JPH0630757U - 測定物に荷重を作用させる装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この考案の目的は、測定時の設定や装置のメ
ンテナンス、測定が容易におこなえ、しかも高精度に定
荷重を作用させることができる装置を提供することであ
る。 【構成】 測定物５に定荷重を作用させる荷重アーム１
０と、この荷重アーム１０を介して測定物５に定荷重を
作用させる重り９と、測定物を支持する支持手段とを備
えてなり、上記荷重アーム１０は、測定物５と接する作
用部１０ａと、定荷重としての重り９を取り付ける取り
付け部１０ｂとからなり、測定物５に作用部１０ａを作
用させたとき、荷重アーム１０がバランスを保つような
構成としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、測定物に荷重を作用させて、その物の剛性，強度等を測定するの に用いる装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の測定物に荷重を作用させる装置としては、例えば、鉄等の固さを測定す るための硬度計等や、机等の強度を測定する強度試験用の装置等がある。 図３、４は、上述の装置の一例である。図３に示す測定物に定荷重を作用させ る装置は、油圧等を利用した荷重発生力装置１を鉛直性保持装置２を介してやぐ ら３に取付けている。そして、やぐら３をベース４に固定し、さらにベース４上 に測定物５を固定している。このようにして、測定物５の荷重作用点６に荷重を 加えることにより、測定物５の変形等から、その剛性や強度などを測定している 。 また図４は、測定物５として机を用い、その強度を測定する場合の概要図であ る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような従来の荷重を作用させる装置では、やぐら３とベース４とを固定し ないと、荷重力発生装置１の出力の反作用により、やぐら３がベース４から浮き 上がってしまい計測することができないという問題があった。 また、荷重を作用させるために荷重力発生装置１を用いているが、この荷重力 発生装置１は、その精度を維持するためにメンテナンスが必要であるとともに、 計測をするときの設定、例えば、測定物５の荷重作用点部６での０荷重調整等に 手間がかかり、複数の荷重作用点を設定して計測するには長時間がかかってしま うという問題があった。 さらに、図４に示すような机等の測定物５の強度を測定する場合は、荷重によ って机がきしんだり歪んだりしたとき、一時的に荷重が作用しなくなる状態にな り、正確に計測することができないという問題もあった。 この考案の目的は、測定時の設定や、メンテナンス、測定が容易に行なえ、高 精度に定荷重を作用させる測定ができる装置を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するためにこの考案では、測定物に定荷重を作用させる荷重 アームと、この荷重アームを介して測定物に定荷重を作用させる重りと、測定物 を支持する支持手段とを備えてなり、上記荷重アームは、測定物に接して定荷重 を作用させる作用部と、定荷重としての重りを取りつける取り付け部とからなり 、上記作用部を測定物に作用させたとき、荷重アームがバランスを保つ構成にし たことを特長としている。

【０００５】

【作用】

測定物を支持手段で支持し、その測定物に荷重アームの作用部を接しさせると ともに、取り付け部には重りを取りつけて、作用部を測定物に作用させたとき、 荷重アームがバランスを保たせることにより、荷重アームは、他から支持されず に測定物に定荷重を作用させる。

【０００６】

【実施例】

図１、２はこの考案の実施例を示したものである。前記した従来例と同一の構 成要素については同一符号を用いる。 図１は第１実施例を示したものである。ここでは、測定物５としての板の一端 をロードセル７で支持し、さらにロードセル７を支持手段としてのベース４で支 持している。そして、ロードセル７の出力端子をデジタルマルチメータ等の出力 表示器８に接続してある。 このようにした板の任意の点に定荷重を作用させ、定荷重の荷重作用点６をＡ に示すように移動させ、その移動に応じて、ロードセル７で支持されている部分 にどれくらいの力が作用するかを検出するものである。

【０００７】 ここで、定荷重としての重り９を、板に作用させるために図に示すような形状 の荷重アーム１０を用いている。この荷重アーム１０は、重り９を取りつける取 り付け部１０ｂと、測定物５に接して重り９の荷重を作用させる作用部１０ａと からなっている。そして、板と接する作用部１０ａの先端部分は尖らせて、板と 点接触するようにしている。 また、荷重アーム１０の取り付け部１０ｂには重り９をぶら下げ、作用部１０ ａを板の任意の点に置くとき、作用部１０ａに重り９の荷重が作用するとともに 、荷重アーム１０は、バランスを保った状態となって図のように静止する。この とき、荷重アーム１０をバランスさせるために、重り９の重さに応じて、重り９ の取付位置９ａを調節するが、取付位置９ａを重り９の重さに応じてあらかじめ 設定しておけば、この調節をする必要はない。

【０００８】 このような構成の装置では、作用部１０ａと接する板の任意の荷重作用点６に 重り９の重さと、荷重アーム１０自体の重さとが定荷重として作用する。そして 、荷重作用点６の移動に応じて、板の端部に作用する力をロードセル７で検出し 、これを出力表示器８で表示する。 このように、この発明では、荷重アーム１０を用いることで、測定物５に定荷 重賭しての重り９を作用させることができるので、従来例のような荷重力発生装 置１を必要しない。したがって、装置全体のメンテナンスが非常に容易である。 さらに、この実施例で示したように、荷重作用点６を移動させ、その移動に応 じた位置によって測定物の端部に作用する力を測定する場合には、荷重アーム１ ０を移動させるだけで良いので、その設定が非常に簡単である。 また、重り９による定荷重が荷重アーム１０によって、常に測定物５に作用し ているので、従来の机の強度試験のような場合、測定物５がきしんだり、歪んだ りしても、荷重が一時的に作用しないというようなことがなく、精度よく測定が できる。

【０００９】 図２に示した第２実施例は、重心計に用いた場合の装置である。ここでは、不 定形の測定物５を板１１の上に置いている。そして、板１１の四隅には、それぞ れロードセル７を設け、これら４つのロードセル７で板１１は支えられている。 また、各ロードセル７は、図示しない出力検出手段に接続され、これらはやぐ ら３上に設けてある。 このようにした測定物５に荷重アーム１０で荷重を作用させることで、測定物 ５の重心を計測している。つまり、荷重アーム１０で不定形の測定物５に荷重を 作用さたとき、４つのロードセル７からの信号が一致した荷重作用点部６が測定 物５の重心となる。したがって、この重心を見つけるためには、荷重作用点部６ を移動させればよい。

【００１０】 この場合、荷重作用点６の移動は、第１実施例と同様に、荷重アーム１０に重 り９をぶら下げ、荷重アーム１０の作用部１０ａを測象物５に接しさせている。 したがって、測定物５とやぐら３、やぐら３とベース４とを固定する必要がなく 、重心を測定するときの設定が簡単にできる。 さらに、バランスした状態にある荷重アーム１０を、測定物５に乗せれば良い だけなので、測定自体が簡単におこなえる。

【００１１】

【考案の効果】

荷重アームに重りをつけ、その作用部を測定対象物に接しさせてバランスを保 った状態にして、測定物に定荷重を作用させているので、例えば、測定物がきし んだり、歪んだりしても、測定物に作用する荷重が一時的に逃げるということが ない。 また、測定に際しては、荷重アームをバランスさせて測定物に定荷重を作用さ せているので、支持手段と測定物とを固定する必要がなく、容易に測定できると ともに、測定物へ定荷重を作用させる位置の設定、及び変更が簡単に行える。 さらに、簡易な構造であるので、メンテナンス等もほとんど必要がない。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例の概要図である。

【図２】第２実施例の概要図である。

【図３】従来装置の一例を示す概要図である。

【図４】図３の装置の他の使用例を示す概要図である。

【符号の説明】

５ 測定物 ９ 重り １０ 荷重アーム １０ａ 作用部 １０ｂ 取り付け部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 測定物に定荷重を作用させる荷重アーム
   と、この荷重アームを介して測定物に定荷重を作用させ
   る重りと、測定物を支持する支持手段とを備えてなり、
   上記荷重アームは、測定物に接して定荷重を作用させる
   作用部と、定荷重としての重りを取りつける取り付け部
   とからなり、上記作用部を測定物に作用させたとき、荷
   重アームがバランスを保つ構成にしたことを特長とした
   測定物に荷重を作用させる装置。