JPH06334229A - 磁気遮蔽型超電導限流器 - Google Patents
磁気遮蔽型超電導限流器Info
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- JPH06334229A JPH06334229A JP5297032A JP29703293A JPH06334229A JP H06334229 A JPH06334229 A JP H06334229A JP 5297032 A JP5297032 A JP 5297032A JP 29703293 A JP29703293 A JP 29703293A JP H06334229 A JPH06334229 A JP H06334229A
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Links
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Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E40/00—Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
- Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment
Landscapes
- Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)
- Emergency Protection Circuit Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 超電導磁気遮蔽体を冷却するための冷却液の
補給量を少なくし、冷却液の絶縁耐力の低下を防ぐよう
にする。また、通常運転時において運転損失の発生を防
止し、地絡事故などの異常時に動作遅れを回避できるよ
うにする。 【構成】 磁気遮蔽型超電導限流器は、超電導磁気遮蔽
体製の筒体11にコイル12を巻回し、筒体11をフェ
ライト製のコア13に嵌挿したものである。コイル12
は送電系統、すなわち送電線と遮断器との間に直列に接
続される。このコイル12には抵抗が並列に接続され
る。そして、コイル12に流れる電流は抵抗に分流され
て小さくなり、コイル12の抵抗分による発熱が低減す
る。また、コア13をフェライト製にすると、コアのう
ず電流損が小さくなり、うず電流損による発熱が低減す
る。このため、超電導磁気遮蔽体を超電導状態にするた
めの冷却液の補給量が少なくなると共に、冷却液の絶縁
耐力の低下を防止できる。
補給量を少なくし、冷却液の絶縁耐力の低下を防ぐよう
にする。また、通常運転時において運転損失の発生を防
止し、地絡事故などの異常時に動作遅れを回避できるよ
うにする。 【構成】 磁気遮蔽型超電導限流器は、超電導磁気遮蔽
体製の筒体11にコイル12を巻回し、筒体11をフェ
ライト製のコア13に嵌挿したものである。コイル12
は送電系統、すなわち送電線と遮断器との間に直列に接
続される。このコイル12には抵抗が並列に接続され
る。そして、コイル12に流れる電流は抵抗に分流され
て小さくなり、コイル12の抵抗分による発熱が低減す
る。また、コア13をフェライト製にすると、コアのう
ず電流損が小さくなり、うず電流損による発熱が低減す
る。このため、超電導磁気遮蔽体を超電導状態にするた
めの冷却液の補給量が少なくなると共に、冷却液の絶縁
耐力の低下を防止できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】 この発明は磁気遮蔽型超電導限
流器に係り、詳しくは、超電導磁気遮蔽体によるマイス
ナー効果を利用した限流器に関するものである。
流器に係り、詳しくは、超電導磁気遮蔽体によるマイス
ナー効果を利用した限流器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 近年、電力需要の増加に伴って送電系
統の大容量化・複雑化が進み、事故の際の短絡電流が増
大する傾向にある。そのため、送電系統に事故が起こっ
た際に生じる短絡電流を抑制する目的で、送電線と遮断
器との間に限流器を設け、限流器の抵抗によって短絡電
流を所定のレベル以下に抑制する方法が提案されてい
る。そのような限流器として、特開平2−105402
号公報に開示されているような、磁気遮蔽型超電導限流
器がある。
統の大容量化・複雑化が進み、事故の際の短絡電流が増
大する傾向にある。そのため、送電系統に事故が起こっ
た際に生じる短絡電流を抑制する目的で、送電線と遮断
器との間に限流器を設け、限流器の抵抗によって短絡電
流を所定のレベル以下に抑制する方法が提案されてい
る。そのような限流器として、特開平2−105402
号公報に開示されているような、磁気遮蔽型超電導限流
器がある。
【0003】磁気遮蔽型超電導限流器の基本構造は、超
電導磁気遮蔽体製の筒体にコイルを巻回したものであ
る。そして、実際の運用では、当該コイルを送電系統
に、より詳しくは送電線と遮断器との間に直列に接続す
る。
電導磁気遮蔽体製の筒体にコイルを巻回したものであ
る。そして、実際の運用では、当該コイルを送電系統
に、より詳しくは送電線と遮断器との間に直列に接続す
る。
【0004】すると、定常時には、コイルの巻線一本ず
つに生じる磁界が超電導磁気遮蔽体の磁気遮蔽効果(マ
イスナー効果)によって排斥され、コイルに生じる磁束
が超電導磁気遮蔽体製の筒体に鎖交しないため、コイル
のインダクタンスは非常に小さくなる。そのため、磁気
遮蔽型超電導限流器のインピーダンスは極めて小さくな
る。すなわち、定常時には、限流器としての作用がない
ため送電電流はほとんど抑制されず、送電系統の電力損
失が大きくなることはない。
つに生じる磁界が超電導磁気遮蔽体の磁気遮蔽効果(マ
イスナー効果)によって排斥され、コイルに生じる磁束
が超電導磁気遮蔽体製の筒体に鎖交しないため、コイル
のインダクタンスは非常に小さくなる。そのため、磁気
遮蔽型超電導限流器のインピーダンスは極めて小さくな
る。すなわち、定常時には、限流器としての作用がない
ため送電電流はほとんど抑制されず、送電系統の電力損
失が大きくなることはない。
【0005】一方、送電系統に事故が起こって大きな短
絡電流が流れると、コイルの一本ずつの巻線に生じる磁
界が大きくなって超電導磁気遮蔽体の臨界磁場を越え、
超電導磁気遮蔽体の磁気遮蔽効果が消滅する。すると、
コイルに生じる磁束が超電導磁気遮蔽体製の筒体に鎖交
し(磁束跳躍現象)、コイルのインダクタンスは非常に
大きくなる。そのため、磁気遮蔽型超電導限流器のイン
ピーダンスは極めて大きくなる。すなわち、短絡事故発
生時には、短絡電流を抑制する限流器として働くことに
なる。
絡電流が流れると、コイルの一本ずつの巻線に生じる磁
界が大きくなって超電導磁気遮蔽体の臨界磁場を越え、
超電導磁気遮蔽体の磁気遮蔽効果が消滅する。すると、
コイルに生じる磁束が超電導磁気遮蔽体製の筒体に鎖交
し(磁束跳躍現象)、コイルのインダクタンスは非常に
大きくなる。そのため、磁気遮蔽型超電導限流器のイン
ピーダンスは極めて大きくなる。すなわち、短絡事故発
生時には、短絡電流を抑制する限流器として働くことに
なる。
【0006】このように、磁気遮蔽型超電導限流器は、
超電導体の磁束排斥(磁気遮蔽)効果と磁束跳躍現象
(磁束スイッチング作用)とを利用したものである。つ
まり、超電導磁気遮蔽体が、超電導状態では磁束に対し
て不透明(オフ状態)になり、常電導状態では透明(オ
ン状態)になる性質を利用してコイルのインダクタンス
を制御することにより、短絡事故発生時にだけ効果的な
限流器として働くようにしている。
超電導体の磁束排斥(磁気遮蔽)効果と磁束跳躍現象
(磁束スイッチング作用)とを利用したものである。つ
まり、超電導磁気遮蔽体が、超電導状態では磁束に対し
て不透明(オフ状態)になり、常電導状態では透明(オ
ン状態)になる性質を利用してコイルのインダクタンス
を制御することにより、短絡事故発生時にだけ効果的な
限流器として働くようにしている。
【0007】尚、超電導磁気遮蔽体製の筒体内にコアと
して鉄心を設けたり、コイルを銅線ではなく超電導線に
よって製作することにより、限流器としての作用をより
高めることができる。すなわち、超電導磁気遮蔽体製の
筒体内に、コアとして鉄心(軟鉄材や珪素鋼板を積層し
た構造)を設けると、短絡事故発生時におけるコイルの
インダクタンスをより大きくすることができる。また、
コイルを銅線ではなく超電導線によって製作すると、定
常時におけるコイルの抵抗がほぼ零になるため、定常時
の電力損失を極めて小さくすることができる。
して鉄心を設けたり、コイルを銅線ではなく超電導線に
よって製作することにより、限流器としての作用をより
高めることができる。すなわち、超電導磁気遮蔽体製の
筒体内に、コアとして鉄心(軟鉄材や珪素鋼板を積層し
た構造)を設けると、短絡事故発生時におけるコイルの
インダクタンスをより大きくすることができる。また、
コイルを銅線ではなく超電導線によって製作すると、定
常時におけるコイルの抵抗がほぼ零になるため、定常時
の電力損失を極めて小さくすることができる。
【0008】また、一般の電力系統では、雷撃などの自
然災害により短絡又は地絡事故が発生した場合に生ずる
非常に大きな波高値の事故電流から電力機器を保護する
ため、その大電流を検出して3〜5サイクルという瞬時
に電力系統を切り離す遮断器が接続されている。この遮
断器としては遮断部分の機構により空気遮断器、真空遮
断器、ガス遮断器などが用いられている。
然災害により短絡又は地絡事故が発生した場合に生ずる
非常に大きな波高値の事故電流から電力機器を保護する
ため、その大電流を検出して3〜5サイクルという瞬時
に電力系統を切り離す遮断器が接続されている。この遮
断器としては遮断部分の機構により空気遮断器、真空遮
断器、ガス遮断器などが用いられている。
【0009】しかし、これらの機器は機械的に切り離す
部分が存在するため、その部分が大電流アークによる損
傷を受け、信頼性に欠けるという問題があった。このた
め、機械的駆動部分のないパワーデバイス(GTO)を
用いた半導体限流遮断器が提案されている。すなわち、
図6に示すように、GTO遮断器51は送電線52に直
列開閉器53と直列に接続されている。並列抵抗54と
過電圧抑制素子55とは、GTO遮断器51と並列に接
続されている。そして、短絡故障が発生したとき、短絡
電流の立ち上がりを図示しない過電流検出器で検出し、
GTO遮断器51をオフすることにより短絡電流を遮断
し、並列抵抗54に転流して限流する。
部分が存在するため、その部分が大電流アークによる損
傷を受け、信頼性に欠けるという問題があった。このた
め、機械的駆動部分のないパワーデバイス(GTO)を
用いた半導体限流遮断器が提案されている。すなわち、
図6に示すように、GTO遮断器51は送電線52に直
列開閉器53と直列に接続されている。並列抵抗54と
過電圧抑制素子55とは、GTO遮断器51と並列に接
続されている。そして、短絡故障が発生したとき、短絡
電流の立ち上がりを図示しない過電流検出器で検出し、
GTO遮断器51をオフすることにより短絡電流を遮断
し、並列抵抗54に転流して限流する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】 ところで、超電導磁
気遮蔽体を超電導状態にするためには極低温にする必要
がある。そのため、磁気遮蔽型超電導限流器全体(コア
として鉄心を設ける場合には鉄心ごと)を液体窒素等の
冷却液に浸漬して冷却している。
気遮蔽体を超電導状態にするためには極低温にする必要
がある。そのため、磁気遮蔽型超電導限流器全体(コア
として鉄心を設ける場合には鉄心ごと)を液体窒素等の
冷却液に浸漬して冷却している。
【0011】しかしながら、コイルの抵抗分による発熱
や、コアとして鉄心を設けた場合には鉄心内のうず電流
損による発熱により、冷却液が加熱されることになる。
すると、冷却液が沸騰して蒸発してしまう。
や、コアとして鉄心を設けた場合には鉄心内のうず電流
損による発熱により、冷却液が加熱されることになる。
すると、冷却液が沸騰して蒸発してしまう。
【0012】そのため、磁気遮蔽型超電導限流器では、
加熱により蒸発した分だけの冷却液を絶えず補給しなけ
ればならないという問題があった。また、冷却液が沸騰
した際に生じる気泡により、冷却液の絶縁耐力が低下す
るという問題もあった。これらの問題は、冷却液に液体
窒素ではなく液体ヘリウムを用いた場合にはより顕著に
表れる。
加熱により蒸発した分だけの冷却液を絶えず補給しなけ
ればならないという問題があった。また、冷却液が沸騰
した際に生じる気泡により、冷却液の絶縁耐力が低下す
るという問題もあった。これらの問題は、冷却液に液体
窒素ではなく液体ヘリウムを用いた場合にはより顕著に
表れる。
【0013】また、前述した半導体限流遮断器では常時
前述のGTO遮断器51がオンの状態で電流が流れてい
るため、その電流分の運転損失があるという問題があっ
た。しかも、短絡や地絡事故が発生したとき、過電流検
出部からの信号によりGTO51をオフするための若干
の時間遅れがあるとともに、システムが複雑になるとい
う問題があった。
前述のGTO遮断器51がオンの状態で電流が流れてい
るため、その電流分の運転損失があるという問題があっ
た。しかも、短絡や地絡事故が発生したとき、過電流検
出部からの信号によりGTO51をオフするための若干
の時間遅れがあるとともに、システムが複雑になるとい
う問題があった。
【0014】この発明は上記従来技術に存在する問題を
解決するためになされたものである。その目的とすると
ころは、超電導磁気遮蔽体を冷却するための冷却液の補
給量を少なくすると共に、冷却液の絶縁耐力の低下を防
ぐことが可能な磁気遮蔽型超電導限流器を提供すること
にある。
解決するためになされたものである。その目的とすると
ころは、超電導磁気遮蔽体を冷却するための冷却液の補
給量を少なくすると共に、冷却液の絶縁耐力の低下を防
ぐことが可能な磁気遮蔽型超電導限流器を提供すること
にある。
【0015】また、他の目的とするところは、通常運転
時において運転損失の発生を防止できるとともに、短絡
や地絡事故などの異常時に動作遅れを回避でき、しかも
システムを簡素化できる磁気遮蔽型超電導限流器を提供
することにある。
時において運転損失の発生を防止できるとともに、短絡
や地絡事故などの異常時に動作遅れを回避でき、しかも
システムを簡素化できる磁気遮蔽型超電導限流器を提供
することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】 この発明は上記目的を
達成するため、請求項1記載の磁気遮蔽型超電導限流器
の発明は、超電導磁気遮蔽体製の筒体と、その筒体の外
周又は内周に巻回されて送電系統と直列に接続されるコ
イルとを備えた磁気遮蔽型超電導限流器において、前記
コイルと並列に電流の流れを抑制する電流抑制手段を接
続したことをその要旨とする。
達成するため、請求項1記載の磁気遮蔽型超電導限流器
の発明は、超電導磁気遮蔽体製の筒体と、その筒体の外
周又は内周に巻回されて送電系統と直列に接続されるコ
イルとを備えた磁気遮蔽型超電導限流器において、前記
コイルと並列に電流の流れを抑制する電流抑制手段を接
続したことをその要旨とする。
【0017】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明において、前記電流抑制手段が抵抗、コンデン
サ又はコイルであることをその要旨とする。さらに、請
求項3記載の発明は、超電導磁気遮蔽体製の筒体と、そ
の筒体に巻回されて送電系統と直列に接続されるコイル
とを備えた磁気遮蔽型超電導限流器において、筒体をを
高抵抗磁性体製のトロイダル・コアに嵌挿したことをそ
の要旨とする。
載の発明において、前記電流抑制手段が抵抗、コンデン
サ又はコイルであることをその要旨とする。さらに、請
求項3記載の発明は、超電導磁気遮蔽体製の筒体と、そ
の筒体に巻回されて送電系統と直列に接続されるコイル
とを備えた磁気遮蔽型超電導限流器において、筒体をを
高抵抗磁性体製のトロイダル・コアに嵌挿したことをそ
の要旨とする。
【0018】さらに、請求項4の発明は、超電導磁気遮
蔽体製の筒体と、その筒体に巻回されて送電系統と直列
に接続されるコイルと、コイルと並列に接続されたコン
デンサと、超電導磁気遮蔽体がクエンチしたことを検出
するクエンチ検出部と、クエンチ検出部からの検出信号
により超電導磁気遮蔽体をクエンチした状態に維持する
クエンチ維持機構とを備えたことをその要旨とする。
蔽体製の筒体と、その筒体に巻回されて送電系統と直列
に接続されるコイルと、コイルと並列に接続されたコン
デンサと、超電導磁気遮蔽体がクエンチしたことを検出
するクエンチ検出部と、クエンチ検出部からの検出信号
により超電導磁気遮蔽体をクエンチした状態に維持する
クエンチ維持機構とを備えたことをその要旨とする。
【0019】加えて、請求項5記載の発明は、請求項4
記載の発明において、前記クエンチ検出部はコイルに発
生する電圧を検出する電圧センサであることをその要旨
とする。また、請求項6記載の発明は、請求項4記載の
発明において、前記クエンチ維持機構はコイルの外周又
は内周に配置された補助コイルによって発生する磁場に
よりクエンチ状態を維持するものであることをその要旨
とする。
記載の発明において、前記クエンチ検出部はコイルに発
生する電圧を検出する電圧センサであることをその要旨
とする。また、請求項6記載の発明は、請求項4記載の
発明において、前記クエンチ維持機構はコイルの外周又
は内周に配置された補助コイルによって発生する磁場に
よりクエンチ状態を維持するものであることをその要旨
とする。
【0020】
【作用】 従って、請求項1又は2記載の発明において
は、コイルに流れる電流はコイルと並列に接続された電
流抑制手段、例えば抵抗、コンデンサ又はコイルに分流
されて小さくなる。そのため、コイルの抵抗分による発
熱が低減する。その結果、超電導磁気遮蔽体を超電導状
態にするための冷却液の補給量が少なくなると共に、冷
却液の絶縁耐力の低下を防ぐことができる。
は、コイルに流れる電流はコイルと並列に接続された電
流抑制手段、例えば抵抗、コンデンサ又はコイルに分流
されて小さくなる。そのため、コイルの抵抗分による発
熱が低減する。その結果、超電導磁気遮蔽体を超電導状
態にするための冷却液の補給量が少なくなると共に、冷
却液の絶縁耐力の低下を防ぐことができる。
【0021】また、請求項3記載の発明では、コアのう
ず電流損が小さくなる。そのため、コアのうず電流損に
よる発熱が低減する。その結果、請求項1又は2記載の
発明と同様の効果をあげることができる。
ず電流損が小さくなる。そのため、コアのうず電流損に
よる発熱が低減する。その結果、請求項1又は2記載の
発明と同様の効果をあげることができる。
【0022】さらに、請求項4記載の発明では、クエン
チ検出部により超電導磁気遮蔽体がクエンチしたことが
検出される。そして、このクエンチ検出部からの検出信
号に基づいてクエンチ維持機構により、超電導磁気遮蔽
体はクエンチした状態に維持される。
チ検出部により超電導磁気遮蔽体がクエンチしたことが
検出される。そして、このクエンチ検出部からの検出信
号に基づいてクエンチ維持機構により、超電導磁気遮蔽
体はクエンチした状態に維持される。
【0023】加えて、請求項5記載の発明では、クエン
チ検出部としての電圧センサはクエンチしたときにコイ
ルに発生する電圧を検出してその信号をクエンチ維持機
構に出力し、クエンチ維持機構を動作させる。また、請
求項6記載の発明においては、クエンチ維持機構として
コイルの外周又は内周に配置された補助コイルが、その
コイルによって発生する磁場によりクエンチ状態を維持
する。
チ検出部としての電圧センサはクエンチしたときにコイ
ルに発生する電圧を検出してその信号をクエンチ維持機
構に出力し、クエンチ維持機構を動作させる。また、請
求項6記載の発明においては、クエンチ維持機構として
コイルの外周又は内周に配置された補助コイルが、その
コイルによって発生する磁場によりクエンチ状態を維持
する。
【0024】
【実施例】 (第1実施例)まず、請求項1〜3に記載
の発明を具体化した実施例について、図1,2に基づい
て説明する。
の発明を具体化した実施例について、図1,2に基づい
て説明する。
【0025】前記問題点を解決するためには、コイル
の抵抗分による発熱を低減した上で、コアを設けた場
合にはコア内のうず電流損による発熱の低減を行えばよ
い。そこで、本発明者は、コイルと並列に抵抗を接続し
てコイルに流れる電流を少なくすることにより、コイル
の抵抗分による発熱およびコア内のうず電流損による発
熱を小さくできることに着目した。
の抵抗分による発熱を低減した上で、コアを設けた場
合にはコア内のうず電流損による発熱の低減を行えばよ
い。そこで、本発明者は、コイルと並列に抵抗を接続し
てコイルに流れる電流を少なくすることにより、コイル
の抵抗分による発熱およびコア内のうず電流損による発
熱を小さくできることに着目した。
【0026】図1は、試作した磁気遮蔽型超電導限流器
10の斜視図である。本例では、後記するように冷却液
として液体窒素を用いたため、超電導磁気遮蔽体には、
臨界温度が液体窒素の温度以上であるビスマス系酸化物
超電導体、特に、Bi−Sr−Ca−Cu−O系超電導
体が適している。そこで、原子比で、Bi:Sr:C
a:Cu=2:2:1:2になるように、Bi2 O3 ,
CuO,SrCO3 の各粉末を調合して超電導磁気遮蔽
体の原料とした。そして、その超電導磁気遮蔽体の原料
を、外径50mm,内径40mm,長さ50mmの円筒状に成
形して筒体11を形成した。この超電導磁気遮蔽体製の
筒体11は、77Kで3000A/cm2 のJc値を有し
ている。
10の斜視図である。本例では、後記するように冷却液
として液体窒素を用いたため、超電導磁気遮蔽体には、
臨界温度が液体窒素の温度以上であるビスマス系酸化物
超電導体、特に、Bi−Sr−Ca−Cu−O系超電導
体が適している。そこで、原子比で、Bi:Sr:C
a:Cu=2:2:1:2になるように、Bi2 O3 ,
CuO,SrCO3 の各粉末を調合して超電導磁気遮蔽
体の原料とした。そして、その超電導磁気遮蔽体の原料
を、外径50mm,内径40mm,長さ50mmの円筒状に成
形して筒体11を形成した。この超電導磁気遮蔽体製の
筒体11は、77Kで3000A/cm2 のJc値を有し
ている。
【0027】コイル12は、直径1mmのエナメル単線を
1層巻200ターンで筒体11に巻回して形成した。コ
ア13は軟鉄製で、直径38mm,長さ60mmの2つの円
柱部分13aを、2つの小判型部分13bで挟み、各部
分13a,13bをねじ14で固定した構造とした。そ
して、円柱部分13aの片方に筒体11を挿通した。
1層巻200ターンで筒体11に巻回して形成した。コ
ア13は軟鉄製で、直径38mm,長さ60mmの2つの円
柱部分13aを、2つの小判型部分13bで挟み、各部
分13a,13bをねじ14で固定した構造とした。そ
して、円柱部分13aの片方に筒体11を挿通した。
【0028】図2に、図1に示す磁気遮蔽型超電導限流
器10を用いた試験回路を示す。磁気遮蔽型超電導限流
器10は液体窒素槽15内に沈められており、コイル1
2は、液体窒素槽15外に設けられた抵抗Rと並列に接
続されている。そして、磁気遮蔽型超電導限流器10
は、スイッチSW1と12Ωの抵抗21またはスイッチ
SW2と2Ωの抵抗22を介して、交流電源(周波数f
=60HZ )20および電流計23に接続されている。
器10を用いた試験回路を示す。磁気遮蔽型超電導限流
器10は液体窒素槽15内に沈められており、コイル1
2は、液体窒素槽15外に設けられた抵抗Rと並列に接
続されている。そして、磁気遮蔽型超電導限流器10
は、スイッチSW1と12Ωの抵抗21またはスイッチ
SW2と2Ωの抵抗22を介して、交流電源(周波数f
=60HZ )20および電流計23に接続されている。
【0029】試験は、スイッチSW1の閉成時(スイッ
チSW2は開放)を平常時に、スイッチSW2の閉成時
(スイッチSW1は開放)を短絡事故発生時に、それぞ
れ見立てた。そして、抵抗Rの抵抗値を変化させ、回路
に流れる電流を電流計23によって測定すると共に、液
体窒素槽15への液体窒素の補給量を測定した。
チSW2は開放)を平常時に、スイッチSW2の閉成時
(スイッチSW1は開放)を短絡事故発生時に、それぞ
れ見立てた。そして、抵抗Rの抵抗値を変化させ、回路
に流れる電流を電流計23によって測定すると共に、液
体窒素槽15への液体窒素の補給量を測定した。
【0030】表1に、その試験結果を示す。尚、液体窒
素の補給量は、抵抗Rを接続しない場合の補給量を10
0%とし、それに対する補給量の比率で表してある。
素の補給量は、抵抗Rを接続しない場合の補給量を10
0%とし、それに対する補給量の比率で表してある。
【0031】
【表1】
【0032】但し、No 8は、磁気遮蔽型超電導限流器
10を設けない場合である。表1に示したように、磁気
遮蔽型超電導限流器10および抵抗Rを設けない場合に
は、短絡事故発生時に22Aの電流が流れる(試験No
8)。それに対して、磁気遮蔽型超電導限流器10だけ
を設けて抵抗Rを設けない場合には、短絡事故発生時に
13Aの電流が流れる(試験No 7)。一方、平常時に
流れる電流は、磁気遮蔽型超電導限流器10および抵抗
Rの有無に関係なく一定(3.6A)である。つまり、
磁気遮蔽型超電導限流器10を設けることにより、短絡
事故発生時には9Aの電流が抑制されることになる。こ
の結果から、磁気遮蔽型超電導限流器10は限流器とし
て効果的に働くことがわかる。
10を設けない場合である。表1に示したように、磁気
遮蔽型超電導限流器10および抵抗Rを設けない場合に
は、短絡事故発生時に22Aの電流が流れる(試験No
8)。それに対して、磁気遮蔽型超電導限流器10だけ
を設けて抵抗Rを設けない場合には、短絡事故発生時に
13Aの電流が流れる(試験No 7)。一方、平常時に
流れる電流は、磁気遮蔽型超電導限流器10および抵抗
Rの有無に関係なく一定(3.6A)である。つまり、
磁気遮蔽型超電導限流器10を設けることにより、短絡
事故発生時には9Aの電流が抑制されることになる。こ
の結果から、磁気遮蔽型超電導限流器10は限流器とし
て効果的に働くことがわかる。
【0033】そして、抵抗Rの抵抗値が小さくなると、
短絡事故発生時に流れる電流が大きくなって限流器とし
ての作用(すなわち、短絡電流抑制効果)が小さくなる
反面、液体窒素の補給量は少なくなる。これは、抵抗R
の抵抗値が小さくなると抵抗Rへの分流が大きくなり、
磁気遮蔽型超電導限流器10のコイル12に流れる電流
が小さくなるためである。
短絡事故発生時に流れる電流が大きくなって限流器とし
ての作用(すなわち、短絡電流抑制効果)が小さくなる
反面、液体窒素の補給量は少なくなる。これは、抵抗R
の抵抗値が小さくなると抵抗Rへの分流が大きくなり、
磁気遮蔽型超電導限流器10のコイル12に流れる電流
が小さくなるためである。
【0034】このように、コイル12と並列に抵抗Rを
接続することにより、コイル12の抵抗分およびコア1
3内のうず電流損による発熱を小さくすることができ
る。実際の運用においては、限流器としての作用と液体
窒素の補給量とを勘案して、抵抗Rの抵抗値を適宜に設
定すればよい。この試験の例では、R/2πfL≦3
(Rは抵抗Rの抵抗値、fは電源20の周波数、Lはコ
イル12のインダクタンス)程度になるように、抵抗R
の抵抗値を設定すればよい。
接続することにより、コイル12の抵抗分およびコア1
3内のうず電流損による発熱を小さくすることができ
る。実際の運用においては、限流器としての作用と液体
窒素の補給量とを勘案して、抵抗Rの抵抗値を適宜に設
定すればよい。この試験の例では、R/2πfL≦3
(Rは抵抗Rの抵抗値、fは電源20の周波数、Lはコ
イル12のインダクタンス)程度になるように、抵抗R
の抵抗値を設定すればよい。
【0035】さらに、上記抵抗Rに代えてコンデンサC
又はコイルL2 を接続し、前記と同様にして、コンデン
サCの静電容量又はコイルL2 のインダクタンスを変化
させ、回路に流れる電流と、液体窒素槽15への液体窒
素の補給量を測定した。その結果を表2及び表3に示
す。
又はコイルL2 を接続し、前記と同様にして、コンデン
サCの静電容量又はコイルL2 のインダクタンスを変化
させ、回路に流れる電流と、液体窒素槽15への液体窒
素の補給量を測定した。その結果を表2及び表3に示
す。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】但し、L1 は超電導限流器のインダクタン
スを示し、L2 は並列に接続したコイルのインダクタン
スを示す。表2及び表3に示したように、抵抗の代わり
にコンデンサ又はコイルを用いても、短絡電流の抑制及
び液体窒素の補給量の低減について、抵抗と同様の効果
が得られることがわかる。
スを示し、L2 は並列に接続したコイルのインダクタン
スを示す。表2及び表3に示したように、抵抗の代わり
にコンデンサ又はコイルを用いても、短絡電流の抑制及
び液体窒素の補給量の低減について、抵抗と同様の効果
が得られることがわかる。
【0039】次に、本発明者は、鉄心をうず電流損の小
さな高抵抗磁性体、例えば、フェライトに代えることに
より、コア内のうず電流損による発熱を小さくできるこ
とに着目した。
さな高抵抗磁性体、例えば、フェライトに代えることに
より、コア内のうず電流損による発熱を小さくできるこ
とに着目した。
【0040】そこで、図1に示した磁気遮蔽型超電導限
流器10のコア13を軟鉄製の鉄心から同じ寸法のフェ
ライトに代え、図2に示す試験回路によって試験を行っ
た。その結果、うず電流損による発熱を小さくできるこ
とが確認された。また、コア13から、筒体11を挿通
した円柱部分13aだけを残し、他の部分13a,13
bを取り外して試験してみると、短絡事故発生時に19
Aの電流が流れることがわかった。一方、図1に示すと
おりの寸法のコア13では、短絡事故発生時に13Aの
電流が流れる。この結果から、コア13を磁気的に閉回
路にする(すなわち、トロイダル・コアにする)ことに
より、短絡電流抑制効果が高まることが確認された。 (第2実施例)次に、請求項4〜6記載の発明を具体化
した実施例について、図3〜5に従って説明する。
流器10のコア13を軟鉄製の鉄心から同じ寸法のフェ
ライトに代え、図2に示す試験回路によって試験を行っ
た。その結果、うず電流損による発熱を小さくできるこ
とが確認された。また、コア13から、筒体11を挿通
した円柱部分13aだけを残し、他の部分13a,13
bを取り外して試験してみると、短絡事故発生時に19
Aの電流が流れることがわかった。一方、図1に示すと
おりの寸法のコア13では、短絡事故発生時に13Aの
電流が流れる。この結果から、コア13を磁気的に閉回
路にする(すなわち、トロイダル・コアにする)ことに
より、短絡電流抑制効果が高まることが確認された。 (第2実施例)次に、請求項4〜6記載の発明を具体化
した実施例について、図3〜5に従って説明する。
【0041】まず、この実施例の基本的構成について説
明する。図3,4に示すように、超電導体よりなる円筒
状の筒体31は、コア32の外周に配置されている。主
コイル33は筒体31の外周に巻回され、送電線34に
直列に接続されている。電流抑制手段としてのコンデン
サ35は主コイル33に並列に接続されて並列共振回路
を構成し、共振時にインピーダンスを増大させる。クエ
ンチ検出部36は主コイル33に接続されて超電導体よ
りなる筒体31のクエンチ状態を検出する。クエンチ維
持機構37はクエンチ検出部36に接続されて、クエン
チ検出部36からの信号に基づいて筒体31をクエンチ
した状態に維持する。
明する。図3,4に示すように、超電導体よりなる円筒
状の筒体31は、コア32の外周に配置されている。主
コイル33は筒体31の外周に巻回され、送電線34に
直列に接続されている。電流抑制手段としてのコンデン
サ35は主コイル33に並列に接続されて並列共振回路
を構成し、共振時にインピーダンスを増大させる。クエ
ンチ検出部36は主コイル33に接続されて超電導体よ
りなる筒体31のクエンチ状態を検出する。クエンチ維
持機構37はクエンチ検出部36に接続されて、クエン
チ検出部36からの信号に基づいて筒体31をクエンチ
した状態に維持する。
【0042】次に、この実施例の具体的構成について説
明する。図5に示すように、上記主コイル33の一端に
接続された送電線34は変圧器38を介して発電機39
に接続されている。コンデンサ35は主コイル33と並
列に接続されている。クエンチ検出部36としての電圧
センサ40は、主コイル33に接続されて、主コイル3
3の電圧を検出する。
明する。図5に示すように、上記主コイル33の一端に
接続された送電線34は変圧器38を介して発電機39
に接続されている。コンデンサ35は主コイル33と並
列に接続されている。クエンチ検出部36としての電圧
センサ40は、主コイル33に接続されて、主コイル3
3の電圧を検出する。
【0043】クエンチ維持機構37を構成する補助コイ
ル41は主コイル33の外周に巻回され、サイリスタ4
2を介して変圧器38に接続されている。同じくクエン
チ維持機構37を構成するトリガー信号発生回路43は
電圧センサ40とサイリスタ42との間に接続されて電
圧センサ40からの信号に基づいてトリガー信号を発生
させ、サイリスタ42をオンして補助コイル41に通電
する。
ル41は主コイル33の外周に巻回され、サイリスタ4
2を介して変圧器38に接続されている。同じくクエン
チ維持機構37を構成するトリガー信号発生回路43は
電圧センサ40とサイリスタ42との間に接続されて電
圧センサ40からの信号に基づいてトリガー信号を発生
させ、サイリスタ42をオンして補助コイル41に通電
する。
【0044】さて、通常運転時には超電導限流器の主コ
イル33に送電線34の通常送電電流が流れ、超電導限
流器は超電導状態にあってインダクタンス分がゼロであ
るため運転損失は生じない。一方、短絡又は地絡事故が
発生したときには、事故電流により超電導体が瞬時にク
エンチし、インダクタンス分を発生する。このとき、主
コイル33に流れる電流の周波数において、主コイル3
3と並列に接続されているコンデンサ35と共振し、こ
の共振時には見掛け上インピーダンスは無限大となっ
て、電流最小、電圧最大となって事故電流は遮断され
る。
イル33に送電線34の通常送電電流が流れ、超電導限
流器は超電導状態にあってインダクタンス分がゼロであ
るため運転損失は生じない。一方、短絡又は地絡事故が
発生したときには、事故電流により超電導体が瞬時にク
エンチし、インダクタンス分を発生する。このとき、主
コイル33に流れる電流の周波数において、主コイル3
3と並列に接続されているコンデンサ35と共振し、こ
の共振時には見掛け上インピーダンスは無限大となっ
て、電流最小、電圧最大となって事故電流は遮断され
る。
【0045】このように超電導体がクエンチすると、電
圧センサ40でそのクエンチ状態が検出される。そし
て、トリガー信号発生回路43からのトリガー信号に基
づいて補助コイル41に通電され、超電導体の臨界磁場
以上の磁場が発生する。このため、超電導体はクエンチ
した状態が維持される。
圧センサ40でそのクエンチ状態が検出される。そし
て、トリガー信号発生回路43からのトリガー信号に基
づいて補助コイル41に通電され、超電導体の臨界磁場
以上の磁場が発生する。このため、超電導体はクエンチ
した状態が維持される。
【0046】このように、この実施例では、前記第1実
施例の作用、効果に加えて次のような作用、効果が奏せ
られる。すなわち、通常運転時において超電導体の超電
導状態により運転損失の発生を防止できるとともに、短
絡や地絡事故などの異常時においては事故電流により超
電導体が瞬時にクエンチすることから、動作遅れを回避
することができる。
施例の作用、効果に加えて次のような作用、効果が奏せ
られる。すなわち、通常運転時において超電導体の超電
導状態により運転損失の発生を防止できるとともに、短
絡や地絡事故などの異常時においては事故電流により超
電導体が瞬時にクエンチすることから、動作遅れを回避
することができる。
【0047】ちなみに、超電導体がクエンチした後のイ
ンピーダンスを50mH、主コイル33と並列に接続さ
れるコンデンサ35の静電容量を140μF、補助コイ
ル41に発生する磁場を500ガウス程度に設定した。
また、電圧センサ40は10Vの電圧を検出したときに
超電導体がクエンチしたと判断した。その結果、通常運
転時においては運転損失の発生がなく、短絡や地絡事故
などの異常時においては動作遅れを回避することができ
た。加えて、この実施例では、超電導体に並列にコンデ
ンサを接続するとともに、超電導体のクエンチ状態を検
出するクエンチ検出部とクエンチ維持機構とを備えれば
よいため、従来構成に比べてシテスムが簡素化される。
ンピーダンスを50mH、主コイル33と並列に接続さ
れるコンデンサ35の静電容量を140μF、補助コイ
ル41に発生する磁場を500ガウス程度に設定した。
また、電圧センサ40は10Vの電圧を検出したときに
超電導体がクエンチしたと判断した。その結果、通常運
転時においては運転損失の発生がなく、短絡や地絡事故
などの異常時においては動作遅れを回避することができ
た。加えて、この実施例では、超電導体に並列にコンデ
ンサを接続するとともに、超電導体のクエンチ状態を検
出するクエンチ検出部とクエンチ維持機構とを備えれば
よいため、従来構成に比べてシテスムが簡素化される。
【0048】尚、この発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で例えば、
以下のように構成を任意に変更して実施してもよい。 (1)冷却液として液体ヘリウムを用いる。その場合、
超電導磁気遮蔽体には、ビスマス系酸化物超電導体以外
にNbTi超電導体を用いることができる。 (2)コイル12を銅線ではなく超電導線によって製作
する。この場合には、定常時におけるコイル12の抵抗
がほぼ零になるため、定常時の電力損失を極めて小さく
することができ、本発明の効果をより高めることができ
る。 (3)筒体11を一体物ではなく、リング状の薄板の積
層構造とする。 (4)クエンチ検出部として、電流センサ、温度センサ
などを用いること。 (5)クエンチ維持機構として、補助コイル41に代え
てヒータなどの加熱装置を用いること。 (6)クエンチ維持機構の電源として、変圧器38を用
いず、別個独立の電源を用いたり、誘導電流を利用して
電源を確保したりすること。 (7)第1実施例における電流抑制手段として、コンデ
ンサやコイルを用いること。 (8)前記第2実施例でサイリスタ42に代えて、トラ
ンジスタなどのスイッチング素子を用いること。
のではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で例えば、
以下のように構成を任意に変更して実施してもよい。 (1)冷却液として液体ヘリウムを用いる。その場合、
超電導磁気遮蔽体には、ビスマス系酸化物超電導体以外
にNbTi超電導体を用いることができる。 (2)コイル12を銅線ではなく超電導線によって製作
する。この場合には、定常時におけるコイル12の抵抗
がほぼ零になるため、定常時の電力損失を極めて小さく
することができ、本発明の効果をより高めることができ
る。 (3)筒体11を一体物ではなく、リング状の薄板の積
層構造とする。 (4)クエンチ検出部として、電流センサ、温度センサ
などを用いること。 (5)クエンチ維持機構として、補助コイル41に代え
てヒータなどの加熱装置を用いること。 (6)クエンチ維持機構の電源として、変圧器38を用
いず、別個独立の電源を用いたり、誘導電流を利用して
電源を確保したりすること。 (7)第1実施例における電流抑制手段として、コンデ
ンサやコイルを用いること。 (8)前記第2実施例でサイリスタ42に代えて、トラ
ンジスタなどのスイッチング素子を用いること。
【0049】
【発明の効果】 以上詳述したようにこの発明によれ
ば、次のような優れた効果を奏する。すなわち、超電導
磁気遮蔽体を冷却するための冷却液の補給量を少なくす
ると共に、冷却液の絶縁耐力の低下を防ぐことが可能と
なる。また、通常運転時において運転損失の発生を防止
できるとともに、短絡や地絡事故などの異常時に動作遅
れを回避することができる。
ば、次のような優れた効果を奏する。すなわち、超電導
磁気遮蔽体を冷却するための冷却液の補給量を少なくす
ると共に、冷却液の絶縁耐力の低下を防ぐことが可能と
なる。また、通常運転時において運転損失の発生を防止
できるとともに、短絡や地絡事故などの異常時に動作遅
れを回避することができる。
【図1】 請求項1〜3の発明を具体化した第1実施例
の磁気遮蔽型超電導限流器を示す斜視図である。
の磁気遮蔽型超電導限流器を示す斜視図である。
【図2】 図1に示す磁気遮蔽型超電導限流器を用いた
試験回路の回路図である。
試験回路の回路図である。
【図3】 請求項4〜6の発明を具体化した第2実施例
の超電導限流器の構成を示す説明図である。
の超電導限流器の構成を示す説明図である。
【図4】 超電導体を示す要部断面図である。
【図5】 超電導限流器の具体的構成を示す説明図であ
る。
る。
【図6】 従来の遮断機構を示す回路図である。
11…筒体、12…コイル、13…コア、31…筒体、
33…主コイル、35…コンデンサ、36…クエンチ検
出部、37…クエンチ維持機構、40…クエンチ検出部
としての電圧センサ、41…クエンチ維持機構としての
補助コイル。
33…主コイル、35…コンデンサ、36…クエンチ検
出部、37…クエンチ維持機構、40…クエンチ検出部
としての電圧センサ、41…クエンチ維持機構としての
補助コイル。
Claims (6)
- 【請求項1】 超電導磁気遮蔽体製の筒体と、 その筒体の外周又は内周に巻回されて送電系統と直列に
接続されるコイルとを備えた磁気遮蔽型超電導限流器に
おいて、 前記コイルと並列に電流の流れを抑制する電流抑制手段
を接続したことを特徴とする磁気遮蔽型超電導限流器。 - 【請求項2】 前記電流抑制手段が抵抗、コンデンサ又
はコイルであることを特徴とする請求項1に記載の磁気
遮蔽型超電導限流器。 - 【請求項3】 超電導磁気遮蔽体製の筒体と、 その筒体に巻回されて送電系統と直列に接続されるコイ
ルとを備えた磁気遮蔽型超電導限流器において、 前記筒体を高抵抗磁性体製のトロイダル・コアに嵌挿し
たことを特徴とする磁気遮蔽型超電導限流器。 - 【請求項4】 超電導磁気遮蔽体製の筒体と、 その筒体に巻回されて送電系統と直列に接続されるコイ
ルと、 コイルと並列に接続されたコンデンサと、 超電導磁気遮蔽体がクエンチしたことを検出するクエン
チ検出部と、 クエンチ検出部からの検出信号により超電導磁気遮蔽体
をクエンチした状態に維持するクエンチ維持機構とを備
えたことを特徴とする磁気遮蔽型超電導限流器。 - 【請求項5】 前記クエンチ検出部はコイルに発生する
電圧を検出する電圧センサであることを特徴とする請求
項4に記載の磁気遮蔽型超電導限流器。 - 【請求項6】 前記クエンチ維持機構はコイルの外周又
は内周に配置された補助コイルによって発生する磁場に
よりクエンチ状態を維持するものであることを特徴とす
る請求項4に記載の磁気遮蔽型超電導限流器。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5297032A JPH06334229A (ja) | 1993-03-26 | 1993-11-26 | 磁気遮蔽型超電導限流器 |
EP94302179A EP0620630A1 (en) | 1993-03-26 | 1994-03-25 | Superconducting fault current limiter |
DE69401722T DE69401722T2 (de) | 1993-03-26 | 1994-03-25 | Supraleitende Anordnung zur Fehlerstrombegrenzung |
EP94302178A EP0620570B1 (en) | 1993-03-26 | 1994-03-25 | Superconducting fault current limiter |
US08/218,809 US5546261A (en) | 1993-03-26 | 1994-03-28 | Superconducting fault current limiter |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6875893 | 1993-03-26 | ||
JP5-68758 | 1993-03-26 | ||
JP5297032A JPH06334229A (ja) | 1993-03-26 | 1993-11-26 | 磁気遮蔽型超電導限流器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06334229A true JPH06334229A (ja) | 1994-12-02 |
Family
ID=26409957
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5297032A Pending JPH06334229A (ja) | 1993-03-26 | 1993-11-26 | 磁気遮蔽型超電導限流器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06334229A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2663886A1 (fr) * | 1990-06-29 | 1992-01-03 | Kubota Kk | Systeme de commande de virage d'un vehicule a quatre roues motrices. |
JP2006237578A (ja) * | 2005-01-12 | 2006-09-07 | Nexans | 超伝導電流制限部品 |
JP2010010631A (ja) * | 2008-06-30 | 2010-01-14 | Toshiba Corp | 超電導コイル装置および超電導コイルの検査方法 |
-
1993
- 1993-11-26 JP JP5297032A patent/JPH06334229A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2663886A1 (fr) * | 1990-06-29 | 1992-01-03 | Kubota Kk | Systeme de commande de virage d'un vehicule a quatre roues motrices. |
JP2006237578A (ja) * | 2005-01-12 | 2006-09-07 | Nexans | 超伝導電流制限部品 |
JP2010010631A (ja) * | 2008-06-30 | 2010-01-14 | Toshiba Corp | 超電導コイル装置および超電導コイルの検査方法 |
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