JPH06341432A - 直動案内軸受 - Google Patents
直動案内軸受Info
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- JPH06341432A JPH06341432A JP5129762A JP12976293A JPH06341432A JP H06341432 A JPH06341432 A JP H06341432A JP 5129762 A JP5129762 A JP 5129762A JP 12976293 A JP12976293 A JP 12976293A JP H06341432 A JPH06341432 A JP H06341432A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- rail
- steel
- hardness
- guide bearing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C29/00—Bearings for parts moving only linearly
- F16C29/005—Guide rails or tracks for a linear bearing, i.e. adapted for movement of a carriage or bearing body there along
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C38/00—Ferrous alloys, e.g. steel alloys
- C22C38/18—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
- C22C38/32—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with boron
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
- F16C33/30—Parts of ball or roller bearings
- F16C33/58—Raceways; Race rings
- F16C33/62—Selection of substances
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Bearings For Parts Moving Linearly (AREA)
- Metal Extraction Processes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】鋼を冷間引抜き加工により成形し、これに高周
波焼入れを行って得られるレールを備えた直動案内軸受
において、レールの軌道面をHV 700を超える硬さに
するとともに、冷間引抜き加工時の金型寿命を低下させ
ない。 【構成】直動案内軸受のレールをなす鋼を、Cを0.5
6〜1.0重量%、Siを0.15重量%以下、Mnを
0.20〜0.40重量%、Crを0.30〜0.70
重量%、Bを0.0005〜0.0035重量%の各範
囲で含有するものとした。
波焼入れを行って得られるレールを備えた直動案内軸受
において、レールの軌道面をHV 700を超える硬さに
するとともに、冷間引抜き加工時の金型寿命を低下させ
ない。 【構成】直動案内軸受のレールをなす鋼を、Cを0.5
6〜1.0重量%、Siを0.15重量%以下、Mnを
0.20〜0.40重量%、Crを0.30〜0.70
重量%、Bを0.0005〜0.0035重量%の各範
囲で含有するものとした。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼を冷間引抜き加工に
より成形し、これに高周波焼入れを行って得られるレー
ルを備えた直動案内軸受に関し、特に、前記レールの軌
道面の硬さが従来のものよりも硬く、耐磨耗性、且つ冷
間引き抜き加工性に優れ、金型寿命の高いものに関す
る。
より成形し、これに高周波焼入れを行って得られるレー
ルを備えた直動案内軸受に関し、特に、前記レールの軌
道面の硬さが従来のものよりも硬く、耐磨耗性、且つ冷
間引き抜き加工性に優れ、金型寿命の高いものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、直動案内軸受のレールは、棒
鋼を冷間引抜き加工により成形し、これに高周波焼入れ
を行って得られている。このような用途に用いられる鋼
材としては、引抜き工程の生産性を考慮して、JIS
S53C鋼等が主に用いられている。そして、例えば雑
誌「特殊鋼」1990年2月号33〜36頁記載の文献
『直動案内ユニット』では、Cを0.53重量%、Mn
を1.5重量%含有し、酸素量を10ppmとした鋼材
を用いている。
鋼を冷間引抜き加工により成形し、これに高周波焼入れ
を行って得られている。このような用途に用いられる鋼
材としては、引抜き工程の生産性を考慮して、JIS
S53C鋼等が主に用いられている。そして、例えば雑
誌「特殊鋼」1990年2月号33〜36頁記載の文献
『直動案内ユニット』では、Cを0.53重量%、Mn
を1.5重量%含有し、酸素量を10ppmとした鋼材
を用いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高周波
焼入れを行い、焼戻しをした後の鋼材表層部は鋼材の炭
素含有量が多いほど硬いが、前記従来例の鋼材では炭素
含有量が少ないため、熱処理条件を工夫しても、ばらつ
きを考慮すると、ビッカース硬さでHV 700(ロック
ウェル硬さでHR C60に相当)を超えるような硬さを
安定して得ることはできなかった。
焼入れを行い、焼戻しをした後の鋼材表層部は鋼材の炭
素含有量が多いほど硬いが、前記従来例の鋼材では炭素
含有量が少ないため、熱処理条件を工夫しても、ばらつ
きを考慮すると、ビッカース硬さでHV 700(ロック
ウェル硬さでHR C60に相当)を超えるような硬さを
安定して得ることはできなかった。
【0004】一方、鋼材の炭素含有量が多くなると冷間
加工性が低下するため、冷間引抜き工程時に金型寿命が
低下して金型コストが上昇すること、あるいは引き抜き
速度を下げなければならなくなること等から、生産性が
悪くなるという問題点があった。本発明は、このような
従来技術の問題点に着目してなされたものであり、ばら
つきを考慮しても安定して軌道面にHV 700を超える
硬さを与えながら、冷間加工性を損なうことのない鋼材
からなるレールを備えた直動案内軸受を提供することを
目的とする。
加工性が低下するため、冷間引抜き工程時に金型寿命が
低下して金型コストが上昇すること、あるいは引き抜き
速度を下げなければならなくなること等から、生産性が
悪くなるという問題点があった。本発明は、このような
従来技術の問題点に着目してなされたものであり、ばら
つきを考慮しても安定して軌道面にHV 700を超える
硬さを与えながら、冷間加工性を損なうことのない鋼材
からなるレールを備えた直動案内軸受を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の直動案内軸受は、鋼を冷間引抜き加工によ
り成形し、これに高周波焼入れを行って得られるレール
を備えた直動案内軸受において、前記鋼が、Cを0.5
6〜1.0重量%、Siを0.15重量%以下、Mnを
0.20〜0.40重量%、Crを0.30〜0.70
重量%、Bを0.0005〜0.0035重量%の各範
囲で含有することを特徴とする。
に、本発明の直動案内軸受は、鋼を冷間引抜き加工によ
り成形し、これに高周波焼入れを行って得られるレール
を備えた直動案内軸受において、前記鋼が、Cを0.5
6〜1.0重量%、Siを0.15重量%以下、Mnを
0.20〜0.40重量%、Crを0.30〜0.70
重量%、Bを0.0005〜0.0035重量%の各範
囲で含有することを特徴とする。
【0006】
【作用】本発明の直動案内軸受では、レールに使用する
鋼を、Cを0.56〜1.0重量%、Siを0.15重
量%以下、Mnを0.20〜0.40重量%、Crを
0.30〜0.70重量%、Bを0.0005〜0.0
035重量%の各範囲で含有するものとした。
鋼を、Cを0.56〜1.0重量%、Siを0.15重
量%以下、Mnを0.20〜0.40重量%、Crを
0.30〜0.70重量%、Bを0.0005〜0.0
035重量%の各範囲で含有するものとした。
【0007】すなわち、JIS S53C鋼等の組成と
比べて炭素含有量を増加したことにより、高周波焼入
れ、焼戻し後の鋼材表層部の硬さを向上することができ
る。また、SiとMnとをJIS S53C鋼等の組成
と比べて少なくしたことにより、炭素含有量の増加に伴
って低下する冷間加工性を向上させ、金型寿命を向上さ
せることができる。さらに、CrをJIS S53C鋼
等の組成と比べて増加することと、Bを含有させたこと
により、フェライト強化元素であるSiとMnとの減少
に伴って焼入れ性が低下することを防ぐことができる。
比べて炭素含有量を増加したことにより、高周波焼入
れ、焼戻し後の鋼材表層部の硬さを向上することができ
る。また、SiとMnとをJIS S53C鋼等の組成
と比べて少なくしたことにより、炭素含有量の増加に伴
って低下する冷間加工性を向上させ、金型寿命を向上さ
せることができる。さらに、CrをJIS S53C鋼
等の組成と比べて増加することと、Bを含有させたこと
により、フェライト強化元素であるSiとMnとの減少
に伴って焼入れ性が低下することを防ぐことができる。
【0008】以下に、各成分の含有量の限定理由を述べ
る。 『C:0.56〜1.0重量%』高周波焼入れを行い、
焼戻しをした後の鋼材表層部は鋼材の炭素含有量が多い
ほど硬いが、1.0重量%を超えると冷間加工性を低下
させるため1.0重量%以下とした。また、0.56重
量%以上とすることにより、鋼材表層部にHV 700を
超える硬さを安定して与えることができる。なお、炭素
含有量が多いと、Bを添加することによる焼入れ性向上
効果が低下し、SiとMnの添加量を少なくしBを添加
することによって焼入れ性を向上させるという本発明の
作用が発揮されない。したがって炭素含有量は0.56
〜0.80重量%であることが好ましい。
る。 『C:0.56〜1.0重量%』高周波焼入れを行い、
焼戻しをした後の鋼材表層部は鋼材の炭素含有量が多い
ほど硬いが、1.0重量%を超えると冷間加工性を低下
させるため1.0重量%以下とした。また、0.56重
量%以上とすることにより、鋼材表層部にHV 700を
超える硬さを安定して与えることができる。なお、炭素
含有量が多いと、Bを添加することによる焼入れ性向上
効果が低下し、SiとMnの添加量を少なくしBを添加
することによって焼入れ性を向上させるという本発明の
作用が発揮されない。したがって炭素含有量は0.56
〜0.80重量%であることが好ましい。
【0009】『Si:0.15重量%以下』Siは脱酸
素剤として作用する元素であるが、冷間加工性を低下さ
せる作用があるため0.15重量%以下とした。Siは
鋼に必然的に0.05重量%程度は存在するものであ
り、全く含有しないことはない。 『Mn:0.20〜0.40重量%』Mnは焼入れ性の
向上に有効な成分であり、その効果は0.20重量%以
上で顕著であるが、多すぎると冷間加工性が低下するた
め0.20〜0.40重量%とした。なお、0.20重
量%未満にすることは現在の製鋼技術ではコスト高にな
る。
素剤として作用する元素であるが、冷間加工性を低下さ
せる作用があるため0.15重量%以下とした。Siは
鋼に必然的に0.05重量%程度は存在するものであ
り、全く含有しないことはない。 『Mn:0.20〜0.40重量%』Mnは焼入れ性の
向上に有効な成分であり、その効果は0.20重量%以
上で顕著であるが、多すぎると冷間加工性が低下するた
め0.20〜0.40重量%とした。なお、0.20重
量%未満にすることは現在の製鋼技術ではコスト高にな
る。
【0010】『Cr:0.30〜0.70重量%』Mn
と同様に焼入れ性を向上させるとともに、炭化物の球状
化を促進させる元素であってその効果は0.30重量%
以上で顕著となるが、多すぎると冷間加工性を低下させ
るため、0.30〜0.70重量%とした。 『B:0.0005〜0.0035重量%』少量の添加
で焼入れ性に有効な成分であるが、0.0005重量%
未満では不十分であり、0.0035重量%を超えると
焼入れ性向上の効果が飽和する。
と同様に焼入れ性を向上させるとともに、炭化物の球状
化を促進させる元素であってその効果は0.30重量%
以上で顕著となるが、多すぎると冷間加工性を低下させ
るため、0.30〜0.70重量%とした。 『B:0.0005〜0.0035重量%』少量の添加
で焼入れ性に有効な成分であるが、0.0005重量%
未満では不十分であり、0.0035重量%を超えると
焼入れ性向上の効果が飽和する。
【0011】したがって、このような鋼からなるレール
によれば、高周波焼入れにより軌道面に安定してHV 7
00を超える硬さを与えることができるとともに、冷間
加工性を損なうことがない。なお、直動案内軸受のレー
ルにおいて、軌道面の硬さは、耐磨耗性と靱性との点か
らビッカース硬さでHV 700〜800(ロックウェル
硬さでHR C60から64)が好ましく、この硬さは、
鋼の組成を上記の通りとすることと、高周波焼入れ後の
焼戻し温度を150〜180℃とすることとにより達成
される。
によれば、高周波焼入れにより軌道面に安定してHV 7
00を超える硬さを与えることができるとともに、冷間
加工性を損なうことがない。なお、直動案内軸受のレー
ルにおいて、軌道面の硬さは、耐磨耗性と靱性との点か
らビッカース硬さでHV 700〜800(ロックウェル
硬さでHR C60から64)が好ましく、この硬さは、
鋼の組成を上記の通りとすることと、高周波焼入れ後の
焼戻し温度を150〜180℃とすることとにより達成
される。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
る。
【0013】
【表1】
【0014】上記の表1に示す組成の実施例1〜3およ
び比較例1〜4の各鋼材(直径40mm×長さ5mのみ
がき棒鋼)を素材として用い、次のような手順ですべて
同じ条件にて冷間引抜き加工を行った。なお、比較例1
の鋼材はJIS S53Cに、比較例2の鋼材はSAE
1065にそれぞれ相当する。また、各素材は、球状化
焼鈍を施した後に機械加工を行って得られたものであ
る。
び比較例1〜4の各鋼材(直径40mm×長さ5mのみ
がき棒鋼)を素材として用い、次のような手順ですべて
同じ条件にて冷間引抜き加工を行った。なお、比較例1
の鋼材はJIS S53Cに、比較例2の鋼材はSAE
1065にそれぞれ相当する。また、各素材は、球状化
焼鈍を施した後に機械加工を行って得られたものであ
る。
【0015】冷間引抜き加工は、(1)口付け(素材の
先端をダイスの穴に通す)、(2)低温焼鈍、(3)素
材の表面に潤滑剤膜(リン酸塩被膜+金属石けん被膜)
を形成する、(4)素材を引抜く、からなる一連の工程
を、荒引抜き、中引抜き、仕上げ引抜き用の各超硬合金
製ダイスにより繰り返すことで行い、図1に示すよう
に、断面が円である素材(a)を、(b)、(c)の各
断面を経て(d)の所定形状のボール溝11を有するレ
ール1に仕上げた。
先端をダイスの穴に通す)、(2)低温焼鈍、(3)素
材の表面に潤滑剤膜(リン酸塩被膜+金属石けん被膜)
を形成する、(4)素材を引抜く、からなる一連の工程
を、荒引抜き、中引抜き、仕上げ引抜き用の各超硬合金
製ダイスにより繰り返すことで行い、図1に示すよう
に、断面が円である素材(a)を、(b)、(c)の各
断面を経て(d)の所定形状のボール溝11を有するレ
ール1に仕上げた。
【0016】そして、各素材についてダイス(金型)の
寿命を比較した。すなわち、寸法精度の厳しい仕上げ工
程において、ダイスによる引抜き本数が1000本に達
した後、50ケ毎に製品の形状を測定し、ダイスの内面
の磨耗によりボール溝11の寸法精度が不良となった時
の処理本数を調べた。そして、2300本の処理ができ
た比較例1の寿命を基準として寿命比を算出した。その
結果と各素材のヴッカース硬さ(HV )の測定結果とを
表2に併せて示す。
寿命を比較した。すなわち、寸法精度の厳しい仕上げ工
程において、ダイスによる引抜き本数が1000本に達
した後、50ケ毎に製品の形状を測定し、ダイスの内面
の磨耗によりボール溝11の寸法精度が不良となった時
の処理本数を調べた。そして、2300本の処理ができ
た比較例1の寿命を基準として寿命比を算出した。その
結果と各素材のヴッカース硬さ(HV )の測定結果とを
表2に併せて示す。
【0017】
【表2】
【0018】表2の結果から分かるように、実施例1〜
3の鋼材は、そのダイス寿命比が、比較例1(従来使用
されているJIS S53C鋼に相当)より大きい値で
あり、従来のものと同等以上の冷間引抜き加工特性を有
している。比較例2〜4の鋼材は、炭素含有量は本発明
の範囲内であるが他の条件を満たしていなかったり、炭
素含有量が多すぎたりしためダイスの寿命が比較例1の
半分程度と短かく、冷間引抜き加工特性に劣るものであ
った。
3の鋼材は、そのダイス寿命比が、比較例1(従来使用
されているJIS S53C鋼に相当)より大きい値で
あり、従来のものと同等以上の冷間引抜き加工特性を有
している。比較例2〜4の鋼材は、炭素含有量は本発明
の範囲内であるが他の条件を満たしていなかったり、炭
素含有量が多すぎたりしためダイスの寿命が比較例1の
半分程度と短かく、冷間引抜き加工特性に劣るものであ
った。
【0019】また、このようにして冷間引抜き加工が施
された各レール1の、ボール溝11が形成されている対
向する二側面に、下記の条件で高周波焼入れ(移動焼入
れ)および焼戻しを行った。 〔焼入れ条件〕 周波数 30kHz 電圧 10kV 電流 10A 送り速度 8mm/sec 冷却水流量 35リットル/min 〔焼戻し温度〕 160℃ 熱処理後に、各レール1の軌道面(図2のボール溝11
a)におけるビッカース硬さを測定した。測定は、図2
に示すように、A方向から1kg荷重をかけ、表面から
内部に向けて十数箇所において行った。その結果を、実
施例1と比較例1および2とについて図3にグラフで示
した。また、熱処理後の表面におけるビッカース硬さを
前記表2に併せて示した。
された各レール1の、ボール溝11が形成されている対
向する二側面に、下記の条件で高周波焼入れ(移動焼入
れ)および焼戻しを行った。 〔焼入れ条件〕 周波数 30kHz 電圧 10kV 電流 10A 送り速度 8mm/sec 冷却水流量 35リットル/min 〔焼戻し温度〕 160℃ 熱処理後に、各レール1の軌道面(図2のボール溝11
a)におけるビッカース硬さを測定した。測定は、図2
に示すように、A方向から1kg荷重をかけ、表面から
内部に向けて十数箇所において行った。その結果を、実
施例1と比較例1および2とについて図3にグラフで示
した。また、熱処理後の表面におけるビッカース硬さを
前記表2に併せて示した。
【0020】図3から分かるように、実施例1と比較例
2においては表面から14mmまでHV 700を超える
硬さとなっているが、比較例1ではその範囲においても
HV700未満の硬さとなっている。しかしながら、比
較例2の組成の鋼は、前述のように、冷間引抜き加工特
性に劣るものである。次に、上述のようにして実施例1
〜3と比較例1〜4の各鋼により作製されたレール1を
用いて図4に示すような直動案内軸受を組み立て、下記
の試験条件により各3本づつ耐摩耗性の評価試験を行っ
た。すなわち、図5に示すように、ベアリング2を二つ
備えたレール1を二本並列に配置し、その上にテーブル
3を載せて四つのベアリング2がテーブル3の四隅に配
置されるようにして、テーブルの中心に上方から負荷W
をかけ、各ベアリング2に等しい反力R1 =R2 =R3
=R4 が生じる状態でテーブル3を往復させた。
2においては表面から14mmまでHV 700を超える
硬さとなっているが、比較例1ではその範囲においても
HV700未満の硬さとなっている。しかしながら、比
較例2の組成の鋼は、前述のように、冷間引抜き加工特
性に劣るものである。次に、上述のようにして実施例1
〜3と比較例1〜4の各鋼により作製されたレール1を
用いて図4に示すような直動案内軸受を組み立て、下記
の試験条件により各3本づつ耐摩耗性の評価試験を行っ
た。すなわち、図5に示すように、ベアリング2を二つ
備えたレール1を二本並列に配置し、その上にテーブル
3を載せて四つのベアリング2がテーブル3の四隅に配
置されるようにして、テーブルの中心に上方から負荷W
をかけ、各ベアリング2に等しい反力R1 =R2 =R3
=R4 が生じる状態でテーブル3を往復させた。
【0021】〔試験条件〕 レール長さ 1.5m 負荷荷重 655kgf/軸受 試験平均速度 24m/min 潤滑 グリース潤滑(アルバニア No.2) 往復距離 400mm 往復運動総走行距離が6400kmとなった後に、各レ
ール1についてボール溝11の平均摩耗深さを測定し、
比較例1の平均摩耗深さを基準とした平均摩耗深さ比を
算出した。その結果も前記表2に併せて示してある。
ール1についてボール溝11の平均摩耗深さを測定し、
比較例1の平均摩耗深さを基準とした平均摩耗深さ比を
算出した。その結果も前記表2に併せて示してある。
【0022】表2の結果から分かるように、実施例1〜
3および比較例2〜4の平均摩耗深さ比は0.75〜
0.95であり、比較例1と比べて耐摩耗性が良いもの
であるが、比較例2〜4は前述のように金型寿命が劣る
ものであった。以上の結果より、実施例1〜3の組成の
鋼によれば、冷間引抜き加工特性に優れるとともに、高
周波焼入れにより鋼の表層部にHV 700を超える硬さ
を与えることができ、直動案内軸受のレールとした時に
耐磨耗性に優れるとともに、金型寿命を高くすることが
でき、生産性の高い材料となる。
3および比較例2〜4の平均摩耗深さ比は0.75〜
0.95であり、比較例1と比べて耐摩耗性が良いもの
であるが、比較例2〜4は前述のように金型寿命が劣る
ものであった。以上の結果より、実施例1〜3の組成の
鋼によれば、冷間引抜き加工特性に優れるとともに、高
周波焼入れにより鋼の表層部にHV 700を超える硬さ
を与えることができ、直動案内軸受のレールとした時に
耐磨耗性に優れるとともに、金型寿命を高くすることが
でき、生産性の高い材料となる。
【0023】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の直動
案内軸受によれば、そのレールをなす鋼の組成の限定に
より、冷間加工性を低下させずに(すなわち、金型の寿
命を短くすることなく)、レールの軌道面の硬さがHV
700を超えるものを得ることができる。その結果、耐
磨耗性に優れた直動案内軸受のレールが効率よく生産で
きる。
案内軸受によれば、そのレールをなす鋼の組成の限定に
より、冷間加工性を低下させずに(すなわち、金型の寿
命を短くすることなく)、レールの軌道面の硬さがHV
700を超えるものを得ることができる。その結果、耐
磨耗性に優れた直動案内軸受のレールが効率よく生産で
きる。
【図1】実施例で行った冷間引抜き加工における、荒引
抜き、中引抜き、仕上げ引抜きの各工程でのレールの断
面形状を示す断面図である。
抜き、中引抜き、仕上げ引抜きの各工程でのレールの断
面形状を示す断面図である。
【図2】ビッカース硬さの測定位置を示す概要図であ
る。
る。
【図3】高周波焼入れ、焼戻し後のビッカース硬さとそ
の測定位置(表面からの距離)との関係を示すグラフで
ある。
の測定位置(表面からの距離)との関係を示すグラフで
ある。
【図4】摩耗試験に供した直動案内軸受を示す部分破断
正面図である。
正面図である。
【図5】摩耗試験の負荷方法を説明するための側面図お
よび平面図である。
よび平面図である。
1 レール
フロントページの続き (72)発明者 細田 賢一 兵庫県姫路市飾磨区細江246−4
Claims (1)
- 【請求項1】 鋼を冷間引抜き加工により成形し、これ
に高周波焼入れを行って得られるレールを備えた直動案
内軸受において、前記鋼が、Cを0.56〜1.0重量
%、Siを0.15重量%以下、Mnを0.20〜0.
40重量%、Crを0.30〜0.70重量%、Bを
0.0005〜0.0035重量%の各範囲で含有する
ことを特徴とする直動案内軸受。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12976293A JP3353946B2 (ja) | 1993-05-31 | 1993-05-31 | 直動案内軸受 |
US08/251,267 US5542991A (en) | 1993-05-31 | 1994-05-31 | Rail for a linear motion guide bearing |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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