JPH06339990A - 熱収縮性エチレン酢酸ビニル共重合体フイルムの製造方法 - Google Patents

熱収縮性エチレン酢酸ビニル共重合体フイルムの製造方法

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JPH06339990A
JPH06339990A JP13217793A JP13217793A JPH06339990A JP H06339990 A JPH06339990 A JP H06339990A JP 13217793 A JP13217793 A JP 13217793A JP 13217793 A JP13217793 A JP 13217793A JP H06339990 A JPH06339990 A JP H06339990A
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JP
Japan
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vinyl acetate
heat
eva
film
crosslinking
Prior art date
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Application number
JP13217793A
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English (en)
Inventor
Takanobu Suzuki
隆信 鈴木
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Mitsubishi Plastics Inc
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 EVAのγ線照射架橋を応用して、熱収縮性
フイルムを得る。 【構成】 酢酸ビニル含量が10〜25重量%のエチレ
ン酢酸ビニル共重合体のフイルムに、実質上無酸素の雰
囲気下で、10〜20Mradの線量となるようにγ線
を照射して架橋させ、次いで延伸して熱収縮性エチレン
酢酸ビニル共重合体フイルムを製造する。 【効果】 延伸に必要な架橋状態が容易に得られ、良好
な熱収縮性EVAフイルムを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エチレン酢酸ビニル共
重合体フイルムを放射線照射架橋後に延伸して熱収縮性
フイルムを得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】エチレン酢酸ビニル共重合体
(以下EVAと略記する)は、ストレツチフイルム、発
泡体、絶縁被覆材など多岐に応用されている。また熱収
縮性材料(フイルム、シート、チユーブ)にも応用され
ており、この場合熱収縮性を付与するために、延伸に先
だって架橋が施される。EVAを架橋する方法には従来
より化学架橋と放射線架橋が知られている。しかしなが
ら化学架橋に関する知見は多いものの、放射線架橋に関
する知見は少なく、また放射線架橋に関するものはもっ
ぱら電子線によるものである。
【0003】一方、ポリエチレンの放射線架橋について
はよく知られている。ポリエチレンは、架橋にあたって
放射線の種類、照射雰囲気などによりほとんど左右され
ずに架橋が進行する極めて架橋性が高い材料であるた
め、その工業的利用に際しては空気中で照射が行われ、
特に特定の雰囲気を形成する必要はないことが知られて
いる。本発明は、EVAについては一般的でない放射線
架橋について検討の結果、γ線架橋を利用して熱収縮性
材料を得る具体的方法を見出だしたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、EVAの熱収
縮性材料を、従来用いられていなかったEVAのγ線架
橋を応用して製造するものであって、その要旨とすると
ころは、酢酸ビニル含量が10〜25重量%のエチレン
酢酸ビニル共重合体のフイルムに、実質上無酸素の雰囲
気下で、10〜20Mradの線量となるようにγ線を
照射して架橋させ、次いで延伸することを特徴とする熱
収縮性エチレン酢酸ビニル共重合体フイルムの製造方法
に存する。
【0005】以下本発明を詳しく説明する。本発明の対
象となるEVAは、酢酸ビニル含量が10〜25重量%
のものである。このEVAは、まず常法によりフイルム
状に成形される。ここでフイルムとは、比較的厚手のシ
ートをも含み、またシームレスのチユーブ状であっても
よい。
【0006】このEVAのフイルムにγ線を照射する条
件は、実質的に無酸素の雰囲気下で、かつ線量が10〜
20Mradとなるような条件である。実質上無酸素の
雰囲気とは、酸素濃度が1000ppm以下程度の雰囲
気をいい、高真空雰囲気としてもよいが、不活性ガスで
ある窒素で置換した雰囲気とするのが実用的である。
【0007】実質的に無酸素の雰囲気下で照射を行なう
理由は、酸素濃度が29%と高い空気中では架橋が十分
進行しないためである。この原因は、γ線の線量率(時
間当たりの線量)が低いため、架橋反応(主にラジカル
反応)を阻害する酸素が照射中にフイルム内へ比較的速
く拡散するためと考えられる。
【0008】特に、酢酸ビニル含量が10重量%以上の
EVAでは極性部分が増し、また融点の低下による室温
での分子運動性が上がるため、酸素のフイルム内への拡
散がより促進され、架橋効率の高い酢酸ビニル骨格を多
く有していても、十分に架橋が進行しない。
【0009】以上の効果を線量との関わりにおいてさら
に説明するならば、γ線照射を酸素濃度の高い雰囲気下
で行うと、極性が高く融点の低いEVAは線量の低いと
ころでは全体として十分な架橋が進んでおらず、線量を
上げると架橋反応も起こるがフイルム内部まで酸素が拡
散して架橋阻害が起こり、同様に十分な架橋が進まない
ばかりか、架橋に関する経済性も低くなり不利となる。
ところが、酸素濃度を低く抑えた雰囲気下においては、
酸素による阻害も受けず後の延伸に必要な十分な架橋度
を得ることができる。
【0010】無酸素雰囲気下ではγ線の線量は10〜2
0Mradの範囲が好適で、10Mrad未満では後の
延伸に必要な架橋度に達しないので溶融気味となり延伸
ができず、20Mradを越えると架橋が進みすぎて伸
びが小さくなり、同様に延伸できない。
【0011】以上の効果を概念図として図1にまとめ
た。図1において、実線は無酸素雰囲気下での照射、破
線は空気中での照射により得られるEVAの特性を示
し、斜線は延伸に好適な範囲を現わす。後の延伸に必要
な適度の架橋状態(ゲル分率)と適度な伸びより、架橋
条件が決定されるのである。
【0012】なお、放射線として電子線を用いた場合に
は、線量率が十分に大きいため酸素が拡散して架橋を阻
害する前に架橋反応が完了するために、雰囲気を無酸素
状態にする必要はない。
【0013】照射にあたっては、γ線の浸透力が強いた
め、フイルムを紙管などにロール状に巻き取った状態で
照射しても内部まで架橋させることができる。従って、
浸透力の弱い電子線による架橋のようにフイルムを巻き
出しながら架橋させる必要がなく、処理操作が容易で、
フイルムの傷付き、ごみの付着などもなくなる。
【0014】このようにして架橋したEVAフイルム
は、常法により一軸または二軸方向に延伸して、熱収縮
性を付与する。
【0015】
【実施例】以下、実施例について説明するが、本発明
は、これに限定されるものではない。(参考例1〜2)
低密度ポリエチレン(LDPE、三菱化成社製F12
1、M.I.=2)、および酢酸ビニル含量5%のEV
A(三菱油化社製V223H、M.I.=2.3)に、
各々熱安定剤を0.2重量部添加し、ラボプラストミル
で180℃で5分間混練し、この混練物をクロムメツキ
処理鋼板にはさんで圧力60kg/cm2、温度180
℃で10分間プレスし、厚さ0.5mmのプレスシート
を作成した。
【0016】このシートに、コバルト60によるγ線を
空気中で5、10、20Mradの線量となるように照
射して、終了後ゲル分率を測定した。ゲル分率は、シー
トの一部を200メツシユのSUS容器に入れ、キシレ
ン中で150℃、10時間ソクスレー抽出器による抽出
を行い、容器に残った不溶解分の元のシートに対する重
量%により求めた。結果は表1に示した。この結果、ポ
リエチレンおよび酢酸ビニル含量の低い(5%)EVA
は、空気中でもγ線による架橋が進むことが分かった。
【0017】(参考例3〜5)参考例1〜2と同様にし
て、酢酸ビニル含量10%のEVA(三菱油化社製EV
A20F、M.I.=2)、15%のEVA(三菱油化
社製EVA41H、M.I.=2)および20%のEV
A(三菱油化社製V501H、M.I.=2.5)を用
いてプレスシートを作成し、空気中でのγ線照射、ゲル
分率測定を行った。結果を表1に併せて示した。この結
果から、酢酸ビニル含量の高いEVAは、空気中ではγ
線による架橋が進みにくいことが分かった。
【0018】
【表1】
【0019】(実施例1〜3)参考例3〜5と同じ材料
を用い、同様にプレスシートを作成した。そのシート
を、窒素に十分置換した酸素バリア製のプラスチツク袋
(内面からEVA/エチレンビニルアルコール共重合体
/6−ナイロンからなる3層フイルム製)の中に入れて
熱シールし、その後は参考例1〜2と同様にしてγ線照
射、ゲル分率測定を行った。結果は表2に示した。酢酸
ビニル含量の高いEVAでも実質上無酸素の窒素雰囲気
下では架橋が十分に進み、線量10Mrad以上で良好
な結果が得られることが分かった。
【0020】
【表2】
【0021】(実施例4〜5)酢酸ビニル含量15%の
EVA(三菱油化社製EVA41H、M.I.=2)に
熱安定剤を0.2重量部添加して、押出機により肉厚
0.4mm、内径2mmのチユーブを採取して紙管に巻
き取ったものを、実施例1〜3と同様に窒素に十分置換
した酸素バリア製のプラスチツク袋の中に入れて熱シー
ルし、γ線を線量が10、20Mradとなるように照
射した。
【0022】そして各々の架橋チユーブを、チユーブラ
ー延伸工程でチユーブの温度100℃で径方向に2倍延
伸したところ、表3に示す結果となった。いずれのチユ
ーブも安定して延伸がなされ、得られたチユーブは良好
な熱収縮性を示した。
【0023】(比較例1〜5)実施例4と同様にしてチ
ユーブを採取して紙管に巻き取った。この巻き物に空気
中でγ線を線量が5、10、15Mradとなるように
照射した。また同様の巻き物を、窒素に十分置換した酸
素バリア製のプラスチツク袋の中に入れて熱シールし、
γ線を5、30Mrad照射した。
【0024】各々の架橋チユーブを、チユーブラー延伸
工程でチユーブの温度100℃で径方向に2倍延伸した
ところ、表3に示す結果となった。空気中で照射したも
の(比較例1〜3)および窒素雰囲気下で低線量で照射
したもの(比較例4)は、溶融気味にチユーブの破断が
起こり、安定して延伸するには至らなかった。一方、窒
素雰囲気下で高線量で照射したもの(比較例5)は、ゲ
ル分率が89%と高くてチユーブが全く伸びず、延伸時
の内圧を無理に上げるとすぐに破断が起こり延伸できな
かった。
【0025】
【表3】
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、従来試みられていなか
ったEVAのγ線照射架橋を応用して、熱収縮性フイル
ムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】γ線照射線量と、その結果得られるエチレン酢
酸ビニル共重合体の特性との関係を示す概念図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酢酸ビニル含量が10〜25重量%のエ
    チレン酢酸ビニル共重合体のフイルムに、実質上無酸素
    の雰囲気下で、10〜20Mradの線量となるように
    γ線を照射して架橋させ、次いで延伸することを特徴と
    する熱収縮性エチレン酢酸ビニル共重合体フイルムの製
    造方法。
JP13217793A 1993-06-02 1993-06-02 熱収縮性エチレン酢酸ビニル共重合体フイルムの製造方法 Pending JPH06339990A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13217793A JPH06339990A (ja) 1993-06-02 1993-06-02 熱収縮性エチレン酢酸ビニル共重合体フイルムの製造方法

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JP13217793A JPH06339990A (ja) 1993-06-02 1993-06-02 熱収縮性エチレン酢酸ビニル共重合体フイルムの製造方法

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JPH06339990A true JPH06339990A (ja) 1994-12-13

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ID=15075183

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JP13217793A Pending JPH06339990A (ja) 1993-06-02 1993-06-02 熱収縮性エチレン酢酸ビニル共重合体フイルムの製造方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996019334A1 (de) * 1994-12-21 1996-06-27 Huber + Suhner Ag Schrumpfbarer artikel

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996019334A1 (de) * 1994-12-21 1996-06-27 Huber + Suhner Ag Schrumpfbarer artikel

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