JPH06316202A - ラジアルタイヤ - Google Patents
ラジアルタイヤInfo
- Publication number
- JPH06316202A JPH06316202A JP5128490A JP12849093A JPH06316202A JP H06316202 A JPH06316202 A JP H06316202A JP 5128490 A JP5128490 A JP 5128490A JP 12849093 A JP12849093 A JP 12849093A JP H06316202 A JPH06316202 A JP H06316202A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- belt ply
- ply
- tire
- cords
- cord
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Tires In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 第1ベルトプライ3は有機繊維コードをゴム
引きすることで形成され、第2ベルトプライ4はスチー
ルコードをゴム引きすることで形成され、補強プライ5
a、5bは有機繊維コードをゴム引きして形成したリボ
ンを第2ベルトプライ4の幅方向両端部の外周に螺旋状
に巻付けることで形成される。その第1ベルトプライ3
の幅方向両端部は、補強プライ5a、5bの幅方向外端
縁に沿って折り返されると共に補強プライの外周を覆う
折り返し部3a、3bとされている。 【効果】 車両の乗心地を向上と耐摩耗性と高速耐久性
とタイヤユニフォミティとを向上できる。第1ベルトプ
ライの折り返し部と第2ベルトプライとの間に空気が入
り込むのを防止できる。
引きすることで形成され、第2ベルトプライ4はスチー
ルコードをゴム引きすることで形成され、補強プライ5
a、5bは有機繊維コードをゴム引きして形成したリボ
ンを第2ベルトプライ4の幅方向両端部の外周に螺旋状
に巻付けることで形成される。その第1ベルトプライ3
の幅方向両端部は、補強プライ5a、5bの幅方向外端
縁に沿って折り返されると共に補強プライの外周を覆う
折り返し部3a、3bとされている。 【効果】 車両の乗心地を向上と耐摩耗性と高速耐久性
とタイヤユニフォミティとを向上できる。第1ベルトプ
ライの折り返し部と第2ベルトプライとの間に空気が入
り込むのを防止できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機繊維コードをゴム
引きすることで形成された第1ベルトプライとスチール
コードをゴム引きすることで形成された第2ベルトプラ
イとにより補強されるラジアルタイヤに関する。
引きすることで形成された第1ベルトプライとスチール
コードをゴム引きすることで形成された第2ベルトプラ
イとにより補強されるラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】カーカスの外周を覆う第1ベルトプライ
と、この第1ベルトプライの外周を覆う第2ベルトプラ
イとを備え、各ベルトプライは多数のスチールコードを
ゴム引きすることで形成されているラジアルタイヤが従
来より用いられている。このようなラジアルタイヤにお
いては、ベルトプライを構成するスチールコードはタイ
ヤ円周方向に対し10°〜30°程度の角度で傾斜して
配列されるため、ベルトプライの幅方向両端部にはベル
トプライを構成する各コードの自由端が位置する。その
ため、周方向の応力が作用した際、ベルトプライの端部
においてはコード間隔が広がって応力が緩和されるの
で、その反力である張力のベルトプライ幅方向分布は、
図3に示すように、ベルトプライの端から約25mm入
った点から低下が始まり端に行くに従って急激に低下す
る性質、いわゆる剛性の肩落ちがあるので、タイヤの回
転による遠心力によってベルトプライに周方向の引張り
力が作用すると、ベルトプライの端部でタガ作用が低下
してしまう。
と、この第1ベルトプライの外周を覆う第2ベルトプラ
イとを備え、各ベルトプライは多数のスチールコードを
ゴム引きすることで形成されているラジアルタイヤが従
来より用いられている。このようなラジアルタイヤにお
いては、ベルトプライを構成するスチールコードはタイ
ヤ円周方向に対し10°〜30°程度の角度で傾斜して
配列されるため、ベルトプライの幅方向両端部にはベル
トプライを構成する各コードの自由端が位置する。その
ため、周方向の応力が作用した際、ベルトプライの端部
においてはコード間隔が広がって応力が緩和されるの
で、その反力である張力のベルトプライ幅方向分布は、
図3に示すように、ベルトプライの端から約25mm入
った点から低下が始まり端に行くに従って急激に低下す
る性質、いわゆる剛性の肩落ちがあるので、タイヤの回
転による遠心力によってベルトプライに周方向の引張り
力が作用すると、ベルトプライの端部でタガ作用が低下
してしまう。
【0003】そこで、第1ベルトプライの幅方向両端部
を折り返して第2ベルトプライの幅方向両端部を覆う折
り返し部とするとこで、ベルトプライの幅方向両端部に
おける周方向の引張り剛性を向上することが図られてい
る(特公昭44‐19561号公報、特開昭58‐20
501号公報参照)。
を折り返して第2ベルトプライの幅方向両端部を覆う折
り返し部とするとこで、ベルトプライの幅方向両端部に
おける周方向の引張り剛性を向上することが図られてい
る(特公昭44‐19561号公報、特開昭58‐20
501号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】第1ベルトプライの幅
方向両端部を折り返し部とする場合、第1ベルトプライ
と第2ベルトプライの双方がスチールコードで形成され
たものであると、ベルトプライの曲げ剛性が過大になっ
て車両の乗心地が低下するという問題がある。
方向両端部を折り返し部とする場合、第1ベルトプライ
と第2ベルトプライの双方がスチールコードで形成され
たものであると、ベルトプライの曲げ剛性が過大になっ
て車両の乗心地が低下するという問題がある。
【0005】第1ベルトプライが有機繊維コードで形成
され、第2ベルトプライがスチールコードで形成された
ものであると、乗心地は向上するが、ベルトプライの幅
方向両端部における周方向の引張り剛性が不足する。そ
のため、トレッドの耐摩耗性が低下し、また、高速では
ベルトプライの幅方向両端が遠心力により径方向外方に
持ち上がり、ベルトプライとタイヤゴムとのセパレーシ
ョンの発生を防止する作用が小さくなって高速耐久性が
低下するという問題がある。
され、第2ベルトプライがスチールコードで形成された
ものであると、乗心地は向上するが、ベルトプライの幅
方向両端部における周方向の引張り剛性が不足する。そ
のため、トレッドの耐摩耗性が低下し、また、高速では
ベルトプライの幅方向両端が遠心力により径方向外方に
持ち上がり、ベルトプライとタイヤゴムとのセパレーシ
ョンの発生を防止する作用が小さくなって高速耐久性が
低下するという問題がある。
【0006】また、第2ベルトプライの幅方向両端部を
上側に折り返した場合、その折り返し部の内側に空間が
生じ、その空間に空気が溜まり、高速耐久性が低下する
という問題がある。
上側に折り返した場合、その折り返し部の内側に空間が
生じ、その空間に空気が溜まり、高速耐久性が低下する
という問題がある。
【0007】また、第1ベルトプライの幅方向両端部を
折り返し部とする場合、その折り返し部の幅を均一なも
のにすることが困難なため、タイヤユニフォミティが低
下するという問題がある。すなわち、ベルトプライは図
2の(1)に示すように多数のコード101をゴム引き
することで形成したシート102を、図中1点鎖線で示
すようにコード101に対し傾斜する裁断線103に沿
って裁断し、各裁断片104の端部を図2の(2)に示
すように重ね合わせると共にゴム自身の粘性を利用して
接着することでベルトプライ105を構成している。し
かし、未加硫状態では各裁断片104同志の接着力は充
分ではないため、第1ベルトプライを第2ベルトプライ
の幅方向両端縁に沿って折り返そうとしても、各裁断片
104が相互にずれてしまい、精度良く折り返すことが
できず、タイヤユニフォミティが低下する。また、タイ
ヤのクラウン部の径は幅方向中央部に対し幅方向両端部
が小さいため、ベルトプライ105を構成する各裁断片
104の重ね合わせ部分104′の面積は幅方向両端部
の方が中央部よりも大きくなる。また、カーカスコード
は加硫時の加熱により3%程度収縮し、その収縮率は均
一ではない。そのため、ベルトプライの曲げ剛性は幅方
向両端部において不均一になり、タイヤユニフォミティ
低下の原因となっている。このように、タイヤユニフォ
ミティに及ぼす影響の大きいベルトプライの幅方向両端
部を精度良く折り返すことができないと、タイヤユニフ
ォミティをさらに低下させることになる。
折り返し部とする場合、その折り返し部の幅を均一なも
のにすることが困難なため、タイヤユニフォミティが低
下するという問題がある。すなわち、ベルトプライは図
2の(1)に示すように多数のコード101をゴム引き
することで形成したシート102を、図中1点鎖線で示
すようにコード101に対し傾斜する裁断線103に沿
って裁断し、各裁断片104の端部を図2の(2)に示
すように重ね合わせると共にゴム自身の粘性を利用して
接着することでベルトプライ105を構成している。し
かし、未加硫状態では各裁断片104同志の接着力は充
分ではないため、第1ベルトプライを第2ベルトプライ
の幅方向両端縁に沿って折り返そうとしても、各裁断片
104が相互にずれてしまい、精度良く折り返すことが
できず、タイヤユニフォミティが低下する。また、タイ
ヤのクラウン部の径は幅方向中央部に対し幅方向両端部
が小さいため、ベルトプライ105を構成する各裁断片
104の重ね合わせ部分104′の面積は幅方向両端部
の方が中央部よりも大きくなる。また、カーカスコード
は加硫時の加熱により3%程度収縮し、その収縮率は均
一ではない。そのため、ベルトプライの曲げ剛性は幅方
向両端部において不均一になり、タイヤユニフォミティ
低下の原因となっている。このように、タイヤユニフォ
ミティに及ぼす影響の大きいベルトプライの幅方向両端
部を精度良く折り返すことができないと、タイヤユニフ
ォミティをさらに低下させることになる。
【0008】本発明は上記技術的課題を解決することの
できるラジアルタイヤを提供することを目的とする。
できるラジアルタイヤを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とするとこ
ろは、タイヤ円周方向に対してほぼ直角に多数のコード
を配列したラジアル構造のカーカスとトレッドの間に、
カーカスのクラウン部を取り囲むようにして配設された
ベルトプライを有するラジアルタイヤにおいて、カーカ
スの外面に隣接してタイヤ円周方向に対して10°〜3
0°のコード角で多数の有機繊維コードを配列してなる
第1ベルトプライと、その外側に反対方向に傾斜するコ
ード角10°〜30°で多数のスチールコードを配列し
てなる第2ベルトプライを重合し、この第2ベルトプラ
イの幅方向端域表面に有機繊維コードの1本または複数
本を並列してゴム被覆したりリボンをタイヤ回転軸方向
にずらしながら螺旋状に巻回して形成された補強プライ
を配置し、前記第1ベルトプライの端域を前記第2ベル
トプライの両端域と補強プライを芯にして包み込むよう
に折り返した点にある。
ろは、タイヤ円周方向に対してほぼ直角に多数のコード
を配列したラジアル構造のカーカスとトレッドの間に、
カーカスのクラウン部を取り囲むようにして配設された
ベルトプライを有するラジアルタイヤにおいて、カーカ
スの外面に隣接してタイヤ円周方向に対して10°〜3
0°のコード角で多数の有機繊維コードを配列してなる
第1ベルトプライと、その外側に反対方向に傾斜するコ
ード角10°〜30°で多数のスチールコードを配列し
てなる第2ベルトプライを重合し、この第2ベルトプラ
イの幅方向端域表面に有機繊維コードの1本または複数
本を並列してゴム被覆したりリボンをタイヤ回転軸方向
にずらしながら螺旋状に巻回して形成された補強プライ
を配置し、前記第1ベルトプライの端域を前記第2ベル
トプライの両端域と補強プライを芯にして包み込むよう
に折り返した点にある。
【0010】その第1ベルトプライ3は、多数の有機繊
維コードを並列してゴム引きすることで形成される。こ
の第1ベルトプライ3を構成する各コードのタイヤ周方
向に対するコード角度αは通常の範囲である10°〜3
0°とされる。この第1ベルトプライを構成する有機繊
維コードとして、例えばアラミドコードが用いられ、そ
の引張り弾性率は3.0×103 kg/mm2 以上で1
0.0×103 kg/mm2 以下の範囲にするのが好ま
しく、より好ましくは3.5×103 kg/mm2 以上
で5.5×103 kg/mm2 以下の範囲である。3.
0×103 kg/mm2 未満になるとベルトプライ部の
周方向の引張り剛性が低下するからであり、10.0×
103 kg/mm2 を超えるとスチールコードの引張弾
性率に近くなって車両の乗心地が低下するからである。
維コードを並列してゴム引きすることで形成される。こ
の第1ベルトプライ3を構成する各コードのタイヤ周方
向に対するコード角度αは通常の範囲である10°〜3
0°とされる。この第1ベルトプライを構成する有機繊
維コードとして、例えばアラミドコードが用いられ、そ
の引張り弾性率は3.0×103 kg/mm2 以上で1
0.0×103 kg/mm2 以下の範囲にするのが好ま
しく、より好ましくは3.5×103 kg/mm2 以上
で5.5×103 kg/mm2 以下の範囲である。3.
0×103 kg/mm2 未満になるとベルトプライ部の
周方向の引張り剛性が低下するからであり、10.0×
103 kg/mm2 を超えるとスチールコードの引張弾
性率に近くなって車両の乗心地が低下するからである。
【0011】
【作用】本発明の構成によれば、第1ベルトプライは有
機繊維コードで形成され、第2ベルトプライはスチール
コードで形成されているので、双方ともスチールコード
で形成した場合に比べ車両の乗心地が向上する。
機繊維コードで形成され、第2ベルトプライはスチール
コードで形成されているので、双方ともスチールコード
で形成した場合に比べ車両の乗心地が向上する。
【0012】第2ベルトプライの幅方向両端部の外周は
補強プライにより覆われ、その補強プライは第1ベルト
プライの幅方向両端部の折り返し部により覆われるの
で、第1ベルトプライが有機繊維コードで形成されるも
のであっても、ベルトプライの幅方向両端部における周
方向の引張り剛性の低下を防止することができる。
補強プライにより覆われ、その補強プライは第1ベルト
プライの幅方向両端部の折り返し部により覆われるの
で、第1ベルトプライが有機繊維コードで形成されるも
のであっても、ベルトプライの幅方向両端部における周
方向の引張り剛性の低下を防止することができる。
【0013】第1ベルトプライの折り返し部と第2ベル
トプライとの間の隙間に補強プライが充填されることに
なるため、その間に空気が溜まるのが防止される。
トプライとの間の隙間に補強プライが充填されることに
なるため、その間に空気が溜まるのが防止される。
【0014】補強プライは有機繊維コードをゴム引きし
て形成したリボンを第2ベルトプライの幅方向両端部の
外周に螺旋状に巻き付けることで形成されているので、
その幅方向外端縁に沿って第1ベルトプライを正確に折
り曲げることができ、その後の工程例えば加硫工程で幅
方向にずれてしまうことはない。これにより、その折り
返し部の幅が均一になるよう精度よく第1ベルトプライ
の幅方向両端を折り返すことができる。
て形成したリボンを第2ベルトプライの幅方向両端部の
外周に螺旋状に巻き付けることで形成されているので、
その幅方向外端縁に沿って第1ベルトプライを正確に折
り曲げることができ、その後の工程例えば加硫工程で幅
方向にずれてしまうことはない。これにより、その折り
返し部の幅が均一になるよう精度よく第1ベルトプライ
の幅方向両端を折り返すことができる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
する。
【0016】図1はラジアルタイヤ1の断面構成を示す
斜視図であって、このラジアルタイヤ1は、カーカス2
と、このカーカス2の外周を覆う第1ベルトプライ3
と、この第1ベルトプライ3の外周を覆う第2ベルトプ
ライ4と、この第2ベルトプライ4の幅方向両端部の外
周を覆う補強プライ5a、5bとを備えている。そのカ
ーカス2の両端部は、タイヤの内側から外側に向かうよ
うに巻き上げられてビートコア6とビードフィラー7と
に沿って延びサイド部で終端している。また、そのベル
トプライ部はトレッドゴム8により覆われ、カーカス2
の両外側はサイドウォールゴム9a、9bにより覆われ
ている。
斜視図であって、このラジアルタイヤ1は、カーカス2
と、このカーカス2の外周を覆う第1ベルトプライ3
と、この第1ベルトプライ3の外周を覆う第2ベルトプ
ライ4と、この第2ベルトプライ4の幅方向両端部の外
周を覆う補強プライ5a、5bとを備えている。そのカ
ーカス2の両端部は、タイヤの内側から外側に向かうよ
うに巻き上げられてビートコア6とビードフィラー7と
に沿って延びサイド部で終端している。また、そのベル
トプライ部はトレッドゴム8により覆われ、カーカス2
の両外側はサイドウォールゴム9a、9bにより覆われ
ている。
【0017】その第2ベルトプライ4は、多数のスチー
ルコードを並列してゴム引きすることで形成される。こ
の第2ベルトプライ4を構成する各コードのタイヤ周方
向に対するコード角度βは略10°〜30°の範囲とさ
れ、その傾斜方向は前記第1ベルトプライ3を構成する
各コードの傾斜方向に対し反対方向とされる。スチール
コードとしては引張弾性率が10×103 〜20×10
3 kg/mm2 の通常のタイヤのベルトプライに使用さ
れるものが適用される。
ルコードを並列してゴム引きすることで形成される。こ
の第2ベルトプライ4を構成する各コードのタイヤ周方
向に対するコード角度βは略10°〜30°の範囲とさ
れ、その傾斜方向は前記第1ベルトプライ3を構成する
各コードの傾斜方向に対し反対方向とされる。スチール
コードとしては引張弾性率が10×103 〜20×10
3 kg/mm2 の通常のタイヤのベルトプライに使用さ
れるものが適用される。
【0018】その補強プライ5a、5bは、1本あるい
は複数本の有機繊維コードをゴム引きして形成したリボ
ンを、第2ベルトプライ4の幅方向両端部の外周に螺旋
状に巻き付けることで形成されている。そのリボンを構
成するコードとして、温度150°で30分間加熱した
ときの熱収縮率が3〜10%の有機繊維コード、例えば
ナイロンコードなどが用いられ、タイヤの加硫中に熱収
縮してベルトプライを締め付ける。補強プライ5a、5
bの幅W1 は、15mm以上で40mm以下が好まし
い。15mm未満ではベルトプライ部の周方向の引張り
剛性が低下するからであり、40mmよりも大きいと不
必要に剛性が大きくなって車両の乗心地が低下するから
である。
は複数本の有機繊維コードをゴム引きして形成したリボ
ンを、第2ベルトプライ4の幅方向両端部の外周に螺旋
状に巻き付けることで形成されている。そのリボンを構
成するコードとして、温度150°で30分間加熱した
ときの熱収縮率が3〜10%の有機繊維コード、例えば
ナイロンコードなどが用いられ、タイヤの加硫中に熱収
縮してベルトプライを締め付ける。補強プライ5a、5
bの幅W1 は、15mm以上で40mm以下が好まし
い。15mm未満ではベルトプライ部の周方向の引張り
剛性が低下するからであり、40mmよりも大きいと不
必要に剛性が大きくなって車両の乗心地が低下するから
である。
【0019】その第1ベルトプライ3の幅方向両端部
は、補強プライ5a、5bの幅方向外端縁5a′、5
b′に沿って折り返されると共に補強プライ5a、5b
の外周を覆う折り返し部3a、3bとされている。この
第1ベルトプライ3の折り返し部3a、3bの幅W2 は
25mm以上で60mm以下が好ましい。25mm未満
ではベルトプライ部の幅方向両端部における周方向の引
張り剛性の低下を充分に防止できないからであり、60
mmを超えるとベルトプライ部の幅方向両端部における
周方向の引張り剛性が不必要に大きくなり、また、折り
返し作業が困難なことによる。
は、補強プライ5a、5bの幅方向外端縁5a′、5
b′に沿って折り返されると共に補強プライ5a、5b
の外周を覆う折り返し部3a、3bとされている。この
第1ベルトプライ3の折り返し部3a、3bの幅W2 は
25mm以上で60mm以下が好ましい。25mm未満
ではベルトプライ部の幅方向両端部における周方向の引
張り剛性の低下を充分に防止できないからであり、60
mmを超えるとベルトプライ部の幅方向両端部における
周方向の引張り剛性が不必要に大きくなり、また、折り
返し作業が困難なことによる。
【0020】以下の表1に本発明の実施例と比較例のデ
ータを示す。
ータを示す。
【0021】
【表1】
【0022】上記実施例Aのラジアルタイヤのサイズは
205/60R15であり、第1ベルトプライ3を構成
するコードは引張り弾性率3.5×103 kg/mm2
のアラミドコードであってコード角度18°で2.5c
m当たり22本配列され、第2ベルトプライ4を構成す
るコードは引張り弾性率17.0×103 kg/mm2
のスチールコードであってコード角度20°で2.5c
m当たり19本配列されている。第2ベルトプライ4の
幅はトレッド幅と同一とされている。各補強プライ5
a、5bは熱収縮率6.5%、引張り弾性率0.9×1
03 kg/mm2の4本のナイロンコードをゴム引きし
て形成した4.2mm幅のリボンを螺旋状に4周巻付け
ることで形成されている。各補強プライ5a、5bの幅
W1 は19mmであり、第1ベルトプライ3の各折り返
し部3a、3bの幅W2 は30mmである。実施例Bの
タイヤは、第1ベルトプライとして引張弾性率が5.5
×103 kg/mm2 のアラミドコードを用いた以外は
実施例Aと同一の構成である。
205/60R15であり、第1ベルトプライ3を構成
するコードは引張り弾性率3.5×103 kg/mm2
のアラミドコードであってコード角度18°で2.5c
m当たり22本配列され、第2ベルトプライ4を構成す
るコードは引張り弾性率17.0×103 kg/mm2
のスチールコードであってコード角度20°で2.5c
m当たり19本配列されている。第2ベルトプライ4の
幅はトレッド幅と同一とされている。各補強プライ5
a、5bは熱収縮率6.5%、引張り弾性率0.9×1
03 kg/mm2の4本のナイロンコードをゴム引きし
て形成した4.2mm幅のリボンを螺旋状に4周巻付け
ることで形成されている。各補強プライ5a、5bの幅
W1 は19mmであり、第1ベルトプライ3の各折り返
し部3a、3bの幅W2 は30mmである。実施例Bの
タイヤは、第1ベルトプライとして引張弾性率が5.5
×103 kg/mm2 のアラミドコードを用いた以外は
実施例Aと同一の構成である。
【0023】比較例Cのラジアルタイヤは、第1ベルト
プライ3を構成するコードとして引張り弾性率2.5×
103 kg/mm2 の芳香族系共重合アミドのコードを
用いた以外は実施例Aのラジアルタイヤと同一の構成で
ある。
プライ3を構成するコードとして引張り弾性率2.5×
103 kg/mm2 の芳香族系共重合アミドのコードを
用いた以外は実施例Aのラジアルタイヤと同一の構成で
ある。
【0024】比較例Dのラジアルタイヤは、補強プライ
を備えていない以外は実施例Aのラジアルタイヤと同一
の構成である。
を備えていない以外は実施例Aのラジアルタイヤと同一
の構成である。
【0025】比較例Eのラジアルタイヤは、第1ベルト
プライと第2ベルトプライの双方がスチールコードをゴ
ム引きすることで形成され、補強プライおよび折り返し
部を備えていない。第1ベルトプライ及び第2ベルトプ
ライのスチールコードの引張り弾性率は17.0×10
3 kg/mm2 であって、コード角度は20°で、2.
5cmあたり17本配列され、他は実施例Aのラジアル
タイヤと同一の構成である。
プライと第2ベルトプライの双方がスチールコードをゴ
ム引きすることで形成され、補強プライおよび折り返し
部を備えていない。第1ベルトプライ及び第2ベルトプ
ライのスチールコードの引張り弾性率は17.0×10
3 kg/mm2 であって、コード角度は20°で、2.
5cmあたり17本配列され、他は実施例Aのラジアル
タイヤと同一の構成である。
【0026】上記表1におけるタイヤユニフォミティ
は、日本自動車技術会規格C607に準拠してラジアル
フォースバリエーション(RFV)を測定し、そのRF
Vの逆数を比較例Dのラジアルタイヤを100として指
示数表示した。指数が大きい程タイヤユニフォミティに
優れる。乗心地は、試料タイヤを装着した自動車を10
人が交替で運転し、10点満点で評価した平均値を比較
例Eを5として指数表示した。指数が大きい程乗心地が
良い。高速耐久性は、欧州経済委員会規則第30の付則
7で荷重/速度性能試験手順として定められた速度記号
Vのタイヤについての条件に準拠して行なったテストに
基づくものであり、規定の速度時間条件では故障の発生
は認められず合格したが、さらに10分毎に速度を10
km/hづつ増分して、故障するまでドラム走行を続
け、比較例Eの結果を指数100として指数表示した。
指数が大きい程高速耐久性に優れる。耐摩耗性は、10
000km走行した場合のトレッド模様の溝深さを測定
し、初期の溝深さとの差から摩耗量を計算し、比較例E
を100として指数表示した。指数が大きい程耐摩耗性
に優れる。
は、日本自動車技術会規格C607に準拠してラジアル
フォースバリエーション(RFV)を測定し、そのRF
Vの逆数を比較例Dのラジアルタイヤを100として指
示数表示した。指数が大きい程タイヤユニフォミティに
優れる。乗心地は、試料タイヤを装着した自動車を10
人が交替で運転し、10点満点で評価した平均値を比較
例Eを5として指数表示した。指数が大きい程乗心地が
良い。高速耐久性は、欧州経済委員会規則第30の付則
7で荷重/速度性能試験手順として定められた速度記号
Vのタイヤについての条件に準拠して行なったテストに
基づくものであり、規定の速度時間条件では故障の発生
は認められず合格したが、さらに10分毎に速度を10
km/hづつ増分して、故障するまでドラム走行を続
け、比較例Eの結果を指数100として指数表示した。
指数が大きい程高速耐久性に優れる。耐摩耗性は、10
000km走行した場合のトレッド模様の溝深さを測定
し、初期の溝深さとの差から摩耗量を計算し、比較例E
を100として指数表示した。指数が大きい程耐摩耗性
に優れる。
【0027】上記表1より、本発明の実施例のラジアル
タイヤによれば、タイヤユニフォミティ、乗心地、高速
耐久性、耐摩耗性のすべてが優れているのを確認でき
る。また、比較例Dのラジアルタイヤでは第1ベルトプ
ライのコードの引張り弾性率が低く、比較例Eのラジア
ルタイヤでは補強プライを備えていないため高速耐久
性、耐摩耗性に劣る。比較例Eのラジアルタイヤでは、
第1ベルトプライと第2ベルトプライの双方がスチール
コードをゴム引きすることで形成されているため、ベル
トプライ部の曲げ剛性が過大になって乗心地が低下して
いるのが認められる。
タイヤによれば、タイヤユニフォミティ、乗心地、高速
耐久性、耐摩耗性のすべてが優れているのを確認でき
る。また、比較例Dのラジアルタイヤでは第1ベルトプ
ライのコードの引張り弾性率が低く、比較例Eのラジア
ルタイヤでは補強プライを備えていないため高速耐久
性、耐摩耗性に劣る。比較例Eのラジアルタイヤでは、
第1ベルトプライと第2ベルトプライの双方がスチール
コードをゴム引きすることで形成されているため、ベル
トプライ部の曲げ剛性が過大になって乗心地が低下して
いるのが認められる。
【0028】
【発明の効果】本発明のラジアルタイヤによれば、第1
ベルトプライが有機繊維コードをゴム引きすることで形
成され、第2ベルトプライがスチールコードをゴム引き
することで形成されることにより、車両の乗心地を向上
できる。第2ベルトプライの幅方向両端部を覆う補強プ
ライにより覆い、この補強プライを第1ベルトプライの
折り返し部により覆うことで、耐摩耗性と高速耐久性を
向上することができる。第1ベルトプライの折り返し部
と第2ベルトプライとの間の隙間に補強プライが充填さ
れることになり、その間に空気が入り込むのを防止でき
る。補強プライが有機繊維コードをゴム引きして形成し
たリボンを第2ベルトプライの幅方向両端部に巻き付け
ることで形成され、この補強プライの幅方向外端縁に沿
って第1ベルトプライの幅方向両端部が折り返されるこ
とにより、タイヤユニフォミティを向上できる。
ベルトプライが有機繊維コードをゴム引きすることで形
成され、第2ベルトプライがスチールコードをゴム引き
することで形成されることにより、車両の乗心地を向上
できる。第2ベルトプライの幅方向両端部を覆う補強プ
ライにより覆い、この補強プライを第1ベルトプライの
折り返し部により覆うことで、耐摩耗性と高速耐久性を
向上することができる。第1ベルトプライの折り返し部
と第2ベルトプライとの間の隙間に補強プライが充填さ
れることになり、その間に空気が入り込むのを防止でき
る。補強プライが有機繊維コードをゴム引きして形成し
たリボンを第2ベルトプライの幅方向両端部に巻き付け
ることで形成され、この補強プライの幅方向外端縁に沿
って第1ベルトプライの幅方向両端部が折り返されるこ
とにより、タイヤユニフォミティを向上できる。
【図1】本発明の実施例のラジアルタイヤの構成を示す
斜視図
斜視図
【図2】ベルトプライの製法を示す説明図
【図3】ベルトプライ上の位置と周方向張力との関係を
示す図
示す図
2 カーカス 3 第1ベルトプライ 3a、3b 折り返し部 4 第2ベルトプライ 5a、5b 補強プライ
Claims (2)
- 【請求項1】 タイヤ円周方向に対してほぼ直角に多数
のコードを配列したラジアル構造のカーカスとトレッド
の間に、カーカスのクラウン部を取り囲むようにして配
設されたベルトプライを有するラジアルタイヤにおい
て、カーカスの外面に隣接してタイヤ円周方向に対して
10°〜30°のコード角で多数の有機繊維コードを配
列してなる第1ベルトプライと、その外側に反対方向に
傾斜するコード角10°〜30°で多数のスチールコー
ドを配列してなる第2ベルトプライを重合し、この第2
ベルトプライの幅方向端域表面に有機繊維コードの1本
または複数本を並列してゴム被覆したりリボンをタイヤ
回転軸方向にずらしながら螺旋状に巻回して形成された
補強プライを配置し、前記第1ベルトプライの端域を前
記第2ベルトプライの両端域と補強プライを芯にして包
み込むように折り返したことを特徴とする折り返しベル
トプライを有するラジアルタイヤ。 - 【請求項2】 第1ベルトプライの有機繊維コードの引
張弾性率が3.0×103 〜10.0×103 kg/m
m2 である請求項1記載の折り返しベルトプライを有す
るラジアルタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5128490A JPH06316202A (ja) | 1993-05-01 | 1993-05-01 | ラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5128490A JPH06316202A (ja) | 1993-05-01 | 1993-05-01 | ラジアルタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06316202A true JPH06316202A (ja) | 1994-11-15 |
Family
ID=14986043
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5128490A Withdrawn JPH06316202A (ja) | 1993-05-01 | 1993-05-01 | ラジアルタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06316202A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006213257A (ja) * | 2005-02-07 | 2006-08-17 | Bridgestone Corp | 空気入りタイヤ |
CN110023103A (zh) * | 2016-11-30 | 2019-07-16 | 株式会社普利司通 | 橡胶-帘线复合体、轮胎用增强构件和使用其的轮胎 |
-
1993
- 1993-05-01 JP JP5128490A patent/JPH06316202A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006213257A (ja) * | 2005-02-07 | 2006-08-17 | Bridgestone Corp | 空気入りタイヤ |
JP4656961B2 (ja) * | 2005-02-07 | 2011-03-23 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
CN110023103A (zh) * | 2016-11-30 | 2019-07-16 | 株式会社普利司通 | 橡胶-帘线复合体、轮胎用增强构件和使用其的轮胎 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6082423A (en) | Low cost light weight radial tire | |
US4702293A (en) | Heavy-duty low-section pneumatic radial tire | |
EP1209009B1 (en) | Pneumatic tire | |
US20050126673A1 (en) | Pneumatic tire | |
EP0329593A1 (en) | Cables and tires reinforced by said cables | |
EP0204237B1 (en) | Pneumatic radial passenger-car tire | |
EP0542567B1 (en) | Pneumatic tyre | |
WO1998056600A1 (en) | Light weight aramid belted radial tire | |
WO2007132680A1 (ja) | 空気入りタイヤおよびそれの製造方法 | |
US4815514A (en) | Belted tire | |
JP3083862B2 (ja) | 二輪車用空気入りタイヤ | |
US5178703A (en) | Breaker with wound band | |
CA1105818A (en) | Tire carcass structure | |
US4216813A (en) | Radial tire with a belt structure of different reinforcement cords | |
JP3837219B2 (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
US20100180999A1 (en) | Pair Of Pneumatic Tires For Two-Wheeled Vehicles | |
EP0629518A1 (en) | Pneumatic radial tire | |
EP0412776A2 (en) | Pneumatic radial tyre | |
JPH06316202A (ja) | ラジアルタイヤ | |
EP0401444A2 (en) | Pneumatic radial tire | |
JPS63125406A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2003237312A (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
JP2574152B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP3138755B2 (ja) | ラジアルタイヤの製造法 | |
CA1209022A (en) | Heavy duty low-section pneumatic radial tire and a process for manufacturing the same |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000704 |