JPH06340158A - 転写リボン装填具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 転写リボンＲを強制移動させて、一方の分割
ケース７ａ側に設けられている第１部材１４と、他方の
分割ケース７ｂ側に設けられている第２部材１７，１８
との間に相当する位置に案内する案内部材４に、転写リ
ボン巻体２と共に分割ケース７ｂに回転自在に装着され
て当該転写リボン巻体２の解け出しを防止する解け防止
部材５を、案内部材４と一体移動可能、かつ、互いに重
合された両分割ケース７ａ，７ｂから引き出し可能に設
け、転写リボン巻体２と共に分割ケース７ｂに装着した
解け防止部材５の回転で、案内部材４が転写リボンＲを
第１部材１４と第２部材１７，１８との間に相当する位
置に案内する状態に移動されるようにした。 【効果】 不慣れな者が操作しても、転写リボンを第１
部材と第２部材との間に相当する位置に案内し易く、し
かも、転写リボン巻体を分割ケースに装着する際に転写
リボンが解け出にくい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、転写リボンがパンケー
キ状に巻き付けられている転写リボン巻体と、前記転写
リボン巻体からの転写リボンの繰り出し端側に取付けら
れている巻き取りコアとをリボン幅方向から互いに重合
可能に分割されている分割ケースのうちのいずれかに装
着して仮置きされた、前記転写リボン巻体と前記巻き取
りコアとの間の転写リボンをリボン厚み方向に強制移動
させて、一方の分割ケース側に設けられて前記転写リボ
ンの一側面側に位置する状態で組付けられる第１部材
と、他方の分割ケース側に設けられて前記転写リボンの
他側面側に位置する状態で組付けられる第２部材との間
に相当する位置に案内する案内部材が設けられ、前記転
写リボンが前記第１部材と前記第２部材との間に相当す
る位置に案内されている状態で前記両分割ケースをリボ
ン幅方向から互いに重合して前記案内部材を前記両分割
ケースから引き出し、当該転写リボンを前記第１部材と
前記第２部材との間の所定位置を走行可能に装填する転
写リボン装填具に関する。

【０００２】

【従来の技術】冒記転写リボン装填具においては、従
来、案内部材で転写リボンを強制移動させて第１部材と
第２部材との間に相当する位置に案内するに際して、転
写リボンが仮置きされている分割ケースと装填具との各
々を左右の手で別々に保持し、分割ケースを保持してい
る一方の手と装填具を保持している他方の手との相対的
な動きだけで案内部材を分割ケースに対して移動させ
て、転写リボンを第１部材と第２部材との間に相当する
位置に案内している（例えば、特開平４−３５７０７２
号公報参照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術によれ
ば、左右の手の相対的な動きだけで案内部材を分割ケー
スに対して移動させている為、不慣れな者が装填具を操
作すると、転写リボンを第１部材と第２部材との間に相
当する位置に案内したつもりでも、実際には所定の位置
とは異なる位置に案内しているおそれがあり、この状態
で両分割ケースを互いに重合してしまうと転写リボンを
円滑に走行させ得ないから、装填作業をやり直す必要が
ある。殊に、転写リボンが正しく装填されたか否かは、
実際に転写リボンを走行させてみなければ確認しづらい
から、転写リボンが円滑に走行しない場合は、転写作業
の能率が著しく低下するだけでなく、装填作業のやり直
しを一層煩わしく感じさせる欠点がある。又、転写リボ
ンがパンケーキ状に巻き付けられている転写リボン巻体
は転写リボンが解け出易いものであり、転写リボン巻体
を分割ケースに装着する際に、何かのはずみで転写リボ
ンが解け出てしまうと、転写リボンを所定の走行経路に
沿って装填しにくくなる欠点がある。本発明は上記実情
に鑑みてなされたものであって、案内部材の分割ケース
に対する移動手段を工夫することにより、不慣れな者が
操作しても、転写リボンを第１部材と第２部材との間に
相当する位置に案内し易く、しかも、転写リボン巻体を
分割ケースに装着する際に転写リボンが解け出にくい転
写リボン装填具を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為の
本発明の特徴構成は、冒記転写リボン装填具において、
前記転写リボン巻体と共に分割ケースに回転自在に装着
されて当該転写リボン巻体からの転写リボンの解け出し
を防止する解け防止部材が、前記案内部材と一体移動可
能、かつ、互いに重合された前記両分割ケースから引き
出し可能に設けられ、前記転写リボン巻体と共に分割ケ
ースに装着された前記解け防止部材の回転で、前記案内
部材が前記転写リボンを前記第１部材と前記第２部材と
の間に相当する位置に案内する状態に移動される点にあ
る。

【０００５】

【作用】案内部材と一体移動可能に設けてある解け防止
部材が装着されていて転写リボンの解け出しが防止され
ている状態の転写リボン巻体と、巻き取りコアとを分割
ケースに装着して、転写リボン巻体と巻き取りコアとの
間の転写リボンを仮置きし、解け防止部材の回転で案内
部材を移動させると、当該案内部材が転写リボンをリボ
ン厚み方向に強制移動させて、第１部材と第２部材との
間に相当する位置に案内する。そして、この状態で両分
割ケースをリボン幅方向から互いに重合した後、解け防
止部材と案内部材とを両分割ケースから引き出すと、当
該転写リボンが第１部材と第２部材との間の所定位置を
走行可能に装填される。

【０００６】

【発明の効果】転写リボン巻体と共に分割ケースに装着
した解け防止部材の回転で、案内部材の分割ケースに対
する移動方向が案内されるから、不慣れな者が操作して
も、転写リボンを第１部材と第２部材との間に相当する
位置に案内し易く、しかも、解け防止部材が装着された
ままの転写リボン巻体を分割ケースに装着して、両分割
ケースを互いに重合した後で、解け防止部材を両分割ケ
ースから引き出せるから、転写リボン巻体を分割ケース
に装着する際に転写リボンが解け出にくい。

【０００７】

【実施例】

〔第１実施例〕図１は、交換用の転写リボンセットＡを
示し、この転写リボンセットＡには、カセットケースＢ
に装填する為に使用される転写リボン装填具Ｃが予め装
着されている。前記転写リボンセットＡは、転写リボン
の一例である感熱転写インクリボンＲが繰り出しコア１
にパンケーキ状に巻き付けられている転写リボン巻体２
と、このリボン巻体２からのインクリボンＲの繰り出し
端側に接着固定されている巻き取りコア３とからなり、
前記転写リボン装填具Ｃは、転写リボンセットＡをカセ
ットケースＢに装着して仮置きされたリボン巻体２と巻
き取りコア３との間の転写リボンＲをリボン厚み方向に
強制移動させる平面視でコの字状の案内部材４と、リボ
ン巻体２の周面を径方向から挟み付けてリボン巻体２か
らのインクリボンＲの解け出しを防止する平面視でＣ字
形の解け防止部材５と、案内部材４と解け防止部材５と
を連結するアーム部材６とを軟質ポリエチレンやポリプ
ロピレン等の柔軟な樹脂材料で一体成形して構成され、
リボン巻体２を解け防止部材５で挟み付けて、当該転写
リボン装填具Ｃが転写リボンセットＡに装着されてい
る。前記解け防止部材５は拡径方向に弾性変形可能な柔
軟な形状に成形され、リボン巻体２の周面を挟み付ける
内周面の形状を、その曲率がリボン巻体２の周面の曲率
よりも若干大きく、かつ、リボン巻体２の周面の半周分
の長さよりも長い長さの円弧状に形成して、リボン巻体
２に対してその径方向に着脱自在に装着できるよう構成
されている。

【０００８】前記転写リボンセットＡが装填される樹脂
製のインクリボンカセットケースＢは、図３に示すよう
に、リボン幅方向で上下に分割した分割ケース７ａ，７
ｂが横軸芯Ｘ周りで揺動開閉自在に連結されているとと
もに、上分割ケース７ａに一体形成した係止爪８と下分
割ケース７ｂに形成した係止孔９とで両分割ケース７
ａ，７ｂを重ね合わせた状態で互いに係止固定する係止
機構が設けられ、上下分割ケース７ａ，７ｂを重ね合わ
せると係止爪８が係止孔９に嵌まり込んで両分割ケース
７ａ，７ｂどうしが互いに係止固定され、係止爪８に一
体形成した操作片１０を弾性的に押し込んで係止爪８を
係止孔９から押し出すと両分割ケース７ａ，７ｂどうし
の係止固定が解除されて、上下分割ケース７ａ，７ｂを
開放側に相対揺動できるよう構成されている。前記上分
割ケース７ａは天板１１と周壁１２とを一体成形して構
成され、天板１１には、繰り出しコア１及び巻き取りコ
ア３各々の一端側を回転自在に保持する貫通孔１３と、
インクリボンＲの一側面側に位置する状態で組付けられ
る第１部材の一例である左右のガイドピン１４とが設け
られている。前記下分割ケース７ｂは、底板１５に繰り
出しコア１及び巻き取りコア３各々の他端側を回転自在
に保持する貫通孔１６と、インクリボンＲの他側面側に
位置する状態で組付けられる第２部材の一例である平面
視でコの字状の囲壁１７と、インクリボンＲの走行方向
を案内する左右の固定ガイド１８とを設けて構成され、
囲壁１７に係止孔９が設けられ、囲壁１７の内側がプリ
ンター側の印字ヘッドが入り込む空間に形成されてい
る。

【０００９】次に、前記転写リボン装填具Ｃを用いて前
記転写リボンセットＡを前記カセットケースＢに装填す
る手順を説明する。解け防止部材５で挟み付けられてい
るリボン巻体２から適量長さのインクリボンＲ（実施例
ではリーダーテープ部分）を引き出して、図３に示すよ
うに、転写リボン装填具Ｃが装着されたままのリボン巻
体２と巻き取りコア３とを下分割ケース７ｂに対して所
定の装着姿勢で装着し、リボン巻体２と巻き取りコア３
との間のインクリボンＲを、囲壁１７及び左右の固定ガ
イド１８の外側に位置する状態で底板１５上に仮置きす
る。次に、解け防止部材５をリボン巻体２と共に回転さ
せると案内部材４が一体移動して、図２に示すように、
リボン巻体２と巻き取りコア３との間のインクリボンＲ
がリボン厚み方向に強制移動され、当該インクリボンＲ
が下分割ケース７ｂの囲壁１７及び左右の固定ガイド１
８と、上分割ケース７ａの左右のガイドピン１４との間
に相当する位置に案内される。この状態で、図４に示す
ように、上下分割ケース７ａ，７ｂを閉じ合わせて係止
固定し、アーム部材６を指で掴んで引っ張ると、解け防
止部材５が変形して上下分割ケース７ａ，７ｂの間から
案内部材４と解け防止部材５とが引き出され、インクリ
ボンＲが囲壁１７及び左右の固定ガイド１８と、左右の
ガイドピン１４との間の所定位置を走行可能に装填され
る。

【００１０】〔第２実施例〕図５は転写リボン装填具Ｃ
の別実施例を示し、コの字状の案内部材４の内側に巻き
取りコア３を径方向から挟み付ける挾持面１９を形成し
て、転写リボンセットＡを構成しているリボン巻体２と
巻き取りコア３との相対位置を固定できるよう構成して
ある。本実施例の場合、巻き取りコア３を案内部材４か
ら外して、転写リボンセットＡを下分割ケース７ｂに装
着する。その他の構成は第１実施例と同様である。

【００１１】〔その他の実施例〕 １．本発明による転写リボン装着具は、インクリボンの
他、文字修正用の転写塗膜が設けられている転写リボン
や接着用の粘着膜が設けられている転写リボン、単なる
装飾用の着色転写塗膜が設けられている転写リボン等
を、リボン幅方向から互いに重合可能に分割されている
分割ケースからなる転写リボンホルダー等に装填する為
に使用されるものであっても良い。 ２．本発明による転写リボン装着具は、アルミ合金など
の変形し易い材料で構成されているものであっても良
い。 ３．第１部材及び第２部材は、リボン走行通路を構成し
ている通路壁等であっても良い。 ４．本発明による転写リボン装着具は、解け防止部材の
転写リボン巻体に対する相対回転で、案内部材が転写リ
ボンを第１部材と第２部材との間に相当する位置に案内
する状態に移動されるものであっても良い。 ５．本発明による転写リボン装着具は、転写リボン巻体
をリボン幅方向から挟んで当該転写リボン巻体からの転
写リボンの解け出しを防止する解け防止部材が設けられ
ているものであっても良い。 ６．転写リボン装着具に設けた案内部材によってリボン
厚み方向に強制移動される転写リボンは、リーダーテー
プ部分の他、転写インクや転写塗膜等の転写層が設けら
れている部分であっても良く、転写層が設けられている
部分であるか否かは限定されない。

【００１２】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】斜視図

【図２】平面図

【図３】斜視図

【図４】斜視図

【図５】別実施例を示す斜視図

【符号の説明】

２ 転写リボン巻体 ３ 巻き取りコア ４ 案内部材 ５ 解け防止部材 ７ａ 分割ケース ７ｂ 分割ケース １４ 第１部材 １７ 第２部材 １８ 第２部材 Ｒ 転写リボン

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 転写リボン（Ｒ）がパンケーキ状に巻き
   付けられている転写リボン巻体（２）と、前記転写リボ
   ン巻体（２）からの転写リボン（Ｒ）の繰り出し端側に
   取付けられている巻き取りコア（３）とをリボン幅方向
   から互いに重合可能に分割されている分割ケース（７
   ａ，７ｂ）のうちのいずれかに装着して仮置きされた、
   前記転写リボン巻体（２）と前記巻き取りコア（３）と
   の間の転写リボン（Ｒ）をリボン厚み方向に強制移動さ
   せて、一方の分割ケース（７ａ）側に設けられて前記転
   写リボン（Ｒ）の一側面側に位置する状態で組付けられ
   る第１部材（１４）と、他方の分割ケース（７ｂ）側に
   設けられて前記転写リボン（Ｒ）の他側面側に位置する
   状態で組付けられる第２部材（１７，１８）との間に相
   当する位置に案内する案内部材（４）が設けられ、前記
   転写リボン（Ｒ）が前記第１部材（１４）と前記第２部
   材（１７，１８）との間に相当する位置に案内されてい
   る状態で前記両分割ケース（７ａ，７ｂ）をリボン幅方
   向から互いに重合して前記案内部材（４）を前記両分割
   ケース（７ａ，７ｂ）から引き出し、当該転写リボン
   （Ｒ）を前記第１部材（１４）と前記第２部材（１７，
   １８）との間の所定位置を走行可能に装填する転写リボ
   ン装填具において、前記転写リボン巻体（２）と共に分
   割ケース（７ｂ）に回転自在に装着されて当該転写リボ
   ン巻体（２）からの転写リボン（Ｒ）の解け出しを防止
   する解け防止部材（５）が、前記案内部材（４）と一体
   移動可能、かつ、互いに重合された前記両分割ケース
   （７ａ，７ｂ）から引き出し可能に設けられ、前記転写
   リボン巻体（２）と共に分割ケース（７ｂ）に装着され
   た前記解け防止部材（５）の回転で、前記案内部材
   （４）が前記転写リボン（Ｒ）を前記第１部材（１４）
   と前記第２部材（１７，１８）との間に相当する位置に
   案内する状態に移動されることを特徴とする転写リボン
   装填具。