JPH06316069A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JPH06316069A
JPH06316069A JP10693193A JP10693193A JPH06316069A JP H06316069 A JPH06316069 A JP H06316069A JP 10693193 A JP10693193 A JP 10693193A JP 10693193 A JP10693193 A JP 10693193A JP H06316069 A JPH06316069 A JP H06316069A
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JP
Japan
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ink
crystal
pressure chamber
jet head
orifice
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Pending
Application number
JP10693193A
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English (en)
Inventor
Shinichi Yotsuya
真一 四谷
Mitsuaki Atobe
光朗 跡部
Yoshio Maeda
佳男 前田
Shinichi Kamisuke
真一 紙透
Shuji Koeda
周史 小枝
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高精細な印字品質を要求されるインクジェッ
トプリンターの印字ヘッド提供する。 【構成】 (110)面方位のSiウェハーに、35度
の傾きを持った(111)結晶面111からなる2つの
側壁で構成されたV字形溝か、もしくは45度の傾きを
持った(100)結晶面からなる2つの側壁で構成され
たV字形溝のインクノズル10あるいはオリフィス30
と、垂直な(111)結晶面111で形成されているイ
ンク圧力室20を持つ。 【効果】 V溝形状のインクノズル及びオリフィスを簡
単に精度良く形成する事ができ、またインク圧力室の間
隔を狭める事ができるために、非常に高密度なインクジ
ェットヘッドを容易に歩留まり良く製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェットプリンタ
ー用印字ヘッドの製造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェットプリンター用印字
ヘッドは高精細印字の要求により、精密微細加工と複雑
な所望形状が要求されるようになり、様々な製造方法が
開発されている。
【0003】そこで、KURT E.PETERSEN らがIEEE-Tran
s.Elect.Dev.,Vol.ED-26,No.12,Deceーmber,1979,PP.191
8ー1920 にて、記しているように(110)面方位のS
iウェハーを用いたインクジェットヘッドの製造が提案
されている。これは(110)面方位のSiウェハーは
結晶軸が<211>軸に沿って直線のパターンを形成
し、湿式結晶異方性エッチングを行うとウェハー表面に
対して垂直に(111)結晶面が出現するために、非常
に高いアスペクト比のインクノズルおよびインク圧力室
等の溝が形成できるため、ノズル間ピッチを容易に狭め
られ、高いインクドット密度のインクジェットヘッドの
製造ができるという発想に基づいている。
【0004】さらに、この提案ではインクノズルあるい
はオリフィスはSi等方性エッチング技術により形成す
る事をも提案している。
【0005】この提案は、(110)面方位のSiウェ
ハーの湿式結晶異方性エッチングでは、エッチング底面
の凹凸が非常に大きく、インクノズルあるいはオリフィ
スの寸法精度は低下させ、また気泡が停滞する原因とな
り、インクが飛ばなくなるなどの問題点を解決するため
に提出されたものであり、この提案により高密度なイン
クジェットヘッドを製造できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、湿
式等方性エッチングによりインクノズル及びオリフィス
を形成するために、複数のインクノズル及びオリフィス
を形成しようとすると寸法に大きなばらつきが生じ、非
常に歩留まりが悪い。
【0007】また、Siの等方性エッチング液は揮発性
の高いふっ酸と硝酸を主成分としているためにエッチン
グ液の組成が変動しやすく、そのことによるエッチング
諸特性も変動するために、エッチング形状も大きくばら
つく事が多かった。
【0008】そのため、実際に(110)面方位のSi
ウェハーを用いたインクジェットヘッドは量産実用化さ
れていない。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のインクジェットヘッドは、複数ノズルと、
該ノズル孔の各々に連通する複数の独立のインク加圧室
と、該インク加圧室と連通してインクを供給するオリフ
ィスと、該オリフィスに連通するインクだめを有するイ
ンクジェットヘッドにおいて、(110)面方位のSi
基板上に存在する該ノズルまたは該オリフィスが、基板
表面に対して35度の傾きを持った(111)結晶面か
らなる2つの側壁で構成されたV字形溝である事を特徴
とする。
【0010】また、(110)面方位のSi基板上に存
在する該ノズルまたは該オリフィスが、基板表面に対し
て45度の傾きを持った(100)結晶面からなる2つ
の側壁で構成されたV字形溝である事を特徴とする。
【0011】さらにインク圧力室を構成する壁の少なく
とも2面が、基板表面に対して垂直な(111)結晶面
で形成することを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明の作用について説明する。図3は本発明
の一実施例によるウェハー表面に対して35度の傾きを
持った(111)結晶面からなる2つの側壁で構成され
たインクノズルを形成する原理を模式的に示した図であ
る。
【0013】(110)面方位のウェハーに、フォトリ
ソグラフィにより<110>方向に沿って図3(a)に
示すような細い溝のインクノズルのマスクパターン11
を形成し、湿式結晶異方性エッチングする。
【0014】すると図3(b)のように35度の傾きを
持った(111)結晶面111がマスクパターンから出
現し、V溝を形成した後はエッチングによる形状変形は
ほとんど進まず、寸法もほとんど変化しない。
【0015】図3(c)は湿式結晶異方性エッチング後
のインクノズルの断面図で、(b)図においてA−A線
において切断した切断面で表示している。このV溝形状
の溝の深さはインクノズルマスクパターンの幅により決
定する。
【0016】また、Siの湿式結晶異方性エッチングの
基礎的な研究により、(100)結晶面もまたエッチン
グにより出現する事が知られており、この(100)結
晶面はウェハー表面に対し45度の傾きで現れる。
【0017】この結晶面を利用して(100)結晶面で
構成されたV溝形状を形成する方法の原理を図4に示
す。
【0018】まず、(a)図のように<100>結晶方
向に沿って細い溝のインクノズルマスクパターン11を
形成し、湿式異方性エッチングを行う。
【0019】すると(b)図のように45度の傾きを持
った(100)結晶面100がマスクパターンから出現
し、V溝を形成することができる。
【0020】図4(c)は(b)図においてA−A線に
おいて切断したインクノズルの断面図である。このV溝
形状の溝の深さはインクノズルマスクパターンの幅と
(100)結晶面のアンダーカットにより決定する。
【0021】ここで(100)結晶面のアンダーカット
は比較的小さく、一定の値でアンダーカットして行くの
で寸法の予想が極めて正確に出来る。
【0022】このことより、寸法精度の高いV溝形状を
作り出す事が出来る。
【0023】以上の原理により、非常に高い寸法精度で
インクノズルおよびオリフィスを容易に大量に製造する
事が出来る。
【0024】
【実施例】以下、本発明について、実施例に基づき詳細
を説明する。
【0025】(実施例1)図1は本発明における第1の
実施例を示すインクジェットヘッドの断面斜視図であ
る。この図に従って、本実施例のインクジェットヘッド
の構造を説明する。
【0026】インクノズル10は35度の傾きを持った
平滑な(111)結晶面111で構成されたV溝形状を
有しているため、気泡の排出性も良く、インクの淀みな
ども生じない。
【0027】インク圧力室20はインクノズル10に連
通している。ただし、インク圧力室20はウェハー表面
に対して垂直な(111)面111で構成されているた
め、インクノズル10及びオリフィス30に対して5
4.7度曲がってとりつけられている。
【0028】図2(a)は図1の本実施例のインクジェ
ットヘッドから振動板150、圧電素子200、インク
チューブ300を取り去り、Si基板のみにした状態
で、上から見た図である。また図2(b)は(a)図の
A−B線に沿って、切りとった断面図を示している。
【0029】図2(a)ではインクノズル10とインク
圧力室20とオリフィス30とが互いにクランクのよう
な形状で配置されている。
【0030】しかし、このような形状をしたインクジェ
ットヘッドでも流路抵抗を決定する各部分の寸法精度が
非常に良く、また、滑らかな結晶面で構成されているた
め、通常のインクノズル10、インク圧力室20、オリ
フィス30が一直線上に連通し配置されているインクジ
ェットヘッドと比べインク吐出特性になんら問題はな
い。それよりも、図2(b)に示されるようにインク圧
力室20はウェハー表面に対して垂直な(111)結晶
面111によって、となり合うインク圧力室20を仕切
る事が出来るためにインク圧力室20の間隔を非常に狭
める事が出来る。このことは、本実施例によりインクジ
ェットヘッドの高密度化を非常に簡単に行える事を示し
ている。すなわち、(111)結晶面は他の結晶面に比
べてエッチング速度が極端に遅いためにインク圧力室を
仕切る壁を(111)結晶面にすると、例えば壁の幅5
ミクロン、壁の高さ300ミクロンといった非常に高い
アスペクト比の壁を高い寸法精度で形成する事が出来、
インク圧力室20の間隔を極端に狭める事が出来るた
め、結果的にインクノズルの間隔も同様に狭める事がで
きるからである。
【0031】また、インク圧力室20とインクノズル1
0は35度の傾きを持った(111)結晶面111によ
って連通しているため、気泡の排出性も良い。このこと
はインク圧力室20とのオリフィス30の接続部も同様
である。
【0032】オリフィス30はインクだまり40に連通
している。インクだまりは、その周囲をウェハー表面に
対して45度の傾きを持った(100)結晶面100と
35度の傾きを持った(111)面111によって形成
されている。
【0033】そのため、非常に平滑で、気泡のよどみや
引っかかりがなく気泡の排出性も良くなる。
【0034】このような構造を持ったインクジェットヘ
ッドは、図1に示すようにほう珪酸ガラスの振動板15
0を陽極接合法により接着剤を使わずに接合されてい
る。
【0035】その振動板150の上のインク圧力室の位
置に圧電素子200が接着されている。
【0036】その圧電素子200は駆動するために、図
1には記載されていないが配線されている。
【0037】また、インクチューブ300をインクジェ
ットへッドに接続し、そこからインクを供給する。
【0038】以上、本実施例のインクジェットヘッドの
構造について説明してきたが、実際に製造し印字してみ
ると、ドット抜けのない非常にきれいな文字を印刷する
事が出来た。さらに、気泡の排出性についても調べたが
良好であった。
【0039】次に、本実施例のインクジェットヘッドの
製造方法について説明する。
【0040】図5は本実施例におけるインクジェットヘ
ッドの製造工程を説明する断面図である。この断面図は
一対の連通するインクノズル10、インク圧力室20、
オリフィス30、インクだまりに沿って切断された断面
図である事をあらかじめ断っておく。
【0041】まず、図5(a)のように(110)面方
位のSiウェハー50を熱酸化し、ウェハー表面に耐エ
ッチングマスク材とする酸化シリコン膜51を形成す
る。本実施例では耐エッチングマスク材には酸化シリコ
ン膜を使用するが、窒化シリコン膜、炭化シリコン膜、
金属膜等、Siアルカリエッチング液等に耐えられる膜
なら何でも良く、酸化シリコン膜に限定されるものでは
ない。
【0042】次に、前記Siウェハー50にレジストを
スピンコート法により塗布し、ウェハー表面の所定の場
所にインクノズル10あるいはオリフィス30になるべ
きレジストマスクパターンを<110>結晶方向に沿っ
てフォトリソグラフィ技術を用いて形成した後、緩衝フ
ッ酸溶液により、酸化シリコン膜をエッチングし、レジ
ストを除去すると、図5(b)のようにインクノズルマ
スクパターン11及びオリフィスマスクパターン31が
形成される。
【0043】この後、Si湿式結晶異方性エッチング液
により35度の斜面の(111)結晶面でV溝形状のイ
ンクノズル10及びオリフィス30を図5(c)に示す
ように形成する。
【0044】この時、(111)結晶面は他の結晶面に
比べて極端にエッチング速度が遅いために(111)結
晶面で構成されたV溝形状が形成された後、ほとんど形
状や寸法の変化が起こらない。従ってエッチングは厳密
な条件管理をしなくとも良好な寸法精度が実現できるた
め、V溝形状が形成でき次第この工程を終了すれば良
い。
【0045】次に、前記Siウェハーにレジストをスピ
ンコート法により塗布し、ウェハー表面の所定の場所に
インク圧力室20あるいはインクだまり40になるべき
レジストマスクパターンをフォトリソグラフィ技術を用
いて形成する。
【0046】この時、インク圧力室20のレジストマス
クパターンは<211>結晶方向と<110>結晶方向
に沿った平行四辺形である。
【0047】また、インクだまりのレジストマスクパタ
ーンは<110>結晶方向と<100>結晶方向に沿っ
た長方形にした。
【0048】さらに、緩衝フッ酸溶液により、酸化シリ
コン膜をエッチングし、レジストを除去すると、図5
(d)のようにインク圧力室マスクパターン21及びイ
ンクだまりマスクパターン41が形成される。
【0049】そして、Si湿式結晶異方性エッチング液
により所定深さまでエッチングしてインクキャビテイ2
0及びインクだまり40を図5(e)に示すように形成
する。
【0050】それから、振動板150となるべきほう珪
酸ガラスを陽極接合し、ダイシングにより切断する。
【0051】最後に、図5(f)のように圧電素子20
0を所定の部分に接着し配線を施し、インクを供給する
ためのインクチューブ300を接続してインクジェット
ヘッドが完成する。
【0052】さて、図5(f)において完成したインク
ジェットヘッドの圧電素子200に実際に7キロヘルツ
の駆動周波数の印字信号を与えて、印字してみると、非
常に精細な印字を行うことができた。なお、本実施例で
製造したインクジェットヘッドのインクノズル間ピッチ
は140ミクロンであり、これは、1インチ当たり18
0ドットの印字密度で印字することができる。
【0053】また、インクノズルの寸法のばらつきはレ
ンジで1.5ミクロンであり、インクノズル10寸法ば
らつきによるインク吐出ばらつきもほとんどなかった。
【0054】このように、本実施例のインクジェットヘ
ッドは厳密かつ特殊な生産管理技術を必要としなくても
容易に、寸法精度が高く、また歩留まりが良く製造する
事が出来る。
【0055】(実施例2)実施例2では、インクノズル
10とオリフィス30がウェハー表面に対して45度の
傾きを持った(100)結晶面で構成されたV溝で形成
されている本発明のインクジェットヘッドについて詳し
く説明する。
【0056】図6は本実施例におけるインクジェットヘ
ッドの断面斜視図である。この図に従って、本実施例の
インクジェットヘッドの構造を説明する。
【0057】インクノズル10は45度の傾きを持った
平滑な(100)結晶面100で構成されたV溝形状を
有しているため、気泡の排出性も良く、インクの淀みな
ども生じない。
【0058】インク圧力室20はインクノズル10に連
通している。ただし、インク圧力室20はウェハー表面
に対して垂直な(111)面111で構成されているた
め、インクノズル10及びオリフィス30に対して3
5.3度曲がってとりつけられている。
【0059】図7(a)は図6のインクジェットヘッド
から振動板150、圧電素子200、インクチューブ3
00を取り去り、Si基板のみにした状態で、上から見
た図である。また図7(b)は(a)図のA−B線に沿
って、切りとった断面を示している。
【0060】図7(a)ではインクノズル10とインク
圧力室20とオリフィス30とが互いにクランクのよう
な形状で配置されている。
【0061】しかし、このような形状をしたインクジェ
ットヘッドでも流路抵抗を決定する各部分の寸法精度が
非常に良く、また、滑らかな結晶面で構成されているた
め、通常のインクノズル10、インク圧力室20、オリ
フィス30が一直線上に連通し配置されているインクジ
ェットヘッドと比べインク吐出特性になんら問題はな
い。それよりも、図7(b)に示されるようにインク圧
力室20はウェハー表面に対して垂直な(111)結晶
面111によって、となり合うインク圧力室20を仕切
る事が出来るためにインク圧力室20の間隔を非常に狭
める事が出来る。このことは、本実施例によりインクジ
ェットヘッドの高密度化を非常に簡単に行える事を示し
ている。すなわち、(111)結晶面111は他の結晶
面に比べてエッチング速度が極端に遅いためにインク圧
力室を仕切る壁を(111)結晶面111にすると、例
えば壁の幅5ミクロン、壁の高さ300ミクロンといっ
た非常に高いアスペクト比の壁を高い寸法精度で形成す
る事が出来、インク圧力室20の間隔を極端に狭める事
が出来るため、結果的にインクノズルの間隔も同様に狭
める事ができるからである。
【0062】また、インク圧力室20とインクノズル1
0は平滑な(111)結晶面111と平滑な(100)
結晶面100によって連通しているため、気泡の排出性
も良い。このことはインク圧力室20とのオリフィス3
0の接続部も同様である。
【0063】オリフィス30はインクだまり40に連通
している。インクだまりは、その周囲をウェハー表面に
対して45度の傾きを持った(100)結晶面100と
35度の傾きを持った(111)面111によって形成
されている。
【0064】そのため、非常に平滑で、気泡のよどみや
引っかかりがなく気泡の排出性も良くなる。
【0065】図6に示すこのような構造を持ったインク
ジェットヘッドは、ほう珪酸ガラスの振動板150を陽
極接合法により接着剤を使わずに接合されている。
【0066】その振動板150の上のインク圧力室の位
置に圧電素子200が接着されている。
【0067】その圧電素子200は駆動するために、図
6には記載されていないが配線されている。
【0068】また、インクチューブ300をインクジェ
ットへッドに接続し、そこからインクを供給する。
【0069】以上、本実施例のインクジェットヘッドの
構造について説明してきたが、実際に製造し、印字して
みるとドット抜けのない非常にきれいな文字を印刷する
事が出来た。さらに、気泡の排出性についても調べたが
良好であった。
【0070】次に本実施例のインクジェットヘッドの製
造方法ついて詳しく説明する。
【0071】図8は本実施例におけるインクジェットヘ
ッドの製造工程を説明する断面図である。この断面図は
一対の連通するインクノズル10、インク圧力室20、
オリフィス30、インクだまりに沿って切断された断面
図である事をあらかじめ断っておく。
【0072】まず、図8(a)のように(110)面方
位のSiウェハー50を熱酸化し、ウェハー表面に耐エ
ッチングマスク材とする酸化シリコン膜51を形成す
る。本実施例では耐エッチングマスク材には酸化シリコ
ン膜を使用するが、窒化シリコン膜、炭化シリコン膜、
金属膜等、Siアルカリエッチング液等に耐えられる膜
なら何でも良く、酸化シリコン膜に限定されるものでは
ない。
【0073】次に、前記Siウェハー50にレジストを
スピンコート法により塗布し、ウェハー表面の所定の場
所にインクノズル10あるいはオリフィス30になるべ
きレジストマスクパターンを<110>結晶方向に沿っ
てフォトリソグラフィ技術を用いて形成した後、緩衝フ
ッ酸溶液により、酸化シリコン膜をエッチングし、レジ
ストを除去すると、図8(b)のようにインクノズルマ
スクパターン11及びオリフィスマスクパターン31が
形成される。
【0074】この後、Si湿式結晶異方性エッチング液
により45度の斜面の(100)結晶面でV溝形状のイ
ンクノズル10及びオリフィス30を図8(c)に示す
ように形成する。
【0075】そして、一度このSiウェハーの酸化シリ
コン膜を緩衝ふっ酸溶液で除去した後、熱酸化により酸
化シリコン膜を図8(d)のように形成する。
【0076】次に、前記Siウェハーにレジストをスピ
ンコート法により塗布し、ウェハー表面の所定の場所に
インク圧力室20あるいはインクだまり40になるべき
レジストマスクパターンをフォトリソグラフィ技術を用
いて形成する。
【0077】この時、インク圧力室20のレジストマス
クパターンは<211>結晶方向と<110>結晶方向
に沿った平行四辺形である。
【0078】また、インクだまりのレジストマスクパタ
ーンは<110>結晶方向と<100>結晶方向に沿っ
た長方形にした。
【0079】さらに、緩衝フッ酸溶液により、酸化シリ
コン膜をエッチングし、レジストを除去すると、図8
(e)のようにインク圧力室マスクパターン21及びイ
ンクだまりマスクパターン41が形成される。
【0080】そして、Si湿式結晶異方性エッチング液
により所定深さまでエッチングしてインクキャビテイ2
0及びインクだまり40を図8(f)のように形成す
る。
【0081】それから、振動板150となるべきほう珪
酸ガラスを陽極接合し、ダイシングにより切断する。
【0082】最後に、図8(g)に示すように圧電素子
200を所定の部分に接着し配線を施し、インクを供給
するためのインクチューブ300を接続してインクジェ
ットヘッドが完成する。
【0083】さて、完成したインクジェットヘッドの圧
電素子200に実際に7キロヘルツの駆動周波数の印字
信号を与えて、印字してみると、非常に精細な印字を行
うことができた。なお、本実施例で製造したインクジェ
ットヘッドのインクノズル間ピッチは70ミクロンであ
り、これは、1インチ当たり360ドットの印字密度で
印字することができる。
【0084】また、インクノズルの寸法のばらつきはレ
ンジで2.5ミクロンであり、インクノズル10寸法ば
らつきによるインク吐出ばらつきもほとんどなかった。
【0085】このように、本実施例のインクジェットヘ
ッドは厳密かつ特殊な生産管理技術を必要としなくても
容易に、寸法精度が高く、歩留まり良く製造する事が出
来る。
【0086】以上の実施例では、圧電素子を用いてイン
クを吐出させる方法を用いて説明してきたが、本発明は
これに限定されるものではない。従って、静電引力およ
び反発力でインク圧力室20の一部を変形させてインク
を吐出させても、インク圧力室20内部にヒーターを形
成し、これでインクを直接加熱してインクを沸騰させて
急激な体積変化を生じさせてインクを吐出させても良
い。
【0087】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明は次のよう
な効果を有する。
【0088】(1)本発明のインクジェットヘッドは厳
密かつ特殊な生産管理技術を必要としなくても容易製造
できる。また各部の寸法ばらつきがほとんどないのでイ
ンクノズルごとにインク吐出のばらつきが生じる事もな
いため、歩留まりが良く製造する事が出来る。
【0089】(2)本発明のインクジェットヘッドは容
易に360DPIの印字密度を寸法精度および歩留まり
良く製造する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるインクジェットヘッ
ドの構造を示す断面斜視図である。
【図2】本発明の実施例1におけるインクジェットヘッ
ドのSi基板部を説明する上面図および断面図である。
【図3】本発明の実施例1におけるインクジェットヘッ
ドのインクノズルの製造原理を示す斜視図および断面図
である。
【図4】本発明の実施例2におけるインクジェットヘッ
ドのインクノズルの製造原理を示す斜視図および断面図
である。
【図5】本発明の実施例1におけるインクジェットヘッ
ドの製造工程を示す断面図である。
【図6】本発明の実施例2におけるインクジェットヘッ
ドの構造を示す断面斜視図である。
【図7】本発明の実施例2におけるインクジェットヘッ
ドのSi基板部を説明する上面図および断面図である。
【図8】本発明の実施例2におけるインクジェットヘッ
ドの製造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
10 インクノズル 11 インクノズルマスクパターン 20 インク圧力室 21 インク圧力室マスクパターン 30 オリフィス 31 オリフィスマスクパターン 40 インクだまり 41 インクだまりマスクパターン 50 Siウェハー 51 酸化シリコン膜 100 (100)結晶面 111 (111)結晶面 150 振動板 200 圧電素子 300 インクチューブ
フロントページの続き (72)発明者 紙透 真一 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 小枝 周史 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のインクノズルと、該インクノズル
    に連通する複数の独立のインク圧力室と、該インク圧力
    室と連通してインクを供給するオリフィスと、該オリフ
    ィスに連通するインクだめを有するインクジェットヘッ
    ドにおいて、 (110)面方位のSi基板上に存在する該インクノズ
    ルまたは該オリフィスが、基板表面に対して35度の傾
    きを持った(111)結晶面からなる壁で構成されたV
    字形溝である事を特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 複数のインクノズルと、該インクノズル
    に連通する複数の独立のインク圧力室と、該インク圧力
    室と連通してインクを供給するオリフィスと、該オリフ
    ィスに連通するインクだめを有するインクジェットヘッ
    ドにおいて、 (110)面方位のSi基板上に存在する該インクノズ
    ルまたは該オリフィスが、基板表面に対して45度の傾
    きを持った(100)結晶面からなる壁で構成されたV
    字形溝である事を特徴とするインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記インクジェットヘッドのインク圧力
    室を構成する壁の少なくとも2面が、基板表面に対して
    垂直な(111)結晶面である事を特徴とする請求項1
    または請求項2記載のインクジェットヘッド。
JP10693193A 1993-05-07 1993-05-07 インクジェットヘッド Pending JPH06316069A (ja)

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