JPH06338400A - マイクロトロン電子加速器 - Google Patents

マイクロトロン電子加速器

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JPH06338400A
JPH06338400A JP12876993A JP12876993A JPH06338400A JP H06338400 A JPH06338400 A JP H06338400A JP 12876993 A JP12876993 A JP 12876993A JP 12876993 A JP12876993 A JP 12876993A JP H06338400 A JPH06338400 A JP H06338400A
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JP
Japan
Prior art keywords
shield pipe
electron
magnetic shield
electrons
magnetic field
Prior art date
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Pending
Application number
JP12876993A
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English (en)
Inventor
Katsuya Sugiyama
勝也 杉山
Katsuhiro Kuroda
勝広 黒田
Masatoshi Nishimura
正俊 西村
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
Original Assignee
Hitachi Medical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一様磁場とその中に配置された高周波加速空
胴とによって電子を円軌道を描かせながら加速するマイ
クロトロン電子加速器において、複数種類のエネルギー
の電子ビームを効率良く、かつ、一定方向に取り出す。 【構成】 電磁石2によって生じる一様磁場Bと加速空
胴1による高周波加速電場Eとによって電子を円軌道
(81〜86)を描かせながら加速し、磁気シールドパ
イプ6とその出口に設けられた偏向電磁石7とを連動し
て移動させて、エネルギーの異なる各軌道(81〜8
6)の電子ビームを特定の方向に取り出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマイクロトロン電子加速
器に係り、特に、複数種類のエネルギーの電子ビームを
得るのに好適なマイクロトロン電子加速器に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】マイクロトロン電子加速器は、マイクロ
波で電子を加速する装置であり、図4により、その電子
加速の原理を説明する。
【0003】まず、マイクロ波3の入力により高周波加
速電場Eをつくる加速空胴1を一様磁場Bをつくる電磁
石2内に配置し、これらの磁場Bと電場Eとにより電子
eを円軌道運動させて加速する構成になっている。そし
て、電子銃4より放出された電子eは加速空胴1内に導
かれて加速され、一様磁場B中で円軌道81を描いて再
び加速空胴1内に入射する。ここで電子eはさらに加速
され、より大きな円軌道82を描いて加速空胴1内に再
入射する。この動作が繰り返され、電子eは所望のエネ
ルギーになるまで加速される。この加速された電子eの
第n円軌道における軌道直径Dnは次式で近似される。
【0004】
【数1】
【0005】ここで、λはマイクロ波の自由空間波長で
ある。この式より、電子eの軌道直径Dnは加速空胴1
で1回加速されるごとにλ/πずつ大きくなることが分
かる。
【0006】ところで、複数種類のエネルギーの電子ビ
ームを一台の加速器から得たい場合、従来は、図4に示
すように、一様磁場Bを遮蔽する磁気シールドパイプ6
を円軌道上に配置し、この磁気シールドパイプ6を種々
の円軌道上に移動することによって、複数種類のエネル
ギーの電子ビームを1ヶ所の電子取り出しパイプ9から
取り出す構成になっていた。
【0007】なお、この種の従来技術が記載された文献
としては、例えば日本放射線機器工業会編、医用画像・
放射線機器ハンドブック、(1989)、200〜20
5頁が挙げられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来技
術においては、電子取り出しパイプ9の設置位置が加速
空胴1の設置位置と重ならないように、磁気シールドパ
イプ6の入口を、図4に示すように、各円軌道の中心を
結ぶ線上からずれた方向に移動させる必要がある。その
ため、各円軌道の中心を結ぶ線上を移動させる場合に比
較して、磁気シールドパイプ6の入口における各電子軌
道の間隔が狭くなる。例えば、マイクロ波の自由空間波
長λが100mm、磁気シールドパイプ6の入口の移動
方向の各円軌道の中心を結ぶ線からのずれ角が30度の
とき、磁気シールドパイプ6の入口における各電子軌道
の間隔は27.57mmであり、磁気シールドパイプ6
の入口を各円軌道の中心を結ぶ線上を移動させた場合の
31.83mmに比較して、4mm以上も狭くなる。し
たがって、磁気シールドパイプ6の径もその分小さくす
る必要がある。その結果、電子ビームが磁気シールドパ
イプ6の中で衝突する割合が高くなり、電子ビームの取
り出し効率が悪くなってしまう問題があった。
【0009】本発明は、このような課題を解決するため
になされたもので、複数種類のエネルギーの電子ビーム
を効率良く取り出すことのできるマイクロトロン電子加
速器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明においては、一様磁場B内を円軌道運動して
いる電子を取り出す磁気シールドパイプを設け、この磁
気シールドパイプの出口近傍に磁気シールドパイプによ
って取り出された電子を偏向する磁場強度可変の偏向電
磁石を設ける。そして、上記電子の円軌道に対応させ
て、上記磁気シールドパイプと偏向電磁石とを、それぞ
れ連動させて設置位置を移動させる。このとき、偏向電
磁石の磁場強度を変えることにより、各軌道を運動する
エネルギーの異なる電子を同一軸上に取り出したり、磁
場方向を正逆反転させて2方向に電子を取り出す。ま
た、磁気シールドパイプと偏向電磁石とが一体となって
移動できる構成もある。
【0011】
【作用】このマイクロトロン電子加速器によれば、磁気
シールドパイプの入口を電子の各円軌道上に移動、配置
させることにより、全ての軌道の電子ビームを磁気シー
ルドパイプの出口まで取り出すことができる。また、磁
気シールドパイプの出口近傍に設置した磁場強度可変の
偏向電磁石によって電子ビームを偏向することができる
ので、全ての軌道の電子ビームを同一軸上に供給するこ
とができる。このとき、各軌道を運動する電子のエネル
ギーは異なるので、偏向電磁石の磁場強度を、電子ビー
ムの偏向曲率半径が一定になるように、各軌道ごとに変
えて設定する必要がある。また、上記構成では、磁気シ
ールドパイプの入口を、各円軌道の中心を結ぶ線上で移
動させることができるので、上記入口における電子軌道
の間隔は従来の場合よりも広くなり、したがって、磁気
シールドパイプの径を従来よりも大きくすることができ
る。その結果、電子ビームが磁気シールドパイプ内で衝
突する割合が低くなり、電子ビームを効率良く取り出せ
るようになる。すなわち、複数種類のエネルギーの電子
ビームを効率良く取り出すことのできるマイクロトロン
電子加速器を実現することができる。
【0012】また、偏向電磁石の磁場方向を正逆反転さ
せることによって、電子ビームを2方向に取り出すこと
ができ、複数の用途に利用できるようになる。また、磁
気シールドパイプと偏向電磁石とを一体構造にすること
によって、上記の移動、配置の操作を容易にすることが
できる。
【0013】
【実施例】図1は、本発明に係るマイクロトロン電子加
速器の一つの実施例の構成図である。
【0014】本実施例では、まず、3GHzで共振する
直方体の加速空胴1が一様磁場(B=0.11T)をつ
くる電磁石2内に設けられている。この加速空胴1で
は、マイクロ波3の入力により、3GHzの高周波加速
電場Eがつくられる。また、この加速空胴1には、電子
銃4と、加速された電子ビームが通過するビーム通過孔
5が設けられている。また、一様磁場B内には、円軌道
運動をしている電子を取り出す磁気シールドパイプ6が
設けられており、この磁気シールドパイプ6の出口に
は、磁気シールドパイプ6によって取り出された電子を
90度偏向する偏向電磁石7が設けられている。さら
に、これらの磁気シールドパイプ6と偏向電磁石7は一
体となって移動できる構成になっており、その移動方向
は、磁気シールドパイプ6の入口が、常に各円軌道の中
心を結ぶ線上に位置する方向である。
【0015】まず、本構成での動作を図1により説明す
る。電子銃4より放出された電子eはビーム通過孔5か
ら加速空胴1内に入射する。入射した電子eは空胴内に
つくられる3GHzの高周波加速電場Eによって加速さ
れ、もう一つのビーム通過孔5から空胴外に出射する。
出射した電子eは一様磁場B中で円軌道81を描いて再
び加速空胴1内に入射する。ここで電子eは高周波加速
電場Eによってさらに加速され、より大きな円軌道82
を描いて加速空胴1内に再入射する。この動作が繰り返
され、電子eは所望のエネルギーになるまで加速され
る。所望のエネルギーに加速された電子eは、その円軌
道86上に配置された磁気シールドパイプ6によって取
り出され、偏向電磁石7によって90度偏向されて外部
に供給される。
【0016】ところで、本実施例では、加速空胴1での
電子eの一回当りの加速エネルギーは0.525MeV
であり、第n円軌道における電子eの全エネルギーは
0.525(n+1)MeVである。また、マイクロ波
3の自由空間波長が100mmであることから、第n円
軌道における電子eの軌道直径は31.83(n+1)
mmである。したがって、磁気シールドパイプ6の入口
を31.83mmずつ各円軌道の中心を結ぶ線上で移動
させれば、全ての軌道の電子ビームを磁気シールドパイ
プ6の出口まで取り出すことができる。また、磁気シー
ルドパイプ6の出口に設けられた偏向電磁石7によって
電子ビームを90度偏向すれば、全ての軌道の電子ビー
ムを同一軸上に供給することが可能となる。このとき、
偏向電磁石7の磁場強度は、電子ビームの曲率半径が一
定になるように各軌道ごとに変えて設定する必要があ
る。なお、本発明の構成図(図1)では電子eの最大軌
道数が6ターンとなっているが、実際の実施例では40
ターンまで加速できるようになっている。
【0017】本実施例の一つの特徴は、電子ビームの取
り出し効率が従来技術より優れていることである。本実
施例では、磁気シールドパイプ6の入口を各円軌道の中
心を結ぶ線上で移動させているため、電子軌道の間隔が
従来技術よりも広くなる。したがって、磁気シールドパ
イプ6の径を従来技術より大きくすることができ、その
結果、電子ビームを効率良く取り出せるようになる。電
子ビームの取り出し効率を実際の装置で比較したとこ
ろ、従来技術では80%程度であったのに対し、本実施
例では95%程度にすることができた。また、本実施例
のもう一つの特徴は、偏向電磁石7の磁場方向を正逆反
転させることによって、複数種類のエネルギーの電子ビ
ームを2方向に供給できるようになることである。図2
に、その実施例を示す。この図中の偏向電磁石7は、そ
の励磁コイルに流す電流の方向を反転することによっ
て、磁場方向を正逆反転することができる。この偏向電
磁石7を用いれば、180度方向が異なる2本の電子ビ
ームを供給できるようになる。最近、物理や医療等の分
野では、複数本の電子ビームラインが要求されてきてお
り、このような観点からしても本実施例の装置構成は極
めて利用価値が高いものである。
【0018】以上、本発明の実施例について述べたが、
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、以下に
示すような種々の構成でも可能である。例えば、上記実
施例では、磁気シールドパイプ6と偏向電磁石7とが一
体となって移動する構成にしたが、これは、図3に示す
ように、磁気シールドパイプ6と偏向電磁石7とが別々
に移動する構成にしてもよい。また、上記実施例では、
磁気シールドパイプ6の入口を各円軌道の中心を結ぶ線
上で移動させ、偏向電磁石7の偏向角度を90度とした
が、これに限ることなく実施できる。要は、各軌道の電
子ビームを同一軸上に供給できる、磁気シールドパイプ
6入口の移動方向、偏向電磁石7の偏向角度の組合せで
あればよい。また、上記実施例では、マイクロ波3の周
波数として3GHz、一様磁場Bの強度として0.11
Tを選んだが、これもマイクロトロンの同期条件を満た
してさえいれば、どのような周波数、磁場強度にしても
よい。また、上記実施例では、加速空胴1として直方体
のものを用いたが、これに限ることなく実施できる。例
えば円筒型の加速空胴を用いてもよい。要は、マイクロ
波3の入力によって高周波加速電場Eがつくられる加速
空胴であればよい。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るマイ
クロトロン電子加速器においては、電子ビームの取り出
し系を移動可能な磁気シールドパイプと偏向電磁石との
組み合せで構成することにより、複数種類のエネルギー
の電子ビームを、効率良く、かつ、一定の方向に取り出
すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマイクロトロン電子加速器の一実
施例の構成図である。
【図2】本発明に係るマイクロトロン電子加速器の他の
実施例の構成図である。
【図3】本発明に係るマイクロトロン電子加速器の他の
実施例の構成図である。
【図4】従来技術におけるマイクロトロン電子加速器の
構成図である。
【符号の説明】
1…加速空胴 2…電磁石 3…マイクロ波 4…電子銃 5…ビーム通過孔 6…磁気シールドパイ
プ 7…偏向電磁石 81〜86…円軌道 9…電子取り出しパイプ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マイクロ波を入力して高周波加速電場Eを
    つくる加速空胴を一様磁場B内に配置し、上記磁場Bと
    電場Eとにより電子を円軌道運動させて加速するマイク
    ロトロン電子加速器において、上記円軌道運動をしてい
    る電子を取り出す磁気シールドパイプを設け、上記磁気
    シールドパイプの電子の出口近傍にエネルギーの異なる
    電子を同一方向に偏向する磁場強度可変の偏向電磁石を
    設け、上記電子の円軌道に対応させて、上記磁気シール
    ドパイプと上記偏向電磁石とをそれぞれ連動させて設置
    位置を移動できる構成にしたことを特徴とするマイクロ
    トロン電子加速器。
  2. 【請求項2】上記偏向電磁石の磁場方向を正逆反転させ
    る手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のマイ
    クロトロン電子加速器。
  3. 【請求項3】上記磁気シールドパイプと上記偏向電磁石
    とが一体となって移動できる構成にしたことを特徴とす
    る請求項1または2に記載のマイクロトロン電子加速
    器。
JP12876993A 1993-05-31 1993-05-31 マイクロトロン電子加速器 Pending JPH06338400A (ja)

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JP (1) JPH06338400A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009510484A (ja) * 2005-09-30 2009-03-12 ハザードスキャン インコーポレイテッド 電子加速器をベースにしたマルチエネルギー貨物検査システム
CN114486961A (zh) * 2022-01-25 2022-05-13 上海交通大学 多能段易操控超快电子衍射装置

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