JPH06307474A - 端部に目玉部を有する部材 - Google Patents
端部に目玉部を有する部材Info
- Publication number
- JPH06307474A JPH06307474A JP5095889A JP9588993A JPH06307474A JP H06307474 A JPH06307474 A JP H06307474A JP 5095889 A JP5095889 A JP 5095889A JP 9588993 A JP9588993 A JP 9588993A JP H06307474 A JPH06307474 A JP H06307474A
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- JP
- Japan
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- leaf spring
- wall thickness
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明の主要な目的は、部材本体の端部に射出
成形によって設けられる目玉部の強度を向上させること
にある。 【構成】FRP製の板ばね本体11の端部25に目玉部
12が設けられている。目玉部12は射出成形によって
板ばね本体11の端部25を包み込む形状に成形されて
いる。この目玉部12は、ガラス短繊維で強化された熱
可塑性合成樹脂からなり、板ばね本体11の端部25を
全周にわたって被う基部30と、この基部30と一体に
成形されかつ目玉部12の幅方向に沿う目玉内周面34
を有する端末筒状部32とを具備している。そして目玉
部12の肉厚tを6mm以上16mm未満の範囲としてい
る。
成形によって設けられる目玉部の強度を向上させること
にある。 【構成】FRP製の板ばね本体11の端部25に目玉部
12が設けられている。目玉部12は射出成形によって
板ばね本体11の端部25を包み込む形状に成形されて
いる。この目玉部12は、ガラス短繊維で強化された熱
可塑性合成樹脂からなり、板ばね本体11の端部25を
全周にわたって被う基部30と、この基部30と一体に
成形されかつ目玉部12の幅方向に沿う目玉内周面34
を有する端末筒状部32とを具備している。そして目玉
部12の肉厚tを6mm以上16mm未満の範囲としてい
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばFRP板ばねな
どのように部材本体の端部に目玉部を備えた部材に関す
る。
どのように部材本体の端部に目玉部を備えた部材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】車両の懸架装置に使われる板ばね装置に
おいて、軽量化を図るために繊維強化プラスチック(F
RP)製の板ばねの使用が望まれている。懸架用の板ば
ねは、帯状の板ばね本体の端部に、車体側の部材などに
連結するための目玉部が設けられるが、FRP製の板ば
ねは、フィラメントワインディング法などによって一方
向強化繊維の張力をほぼ一定にした状態で成形されるた
め、板ばね本体の端部に曲率半径の小さな目玉部を一体
に巻回成形することに困難を伴う。このため通常は、板
ばね本体とは別に作られた目玉部品をボルトや座金等の
締結用部品によって、板ばね本体に固定することが行わ
れる。
おいて、軽量化を図るために繊維強化プラスチック(F
RP)製の板ばねの使用が望まれている。懸架用の板ば
ねは、帯状の板ばね本体の端部に、車体側の部材などに
連結するための目玉部が設けられるが、FRP製の板ば
ねは、フィラメントワインディング法などによって一方
向強化繊維の張力をほぼ一定にした状態で成形されるた
め、板ばね本体の端部に曲率半径の小さな目玉部を一体
に巻回成形することに困難を伴う。このため通常は、板
ばね本体とは別に作られた目玉部品をボルトや座金等の
締結用部品によって、板ばね本体に固定することが行わ
れる。
【0003】ところが目玉部品をボルト等の締結用部品
によって固定するためには、板ばね本体にボルト等を挿
通する孔を開設しかつナット等によって締付けなければ
ならない。このため、目玉部品を完全に固定しておくこ
とに困難を伴う場合がある。また、板ばね本体にあけら
れた孔を起点として割れが生じることがあるなどの問題
がある。
によって固定するためには、板ばね本体にボルト等を挿
通する孔を開設しかつナット等によって締付けなければ
ならない。このため、目玉部品を完全に固定しておくこ
とに困難を伴う場合がある。また、板ばね本体にあけら
れた孔を起点として割れが生じることがあるなどの問題
がある。
【0004】そこで本発明者らは、板ばね本体の端部に
目玉部を射出成形によって成形することを考えた。この
場合に使われる目玉部成形用の金型は、板ばね本体の端
部が挿入されるアウトサート用開口部と目玉部成形用の
空間(キャビティ)とを有しており、アウトサート用開
口部に板ばね本体の端部を挿入した状態で目玉部が射出
成形される。
目玉部を射出成形によって成形することを考えた。この
場合に使われる目玉部成形用の金型は、板ばね本体の端
部が挿入されるアウトサート用開口部と目玉部成形用の
空間(キャビティ)とを有しており、アウトサート用開
口部に板ばね本体の端部を挿入した状態で目玉部が射出
成形される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように射出成形
によって目玉部を成形した場合、破壊試験を実施した時
に目玉部の強度が不足することがあった。例えば目玉部
の長手方向(前後方向)に大きな引張荷重が負荷された
り、上下方向の荷重が負荷された時に、目玉部が破壊す
ることがあった。本発明者らの研究によると、このよう
な破壊は目玉部の肉厚に左右され、肉厚が薄過ぎても破
壊するが、逆に、肉厚が大き過ぎてもかえって破壊を生
じやすくなることが判った。また、基部の上下部肉厚と
側部肉厚の比が一定の限度を越えると、板ばね本体と基
部との接着力が低下することも判った。
によって目玉部を成形した場合、破壊試験を実施した時
に目玉部の強度が不足することがあった。例えば目玉部
の長手方向(前後方向)に大きな引張荷重が負荷された
り、上下方向の荷重が負荷された時に、目玉部が破壊す
ることがあった。本発明者らの研究によると、このよう
な破壊は目玉部の肉厚に左右され、肉厚が薄過ぎても破
壊するが、逆に、肉厚が大き過ぎてもかえって破壊を生
じやすくなることが判った。また、基部の上下部肉厚と
側部肉厚の比が一定の限度を越えると、板ばね本体と基
部との接着力が低下することも判った。
【0006】従って本発明の目的は、FRP製板ばね等
のように部材本体の端部に目玉部が射出成形によって設
けられるものにおいて、強度の高い目玉部が得られるよ
うにすることにある。
のように部材本体の端部に目玉部が射出成形によって設
けられるものにおいて、強度の高い目玉部が得られるよ
うにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を果たすため
に開発された本発明の目玉部を有する部材は、繊維強化
プラスチックあるいは金属またはセラミックスからなる
細長い形状の部材本体と、射出成形によって上記部材本
体の端部を包み込む形状に成形されかつ短繊維で強化さ
れた熱可塑性樹脂からなる目玉部とを有し、この目玉部
は、上記部材本体の端部を全周にわたって被う基部と、
この基部と一体に成形されかつ基部の幅方向に沿う目玉
内周面を有する端末筒状部とを具備し、しかも上記目玉
部の肉厚を6mm以上16mm未満とし、かつ上記基部の上
下部肉厚と側部肉厚との肉厚比(薄肉部/厚肉部)を
0.6以上としたことを特徴とする。
に開発された本発明の目玉部を有する部材は、繊維強化
プラスチックあるいは金属またはセラミックスからなる
細長い形状の部材本体と、射出成形によって上記部材本
体の端部を包み込む形状に成形されかつ短繊維で強化さ
れた熱可塑性樹脂からなる目玉部とを有し、この目玉部
は、上記部材本体の端部を全周にわたって被う基部と、
この基部と一体に成形されかつ基部の幅方向に沿う目玉
内周面を有する端末筒状部とを具備し、しかも上記目玉
部の肉厚を6mm以上16mm未満とし、かつ上記基部の上
下部肉厚と側部肉厚との肉厚比(薄肉部/厚肉部)を
0.6以上としたことを特徴とする。
【0008】
【作用】成形された目玉部には上下方向の荷重や前後方
向(部材本体の長手方向)の荷重あるいはねじりの荷重
が負荷される。本発明では目玉部の肉厚を最大でも15
mm台としたことにより、目玉部の強度を左右する部分に
許容限度を越えるボイドなどが発生することを抑制で
き、また、基部の肉厚を均一化することによって目玉部
と部材本体との接着強度が増加することが確認され、射
出成形によって成形される目玉部の弱点が克服され、目
玉部の強度を高めることが可能となった。
向(部材本体の長手方向)の荷重あるいはねじりの荷重
が負荷される。本発明では目玉部の肉厚を最大でも15
mm台としたことにより、目玉部の強度を左右する部分に
許容限度を越えるボイドなどが発生することを抑制で
き、また、基部の肉厚を均一化することによって目玉部
と部材本体との接着強度が増加することが確認され、射
出成形によって成形される目玉部の弱点が克服され、目
玉部の強度を高めることが可能となった。
【0009】
【実施例】以下に本発明の一実施例について、図1ない
し図9を参照して説明する。図4に示される車両懸架用
の板ばね装置10は、部材本体の一例としての帯状のF
RP製板ばね本体11と、この板ばね本体11の両端部
に設けられた一対の目玉部12を備えている。板ばね本
体11の長手方向中間部にアクスル支持部材13が設け
られており、このアクスル支持部材13によって車輪1
4が支持されている。
し図9を参照して説明する。図4に示される車両懸架用
の板ばね装置10は、部材本体の一例としての帯状のF
RP製板ばね本体11と、この板ばね本体11の両端部
に設けられた一対の目玉部12を備えている。板ばね本
体11の長手方向中間部にアクスル支持部材13が設け
られており、このアクスル支持部材13によって車輪1
4が支持されている。
【0010】図4において左側に位置する一方の目玉部
12は、車体側のブラケット20に連結され、車両の走
行中などに前後方向や上下方向あるいはねじれの荷重が
作用する。図4の右側に位置する他方の目玉部12は、
シャックル等の支持部材21を介して車体側のブラケッ
ト22に支持される。上記支持部材21は、板ばね本体
11が上下方向に撓む際のスパン変化に伴って前後方向
に揺動する。
12は、車体側のブラケット20に連結され、車両の走
行中などに前後方向や上下方向あるいはねじれの荷重が
作用する。図4の右側に位置する他方の目玉部12は、
シャックル等の支持部材21を介して車体側のブラケッ
ト22に支持される。上記支持部材21は、板ばね本体
11が上下方向に撓む際のスパン変化に伴って前後方向
に揺動する。
【0011】板ばね本体11の一例は、マトリックスと
してのエポキシ樹脂を、板ばね本体11の長手方向に沿
う多数のガラス繊維によって強化したものであり、図示
例の板ばね本体11は、長手方向中間部が下に凸となる
ように湾曲した形状に成形されている。
してのエポキシ樹脂を、板ばね本体11の長手方向に沿
う多数のガラス繊維によって強化したものであり、図示
例の板ばね本体11は、長手方向中間部が下に凸となる
ように湾曲した形状に成形されている。
【0012】板ばね本体11の製造方法の一例として、
周知のフィラメントワインディング法を適用することが
できるが、プルフォーミング法や、その他の製造方法が
採用されてもよい。フィラメントワインディング法によ
って板ばね本体11を製造する場合、硬化前のマトリッ
クス樹脂を収容した樹脂含浸槽にガラスロービングを通
すとともに、回転する金型に樹脂含浸ガラスロービング
を所定の厚みとなるまで巻付ける。そして硬化炉におい
て所定時間加熱したのち脱型することにより、所定形状
の板ばね本体11が成形される。
周知のフィラメントワインディング法を適用することが
できるが、プルフォーミング法や、その他の製造方法が
採用されてもよい。フィラメントワインディング法によ
って板ばね本体11を製造する場合、硬化前のマトリッ
クス樹脂を収容した樹脂含浸槽にガラスロービングを通
すとともに、回転する金型に樹脂含浸ガラスロービング
を所定の厚みとなるまで巻付ける。そして硬化炉におい
て所定時間加熱したのち脱型することにより、所定形状
の板ばね本体11が成形される。
【0013】なお、板ばね本体11に用いられる強化繊
維は、ガラス繊維の代りに炭素繊維等の無機繊維や、ア
ラミッド繊維などの有機繊維、あるいは金属繊維が使わ
れてもよい。マトリックス樹脂は、エポキシの代りに、
不飽和ポリエステルやフェノール樹脂等が使われてもよ
く、要するに熱硬化性樹脂であればよい。
維は、ガラス繊維の代りに炭素繊維等の無機繊維や、ア
ラミッド繊維などの有機繊維、あるいは金属繊維が使わ
れてもよい。マトリックス樹脂は、エポキシの代りに、
不飽和ポリエステルやフェノール樹脂等が使われてもよ
く、要するに熱硬化性樹脂であればよい。
【0014】目玉部12は、図1,2,3に示されるよ
うな形状に成形されている。この目玉部12は、短繊維
で強化された樹脂の射出成形品であり、板ばね本体11
の端部25の全周を包み込む形状の基部30と、板ばね
本体11の端面31の外側に位置する円筒状の端末筒状
部32とが一体に成形されている。
うな形状に成形されている。この目玉部12は、短繊維
で強化された樹脂の射出成形品であり、板ばね本体11
の端部25の全周を包み込む形状の基部30と、板ばね
本体11の端面31の外側に位置する円筒状の端末筒状
部32とが一体に成形されている。
【0015】端末筒状部32の外径Dは基部30の厚さ
Tよりも大きい。基部30と端末筒状部32の肉厚tの
一例は10mmである。端末筒状部32の肉厚tは、基部
30に連なる箇所を除いて筒状部32の周方向にほぼ一
定である。そして基部30の上下両面と端末筒状部32
の外周部をつなぐようにして補強用のリブ33が一体に
成形されている。
Tよりも大きい。基部30と端末筒状部32の肉厚tの
一例は10mmである。端末筒状部32の肉厚tは、基部
30に連なる箇所を除いて筒状部32の周方向にほぼ一
定である。そして基部30の上下両面と端末筒状部32
の外周部をつなぐようにして補強用のリブ33が一体に
成形されている。
【0016】端末筒状部32には、基部30の幅方向に
沿う目玉内周面34が形成されており、この目玉内周面
34に金属製のカラー35が設けられている。カラー3
5の軸線方向に沿う貫通孔36には、図4に示したブラ
ケット20やシャックル等の支持部材21に連結するた
めのピンあるいはブッシュ等の軸部材37が挿入される
ようになっている。
沿う目玉内周面34が形成されており、この目玉内周面
34に金属製のカラー35が設けられている。カラー3
5の軸線方向に沿う貫通孔36には、図4に示したブラ
ケット20やシャックル等の支持部材21に連結するた
めのピンあるいはブッシュ等の軸部材37が挿入される
ようになっている。
【0017】目玉部12は、ナイロン66(ポリヘキサメ
チレンアジポアミド)などのような熱可塑性樹脂からな
るマトリックスに、強化繊維として多数のガラス短繊維
を混入したものであり、後述する理由により、ガラス含
有率を30wt%〜60wt%の範囲としている。繊維径の
一例は20μm、繊維長の一例は200μmである。こ
の短繊維は、ガラス以外に、炭素繊維あるいはセラミッ
クス繊維、または有機繊維であってもよい。目玉部12
に使われるマトリックス樹脂としては、軽量でかつ耐腐
食性に優れたものが適しているが、射出成形可能なもの
であればよいから、ナイロン66に限らず適宜の熱可塑性
樹脂を使用することができる。
チレンアジポアミド)などのような熱可塑性樹脂からな
るマトリックスに、強化繊維として多数のガラス短繊維
を混入したものであり、後述する理由により、ガラス含
有率を30wt%〜60wt%の範囲としている。繊維径の
一例は20μm、繊維長の一例は200μmである。こ
の短繊維は、ガラス以外に、炭素繊維あるいはセラミッ
クス繊維、または有機繊維であってもよい。目玉部12
に使われるマトリックス樹脂としては、軽量でかつ耐腐
食性に優れたものが適しているが、射出成形可能なもの
であればよいから、ナイロン66に限らず適宜の熱可塑性
樹脂を使用することができる。
【0018】図2に示されるように、目玉部12の基部
30の幅B1 に比べて、端末筒状部32の幅B2 が狭く
なるように、目玉部12の両側にテーパ状の部分40が
設けられている。板ばね本体11の端部25の両側に
も、上記テーパ状部分40に対応して、端面31側の板
幅が狭くなるようなテーパ面41が形成されている。こ
うすることにより端末筒状部32の幅B2 が板ばね本体
11の幅B3 と同等となるため、ブラケット20やシャ
ックル等の支持部材21が従来のままであっても問題な
く車体等に取付けることができる。基部30の幅B1 と
端末筒状部32の幅B2 が同等でよい場合には、板ばね
本体11の端部25もストレートな形状のままでよいか
ら、テーパ面41を設ける必要がない。
30の幅B1 に比べて、端末筒状部32の幅B2 が狭く
なるように、目玉部12の両側にテーパ状の部分40が
設けられている。板ばね本体11の端部25の両側に
も、上記テーパ状部分40に対応して、端面31側の板
幅が狭くなるようなテーパ面41が形成されている。こ
うすることにより端末筒状部32の幅B2 が板ばね本体
11の幅B3 と同等となるため、ブラケット20やシャ
ックル等の支持部材21が従来のままであっても問題な
く車体等に取付けることができる。基部30の幅B1 と
端末筒状部32の幅B2 が同等でよい場合には、板ばね
本体11の端部25もストレートな形状のままでよいか
ら、テーパ面41を設ける必要がない。
【0019】目玉部12の基部30の縁、すなわち目玉
部基端縁45に、その全周にわたって連続するシール材
50が設けられている。このシール材50は、目玉部1
2を射出成形する際の溶融樹脂に触れても劣化しない程
度の耐熱性を有するOリング等の弾性体からなり、例え
ば、ニトリルゴム、ポリふっ化エチレン、ポリプロピレ
ン、シリコンゴム等が適している。このシール材50
は、板ばね本体11の表面と目玉部基端縁45の双方に
密接しており、シール材50の背面側が目玉部基端縁4
5に接着した状態となっている。
部基端縁45に、その全周にわたって連続するシール材
50が設けられている。このシール材50は、目玉部1
2を射出成形する際の溶融樹脂に触れても劣化しない程
度の耐熱性を有するOリング等の弾性体からなり、例え
ば、ニトリルゴム、ポリふっ化エチレン、ポリプロピレ
ン、シリコンゴム等が適している。このシール材50
は、板ばね本体11の表面と目玉部基端縁45の双方に
密接しており、シール材50の背面側が目玉部基端縁4
5に接着した状態となっている。
【0020】上記目玉部12は、図5,6,7に示すよ
うな射出成形用の一対の金型55,56を用いて成形さ
れる。一方の金型55は固定側、他方の金型56は移動
側であり、これらの金型55,56は、図示しない型締
装置によって、図5中の矢印方向から加圧されて型締め
される。図6に示されるように、固定側の金型55に設
けられている固定側取付板60に樹脂注入口61が設け
られており、この注入口61に射出成形機(図示せず)
のノズルが接合されるようになっている。
うな射出成形用の一対の金型55,56を用いて成形さ
れる。一方の金型55は固定側、他方の金型56は移動
側であり、これらの金型55,56は、図示しない型締
装置によって、図5中の矢印方向から加圧されて型締め
される。図6に示されるように、固定側の金型55に設
けられている固定側取付板60に樹脂注入口61が設け
られており、この注入口61に射出成形機(図示せず)
のノズルが接合されるようになっている。
【0021】金型55,56に、板ばね本体11の端部
25が挿入されるアウトサート用開口部65が設けられ
ているとともに、基部30と端末筒状部32を一体に成
形するための成形用空間(キャビティ)66が設けられ
ている。また、図7に一方の金型55を代表して示すよ
うに、金型55,56には成形用空間66に連通する複
数のゲート70a〜70eと溶融樹脂流通部71および
スプール72などが設けられている。ゲート70a〜7
0eのうち、板ばね本体の端面31の近傍に位置する一
対の第1のゲート70a,70bは、端面31とカラー
35との間の間隙75を間に挟んで互いに向かい合う位
置に開口している。このゲート70a,70bは、成形
用空間66のうち、リブ33が成形される部分に連通し
ている。第2のゲート70c,70dは、板ばね本体の
端部25の上下両面76,77と対向している。
25が挿入されるアウトサート用開口部65が設けられ
ているとともに、基部30と端末筒状部32を一体に成
形するための成形用空間(キャビティ)66が設けられ
ている。また、図7に一方の金型55を代表して示すよ
うに、金型55,56には成形用空間66に連通する複
数のゲート70a〜70eと溶融樹脂流通部71および
スプール72などが設けられている。ゲート70a〜7
0eのうち、板ばね本体の端面31の近傍に位置する一
対の第1のゲート70a,70bは、端面31とカラー
35との間の間隙75を間に挟んで互いに向かい合う位
置に開口している。このゲート70a,70bは、成形
用空間66のうち、リブ33が成形される部分に連通し
ている。第2のゲート70c,70dは、板ばね本体の
端部25の上下両面76,77と対向している。
【0022】移動側の金型56にピン80が突設されて
いる。このピン80には、前述したカラー35が挿着さ
れるようになっている。ピン80の先端面には円錐台状
の凸部81が設けられている。この凸部81は、固定側
の金型55に設けられたテーパ状の凹部82と対向し、
金型55,56が閉じた時に凸部81と凹部82が互い
に嵌合することにより、金型55に対するピン80のセ
ンタ出しが正確になされるようになっている。
いる。このピン80には、前述したカラー35が挿着さ
れるようになっている。ピン80の先端面には円錐台状
の凸部81が設けられている。この凸部81は、固定側
の金型55に設けられたテーパ状の凹部82と対向し、
金型55,56が閉じた時に凸部81と凹部82が互い
に嵌合することにより、金型55に対するピン80のセ
ンタ出しが正確になされるようになっている。
【0023】前記シール材50は、アウトサート用開口
部65の内周面側に設けられたシール材収容部85に収
容される。図7に示されるように、シール材50は、板
ばね本体11の外周面とシール材収容部85の内周面と
の間に密着した状態で収容され、射出成形時に成形用空
間66に導入された溶融樹脂がアウトサート用開口部6
5から外部に漏れることを防止するようになっている。
部65の内周面側に設けられたシール材収容部85に収
容される。図7に示されるように、シール材50は、板
ばね本体11の外周面とシール材収容部85の内周面と
の間に密着した状態で収容され、射出成形時に成形用空
間66に導入された溶融樹脂がアウトサート用開口部6
5から外部に漏れることを防止するようになっている。
【0024】次に、上記金型55,56を使って目玉部
12を製造する方法について説明する。なお、板ばね本
体11は予め板ばね製造工程において所定形状に成形し
ておく。そして板ばね本体11の端部25にシール材5
0を取付けておく。また、板ばね本体11の端部25の
全面に熱硬化形接着剤(例えばエポキシ系,ポリウレタ
ン系,ポリエステル系,ポリイミド系などの接着剤)を
塗布しておく。この接着剤は、目玉部12を射出成形す
る際の熱によって硬化し、目玉部12と板ばね本体11
とを互いに強固に接着することができる。
12を製造する方法について説明する。なお、板ばね本
体11は予め板ばね製造工程において所定形状に成形し
ておく。そして板ばね本体11の端部25にシール材5
0を取付けておく。また、板ばね本体11の端部25の
全面に熱硬化形接着剤(例えばエポキシ系,ポリウレタ
ン系,ポリエステル系,ポリイミド系などの接着剤)を
塗布しておく。この接着剤は、目玉部12を射出成形す
る際の熱によって硬化し、目玉部12と板ばね本体11
とを互いに強固に接着することができる。
【0025】金型55,56のアウトサート用開口部6
5に板ばね本体11の端部25を配置し、シール材50
をシール材収容部85に位置させる。こうすることによ
り、型締め時に、板ばね本体11の表面とアウトサート
用開口部65の内周面との間が全周にわたってシール材
50によってシールされる。従って、FRP製の板ばね
本体11のように寸法公差が比較的大きなアウトサート
であっても、シール材50を設けたことによって、板ば
ね本体11とアウトサート用開口部65との間の隙間が
確実にシールされる。
5に板ばね本体11の端部25を配置し、シール材50
をシール材収容部85に位置させる。こうすることによ
り、型締め時に、板ばね本体11の表面とアウトサート
用開口部65の内周面との間が全周にわたってシール材
50によってシールされる。従って、FRP製の板ばね
本体11のように寸法公差が比較的大きなアウトサート
であっても、シール材50を設けたことによって、板ば
ね本体11とアウトサート用開口部65との間の隙間が
確実にシールされる。
【0026】図6に示されるように金型55,56を閉
じ、型締装置によって締付けると、予めピン80に取付
けておいたカラー35の両端面90,91が金型55,
56の内面に密接する。この状態で、射出成形機によ
り、可塑化された目玉部成形用の樹脂をスプール72お
よびゲート70a〜70eなどを経て成形用空間66に
射出する。
じ、型締装置によって締付けると、予めピン80に取付
けておいたカラー35の両端面90,91が金型55,
56の内面に密接する。この状態で、射出成形機によ
り、可塑化された目玉部成形用の樹脂をスプール72お
よびゲート70a〜70eなどを経て成形用空間66に
射出する。
【0027】成形用空間66内に存在していた空気は、
溶融樹脂の射出に伴って金型55,56間の隙間(20
〜30μm程度)から外部に排出される。この程度の僅
かなガス抜き隙間では溶融樹脂が通り抜けることができ
ないから、成形用空間66内には目玉部成形用の溶融樹
脂が隙間なく充填され、所定の射出保持圧が印加され
る。シール材50のところに達した溶融樹脂は、シール
材50によって外部に漏れることが阻止される。
溶融樹脂の射出に伴って金型55,56間の隙間(20
〜30μm程度)から外部に排出される。この程度の僅
かなガス抜き隙間では溶融樹脂が通り抜けることができ
ないから、成形用空間66内には目玉部成形用の溶融樹
脂が隙間なく充填され、所定の射出保持圧が印加され
る。シール材50のところに達した溶融樹脂は、シール
材50によって外部に漏れることが阻止される。
【0028】上記射出成形時に、第1のゲート70a,
70bから板ばね本体の端面31とカラー35との間の
間隙75に射出された溶融樹脂は、ゲート70a,70
bから押込まれてくる溶融樹脂の射出保持圧によって高
密度に充填されるとともに、高い射出保持圧が維持され
る。このため、間隙75内に射出された樹脂に許容限度
を越えるボイドやウエルドラインが生じることが回避さ
れる。
70bから板ばね本体の端面31とカラー35との間の
間隙75に射出された溶融樹脂は、ゲート70a,70
bから押込まれてくる溶融樹脂の射出保持圧によって高
密度に充填されるとともに、高い射出保持圧が維持され
る。このため、間隙75内に射出された樹脂に許容限度
を越えるボイドやウエルドラインが生じることが回避さ
れる。
【0029】また、基部30が成形される部位において
は、第2のゲート70c,70dから射出された溶融樹
脂の圧力が板ばね本体の端部25の上下両面76,77
を押圧する方向に加わるため、基部30と板ばね本体の
端部25との密着力が高まるとともに、基部30の密度
を高めることができ、しかも端部25に熱硬化形の接着
剤が塗布されていることとあいまって、基部30と端部
25を互いに強力に接着することができる。このため、
締結用のボルトやクランプ部品等を用いなくても、板ば
ね本体11と目玉部12を互いに確実に固定しておくこ
とができる。
は、第2のゲート70c,70dから射出された溶融樹
脂の圧力が板ばね本体の端部25の上下両面76,77
を押圧する方向に加わるため、基部30と板ばね本体の
端部25との密着力が高まるとともに、基部30の密度
を高めることができ、しかも端部25に熱硬化形の接着
剤が塗布されていることとあいまって、基部30と端部
25を互いに強力に接着することができる。このため、
締結用のボルトやクランプ部品等を用いなくても、板ば
ね本体11と目玉部12を互いに確実に固定しておくこ
とができる。
【0030】また、金属製のカラー35は射出成形前に
金型55,56にインサートされており、このカラー3
5は目玉部12を射出成形することによって端末筒状部
32に埋設されるため、目玉成形後にカラー35を目玉
内周面34に圧入する場合に見られるような割れや残留
歪みの発生等の不具合を回避できる。このカラー35
は、目玉部12の樹脂が射出成形されたのちにある程度
収縮することによって、カラー35の全周が強固に目玉
内周面34に密着するため、抜けに対する強度がきわめ
て高いものとなる。
金型55,56にインサートされており、このカラー3
5は目玉部12を射出成形することによって端末筒状部
32に埋設されるため、目玉成形後にカラー35を目玉
内周面34に圧入する場合に見られるような割れや残留
歪みの発生等の不具合を回避できる。このカラー35
は、目玉部12の樹脂が射出成形されたのちにある程度
収縮することによって、カラー35の全周が強固に目玉
内周面34に密着するため、抜けに対する強度がきわめ
て高いものとなる。
【0031】図8に示されるように、本発明者らの行っ
た研究によると、目玉部12に上下方向の荷重を負荷し
た場合に、肉厚tが6mmの時には板ばね端面31から目
玉内周面34までの距離Lが6mm前後で破壊荷重が最大
となり、t=8mmではL=7〜8mm前後で破壊荷重が最
大となり、更にt=15mmの場合にはL=15mm前後で
破壊荷重が最大となっている。目玉部12の材質はナイ
ロン66にガラス短繊維を混ぜたものであり、ガラス含有
率は45wt%である。板ばね本体11の幅B3と目玉部
12の端末筒状部32の幅B2 はいずれも70mmであ
る。基部30の幅B1 は、t=6mmでは約82mm、t=
8mmでは約86mm、t=15mmでは、ほぼ100mmであ
る。
た研究によると、目玉部12に上下方向の荷重を負荷し
た場合に、肉厚tが6mmの時には板ばね端面31から目
玉内周面34までの距離Lが6mm前後で破壊荷重が最大
となり、t=8mmではL=7〜8mm前後で破壊荷重が最
大となり、更にt=15mmの場合にはL=15mm前後で
破壊荷重が最大となっている。目玉部12の材質はナイ
ロン66にガラス短繊維を混ぜたものであり、ガラス含有
率は45wt%である。板ばね本体11の幅B3と目玉部
12の端末筒状部32の幅B2 はいずれも70mmであ
る。基部30の幅B1 は、t=6mmでは約82mm、t=
8mmでは約86mm、t=15mmでは、ほぼ100mmであ
る。
【0032】図8において、肉厚tが6mmの場合には、
目玉部12に負荷される設計上の最大荷重は400kgf
であり、肉厚tが8mmの場合には最大荷重が470kgf
前後である。肉厚tが15mmの場合、最大荷重は750
kgfである。これらの最大荷重に耐えるようにするに
は、図8により、tとLとの関係を0.5t≦L≦2t
の範囲にすればよいことになる。
目玉部12に負荷される設計上の最大荷重は400kgf
であり、肉厚tが8mmの場合には最大荷重が470kgf
前後である。肉厚tが15mmの場合、最大荷重は750
kgfである。これらの最大荷重に耐えるようにするに
は、図8により、tとLとの関係を0.5t≦L≦2t
の範囲にすればよいことになる。
【0033】Lが0.5tよりも小さくなると目玉部1
2の強度が大幅に低下し、端面31が埋設されている箇
所付近に亀裂が生じやすくなる。その原因は、射出成形
時に成形用空間66に導入された溶融樹脂が端面31と
カラー35との間の間隙75に十分に回り込めなかった
り、その部位に射出保持圧が十分に加わらないためと考
えられる。Lが2tを越えた場合も強度の低下が著し
く、端面31と目玉内周面34との間などが折損の起点
となることがある。その原因は、端面31とカラー35
との間の間隙75が広がり過ぎることによって、この部
位の曲げや剪断に対する強度が落ちるためと考えられ
る。
2の強度が大幅に低下し、端面31が埋設されている箇
所付近に亀裂が生じやすくなる。その原因は、射出成形
時に成形用空間66に導入された溶融樹脂が端面31と
カラー35との間の間隙75に十分に回り込めなかった
り、その部位に射出保持圧が十分に加わらないためと考
えられる。Lが2tを越えた場合も強度の低下が著し
く、端面31と目玉内周面34との間などが折損の起点
となることがある。その原因は、端面31とカラー35
との間の間隙75が広がり過ぎることによって、この部
位の曲げや剪断に対する強度が落ちるためと考えられ
る。
【0034】図9は、肉厚tと前後方向の引張破壊荷重
との関係を、4種類のガラス繊維含有率について調べた
結果である。いずれのガラス含有率の場合も、肉厚tが
15mmの時に引張破壊荷重が最大となった。肉厚tが1
5mmより小さくても大きくても破壊荷重は低下するが、
ここで注目すべき点は、肉厚tが15mmを越えると破壊
荷重の落ち込み変化の度合いが急激となり、強度的に信
頼性が欠けるようになることである。
との関係を、4種類のガラス繊維含有率について調べた
結果である。いずれのガラス含有率の場合も、肉厚tが
15mmの時に引張破壊荷重が最大となった。肉厚tが1
5mmより小さくても大きくても破壊荷重は低下するが、
ここで注目すべき点は、肉厚tが15mmを越えると破壊
荷重の落ち込み変化の度合いが急激となり、強度的に信
頼性が欠けるようになることである。
【0035】すなわち、肉厚tが15mmを越えると、目
玉部12の一部に破壊の起点が生じやすくなり、強度の
ばらつきも大きくなる。肉厚tが大き過ぎて破壊した試
料の破面を観察すると、許容限度を越えるボイドや、い
わゆる樹脂の「ひけ」による肉厚の不均一が見出だされ
ることがあった。つまり肉厚tが大き過ぎることによっ
て、強度的に重要な部位に十分な射出保持圧が加わらな
くなり、許容限度を越えるボイドや密度の低下などが生
じるようになる。このため肉厚tは最大で15mmを目標
とし、金型55,56の寸法精度や樹脂硬化後の寸法ば
らつき等を考慮して15mm台(16mm未満)までとす
る。
玉部12の一部に破壊の起点が生じやすくなり、強度の
ばらつきも大きくなる。肉厚tが大き過ぎて破壊した試
料の破面を観察すると、許容限度を越えるボイドや、い
わゆる樹脂の「ひけ」による肉厚の不均一が見出だされ
ることがあった。つまり肉厚tが大き過ぎることによっ
て、強度的に重要な部位に十分な射出保持圧が加わらな
くなり、許容限度を越えるボイドや密度の低下などが生
じるようになる。このため肉厚tは最大で15mmを目標
とし、金型55,56の寸法精度や樹脂硬化後の寸法ば
らつき等を考慮して15mm台(16mm未満)までとす
る。
【0036】これに対して肉厚tが15mm以下の場合に
は、肉厚が減ることによって強度が低下する傾向になる
が、tが小さくなっても強度の落ち込みの度合いは緩や
かであり、強度のばらつきも小さく、肉厚tが6mmまで
は高い信頼度で所望の破壊強度を確保できる。例えばガ
ラス含有率が45wt%の目玉部12では、t=15mm
(L≦10mm)の時に破壊荷重が8000kgfで最大とな
り、t=10mmの時に破壊荷重が7300kgf、t=6
mmの時でも破壊荷重5500kgfを達成できる。しか
も、tが6mmから15mmの範囲であれば強度の変化は緩
やかである。以上の理由により、本発明では、肉厚tを
6mmから16mm未満の範囲に限定する。
は、肉厚が減ることによって強度が低下する傾向になる
が、tが小さくなっても強度の落ち込みの度合いは緩や
かであり、強度のばらつきも小さく、肉厚tが6mmまで
は高い信頼度で所望の破壊強度を確保できる。例えばガ
ラス含有率が45wt%の目玉部12では、t=15mm
(L≦10mm)の時に破壊荷重が8000kgfで最大とな
り、t=10mmの時に破壊荷重が7300kgf、t=6
mmの時でも破壊荷重5500kgfを達成できる。しか
も、tが6mmから15mmの範囲であれば強度の変化は緩
やかである。以上の理由により、本発明では、肉厚tを
6mmから16mm未満の範囲に限定する。
【0037】また、目玉部12の繊維含有率が60wt%
を越えると、目玉部12の強度が低下し、端面31が埋
設されている箇所付近が破壊の起点になることがある。
このような破壊を生じる原因は、繊維の量が多過ぎるこ
とによって射出成形時の溶融樹脂の流動性が悪くなり、
許容限度を越えるボイドやウエルドラインが生じやすく
なるためと考えられる。繊維含有率が30wt%未満でも
強度が低くなるが、その原因は、短繊維の含有量が少な
過ぎて短繊維による補強効果が実質的に発揮されないた
めと考えられる。また、基部30の上下部肉厚t1 と側
部肉厚t2 との比(t2 /t1 )が 6/10〜10/6 の範
囲を越えると、図10に示すように、板ばね本体11と
目玉部12の接着強度が低下する。従ってこの発明で
は、t1 とt2 との肉厚比(薄肉部/厚肉部)を0.6
以上に限定する。
を越えると、目玉部12の強度が低下し、端面31が埋
設されている箇所付近が破壊の起点になることがある。
このような破壊を生じる原因は、繊維の量が多過ぎるこ
とによって射出成形時の溶融樹脂の流動性が悪くなり、
許容限度を越えるボイドやウエルドラインが生じやすく
なるためと考えられる。繊維含有率が30wt%未満でも
強度が低くなるが、その原因は、短繊維の含有量が少な
過ぎて短繊維による補強効果が実質的に発揮されないた
めと考えられる。また、基部30の上下部肉厚t1 と側
部肉厚t2 との比(t2 /t1 )が 6/10〜10/6 の範
囲を越えると、図10に示すように、板ばね本体11と
目玉部12の接着強度が低下する。従ってこの発明で
は、t1 とt2 との肉厚比(薄肉部/厚肉部)を0.6
以上に限定する。
【0038】リブ33の幅Wについては、肉厚tとの関
係で、0.5t≦W≦1.0tの範囲が望ましく、特に
W=0.8t付近とすることでリブ33による目玉部1
2の補強効果を最大限に発揮することができた。リブ3
3の数は、金型55,56の型割り方向などの関係か
ら、目玉部12の上下両面の幅方向中央部に各1本ずつ
設けるのが型費等の面で最も実用的であるが、金型構造
によっては目玉部12の上下両面に各2本以上のリブを
設けることも可能である。また、2本以上のリブを設け
た場合には、更にリブを強化するために、このリブと直
角をなす方向に、リブ同志をつなぐリブ補強用の壁を設
けてもよい。
係で、0.5t≦W≦1.0tの範囲が望ましく、特に
W=0.8t付近とすることでリブ33による目玉部1
2の補強効果を最大限に発揮することができた。リブ3
3の数は、金型55,56の型割り方向などの関係か
ら、目玉部12の上下両面の幅方向中央部に各1本ずつ
設けるのが型費等の面で最も実用的であるが、金型構造
によっては目玉部12の上下両面に各2本以上のリブを
設けることも可能である。また、2本以上のリブを設け
た場合には、更にリブを強化するために、このリブと直
角をなす方向に、リブ同志をつなぐリブ補強用の壁を設
けてもよい。
【0039】なお本発明は、板ばねに限ることなく、例
えば車両のサスペンション機構部に用いられるテンショ
ンロッドや、ラテラルロッドなど、要するに曲げや引張
り・圧縮等の荷重を受ける部材であって、細長い形状の
部材本体の端部に目玉部に相当する端末部品を有するも
のであれば同様に適用できる。また、部材本体の材質は
FRPに限ることなく、金属あるいはセラミックスであ
っても同様に適用できる。
えば車両のサスペンション機構部に用いられるテンショ
ンロッドや、ラテラルロッドなど、要するに曲げや引張
り・圧縮等の荷重を受ける部材であって、細長い形状の
部材本体の端部に目玉部に相当する端末部品を有するも
のであれば同様に適用できる。また、部材本体の材質は
FRPに限ることなく、金属あるいはセラミックスであ
っても同様に適用できる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、部材本体の端部に射出
成形によって目玉部が成形されるものにおいて、目玉部
の一部に強度的な弱点が生じることを防止でき、目玉部
の強度を高める上で大きな効果がある。
成形によって目玉部が成形されるものにおいて、目玉部
の一部に強度的な弱点が生じることを防止でき、目玉部
の強度を高める上で大きな効果がある。
【図1】本発明の一実施例を示す板ばね装置の目玉部の
側面図。
側面図。
【図2】図1に示された板ばね装置の目玉部の平面図。
【図3】図1に示された板ばね装置の目玉部の斜視図。
【図4】図1に示された板ばね装置を車両に取付けた状
態の側面図。
態の側面図。
【図5】図1に示された板ばね装置の目玉部を成形する
ために用いる金型を一部断面で示す平面図。
ために用いる金型を一部断面で示す平面図。
【図6】図5に示された金型が閉じた状態を一部断面で
示す平面図。
示す平面図。
【図7】図6中のVII-VII 線に沿う断面図。
【図8】板ばね本体の端面から目玉内周面までの距離と
上下方向破壊荷重との関係を示す図。
上下方向破壊荷重との関係を示す図。
【図9】目玉部の肉厚と前後方向引張破壊荷重との関係
を示す図。
を示す図。
【図10】目玉部の肉厚比と接着強度との関係を示す
図。
図。
10…板ばね装置、11…板ばね本体(部材本体)、1
2…目玉部、25…板ばね本体の端部、30…目玉部の
基部、31…板ばね本体の端面、32…端末筒状部、3
4…目玉内周面。
2…目玉部、25…板ばね本体の端部、30…目玉部の
基部、31…板ばね本体の端面、32…端末筒状部、3
4…目玉内周面。
Claims (2)
- 【請求項1】繊維強化プラスチックあるいは金属または
セラミックスからなる細長い形状の部材本体と、射出成
形によって上記部材本体の端部を包み込む形状に成形さ
れかつ短繊維で強化された熱可塑性樹脂からなる目玉部
とを有し、この目玉部は、上記部材本体の端部を全周に
わたって被う基部と、この基部と一体に成形されかつ基
部の幅方向に沿う目玉内周面を有する端末筒状部とを具
備し、しかも上記目玉部の肉厚を6mm以上16mm未満と
し、かつ上記基部の上下部肉厚と側部肉厚との肉厚比
(薄肉部/厚肉部)を0.6以上としたことを特徴とす
る端部に目玉部を有する部材。 - 【請求項2】上記端末筒状部の外径が上記基部の厚さよ
りも大きくかつこの端末筒状部の外周部と上記基部とに
わたって目玉部の長手方向に沿う補強用リブが上記基部
および端末筒状部と一体に成形されている請求項1記載
の目玉部を有する部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5095889A JPH06307474A (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | 端部に目玉部を有する部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5095889A JPH06307474A (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | 端部に目玉部を有する部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06307474A true JPH06307474A (ja) | 1994-11-01 |
Family
ID=14149886
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5095889A Pending JPH06307474A (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | 端部に目玉部を有する部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06307474A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001524187A (ja) * | 1997-04-17 | 2001-11-27 | オハイオ マットレス カンパニー ライセンシング アンド コンポーネンツ グループ | 係合用取付具を一体に形成した複合材料製ばねモジュール |
EP3908621A4 (en) * | 2019-01-10 | 2022-10-12 | Avient Corporation | ELASTICLY FLEXIBLE COMPOSITE ARTICLES WITH RIGID OVER-MOLDED PARTS |
-
1993
- 1993-04-22 JP JP5095889A patent/JPH06307474A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001524187A (ja) * | 1997-04-17 | 2001-11-27 | オハイオ マットレス カンパニー ライセンシング アンド コンポーネンツ グループ | 係合用取付具を一体に形成した複合材料製ばねモジュール |
EP3908621A4 (en) * | 2019-01-10 | 2022-10-12 | Avient Corporation | ELASTICLY FLEXIBLE COMPOSITE ARTICLES WITH RIGID OVER-MOLDED PARTS |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |