JPH0629993Y2 - 海苔脱水装置に使用する吸水器具用濾過材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、簀に抄きあげた海苔の脱水を行う海苔脱水装
置に使用する吸水器具用濾過材に関する。

【従来技術とその課題点】

乾燥海苔の製造においては、抄き〜脱水〜乾燥〜
剥ぎ〜簀洗浄、の各工程を一環して行う海苔製造装
置が使用されている。このうち、脱水工程は、きめ細や
かで艶のある高品質の乾燥海苔を得るためには特に重要
な工程である。 この脱水工程においては、吸水スポンジを使用した吸水
器具によるプレス脱水により簀に抄きあげた海苔の脱水
が行われている。 しかし、この吸水スポンジは、使用するにつれて海苔の
微細片等が付着または吸引されて目詰まりを起こし、吸
水能力が低下する。そのため長時間同じ吸水スポンジを
使用していると、できあがった海苔の品質が低下すると
いう問題点がある。 それを防止するためには、吸水スポンジを定期的に洗浄
する必要があるが、海苔の微細片等は吸水スポンジの深
部まで浸透しているために容易には落ちない。また、そ
の作業は、通常手作業により行われており、吸水スポン
ジの洗浄には多大の時間と労力を要しているのが実状で
ある。

【考案の目的】

そこで本考案の目的は、上記吸水スポンジの洗浄作業を
省略できるようにすることによって、海苔製造における
脱水工程の作業時間を短縮し、更に労力の軽減を図るこ
とができる、海苔脱水装置に使用する吸水器具用濾過材
を提供することにある。

【考案の構成】

上記目的を達成するために講じた本考案の構成は次の通
りである。 即ち本考案は、抄きあげた海苔の脱水に使用する吸水器
具用濾過材であって、この濾過材は、吸水器具本体と、
この吸水器具本体に設けてある吸水スポンジと、この吸
水スポンジの吸水面側に配設してあり抄きあげた海苔と
直接接触する表面スポンジと、を有する吸水器具のう
ち、上記吸水スポンジと表面スポンジの間に配設して使
用され、上記濾過材は、マット状に形成した吸水体の両
面に透水性シートが設けてある、海苔脱水装置に使用す
る吸水器具用濾過材である。 透水性シートとしては、例えばプラスチック繊維をパル
プ状にして、単独または天然パルプと混合して抄製した
合成繊維紙等をあげることができる。 また、吸水体としてはクレープ状の吸水紙を複数枚積層
したもの等をあげることができる。 なお、吸水体と透水性シートの縁部分はプレスによって
結合すると全体が一体にまとまるので使用に当たって便
利である。 また、海苔脱水装置に着脱可能に設けてある吸水器具に
装着するための装着ベルトを設けると、装着するにあた
って便利である。

【実施例】

本考案を図面に示した実施例に基づき更に詳細に説明す
る。 第１図は本考案に係る濾過材の一実施例を示す一部切欠
斜視図である。 符号１は吸水スポンジ用の濾過材で、レーヨン紙で袋状
に形成してある透水性シート２を有している。透水性シ
ート２の中には、クレープ状の吸水紙を複数枚積層し、
マット状に形成した吸水体３が収容してある。 吸水体３と透水性シート２の両側の縁部分はプレスによ
って結合部１０が設けてあり、透水性シート２の中で吸
水体３が動かない様にしている。 濾過材１の両側には、後で説明する吸水器具に装着する
場合に使用する装着ベルト４、６が設けてある。装着ベ
ルト４の先端部内面に粘着剤を塗布した粘着部５が設け
てある。 第２図は濾過材を装着した吸水器具を示す斜視図であ
る。 吸水器具２１は、吸水器具本体７とその下側に取り付け
てある吸水スポンジ８を備えている。吸水スポンジ８の
下側には濾過材１が配置してあり、装着ベルト４、６で
吸水器具２１に固定してある。そして濾過材１の下側か
ら表面スポンジ９で吸水器具２１全体を包むようにして
固定してある。 第３図は海苔脱水装置に吸水器具を装着して簀に抄きあ
げた海苔の脱水に使用している状態を示す説明図であ
る。 海苔脱水装置２０には、複数の吸水器具２１が装着して
ある。簀２２に抄きあげた海苔２３の上から吸水器具２
１を下降させて海苔２３に押し当てる。 次いで吸水器具用２１は上昇するが、そのとき海苔２３
に含まれている水分を吸水スポンジ８が吸収して脱水を
行なう。その際海苔２３の中に含まれている微細な海苔
片は、表面スポンジ９は通過しても濾過材１によって濾
過されて吸水スポンジ８側には到達しない。従って、吸
水スポンジ８の気泡構造部が目詰まりを起こさないので
吸水スポンジ８の洗浄が不要になる。 なお、本考案は図示の実施例に限定されるものではな
く、実用新案登録請求の範囲の記載内において種々の変
形が可能である。

【考案の効果】

本考案は上記構成を有しており、海苔脱水装置の吸水器
具に設けてある吸水スポンジにより、簀に抄きあげた海
苔の水分を吸収して脱水を行なう際、海苔に含まれてい
る微細な海苔片は濾過材によって濾過され、吸水スポン
ジには到達しない。従って、吸水スポンジの洗浄作業を
省略できるので、海苔製造における脱水工程の作業時間
を短縮し、更に労力の軽減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る濾過材の一実施例を示す一部切欠
斜視図である。 第２図は濾過材を装着した吸水器具を示す斜視図であ
る。 第３図は海苔脱水装置に吸水器具を装着して簀に抄きあ
げた海苔の脱水の使用している状態を示す説明図であ
る。 １：濾過材 ２：透水性シート ３：吸水体 ４、６：装着ベルト ５：粘着部 １０：結合部

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】抄きあげた海苔の脱水に使用する吸水器具
   用濾過材であって、この濾過材(1)は、 吸水器具本体(7)と、この吸水器具本体(7)に設けてある
   吸水スポンジ(8)と、この吸水スポンジ(8)の吸水面側に
   配設してあり抄きあげた海苔と直接接触する表面スポン
   ジ(9)と、を有する吸水器具のうち、上記吸水スポンジ
   (8)と表面スポンジ(9)の間に配設して使用され、 上記濾過材(1)は、マット状に形成した吸水体(3)の両面
   に透水性シート(2)が設けてある、 海苔脱水装置に使用する吸水器具用濾過材。
2. 【請求項２】透水性シート(2)が合成繊維紙である、請
   求項１記載の海苔脱水装置に使用する吸水器具用濾過
   材。
3. 【請求項３】吸水体(3)が紙である、請求項１または２
   記載の海苔脱水装置に使用する吸水器具用濾過材。
4. 【請求項４】吸水体(3)と透水性シート(2)の縁部分はプ
   レスによって結合してある、請求項１ないし３記載の海
   苔脱水装置に使用する吸水器具用濾過材。
5. 【請求項５】濾過材(1)には装着ベルトが設けてある、
   請求項１ないし４記載の海苔脱水装置に使用する吸水器
   具用濾過材。