JPH0631203A - ダクト型電気集じん装置 - Google Patents

ダクト型電気集じん装置

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JPH0631203A
JPH0631203A JP19235692A JP19235692A JPH0631203A JP H0631203 A JPH0631203 A JP H0631203A JP 19235692 A JP19235692 A JP 19235692A JP 19235692 A JP19235692 A JP 19235692A JP H0631203 A JPH0631203 A JP H0631203A
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真之 永田
Hideyuki Maejima
秀行 前島
Hiroyuki Katayama
博幸 片山
Akihiko Marumoto
明比古 丸本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、放電極の両端の固定位置を最短に
しつつ、口体の内面部分から集じん部へ向う液滴の飛散
が防げるダクト型電気集じん装置を提供する。 【構成】放電極5を支持する支持梁7が通る接続ダクト
12のうち、少なくとも集じん部6の上方の接続ダクト
12の内面に、同内面の下側部分へ落下する液滴を受け
るように多孔質の液滴飛散防止体23を設けた。これに
より、接続ダクト12の開口空間を落下する大粒径の液
滴は、接続ダクト12の下側の内面部分に至る際、多孔
質の液滴飛散防止体23と衝突して、同多孔質中に液分
が吸収され、同部分から集じん部6への再飛散はなくな
る。そして、吸収された液が液滴飛散防止体25からダ
クト21の内面に流下する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、反応処理を行う反応
塔に設けられる電気集じん装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ボイラにおいて重油や石炭等の燃料を燃
焼させると、燃料中の硫黄分が酸化して「SOx (SO
2 およびSO3 )が発生し、そのうちのSO2 ガスにつ
いては、排煙脱硫装置におけるガスの冷却過程に於いて
液化し、極めて微細なSO3 ミスト(硫酸ミスト)にな
るため、排煙脱硫装置においてはほとんど除去されない
ので、そのまま吸収塔の煙突から外気に排出されると紫
煙となってたなびく。
【0003】近年、排煙脱硫装置の普及に伴って、SO
x 総量の規制値は満足される場合は多いが、SO3 ミス
トによる紫煙が「目視公害」として、新たに世人の関心
を高めていることは周知の通りである。
【0004】この紫煙を目視不可の状態にまで消去する
には、煙突の入口におけるばいじん濃度を、微細なSO
3 ミストを含めて「10mg/m3 N」もしくはそれ以下の
非常に低いレベルに抑える必要があり、その目的のため
に、煙道の上流側に円筒状の湿式電気集じん装置を設け
ることが行われている。従来、こうした湿式電気集じん
装置には、図3に示されるような構造が採用されてい
る。
【0005】この湿式電気集じん装置1について説明す
れば、1は煙道ガスダクト2の垂直部分に設けた円筒型
の本体である。本体1は、一対のテ−パダクト3,3を
介して、煙道ガスダクト2より大ききな外形となる、円
筒形のダクト4を設けて構成される。そして、本体1に
て、煙道ガスダクト2を流れる「10〜15m/s」と
いった煙道ガスA(処理ガス)のガス流速を、所定のガ
ス流速、例えば「2m/s程度」になるようにしてい
る。本体1は、上側が入口で、下側が出口となってい
て、上下方向に沿って煙道ガスAが流通するようになっ
ている。このダクト2内には、各々の内面を集じん極と
した複数の小ダクト、小ダクトの各中心に設けた棒状の
放電極5で構成される集じん部6が設けられている。こ
れら放電極5は、集じん極の上方および下方に配置した
支持梁7,7に取付金具8を介して固定されている。
【0006】この支持梁7、7が、支持碍子9を介し
て、ダクト4の外側に設けた碍子室10から荷電管11
により吊り下げられ、支持梁7をダクト4や集じん極と
電気的に絶縁してある。
【0007】こうした絶縁支持構造には、上下の各支持
梁7,7の位置と対応するダクト4の周壁部に接続ダク
ト12(口体に相当)を連通接続し、この接続ダクト1
2の先端部に上記碍子室10を設け、この接続ダクト1
2内に上記支持梁7の端部を挿入し、上記碍子室10か
ら接続ダクト10に向って延びる荷電管11で、接続ダ
クト12の内面から離間するよう、支持梁7の端部を吊
持して、接続ダクト12と支持梁7との間に絶縁空間1
3を形成している(絶縁支持する手段)。なお、14は
入口側のテ−パダクト3内に、ガス流に対して横断する
方向に並設された複数、例えば3枚の整流板(多孔板よ
りなる)である。
【0008】そして、荷電管11には、貫通碍子15を
介して、碍子室10の外部に設置した高圧電源供給装置
16が接続されていて、高圧電源供給装置16から貫通
碍子15を経て荷電管11に高電圧を印加することによ
り、集じん極と放電極とからなる電極空間を高電界にす
るとともに、同電極空間に大きなコロナ電流を供給し
て、ダクト4内を流れる煙道ガス中に含まれるダストや
ミストを集じんするようしている。
【0009】また集じん部6の上方には、下向きに噴射
方向を定めた噴霧ノズル17aが付いた洗浄液ライン1
7が設けられていて、集じん極へ常時又は間欠的に洗浄
液を供給することができるようにしている。これによ
り、集じん極上に集められたダストやミストを下方へ洗
い流すようにしてある。
【0010】集じん極の下方には、ホッパ(図示しな
い)が設けられていて、洗い流したダクト、ミストを洗
浄液を排液として、系外に排出した後、排水処理設備へ
導かれるようにしてある。
【0011】こうした湿式電気集じん装置において、洗
浄液の噴霧により集じん極を洗浄したとき、煙道ガスA
中に含まれるキャリオ−バミストや噴霧洗浄水の一部
は、集じん部6の上方のダクト部分の内面に付着し、壁
に沿って流下する。
【0012】ところで、接続ダクト12が取付けられて
いる箇所では、壁に開口部が生じているため、この開口
部の上方より流下してきた液滴ないし液膜は、同開口部
分において一度、壁より剥がれ、液滴となって開口空間
を自由落下しようとする。
【0013】ところが、この接続ダクト12の開口部に
は放電極5の支持梁7が通っているために、落下した液
滴の一部は支持梁7上で結合成長して、再び飛散する。
すると、その際、成長して粒径が大きくなった液滴のさ
らに一部は、接続ダクト12のダクト接続部近傍に落下
し、さらに接続ダクト12の下側の内面部分に落下した
大粒径の液滴が、再び飛散して大粒径のままで、外側に
至る、すなわちダクト4の周壁近傍の小ダクトに導かれ
てしまうことがある。
【0014】このようなことが生じると、この部分の小
ダクトにおいて火花頻発現象を起こして、所定の電流お
よび電圧を保持できなくなり、湿式電気集じん装置にお
いて性能劣化が生じてしまう。
【0015】この火花頻発現象によるダクト型の湿式電
気集じん装置の性能劣化を防ぐためには、接続ダクト1
2の下側の内面部分から小ダクトへ向う、大粒径の液滴
の直接な再飛散を無くすことが必要となる。
【0016】その対策として、従来では、図3に示され
るようにダクト側の取付部となる接続ダクト4の基部を
拡大管部分とし、この拡大管部分の下側の内面部分に傾
斜部18を形成して、小ダクト側へ導かれることなく、
再びダクト4の内面に沿って液が流れるようにしてい
た。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところが、こうした傾
斜部18を設ける構造は、接続ダクト12を拡大する分
だけ、接続ダクト12のダクト4に対する取付スペ−ス
が大きくなり、接続ダクト12内を通る支持梁7の位置
が集じん部6に対して離れる傾向にある。このため、放
電極5の長さが、その分、長くなり、放電極9の両端の
固定位置が離れてしまうこととなる。
【0018】小空間化(ナロウスペイシング)および電
極の取付精度が要求されるダクト型の湿式電気集じん装
置において、こうした放電極9のスパンSが広がること
は、製作の困難性が増すので、結果的に集じん部6の短
縮、すなわち集じん電極の限界長さの短縮を余儀なくさ
れたり、性能劣化を招く原因となっている。
【0019】この発明は、このような事情に着目してな
されたもので、その目的とするところは、放電極の両端
の固定位置を最短にしつつ、口体の内面部分から集じん
部へ向う液滴の飛散を防ぐことができるダクト型電気集
じん装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載のダクト型電気集じん装置は、放電極
を支持する支持梁が通る口体のうち、少なくとも集じん
部の上方の支持梁が挿入される口体の内面に、同口体の
内面へ落下する液滴の飛散を防ぐ多孔質の液滴飛散防止
体を設けた。
【0021】請求項2に記載のダクト型電気集じん装置
によると、十分な液滴の飛散防止効果を得るために、多
孔質の液滴飛散防止体は、複数枚の金網を重ねて構成さ
れるものとした。
【0022】
【作用】請求項1に記載のダクト型電気集じん装置によ
ると、口体の開口空間を落下する大粒径の液滴は、口体
の下側の内面部分に至る際、多孔質の液滴飛散防止体に
衝突して、同多孔質中に液分が吸収される。すると、同
部分から、さらに大粒径の液滴として集じん部へには再
飛散しなくなり、吸収された液が液滴飛散防止体からダ
クトの内面を流下することになる。これにより、口体の
基部を極力、集じん部に近付けて取付けつつ、集じん部
における火花頻発現象が抑制されることになる。請求項
2に記載のダクト型電気集じん装置によると、実験の結
果、請求項1で述べた作用が十分に確認された。
【0023】
【実施例】以下、この発明を図1および図2に示す一実
施例にもとづいて説明する。なお、図面において、先の
「従来の技術」の項で述べた電気集じん装置と同じ部分
には同一符号を付してその説明を省略し、この項では異
なる部位(発明の要部)について説明することにする。
【0024】すなわち、本実施例によると、煙道ガスダ
クト2は、高速のガス流速(例えば4〜10m/s、本
実施例では8m/sで流れるようにしてある)で、煙道
ガスAが流れるような大型の断面四角形(矩形又は正四
角形)のダクトを用いている。
【0025】この煙道ガスダクト1に取付けたダクト型
の湿式電気集じん装置(以下、EPと称す)20の本体
となるダクト21には、煙道ガスダクト2の外形と同
じ、大型の断面四角形(矩形又は正四角形)のダクトが
用いられている。またダクト21内に設けた集じん部6
には、つぎのような構造が用いられている。
【0026】すなわち、ダクト21の内部には、同ダク
ト21の横断面を仕切ってなる複数の小ダクト22が形
成されていて、小ダクト22の各々の内面を集じん極2
2aとしている。またこれら小ダクト22の各中心に
は、棒状の放電極5が挿通されている。これら放電極5
が、従来の電気集じん装置と同様、支持梁7、取付金具
8、支持碍子9、碍子室10、荷電管11、接続ダクト
12などを用いて、吊り下げられている。そして、集じ
ん部6内を、煙道ガスダクト2を流れるガス流速と同様
の高速流で、煙道ガスAを流せるようにしてある。
【0027】また集じん部6の上側および下側にある各
接続ダクト12は、いずれも拡大部のない円筒形をなし
ている。そして、これら各接続ダクト12の基端(ダク
ト21に取付けられる端部分)の下側内面部分には、い
ずれも液滴飛散防止体23が設けられている。詳しく
は、接続ダクト12の開口上縁から落下する液滴を受け
る位置となる内面部分に多孔質の液滴飛散防止体23が
設けられている。
【0028】この多孔質の液滴飛散防止体23には、煙
道ガスAの腐食性に応じた材質からなるものとして、例
えば複数枚の金網を重ねて構成された偏平物、具体的に
は線径が「0.12mm」の平織100メッシュのステン
レス製金網を複数枚、例えば2枚、重ねたものが用いら
れている。むろん、液滴飛散防止体23は、その表面
と、高電圧が印加される支持梁7との間に絶縁空間13
が確保されてさえいれば、材質的には導電性、非導電性
を問わない。
【0029】このように構成されたダクト型電気集じん
装置によると、接続ダクト12の開口空間を落下する大
粒径の液滴は、接続ダクト12の下側の内面部分に至る
際、多孔質の液滴飛散防止体23と衝突して、同多孔質
中に液分が吸収される。
【0030】これにより、同部分から、さらに大粒径の
液滴として集じん部6、すなわちダクト21の近傍の小
ダクト22へには再飛散しなくなる。そして、吸収され
た液が液滴飛散防止体23からダクト21の内面を流下
することとなる。
【0031】それ故、小ダクト22における火花頻発現
象を抑制することができ、同火花頻発現象を原因とした
ダクト型の湿式電気集じん装置20の性能劣化を防止す
ることができる。
【0032】実験によれば、集じん部6の上方の接続ダ
クト12のみに上記構造の液滴飛散防止体23を設けた
ダクト型の湿式電気集じん装置と、液滴飛散防止体23
が無いダクト型の湿式電気集じん装置との電流電圧特性
を調べた結果、図2中の符号Xで示される液滴飛散防止
体が無いときの特性曲線と、同符号Yで示される液滴飛
散防止体が有るときの特性曲線とからわかるように、
「X」は火花が頻発して十分な電流が流れていないのに
対して、「Y」は「X」に比べて多大なコロナ電流が確
保されており、液滴飛散防止体23の効果が顕著、かつ
十分にあることが確認された。
【0033】しかも、こうしたことに加え、従来の接続
ダクトの基端の取付部のような拡大した部分(傾斜部を
含む)がないので、接続ダクト12の基部を極力、集じ
ん部6に近付けて取付けることができ、放電極5の両端
の固定位置、すなわち放電極5のスパンSを最短とする
ことができ、スパンSが広がることによる障害を是正す
ることができる。
【0034】なお、上述した一実施例では、複数枚の金
網を重ねた液滴飛散防止体を用いたが、例えば多孔質の
セラミックス、樹脂,ステンレスウ−ルを重ねたものな
どでもよく、液滴飛散防止体の構造には限定されるもの
ではない。
【0035】また上述した一実施例では、液滴飛散防止
体を集じん部の上方および下方の両方の接続ダクトに取
付けた例を挙げたが、これに限らず、集じん部の上方の
接続ダクトのみに液滴飛散防止体を設けてもよい。すな
わち、これは落下する液滴の小ダクトヘの再飛散を防止
するには、上方の接続ダクトへの液滴飛散防止体の設置
が重要であるからであり、上方の接続ダクトのみ液滴飛
散防止体を設置して、下方の接続ダクトへの設置を省略
しても、同様の効果を奏する。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように請求項1および請求
項2に記載の発明によれば、放電極の両端の固定位置、
すなわち放電極のスパンを最短にしつつ、口体から集じ
ん部への液滴再飛散を防止することができる。それ故、
火花頻発現象による性能劣化がもたされることのないダ
クト型電気集じん装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例のダクト型の湿式電気集じ
ん装置を示す断面図。
【図2】接続ダクトに液滴飛散防止体が有るときと、無
いときにおけるダクト型の湿式電気集じん装置の電流電
圧特性を対比して示す線図。
【図3】従来の湿式電気集じん装置を示す断面図。
【符号の説明】
4…ダクト、5…放電極、6…集じん部、7…支持梁、
8…取付金具、9…支持碍子、10…碍子室、11…荷
電管、12…接続ダクト(口体)、17a…噴霧ノズ
ル、17…洗浄液ライン、22…小ダクト、22a…集
じん極、23…液滴飛散防止体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片山 博幸 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 丸本 明比古 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目8番25号 高菱エンジニアリング株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下の向きにガス流通方向が定められた
    ダクトと、 このダクト内にダクト状の集じん極とこれに組合う棒状
    の放電極とをガス流通方向に沿って設けて構成された集
    じん部と、 この集じん部の上方および下方に前記ダクトを横断する
    方向に沿って設けられた、前記放電極を支持する支持梁
    と、 この支持梁部材の位置に対応して前記ダクトの周壁部に
    設けられた、前記支持梁の端部が挿入される口体と、 前記支持梁の端部を前記口体の内面から離した状態で前
    記ダクトに絶縁支持する手段と、 前記集じん部の上方に設けられ、前記集じん部に対する
    洗浄液の噴霧によって前記集じん極を洗浄する噴霧手段
    と、 前記口体のうち、少なくとも前記集じん部の上方の支持
    梁が挿入する口体の内面に設けられた、同口体の内面へ
    落下する液滴の飛散を防ぐ多孔質の液滴飛散防止体とを
    具備したことを特徴とするダクト型電気集じん装置。
  2. 【請求項2】 前記多孔質の液滴飛散防止体は、複数枚
    の金網を重ねて構成されることを特徴とする請求項1に
    記載のダクト型電気集じん装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009113269A1 (ja) * 2008-03-11 2009-09-17 ダイキン工業株式会社 空気処理装置
KR20210018594A (ko) * 2019-08-06 2021-02-18 주식회사 엔아이티코리아 플레이트형 집진전극을 포함하는 전기 집진기

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