
【発明の効果】以上詳述したように、描画すべき所定パ
ターン内の画素には直接ビームを、該所定パターンの相
補パターン内の画素には後方散乱効果を割当てる模擬照
射により各画素の累積露光量が求められる。各画素毎に
求められた前述露光量に基いて、描画電子ビームを変調
する(強度又は滞留時間等の変調による)ことにより、
一回の走査で全画素を描き着ることができる。原理から
明らかなように、OwenとRissmanによって与
えられたニビーム方式と同等の品質の描画が、はるかに
短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による近接効果補正の手続を
示すフローチャートである。
【図2A】レジスト材の露光面上の選択されたパターン
とその相補パターンを示す図である。
【図2B】図4Aに示す選択されたパターンとその相補
パターンの構成での照射画素に対する電荷密度分布の計
算値を示す図である。
【図3】露光面上の選択されたパターン(X印の画素か
ら成る)の一例の正面図である。
【図4A】選択されたパターンの画素を照射する場合の
直列ビームの半径を示す図である。
【図4B】図4Aに対応して、相補パターン内の画素を
照射するための後方散乱エネルギ分布(ここでは補正露
光と称する)に対応する円の半径を示す図である。
【図5】細い入射電子ビームの中心からの半径方向変位
(γ)の関数として、前方散乱ビームと、それから生じ
た後方散乱ビームのビームエネルギ強度と示す図であ
る。
【図6】二つの電流分布、即わちシルクハット型分布と
ガウス型分布を径方向距離γの関数として示す図であ
る。
【符号の説明】
21:直接ビームのエネルギ堆積 23:後方散乱エネルギ堆積 25:直接ビームのエネルギ堆積と後方散乱エネルギ堆
積の和 33A,33B,33C,33E,33F:所定パター
ン内の要素 35A,35B,35C,35E,35F,35G:相
補パターン内の要素 41:所定パターン 43:所定パターン内の画素 53:相補パターン内の画素

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】後記(イ)及至(ト)のステップより成る
    電子ビームレジスト材に所定の照射パターンを生成すべ
    く一回描画をおこなうための近接効果の補正方法。 (イ)前記レジスト材の露光面を直径dの同一面積の画
    素で被い、前記所定の照射パターンを前記画素の第1集
    合で画定し、前記所定の照射パターンの相補のパターン
    を前記第1の集合と共通画素を有しない前記画素の第2
    の集合で画定するステップ。 (ロ)前記画素の各々に各々の記憶場所を付与し、該記
    憶場所に値0を格納するステップ。 (ハ)直接電子ビームの特性半径Rf (約d/2に等し
    い)を選定し、該直接電子ビームにより前記電子ビーム
    レジスト材内に発生する後方散乱電子ビームの特性半径
    b を決定するステップ。 (ニ)直接電子ビームの特性電子ビーム電流密度値Qf
    を選定するステップ。 (ホ)前記第1の集合の各画素に付与された各記憶場所
    に値Qf を加算格納するステップ。 (ヘ)前記第2の集合内の各特定画素に対し、該特定画
    素を中心として半径R1=Rb (1+η)-1/4の円内に
    ある前記第1、第2の集合内の全ての画素を決定し、そ
    れら全ての画素の各々に付与された記憶場所に値Qf η
    2 /πRb 2 (1+η)1/2 を加算格納するステッ
    プ。ここに、ηは定数である。 (ト)前記露光面上の各画素を特性ビーム半径Rf の走
    査電子ビームにより照射するステップ。ここで前記各画
    素の照射露光量は対応する記憶場所に格納された累算値
    に等しい。
  2. 【請求項2】前記露光面上の前記各画素の照射露光量が
    前記走査電子ビームの電流密度を調整することで調整さ
    せられるようにした請求項1記載の近接効果の補正方
    法。
  3. 【請求項3】前記露光面上の前記各画素の照射露光量が
    前記走査電子ビームの滞留時間を調整することで調整さ
    れるようにした請求項1記載の近接効果の補正方法。
  4. 【請求項4】後記(ヘ−1)及至(ヘ−2)を追加して
    成る請求項1記載の近接効果の補正方法。 (ヘ−1)閾値電流密度値Qthr >=Qf 2 /πRb
    2 (1+η)1/2 を選定するステップ。 (ヘ−2)前記各画素を前電走査電子ビームで照射する
    前に、Qthr より小さな値を格納する前記記憶場所に値
    0を格納するステップ。
JP3340077A 1990-11-29 1991-11-29 近接効果の補正方法 Pending JPH06342750A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US621192 1984-06-15
US62119290A 1990-11-29 1990-11-29

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06342750A true JPH06342750A (ja) 1994-12-13

Family

ID=24489133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3340077A Pending JPH06342750A (ja) 1990-11-29 1991-11-29 近接効果の補正方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06342750A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010507782A (ja) * 2006-10-20 2010-03-11 エフ・イ−・アイ・カンパニー S/temのサンプルを作成する方法およびサンプル構造
US8357913B2 (en) 2006-10-20 2013-01-22 Fei Company Method and apparatus for sample extraction and handling

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010507782A (ja) * 2006-10-20 2010-03-11 エフ・イ−・アイ・カンパニー S/temのサンプルを作成する方法およびサンプル構造
US8357913B2 (en) 2006-10-20 2013-01-22 Fei Company Method and apparatus for sample extraction and handling
US8525137B2 (en) 2006-10-20 2013-09-03 Fei Company Method for creating S/TEM sample and sample structure
US8890064B2 (en) 2006-10-20 2014-11-18 Fei Company Method for S/TEM sample analysis
US8993962B2 (en) 2006-10-20 2015-03-31 Fei Company Method and apparatus for sample extraction and handling
US9275831B2 (en) 2006-10-20 2016-03-01 Fei Company Method for S/TEM sample analysis
US9349570B2 (en) 2006-10-20 2016-05-24 Fei Company Method and apparatus for sample extraction and handling
US9581526B2 (en) 2006-10-20 2017-02-28 Fei Company Method for S/TEM sample analysis

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5254438A (en) Single pass compensation for electron beam proximity effect
JP2502418B2 (ja) 電子ビ―ムリトグラフィにおける近接効果を補正する方法
JP3323505B2 (ja) ラスタスキャンリソグラフィのための照射量調整及びピクセル偏向
US6433348B1 (en) Lithography using multiple pass raster-shaped beam
US5736281A (en) Dose modification proximity effect compensation (PEC) technique for electron beam lithography
WO1998033197A1 (en) Method and apparatus for run-time correction of proximity effects in pattern generation
US5532496A (en) Proximity effect compensation in scattering-mask lithographic projection systems and apparatus therefore
US4743766A (en) Method of drawing a desired pattern on a target through exposure thereof with an electron beam
JPS59921A (ja) 電子ビ−ムリソグラフイにおける近接効果の補正方法
US5278421A (en) Pattern fabrication method using a charged particle beam and apparatus for realizing same
KR960013137B1 (ko) 근접효과의 보정으로 물체상에 패턴을 기록하는 전자빔 노광방법
JP3466900B2 (ja) 電子ビーム描画装置及び電子ビーム描画方法
NL1016333C2 (nl) Elektronenstraalschrijfwerkwijze, elektronenstraallithografie-inrichting, en masker gebruikt in de werkwijze en inrichting.
JP5576332B2 (ja) 電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法
JPH0262941B2 (ja)
JPH06342750A (ja) 近接効果の補正方法
JPH09199389A (ja) 電子ビーム描画方法
JP2004505462A (ja) リソグラフィーの間にレジストの加熱を予測及び補正する方法
CN107469239B (zh) 计算机可读存储介质及放射治疗计划系统
JP3810917B2 (ja) 計算機ホログラムおよびその作成方法
JP3344347B2 (ja) 近接効果補正方法及びebマスク
JP3321220B2 (ja) 電子ビーム描画方法及び描画装置
US5789119A (en) Image transfer mask for charged particle-beam
Newman et al. Evaluation of OPC mask printing with a raster scan pattern generator
US20070075275A1 (en) Beam exposure writing strategy system and method