JPH0633505A - 仮設水洗トイレ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 清水タンクを、上面が床面部である便器付き
清水タンク部とすることにより、ハウス部内を従前通り
の広さに確保すると共に、構造を各機能別に分割・単純
化して、製作上の負担を軽減し且つ搬送及びメンテナン
スを容易にすることである。 【構成】 ハウス部と、ハウス部に覆われる便器部付き
清水タンク部と、清水タンク部下側の便槽部とに分割自
在に形成してあり、ハウス部は、一側面に出入り口を形
成すると共に底面を開口させて形成し、清水タンク部は
上面を床面部として、床面部に便器部を清水タンク部と
区画形成し、便器部におけるボール面下端の便落口下側
に便皿を開閉自在に備えると共に、清水タンク部の取水
口と便器部の吐水口を連通して且つ清水タンク部内の清
水をボール面に吐出可能な給水要素を備え、便槽部は上
面における前記便皿の下側位置に連通口を開口形成した
こと。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は屋外の各種催し物や建築
現場等に便宜的に設置されて利用される仮設水洗トイレ
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の仮設トイレ装置はほとんどが非水
洗タイプのものである。ところが本水洗の普及にともな
い、仮設トイレにおいても水洗化を要望され、様々な提
案がされている。水洗の態様を大別すると、清水で洗浄
する方式と、循環洗浄方式があり、それぞれに次のよう
な利点と問題を有している。

【０００３】清水で洗浄する方式のものでは、洗浄水が
清水であるため、視覚的にも快適に使用できる反面、清
水タンクを配置しなければならず、水道配管の不可能な
場所では、一日に使用する量の水を貯溜する大型のタン
クが必要になる。このタンクをハウス外側面，ハウス天
井裏等に設けることも考えられるが、貯溜タンクが大型
であるため、安定に問題があると共に組み立てに手間が
かかる。また、実開平4-37682 号公報に提案されている
簡易水洗便所装置のように、容積可変の便槽を清水タン
ク内に収容しているものでは、構造が複雑化して製作上
の負担が大きい問題がある。

【０００４】一方、循環洗浄方式のものでは、便槽が清
水タンクを兼ねているため、清水タンクをハウス部の壁
面に別途配置する必要がない反面、使用ごとに洗浄水の
汚れが酷くなるので、視覚的にも不快である。

【０００５】このように、清水洗浄方式および循環洗浄
方式ともに一長一短があり、両者の問題点が解消され
て、利点のみを有するものの出現を待たれている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】解決しようとする課題
は、貯溜式にあっては、大型の清水タンクをどのような
位置に置くかが問題であり、しかも構造が複雑で製作上
の負担が大きいものは避けなければならない点にある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記の課題を達成するた
めに、ハウス部と、ハウス部に覆われる便器部付き清水
タンク部と、清水タンク部下側の便槽部とに分割自在に
形成してあり、ハウス部は、一側面に出入り口を形成す
ると共に底面を開口させて形成し、清水タンク部は上面
を床面部として、床面部に便器部を清水タンク部と区画
形成し、便器部におけるボール面下端の便落口下側に便
皿を開閉自在に備えると共に、清水タンク部の取水口と
便器部の吐水口を連通して且つ清水タンク部内の清水を
ボール面に吐出可能な給水要素を備え、便槽部は上面に
おける前記便皿の下側位置に連通口を開口形成したこと
を特徴とする。

【０００８】また、本発明におけるハウス部は、一体成
形品であっても良いし、金属板をプレスして成形した金
属製或いは射出成形した樹脂製の屋根部と各側面壁部と
扉部とに分割成形して、分解した態様のまま運搬して設
置現場で組み立て自在且つ分解して運搬回収可能にした
ものでも良い。便器付き清水タンク部は、ブロー成形等
の成形手段により便器を同一体に成形しても良いし、別
途成形した樹脂製或いは陶器製の便器を一体的に取付け
るようにしても良い。

【０００９】便器付き清水タンク部における給水要素と
しては、ダイヤフラムポンプ等の手動ポンプをペダル或
いはレバーによって作動させて給水する態様のもの、モ
ータをＯＮ，ＯＦＦしてポンプを作動させて給水する態
様のもの等が挙げられ、適宜選択される。

【００１０】

【作用】清水タンク部は上面を床面部として、床面部に
便器部を清水タンク部と区画形成してあるため、従来遊
んでいた床面下空間をそのまま清水タンクとして有効に
活用することができ、ハウス部内を従前通りの広さに確
保できると共に、便槽部構造の複雑化を招かずに済む。

【００１１】ハウス部と、ハウス部に覆われる便器部付
き清水タンク部と、清水タンク部下側の便槽部とに分割
自在に形成してあるため、各部の独立性が保たれて、運
搬に便利であると共に、各部について製作および掃除そ
して補修管理が容易であり、経済的負担も少なくて済
む。

【００１２】便器部におけるボール面下端の便落口下側
に便皿を開閉自在に備えているため、便槽部内の臭気が
ハウス部に上昇するのを阻止でき、しかも、給水要素を
操作して清水タンク部内の清水をボール面に吐出して洗
浄できるため、視覚的にも快適に使用できる。

【００１３】

【実施例】図１乃至図５には本発明の仮設トイレ装置の
一実施例を例示しており、この装置は、ハウス部１と、
ハウス部１に覆われる便器部３付き清水タンク部２と、
清水タンク部２下側の便槽部４とに分割自在に形成して
ある。

【００１４】ハウス部１は、屋根部５と後面壁部６と左
側面壁部７と右側面壁部８と前面壁部９とで構成してい
て、各壁部６〜９の隣り合う側縁を一対の接続部10,10
で接続して枠組みすると共に、屋根部５を被着してあ
る。この屋根部５と後面壁部６と左側面壁部７と右側面
壁部８と前面壁部９は分解自在であり、前面壁部９には
扉11を開閉自在に備えて、出入り口12を形成している。

【００１５】そして、ハウス部１における開口状の底面
側の下縁フランジ部13は便槽部上面4aに載乗しており、
この下縁フランジ部13における上向きに膨出形成された
適宜数の座部14の孔15には便槽部４側のボルト16が貫通
していて、ボルト16に螺着した袋ナット17によって便槽
部上面4aに対して分解可能に固定されている。

【００１６】清水タンク部２は上面2aを床面部18として
おり、床面部18中央には便器部３をブロー成形等の成形
手段によりタンク部と区画させて同一体に成形してあ
る。そして、便器部３におけるボール面3a下端の便落口
3b下側には便皿19を開閉自在に備えている。この便皿19
は、皿部19a 側よりも錘部19b 側を若干重く形成してあ
るバランスタイプのもので、皿部19a は便落口3bに下側
から当接して水封し、便や尿や清水が負荷されると揺動
して開くと共に、負荷がなくなると復動して便落口3bに
当接して同口を閉じるようにしてある。

【００１７】また、床面部18における奥側の右方には給
水要素20の操作ペダル21を軸支すると共に、奥側の左方
にはメンテナンスハッチを兼ねる清水注水口22を形成し
ている。この給水要素20はタンク内の取水口23から床面
部18における操作ペダル21下側の凹部24に設置されたポ
ンプ25を経て便器部３の吐水口26に通じている。ポンプ
25は蛇腹構造の上下方向に弾性伸縮可能なもので、底部
25a には取水口23と連通状の流入口27および吐水口26と
連通状の流出口28を開口すると共に、この流入口27およ
び流出口28に逆止弁29をそれぞれ備えており、ポンプ25
上端に接している操作ペダル21が踏まれるのにともな
い、ポンプ25が縮動してポンプ内に貯水されていた清水
を流出口28から吐水口26側に送り出し、操作ペダル21の
踏み圧が除かれるのにともない、ポンプ25が弾性伸動し
て清水タンク部２から清水をポンプ内に吸い上げて貯水
し得るようにしてある。

【００１８】そして、清水タンク部２は便槽部上面4aに
載乗しており、タンク部の底面2bの適宜箇所に垂設した
拡大頭部状の係合突部30を、この係合突部30と対応して
形成された便槽部上面4aの被係合部31に着脱自在に係合
させて、一体的に固定してあり、また係合状態を解いて
分解可能にしてある。

【００１９】便槽部４は上面4aにおける前記便皿19の下
側位置に連通口32を開口形成すると共に、連通口32周り
の上面4a部分に防臭パッキング33を配設しており、この
防臭パッキング33は清水タンク部２における便皿19周り
の底面2b部分に弾性的に圧接していて、臭気が洩れ出な
いようにしてある。また、便槽部４はハウス部１の後側
の上面4a部分に汲取り口34を形成し、この汲取り口34を
キャップ35で閉じている。

【００２０】上面4aのボルト16は、ボルト下半部を上面
4aに一体的に埋設されたナット36に螺着して埋め込み固
定してあり、また、同上面4aの被係合部31は弾性揺動可
能な鍔部31a を係合突部30がひろげて、鍔部31a 先端に
係合突部30の拡大頭部が係合するようにしてある。

【００２１】これにより、保管場所と現場の間を、ハウ
ス部１と、便器部３付き清水タンク部２と、便槽部４
と、さらにハウス部１については屋根部５と後面壁部６
と左側面壁部７と右側面壁部８と前面壁部９とに分解し
た状態で、各パーツ単位で洗浄して掃除できると共に、
保管および運搬することができる。

【００２２】そして現場では、先ず設置場所に便槽部４
を据え、次に便槽部上面4aに後面壁部６を乗せて袋ナッ
ト17で固定し、順次左側面壁部７と右側面壁部８と前面
壁部９を接続部10を介して相互に接続させると共に袋ナ
ット17で固定した後、屋根部５を被着する。然る後、出
入り口12から清水タンク部２を入れて便槽部上面4aに押
し付けて、タンク部底面の係合突部30を便槽部上面4aの
被係合部31に係合させて固定するワンタッチ操作によ
り、迅速且つ容易に組み立てることができる。

【００２３】使用時には、便落口3bが便皿19で水封され
て閉じられているため、ハウス部１内に臭気が逃げ込ま
ず、ボール面3aの汚れは操作ペダル21を踏みつけて清水
を給水して洗浄できるから、快適に使用することができ
る。清水の補給は清水注水口22から適時行える。

【００２４】本装置の回収時には、装置をそのまま運搬
しても良いし、分解して運搬しても良い。尚、分解した
状態で運搬する際には、便槽部４における連通口32を専
用の栓蓋（図示せず）で封口する。

【００２５】前記実施例では、操作ペタル21を床面部18
に配設しているが、出入り口12側のタンク部前面に配設
するようにしても良い。

【００２６】

【発明の効果】

Ａ．請求項１により、清水タンク部は上面を床面部とし
て、床面部に便器部を清水タンク部と区画形成してある
ため、従来遊んでいた床面下空間をそのまま清水タンク
として有効に活用することができ、ハウス部内を従前通
りの広さに確保できると共に、便槽部構造の複雑化を招
かずに済む。

【００２７】Ｂ．同項により、ハウス部と、ハウス部に
覆われる便器部付き清水タンク部と、清水タンク部下側
の便槽部とに分割自在に形成してあるため、各部の独立
性が保たれて、運搬に便利であると共に、各部について
製作および補修管理が容易であり、特に分解した状態で
各パーツを洗浄できるから、十分に且つ効率良く掃除で
き、メンテナンスが非常に良くて経済的負担も少なくて
済む。

【００２８】Ｃ．同項により、便器部におけるボール面
下端の便落口下側に便皿を開閉自在に備えているため、
便槽部内の臭気がハウス部に上昇するのを阻止でき、し
かも、給水要素を操作して清水タンク部内の清水をボー
ル面に吐出して洗浄できるため、視覚的にも快適に使用
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の仮設水洗トイレ装置の一実施例を例
示した縦断面図。

【図２】 図１のイ−イ線横断面図。

【図３】 （Ａ）は図２のロ−ロ線部分拡大縦断面図。
（Ｂ）は同分解縦断面図。

【図４】 図２のハ−ハ線部分拡大縦断面図。

【図５】 分解縮小斜視図。

【符号の説明】

１ ハウス部 ２ 清水タンク部 2a 清水タンク部の上面 2b 清水タンク部の底面 ３ 便器部 3a 便器部のボール面 3b 便器部の便落口 ４ 便槽部 4a 便槽部の上面 ５ ハウス部の屋根部 ６ ハウス部の後面壁部 ７ ハウス部の左側面壁部 ８ ハウス部の右側面壁部 ９ ハウス部の前面壁部 10 ハウス部の接続部 11 ハウス部の扉 12 ハウス部の出入り口 13 ハウス部の下縁フランジ部 14 下縁フランジ部の座部 15 座部の孔 16 ボルト 17 袋ナット 18 清水タンク部の床面部 19 便皿 19a 便皿の皿部 19b 便皿の錘部 20 給水要素 21 給水要素の操作ペダル 22 清水タンク部の清水注水口 23 給水要素の取水口 24 清水タンク部上面の凹部 25 給水要素のポンプ 25a ポンプの底部 26 便器部の吐水口 27 ポンプの流入口 28 ポンプの流出口 29 ポンプの逆止弁 30 清水タンク部底面の係合突部 31 便槽部上面の被係合部 31a 被係合部の鍔部 32 便槽部上面の連通口 33 防臭パッキング 34 便槽部上面の汲取り口 35 汲取り口のキャップ 36 ナット

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハウス部と、ハウス部に覆われる便器部
   付き清水タンク部と、清水タンク部下側の便槽部とに分
   割自在に形成してあり、ハウス部は、一側面に出入り口
   を形成すると共に底面を開口させて形成し、清水タンク
   部は上面を床面部として、床面部に便器部を清水タンク
   部と区画形成し、便器部におけるボール面下端の便落口
   下側に便皿を開閉自在に備えると共に、清水タンク部の
   取水口と便器部の吐水口を連通して且つ清水タンク部内
   の清水をボール面に吐出可能な給水要素を備え、便槽部
   は上面における前記便皿の下側位置に連通口を開口形成
   したことを特徴とする仮設水洗トイレ装置。