JPH06328195A - 中子及びこの中子を使用した型成形品の製造方法 - Google Patents
中子及びこの中子を使用した型成形品の製造方法Info
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- JPH06328195A JPH06328195A JP11853993A JP11853993A JPH06328195A JP H06328195 A JPH06328195 A JP H06328195A JP 11853993 A JP11853993 A JP 11853993A JP 11853993 A JP11853993 A JP 11853993A JP H06328195 A JPH06328195 A JP H06328195A
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- Laminated Bodies (AREA)
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 型成形品の内面にボイドを発生させることが
なくかつ製造が容易な中子と、この中子を用いて型成形
品を効率よく製造できる型成形品の製造方法を提供する
こと。 【構成】 合成樹脂からなる内層部4とこの内層部4と
異なる合成樹脂からなる外層部5から中子1を構成し、
外層部5は内層部4より耐熱性が大きい樹脂を使用す。
この中子1を金型2内に配置して溶融金属を注入し、金
型2から中子1ごと型成形品7を取り出し、中子1が型
成形品7の余熱等により軟化している状態にあるとき
に、中子1を型成形品7から抜き出す。中子1は、型成
形品7の内面形状に沿って変形してスムースに抜き出さ
れる。
なくかつ製造が容易な中子と、この中子を用いて型成形
品を効率よく製造できる型成形品の製造方法を提供する
こと。 【構成】 合成樹脂からなる内層部4とこの内層部4と
異なる合成樹脂からなる外層部5から中子1を構成し、
外層部5は内層部4より耐熱性が大きい樹脂を使用す。
この中子1を金型2内に配置して溶融金属を注入し、金
型2から中子1ごと型成形品7を取り出し、中子1が型
成形品7の余熱等により軟化している状態にあるとき
に、中子1を型成形品7から抜き出す。中子1は、型成
形品7の内面形状に沿って変形してスムースに抜き出さ
れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中子及びこの中子を使
用した型成形品の製造方法に関するもので、中空部を有
する金属鋳造品や樹脂成形品等の型成形品の製造に際し
て利用できる。
用した型成形品の製造方法に関するもので、中空部を有
する金属鋳造品や樹脂成形品等の型成形品の製造に際し
て利用できる。
【0002】
【背景技術】中空部を有する型成形品を製造するにあた
り、中子が用いられることは良く知られている。最近で
は、型成形品は、外観形状が複雑であるとともに内面が
平滑であることが求められている。さらに、成形品の製
造では、成形時間の短縮や中子の容易な製造等、作業効
率の向上が求められている。従来より、鋳造品を製造す
るための中子として、砂型が広く使用されているが、砂
型を用いた中子には、砂型作製に時間がかかること、砂
中の空気や水分がガスとして作用し、型成形品内面にボ
イド(小さな凹み)が生じること、成形後の砂型の除去
に手間や時間がかかること、等の欠点がある。
り、中子が用いられることは良く知られている。最近で
は、型成形品は、外観形状が複雑であるとともに内面が
平滑であることが求められている。さらに、成形品の製
造では、成形時間の短縮や中子の容易な製造等、作業効
率の向上が求められている。従来より、鋳造品を製造す
るための中子として、砂型が広く使用されているが、砂
型を用いた中子には、砂型作製に時間がかかること、砂
中の空気や水分がガスとして作用し、型成形品内面にボ
イド(小さな凹み)が生じること、成形後の砂型の除去
に手間や時間がかかること、等の欠点がある。
【0003】このような砂型の欠点をなくすために樹脂
製の中子が提案されている。例えば、特開平3-66445 号
には、熱可塑性樹脂と無機材料の粒状補強材とを含む溶
融樹脂中子が示されている。さらに、特開平64-2760 号
には、熱可塑性合成樹脂発泡体の本体に耐熱コーティン
グを被覆した中子が示されている。また、特開平4-1895
23号には、樹脂製の中子から可撓性主インサート部材の
一部を露出し、この主インサート部材から分岐された複
数の可撓性副インサート部材を中子内に埋め込み、主イ
ンサート部材を引っ張って中子を崩壊させ、樹脂成形品
から中子を取り除く樹脂成形品の製造方法が示されてい
る。
製の中子が提案されている。例えば、特開平3-66445 号
には、熱可塑性樹脂と無機材料の粒状補強材とを含む溶
融樹脂中子が示されている。さらに、特開平64-2760 号
には、熱可塑性合成樹脂発泡体の本体に耐熱コーティン
グを被覆した中子が示されている。また、特開平4-1895
23号には、樹脂製の中子から可撓性主インサート部材の
一部を露出し、この主インサート部材から分岐された複
数の可撓性副インサート部材を中子内に埋め込み、主イ
ンサート部材を引っ張って中子を崩壊させ、樹脂成形品
から中子を取り除く樹脂成形品の製造方法が示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開平3-66445 号に示
される従来例では、成形後に中子を除去するために樹脂
を溶解しなければならず、中子の除去に手間や時間がか
かる問題は解決されていない。特開平64-2760 号に示さ
れる従来例では、成形後に中子が成形品中に残存するこ
とになり、この中子の除去に関する問題は残る。特開平
4-189523号では、中子の除去のため、溶融工程は必要と
されないが、可撓性の主インサート部材の他に複数の可
撓性副インサート部材が必要とされ、中子を除去するた
めの部材作製に手間がかかるという問題がある。
される従来例では、成形後に中子を除去するために樹脂
を溶解しなければならず、中子の除去に手間や時間がか
かる問題は解決されていない。特開平64-2760 号に示さ
れる従来例では、成形後に中子が成形品中に残存するこ
とになり、この中子の除去に関する問題は残る。特開平
4-189523号では、中子の除去のため、溶融工程は必要と
されないが、可撓性の主インサート部材の他に複数の可
撓性副インサート部材が必要とされ、中子を除去するた
めの部材作製に手間がかかるという問題がある。
【0005】本発明の目的は、製造が容易な中子及び製
造効率を向上できる型成形品の製造方法を提供するとこ
ろにある。
造効率を向上できる型成形品の製造方法を提供するとこ
ろにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、合成樹脂製中
子を内外層を有する二重構造とし、外層部を内層部より
耐熱性を大きくし、かつ、この中子を金型内に配置した
状態で溶融材料を注入し、型成形品を中子とともに金型
から取り出した後、中子が軟化している状態で中子を型
成形品から抜き出して前記目的を達成しようとするもの
である。具体的には、本発明の中子は、溶融材料を金型
内に注入して製造される型成形品に中空部を形成するた
めに使用される中子であって、合成樹脂からなる内層部
と、この内層部の外側に形成されるとともに内層部とは
異なる合成樹脂からなる外層部とを備え、外層部は内層
部より耐熱性が大きいことを特徴とする。本発明の型成
形品の製造方法は、中子を用いて中空部を有する型成形
品を製造する方法であって、前記中子を金型内に配置
し、この金型と中子との間に溶融材料を注入し、型成形
品を中子とともに金型から取り出し、中子が軟化してい
る状態で中子を型成形品から抜き出すことを特徴とす
る。ここで、型成形品は、溶融金属を金型内に注入して
製造される鋳造品(ダイカスト品)であり、他に溶融樹
脂を金型内に射出して製造される樹脂成形品も該当す
る。ダイカストは、射出成形や流し込み(注型)成形等
により、アルミニューム、亜鉛、マグネシウム、銅、
鉛、錫等の低融点金属の鋳造品を製造するものである。
金型には、金属で形成された金型の他にセラミック等の
他の材料で形成された金型が含まれる。
子を内外層を有する二重構造とし、外層部を内層部より
耐熱性を大きくし、かつ、この中子を金型内に配置した
状態で溶融材料を注入し、型成形品を中子とともに金型
から取り出した後、中子が軟化している状態で中子を型
成形品から抜き出して前記目的を達成しようとするもの
である。具体的には、本発明の中子は、溶融材料を金型
内に注入して製造される型成形品に中空部を形成するた
めに使用される中子であって、合成樹脂からなる内層部
と、この内層部の外側に形成されるとともに内層部とは
異なる合成樹脂からなる外層部とを備え、外層部は内層
部より耐熱性が大きいことを特徴とする。本発明の型成
形品の製造方法は、中子を用いて中空部を有する型成形
品を製造する方法であって、前記中子を金型内に配置
し、この金型と中子との間に溶融材料を注入し、型成形
品を中子とともに金型から取り出し、中子が軟化してい
る状態で中子を型成形品から抜き出すことを特徴とす
る。ここで、型成形品は、溶融金属を金型内に注入して
製造される鋳造品(ダイカスト品)であり、他に溶融樹
脂を金型内に射出して製造される樹脂成形品も該当す
る。ダイカストは、射出成形や流し込み(注型)成形等
により、アルミニューム、亜鉛、マグネシウム、銅、
鉛、錫等の低融点金属の鋳造品を製造するものである。
金型には、金属で形成された金型の他にセラミック等の
他の材料で形成された金型が含まれる。
【0007】本発明において、外層部が内層部より耐熱
性の大きな中子を用いたのは、型成形に際して加えら
れる瞬間的な高温及び高圧に中子が耐えられ、かつ、
成形後に取り出す時に型成形品の余熱により中子が軟化
していること、あるいは、成形後であって中子を抜き出
していない状態の型成形品を冷却した後でこの型成形品
を加熱して中子が再度軟化していることが必要とされる
からである。即ち、外層部は型成形品の内面と接するの
で、高温高圧に起因してボイドが発生することを防止す
るために、耐熱性が大きい樹脂が好ましく、一方、内層
部は、型成形後の抜き出しに際して、中子が軟化してい
なければならないので、内層部は耐熱性が外層部より小
さい樹脂が使用される。ここで、中子に加えられる瞬間
的な温度及び圧力とは、例えば、亜鉛のダイカスト成形
の場合では、350 〜 400℃の温度及び400 〜 500Kg/cm
2 の圧力に10秒程度耐えることをいい、アルミニュー
ムのダイカスト成形の場合では、650 〜 750℃の温度及
び500 〜1000Kg/cm2 の圧力に10秒程度耐えることを
いう。耐えられるとは、型成形品にボイドが生じる程に
中子を構成する合成樹脂が熱分解して分解ガスを発生さ
せることがなく、かつ、中子が著しく熱変形しないこと
をいう。また、中子が軟化するとは、型成形後に型成形
品から中子を抜き出せる程、中子が柔らかいことをい
い、具体的には、中子の外層部が内層部より5℃以上熱
変形温度又は最高使用温度が高い状態をいう。ここで、
最高使用温度とは、10万時間オーブン中に放置した時
に、機械的物性が約2分の1に低下する温度をいう。中
子の材料となる合成樹脂は、熱可塑性樹脂及び熱硬化性
樹脂の狭義の合成樹脂のみならず、合成ゴム等を含む広
義の樹脂である。本発明では、樹脂の適宜な組合せによ
り、中子が形成されるが、中子は内層部及び外層部がそ
れぞれ一層からなる二重構造のものの他、内層部及び外
層部が一層又は複数層からなる多数構造のものも含まれ
る。
性の大きな中子を用いたのは、型成形に際して加えら
れる瞬間的な高温及び高圧に中子が耐えられ、かつ、
成形後に取り出す時に型成形品の余熱により中子が軟化
していること、あるいは、成形後であって中子を抜き出
していない状態の型成形品を冷却した後でこの型成形品
を加熱して中子が再度軟化していることが必要とされる
からである。即ち、外層部は型成形品の内面と接するの
で、高温高圧に起因してボイドが発生することを防止す
るために、耐熱性が大きい樹脂が好ましく、一方、内層
部は、型成形後の抜き出しに際して、中子が軟化してい
なければならないので、内層部は耐熱性が外層部より小
さい樹脂が使用される。ここで、中子に加えられる瞬間
的な温度及び圧力とは、例えば、亜鉛のダイカスト成形
の場合では、350 〜 400℃の温度及び400 〜 500Kg/cm
2 の圧力に10秒程度耐えることをいい、アルミニュー
ムのダイカスト成形の場合では、650 〜 750℃の温度及
び500 〜1000Kg/cm2 の圧力に10秒程度耐えることを
いう。耐えられるとは、型成形品にボイドが生じる程に
中子を構成する合成樹脂が熱分解して分解ガスを発生さ
せることがなく、かつ、中子が著しく熱変形しないこと
をいう。また、中子が軟化するとは、型成形後に型成形
品から中子を抜き出せる程、中子が柔らかいことをい
い、具体的には、中子の外層部が内層部より5℃以上熱
変形温度又は最高使用温度が高い状態をいう。ここで、
最高使用温度とは、10万時間オーブン中に放置した時
に、機械的物性が約2分の1に低下する温度をいう。中
子の材料となる合成樹脂は、熱可塑性樹脂及び熱硬化性
樹脂の狭義の合成樹脂のみならず、合成ゴム等を含む広
義の樹脂である。本発明では、樹脂の適宜な組合せによ
り、中子が形成されるが、中子は内層部及び外層部がそ
れぞれ一層からなる二重構造のものの他、内層部及び外
層部が一層又は複数層からなる多数構造のものも含まれ
る。
【0008】具体的な中子の材料として、A)ポリエチ
レン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネ
ート(PC)、ABS樹脂、ポリスチレン(PS)、ポ
リアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ塩
化ビニル(PVC)、ポリアセタール(POM)、ポニ
フェニレンオキシド(PPO)、ポニフェニレンスルフ
ィド(PPS)等からなる熱可塑性樹脂の単体、これら
のブレンドあるいは重合体(アロイ)や、B)メラミ
ン、ユリア、フェノール、エポキシ、ウレタン等の熱硬
化性樹脂や、C)熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂のブレン
ドや、D)スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジ
エンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプ
レンゴム(CR)、ニトリルブタジエンゴム(NB
R)、ブチルゴム(IIR)、シリコンゴム、フッ素ゴ
ム、ウレタンゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレン
ゴム(EPR)、EPDM等のゴム状樹脂(合成ゴム)
や、E)熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とゴム状樹脂と充
填材とのブレンドが挙げられる。前記E)の充填材とし
て、ガラスファイバー(GF)、カーボンファイバー、
ウイスカ、クレイ、ワラストナイト、シリカ、炭酸カル
シウム、タルク、マイカ、硫酸バリウム等の無機物や、
亜鉛、鉄、アルミニューム、珪素、銅等の金属ファイバ
ーや、酸化亜鉛(Zn O)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化銅
(CU O)等の金属酸化物や、木粉、モミガラ、ポリエ
ステル、ナイロンファイバー等の粒状、繊維状、ウイス
カの有機物が挙げられる。中子は合成樹脂製であるた
め、使用後に焼却可能であるが、中子として無機充填材
を混入した複合樹脂を使用すれば、焼却時の熱発生量が
低く、焼却炉を傷めない。中子の抜き出しをより容易に
行うためには、外層部はゴム等の軟質材料又はテフロン
等の良離型材料から形成されることが望ましいが、少な
くとも、外層部と型成形品とが溶着又は接着しなければ
よい。
レン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネ
ート(PC)、ABS樹脂、ポリスチレン(PS)、ポ
リアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ塩
化ビニル(PVC)、ポリアセタール(POM)、ポニ
フェニレンオキシド(PPO)、ポニフェニレンスルフ
ィド(PPS)等からなる熱可塑性樹脂の単体、これら
のブレンドあるいは重合体(アロイ)や、B)メラミ
ン、ユリア、フェノール、エポキシ、ウレタン等の熱硬
化性樹脂や、C)熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂のブレン
ドや、D)スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジ
エンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプ
レンゴム(CR)、ニトリルブタジエンゴム(NB
R)、ブチルゴム(IIR)、シリコンゴム、フッ素ゴ
ム、ウレタンゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレン
ゴム(EPR)、EPDM等のゴム状樹脂(合成ゴム)
や、E)熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とゴム状樹脂と充
填材とのブレンドが挙げられる。前記E)の充填材とし
て、ガラスファイバー(GF)、カーボンファイバー、
ウイスカ、クレイ、ワラストナイト、シリカ、炭酸カル
シウム、タルク、マイカ、硫酸バリウム等の無機物や、
亜鉛、鉄、アルミニューム、珪素、銅等の金属ファイバ
ーや、酸化亜鉛(Zn O)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化銅
(CU O)等の金属酸化物や、木粉、モミガラ、ポリエ
ステル、ナイロンファイバー等の粒状、繊維状、ウイス
カの有機物が挙げられる。中子は合成樹脂製であるた
め、使用後に焼却可能であるが、中子として無機充填材
を混入した複合樹脂を使用すれば、焼却時の熱発生量が
低く、焼却炉を傷めない。中子の抜き出しをより容易に
行うためには、外層部はゴム等の軟質材料又はテフロン
等の良離型材料から形成されることが望ましいが、少な
くとも、外層部と型成形品とが溶着又は接着しなければ
よい。
【0009】
【作用】型成形を行うにあたり、前記樹脂を使用して中
子を製造する。中子は、射出成形等によって、まず、内
層部を製造し、次に、この内層部の外側に射出コーティ
ングなどにより外層部を形成する。この中子を金型内に
配置して高温の溶融材料を金型に注入し、金型から型成
形品を中子とともに取り出す。その後、中子を型成形品
から抜き出す。中子は型成形品の余熱により軟化状態に
あり、この状態では、中子は、型成形品の内面形状に沿
って変形されるので、強制的に抜き出すことができる。
中子の型成形品からの抜出作業は、金型から型成形品を
中子とともに取り出し、さらに、放冷等により冷却した
後、型成形品を中子とともに加熱して中子を再度軟化さ
せた状態で行ってもよい。中子の型成形品からの抜き出
しは、金属棒等の抜き出し部材を予め中子の中に挿入
し、この抜き出し部材の中子から露出している部分を引
っ張ること等により行う。中子が抜き出された型成形品
は、その内面にボイドが発生せず平滑な面が維持され
る。
子を製造する。中子は、射出成形等によって、まず、内
層部を製造し、次に、この内層部の外側に射出コーティ
ングなどにより外層部を形成する。この中子を金型内に
配置して高温の溶融材料を金型に注入し、金型から型成
形品を中子とともに取り出す。その後、中子を型成形品
から抜き出す。中子は型成形品の余熱により軟化状態に
あり、この状態では、中子は、型成形品の内面形状に沿
って変形されるので、強制的に抜き出すことができる。
中子の型成形品からの抜出作業は、金型から型成形品を
中子とともに取り出し、さらに、放冷等により冷却した
後、型成形品を中子とともに加熱して中子を再度軟化さ
せた状態で行ってもよい。中子の型成形品からの抜き出
しは、金属棒等の抜き出し部材を予め中子の中に挿入
し、この抜き出し部材の中子から露出している部分を引
っ張ること等により行う。中子が抜き出された型成形品
は、その内面にボイドが発生せず平滑な面が維持され
る。
【0010】
【実施例】以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。 実施例1 図1には、中子1がダイキャスト用金型2に配置された
状態が示されている。この金型2は、東芝機械株式会社
製の射出成形タイプのダイカストマシン(250トン)
に使用される金型であり、型成形品としてアルミニュー
ム(ADC−12;JIS規格)の鋳造品を製造するた
めのものである。中子1は、弾性のステンレス製コイル
棒3が内部に設けられた内層部4と、この内層部4の外
側に形成された外層部5とから構成されている。コイル
棒3は取り出し部材として機能するものであり、内層部
4を係止するコイル部3Aと内層部4から露出される直
線把手部3Bとから構成される。内層部4は、直径2mm
のコイル棒3を中心として直径10mmの略円柱状に形成
され、外層部5は、厚み1mmの筒状に形成され、全体と
して、中子1は、途中に曲折部を有する長さ100mm及
び直径12mmの略円柱に形成されている(図2参照)。
説明する。 実施例1 図1には、中子1がダイキャスト用金型2に配置された
状態が示されている。この金型2は、東芝機械株式会社
製の射出成形タイプのダイカストマシン(250トン)
に使用される金型であり、型成形品としてアルミニュー
ム(ADC−12;JIS規格)の鋳造品を製造するた
めのものである。中子1は、弾性のステンレス製コイル
棒3が内部に設けられた内層部4と、この内層部4の外
側に形成された外層部5とから構成されている。コイル
棒3は取り出し部材として機能するものであり、内層部
4を係止するコイル部3Aと内層部4から露出される直
線把手部3Bとから構成される。内層部4は、直径2mm
のコイル棒3を中心として直径10mmの略円柱状に形成
され、外層部5は、厚み1mmの筒状に形成され、全体と
して、中子1は、途中に曲折部を有する長さ100mm及
び直径12mmの略円柱に形成されている(図2参照)。
【0011】金型2には、中子1が金型2に配置された
状態において、コイル棒3の直線把手部3Bを収納する
溝2Aが形成され、この溝2Aとコイル棒3との間は密
封部材6により密封されている。金型2の内部にキャビ
ティが形成され、このキャビティと中子1との間に溶融
アルミニュームが湯口2Bを通って注入されるようにな
っており、これにより、中子1の周囲に中空部を有する
アルミ製鋳造品7が形成される。実施例1では、内層部
4は熱変形温度115℃のポリプロピレン(PP)から
構成されている。この熱変形温度とは、ASTMのD6
48に準拠したもので、18.5Kg/cm2 の応力を試験片
にかけた時の値である。外層部5は、内層部4より耐熱
性の大きな最高使用可能温度350℃のシリコンゴムか
ら構成されている。
状態において、コイル棒3の直線把手部3Bを収納する
溝2Aが形成され、この溝2Aとコイル棒3との間は密
封部材6により密封されている。金型2の内部にキャビ
ティが形成され、このキャビティと中子1との間に溶融
アルミニュームが湯口2Bを通って注入されるようにな
っており、これにより、中子1の周囲に中空部を有する
アルミ製鋳造品7が形成される。実施例1では、内層部
4は熱変形温度115℃のポリプロピレン(PP)から
構成されている。この熱変形温度とは、ASTMのD6
48に準拠したもので、18.5Kg/cm2 の応力を試験片
にかけた時の値である。外層部5は、内層部4より耐熱
性の大きな最高使用可能温度350℃のシリコンゴムか
ら構成されている。
【0012】次に、前記構成の中子を製造する方法及び
この中子を使用して中空部を有する鋳造品7を製造する
方法を図3に基づいて説明する。まず、図3(A)に示
されるように、スレンレス製のコイル棒3を用意し、
(B)に示されるように、コイル棒3の周りに内層部4
を射出成形によって形成する。この際、コイル棒3のコ
イル部3Aが内層部4内に収まり、直線把手部3Bが内
層部4から露出するようにする。コイル棒3は弾性を有
することから、内層部4の形状に沿って変形する。その
後、図3(C)に示されるように、内層部4の周りに外
層部5を構成する溶融樹脂(シリコンゴム)を射出コー
ティングして外層部5を形成し、これにより中子1の製
造が終了する。次に、図3(D)に示されるように、製
造された中子1を金型2のキャビティ内に収納し、キャ
ビティと中子1との間に700℃の溶融アルミニューム
を注入して鋳造品7を製造する。この際、溶融アルミニ
ュームが注入される圧力は800Kg/cm2 であり、金型
温度は、180〜200℃である。
この中子を使用して中空部を有する鋳造品7を製造する
方法を図3に基づいて説明する。まず、図3(A)に示
されるように、スレンレス製のコイル棒3を用意し、
(B)に示されるように、コイル棒3の周りに内層部4
を射出成形によって形成する。この際、コイル棒3のコ
イル部3Aが内層部4内に収まり、直線把手部3Bが内
層部4から露出するようにする。コイル棒3は弾性を有
することから、内層部4の形状に沿って変形する。その
後、図3(C)に示されるように、内層部4の周りに外
層部5を構成する溶融樹脂(シリコンゴム)を射出コー
ティングして外層部5を形成し、これにより中子1の製
造が終了する。次に、図3(D)に示されるように、製
造された中子1を金型2のキャビティ内に収納し、キャ
ビティと中子1との間に700℃の溶融アルミニューム
を注入して鋳造品7を製造する。この際、溶融アルミニ
ュームが注入される圧力は800Kg/cm2 であり、金型
温度は、180〜200℃である。
【0013】さらに、溶融アルミニュームを注入して1
0秒経過後、図3(E)に示されるように、鋳造品7を
中子1とともに金型2から取り出す。この状態では、図
2に示されるように、鋳造品7は一端部を除き略円柱状
の中子1を覆うようになっている。中子1は、金型2内
に注入された溶融アルミニュームの熱及び金型2から取
り出した鋳造品7の余熱により暫くの間軟化状態にあ
る。この状態で、図3(F)に示されるように、コイル
部材3の直線把手部3Bを引っ張ると、中子1は鋳造品
7の内面に沿って変形し、鋳造品7から強制的に抜き出
される。
0秒経過後、図3(E)に示されるように、鋳造品7を
中子1とともに金型2から取り出す。この状態では、図
2に示されるように、鋳造品7は一端部を除き略円柱状
の中子1を覆うようになっている。中子1は、金型2内
に注入された溶融アルミニュームの熱及び金型2から取
り出した鋳造品7の余熱により暫くの間軟化状態にあ
る。この状態で、図3(F)に示されるように、コイル
部材3の直線把手部3Bを引っ張ると、中子1は鋳造品
7の内面に沿って変形し、鋳造品7から強制的に抜き出
される。
【0014】従って、実施例1によれば、中子1は合成
樹脂から形成されるので、中子形状が複雑化しても、射
出成形等により中子を容易に製造できる。その上、鋳造
品7の内面と接する中子1の外層部5を耐熱性が大きい
シリコンゴムとし、中子1の内層部4を外層部5より耐
熱性が小さいPPとしたので、金型2に高温の溶融アル
ミニュームが注入されても、鋳造品7の内面をボイドを
全く発生させることなく平滑に形成でき、かつ、中子1
の取り出しを極めて容易に行える。よって、中子1の鋳
造品7からの取り出しが容易であることから、中空部を
有する鋳造品7の製造効率を向上できる。また、抜き出
し部材を内層部4と係止するコイル部3Aを有する弾性
コイル棒3としたので、コイル部3Aの螺旋形状が内層
部4を十分に係止することになり、中子1を鋳造品7か
ら確実に抜き出せる。この結果を確認するために、実験
を行い、実験結果を表1に示す。この表1において、内
層部及び外層部の欄でカッコ内に記載された数字は、耐
熱性の基準を示すものであり、熱可塑性樹脂及び熱硬化
性樹脂に関しては、ASTMD648に準拠した熱変形
温度を示し、合成ゴムに関しては、最高使用可能温度を
示すものである。また、評価欄として、型成形品(鋳造
品7)内側の外観と中子取り出し性とを列挙した。型成
形品内側の外観では、○はボイドが全くなく平滑である
ことを示し、△はボイドが若干あるが比較的平滑である
ことを示し、×はボイドが多く荒れが目立つことを示し
ている。中子取り出し性では、○は中子を極めて容易に
抜き出せることを示し、△は中子の抜き出しに際して若
干の抵抗があり中子の一部が型成形品の内部に付着する
が、実質的な不都合がないことを示し、×は型成形品の
内部に中子が付着して中子の取り出しが極めて困難であ
ることを示す。
樹脂から形成されるので、中子形状が複雑化しても、射
出成形等により中子を容易に製造できる。その上、鋳造
品7の内面と接する中子1の外層部5を耐熱性が大きい
シリコンゴムとし、中子1の内層部4を外層部5より耐
熱性が小さいPPとしたので、金型2に高温の溶融アル
ミニュームが注入されても、鋳造品7の内面をボイドを
全く発生させることなく平滑に形成でき、かつ、中子1
の取り出しを極めて容易に行える。よって、中子1の鋳
造品7からの取り出しが容易であることから、中空部を
有する鋳造品7の製造効率を向上できる。また、抜き出
し部材を内層部4と係止するコイル部3Aを有する弾性
コイル棒3としたので、コイル部3Aの螺旋形状が内層
部4を十分に係止することになり、中子1を鋳造品7か
ら確実に抜き出せる。この結果を確認するために、実験
を行い、実験結果を表1に示す。この表1において、内
層部及び外層部の欄でカッコ内に記載された数字は、耐
熱性の基準を示すものであり、熱可塑性樹脂及び熱硬化
性樹脂に関しては、ASTMD648に準拠した熱変形
温度を示し、合成ゴムに関しては、最高使用可能温度を
示すものである。また、評価欄として、型成形品(鋳造
品7)内側の外観と中子取り出し性とを列挙した。型成
形品内側の外観では、○はボイドが全くなく平滑である
ことを示し、△はボイドが若干あるが比較的平滑である
ことを示し、×はボイドが多く荒れが目立つことを示し
ている。中子取り出し性では、○は中子を極めて容易に
抜き出せることを示し、△は中子の抜き出しに際して若
干の抵抗があり中子の一部が型成形品の内部に付着する
が、実質的な不都合がないことを示し、×は型成形品の
内部に中子が付着して中子の取り出しが極めて困難であ
ることを示す。
【0015】実施例2 実施例2は、中子1の内層部4の樹脂として熱変形温度
105℃のポリエチレン(PE)を使用した点は実施例
1と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法
等は前記実施例1と同様である。この実施例2でも実施
例1と同様の効果を達成できる。その結果を表1に示
す。
105℃のポリエチレン(PE)を使用した点は実施例
1と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法
等は前記実施例1と同様である。この実施例2でも実施
例1と同様の効果を達成できる。その結果を表1に示
す。
【0016】実施例3 実施例3は、中子1の内層部4の樹脂として熱変形温度
80℃のポリスチレン(PS)を使用した点は実施例1
と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法等
は前記実施例1と同様である。この実施例3でも実施例
1と同様の効果を達成できる。その結果を表1に示す。
80℃のポリスチレン(PS)を使用した点は実施例1
と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法等
は前記実施例1と同様である。この実施例3でも実施例
1と同様の効果を達成できる。その結果を表1に示す。
【0017】実施例4 実施例4は、中子1の内層部4の樹脂として熱変形温度
105℃のABS樹脂を使用した点は実施例1と相違す
るが、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法等は前記実
施例1と同様である。この実施例4でも実施例1と同様
の効果を達成できる。その結果を表1に示す。
105℃のABS樹脂を使用した点は実施例1と相違す
るが、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法等は前記実
施例1と同様である。この実施例4でも実施例1と同様
の効果を達成できる。その結果を表1に示す。
【0018】実施例5 実施例5は、中子1の内層部4の樹脂として熱変形温度
120℃のポリフェニレンオキシド(PP0)を使用し
た点は実施例1と相違するが、中子1の構成及び鋳造品
7の製造方法等は前記実施例1と同様である。この実施
例5では、鋳造品7の内面は前記実施例1と同様に平滑
に形成できる。また、実施例5では、中子1を取り出す
際に若干の抵抗があり鋳造品7の内面に微小の中子1の
部分が付着するが、実質的な不都合はない。その結果を
表1に示す。
120℃のポリフェニレンオキシド(PP0)を使用し
た点は実施例1と相違するが、中子1の構成及び鋳造品
7の製造方法等は前記実施例1と同様である。この実施
例5では、鋳造品7の内面は前記実施例1と同様に平滑
に形成できる。また、実施例5では、中子1を取り出す
際に若干の抵抗があり鋳造品7の内面に微小の中子1の
部分が付着するが、実質的な不都合はない。その結果を
表1に示す。
【0019】実施例6 実施例6は、中子1の内層部4の樹脂として熱変形温度
60℃のポリブチレンテレフタレート(PBT)を使用
した点は実施例1と相違するが、中子1の構成及び鋳造
品7の製造方法等は前記実施例1と同様である。この実
施例6では、鋳造品7の内面は前記実施例1と同様に平
滑に形成できるが、中子1の取り出しに関しては、実施
例5と同様に実施例1より若干劣るものの、実質的な不
都合はない。その結果を表1に示す。
60℃のポリブチレンテレフタレート(PBT)を使用
した点は実施例1と相違するが、中子1の構成及び鋳造
品7の製造方法等は前記実施例1と同様である。この実
施例6では、鋳造品7の内面は前記実施例1と同様に平
滑に形成できるが、中子1の取り出しに関しては、実施
例5と同様に実施例1より若干劣るものの、実質的な不
都合はない。その結果を表1に示す。
【0020】実施例7 実施例7は、中子1の内層部4の樹脂として熱変形温度
160℃のポリアセタール(POM)を使用した点は実
施例1と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造
方法等は前記実施例1と同様である。この実施例7でも
実施例1と同様の効果を達成できる。その結果を表1に
示す。
160℃のポリアセタール(POM)を使用した点は実
施例1と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造
方法等は前記実施例1と同様である。この実施例7でも
実施例1と同様の効果を達成できる。その結果を表1に
示す。
【0021】実施例8 実施例8は、中子1の内層部4の樹脂として熱変形温度
260℃のポリフェニレンスルフィド(PPS)を使用
した点は実施例1と相違するが、中子1の構成及び鋳造
品7の製造方法等は前記実施例1と同様である。その結
果を表1に示す。この実施例8では、鋳造品7の内面は
前記実施例1と同様に平滑に形成できるが、中子1の取
り出しに関しては、実施例5,6と同様に実施例1より
若干劣るものの、実質的な不都合はない。
260℃のポリフェニレンスルフィド(PPS)を使用
した点は実施例1と相違するが、中子1の構成及び鋳造
品7の製造方法等は前記実施例1と同様である。その結
果を表1に示す。この実施例8では、鋳造品7の内面は
前記実施例1と同様に平滑に形成できるが、中子1の取
り出しに関しては、実施例5,6と同様に実施例1より
若干劣るものの、実質的な不都合はない。
【0022】実施例9 実施例9は、中子1の内層部4の樹脂として熱変形温度
135℃のポリカーボネート(PC)を使用した点は実
施例1と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造
方法等は前記実施例1と同様である。この実施例9で
は、鋳造品7の内面は前記実施例1と同様に平滑に形成
できるが、中子1の取り出しに関しては、実施例5,
6,8と同様に実施例1より若干劣るものの、実質的な
不都合はない。その結果を表1に示す。
135℃のポリカーボネート(PC)を使用した点は実
施例1と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造
方法等は前記実施例1と同様である。この実施例9で
は、鋳造品7の内面は前記実施例1と同様に平滑に形成
できるが、中子1の取り出しに関しては、実施例5,
6,8と同様に実施例1より若干劣るものの、実質的な
不都合はない。その結果を表1に示す。
【0023】実施例10 実施例10は、中子1の内層部4の樹脂として熱変形温
度65℃のポリ塩化ビニル(PVC)を使用した点は実
施例1と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造
方法等は前記実施例1と同様である。この実施例10で
も実施例1と同様の効果を達成できる。その結果を表1
に示す。
度65℃のポリ塩化ビニル(PVC)を使用した点は実
施例1と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造
方法等は前記実施例1と同様である。この実施例10で
も実施例1と同様の効果を達成できる。その結果を表1
に示す。
【0024】実施例11 実施例11は、中子1の内層部4の樹脂として熱変形温
度が140℃であり60Wt%のPPと40Wt%の炭酸カ
ルシウム(Ca CO3 )からなる混合樹脂を使用した点は
実施例1と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製
造方法等は前記実施例1と同様である。この実施例11
でも実施例1と同様の効果を達成できる。その結果を表
1に示す。
度が140℃であり60Wt%のPPと40Wt%の炭酸カ
ルシウム(Ca CO3 )からなる混合樹脂を使用した点は
実施例1と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製
造方法等は前記実施例1と同様である。この実施例11
でも実施例1と同様の効果を達成できる。その結果を表
1に示す。
【0025】実施例12 実施例12は、中子1の内層部4の樹脂として熱変形温
度が140℃であり60Wt%のPPと40Wt%のタルク
からなる混合樹脂を使用した点は実施例1と相違する
が、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法等は前記実施
例1と同様である。この実施例12でも実施例1と同様
の効果を達成できる。その結果を表1に示す。
度が140℃であり60Wt%のPPと40Wt%のタルク
からなる混合樹脂を使用した点は実施例1と相違する
が、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法等は前記実施
例1と同様である。この実施例12でも実施例1と同様
の効果を達成できる。その結果を表1に示す。
【0026】実施例13 実施例13は、中子1の内層部4の樹脂として熱変形温
度が130℃であり80Wt%のPEと20Wt%のガラス
繊維(GF)からなる混合樹脂を使用した点は実施例1
と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法等
は前記実施例1と同様である。この実施例13でも実施
例1と同様の効果を達成できる。その結果を表1に示
す。
度が130℃であり80Wt%のPEと20Wt%のガラス
繊維(GF)からなる混合樹脂を使用した点は実施例1
と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法等
は前記実施例1と同様である。この実施例13でも実施
例1と同様の効果を達成できる。その結果を表1に示
す。
【0027】実施例14 実施例14は、中子1の内層部4の樹脂として熱変形温
度が110℃であり50Wt%のABS樹脂と50Wt%の
酸化亜鉛(Zn O)からなる混合樹脂を使用した点は実
施例1と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造
方法等は前記実施例1と同様である。この実施例14で
も実施例1と同様の効果を達成できる。その結果を表1
に示す。
度が110℃であり50Wt%のABS樹脂と50Wt%の
酸化亜鉛(Zn O)からなる混合樹脂を使用した点は実
施例1と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造
方法等は前記実施例1と同様である。この実施例14で
も実施例1と同様の効果を達成できる。その結果を表1
に示す。
【0028】実施例15 実施例15は、中子1の内層部4の樹脂として熱変形温
度が250℃であり50Wt%のポリアミド(ナイロン)
66(66PA)と50Wt%の鉄粉からなる混合樹脂を
使用した点は実施例1と相違するが、中子1の構成及び
鋳造品7の製造方法等は前記実施例1と同様である。こ
の実施例15でも実施例1と同様の効果を達成できる。
その結果を表1に示す。
度が250℃であり50Wt%のポリアミド(ナイロン)
66(66PA)と50Wt%の鉄粉からなる混合樹脂を
使用した点は実施例1と相違するが、中子1の構成及び
鋳造品7の製造方法等は前記実施例1と同様である。こ
の実施例15でも実施例1と同様の効果を達成できる。
その結果を表1に示す。
【0029】実施例16 実施例16は中子1の内層部4の樹脂として熱変形温度
が130℃であり70Wt%のPPと30Wt%の木粉から
なる混合樹脂を使用した点は実施例1と相違するが、中
子1の構成及び鋳造品7の製造方法等は前記実施例1と
同様である。この実施例16でも実施例1と同様の効果
を達成できる。その結果を表1に示す。
が130℃であり70Wt%のPPと30Wt%の木粉から
なる混合樹脂を使用した点は実施例1と相違するが、中
子1の構成及び鋳造品7の製造方法等は前記実施例1と
同様である。この実施例16でも実施例1と同様の効果
を達成できる。その結果を表1に示す。
【0030】実施例17 実施例17は、中子1の内層部4の樹脂として熱変形温
度が240℃であり70Wt%のPBTと30Wt%のGF
からなる混合樹脂を使用した点は実施例1と相違する
が、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法等は前記実施
例1と同様である。この実施例17でも実施例1と同様
の効果を達成できる。その結果を表1に示す。
度が240℃であり70Wt%のPBTと30Wt%のGF
からなる混合樹脂を使用した点は実施例1と相違する
が、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法等は前記実施
例1と同様である。この実施例17でも実施例1と同様
の効果を達成できる。その結果を表1に示す。
【0031】実施例18 実施例18は、中子1の外層部5の樹脂として最高使用
可能温度が300℃のフッ素ゴムを使用した点は実施例
1と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法
等は前記実施例1と同様である。この実施例18でも実
施例1と同様の効果を達成できる。その結果を表1に示
す。
可能温度が300℃のフッ素ゴムを使用した点は実施例
1と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法
等は前記実施例1と同様である。この実施例18でも実
施例1と同様の効果を達成できる。その結果を表1に示
す。
【0032】実施例19 実施例19は、中子1の外層部5の樹脂として最高使用
可能温度が150℃のブチルゴムを使用した点は実施例
1と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法
等は前記実施例1と同様である。この実施例19でも実
施例1と同様の効果を達成できる。その結果を表1に示
す。
可能温度が150℃のブチルゴムを使用した点は実施例
1と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法
等は前記実施例1と同様である。この実施例19でも実
施例1と同様の効果を達成できる。その結果を表1に示
す。
【0033】実施例20 実施例20は、中子1の外層部5の樹脂として最高使用
可能温度が150℃のアクリルゴムを使用した点は実施
例1と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造方
法等は前記実施例1と同様である。この実施例20でも
実施例1と同様の効果を達成できる。その結果を表1に
示す。
可能温度が150℃のアクリルゴムを使用した点は実施
例1と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造方
法等は前記実施例1と同様である。この実施例20でも
実施例1と同様の効果を達成できる。その結果を表1に
示す。
【0034】実施例21 実施例21は、中子1の外層部5の樹脂として最高使用
可能温度が200℃のウレタンを使用した点は実施例1
と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法等
は前記実施例1と同様である。この実施例21でも実施
例1と同様の効果を達成できる。その結果を表1に示
す。
可能温度が200℃のウレタンを使用した点は実施例1
と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法等
は前記実施例1と同様である。この実施例21でも実施
例1と同様の効果を達成できる。その結果を表1に示
す。
【0035】実施例22 実施例22は、中子1の外層部5の樹脂として熱変形温
度が310℃のテフロンを使用した他は実施例1と相違
するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法等は前記
実施例1と同様である。この実施例22でも実施例1と
同様の効果を達成できる。その結果を表1に示す。
度が310℃のテフロンを使用した他は実施例1と相違
するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法等は前記
実施例1と同様である。この実施例22でも実施例1と
同様の効果を達成できる。その結果を表1に示す。
【0036】実施例23 実施例23は、中子1の内層部4の樹脂として、最高使
用可能温度が150℃のブチルゴムを使用した点は実施
例1と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造方
法等は前記実施例1と同様である。この実施例23でも
実施例1と同様の効果を達成できる。その結果を表1に
示す。
用可能温度が150℃のブチルゴムを使用した点は実施
例1と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造方
法等は前記実施例1と同様である。この実施例23でも
実施例1と同様の効果を達成できる。その結果を表1に
示す。
【0037】実施例24 実施例24は、中子1の内層部4の樹脂として、最高使
用可能温度が150℃のアクリルゴムを使用した点は実
施例1と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造
方法等は前記実施例1と同様である。この実施例24で
も実施例1と同様の効果を達成できる。その結果を表1
に示す。
用可能温度が150℃のアクリルゴムを使用した点は実
施例1と相違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造
方法等は前記実施例1と同様である。この実施例24で
も実施例1と同様の効果を達成できる。その結果を表1
に示す。
【0038】実施例25 実施例25は、中子1の内層部4の樹脂として、熱変形
温度が120℃であり75Wt%のPCと25Wt%のAB
S樹脂からなる混合樹脂を使用した点は実施例1と相違
するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法等は前記
実施例1と同様である。この実施例25でも実施例1と
同様の効果を達成できる。その結果を表1に示す。
温度が120℃であり75Wt%のPCと25Wt%のAB
S樹脂からなる混合樹脂を使用した点は実施例1と相違
するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法等は前記
実施例1と同様である。この実施例25でも実施例1と
同様の効果を達成できる。その結果を表1に示す。
【0039】実施例26 実施例26は、中子1の内層部4の樹脂として、熱変形
温度が130℃であり75Wt%のPCと25Wt%のポリ
エチレンテレフタレート(PET)からなる混合樹脂を
使用した点は実施例1と相違するが、中子1の構成及び
鋳造品7の製造方法等は前記実施例1と同様である。こ
の実施例26でも実施例1と同様の効果を達成できる。
その結果を表1に示す。
温度が130℃であり75Wt%のPCと25Wt%のポリ
エチレンテレフタレート(PET)からなる混合樹脂を
使用した点は実施例1と相違するが、中子1の構成及び
鋳造品7の製造方法等は前記実施例1と同様である。こ
の実施例26でも実施例1と同様の効果を達成できる。
その結果を表1に示す。
【0040】実施例27 実施例27は、中子1の外層部4の樹脂として、熱変形
温度150℃のフェノールを使用した点は実施例1と相
違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法等は前
記実施例1と同様である。この実施例27でも実施例1
と同様の効果を達成できる。その結果を表1に示す。
温度150℃のフェノールを使用した点は実施例1と相
違するが、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法等は前
記実施例1と同様である。この実施例27でも実施例1
と同様の効果を達成できる。その結果を表1に示す。
【0041】次に、前記実施例の効果を確認するため、
比較例について説明する。 比較例1 比較例1は、熱変形温度115℃のPPから一層の中子
1を形成した点は実施例1と相違するが、中子1の構成
及び鋳造品7の製造方法等は前記実施例1と同様であ
る。この比較例1では、鋳造品7の内面と接する中子1
を熱変形温度115℃のPPとしているので、金型2に
高温の溶融アルミニュームが注入されると、中子1から
ガスが発生して鋳造品7の内面に若干のボイドが存在す
るが、鋳造品7の内面は比較的に平滑に形成される。し
かし、PPの中子1は熱により鋳造品7の内面に付着
し、中子1を鋳造品7から抜き出すのは、極めて困難で
ある。その結果を表1に示す。
比較例について説明する。 比較例1 比較例1は、熱変形温度115℃のPPから一層の中子
1を形成した点は実施例1と相違するが、中子1の構成
及び鋳造品7の製造方法等は前記実施例1と同様であ
る。この比較例1では、鋳造品7の内面と接する中子1
を熱変形温度115℃のPPとしているので、金型2に
高温の溶融アルミニュームが注入されると、中子1から
ガスが発生して鋳造品7の内面に若干のボイドが存在す
るが、鋳造品7の内面は比較的に平滑に形成される。し
かし、PPの中子1は熱により鋳造品7の内面に付着
し、中子1を鋳造品7から抜き出すのは、極めて困難で
ある。その結果を表1に示す。
【0042】比較例2 比較例2は、熱変形温度105℃のPEから一層の中子
1を形成した点は実施例1と相違するが、中子1の構成
及び鋳造品7の製造方法等は前記実施例1と同様であ
る。この比較例2では、比較例1と同様に、鋳造品7の
内面は比較的に平滑に形成されるが、中子1の鋳造品7
からの抜き出しは、極めて困難である。その結果を表1
に示す。
1を形成した点は実施例1と相違するが、中子1の構成
及び鋳造品7の製造方法等は前記実施例1と同様であ
る。この比較例2では、比較例1と同様に、鋳造品7の
内面は比較的に平滑に形成されるが、中子1の鋳造品7
からの抜き出しは、極めて困難である。その結果を表1
に示す。
【0043】比較例3 比較例3は、熱変形温度105℃のABS樹脂から一層
の中子1を形成した点は相違するが、中子1の構成及び
鋳造品7の製造方法等は前記実施例1と同様である。こ
の比較例3では、金型2に高温の溶融アルミニュームが
注入されると、中子1からガスが発生して鋳造品7の内
面に多くのボイドが存在して荒れが目立った。さらに、
中子1の鋳造品7からの抜き出しは、比較例1,2と同
様に、極めて困難である。その結果を表1に示す。
の中子1を形成した点は相違するが、中子1の構成及び
鋳造品7の製造方法等は前記実施例1と同様である。こ
の比較例3では、金型2に高温の溶融アルミニュームが
注入されると、中子1からガスが発生して鋳造品7の内
面に多くのボイドが存在して荒れが目立った。さらに、
中子1の鋳造品7からの抜き出しは、比較例1,2と同
様に、極めて困難である。その結果を表1に示す。
【0044】比較例4 比較例4は、熱変形温度135℃のPCから一層の中子
1を形成した点は実施例1と相違するが、中子1の構成
及び鋳造品7の製造方法等は前記実施例1と同様であ
る。この比較例4では、中子1にPPより耐熱性の高い
PCを使用しているので、鋳造品7の内面はきわめて平
滑に形成されるが、中子1の鋳造品7からの抜き出し
は、前記比較例と同様に、極めて困難である。その結果
を表1に示す。
1を形成した点は実施例1と相違するが、中子1の構成
及び鋳造品7の製造方法等は前記実施例1と同様であ
る。この比較例4では、中子1にPPより耐熱性の高い
PCを使用しているので、鋳造品7の内面はきわめて平
滑に形成されるが、中子1の鋳造品7からの抜き出し
は、前記比較例と同様に、極めて困難である。その結果
を表1に示す。
【0045】比較例5 比較例5は、熱変形温度65℃のPVCから一層の中子
1を形成した点は実施例1と相違するが、中子1の構成
及び鋳造品7の製造方法等は前記実施例1と同様であ
る。この比較例5では、金型2に高温の溶融アルミニュ
ームが注入されると、中子1からガスが発生して鋳造品
7の内面に多くのボイドが存在して荒れが目立った。さ
らに、中子1の鋳造品7からの抜き出しは、前記比較例
と同様に、極めて困難である。その結果を表1に示す。
1を形成した点は実施例1と相違するが、中子1の構成
及び鋳造品7の製造方法等は前記実施例1と同様であ
る。この比較例5では、金型2に高温の溶融アルミニュ
ームが注入されると、中子1からガスが発生して鋳造品
7の内面に多くのボイドが存在して荒れが目立った。さ
らに、中子1の鋳造品7からの抜き出しは、前記比較例
と同様に、極めて困難である。その結果を表1に示す。
【0046】比較例6 比較例6は、中子1の内層部3を最高使用可能温度35
0℃のシリコンゴムから形成し、外層部4を熱変形温度
115℃のPPから形成した点は実施例1と相違する
が、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法等は前記実施
例1と同様である。この比較例6では、比較例1と同様
に、鋳造品7の内面は比較的に平滑に形成されるが、中
子1の鋳造品7からの抜き出しは、極めて困難である。
その結果を表1に示す。
0℃のシリコンゴムから形成し、外層部4を熱変形温度
115℃のPPから形成した点は実施例1と相違する
が、中子1の構成及び鋳造品7の製造方法等は前記実施
例1と同様である。この比較例6では、比較例1と同様
に、鋳造品7の内面は比較的に平滑に形成されるが、中
子1の鋳造品7からの抜き出しは、極めて困難である。
その結果を表1に示す。
【0047】
【表1】 この表1の各実施例から、中子2の外層部4を内層部3
より耐熱性の大きな樹脂を使用すれば、型成形品内側の
外観及び中子取り出し性で優れた特性を示すことがわか
る。これに対して、比較例から、中子を1種類の材料か
ら構成したり、中子2の外層部4を内層部3より耐熱性
の小さな樹脂を使用すれば、少なくとも、中子取り出し
性が劣ることがわかる。
より耐熱性の大きな樹脂を使用すれば、型成形品内側の
外観及び中子取り出し性で優れた特性を示すことがわか
る。これに対して、比較例から、中子を1種類の材料か
ら構成したり、中子2の外層部4を内層部3より耐熱性
の小さな樹脂を使用すれば、少なくとも、中子取り出し
性が劣ることがわかる。
【0048】なお、前記実施例では、抜き出し部材とし
てコイル棒3を用いたが、本発明では、中子2を鋳造品
7から抜き出すために、必ずしも前記コイル棒3を用い
ることを要しない。例えば、図4に示す通り、周方向及
び軸線方向に複数の突起10Aが形成されるとともに一
端部にフック10Bが固定された鉄筋部材10を抜き出
し部材として用い、この鉄筋部材10を金型2のキャビ
ティ内に収納できるようにし、フック10Bを鉤部材で
引っ掛けて中子2を鋳造品7から抜き出すものとしても
よい。この鉄筋部材10は、全体がキャビティ内に収納
されることから、前記実施例のように、金型2に抜き出
し部材との干渉を回避する溝2Aや密封部材6を形成す
る必要がないので、金型製造コストを低くできる。さら
に、抜き出し部材として単なる棒を使用するものでもよ
い。また、抜き出し部材を使用しないで、真空による吸
引等で中子1を鋳造品7から抜き出すものでもよい。前
記実施例のようにコイル棒3を抜き出し部材として使用
する場合、図5に示されるように、中央部を内層部4に
係止するコイル部3Aとし、両端部を内層部4から露出
される直線把手部3Bとしてもよい。コイル棒3を図5
の形状にすれば、把手部3Bが2か所できることになる
ので、中子2を鋳造品7から確実に抜き出すことができ
る。
てコイル棒3を用いたが、本発明では、中子2を鋳造品
7から抜き出すために、必ずしも前記コイル棒3を用い
ることを要しない。例えば、図4に示す通り、周方向及
び軸線方向に複数の突起10Aが形成されるとともに一
端部にフック10Bが固定された鉄筋部材10を抜き出
し部材として用い、この鉄筋部材10を金型2のキャビ
ティ内に収納できるようにし、フック10Bを鉤部材で
引っ掛けて中子2を鋳造品7から抜き出すものとしても
よい。この鉄筋部材10は、全体がキャビティ内に収納
されることから、前記実施例のように、金型2に抜き出
し部材との干渉を回避する溝2Aや密封部材6を形成す
る必要がないので、金型製造コストを低くできる。さら
に、抜き出し部材として単なる棒を使用するものでもよ
い。また、抜き出し部材を使用しないで、真空による吸
引等で中子1を鋳造品7から抜き出すものでもよい。前
記実施例のようにコイル棒3を抜き出し部材として使用
する場合、図5に示されるように、中央部を内層部4に
係止するコイル部3Aとし、両端部を内層部4から露出
される直線把手部3Bとしてもよい。コイル棒3を図5
の形状にすれば、把手部3Bが2か所できることになる
ので、中子2を鋳造品7から確実に抜き出すことができ
る。
【0049】鋳造品7を製造する過程において、中子2
に抜き出し部材を挿入する時点は、前記実施例のよう
に、鋳造を行う前に限定されず、鋳造後でもよい。即
ち、図6(A)に示す通り、内層部4を形成した後、
(B)に示す通り、外層部5を形成して中子1を製造
し、(C)に示す通り、中子1を金型2に収納して溶融
金属を金型2内に注入し、(D)に示す通り、中子1ご
と鋳造品7を取り出す。鋳造品7を取り出した直後は、
鋳造品7の余熱等により中子1は極めて軟化した状態と
なっており、この状態で先端にヤジリを有する棒状の抜
き出し部材11を中子1に挿入する。暫くすると、中子
1は軟化状態を維持するものの、鋳造品7の取り出し直
後よりは硬化しており、(F)に示されるように、ヤジ
リが中子1にくい込んでいることから、抜き出し部材1
1を引っ張れば中子1は鋳造品7からスムースに抜き出
される。
に抜き出し部材を挿入する時点は、前記実施例のよう
に、鋳造を行う前に限定されず、鋳造後でもよい。即
ち、図6(A)に示す通り、内層部4を形成した後、
(B)に示す通り、外層部5を形成して中子1を製造
し、(C)に示す通り、中子1を金型2に収納して溶融
金属を金型2内に注入し、(D)に示す通り、中子1ご
と鋳造品7を取り出す。鋳造品7を取り出した直後は、
鋳造品7の余熱等により中子1は極めて軟化した状態と
なっており、この状態で先端にヤジリを有する棒状の抜
き出し部材11を中子1に挿入する。暫くすると、中子
1は軟化状態を維持するものの、鋳造品7の取り出し直
後よりは硬化しており、(F)に示されるように、ヤジ
リが中子1にくい込んでいることから、抜き出し部材1
1を引っ張れば中子1は鋳造品7からスムースに抜き出
される。
【0050】さらに、本発明では、中子の型成形品から
の抜出作業は、金型から型成形品を中子とともに取り出
し、さらに、放冷等により冷却した後、型成形品を中子
とともに加熱して中子を再度軟化させた状態で行っても
よい。また、前記実施例では、前記型成形品は、溶融金
属を金型2内に注入して製造される鋳造品7であった
が、本発明の中子及びこの中子を使用した型成形品の製
造方法は、溶融樹脂を金型2内に射出して製造される樹
脂成形品でも適用できる。
の抜出作業は、金型から型成形品を中子とともに取り出
し、さらに、放冷等により冷却した後、型成形品を中子
とともに加熱して中子を再度軟化させた状態で行っても
よい。また、前記実施例では、前記型成形品は、溶融金
属を金型2内に注入して製造される鋳造品7であった
が、本発明の中子及びこの中子を使用した型成形品の製
造方法は、溶融樹脂を金型2内に射出して製造される樹
脂成形品でも適用できる。
【0051】
【発明の効果】本発明では、中子を合成樹脂から形成し
たので、中子の形状が複雑化しても、中子を容易に製造
できる。その上、中子を内層部と子の内層部より耐熱性
が大きい外層部とから構成したので、金型に高温の溶融
材料が注入されても、型成形品の内面をボイドを全く発
生させることなく平滑に形成でき、かつ、中子の型成形
品からの抜き出しを容易に行える。よって、中空部を有
する型成形品の製造効率を向上できる。
たので、中子の形状が複雑化しても、中子を容易に製造
できる。その上、中子を内層部と子の内層部より耐熱性
が大きい外層部とから構成したので、金型に高温の溶融
材料が注入されても、型成形品の内面をボイドを全く発
生させることなく平滑に形成でき、かつ、中子の型成形
品からの抜き出しを容易に行える。よって、中空部を有
する型成形品の製造効率を向上できる。
【図1】本発明の実施例1に係る中子が金型に収納され
た状態を示す断面図である。
た状態を示す断面図である。
【図2】前記中子に型成形品が覆われている状態を示す
斜視図である。
斜視図である。
【図3】(A)〜(F)は前記中子を使用して型成形品
の製造する方法を説明する図である。
の製造する方法を説明する図である。
【図4】中子を抜き出す時に使用される抜き出し部材の
変形例を示す断面図である。
変形例を示す断面図である。
【図5】中子を抜き出す時に使用される抜き出し部材の
他の変形例を示す断面図である。
他の変形例を示す断面図である。
【図6】(A)〜(F)は型成形品の製造方法の変形例
を説明する図である。
を説明する図である。
1 中子 2 金型 3,10,11 抜き出し部材 4 内層部 5 外層部 7 型成形品としての鋳造品
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/08 8413−4F (72)発明者 大川 秀夫 東京都千代田区神田和泉町1番地277 カ ルプ工業株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 溶融材料を金型内に注入して製造される
型成形品に中空部を形成するために使用される中子であ
って、合成樹脂からなる内層部と、この内層部の外側に
形成されるとともに内層部とは異なる合成樹脂からなる
外層部とを備え、外層部は内層部より耐熱性が大きいこ
とを特徴とする中子。 - 【請求項2】 中子を用いて中空部を有する型成形品を
製造する方法であって、合成樹脂からなる内層部と、こ
の内層部の外側に形成されるとともに内層部とは異なる
合成樹脂からなる外層部とを備え、かつ外層部は内層部
より耐熱性が大きくなっている中子を金型内に配置し、
この金型と中子との間に溶融材料を注入し、型成形品を
中子とともに金型から取り出し、中子が軟化している状
態で中子を型成形品から抜き出すことを特徴とする型成
形品の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の中子又は型
成形品の製造方法において、前記型成形品は、溶融金属
を金型内に注入して製造される鋳造品であることを特徴
とする中子又は型成形品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11853993A JPH06328195A (ja) | 1993-05-20 | 1993-05-20 | 中子及びこの中子を使用した型成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11853993A JPH06328195A (ja) | 1993-05-20 | 1993-05-20 | 中子及びこの中子を使用した型成形品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06328195A true JPH06328195A (ja) | 1994-11-29 |
Family
ID=14739103
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11853993A Pending JPH06328195A (ja) | 1993-05-20 | 1993-05-20 | 中子及びこの中子を使用した型成形品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06328195A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0833947A (ja) * | 1994-07-20 | 1996-02-06 | Calp Corp | 中子及びこの中子を使用した型成形品の製造方法 |
US5725044A (en) * | 1994-08-30 | 1998-03-10 | Hirokawa; Koji | Casting method using a forming die |
US5850868A (en) * | 1995-03-03 | 1998-12-22 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Casting method with improved resin core removal step |
US5957191A (en) * | 1995-09-05 | 1999-09-28 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Casting method and apparatus using a resin core |
JP2014239819A (ja) * | 2013-06-12 | 2014-12-25 | 株式会社ダイセル | 注射器 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0691345A (ja) * | 1992-07-30 | 1994-04-05 | Masaru Nemoto | 鋳造用特殊中子 |
-
1993
- 1993-05-20 JP JP11853993A patent/JPH06328195A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0691345A (ja) * | 1992-07-30 | 1994-04-05 | Masaru Nemoto | 鋳造用特殊中子 |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0833947A (ja) * | 1994-07-20 | 1996-02-06 | Calp Corp | 中子及びこの中子を使用した型成形品の製造方法 |
US5725044A (en) * | 1994-08-30 | 1998-03-10 | Hirokawa; Koji | Casting method using a forming die |
US5850868A (en) * | 1995-03-03 | 1998-12-22 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Casting method with improved resin core removal step |
US5957191A (en) * | 1995-09-05 | 1999-09-28 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Casting method and apparatus using a resin core |
JP2014239819A (ja) * | 2013-06-12 | 2014-12-25 | 株式会社ダイセル | 注射器 |
US10265472B2 (en) | 2013-06-12 | 2019-04-23 | Daicel Corporation | Injector |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19960206 |