JPH06300530A - 横方向に不均質な極薄物体層を横方向に解像して検査する装置 - Google Patents

横方向に不均質な極薄物体層を横方向に解像して検査する装置

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JPH06300530A
JPH06300530A JP6082587A JP8258794A JPH06300530A JP H06300530 A JPH06300530 A JP H06300530A JP 6082587 A JP6082587 A JP 6082587A JP 8258794 A JP8258794 A JP 8258794A JP H06300530 A JPH06300530 A JP H06300530A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 横方向に不均質な極薄物体層5を横方向に解
像して検査する装置を提供する。 【構成】 検査領域に延び、第1の層としての物体層5
とそれに隣接する第2の層とからなる多層構造、定めら
れた入射角で第2の層に達して束縛非放射電磁波を発生
し、そこから極微な波が物体層5に延びるものとする励
起光9を結合する光結合手段、検出光が第2の層との結
合から解かれる定められた射出角で、物体層5の検査領
域を、画像平面12に映しだす光学映像システム11を
有し、前記光結合手段の配列は、前記物体層5に平行に
検査領域に延び、格子平面に垂直に延びる軸Aのまわり
に回転可能である光学格子構造からなり、これによっ
て、入射面に対しての格子線の方位を変えることによっ
て画像コントラストが調整される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、横方向に不均質の極薄
物体層を、とくには、物体層に結合された第1の結合相
手と、結合されていない第2の結合相手との特異的な結
合反応から生じる物体層の厚さにおける異なる部分領域
において異なる層厚変化を、横方向に解像して(差異を
認めて)検査(investigation )する装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】実用
上数々の応用を行うために、横方向に解像する方法で
(in a laterally resolved manner)極薄層を検査する
ことが必要である。そのような横方向に不均質な構造
は、1ナノメーター(10-6mm)のオーダーの厚さの
層であり、非常に小さな相違、とくには、多くのばあ
い、ナノメーターの端数のみにしか達しないような層の
厚さの色々な変化が認められうるような方法で精査され
なければならない。この方法を以下、「極薄層の顕微鏡
検査」と称する。
【0003】これは、伝播する通常の電磁波を用いるこ
とによっては不可能である。可視光線のみならず、電子
顕微鏡で用いられているようなより短い波長の電磁波で
でも、そのような層の横方向に区別された検査が行われ
うるように異なる厚さの部分領域間でコントラストを達
成することは不可能である。
【0004】そのような、多くのばあい1つかあるいは
2、3の分子の層のみからなる層で行われる検査のため
に、被検体の「照明」が極微の波(エバネセントウェー
ブ、evanescent waves)に基づくものである方法が開発
された。極微の波は、光線が、高い屈折率を有する媒体
(たとえばガラス)に、より小さな屈折率の媒体(たと
えば空気)との境界面に対して臨界角よりも大きな角度
で向けられるときに起こる光の全反射からもっともよく
知られている。この現象をさらに分析すると、小さな屈
折率の媒体(すなわちたとえば空気)中の電場が突然に
ゼロに落ちるのではなく、境界面に平行に伝播する調和
的な波が観察され、その振幅は境界面に垂直な方向に幾
何級数的に低下する。
【0005】この現象を、不均質な物体層を横方向に解
像しての検査に応用するために、以下の要素のものが本
質的に必要となる。
【0006】層構造が平坦な表面を有するキャリヤ部分
(基板)に設けられる。この層構造は、物体層だけでは
なく、束縛非放射電磁波(a bound non-radiating elec
tromagnetic wave)が生じうるように設計された少なく
とも1つの第2の層をも有する。したがってその第2の
層は、以下「波形成層」と称する。とくに以下の2つの
構造が知られている。
【0007】一方のものでは、第2の層が薄い平面の導
波層となりうる。高い屈折率を有する光学的に透明な物
質が薄膜層として適当である。その屈折率はその両側に
おいて隣接する層のものより高くなければならない。た
とえばヨーロッパ特許明細書0226604号に詳細が
書かれているが、横方向の相違が検出される点について
は何の検査方法も言及されていない。さらに、本発明と
比較して関係があるような差異について詳細はさらに以
下に述べられる。
【0008】物体層に極微の波を発生させる第2の周知
の方法では、第2の層は物体層に隣接して金属からな
り、その層では表面プラズモン(PSP:plasmon surface
polarion)が励起される。表面プラズモン顕微鏡検査
(SPM:surface plasmon microscopy)による物体層の横
方向に区別された検査は、とくに以下の出版物に記述さ
れている: ドイツ特許出願第3720387号明細書 ベー ローテンホイスラー(B. Rothenhaeusler )とベ
ー クノール(W. Knoll)による「表面プラズモン顕微
鏡検査(Surface-plasmon microscopy)」、ネイチャー
(Nature)第332巻、第6165号、615〜617
頁(1988年) ベー ヒッケル(W. Hickel )、ベ
ー ローテンホイスラー(B. Rothenhaeusler )、ベー
クノール(W. Knoll)による「外表面の表面プラズモ
ン顕微鏡検査特性(surface plasmon microscopic char
acterization of external surfaces )」、ジャーナル
オブ アプライド フィジクス(J. Appl. phys.)第
66巻、4832〜4836頁(1989年) ベー、ヒッケル(W. Hickel )、ベー、クノール(W. K
noll)による「5μmの横方向検査での脂質単一層の表
面プラズモン光学特性(Surface plasmon optical char
acterization of lipid monolayers at 5 μm lateral
resolution)」、ジャーナル オブ アプライド フィ
ジクス(J. Appl. Phys.)第67巻3572頁以下 ヨーロッパ特許出願第0469377号明細書 第2の層に束縛非放射電磁波−その「極微の(消えてい
く)末端(evanescenttails)」が物体層に延びるもの
−を発生させるために、光結合器を配列することが必要
とされ、それによって、励起された光線(excitation l
ightbeam)の光が結合される。この目的のために、理論
上はプリズムの配列と光学格子が記述されてきたが、実
際には極薄層の顕微鏡検査のためにプリズムのみが用い
られてきた。表面プラズモンのばあいにおいても、ま
た、導波層のばあいにおいても、束縛非放射電磁波(プ
ラズモンもしくはそれぞれの導波モード)は、励起光が
ある1つのもしくは可能な複数個のうちの1つの定めら
れた入射角(以下、励起角という)で入射するときにの
み発生させられる。励起角で入射する光線が束縛波(a
bound wave)を励起し、それゆえ、大部分吸収される一
方で、ほかの角度で入射する光線は反射される。それゆ
え、励起光の入射角が変えられるとき、その反射光は、
束縛非放射電磁波が発生される角度で鋭い極小値とな
る。
【0009】励起角は物体層に依存する(そうでなけれ
ば測定の配列に変化はない)。物体層の厚さおよび/ま
たは組成が異なる領域では異なるものであるなら、これ
は、第2の層における束縛波の分光関係(すなわち、運
動量とエネルギーの相互関係)の部分的変化となる。こ
の結果、励起光の吸収は物体層の2つの異なる位置で異
なるものとなる。
【0010】この違いを光学的なコントラストとして目
に見えるものとするために光学映像システムが必要であ
り、それによって検査領域が画像平面上に映しだされ
る。数学的な言葉で表現すると映像システムは、運動量
空間から実空間へのフーリエ逆変換(Fourier-back-tra
nsformation)を行っている。光学映像システムは、通常
入射角で配列される。というのは、検査されるべき物体
層の領域(「検査領域」)から鏡面反射性的に反射され
る光が記録されるからである。
【0011】横方向に不均質な極薄物体層の横方向に解
像して検査する従来公知の方法に関するさらなる詳細
は、関係がある出版物から推し量られる。とくに、エム
アールエス ブルテン(MRS Bulletin)第16巻、29
〜39頁(1991)に発表された「有機薄膜と境界面
の極微な波での光学特性(Optical Characterization o
f Organic Thin Films and Interfaces with Evanescen
t Waves )」が参照される。
【0012】前述のように、本発明は、物体層の厚さに
おいて、2つの生物的な関係にある結合相手の特殊な結
合反応の結果生ずる変化が観察されおよび/または定量
的に測定されるものに応用することに、とくに向けられ
る。そのような結合反応はとくに被検体の液体(とくに
医学の分野においてたとえば血液や尿のようなもの)の
分析検査において重要である。
【0013】2つの生物学的な関係にある結合相手の特
異的な結合反応に基づく分析方法は、ますます重要にな
ってきた。特異的な結合反応とは、この意味では、とく
には免疫性の相互作用すなわち抗原またはハプテンと抗
体との相互作用である。しかしながら分析が適用される
ものとしては、レクチン−糖相互作用、活性物質−受容
体相互作用およびビオチンとストレプトアビジンの特異
的な結合のようなほかの特異的な生物学的な関係にある
相互作用を用いることもまた可能である。本文中以下に
続く部分は簡略化のため、免疫結合反応を参照して記述
するが、一般性に対して制限が与えられることはない。
【0014】免疫学の分析法は、いわゆる固相結合反応
の多くのばあいに、すなわち第1の結合相手が固体表面
に固定され(固相束縛された)、とくにその表面と接触
する液体中で自由に動く(フリーな)第2の結合相手と
とくに結合するばあいに使用される。分析反応の終了
後、第2の結合相手が、第1の結合相手に結合されてい
て、それゆえ、それ自体が表面に結合されており、その
濃度は、被検体液体においてアナライト(analyte)の濃
度を測定することとなる結果にいずれもが導かれるよう
なおびただしい数の異なる反応が連続することが知られ
ている。
【0015】固相束縛結合相手への自由結合相手の結合
を検出することは、通常、自由結合相手(またはそれに
結合されるさらなる結合相手)にラベル分子でラベルづ
けすることによって可能となる。酵素もしくは蛍光分子
でラベルづけすることがとりわけ通常のものである。ラ
ベルによって間接的に結合反応を観察することで、高い
特異性および感度で分析することができるが、かなりの
不利益をともなう。とくに多くのばあい、結合相手の
「共役(conjugate)」やラベルを形成するのが困難であ
る。蛍光ラベルを検出することは、装置にかなりの費用
がかかる。酵素の検出は、分析時間が長引く結果となる
特殊な反応ステップやずっと複雑な反応経路が必要とな
る。
【0016】直接観察するか(定量分析のためには)結
合反応の結果起こる層の厚さにおける変化を定量的に測
定するかが可能とされるなら、これらの問題は避けられ
る。そのような方法が前述のヨーロッパ特許明細書02
26604号に記述されており、それは横方向での検査
を行わず操作する配列のものである。
【0017】特異的な結合反応の結果起こる物体層の厚
さの変化を横方向に差異を設けて検査することに基づく
解析システムが、ヨーロッパ特許出願0469377号
の発明であり、それに開示されることは、それを参照し
て本願中にも記載されるものとする。
【0018】極微の波の補助によって極薄の層をきわめ
て高い感度で分析することが可能である。例をあげる
と、前述のヨーロッパ特許明細書中では、物体層の、異
なる結合反応の部分領域の不規則な構造が、横方向に約
5μmに解像されて定量的に測定される。結合反応と関
係のある層の厚さの増大は、たとえば下部結合反応の部
分領域では1.8nmに、より大きな結合反応を有する
物体層の部分領域では3.4nmに達する。これらの層
の厚さの小さな変化は、非常に正確に求められるので、
固相に結合する結合相手の濃度は定量的な分析をするの
に充分なほど正確に測定される。
【0019】この技術を実際に応用するために、装置の
費用を妥当な範囲内におさめることが非常に重要であ
る。したがって本発明の目的は、極薄物体層の横方向に
解像しての検査の簡素化に寄与することであり、そのよ
うな手段を持ち運ぶ可能性を増すことである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の主な特徴
によれば、前記目的は横方向に不均質な極薄物体層5を
横方向に解像して検査する装置によって達成される。と
くに、この装置は物体層5に結合する第1の結合相手4
5と自由な(結合していない)第2の結合相手との特異
的な結合反応から生じる物体層の厚さの変化を横方向に
解像して検査する装置であって、第1の層20としての
物体層5およびそれに隣接する第2の層21からなるも
のであり、かつ基板18の平坦な表面上の検査領域にお
いて平坦な表面18aと平行に展開している多層構造1
9、入射面29に入射し、該第2の層に入る励起光9を
結合するための光結合器の配置25(励起光9は、該第
2の層において少なくとも1つの定められた入射角φ1
で、束縛非放射電磁波を発生し、第2の層から極微な
(消えてゆく)波が該物体層5に延びる)および検出光
26が該第2の層21との結合から離れる定められた射
出角φ2で、該物体層5の検査領域10を画像平面12
に映しだすための光学映像システム11からなり、前記
光結合器の配置25は、物体層5に平行に検査領域10
に延び、かつ画像コントラストの設定の目的で、入射面
29と格子線28とのあいだの方位角Θを変えることに
より、入射面29に対して格子線の方向を変えるため
に、格子平面27に垂直に延びる軸Aのまわりに回転可
能であるものからなる。
【0021】第2の主な特徴は、好ましくは第1の主な
特徴と結合されるが、独立した重要性を有しており、そ
れによると、本発明は、横方向に不均質な極薄物体層5
を横方向に解像して検査する、とくには、物体層5に結
合する第1の結合相手45と、結合していない第2の結
合相手47との特異的な結合反応から生じる物体層5の
厚さの変化を横方向に解像して検査する装置に向けられ
る。それは、基板18の平坦な表面18a上でそれに平
行に検査領域10に延び、第1の層20としての物体層
5およびそれに隣接する第2の層21からなる多層構造
19、入射面29に入射し、第2の層21に入る励起光
9を結合するための光結合器の配置25、その配置にお
いて励起光9が第2の層21での少なくとも1つの定め
られた入射角φ1で束縛非放射電磁波であって、そこか
ら極微な(消えていく)波が物体層5に延びるものを発
生し、また、物体層5の検査領域10を定めらえられた
射出角φ2で画像平面12に映しだす光学映像システム
であって、その角φ2で検出光が第2の層との結合から
離れ、その検出光26を結合から解くために光の結合を
解離する格子39、40が備えられ、それは物体層5に
平行に検査領域に延び、その光の結合を解離する格子3
9、40の格子ベクトルG2の大きさは束縛非放射電磁
波の波ベクトルK(Sp)の大きさと実質的に同じであ
って、該検出光26が格子平面27に実質的に垂直に結
合から解かれるものを有する。
【0022】
【作用】格子の回転により、それぞれの状態に依存する
(とくに与えられた励起光の波長での、また与えられた
測定配置での物体層の厚さに依存するもの)光学的コン
トラスト値を達成するために、物体層の画像コントラス
トを簡単に調整することが可能となる。このことは、良
好な画像化を可能とするために、また、横方向に不均質
な物体層の異なる部分領域の層の厚さを定量的に測定す
ることを最善の精度で行うために必要である。
【0023】極薄層の顕微鏡検査の従来知られている方
法では、励起光線と物体層の平面に垂直な線とがなす入
射角φを変えることによって、コントラストが調整され
ていた。本発明では、(さらにφを変えることも可能で
あるが好ましくはそれを除いて)格子線と励起光の入射
面とのあいだの方位角Θが変えられる。以下、本文中で
はこれは「Θコントラストでの顕微鏡検査」と称され
る。
【0024】周知のφコントラストでの顕微鏡検査で
は、費用のかかる機構システムが必要である。というの
は、励起光線と物体表面のあいだの角がφ単位で変えら
れ、同時に(鏡の状態を維持するために)励起光線と映
像システムの光学軸のあいだの角が2φ単位で変えられ
なければならないからである。結果として、波結合構造
(wave-binding structure)を有する基板と映像システ
ム(または基板と励起光源)との同期した動きが必要に
なる。本発明では、このような複雑な設計が格子を有す
る基板の簡単な回転によって置きかえられる。
【0025】加えてコントラストの設定範囲がΘの回転
により広げられる。結果として、光学画像のコントラス
トを適正化する可能性が実質的に向上する。これは、特
殊な結合反応と関係して、たとえば極薄層の顕微鏡検査
によって多段階結合反応が検査されるばあいに、とくに
重要である。
【0026】本発明は、以下の図で概略的に示される実
施例を参照して以下で詳細に説明される。なお、これら
の図において示される格子構造は、実際の縮尺率とは関
係なく大きく誇張されて描かれている。典型的には、格
子の周期長は、(後述のように)0.5μmであり、格
子線の深さは、さらにそれより小さい。典型的には(同
じく後述のように)振幅は15nmであって目にみえる
ものではない。すなわち、これらの図で誇張されて描か
れている(格子構造を表す)波線は、事実上は平坦な面
である。
【0027】
【実施例】図1〜3は本発明の極薄層の顕微鏡検査のた
めの装置1の実施例を示す。光学的な配置の部分は、全
体としては2によって示され、それと被検体ホルダー3
は安定した垂直板4に固定される。光学的な配置2は励
起側において、物体層5の表面5aに向けられたレーザ
6を含む(図2)。特別な実施例においては632.8nm
の波長を有するヘリウムレーザネオン6と5mWの電源
が使用された。かわりに、670nmの波長を有するレ
ーザダイオードと4mWの電源を使用することも可能で
あった。レーザ6は物体層5において束縛非放射電磁波
を発生するために励起光源7として用いられる。励起光
源7から発生する励起光9の光線は従来の(図示されて
いない)手段により、それが均一に物体層5の検査領域
10を照らす程度にまで広げられる。
【0028】光学的な配置2の画像側は、必須のものと
して光学映像システム11と画像平面12に配置される
光感知素子のアレイ13とからなる。
【0029】光学映像システムは、レンズとして簡素化
された形で図に示される。好ましくは、商業用反射光顕
微鏡検査で用いられるような調整された顕微鏡検査光学
システムが用いられる。ドイツ国ツァイス(Zeiss)社製
の「エピラン エル ディ(EPILAN LD)」型のような長
距離顕微鏡検査対物レンズがとくに好ましい。
【0030】光感知素子のアレイ13はたとえば、テレ
ビカメラに用いられるCCDからなる。それは、装置の
電子測定システムの部分である画像分析装置14に接続
され、そのシステムはその全体が15で示される。画像
分析および評価の幾分より詳細な説明は、ヨーロッパ特
許0469377号から推し量られる。この技術のさら
なる詳細は当業者に知られており、本発明の主題をなす
ものではない。
【0031】被検体ホルダー3の被検体ステージ17上
に少なくとも2つの層からなる層構造19の保持体とし
て働く基板18が固定される。基板18から離れた第1
の層20は、物体層5である。銀の金属層22が層構造
19の第2の層21として物体層5と基板18のあいだ
に位置している。
【0032】基板18の表面18aは、格子構造24を
備え、それは(層の厚さとして)大きく誇張され、一定
の率で縮尺されない形で図中に示される。実施例におい
ては、基板18の表面18aは周期長L=0.5μmを
有する格子がホログラフィ的に発生させられたホトレジ
スト材料からつくられる(H. Knobloch et al., J. Che
m. Phys. 91(1989)3810)。金属層22は基板18のホト
レジスト表面18aに真空蒸着により形成される。基板
18の表面18aは(表面の寸法に対して非常に小さな
振幅たとえば15nmのものを有する格子構造24は別
にして)平坦で凹凸がない。
【0033】かわりに格子構造はまたリアクティブプラ
ズマエッチング(reactive plasmaetching )(イオン
ドリリング(ion drilling))や熱可塑性高分子基板、
たとえばPMMA(Plexiglas)においてのエンボス技術
によってつくられうる。「射出成形」法が大量生産にと
くに適切であり、その製法はコンパクトディスク(C
D)の製造にも用いられている。
【0034】図3に示される実施例において格子構造2
4は、励起光9に結合し、同時に検出光26を結合から
解く光結合配置25として働く。このばあい、入射角φ
1は結合から解かれる角φ2と同じである。
【0035】ここまで記述したように、本発明による極
薄層の顕微鏡検査のための装置1は、実質的に表面プラ
ズモン顕微鏡検査装置として知られるものと一致する。
大きな違いは、被検体ステージ17およびそれに伴って
その上におかれる基板18および格子構造24が、格子
構造24の格子平面27に垂直に延びる軸Aのまわりに
回転可能であることにある。これによって、入射面29
と格子線28とのあいだの方位角Θを変えることによ
り、励起光9の入射面29に対しての格子線28の方位
を変えることができる。入射面29は、通常、励起光9
の中心光線と物体層5に垂直な軸Aによって定められ
る。図1および図3において、これは図面の平面と同一
である。以前より知られている極薄層の顕微鏡検査のた
めの装置においては、入射角φ1(および同時に出射角
φ2)が変えられる一方で、本発明のばあいは、実質上
構造的により簡単な角度Θの設定によって光学的コント
ラストの調整が行われる。図1に示される実験室のモデ
ルのばあいは、ハンドル31によりロータリーベアリン
グ30において設定可能なシャフト32についての任意
の角Θを通じて、被検体ステージ17が回転可能とされ
る方法で、角Θは設定される。
【0036】本発明のテストのための物体層5として
は、ポリグルタメート(ガンマ−メチル−L−グルタメ
ート/ガンマ−オクタデシル−L−グルタメート)共重
合体の単分子層が、ラングミュアー−ブロジェット−ク
ーン(Langmuir-Blodgett-Kuhn:LBK)技術(W.Hick
el et al.: Langmuir 6 (1990)1403)によって銀層の上
に(複層)被覆される。この技術を使って物体層5の層
の厚さの異なる部分領域5bおよび5cが、図3に概略
図として示されるように、つくられる。
【0037】図4は、部分領域5bおよび5cの厚さが
単分子層4層分異なるばあいの実験結果を示す。ここに
示されるものは、図1〜3を参照して記述される実験の
配置で一連の写真露光を行ったものである。これらの写
真は、固定角φ=35度および図に示される方位回転角
Θ(図4においてはΨで示している。以下同じ)におい
て露光されたものである。このばあい、角Θ=0度は入
射面29に垂直な格子線28の方向に対応する。Θ=5
3度では(単分子層4層分)厚い方の部分領域5cは共
振し、それゆえ反射して(φ1=φ2)黒く見える。5
4度に格子を回転することで、部分領域5cはもはや共
振しなくなり、一方で5bと5cのあいだに位置する移
行領域5dが共振して暗くなる。さらに回転して54.
3度にすると、隣接領域5bおよび5cに比べて移行領
域5d(2層の単分子層が追加されている)が最適条件
で共振する。移行領域5dとそれに隣接する領域5bお
よび5cとの差は、それぞれのばあいで約3.5nmで
あり、それはポリグルタメートポリマーの2重層がおよ
そこのぐらいの厚さであるからである。そのような層の
小さな差は、それゆえ本発明によって高いコントラスト
で検出されうる。
【0038】角Θをさらに大きくすることにより、銀層
の部分領域5bは、その部分領域の上にはポリマー層が
追加しておかれないので、共振に近づき、約Θ=56度
(一番下の写真)で共振が達成される。
【0039】本発明は、方位角Θを通しての回転によっ
て共振角φが変更されるという説明がなされる効果を利
用している。これは、科学技術文献においてずっと昔か
ら知られていた効果である。以下の出版物が参考文献と
してあげられる: テンらによる(Y.-Y. Teng et al. )フィジカル レビ
ュー レターズ(Phys.Rev. Lett. )、第19巻、51
1頁(1967年) イナガキらによる(T.Inagaki et al.)フィジカル レ
ビュー(Phys. Rev.)、B28巻、1740頁(198
3年) ブライアン ブラウンらによる(G.B.Bryan-Brown et a
l.)ジャーナル オブモダン オプティクス(Journal
of Modern Optics)、第37巻1227頁(1990
年) 本発明においては、格子の回転によって、画像を乱すこ
となく極薄層の顕微鏡検査のコントラストが調整できる
ものとなされた。
【0040】励起光9はしばしば縦方向に偏光される。
好ましくは、偏光を発生するレーザ6が用いられる。し
かしながら、励起光9の光線に偏光器36が設けられ
え、その偏光器は図1においてオプションとして破線で
示される。(従来は、普通であったように)入射面29
が格子線28に垂直に延びれば、金属層22のプラズモ
ンはp偏光によって(すなわち入射面での偏光方向で)
のみ励起されうる。
【0041】0に等しくない方位角Θだけの格子構造2
4の回転により、プラズモンはまたs偏光によっても励
起されうる。励起強度を方位角Θから独立して達成する
ために、このばあいには励起光9の偏光平面を、図2に
示されるように、格子線28の方位角Θを設定するのと
同期して回転させるのが適切である。
【0042】さらに好ましい実施例によると、偏光器3
7は、図1にオプションとして破線で示されるように、
検出光26の光路26aにおかれる。ひとつにはそれ
は、望ましくない反射成分(たとえば偏光されない励起
光を使用するばあいのs偏光成分)を取り除く。2つ目
には、それによって偏光作用に関しての異方性を示す物
体層の検査が可能となり、それは偏光の角度に関して異
なるものとなる。本発明においては、そのような異方性
のプラズモン顕微鏡検査は0に等しくない方位角Θが用
いられるなら可能である。最後に、このばあいにおいて
はまた、検出光のs偏光成分を選択的に検出し、そして
これによってコントラストを反対にすることも可能であ
る。
【0043】金属層のかわりに基板18上の第2の層2
1として導波層35が延びる点で図5に示される実施例
は図2とは異なっている。この層は光学的に透明な材料
であって、その屈折率が隣接する層5および18のそれ
よりも高く、入射角が臨界角よりも大きいと境界面で全
反射が起こるような材料からなる。励起光9が格子構造
24に励起角φ1で照射すると、このばあいもまた光の
結合として働くのであるが、導波層35で光導波モード
が励起される。前述のように、この技術およびそれを分
析の目的で応用することは、原理上は知られたものであ
り、ここでより詳細にわたって説明する必要はない。
【0044】これまで光導波モードが分析の分野で用い
られるとき、これは、たとえば前述のヨーロッパ特許明
細書0226604号のように、横方向に解像されるこ
となく空間的に一体になった測定方法で行われるにすぎ
なかった。図5の実施例は、これらの既知の方法とはΘ
回転に関するのみならず、水平方向に解像した検査(す
なわち顕微鏡検査)が可能となるという基本的な点にお
いて異なる。この目的のために、光が検査領域10に結
合するのみならず、その結合から解かれることも必要で
ある。それと関係するエネルギー損失の結果として、層
35の光導波モードの光学路の長さは実質的に短縮され
る。典型的には、それは(ファクター1/eによる振幅
の減衰によって定義される)空間的に一体となった方法
での数cmに対して10μmより小さいものになる。そ
れに対して従来の一体的な方法においては、光学的導波
モードが比較的大きな光路長にわたって延び、その上で
検査されるべき物体層が導波層に接することが重要であ
ると考えられた。本発明において実質的に短縮された光
導波モードの光学路長は、物体層5との相互作用を減少
する、すなわち潜在的に感度を減少する。驚くことに、
本発明においては、検査領域10内での物体層5の厚さ
の横方向の相違を量的に評価できる検出が可能であるに
もかかわらず、そのような検出によって分析的評価が可
能であることが明白である。
【0045】図6は、格子構造24が複回折形式で設計
された実施例を示す。ここに示された例では、基板18
の表面18aに二重格子構造が備えられ、それは、格子
定数L1の第1の格子36とより大きな格子定数L2の
第2の格子39との重ね合せにより形成される。格子の
1つ(たとえば36)は、励起光の結合のために働き、
第2の格子39は、検出光の結合からの離脱のために働
く。このばあい、本発明の第2の主な特徴によると、光
の結合離脱格子39の格子ベクトルの大きさがほぼ束縛
非放射電磁波の波ベクトルの大きさと同一であり、検出
光が格子平面にほぼ垂直に結合から離れ、結果として物
体層5の表面5a上に垂直に標準光顕微鏡検査と同じ位
置に配置された顕微鏡検査光学システムで検出されうる
という特別な利点がある。これは、図7〜10を参照し
て以下に説明する。
【0046】図8は、図7に示されるような二重格子構
造の光の結合および光の結合からの離脱状態を図式的に
表わすものである。このばあいは、異なる格子定数L1
とL2を有する2つの格子が入射面29に対し、異なる
角度Θ1とΘ2で延びる。Θ2−Θ1なる差もまた示さ
れる。
【0047】表面プラズモンの共振励起は、エネルギー
の保存と運動量の保存の条件が満たされるとき起こる。
これから以下の条件が導かれる。
【0048】 (1)K(Ph)=K(Sp)±m・G (2)K(Ph)=|K(Ph)|sinφ ここで、K(Ph)は、金属層面での光量子の運動量
の成分、K(Sp)は表面プラズモンの運動量、Gは逆
格子ベクトルである(K、Gはベクトルを表わす。以
下、同じ)。
【0049】(3)G=2/L 図8は光の結合および光の結合から解かれる状態を図式
的に表わす。
【0050】方位角Θ1と逆格子ベクトル|G1|を有
する光結合格子により、大きさ|K(Sp)|で表面プ
ラズモンが励起されるためには、計算値は、光結合の条
件を満足する光量子の投射がK(Ph)inにより、図
8に指定される矢印の大きさと方向を有さなければなら
ない。
【0051】角度Θ2と逆格子ベクトルG2を有する光
が結合から解かれる格子のための対応する計算値は、K
(Ph)out により図8で指定される光量子の運動量
のx成分である。
【0052】図9において、以下の条件が成り立つと
き、K(Ph)out は0になることが図式的に示され
る。
【0053】(4)|G2|=|K(Sp)| これはすなわち、格子ベクトルG2の大きさが束縛非放
射電磁波の波ベクトルK(Sp)の大きさと同一である
ときである。それは、検出光が物体層5の表面5aから
垂直に離れることから生じる。
【0054】ここで、光結合格子と光が結合から離脱す
る格子の格子線は平行であってもよい。そのような二重
格子を平行な線で製造するのはより容易であるので、実
際、これは好ましい。
【0055】励起光の与えられた周波数で表面プラズモ
ンの波ベクトルK(Sp)は、表面プラズモンの分光関
係に依存する。前述のように、この関係は、今度は物体
層5の厚さと材料によって影響されるので、プラズモン
の運動量は(わずかに)物体層5の特性に依存する(こ
れは、前述のようにプラズモン顕微鏡検査のもとになる
効果である)。したがって条件(4)は、物体層のすべ
ての条件として正確にあてはまるものではない。しかし
ながらそのような必要はない。というのは物体層5の表
面の上方におかれ、それに垂直に光学軸が延びる光学画
像システム(顕微鏡検査)11の開口数に、検出光26
がおさまるという意味で「実質的に」条件(4)が、あ
てはまるなら充分であるからである。この開口数はこの
顕微鏡光学システムの好ましい方位の結果として、とく
に大きくなりうる。
【0056】図10は、光が結合から解かれる格子40
が再び条件(4)を満たし検出光が光学画像システム1
1に実質的に垂直に出射する本発明の実施例を示す。し
かしながら、このばあいプリズム41の助けによって光
の結合が起こる。格子40は、プリズム41のベース4
2に付与せられ、極薄金属層43が第2の層21として
利用される。50nmより小さな厚さを有する金属層の
光学透過率は、物体層5に対しての反対境界表面でその
金属層を通る表面プラズモンの励起を起こさせるのに充
分なほど高いものとなった。
【0057】プリズムのばあいの光の結合条件は、その
方位角の位置と無関係であるので、図10による実施例
のばあいには、本発明の第2の主な特徴は適用から除外
される。
【0058】図10において特殊な結合反応の結合相手
も記号で示され、すなわち金属層43に結合される第1
結合相手45および被検体液46のなかで自由に動く第
2結合相手47が示される。
【0059】この実施例においては物体層5は、流動セ
ル中におかれ、その壁はプリズム41のべース42で形
成され、その上にカバーガラス44がおかれる。このば
あい、分析の手順は第1に被検体が物体層5と適当な時
間接触する状態にされ、固定された結合相手45が載置
される。結合反応の結果として物体層5の厚さおよび/
または組成が変えられる。横方向に不均質な結合特性の
ために、自由結合相手47が固定結合相手45に結合す
る結果として起こる厚さの変化(ヨーロッパ特許公開公
報0469377号参照)もまた横方向に不均質であ
る。
【0060】結合反応が完了したあと、流動セル49は
過剰な自由結合相手42を取り除き、必要とされる光学
的透明性を確保するためにすすがれる。
【0061】もちろん、前述の記載にもとづいて、本発
明を数々変更することは可能である。とくに層構造19
は記述された2層以上からなりうる。このばあいはさら
に増やされる可能性のあるどの層も好ましくは第2の層
21と基板18とのあいだにすえられ、一方で物体層5
は好ましくは第2の層21と直接接触する。
【0062】格子構造は好ましくは基板18の表面18
aに備えられ、その表面には第2の層21が(直接にあ
るいは間接に)接触する。しかしながら、原則として、
光が結合しあるいは結合から解かれるための格子構造
は、第2の層21中にあるいは基板18から離れたその
表面に備えられることも可能である。可能な複回折格子
構造の数々の異なる例がヨーロッパ特許公開公報045
5067号に記載されている。
【0063】本発明の好ましい態様 (1)前記第2の層が金属層22であり、前記束縛電磁
波が表面プラズモンである請求項1記載の装置。
【0064】(2)前記第2の層が導波層35であり、
前記束縛電磁波が導波層35で誘導される導波モードで
ある請求項1記載の装置。
【0065】(3)光感度素子の二次元アレイ13が前
記画像平面12に配置され、該アレイが画像分析装置1
4と結合されている請求項1記載の装置。
【0066】(4)前記励起光9が偏光され、該励起光
9の偏光平面が前記格子線28の方位角Θが変化するの
と同期して回転可能である請求項1記載の装置。
【0067】(5)偏光器37が前記物体層5と前記画
像平面12とのあいだの光路26aに配置される請求項
1記載の装置。
【0068】(6)前記光を結合から解離する格子が複
回折格子構造38の部分であり、そこにおいては、第1
格子周期L1が励起光9を結合するために働き、第2格
子周期L2が異なる角で検出光26を結合から解く働き
をする請求項7記載の装置。
【0069】(7)前記複回折格子構造38が二重格子
構造である請求項8記載の装置。
【0070】(8)前記励起光9を結合するための光結
合手段25がプリズム41を含み、前記光を結合から解
離する格子40が該プリズム41の底面に平行に延びる
請求項1記載の装置。
【0071】(9)前記励起光9を結合するための光結
合手段25がプリズム41を含み、前記光を結合から解
離する格子40が該プリズム41の底面に平行に延びる
請求項7記載の装置。
【0072】
【発明の効果】本発明の方法によって、物体層の検査領
域を、通常の光学顕微鏡検査において表面に対して垂直
な平面視野で観察することができる。この結果、測定技
術が簡素化されると同時に検査領域の光学画像の状態が
向上する。とくには物体層を映しだすために用いられる
光学レンズが表面に非常に近く配置され、それによって
最大限可能な開口数が実質的に増加する。これによっ
て、空間分解能が向上する結果となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による装置の実験室モデルの側面からの
立面図である。
【図2】本発明の装置の幾何学的条件を表わす透視図で
ある。
【図3】本発明の表面プラズモンが励起される第1の実
施例の概略説明図である。
【図4】図3による実施例を用いてえられた極薄層の画
像写真説明図である。
【図5】本発明の第2の実施例である導波モードが励起
されるばあいの概略説明図である。
【図6】本発明の第3の実施例である複回折格子構造を
有するばあいの概略説明図である。
【図7】複回折格子構造の平面図である。
【図8】図7による複回折格子構造の機能を説明するた
めの模式図である。
【図9】本発明の第2の主な特徴を説明する模式図であ
る。
【図10】本発明の、励起光を結合するための光結合配
列としてプリズムを用いて、第2の主な特徴を利用した
実施例を説明する図である。
【符号の説明】
5 極薄物体層 9 励起光 10 検査領域 11 光学映像システム 12 画像平面 18 基板 18a 平坦な表面 19 多層構造 20 第1の層 21 第2の層 24 光学格子構造 25 光結合手段 26 検出光 27 格子平面 28 格子線 29 入射面 φ1 入射角 φ2 射出角 Θ 方位角 39、40 光の結合を解離する格子 45 第1の結合相手 47 第2の結合相手
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項】 横方向に不均質な極薄物体層を横方向に
解像して検査する、とくには物体層に結合された第1の
結合相手と自由な第2の結合相手との特異的な結合反応
から生じる物体層の厚さの変化を横方向に解像して検査
する装置であって、 基板の平坦な表面上で該平坦な表面に平行に検査領域に
おいて延び、第1の層としての物体層と該物体層に隣接
する第2の層とからなる多層構造、 入射面に入射し、第2の層に達する励起光を結合するた
めの光結合手段であって、該励起光は少なくとも1つの
定められた入射角で該第2の層において束縛非放射電磁
波を発生させ、そこから極微な波が物体層に延びる光結
合手段および、 物体層の検査領域を画像平面に映しだすための光学映像
システムであって、検出光が第2の層との結合から解か
れる定められた射出角で配置されている前記光学映像シ
ステムを有し、 検出光を結合から解くために光の結合を解離する格子が
設けられており、該格子は物体層に平行に検査領域にお
いて延び、 前記光の結合を解離する格子の格子ベクトルの大きさは
実質的に前記束縛非放射電磁波の波ベクトルの大きさと
同じであり、それによって検出光が格子平面に実質的に
垂直に結合から解かれる横方向に不均質な極薄物体層を
横方向に解像して検査する装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウォルフガング クノール ドイツ連邦共和国、デー−55124 マイン ツ エルザ−ブランドシュトロエム−シュ トラーセ 18デー

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横方向に不均質な極薄物体層を横方向に
    解像して検査する、とくには物体層に結合された第1の
    結合相手と自由な第2の結合相手との特異的な結合反応
    から生じる物体層の厚さの変化を横方向に解像して検査
    する装置であって、 基板の平坦な表面上で該平坦な表面に平行に検査領域に
    おいて延び、第1の層としての物体層と該物体層に隣接
    する第2の層とからなる多層構造、 入射面に入射し、第2の層に達する励起光を結合するた
    めの光結合手段であって、該手段において該励起光は少
    なくとも1つの定められた入射角で該第2の層において
    束縛非放射電磁波を発生させ、第2の層から極微な波が
    物体層に延びる光結合手段および、 物体層の検査領域を画像平面に映しだすための光学映像
    システムであって、検出光が第2の層との結合から解か
    れるときの定められた射出角で配置されている前記光学
    映像システムを有し、 前記光結合手段の配置は、前記物体層に平行に検査領域
    に広がる光学格子構造からなり、 前記光学格子構造は、入射面と格子線とのあいだの方位
    角を変えることによって、入射面に対しての格子線の方
    位を変えるために、そしてそれによって画像コントラス
    トを調整するために、格子平面に垂直に延びる軸のまわ
    りに回転可能である横方向に不均質な極薄物体層を横方
    向に解像して検査する装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の層が金属層であり、前記束縛
    電磁波が表面プラズモンである請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の層が導波層であり、前記束縛
    電磁波が導波層で誘導される導波モードである請求項1
    記載の装置。
  4. 【請求項4】 光感度素子の二次元アレイが前記画像平
    面に配置され、該アレイが画像分析装置と結合されてい
    る請求項1記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記励起光が偏光され、該励起光の偏光
    平面が前記格子線の方位角Θが変化するのと同期して回
    転可能である請求項1記載の装置。
  6. 【請求項6】 偏光器が前記物体層と前記画像平面との
    あいだの光路に配置される請求項1記載の装置。
  7. 【請求項7】 横方向に不均質な極薄物体層を横方向に
    解像して検査する、とくには物体層に結合された第1の
    結合相手と自由な第2の結合相手との特異的な結合反応
    から生じる物体層の厚さの変化を横方向に解像して検査
    する装置であって、 基板の平坦な表面上で該平坦な表面に平行に検査領域に
    おいて延び、第1の層としての物体層と該物体層に隣接
    する第2の層とからなる多層構造、 入射面に入射し、第2の層に達する励起光を結合するた
    めの光結合手段であって、該励起光は少なくとも1つの
    定められた入射角で該第2の層において束縛非放射電磁
    波を発生させ、そこから極微な波が物体層に延びる光結
    合手段および、 物体層の検査領域を画像平面に映しだすための光学映像
    システムであって、検出光が第2の層との結合から解か
    れる定められた射出角で配置されている前記光学映像シ
    ステムを有し、 検出光を結合から解くために光の結合を解離する格子が
    設けられており、該格子は物体層に平行に検査領域にお
    いて延び、 前記光の結合を解離する格子の格子ベクトルの大きさは
    実質的に前記束縛非放射電磁波の波ベクトルの大きさと
    同じであり、それによって検出光が格子平面に実質的に
    垂直に結合から解かれる横方向に不均質な極薄物体層を
    横方向に解像して検査する装置。
  8. 【請求項8】 前記光を結合から解離する格子が複回折
    格子構造の部分であり、そこにおいては、第1格子周期
    が励起光を結合するために働き、第2格子周期が異なる
    角で検出光を結合から解く働きをする請求項7記載の装
    置。
  9. 【請求項9】 前記複回折格子構造が二重格子構造であ
    る請求項8記載の装置。
  10. 【請求項10】 前記励起光を結合するための光結合手
    段がプリズムを含み、前記光を結合から解離する格子が
    該プリズムの底面に平行に延びる請求項1記載の装置。
  11. 【請求項11】 前記励起光を結合するための光結合手
    段がプリズムを含み、前記光を結合から解離する格子が
    該プリズムの底面に平行に延びる請求項7記載の装置。
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