JPH0632865A - 熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法

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JPH0632865A
JPH0632865A JP4191027A JP19102792A JPH0632865A JP H0632865 A JPH0632865 A JP H0632865A JP 4191027 A JP4191027 A JP 4191027A JP 19102792 A JP19102792 A JP 19102792A JP H0632865 A JPH0632865 A JP H0632865A
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JP
Japan
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resin composition
ethylene
thermoplastic resin
group
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Application number
JP4191027A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Iwashita
敏行 岩下
Kazuyuki Watanabe
和幸 渡辺
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 適切な強度および耐熱性を有するとともに、
柔軟でゴム様の性質を示し、しかも成形加工時に熱可塑
性となるポリオレフィン系の熱可塑性樹脂組成物の開
発。 【構成】 (A)特定のエチレン系共重合体,(B)ポ
リプロピレン系樹脂を含有するとともに、(C)特定の
反応性化合物を、該(A)成分のエチレン系共重合体を
構成する各モノマー単位の合計量100モルに対して、
該官能基比率が0.2〜10モルになるように含有し、か
つ(A)成分と(C)成分との合計量に対するゲル分率
が60重量%以上である熱可塑性樹脂組成物およびその
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な熱可塑性樹脂組成
物およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、適切な
強度および耐熱性を有するとともに、柔軟でゴム様の性
質を示し、しかも成形加工時に熱可塑性となるポリオレ
フィン系の熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性エラストマーは、省エネルギ
ー,省資源型の組成物として加硫ゴムの代替品として自
動車分野,工業機械分野,電気・電子機器部品および建
材等に用いられている。例えば、ポリオレフィン系熱可
塑性エラストマーとしては、結晶性熱可塑性ポリオレフ
ィン樹脂と加硫されたエチレン−プロピレン−ポリエン
共重合体ゴムの組成物が広く用いられている。具体的に
は、特公昭58−46138号公報および特公昭55−
18448号公報に記載されている組成物が挙げられ
る。これらの組成物は、エチレン−プロピレン−ポリエ
ン共重合体の架橋にパーオキサイドを用いているため、
ゴム弾性と機械的強度のバランスが悪いという欠点を有
している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の欠点を解消し、ゴム弾性と機械的強度のバラ
ンスに優れ、引張強度などの機械的強度が高い上、耐熱
性,耐油性及び永久伸びなどの物性に優れ、かつコスト
的にも有利な熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的
としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解消すべく鋭意研究を重ねた結果、エチレンと水酸
基含有重合性化合物とのエチレン系共重合体に、ポリプ
ロピレンや、特定の反応性化合物とを配合したものが、
その目的を達成しうることを見出した。本発明はかかる
知見に基づいて完成されたものである。
【0005】すなわち、本発明は、(A)エチレンと少
なくとも重合性不飽和結合炭素以外の炭素に結合するO
H基を有する水酸基含有重合性化合物を高圧下でラジカ
ル重合して得られるエチレン系共重合体90〜50重量
部,(B)ポリプロピレン系樹脂10〜50重量部とを
合計量100重量部となるように含有するとともに、
(C)該(A)成分のOH基と反応する官能基を1分子
中に2個以上含有する反応性化合物を、該(A)成分の
エチレン系共重合体を構成する各モノマー単位の合計量
100モルに対して、該官能基比率が0.2〜10モルに
なるように含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成
物を提供するものである。また、本発明は、(A)成
分,(B)成分および(C)成分を含有する組成物を動
的に熱処理することによって、上記熱可塑性樹脂組成物
を製造する方法をも提供するものである。
【0006】本発明の熱可塑性樹脂組成物において、
(A)成分として用いられるエチレン系共重合体は、エ
チレンと少なくとも重合性不飽和結合炭素以外の炭素に
結合するOH基を有する水酸基含有重合性化合物とを高
圧下でラジカル重合して得られるものである。ここで、
重合性不飽和結合炭素以外の炭素に結合するOH基を有
する水酸基含有重合性化合物としては、ヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレート〔(メタ)アクリレートは、
メタクリレート及びアクリレートを意味する。以下同
様〕,ヒドロキシアルキルアルコキシ(メタ)アクリレ
ート,ヒドロキシアルキルジアルコキシ(メタ)アクリ
レート,ヒドロキシアルキルポリアルコキシ(メタ)ア
クリレート,ヒドロキシアルキルビニルエーテル,ヒド
ロキシアルキルアルコキシビニルエーテル,ヒドロキシ
アルキルジアルコキシビニルエーテル,ヒドロキシアル
キルポリアルコキシビニルエーテルなどが挙げられる。
さらに具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート,2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト,2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート,2−
ヒドロキシエチルエトキシ(メタ)アクリレート,ジプ
ロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート,2−ヒ
ドロキシエチルビニルエーテル,ジエチレングリコール
モノビニルエーテル,さらにアリルアルコールなどが挙
げられる。これらは一種用いてもよいし、二種以上を組
合わせて用いてもよい。
【0007】本発明に用いる(A)成分のエチレン系共
重合体は、上記水酸基含有重合性化合物単位を通常1.5
〜25重量%、好ましくは2.0〜20重量%の範囲で含
有するのが望ましい。該単位の含有量が1.5重量%未満
ではエチレン系架橋成分が良好に生成しなくなる場合が
ある。また、25重量%を超えても本発明の効果は発揮
されるが、製造上及びコストの面から好ましくない。さ
らに、本発明に適応するためには、該共重合体の結晶性
が低いことが好ましい。その程度は、溶融潜熱が大きく
とも20cal/g、特に15cal/g以下であるの
が望ましい。そのためには、上記共重合体として第三コ
モノマー(以下、他のコモノマーという。)を共重合さ
せたものが用いられる。
【0008】他のコモノマーとしては、エステル系重合
性化合物,アミド系重合性化合物,エーテル系重合性化
合物,炭化水素系重合性化合物などが挙げられる。ここ
で、エステル系重合性化合物としては、例えば、酢酸ビ
ニル,アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル
酸プロピル,アクリル酸ブチル,アクリル酸ヘキシル,
アクリル酸オクチル,アクリル酸ラウリル,アクリル酸
ベンジル,アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル,
メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル
酸プロピル,メタクリル酸ブチル,メタクリル酸ヘキシ
ル,メタクリル酸オクチル,メタクリル酸ラウリル,フ
マル酸ジメチル,フマル酸ジエチル,フマル酸ジプロピ
ル,フマル酸ジブチル,マレイン酸ジメチル,マレイン
酸ジエチル,マレイン酸ジプロピル,マレイン酸ジブチ
ルなどが挙げられる。アミド系重合性化合物としては、
例えばアクリルアミド;メタクリルアミド;N−プロピ
ルアクリルアミド;N−エチルアクリルアミド;N−ブ
チルアクリルアミド;N−ヘキシルアクリルアミド;N
−オクチルアクリルアミド;N,N−ジエチルアクリル
アミド;N,N−ジメチルアクリルアミド;N,N−ジ
メチルメタクリルアミド;N,N−ジエチルメタクリル
アミドが挙げられる。また、エーテル系重合性化合物と
しては、例えば、メチルビニルエーテル,エチルビニル
エーテル,プロピルビニルエーテル,オクタデシルビニ
ルエーテル,フェニルビニルエーテルなどが挙げられ、
炭化水素系重合性化合物としては、例えばスチレン,ノ
ルボルネン,ブタジエン、さらにはアクリロニトリル,
メタクリロニトリル,アクロレイン,クロトンアルデヒ
ド,トリメトキシビニルシラン,塩化ビニル,塩化ビニ
リデンなどが挙げられる。これらのモノマーは、目的と
する性能によって一種用いてもよいし、二種以上を組合
せて用いてもよい。すなわち、耐油性が要求される分野
では極性の高いコモノマー、例えばアクリロニトリル,
アクリルアミド,アクリル酸エステルなどを選定するの
が好ましく、また、柔軟性を高めるには上記コモノマー
を加えるのが好ましい。
【0009】本発明の熱可塑性樹脂組成物において、
(A)成分として用いられる該エチレン系共重合体は、
エチレン,水酸基含有重合性化合物および所望により用
いられる他のコモノマーを上記の組成となるように配合
したものを、通常700〜3000気圧、好ましくは1
000〜2500気圧で、100〜300℃、好ましく
は150〜270℃(反応器内の平均温度)でラジカル
開始剤の存在下に重合させることによって得られる。圧
力が700気圧未満では重合体の分子量を大きくでき
ず、成形性が低下し、物性が充分なものは得られない場
合がある。一方、3000気圧を超える圧力は実質的に
意味がなく、製造コストを高めるだけである。また、温
度が100℃未満では反応が安定せず、重合体への転化
率が低下するので、経済的に問題であり、300℃を超
えると、重合体の分子量を大きくできない上に暴走反応
の危険性が生じる。製造に際しては、基本的には通常の
低密度ポリエチレンの製造設備及び技術を利用すること
ができる。反応器の形式としては、攪拌機付きのオート
クレーブまたはチューブラー型のものを使用することが
でき、必要に応じて複数個の反応器を直列または並列に
接続して多段重合をすることもできる。さらに、オート
クレーブ型の反応器の場合、反応器内部を複数ゾーンに
仕切ることにより、温度分布をつけたり、より厳密な温
度コントロールをすることもできる。重合にあたって
は、エチレン,水酸基含有重合性化合物及び所望により
用いられる他のコモノマーを圧縮して反応器へ送入し、
別に注入したラジカル開始剤を利用して重合する。水酸
基含有重合性化合物および他のコモノマーは、取り扱い
上の理由などにより溶剤で希釈して用いることもでき
る。
【0010】該溶剤として、水,ヘキサン,ヘプタン,
オクタン,デカン,石油エーテル,シクロヘキサン,ベ
ンゼン,トルエン,キシレン,エチルベンゼン,ドデシ
ルベンゼン,テトラリン,テレビン油などの炭化水素
類、エチルエーテル,イソプロピルエーテル,メチルフ
ェニルエーテル,エチルベンジルエーテル,ジオキサ
ン,フラン,テトラヒドロフラン,ジエチルアセタール
などのエーテル類、アセトン,メチルアセトン,メチル
エチルケトン,メチルイソブチルケトン,ジエチルケト
ン,エチルブチルケトン,ジイソプロピルケトンアセト
ニルアセトン,メチルオキシド,シクロヘキサノンなど
のケトン類、メチルアルコール,エチルアルコール,n
−プロピルアルコール,i−プロピルアルコール,n−
ブチルアルコール,i−ブチルアルコール,t−ブチル
アルコール,オクチルアルコール等のアルコール類、ギ
酸メチル,ギ酸エチル,ギ酸イソブチル,ギ酸アミル,
酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸イソブチル,酢酸2−エ
チルヘキシル,酢酸シクロヘキシル,プロピオン酸エチ
ル,プロピオン酸イソアミル,酪酸エチル,酪酸イソア
ミル,アセト酢酸メチル,イソ吉草酸イソアミル,乳酸
メチル,乳酸イソアミル,安息香酸エチル,シュウ酸ジ
メチル,シュウ酸ジエチル,シュウ酸ジブチル,マロン
酸ジエチル,フタル酸ジメチル,フタル酸ジブチル,酒
石酸ジブチル等のエステル類、酢酸などの酸類、その
他、二硫化炭素,ジメチルスルホキシド,プロパンスル
ホン,燐酸トリエチル,燐酸トリフェニルなどが挙げら
れる。これらの溶剤は、必要に応じて二種類以上併用す
ることができる。
【0011】ラジカル開始剤としては、ラジカルを発生
する化合物であれば、特に制限はなく、例えば、ジ−t
−ブチルパーオキシド;ジクミルパーオキシド;t−ブ
チルクミルパーオキシドなどのジアルキルパーオキシ
ド、アセチルパーオキシド;i−ブチルパーオキシド;
オクタノイルパーオキシドなどのジアシルパーオキシ
ド、ジ−i−プロピルパーオキシジカーボネート;ジ−
2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネートなどのパ
ーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレ
ート;t−ブチルパーオキシラウレートなどのパーオキ
シエステル、メチルエチルケトンパーオキシド;1,1
−ビス−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン;2,2
−ビス−t−ブチルパーオキシオクタノンなどのパーオ
キシケタール、t−ブチルハイドロパーオキシド;クメ
ンハイドロパーオキシドなどのハイドロパーオキシドな
どの有機過酸化物、その他2,2−アゾビスイソブチロ
ニトリルなどのアゾ化合物、酸素などが挙げられる。
【0012】また、重合に当たって分子量調節剤とし
て、種々の連鎖移動剤を使用することもできる。連鎖移
動剤としては、例えば、プロピレン,ブテン,ヘキセン
などのオレフィン類、エタン,プロパン,ブタンなどの
パラフィン類、アセトン,メチルエチルケトン,酢酸メ
チルなどのカルボニル化合物、トルエン,キシレン,エ
チルベンゼンなどの芳香族炭化水素類などを挙げること
ができる。
【0013】さらに、本発明の用途にはできる限り柔軟
な共重合体が望まれる。そのため、エチレンに対し水酸
基を含有する重合性化合物を始め種々の第三コモノマー
を重合することになり、これらエチレン以外のモノマー
の連鎖移動による共重合体の分子量低下を防ぐことは、
効果的に架橋成分を製造するために重要な技術である。
そのため、該分子量低下を防ぐために複数の重合反応点
を有するモノマーを共存させることが望ましい。該複数
の重合反応点を有するモノマーの具体的な例としては、
ブタジエン,アクリル酸アリルおよび多官能(メタ)ア
クリレート化合物が挙げられる。ここで、多官能(メ
タ)アクリレート化合物としては、1,4−ブタンジオ
ールジ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート;トリス(アクリロイロキシエ
チル)イソシアヌレート;ペンタエリストールテトラ
(メタ)アクリレートなどが挙げられる。特に、アクリ
ル酸アリル;1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリ
レート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
トが好ましい。
【0014】上記のようにして得られた共重合体は、未
反応モノマーと共に反応器より排出され、高圧分離器、
場合により中圧分離器,低圧分離器を経て重合体とモノ
マーないしは低分子量重合体とを分離した後、混練り機
を通しベール状又は押出機を通してペレット化すると共
に、未反応モノマーは、低分子量重合体をフィルターで
除去した後循環して再使用する。ベール状またはペレッ
ト化するに際して後記のような添加剤を配合することも
できる。こうして得られるエチレン系共重合体は、MF
R(190℃,荷重2.16kg,JIS−K7210)
が通常0.1〜300(g/10分)のものが使用され
る。このMFRが300(g/10分)を超えても架橋
して使用するため基本的には問題ないが、300(g/
10分)を超えると水酸基と反応する化合物の混合およ
びポリプロピレン樹脂を均一に混合させることが難しく
なり、得られる組成物の外観,成形性,機械的強度の低
下を招くことになる。好ましいMFRの範囲は0.3〜3
00(g/10分)である。また、高圧下で得られたポ
リエチレン、又はエチレンと他のコモノマーとの共重合
体に、水酸基含有重合性化合物を1.0重量%以上グラフ
トしたものを用いることができる。
【0015】本発明の組成物において、(B)成分とし
て用いられるポリプロピレン系樹脂としては、例えばポ
リプロピレン単独重合体、またはプロピレンとエチレ
ン,1−ブテン,1−ペンテン,1−ヘキセン,4−メ
チル−1−ペンテン等のα−オレフィンを共重合させた
プロピレン単位を主成分とする共重合体を挙げることが
できる。ここでいう共重合体とは、ランダム共重合体で
もよいし、ブロック共重合体であってもよい。上記ポリ
プロピレン系樹脂のMFR(230℃,荷重2.16k
g)は0.1〜1000g/10分、好ましくは0.3〜3
00g/10分、特に好ましくは1.0〜100g/10
分である。本発明の(B)成分は、耐熱性と機械的強度
を発現させる成分であり、目的に応じて上記α−オレフ
ィンの種類およびMFRを選定することができる。
【0016】本発明の組成物における上記(A)成分の
エチレン系共重合体と(B)成分のポリプロピレン系樹
脂との配合割合については、(A)成分90〜50重量
部と(B)成分10〜50重量部とを合計量が100重
量部となるように配合することが必要である。この配合
割合が上記範囲を逸脱すると本発明の目的が充分に達せ
られない。本発明の組成物においては、(C)成分とし
て、上記(A)成分のOH基と反応する官能基を1分子
中に2個以上含む反応性化合物が用いられる。この反応
性化合物としては、炭素数4〜30個の酸無水物、ジカ
ルボン酸、トリカルボン酸および保護されたイソシアネ
ート基を1分子中に少なくとも2個有するブロックイソ
シアネート(以下、ブロックイソシアネートと略称す
る)が好ましく用いられる。具体例としては、無水マレ
イン酸,無水イタコン酸,無水シトラコン酸,無水コハ
ク酸,無水フタル酸,無水アルケニル酸,無水ドデシニ
ルコハク酸,無水トリカルパリル酸,無水メチルテトラ
ヒドロフタル酸,無水ピロメリット酸等の酸無水物、お
よびこれらのジまたはトリカルボン酸,アジピン酸,ア
スパラギン酸,グルタミン酸,リンゴ酸等のカルボン酸
およびイソシアネート基を1分子中に2個以上含有する
ブロックイソシアネートまたは下記の保護基を除いたジ
イソシアネート等が挙げられるが、好ましくは酸無水物
およびブロックイソシアネートである。これらの他に、
アルミニウムイソプロポキサイドやオルトチタン酸−n
−ブチルなども用いることができる。上記ブロックイソ
シアネートとは、イソシアネート基と保護剤とを常法に
より反応させて得られる保護されたイソシアネート基を
有する化合物であり、かかる保護されたイソシアネート
基は保護基に応じた特定の温度での加熱によって熱解離
し、保護剤を脱離してイソシアネート基を再生するもの
である。本発明に用いるブロックイソシアネートは、か
かるイソシアネート基を1分子中に少なくとも2個有す
る化合物であるが、2〜3個有するものが好ましい。か
かるブロックイソシアネートは、ポリイソシアネートと
保護剤との反応によって得られる。
【0017】ポリイソシアネートの代表的なものとして
は、芳香族,脂肪族,脂環族ジイソシアネート,トリイ
ソシアネートおよびジイソシアネートの過剰量と鎖拡張
剤としての分子量60〜2000のポリイソシアネート
との反応生成物などが挙げられる。ここで、ジイソシア
ネートの代表例としては、エチレンジイソシアネート;
テトラメチレンジイソシアネート;ヘキサメチレンジイ
ソシアネートなどのアルキレンジイソシアネート、トリ
レンジイソシアネート;メタフェニレンジイソシアネー
ト;ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジ
イソシアネート、4,4’−メチレン−ビス(シクロヘ
キシルイソシアネート);ω,ω−ジイソシアネート−
1,4−ジメチルシクロヘキサン;イソホロンジイソシ
アネートなどの脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
また、トリイソシアネートの代表例としては、ジイソシ
アネートの3量体、例えばトリレンジイソシアネートの
3量体,ヘキサメチレンジイソシアネート3量体などが
挙げられる。
【0018】鎖拡張剤を用いたポリイソシアネートの代
表例としては、上記のジイソシアネートの過剰量と分子
量60〜2000のポリオールとの反応生成物が挙げら
れる。ポリオールとしては、エチレングリコール,ジエ
チレングリコール,トリエチレングリコール,プロピレ
ングリコール,ジプロピレングリコール,トリプロピレ
ングリコール,テトラメチレングリコール,ヘキサメチ
レングリコール,トリメチロールプロパン,ペンタエリ
スリトールなどが挙げられる。本発明においては、ジイ
ソシアネート成分として上記のジイソシアネート2モル
と上記ジオール1モルとを反応させて得られる反応生成
物を用い、これをさらに保護剤と反応させたブロックイ
ソシアネートを使用することが有利である。このブロッ
クイソシアネートは、下記の一般式(I)で示される。
【0019】
【化1】
【0020】(式中、Blはイソシアネートの保護剤の
残基を表し、R1 は二価イソシアネートの残基であっ
て、炭素数2〜20の炭化水素基を表し、R2 は水素原
子またはメチル基を表し、mは1〜5の整数を表し、n
は1〜30の整数を表す。)
【0021】一般式(I)で示されるブロックイソシア
ネートの出発原料であるジイソシアネートとしては、上
記のジイソシアネートの中でもトリレンジイソシアネー
ト;ジフェニレンジイソシアネート;4,4’−メチレ
ン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート);イソホロ
ンジイソシアネートが好ましく、イソホロンジイソシア
ネートがより好ましい。また、一般式(I)で示される
ブロックイソシアネートの出発原料であるジオールとし
ては、上記ジオールの中でもエチレングリコール;ジエ
チレングリコール;プロピレングリコール;テトラメチ
レングリコールが好ましい。
【0022】一般式(I)においてBlは、保護剤の残
基であり、保護剤から水素原子を除去した基である。保
護剤としては、フェノール系,ラクタム系,活性メチレ
ン系,酸アミド系,イミド系,アミン系,イミダゾール
系,尿素系,イミン系,オキシム系のいずれを用いるこ
とができる。中でも、フェノール系,ラクタム系,酸ア
ミド系,活性メチレン系,オキシム系の保護剤が好まし
く、ラクタム系がより好ましい。ここで、フェノール系
保護剤としては、フェノール,クレゾール,キシレノー
ル,エチルフェノール,ノニルフェノールなどの一価フ
ェノールが挙げられる。ラクタム系保護剤としては、β
−プロピオラクタム,γ−ブチロラクタム,δ−バレロ
ラクタム,ε−カプロラクタムなどが好ましい。また、
酸アミド系保護剤としては、アセトアニリド,酢酸アミ
ド,ステアリン酸アミドなどのモノカルボン酸アミドが
挙げられる。活性メチレン系保護剤としては、マロン酸
ジアルキル,アセト酢酸アルキル(アルキルとしては、
メチル基またはエチル基が好ましい),アセチルアセト
ンなどが挙げられる。さらに、オキシム系保護剤として
は、ホルムアルドキシム,アセトアルドキシム,メチル
エチルケトンオキシム,シクロヘキサノンオキシムなど
が挙げられる。保護剤は、解離温度以上の温度で組成物
内で遊離するが、架橋物の発泡など、成形品の外観を損
なうことのないものが好ましい。
【0023】本発明において、ブロックイソシアネート
は、単独で用いてもよく、二種類以上併用してもよい。
例えば、前記一般式(I)で示されるブロックイソシア
ネートとそれ以外の前記ブロックイソシアネートを併用
することができる。この場合、全ブロックイソシアネー
ト中に占める一般式(I)で示されるブロックイソシア
ネートの比率は、通常10モル%以上,好ましくは20
モル%以上,より好ましくは50モル%以上である。一
般式(I)で示されるブロックイソシアネートの存在
は、架橋物の物性バランスの付与に極めて重要である。
柔軟性を適度に維持し、伸びを確保し、かつ破断強度を
強くするために、一般式(I)のブロックイソシアネー
トの果たす機能は、必ずしも明確ではない。
【0024】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(A)エ
チレン系共重合体、(B)ポリプロピレン及び(C)反
応性化合物を混合し、加熱処理することにより得られ
る。該エチレン系共重合体と反応性化合物との量比は、
エチレン系共重合体の構成モノマー単位の合計モル数と
反応性化合物中の官能基のモル数との関係で限定され
る。すなわち、エチレン系共重合体の構成モノマー単位
の合計100モルに対して、反応性化合物中の官能基の
モル数は、0.2〜10モル,好ましくは0.3〜5モルで
ある。また、エチレン系共重合体の構成モノマー中の水
酸基含有重合性化合物単位1モルに対する該官能基のモ
ル数は、好ましくは2.0モル未満、特に好ましくは0.0
2〜2.0モルの範囲である。該官能基のモル数が2.0モ
ルを超えると架橋が不完全になるだけでなく、得られる
架橋物の強度および耐熱性が必ずしも充分なものとはな
らない。ここで、具体例として(C)成分としてブロッ
クイソシアネートを用いた場合の該エチレン系共重合体
と反応性化合物との量比は、エチレン系共重合体の構成
モノマー単位の合計100モルに対して、ブロックイソ
シアネート中の保護されたイソシアネート基のモル数
は、通常0.2〜10モル,好ましくは0.3〜5モルにな
るよう選ばれ、また、エチレン系共重合体の構成モノマ
ー中の水酸基含有重合性化合物単位1モルに対する保護
されたイソシアネート基のモル数は、通常2.0モル未
満、好ましくは0.02〜2.0モルの範囲になるように選
ばれる。
【0025】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(B)成
分のポリプロピレン系樹脂の存在下で、(A)成分のエ
チレン系共重合体と(C)成分の反応性化合物との反応
架橋を行いつつエチレン系共重合体架橋成分を分散させ
ることにより製造することができる。この製造する方法
は種々あるが例えば、(A),(B)および(C)成
分を同時に混合して動的に熱処理する方法、(B)成
分に予め(A)成分を混合した後(C)成分を混合して
動的に熱処理する方法、(B)成分に予め(C)成分
を混合した後(A)成分を混合して動的に熱処理する方
法、(A)成分に予め(C)成分を混合した後(B)
成分を混合して動的に熱処理する方法が挙げられる。好
ましい混合方法としては、ポリエチレン架橋成分の分散
上上記〜が挙げられる。ここで、混合に際しては溶
媒を用いても用いなくてもよいが、溶媒を用いず溶融状
態で行うのが反応の効率上好ましい。得られた混合物を
動的に熱処理することにより熱可塑性樹脂組成物を得る
ことができる。なお、熱処理した後、(A)および
(C)成分は架橋反応によりゲル化するが、ゲル化の程
度が低いと良好なゴム性を得ることができない。また、
上記の方法において(A)成分と(C)成分を混合し
た際に架橋反応が起こると、(B)成分と混合するとき
の分散性が低く成形性が悪くなり、成形物の外観,形状
を悪化させる原因にもなる。そのため、(A)成分と
(C)成分を溶融混練する際の温度は、OH基と反応す
る化合物の種類にもよるが一般的には140℃以下であ
る。(C)成分がブロックイソシアネートである場合は
解離温度未満で混練することが重要である。また、
(A)成分と(C)成分との合計量に対するゲル分率は
60重量%以上であることが好ましく、より好ましくは
70重量%以上である。さらに、各成分の混合は、ヘン
シェルミキサー,リボンブレンダーなどで予備混合する
のが有利である。溶媒を用いずに溶融状態で反応を行
い、本発明の組成物を製造する場合には、一般に加圧ニ
ーダ,バンバリーミキサー,スタテックミキサー,スク
リュー式押出機,ロールなどが用いられる。
【0026】上記架橋反応を促進させるために、混合の
際に反応促進剤を配合することができる。反応促進剤と
しては、エタノールアミン;トリエタノールアミン;ジ
エタノールアミン;ジメチルアミン;ジエチルアミン;
n−プロピルアミン;イソプロピルアミン;N,N−ジ
エチルアミノアクリレート;トリメチルアミントリエチ
ルアミン;N,N−ベンジルアミン;トリ−n−ブチル
アミン;ヘキサメチレンテトラミン;トリエチレンジア
ミンなどの第三級アミン、p−トルエンスルホン酸,水
酸化カリウムなどの酸性化合物、トリメチルベンジルア
ンモニウムクロライド,テトラエチルアンモニウムブロ
マイド,テトラブチルアンモニウムクロライド,セチル
トリメチルアンモニウムクロライドなどのアンモニウム
のハロゲン塩などが挙げられる。特に、N,N−ジエチ
ルアミノアクリレートおよびp−トルエンスルホン酸が
好適である。さらに各成分の混合の各段階において、必
要に応じて各種の安定剤,着色剤,無機充填剤,軟化
剤,合成ゴム,可塑剤などを配合することができる。さ
らに必要に応じて、ポリエチレン系架橋成分とポリプロ
ピレン系樹脂の界面の親和性および結合力を改善させる
変性樹脂((D)成分)を加えることも可能である。例
えば、(A)成分または(C)成分と反応あるいは相互
作用しうるような変性されたポリプロピレン系樹脂が好
ましい。具体的には、無水マレイン酸,アクリル酸,2
−ヒドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシエチ
ルメタアクリレート,アクリルアミド誘導体(例えば
N,N−ジエチルアミノアクリレート)などでグラフト
変性されたポリプロピレン系樹脂が挙げられる。この変
性されたポリプロピレン系樹脂は、熱可塑性樹脂組成物
の伸び、破断強度などの性能改善に効果がある。この変
性樹脂としては、上記モノマーを0.05〜20重量%の
割合で含むものが好ましく、また変性樹脂の含有量は、
(B)成分のポリプロピレン系樹脂に対して、通常0.1
〜10重量%の範囲で選ばれる。
【0027】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例1〜21及び比較例1〜4 内容量4リットルで2ゾーンに分割されたオートクレー
ブ型反応器内で重合を温度190〜230℃,圧力18
00〜1950気圧の条件で開始剤としてt−ブチルパ
ーオキシピバレートを用いて実施した。水酸基含有重合
性化合物あるいは該化合物と他のモノマーおよび/また
は溶剤を第二段圧縮器の上流に注入し、エチレンと共に
反応器の第一ゾーンに供給した。生成した共重合体は、
高圧分離器,低圧分離器で未反応モノマーと分離し、押
出機を用いてベール状又はペレット化し、下記第1表に
示す共重合体を製造した。なお、各共重合体中の水酸基
含有重合性化合物及び第三コモノマー含有量は、赤外分
光計及び炭素同位体核磁気共鳴法(13C−NMR)を用
いて測定し、MFRはJIS−K7210により190
℃,230℃、荷重 2.16kgで測定した。また、引張
試験は厚さ1mmの射出シートを用い、2号1/2ダン
ベルで引張速度200mm/分として測定した。アイゾ
ット衝撃強さはJIS−K7110に準拠した。永久伸
びは、標線間を10mmとして、10分間2倍の長さに
延ばし回復後の残留伸びを%で示した。ゲル分率は、p
−キシレン沸点で6時間抽出した残量を(A)成分と
(C)成分の合計量で除して%で示した。耐油性は、厚
さ1mmシートをJIS3号オイル120℃,22時間
浸漬後の重量増加を%で示した。
【0028】
【表1】
【0029】 HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート MA:アクリル酸メチル EA:アクリル酸エチル BA:アクリル酸ブチル MMA:メタクリル酸メチル VA:酢酸ビニル AN:アクリルニトリル DMAA:N,N−ジメチルアクリルアミド (B)成分としては、第2表に示すポリプロピレン系樹
脂を用いた。
【0030】
【表2】
【0031】(C)成分としては、以下に示す反応性化
合物を用いた。 C−1:無水マレイン酸 C−2:マレイン酸 C−3:イソホロンジイソシアネートとエチレングリコ
ールとの2:1のアダクトをε−カプロラクタムで保護
したブロックイソシアネート(解離温度160℃)。 C−4:トリレンジイソシアネートとジエチレングリコ
ールとの2:1のアダクトをm−クレゾールで保護した
ブロックイソシアネート(解離温度160℃)。 C−5:トリレンジイソシアネートをメチルエチルケト
ンオキシムで保護したブロックイソシアネート(解離温
度130℃)。 C−6:イソホロンジイソシアネートとプロピレングリ
コールとの2:1のアダクトをε−カプロラクタムで保
護したブロックイソシアネート(解離温度160℃)。 (D)成分としては、以下に示す変性樹脂を用いた。 D−1:無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン
(MFR:56g/10分、無水マレイン酸:0.65重
量%) D−2:アクリル酸グラフト変性ポリプロピレン(MF
R:46g/10分、アクリル酸:0.7重量%) D−3:N,N−ジメチルアクリルアミドグラフト変性
ポリプロピレン(MFR:120g/10分、N,N−
ジメチルアクリルアミド:0.65重量%) D−4:2−ヒドロキシエチルアクリレートグラフト変
性ポリプロピレン(MFR:68g/10分、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート:3.7重量%)
【0032】第3表に示す配合割合で各成分を混合し、
ブラベンダーを使用して組成物を調整した。その際、安
定剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ
ールを500ppm(重量基準)配合した。予め、
(A)成分に(C)成分を90℃で混合した。この際の
ゲル分率は2重量%であった。次いで、(B),(D)
成分と上記混合物を220℃で10分間混練混合架橋を
行った。これらの物性測定結果を第3表に示す。
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】oil−A:アロマティック系オイル(サ
ンテン415) 注1:実施例21は、反応促進剤としてN,N−ジメチ
ルベンジルアミンを(A)成分100重量部に対して、
0.1PHR添加し170℃で10分間混練した。 注2:比較例5は、反応促進剤を用いずに170で10
分間混練した。
【発明の効果】以上の如く、本発明の熱可塑性樹脂組成
物は、良好なゴム性,強度,耐熱性および耐油性を有
し、かつ優れた成形加工性を有するものである。したが
って、加硫ゴムの代替品として、自動車部品,工業機械
部品,電気・電子部品、塩化ビニルの代替、床暖房用チ
ューブ、建築材料等として幅広く有効に利用することが
できる。
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】上記のようにして得られた共重合体は、未
反応モノマーと共に反応器より排出され、高圧分離器、
場合により中圧分離器,低圧分離器を経て重合体とモノ
マーないしは低分子量重合体とを分離した後、混練り機
を通しベール状又は押出機を通してペレット化すると共
に、未反応モノマーは、低分子量重合体をフィルターで
除去した後循環して再使用する。ベール状またはペレッ
ト化するに際して後記のような添加剤を配合することも
できる。こうして得られるエチレン系共重合体は、MF
R(190℃,荷重2.16kg,JIS−K7210)
が通常0.1〜300(g/10分)のものが使用され
る。このMFRが300(g/10分)を超えても架橋
して使用するため基本的には問題ないが、300(g/
10分)を超えると水酸基と反応する化合物の混合およ
びポリプロピレン樹脂を均一に混合させることが難しく
なり、得られる組成物の外観,成形性,機械的強度の低
下を招くことになる。好ましいMFRの範囲は0.3〜3
00(g/10分)である。また、高圧下で得られたポ
リエチレン、又はエチレンと他のコモノマーとの共重合
体に、水酸基含有重合性化合物を1.5重量%以上グラフ
トしたものを用いることができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(A)エ
チレン系共重合体、(B)ポリプロピレン及び(C)反
応性化合物を混合し、加熱処理することにより得られ
る。該エチレン系共重合体と反応性化合物との量比は、
エチレン系共重合体の構成モノマー単位の合計モル数と
反応性化合物中の官能基のモル数との関係で限定され
る。すなわち、エチレン系共重合体の構成モノマー単位
の合計量100モルに対して、反応性化合物中の官能基
のモル数は、0.2〜10モル,好ましくは0.3〜5モル
である。また、エチレン系共重合体の構成モノマー中の
水酸基含有重合性化合物単位1モルに対する該官能基の
モル数は、好ましくは2.0モル未満、特に好ましくは0.
02〜2.0モルの範囲である。該官能基のモル数が2.0
モルを超えると架橋が不完全になるだけでなく、得られ
る架橋物の強度および耐熱性が必ずしも充分なものとは
ならない。ここで、具体例として(C)成分としてブロ
ックイソシアネートを用いた場合の該エチレン系共重合
体と反応性化合物との量比は、エチレン系共重合体の構
成モノマー単位の合計量100モルに対して、ブロック
イソシアネート中の保護されたイソシアネート基のモル
数は、通常0.2〜10モル,好ましくは0.3〜5モルに
なるよう選ばれ、また、エチレン系共重合体の構成モノ
マー中の水酸基含有重合性化合物単位1モルに対する保
護されたイソシアネート基のモル数は、通常2.0モル未
満、好ましくは0.02〜2.0モルの範囲になるように選
ばれる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】
【表1】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】第3表に示す配合割合で各成分を混合し、
ブラベンダーを使用して組成物を調整した。その際、安
定剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ
ールを500ppm(重量基準)配合した。予め、
(A)成分に(C)成分を90℃で混合した。この際の
ゲル分率は2重量%以下であった。次いで、(B),
(D)成分と上記混合物を220℃で10分間混練混合
架橋を行った。これらの物性測定結果を第3表に示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エチレンと少なくとも重合性不飽
    和結合炭素以外の炭素に結合するOH基を有する水酸基
    含有重合性化合物を高圧下でラジカル重合して得られる
    エチレン系共重合体90〜50重量部,(B)ポリプロ
    ピレン系樹脂10〜50重量部とを合計量100重量部
    となるように含有するとともに、(C)該(A)成分の
    OH基と反応する官能基を1分子中に2個以上含有する
    反応性化合物を、該(A)成分のエチレン系共重合体を
    構成する各モノマー単位の合計量100モルに対して、
    該官能基比率が0.2〜10モルになるように含有するこ
    とを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 該(C)成分が、保護されたイソシアネ
    ート基を1分子中に2個以上含有するブロックイソシア
    ネートである請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分であるエチレン系重合体の構
    成モノマー中の水酸基含有重合性化合物単位1モルに対
    し、保護されたイソシアネート基のモル数が0.02〜2.
    0モルである請求項2記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (A)成分,(B)成分および(C)成
    分を含有する組成物を動的に熱処理することを特徴とす
    る請求項1〜3にそれぞれ記載の熱可塑性樹脂組成物の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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