JPH06320240A - 急冷金属薄帯製造法における冷却ロール−ノズル間ギャップの制御方法および制御装置 - Google Patents

急冷金属薄帯製造法における冷却ロール−ノズル間ギャップの制御方法および制御装置

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JPH06320240A
JPH06320240A JP11327493A JP11327493A JPH06320240A JP H06320240 A JPH06320240 A JP H06320240A JP 11327493 A JP11327493 A JP 11327493A JP 11327493 A JP11327493 A JP 11327493A JP H06320240 A JPH06320240 A JP H06320240A
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JP
Japan
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gap
nozzle
cooling roll
amount
control
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JP11327493A
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Hidemi Aoki
秀未 青木
Saburo Moriwaki
三郎 森脇
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 供給ノズルの左端から右端にわたるロール−
ノズル間ギャップを、安定かつ迅速に所望の一定値に制
御することにより、板厚精度のばらつきや品質欠陥のな
い急冷金属薄帯を得る。 【構成】 タンディシュ内の溶融金属を、その供給ノズ
ルから、高速で回転する冷却ロールの表面に連続供給
し、急冷凝固させて金属薄帯とする急冷金属薄帯の製造
に際しての冷却ロールとノズル間とのギャップを一定に
制御するに当たり、該冷却ロール−ノズル間ギャップ
を、、その左右両端でそれぞれ個別に検出し、検出され
た各ギャップ量と予め設定した基準ギャップ量との偏差
量をそれぞれ個別に演算し、得られた各偏差量に応じ
て、タンディシュまたは/および冷却ロールのそれぞれ
両端に設けた駆動装置を独立に駆動してノズル位置制御
または/および冷却ロール位置制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、急冷金属薄帯製造法
における冷却ロール−ノズル間ギャップの制御方法およ
び制御装置に関し、とくに冷却媒体として高速で回転す
る単ロールを用いる超急冷金属薄帯製造方法(以下。
「単ロール法」という)を利用してアモルファス金属薄
帯や結晶質金属薄帯を製造する場合に、溶融金属の供給
ノズル先端と冷却ロール表面との間隙を冷却ロールの母
線に沿って適切に制御することにより、良質で厚みの均
一な急冷金属薄帯を得るための技術を提案する。
【0002】
【従来の技術】所定の成分組成に調整した溶融金属を、
その供給ノズルから、冷却ロール等の冷却体の表面に連
続して供給し、急冷凝固させてアモルファス金属薄帯を
得る方法は、磁気的性質や機械的性質等に優れた薄帯を
連続的に製造できることから、近年急速に研究が進み、
すでに実用化の段階にある。かかる急冷金属薄帯製造法
の一つとして単ロール法があり、この単ロール法によっ
て厚みが15〜65μm 程度の極めて薄いアモルファス金属
薄帯を得ることができる。ここに、厚みのコントロール
は冷却ロール表面と供給ノズル先端との間のギャップ
(以下、単に「冷却ロール−ノズル間ギャップ」とい
う)やロール周速および注湯量を厳密に管理することに
よって行われている。
【0003】ところで、このロール−ノズル間ギャップ
は、溶融金属がロールに射出されたときから、ロール表
面の温度上昇に伴う熱膨張によって次第に狭くなる。ま
た、供給ノズルが熱変形することによっても、このギャ
ップは変化する。
【0004】上記の問題の解決策として、特公昭60-432
21号公報では、ロール表面の熱膨張量を予め推定し、そ
の推定値に基づいてノズルの位置制御を行うことによ
り、ロール−ノズル間ギャップを一定に保持する方法を
提案している。しかしながら、この方法では、ノズルの
熱的変形については何ら考慮が払われていないために、
ロール−ノズル間ギャップを一定に保つことは難しい。
また、特開平3-37457号公報には、冷却ロールの位置制
御機能とロール−ノズル間ギャップの検出器を有し、検
出したギャップと予め設定した基準ギャップから求めた
偏差量に基づいて冷却ロールの位置制御を行うことによ
って、ロール−ノズル間ギャップを調整する方法が提案
されている。しかしながら、この方法では、ノズルが熱
的影響によって左右非対称に変形した場合に、ロール−
ノズル間ギャップがやはり左右非対称に変化することに
関してなんら考慮されていないので、やはりロール−ノ
ズル間ギャップを一定に保持することは難しい。
【0005】たとえば、冷却ロールに対し金属薄帯の飛
び出し側から対面した場合について考察すると次のとお
りである。すなわち、ノズルの膨張速度と膨張量が、ノ
ズルの右側に比較して左側の方が大きかった場合、ノズ
ルの右側に比較して左側の方がギャップは狭くなる。従
って、ノズルの左端から右端にわたってギャップを所望
の一定値に制御するためには、左右独立してギャップを
調整できる機構と、その機構を左右個別に制御できる制
御装置と、ギャップを左右個別に検出できる検出器が必
要である。しかしながら、特開平3-37457号公報に開示
の方法では、上記のような左右独立した制御装置および
検出器については何ら考慮が払われていないので、ギャ
ップを検出している位置(通常は中央部)でのギャップ
については所望の値に制御することはできるかもしれな
いが、ノズルの左端から右端にわたって所望のギャップ
値に制御することは事実上不可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したとおり、ノズ
ルの左端から右端にわたってギャップを一定に制御する
ためには、左右独立してギャップを調整できる機構と、
その機構を左右個別に制御できる制御装置と、ギャップ
を左右個別に検出できる検出器が必要である。しかしな
がら、単に、上記の調整機構、制御装置および検出器を
備えただけでは、まだ安定かつ迅速にギャップ制御を行
うことは難しい。というのは、例えばノズルの右端のギ
ャップは所望値になっているものの左端は所望値よりも
狭かった場合、制御装置とギャップ調整機構は左側のギ
ャップのみを拡げようとするが、実際には、左側のギャ
ップ調整機構が動作することにより、右側のギャップも
影響を受けて拡がる。ここに、右側のギャップが拡がる
と、右側の制御装置が働き、右側のギャップ調整機構が
右側のギャップを狭めるように動作するが、これによ
り、左側のギャップは狭まる方向に影響を受ける。
【0007】このように、左右のギャップは相互に干渉
しており、ギャップは拡大と縮小を繰り返しながら所望
の値に収束して行くために、その動作は不安定であり、
またノズルの右端から左端にわたってギャップを所望の
値に調整するまでには長時間を必要とする。アモルファ
ス金属薄帯の製造においては、ギャップの変動は薄帯の
板厚精度のばらつきや品質欠陥につながるので、上記の
ような不安定操業は好ましくない。この発明は、上記の
問題を有利に解決するもので、ノズルの左端から右端に
わたって安定かつ迅速にギャップを所望を値に制御する
ことにより、板厚精度のばらつきや品質欠陥なく急冷金
属薄帯の得ることができる、ロール−ノズル間ギャップ
の制御方法を、その有利な制御装置と共に提案すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
タンディシュ内の溶融金属を、その供給ノズルから、高
速で回転する冷却ロールの表面に連続供給し、急冷凝固
させることにより金属薄帯とする急冷金属薄帯の製造に
際しての、冷却ロールとノズル間とのギャップを一定に
制御するに当たり、該冷却ロール−ノズル間ギャップ
を、、その左右両端でそれぞれ個別に検出し、検出され
た各ギャップ量と予め設定した基準ギャップ量との偏差
量をそれぞれ個別に演算し、得られた各偏差量に応じ
て、タンディシュまたは/および冷却ロールのそれぞれ
両端に設けた駆動装置を独立に駆動してノズル位置制御
または/および冷却ロール位置制御を行うことを特徴と
する急冷金属薄帯製造法における冷却ロール−ノズル間
ギャップの制御方法である。
【0009】上記の制御方法において、左右いずれか一
方の側のノズル位置制御または/および冷却ロール位置
制御は、他方の側のギャップ偏差量に干渉係数を乗算し
た干渉補正量と、当該一方の側のギャップ偏差量との和
から算出した制御操作量に従って行うことが好ましい。
【0010】また、この発明は、タンディシュ内の溶融
金属を、その供給ノズルから、高速で回転する冷却ロー
ルの表面に連続して供給し、その急冷凝固を強いて金属
薄帯を得る急冷金属薄帯の製造装置であって、ノズルの
位置制御または/および冷却ロール位置制御を行うべく
タンディシュまたは/および冷却ロールの左右それぞれ
に独立して設置した一対の駆動装置と、ロール−ノズル
間ギャップをその左右両端で検出する一対の検出器と、
各検出器のギャップ検出値と予め設定した基準ギャップ
量との偏差量をそれぞれ個別に求める演算装置と、左右
ギャップの相互干渉によるギャップ変動を補正するため
の干渉補正量演算装置と、得られた干渉補正量から制御
操作量を演算すると共にその値を上記一対の駆動装置に
それぞれ出力する制御量演算装置をそなえることを特徴
とする急冷金属薄帯製造法におけるロール−ノズル間ギ
ャップの制御装置である。
【0011】この発明法および発明装置を、ノズルの位
置制御によりロール−ノズル間のギャップ制御を行う場
合を例にとって説明する。図1に、この場合における発
明装置の全体を模式で示す。図中、番号1はタンディシ
ュ、2は供給ノズル、3は冷却ロールであり、タンディ
シュ1内の溶融金属を、その供給ノズル2を通して、高
速回転している冷却ロール3に連続して供給することに
より金属薄帯を連続的に製造する。4aおよび4bは、ノズ
ル2の左右両端に設けたノズル・ロール間ギャップの検
出器、5aおよび5bは、検出されたギャップ値と予め設定
したギャップ基準値との偏差量を演算する演算装置、6
は干渉によるギャップ変動を補正するための干渉補正量
演算装置、7aおよび7bは、得られた干渉補正量から制御
操作量を演算する制御量演算装置、そして8a, 8bがタン
ディシュ1の左右に設けられたタンディシュ駆動装置で
あり、このタンディシュ駆動装置8a, 8bによってノズル
の位置制御を行う。
【0012】さて、上記の制御装置において、左側のギ
ャップ検出器4aによって検出された検出値は演算装置5b
に送られる。この演算装置5aでは、予め設定してあるギ
ャップ基準値と検出器4aによって検出したギャップ検出
値との偏差量を演算し、干渉量演算装置6に送る。同様
に、演算装置5bでは、予め設定してあるギャップ基準値
と検出器4bによって検出したギャップ検出値との偏差値
を演算し、干渉補正量演算装置6に送る。
【0013】次に、干渉補正量演算装置6では、演算装
置5a, 5bで求めた偏差量に基づいて左右の駆動装置を動
作させた場合に生じる、左右ギャップの相互干渉による
ギャップ変動を補正するため、5a側については、演算装
置5bから送られた偏差量に干渉係数αを掛けて干渉補正
量を演算し、さらにこの干渉補正量と演算装置5aから送
られてきた偏差量との和を演算し、得られた値を制御量
演算装置7aに送る。同様に、5b側については、演算装置
5aから送られた偏差量に干渉係数αを掛けて干渉補正量
を演算し、さらにこの干渉補正量と演算装置5bから送ら
れてきた偏差量との和を演算し、得られた値を制御量演
算装置7bに送る。
【0014】次に、制御量演算装置7a, 7bではそれぞ
れ、タンディシュ駆動装置8a, 8bを駆動するための制御
操作量を演算すると共に、その値をタンディシュ駆動装
置8a,8bに出力し、この値に基づいてタンディシュ駆動
装置8a, 8bを駆動することにより、ギャップを所望の一
定値に調整するのである。このように、左右にギャップ
調整機構を設け、しかも左右ギャップの相互干渉を考慮
して補正を行うことにより、安定かつ迅速にギャップ調
整が行うことができ、かくして均一な板厚と均一な品質
の急冷金属薄帯が製造できるのである。
【0015】以上、ノズルの位置制御によりロール−ノ
ズル間のギャップ制御を行う場合について説明したが、
冷却ロールの位置制御によりロール−ノズル間のギャッ
プ制御を行う場合も、上述したところとほぼ同様にして
実施することができる。図2に、この場合における発明
装置の全体を模式で示すが、構成の骨子は、前掲図1に
示したところと共通するので同一の番号を付して示し、
図中番号9a 9bが冷却ロールの駆動装置であり、この点
以外は、すべて図1と共通する。従って、制御量演算装
置7a, 7bで演算された制御操作量を冷却ロール駆動装置
9a, 9bに出力し、この値に基づいて冷却ロール駆動装置
9a, 9bを駆動してやれば、同様にして、ギャップを所望
の一定値に制御することができるのである。
【0016】
【作用】この発明に従う具体的な制御要領を、ノズルの
位置制御を行う場合を例にとって、従来法と比較しつつ
具体的に説明する。図3に、ギャップ調整機構を模式で
示す。図3は、ノズル2の左側は基準ギャップAを実現
しているものの、右側は基準ギャップに比べて大きい場
合を示している。これは、ノズル2の熱膨張量が左側と
右側とで異なっていた場合を想定している。従来のよう
に、タンディシュ1を左右独立に駆動できる装置を備え
ていない場合には、右側のギャップを基準値に合わせよ
うとすると左側のギャップが小さくなってしまうため、
左右どちらかのギャップしか基準値に調整できないか、
あるいは左右の平均値を基準値に合わせるしかなかっ
た。
【0017】この問題を解決するためには、タンディシ
ュ駆動装置8a, 8bのように左右独立して駆動できる装置
が必要になるが、前述したとおり、かような駆動装置対
を単に備えているだけでは問題が残る。この問題とは、
図3(a)において、右側ギャップを基準値に調整する
ためには駆動装置8aを駆動してタンディシュ1およびノ
ズル2を図中の点線の位置まで降下させることになる
が、このとき、タンディシュ1およびノズル2の右側を
降ろした影響を受けてノズル2の左側が基準線よりも下
がってしまうことであり、また次に左側ギャップを基準
線まで引き上げるべく、ノズル2の左側を上げた場合に
は、その影響を受けて今度はノズル2の右側が上昇する
ことである。このように、左右の昇降を繰り返しながら
基準値に収束していく方法では、迅速かつ安定な制御は
望み難い。
【0018】図3(b)は、図3(a)に点線で示した
移動後のタンディシュ1およびノズル2の左右方向への
ズレによる上下方向への影響が無視できるものとして、
図3(a)における左右方向へのズレを省略した図であ
る。図3(b)において、ノズル2の右側のギャップは
基準ギャップよりXROだけ大きい。従って、右側ギャッ
プ偏差XROを0にするために、タンディシュ駆動装置に
よってタンディシュとタンディシュ駆動装置を接続して
いる支持点8a´を下げる必要がある。しかしながら、こ
のとき、左側のギャップは図中に示すとおりXL だけ下
がるため、左側のギャップはXL のギャップ偏差を生じ
る。この左側ギャップ偏差XL は、タンディシュの端か
らノズル取りつけ位置までの距離を1 1 、ノズルの幅を
2 とすると、次式 XL =11 ・XRO/(11 +12 ) …(1) で表される。
【0019】従って、予め左側ギャップ偏差XL
(1)式に従って演算し、この左側ギャップ偏差XL
打ち消すような制御操作量を左側のギャップ制御装置7b
によって演算し、左側のタンディシュ駆動装置8bを駆動
することにより、右側のタンディシュ駆動装置8aの駆動
による左側ギャップへの影響を打ち消すことができる。
しかし、左側のタンディシュ昇降装置の駆動によって今
度は右側ギャップが影響を受けるので、左側ギャップ偏
差XL による右側ギャップへの影響も考慮しなくてはな
らない。ここに、左側ギャップ偏差XL を打ち消すため
に左側のタンディシュ駆動装置が駆動することにより生
じる新たな右側ギャップ偏差XR は XR =11 ・XL /(11 +12 ) …(2) である。そこで、この新たな右側ギャップ偏差XR (干
渉補正量)を初期の右側ギャップ偏差XROに加えること
により、初期のギャップ偏差を0に調整すると共に、左
右ギャップの干渉により生じるギャップ偏差も打ち消す
ことができるわけである。
【0020】この点、ロール−ノズル間のギャップ制御
を、冷却ロールの位置制御によって行う場合も、同様
で、図4に示すところから明らかなように、上述のよう
にして算出した新たな右側ギャップ偏差XR を初期の右
側ギャップ偏差XROに加えることにより、初期のギャッ
プ偏差を0に調整すると共に左右ギャップの干渉により
生じるギャップ偏差も打ち消すことができるのである。
【0021】図5は、上述したギャップ制御における信
号処理の流れをブロック線図で示すものである。図中の
αは、左右ギャップの相互干渉を打ち消すための干渉係
数であり、次式 α = 11 /(11 +12 ) …(3) で示されるものである。また、GR 、GL はそれぞれ右
側ギャップ、左側ギャップである。同図では、ギャップ
制御をノズルの位置制御により行う場合について示して
あるが、冷却ロールの位置制御によってギャップ制御を
行う場合には、タンディシュ駆動装置8a, 8bを冷却ロー
ル駆動装置9a, 9bに置き換えれば良く、また両者を同時
に使用する場合には、制御量演算装置7a, 7bからの制御
操作量を適宜分割して、タンディシュ駆動装置8a, 8bお
よび冷却ロール駆動装置9a, 9bにそれぞれ出力してやれ
ば良い。
【0022】
【実施例】
実施例1 この発明法に従うノズルの位置制御によってロール−ノ
ズル間ギャップの制御を行った場合における左右のギャ
ップの変移を、従来法に従った場合と比較して図6
(a),(b)に示す。この例は、基準ギャップ:0.2
mm、右側の初期ギャップ:0.2 mm、左側の初期ギャッ
プ:0.0 mmの場合における制御性を示したものであり、
図中の実線が左側ギャップ、点線が右側ギャップであ
る。同図から明らかなように、従来法では左側ギャップ
偏差の影響を受けて右側ギャップが変動しているのに対
して、この発明法によれば右側ギャップは基準値のまま
変動していない。しかも、左側ギャップの基準値への収
束性も、この発明法による方が2倍から3倍程度速くな
っている。
【0023】実施例2 この発明法に従う冷却ロールの位置制御によってロール
−ノズル間ギャップの制御を行った場合における左右の
ギャップの変移を、従来法に従った場合と比較して図7
(a),(b)に示す。この場合も、基準ギャップは0.
2 mm、右側の初期ギャップは0.2 mm、左側の初期ギャッ
プは0.0 mmである。同図から明らかなように、冷却ロー
ルの位置制御によってロール−ノズル間ギャップの制御
を行った場合も、実施例1のノズルの位置制御を利用し
た場合と同様、右側ギャップは基準値のまま変動せず、
また左側ギャップの基準値への収束性も、従来法よりも
はるかに速くなっている。
【0024】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、左右ギャッ
プの相互干渉により生じるギャップ偏差を効果的に解消
して、ノズルの左端から右端にわたって安定かつ迅速に
ギャップを所望の一定値に制御することができ、その結
果、板厚精度のばらつきや品質欠陥のない急冷金属薄帯
を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ノズルの位置制御によりロール−ノズル間のギ
ャップ制御を行う場合の好適制御装置の全体を示す模式
図である。
【図2】冷却ロールの位置制御によりロール−ノズル間
のギャップ制御を行う場合の好適制御装置の全体を示す
模式図である。
【図3】ノズルの位置制御によりロール−ノズル間のギ
ャップ制御を行う場合のギャップ調整機構を示す模式図
である。
【図4】冷却ロールの位置制御によりロール−ノズル間
のギャップ制御を行う場合のギャップ調整機構を示す模
式図である。
【図5】ギャップ制御における信号処理の流れを示すブ
ロック線図である。
【図6】ノズルの位置制御によってロール−ノズル間ギ
ャップの制御を行った場合における左右のギャップの変
移を、従来法に従った場合と比較して示したグラフであ
る。
【図7】冷却ロールの位置制御によってロール−ノズル
間ギャップの制御を行った場合における左右のギャップ
の変移を、従来法に従った場合と比較して示したグラフ
である。 1 タンディシュ 2 供給ノズル 3 冷却ロール 4a ギャップ検出器(右側) 4b ギャップ検出器(左側) 5a 演算装置(右側) 5b 演算装置(左側) 6 干渉補正量演算装置 7a 制御量演算装置(右側) 7b 制御量演算装置(左側) 8a タンディシュ駆動装置(右側) 8b タンディシュ駆動装置(左側) 8a´ 接続支持点(右側) 8b´ 接続支持点(左側) 9a 冷却ロール駆動装置(右側) 9b 冷却ロール駆動装置(左側) 9a´ 接続支持点(右側) 9b´ 接続支持
点(左側)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンディシュ内の溶融金属を、その供給
    ノズルから、高速で回転する冷却ロールの表面に連続供
    給し、急冷凝固させることにより金属薄帯とする急冷金
    属薄帯の製造に際しての、冷却ロールとノズル間とのギ
    ャップを一定に制御するに当たり、該冷却ロール−ノズ
    ル間ギャップを、、その左右両端でそれぞれ個別に検出
    し、検出された各ギャップ量と予め設定した基準ギャッ
    プ量との偏差量をそれぞれ個別に演算し、得られた各偏
    差量に応じて、タンディシュまたは/および冷却ロール
    のそれぞれ両端に設けた駆動装置を独立に駆動してノズ
    ル位置制御または/および冷却ロール位置制御を行うこ
    とを特徴とする急冷金属薄帯製造法における冷却ロール
    −ノズル間ギャップの制御方法。
  2. 【請求項2】 左右いずれか一方の側のノズル位置制御
    または/および冷却ロール位置制御が、他方の側のギャ
    ップ偏差量に干渉係数を乗算した干渉補正量と、当該一
    方の側のギャップ偏差量との和から算出した制御操作量
    に従うものである請求項1記載の急冷金属薄帯製造法に
    おける冷却ロール−ノズル間ギャップの制御方法。
  3. 【請求項3】 タンディシュ内の溶融金属を、その供給
    ノズルから、高速で回転する冷却ロールの表面に連続し
    て供給し、その急冷凝固を強いて金属薄帯を得る急冷金
    属薄帯の製造装置であって、ノズルの位置制御または/
    および冷却ロール位置制御を行うべくタンディシュまた
    は/および冷却ロールの左右それぞれに独立して設置し
    た一対の駆動装置と、冷却ロール−ノズル間ギャップを
    その左右両端で検出する一対の検出器と、各検出器のギ
    ャップ検出値と予め設定した基準ギャップ量との偏差量
    をそれぞれ個別に求める演算装置と、左右ギャップの相
    互干渉によるギャップ変動を補正するための干渉補正量
    演算装置と、得られた干渉補正量から制御操作量を演算
    すると共にその値を上記一対の駆動装置にそれぞれ出力
    する制御量演算装置をそなえることを特徴とする急冷金
    属薄帯製造法における冷却ロール−ノズル間ギャップの
    制御装置。
JP11327493A 1993-05-14 1993-05-14 急冷金属薄帯製造法における冷却ロール−ノズル間ギャップの制御方法および制御装置 Pending JPH06320240A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100920310B1 (ko) * 2002-12-24 2009-10-08 재단법인 포항산업과학연구원 급냉응고 스트립 제조설비의 갭 측정/유지장치 및 그 방법
KR101585786B1 (ko) * 2014-08-21 2016-01-15 주식회사 포스코 턴디쉬 갭 제어 장치 및 턴디쉬 갭 제어 방법
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KR101585783B1 (ko) * 2014-08-14 2016-01-15 주식회사 포스코 턴디쉬 갭 제어 장치 및 턴디쉬 갭 제어 방법
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