JPH0633549A - 複合格子梁 - Google Patents

複合格子梁

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JPH0633549A
JPH0633549A JP20741392A JP20741392A JPH0633549A JP H0633549 A JPH0633549 A JP H0633549A JP 20741392 A JP20741392 A JP 20741392A JP 20741392 A JP20741392 A JP 20741392A JP H0633549 A JPH0633549 A JP H0633549A
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lattice
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tension
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Kuniaki Hayashi
邦昭 林
Toshio Soejima
敏夫 副島
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 格子梁にプレストレスを付加する緊張ケーブ
ルを組み込んだ複合格子梁を提供する。 【構成】 複合格子梁10は、格子梁20とその全スパ
ンに亙って延びる緊張ケーブル40とで構成され、格子
梁20は、上弦材21と下弦材22とこれら両弦材2
1,22を連結する複数の束材23とを主体として構成
され、格子梁20の両端付近の部分には必要に応じてラ
チス材25が設けられ、緊張ケーブル40は、複数の支
圧板24により上下方向に位置規制されている。これに
より、格子梁20の短所を緊張ケーブル40で補った複
合格子梁10が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合格子梁に関し、特
に緊張ケーブルによりプレストレスを付加してなる複合
格子梁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、トラス梁は、多数の三角形軸
組要素の連結体からなり、剛性が高く応力的にも有利で
あることから、構造物の梁として、一般にトラス梁が多
用されて来たが、最近ではトラス梁にプレストレスを付
加する緊張ケーブルを組み込んだ複合トラス梁が実用化
されつつある(例えば、特開昭62−182343号公
報、特開平1−190845号公報参照)。これに対し
て、四角形軸組要素の連結体からなる格子梁は、ラチス
材がないために剛性が低く変形しやすく、応力的に不利
であることから、実際の構造物の梁としては殆ど実用に
供されていないのが実情であり、格子梁にプレストレス
を付加する技術は、全く提案されていない。ところで、
最近の格納庫、運動施設等の可動屋根、工場建屋、イベ
ント施設等の大スパン構造物の梁においては、その撓み
量を如何に小さくするかが問題となるため、応力ベース
ではなく剛性ベースの設計が要請されつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】大スパンのトラス梁で
は、その自重による応力と撓み変形が大きくなるため、
その梁背を大きくする必要があり、多数のラチス材など
も必要で部材数も多くなり、特に、多数のラチス材の加
工、溶接等に伴う製作コストも高価になるという問題が
ある。これを解決する目的で、前記トラス梁にプレスト
レスを付加した複合トラス梁が実用化されつつあるが、
トラス梁は剛性が高く変形しにくいため、トラス梁にプ
レストレスを付加して応力と変形を制御することはたい
して得策ではなく、プレストレス導入の費用対効果の面
であまり有利ではない。
【0004】前記プレストレスを付加した複合トラス梁
では、その梁背を多少小さくできるものの、基本的に前
記諸欠点が依然として残されているし、更に、剛性比
(緊張ケーブルの伸び剛性に対するトラス梁の曲げ剛性
の比)が大きいために、プレストレス導入効率が低く、
所要の緊張力が大きくなること、応力的には厳しくない
ため高張力鋼を適用する余地に乏しく、製作コストの低
減の為鋼材重量を低減し得る設計の自由度に欠けるとい
う問題がある。前記格子梁は、剛性が低く撓み変形が大
きくなることから、従来から公知の単純格子梁を大スパ
ンの構造物に適用することは到底不可能である。本発明
の目的は、格子梁にプレストレスを付加する緊張ケーブ
ルを組み込んだ複合格子梁を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の複合格子梁
は、1又は複数の上弦材と、1又は複数の下弦材と、こ
れら上弦材と下弦材とを連結する複数の束材とを主体と
して構成された格子梁と、前記格子梁にプレストレスを
付加する緊張ケーブルとを備えたものである。請求項2
の複合格子梁は、請求項1の複合格子梁において、前記
格子梁が1つの上弦材と1つの下弦材とを有する平面格
子梁であるものである。請求項3の複合格子梁は、請求
項1の複合格子梁において、前記格子梁が2つの上弦材
と2つの下弦材とを有する立体格子梁であるものであ
る。請求項4の複合格子梁は、請求項1の複合格子梁に
おいて、前記格子梁の両端付近の部分には、ラチス材を
設けたものである。
【0006】請求項5の複合格子梁は、請求項1又は請
求項4の複合格子梁において、前記緊張ケーブルが、格
子梁を上方へ変位させるプレストレスを付加するように
配設されたものである。請求項6の複合格子梁は、請求
項1又は請求項4の複合格子梁において、前記緊張ケー
ブルとして、格子梁を上方へ変位させるプレストレスを
付加するように配設された主緊張ケーブルと、そのプレ
ストレスに比較して十分小さなプレストレスであって格
子梁を下方へ変位させるプレストレスを付加するように
配設された副緊張ケーブルとを設けたものである。
【0007】
【作用】請求項1の複合格子梁においては、1又は複数
の上弦材と、1又は複数の下弦材と、これら上弦材と下
弦材とを連結する複数の束材とを主体として構成された
格子梁と、前記格子梁にプレストレスを付加する緊張ケ
ーブルとを備えているため、撓み量が大きくなるという
格子梁の弱点を緊張ケーブルで補ない且つ格子梁の長所
を活かした合理的な複合格子梁が得られる。即ち、格子
梁の剛性比は小さいため、プレストレス導入効率が高
く、トラス梁の場合に比較して格段に小さな緊張力で格
子梁の撓み変形を効果的に抑制できる。つまり、緊張ケ
ーブルはプレストレス導入機能と格子梁を吊持支持する
サスペンション機能とを達成することになる。
【0008】緊張ケーブルでプレストレスを付加するこ
とで、格子梁の撓み変形を抑制できるため、剛性ベース
での設計ではなしに応力ベースでの設計が可能となるか
ら、高張力鋼を適用して鋼材重量の低減を図ることが可
能になる。格子梁はトラス梁に比較して低剛性であるた
め、緊張ケーブルで付加するプレストレスと格子梁の材
質を適切に設定することにより、大スパンの梁であって
も比較的小さな梁背の複合格子梁とすることが出来る。
格子梁では、多数のラチス材を省略できるため、多数の
ラチス材の加工、溶接等に伴う製作コストを大幅に低減
できる。
【0009】請求項2の複合格子梁においては、請求項
1において、前記格子梁が1つの上弦材と1つの下弦材
とを有する平面格子梁で、これは比較的小スパンの梁に
適するが、大スパンの梁にも適用可能である。請求項3
の複合格子梁においては、請求項1において、前記格子
梁が2つの上弦材と2つの下弦材とを有する立体格子梁
であり、これは比較的大スパンの梁に適するが、小スパ
ンの梁にも適用可能である。請求項4の複合格子梁にお
いては、請求項1において、前記格子梁の両端付近の部
分には、ラチス材を設けたので、両端付近の部分に発生
する相対的に大きな曲げモーメントを低減することが出
来る。請求項5の複合格子梁においては、請求項1又は
請求項4において、前記緊張ケーブルが、格子梁を上方
へ変位させるプレストレスを付加するように構成されて
いるため、格子梁の自重等による下方への撓み変形を抑
制出来る。
【0010】請求項6の複合格子梁においては、請求項
1又は請求項4において、前記緊張ケーブルとして、格
子梁を上方へ変位させるプレストレスを付加する主緊張
ケーブルと、そのプレストレスに比較して十分小さなプ
レストレスであって格子梁を下方へ変位させるプレスト
レスを付加する副緊張ケーブルとを設けたので、主緊張
ケーブルにより格子梁の下方へ変形するのを抑制できる
とともに、副緊張ケーブルにより風荷重等で格子梁の上
方へ変位するのを抑制できる。
【0011】
【発明の効果】前記作用の欄で説明したように、本発明
に係る複合格子梁によれば、次の効果が得られる。請求
項1の複合格子梁によれば、格子梁と格子梁にプレスト
レスを付加する緊張ケーブルとを備えているため、撓み
量が大きくなるという格子梁の弱点を緊張ケーブルで補
ない且つ格子梁の長所を活かした合理的な複合梁が得ら
れる。即ち、トラス梁の場合に比較して格段に小さな緊
張力で格子梁の撓み変形を効果的に抑制でき、緊張ケー
ブルによりプレストレス導入機能と格子梁を吊持支持す
るサスペンション機能とを達成できる。緊張ケーブルで
格子梁の撓み変形を抑制できるため、剛性ベースでの設
計ではなしに応力ベースでの設計を可能とし、高張力鋼
を効果的に使用でき、鋼材重量の低減を図ることが可能
になる。格子梁はトラス梁に比較して低剛性であるた
め、緊張ケーブルで付加するプレストレスと格子梁の材
質を適切に設定することにより、大スパンの梁であって
も比較的小さな梁背の複合格子梁とすることが出来る。
格子梁では、多数のラチス材を省略できるため、多数の
ラチス材の加工、溶接等に伴う製作コストを大幅に低減
できる。
【0012】請求項2の複合格子梁によれば、請求項1
において、前記格子梁が1つの上弦材と1つの下弦材と
を有する平面格子梁で、比較的小スパンの梁に適する
が、大スパンの梁にも適用可能である。請求項3の複合
格子梁によれば、請求項1において、前記格子梁が2つ
の上弦材と2つの下弦材とを有する立体格子梁であり、
比較的大スパンの梁に適するが、小スパンの梁にも適用
可能である。請求項4の複合格子梁によれば、請求項1
において、前記格子梁の両端付近の部分にラチス材を設
けることにより、両端付近の部分に発生する相対的に大
きな曲げモーメントを低減することが出来る。請求項5
の複合格子梁によれば、請求項1又は請求項4におい
て、格子梁の自重等による下方への撓み変形を抑制出来
る。請求項6の複合格子梁によれば、請求項1又は請求
項4において、主緊張ケーブルにより格子梁の下方への
撓み変形を抑制できるとともに、副緊張ケーブルにより
風荷重等で格子梁の上方への撓み変形を抑制できる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基いて
説明する。本実施例は、航空機等の格納庫の屋根構造の
複合格子梁に本発明を適用した場合の一例であるが、本
発明の複合格子梁は、前記以外に、運動施設等の移動屋
根、工場建屋、イベント施設等の種々の大スパン構造物
の梁構造に好適のものである。図1に示すように、格納
庫1は、約100m乃至それ以上の幅を有する大スパン
構造物であり、この格納庫1は、基本的に屋根構造2
と、屋根構造2の左右両端部を支持する左右1対の側壁
構造3とからなる。前記屋根構造2には、左右方向に延
びる例えば4本の複合格子梁10が設けられ、各側壁構
造3には複合格子梁10と同一構面に含まれる柱部材4
が設けられ、各複合格子梁10の左右の両端部は、対応
する柱部材4の上端部に連結され、柱部材4で支持され
ている。
【0014】前記複合格子梁10について説明する。こ
の複合格子梁10は、図2に示すように、基本的に、緩
い勾配の山形状の格子梁20と、この格子梁20にプレ
ストレスを付加する複数の連続的な緊張ケーブル40と
からなる。前記格子梁20は、上弦材21と、下弦材2
2と、これら上弦材21と下弦材22とを連結する複数
の束材23であってスパン方向所定間隔おきに配設され
た複数の束材23とを主体として構成されている。但
し、この格子梁20には、束材23と束材23との中間
位置において上弦材21と下弦材22とに溶接された複
数の支圧板24であって緊張ケーブル40を下方に凸状
のパラボラ曲線状に位置規制する機能を果たす複数の支
圧板24設けられ、また、格子梁20の両端付近の部分
には、補強用のラチス材25も設けられているが、ラチ
ス材25は必要に応じて設けられるもので省略可能なも
のである。
【0015】前記格子梁20は、夫々1条の上弦材21
及び下弦材22を有する平面格子梁に構成することもあ
るし、1条の上弦材21及び2条の下弦材22を有する
立体格子梁に構成することもあるし、2条の上弦材21
及び1条の下弦材22を有する立体格子梁に構成するこ
ともあるし、夫々2条の上弦材21及び下弦材22を有
する立体格子梁に構成することもある。また、格子梁2
0としては、山形格子梁に限らず、平行弦格子梁、勾配
付きの平行弦格子梁(図6参照)等種々の格子梁を適用
可能である。
【0016】前記上弦材21や下弦材22や束材23の
為の鋼材としては、パイプ材、矩形状パイプ材、H型鋼
材、アングル材、チャンネル材等種々適用可能である。
前記緊張ケーブル40は、細い鋼線を多数より合わせた
太径のワイヤに必要に応じて合成樹脂製被覆材を被覆し
た構造であり、この緊張ケーブル40の各端部は格子梁
20の端部又は端部近傍部に定着板部材を介して連結さ
れ、緊張ケーブル40の緊張力は柱部材4には作用しな
いように、つまり格子梁20の内部で釣り合うように構
成してあり、緊張ケーブル40は、格子梁20のスパン
中央側部分で最も低くなるように下方へ凸状のパラポラ
曲線状に配設され、緊張ケーブル40はスパン方向所定
間隔おきに支圧板23で上下方向に位置規制されてお
り、緊張ケーブル40には、格子梁20の自重及び格子
梁20が分担する屋根構造2の部分の自重や、積雪等に
よる外部荷重や、格子梁20のスパン等に応じて適宜設
定される緊張力(例えば、数100トン)が付与され、
この緊張ケーブル40で格子梁20の下方への撓み変形
を抑制するプレストレスを格子梁20に付加するように
構成してある。尚、前記緊張ケーブル40は、複数条設
けることが望ましいが、1条の緊張ケーブル40を設け
ることも可能である。
【0017】前記格子梁20に設ける緊張ケーブル40
の張設態様について説明する。図2に示すように、格子
梁20の全スパンに亙って連続する下方に凸状のパラポ
ラ曲線状の複数の緊張ケーブル40を設けてもよいし、
図3に示すように、格子梁20のスパン中央側のスパン
約1/2部分に下方への撓み変形を抑制するプレストレ
スを付加する複数の第1緊張ケーブル41と、格子梁2
0の各端部側部分約1/4スパン部分に下方への撓み変
形を抑制するプレストレスを付加する左右1対の複数の
第2緊張ケーブル42とを設けてもよい。
【0018】前記屋根構造2に上方向きの風荷重が作用
するような場合、図4に示すように、前記格子梁20
に、その全スパンに亙って連続する下方に凸状のパラポ
ラ曲線状の複数の主緊張ケーブル40を設けるととも
に、全スパンに亙って連続する上方に凸状のパラポラ曲
線状の複数の副緊張ケーブル43を設け、副緊張ケーブ
ル43の緊張力を、例えば主緊張ケーブル40の緊張力
の約0〜20%程度に設定する。このように、副緊張ケ
ーブル43を設けると、格子梁20に上方向きの風荷重
が作用する際に、副緊張ケーブル43により格子梁20
の上方への撓み変形が抑制されることなる。前記副緊張
ケーブル43を設ける場合、副緊張ケーブル43の緊張
力の分だけ主緊張ケーブル40の緊張力を大きく設定す
る必要があるが、格子梁20に上方向きの荷重が作用し
た場合に、副緊張ケーブル43が有効に機能する。
【0019】図5に示すように、格子梁20のスパン中
央側のスパン約1/2部分に下方への撓み変形を抑制す
るプレストレスを付加する複数の第1主緊張ケーブル4
1と、格子梁20の各端部側部分約1/4スパン部分に
下方への撓み変形を抑制するプレストレスを付加する左
右1対の複数の第2主緊張ケーブル42とを設けるとと
もに、格子梁20のスパン中央側のスパン約1/2部分
に上方への変形を抑制するプレストレスを付加する複数
の第1副緊張ケーブル44と、格子梁20の各端部側部
分約1/4スパン部分に上方への撓み変形を抑制するプ
レストレスを付加する左右1対の複数の第2副緊張ケー
ブル45とを設けてもよい。
【0020】図6に示すように、勾配付きの平行弦格子
梁20Aと、緊張ケーブル46a,46bとからなる複
合格子梁10Aにおいては、格子梁20Aの頂部から一
端部に亙る緊張ケーブル46aと、格子梁20Aの頂部
から他端部に亙る緊張ケーブル46bとを設けてもよ
い。尚、緊張ケーブル46a,46bの端部は、定着板
部材26に連結して支持される。但し、図7に示すよう
に、緊張ケーブル46aの端部と緊張ケーブル46bの
端部とを連続させた緊張ケーブル46を設けてもよい。
尚、符号27は定着板部材である。
【0021】次に、緊張ケーブルの張設形態と支圧板に
関する複数の例について説明する。尚、複合格子梁の平
面図である図8、図10、図12、図14において、格
子梁は、そのスパン直交方向の幅に比較してスパンを縮
小した状態で図示してある。図8、図9に示すように、
2条の上弦材21と2条の下弦材22とを備えた立体複
合格子梁10Bの場合、複数の緊張ケーブル40が平面
視直線状に平行に配設され、これら複数の緊張ケーブル
40の両端部は夫々定着板部材28に固定されている。
この場合の支圧板24a,24b,24cの形状及び緊
張ケーブル40を支持する構造は、図9(a)〜(c)
に示す通りである。
【0022】図10、図11に示すように、1条の上弦
材21と2条の下弦材22とを備えた立体複合格子梁1
0Cの場合、複数の緊張ケーブル40は、平面視にてス
パン中央側程相互間の間隔が拡大する状態に配設され、
これら複数の緊張ケーブル40の両端部は夫々定着板部
材28に固定されている。この場合の支圧板24d,2
4e,24fの形状及び緊張ケーブル40を支持する構
造は、図11(a)〜(c)に示す通りである。
【0023】図12、図13に示すように、2条の上弦
材21と1条の下弦材22とを備えた立体複合格子梁1
0Dの場合、複数の緊張ケーブル40は、平面視にてス
パン中央側程相互間の間隔が小さくなる状態に配設さ
れ、これら複数の緊張ケーブル40の両端部は夫々定着
板部材28に固定されている。この場合の支圧板24
g,24h,24iの形状及び緊張ケーブル40を支持
する構造は、図13(a)〜(c)に示す通りである。
【0024】図14、図15に示すように、1条の上弦
材21と1条の下弦材22とを備えた平面複合格子梁1
0Eの場合、複数の緊張ケーブル40は、平面視にて格
子梁の両側に平行に配設され、2条の緊張ケーブル40
の両端部は夫々定着板部材28に固定されている。この
場合の支圧板24j,24k,24mの形状及び緊張ケ
ーブル40を支持する構造は、図15(a)〜(c)に
示す通りである。以上の複数例に示すように、上弦材2
1と下弦材22とに接合された支圧板24a〜24mを
介して緊張ケーブル40を上下方向に位置規制するた
め、緊張ケーブル40の緊張力の分力を上弦材21と下
弦材22とに確実に伝達できる。
【0025】以上説明した複合格子梁10の作用につい
て説明する。前記上弦材21と、下弦材22と、これら
上弦材21と下弦材22とを連結する複数の束材23と
を主体として構成された格子梁20に、プレストレスを
付加する緊張ケーブル40を設けたため、撓み量が大き
くなるという格子梁の弱点を緊張ケーブル40で補ない
且つ格子梁20の長所を活かした合理的な複合格子梁が
得られる。即ち、格子梁の剛性比(緊張ケーブル40の
伸び剛性に対する格子梁20の曲げ剛性の比)が小さい
ため、プレストレス導入効率が高く、複合トラス梁の場
合に比較して格段に小さな緊張力で格子梁20の撓み変
形を効果的に抑制できる。つまり、格子梁20の撓み量
が大きいことから、緊張ケーブル40はプレストレス導
入機能と格子梁20を吊持支持するサスペンション機能
とを達成することになる。尚、複合トラス梁において
は、緊張ケーブルがサスペンション機能を発揮する比率
は非常に小さい。
【0026】前記緊張ケーブル40でプレストレスを付
加することで、格子梁20の変形を抑制できるため、剛
性ベースでの設計ではなしに応力ベースでの設計が可能
となるから、高張力鋼を適用して鋼材重量の低減を図る
ことも可能になる。また、格子梁20はトラス梁に比較
して軽量であるため、緊張ケーブル40で付加するプレ
ストレスと格子梁20の材質を適切に設定することによ
り、大スパンの梁であっても比較的小さな梁背の複合格
子梁とすることが出来る。特に、複合格子梁10では、
多数のラチス材を省略できるため、多数のラチス材の加
工、溶接等に伴う製作コストを大幅に低減できる。
【0027】前記格子梁20の両端付近の部分に、ラチ
ス材25を設ける場合には、比較的大きな曲げモーメン
トが発生する両端付近の部分の剛性を高めることが出来
る。また、前記緊張ケーブル40が、格子梁20を上方
へ変位させるプレストレスを付加するように構成されて
いるため、格子梁20の自重等による下方への撓み変形
を抑制出来る。図4、図5に示すように、格子梁20を
上方へ変位させるプレストレスを付加する主緊張ケーブ
ル40〜42と、そのプレストレスに比較して十分小さ
なプレストレスであって格子梁20を下方へ変位させる
プレストレスを付加する副緊張ケーブル43〜45とを
設ける場合には、主緊張ケーブル40〜42により格子
梁20が下方へ撓み変形するのを抑制できるとともに、
副緊張ケーブル43〜45により風荷重等で格子梁20
が上方へ撓み変形するのを抑制できる。
【0028】以下、トラス梁に緊張ケーブルを設けた複
合トラス梁と、緊張ケーブルなしの単純格子梁と、格子
梁に緊張ケーブルを設けた複合格子梁に関して、鋼材重
量や緊張ケーブルの所要緊張力(所要張力)等を定量的
に比較検討する為に、航空機用の格納庫を対象として1
本の梁について構造解析した解析結果について説明す
る。この構造解析の前提条件は、次ぎの通りである。 1)梁の実スパン×梁背 ・・・・120m×6m 2)梁に作用する等分布荷重 ・・・・2.5t/m 3)撓み量の制限値 ・・・・約25cm 4)導入緊張力(導入張力) ・・・・撓み量が制限値
になるまで導入 5)上弦材と下弦材の座屈長さ・・・・10m 6)上弦材と下弦材の幅厚比による板厚制限(H−50
0×500の場合)は表1の通りで、部材記号は図16
の通りであり、HとはH型鋼を示す。
【0029】
【表1】 前記構造解析の結果は、表2、表3、図17〜図25に
通りである。
【0030】表2と表3から判るように、複合トラス梁
では、緊張力の導入効率が0.023cm/t、合計重
量が63t、導入緊張力が463t、緊張ケーブルに作
用する合計張力が520tであるのに対して、複合格子
梁では、緊張力の導入効率が0.382cm/t、合計
重量が60t、導入緊張力が238t、緊張ケーブルに
作用する合計張力が724tである。従って、複合トラ
ス梁に比較して、複合格子梁では、緊張力の導入効率が
高く、鋼材の合計重量が少なくなり、導入緊張力が大幅
に小さくなる。但し、複合格子梁では、緊張ケーブルで
格子梁を吊持するサスペンション作用により緊張ケーブ
ルの合計張力が大きくなるためケーブル径自体は大きく
なる。尚、表2、表3において、PCケーブルは緊張ケ
ーブルを示す。
【0031】前記解析の結果、複合トラス梁の変位、軸
力、モーメントの分布は、夫々図17、図18、図19
に示す通りであり、緊張ケーブルなしの単純格子梁の変
位、軸力、モーメントの分布は、夫々図20、図21、
図22に示す通りであり、複合格子梁の変位、軸力、モ
ーメントの分布は、夫々図23、図24、図25に示す
通りである。尚、前記格子梁は、部分的又は全面的に高
張力鋼材で構成することもあるし、緊張ケーブルは、必
ずしも格子梁の全スパンに亙って設ける必要はなく、両
端側約1/4〜1/3スパン部分にのみ緊張ケーブルを
設けてもよい。また、本発明の複合格子梁は、大スパン
の梁以外に中小スパンの梁にも適用可能であり、前記種
々の構造物の梁以外に道路橋や橋梁の梁としても適用可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る格納庫の斜視図である。
【図2】図1の格納庫の複合格子梁の構成図である。
【図3】緊張ケーブルの形態を変更した例の図2相当図
である。
【図4】副緊張ケーブルを追加した例の図2相当図であ
る。
【図5】副緊張ケーブルを追加した例の図3相当図であ
る。
【図6】複合格子梁の別実施例の部分構成図である。
【図7】図6の複合格子梁の一部を変更した複合格子梁
の部分構成図である。
【図8】複合格子梁の一例の平面図である。
【図9】図8の複合格子梁の異なる位置の複数の支圧板
等の構成図である。
【図10】複合格子梁の一例の平面図である。
【図11】図10の複合格子梁の異なる位置の複数の支
圧板等の構成図である。
【図12】複合格子梁の一例の平面図である。
【図13】図12の複合格子梁の異なる位置の複数の支
圧板等の構成図である。
【図14】複合格子梁の一例の平面図である。
【図15】図14の複合格子梁の異なる位置の複数の支
圧板等の構成図である。
【図16】構造解析に供した複合トラス梁と複合格子梁
の部材記号説明図である。
【図17】構造解析で求めた複合トラス梁の変位分布図
である。
【図18】構造解析で求めた複合トラス梁の軸力分布図
である。
【図19】構造解析で求めた複合トラス梁のモーメント
分布図である。
【図20】構造解析で求めた単純格子梁の変位分布図で
ある。
【図21】構造解析で求めた単純格子梁の軸力分布図で
ある。
【図22】構造解析で求めた単純格子梁のモーメント分
布図である。
【図23】構造解析で求めた複合格子梁の変位分布図で
ある。
【図24】構造解析で求めた複合格子梁の軸力分布図で
ある。
【図25】構造解析で求めた複合格子梁のモーメント分
布図である。
【符号の説明】
10,10A〜10E 複合格子梁 21 上弦材 22 下弦材 23 束材 25 ラチス材 40 緊張ケーブル(主緊張ケー
ブル) 41,42 主緊張ケーブル 43,44,45 副緊張ケーブル
【表2】
【表3】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1又は複数の上弦材と、1又は複数の下
    弦材と、これら上弦材と下弦材とを連結する複数の束材
    とを主体として構成された格子梁と、 前記格子梁にプレストレスを付加する緊張ケーブルと、 を備えたことを特徴とする複合格子梁。
  2. 【請求項2】 前記格子梁が1つの上弦材と1つの下弦
    材とを有する平面格子梁であることを特徴とする請求項
    1に記載の複合格子梁。
  3. 【請求項3】 前記格子梁が2つの上弦材と2つの下弦
    材とを有する立体格子梁であることを特徴とする請求項
    1に記載の複合格子梁。
  4. 【請求項4】 前記格子梁の両端付近の部分には、ラチ
    ス材を設けたことを特徴する請求項1に記載の複合格子
    梁。
  5. 【請求項5】 前記緊張ケーブルが、格子梁を上方へ変
    位させるプレストレスを付加するように配設されたこと
    を特徴とする請求項1又は請求項4に記載の複合格子
    梁。
  6. 【請求項6】 前記緊張ケーブルとして、格子梁を上方
    へ変位させるプレストレスを付加するように配設された
    主緊張ケーブルと、そのプレストレスに比較して十分小
    さなプレストレスであって格子梁を下方へ変位させるプ
    レストレスを付加するように配設された副緊張ケーブル
    とを設けたことを特徴とする請求項1又は請求項4に記
    載の複合格子梁。
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