JPH06296689A - 蠕動式輸液ポンプ - Google Patents

蠕動式輸液ポンプ

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JPH06296689A
JPH06296689A JP5088527A JP8852793A JPH06296689A JP H06296689 A JPH06296689 A JP H06296689A JP 5088527 A JP5088527 A JP 5088527A JP 8852793 A JP8852793 A JP 8852793A JP H06296689 A JPH06296689 A JP H06296689A
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JP
Japan
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finger
infusion
fingers
packing plate
peristaltic
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Application number
JP5088527A
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English (en)
Inventor
Nobuaki Goi
信明 五井
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
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Publication of JPH06296689A publication Critical patent/JPH06296689A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 必要最小な一定の力で各フィンガを駆動可能
な蠕動式輸液ポンプを提供する。 【構成】 偏心カムC1〜C8はシャフト2に45度ずつ
位置をずらして取り付けられる。フィンガF1〜F8は偏
心カムC1〜C8の回転に連れて前進後退を行う。圧縮ス
プリングS1〜S5は、パッキングプレート51を押して
フィンガF1〜F8からの力を受ける。パッキングプレー
ト51の押圧面52の中央部には窪みを形成して、パッ
キングプレート51の押圧面52と各フィンガF1〜F8
の先端との間に配設された輸液チューブを介して押圧面
52を各フィンガF1〜F8が押す際に、夫々のフィンガ
1〜F8に加わる力を低く一定にする。こうすることに
よって、必要最小な一定の力で各フィンガF1〜F8を駆
動可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、点滴装置等の静脈注
入を行う装置の駆動源として用いられる蠕動式輸液ポン
プに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このような蠕動式輸液ポンプとし
ては、図8に示すようなものがある。但し、図8(a)は
横断面図であり、図8(b)は縦断面図である。図8にお
いて、1はステッピングングモータ、2はステッピング
ングモータ1によって回転されるシャフト、C1〜C8
シャフト2に取り付け位置を所定角度ずつずらして取り
付けられた偏心カム、F1〜F8は第1偏心カムC1〜第
8偏心カムC8の夫々に追従可能に取り付けられたフィ
ンガである。
【0003】また、3は第1フィンガF1〜第8フィン
ガF8の先端に対向して配置されたパッキングプレー
ト、S1〜S5はパッキングプレート3を押す圧縮スプリ
ング、4はフィンガF1〜F8とパッキングプレート3の
先端との間に配置された点滴用の輸液チューブである。
さらに、5はステッピングングモータ1,シャフト2,偏
心カムC1〜C8およびフィンガF1〜F8を支持案内して
いる駆動部のハウジング、6はパッキングプレート3お
よび圧縮スプリングS1〜S5を支持している駆動部の
扉、7は圧縮スプリングS1〜S5をパッキングプレート
3に押し付けるために扉6に取り付けられたプレートで
ある。
【0004】上記構成の蠕動式輸液ポンプは次のように
動作する。図9は、上記第1偏心カムC1および第1フ
ィンガF1から成る1組の偏心カムCとフィンガFの動
作を示す。ステッピングングモータ1が回転するとシャ
フト2が回転し、シャフト2に取り付けられた第1偏心
カムC1が回転する。第1偏心カムC1が第1フィンガF
1のカム穴内で回転すると、第1フィンガF1はシャフト
2に垂直方向にパッキングプレート3に向かって前進と
後退とを繰り返す。その結果、輸液チューブ4が第1フ
ィンガF1の先端によって閉塞(図9(b))されたり開放
(図9(d))されたりする。
【0005】そして、図10に示すように、第1偏心カ
ムC1〜第8偏心カムC8は、取り付け位置を45度ずつ
ずらしてシャフト2に取り付けられている。したがっ
て、シャフト2が1回転すると、最上の第1フィンガF
1から最下の第8フィンガF8まで順次輸液チューブ4を
閉塞/開放することになる。その結果、図11(a)〜図1
1(h)に示すように、輸液チューブ4が上から下に向か
って順に閉塞/開放されて、輸液チューブ4内の斜線に
示した領域の輸液を下方に向かって押し絞り出すのであ
る。
【0006】上述のような蠕動式輸液ポンプにおいて
は、各フィンガF1〜F8が輸液チューブ4を介してパッ
キングプレート3を押す際に加わる力に各フィンガF1
〜F8間で差が生ずる。図13は図12に示す蠕動式輸
液ポンプの力学系を示したものである。パッキングプレ
ート3が各フィンガF1〜F8から力を受けていない場合
に扉6によって支えられているパッキングプレート3の
両端位置をA,Bとし、パッキングプレート3の両端間
の長さをb(=B−A)とする。また、上記パッキングプ
レート3の最下端Aから各圧縮スプリングS1〜S5まで
の距離をy1〜y5(以下、yiと総称する)、各フィンガ
1〜F8がパッキングプレート3に接触してから押し切
るまでの移動量をx、各フィンガF1〜F8に押されたパ
ッキングプレート3の移動による各圧縮スプリングS1
〜S5の変位量をx1〜x5(以下、xiと総称する)、各圧
縮スプリングS1〜S5のバネ定数をk(=k1〜k5)とす
る。
【0007】さらに、上記パッキングプレート3の最下
端Aから各フィンガF1〜F8までの距離をl1〜l8(以
下、ljと総称する)、各フィンガF1〜F8が輸液チュー
ブ4を介してパッキングプレート3を押す際に加わる力
をf1〜f8(以下、fjと総称する)とする。
【0008】上記ステッピングモータ1が1回転してパ
ッキングプレート3を押すフィンガが第1フィンガF1
→第2フィンガF2→…→第8フィンガF8と一巡する間
に、各フィンガF1〜F8に加わる力は以下のように求め
られる。
【0009】(イ) 上記第1フィンガF1が輸液チュー
ブ4を介してパッキングプレート3を押す際に、圧縮ス
プリングS1が圧縮されて反力(k・x1)が発生する。同
様に、圧縮スプリングS2〜S5も圧縮されて夫々に反力
(k・x2〜k・x5)が生ずる。また、上記パッキングプレ
ート3はその一端Aで支えられて、その位置で扉6から
反力RAを受ける。これらの力によって、パッキングプ
レート3は第1フィンガF1との間で輸液チューブ4を
閉塞する。その際に、第1フィンガF1に加わる力f
1は、反力RAが生じた位置Aでのモーメントの釣り合い
より、 f1l1=kx1y1+kx2y2+kx3y3+kx4y4+kx5y5 …(1) f1=(kx1y1+kx2y2+kx3y3+kx4y4+kx5y5)/l1 …(2) また、x1〜x5は、 xi=x・yi/l1 但しi=1〜5 …(3) で表されるから、式(2)および式(3)より、 f1=kx(y1 2+y2 2+y3 2+y4 2+y5 2)/l1 2 …(4) となる。
【0010】(ロ) 次に、上記パッキングプレート3を
押すフィンガが第1フィンガF1から第2フィンガF2
移り、式(4)と同様に第2フィンガF2に加わるf2は、 f2=kx(y1 2+y2 2+y3 2+y4 2+y5 2)/l2 2 …(5) となる。以下同様に、パッキングプレート3を押すフィ
ンガが第3フィンガF3さらに第4フィンガF5と移動す
ると、各フィンガに加わる力f3およびf4は夫々、 f3=kx(y1 2+y2 2+y3 2+y4 2+y5 2)/l3 2 …(6) f4=kx(y1 2+y2 2+y3 2+y4 2+y5 2)/l4 2 …(7) となる。
【0011】(ハ) 次に、上記パッキングプレート3を
押すフィンガが第4フィンガF4から第5フィンガF5
移る。その際に、今まで扉6で支えられていたパッキン
グプレート3の一端Aが扉6から持ち上がり、逆に反対
側の一端Bが扉6で支えられるようになる。ここで一端
Bでの反力をRBとすると、その際における第5フィン
ガF5に加わる力f5は、反力RBが生じた位置Bでのモ
ーメントの釣り合いより、 f5(b-l5)=kx1(b-y1)+kx2(b-y2)+kx3(b-y3) +kx4(b-y4)+kx5(b-y5) …(8) f5={kx1(b-y1)+kx2(b-y2)+kx3(b-y3) +kx4(b-y4)+kx5(b-y5)}/(b-l5) …(9) また、x1〜x5は、 xi=x・(b-yi)/(b-l5) 但しi=1〜5 …(10) で表されるから、式(9)および式(10)より、 f5=kx{(b-y1)2+(b-y2)2+(b-y3)2 +(b-y4)2+(b-y5)2}/(b-l5)2 …(11) となる。
【0012】(ニ) 次に、上記パッキングプレート3を
押すフィンガが第5フィンガF5から第6フィンガF6
移り、式(11)と同様に第6フィンガF6に加わる力f6
は、 f6=kx{((b-y1)2+(b-y2)2+(b-y3)2 +(b-y4)2+(b-y5)2}/(b-l6)2 …(12) となる。以下同様に、パッキングプレート3を押すフィ
ンガが第7フィンガF7さらに第8フィンガF8と移動す
ると、各フィンガに加わる力f7およびf8は夫々、 f7=kx{(b-y1)2+(b-y2)2+(b-y3)2 +(b-y4)2+(b-y5)2}/(b-l7)2 …(13) f8=kx{(b-y1)2+(b-y2)2+(b-y3)2 +(b-y4)2+(b-y5)2}/(b-l8)2 …(14) となる。
【0013】(ホ) 次に、上記パッキングプレート3を
押すフィンガが第8フィンガF8から第1フィンガF1
戻る際に、パッキングプレート3は圧縮スプリングS1
〜S5とフィンガF1,F8によって押される。つまり、フ
ィンガに加わる力はフィンガF1とフィンガF8とに加わ
ることになる。その際における両フィンガF8,F1に加
わる力f81は、力の釣り合いより、 f81=f1+f8 …(15) =kx1+kx2+kx3+kx4+kx5 …(16) となる。このとき、上記第8フィンガF8は最も前方へ
出た位置から戻り始め、同時に第1フィンガF1が輸液
チューブ4を押し始める。
【0014】つまり、上記両フィンガF8,F1に加わる
力f81は、先ず式(14)で表される第8フィンガF8
加わる力f8の最大値を呈し、その後力f8は減少しつつ
力f1が増加して行き、その両力f8,f1の和の力f81
増加して行く。この力f81の増加は、第8フィンガF8
と第1フィンガF1とが輸液チューブ4を介してパッキ
ングプレート3を押す量が同じになるまで続き、同じに
なったときに最大値となる。
【0015】このときの力f81は、圧縮スプリングS1
〜S5の圧縮量xiをx81とすると、 f81max=kx81+kx81+kx81kx81+kx81 …(17) =5kx81 …(18) となる。この力f81maxは、この蠕動式輸液ポンプを駆動
する際に生ずる最も大きな力であり、ステッピングモー
タ1はこの最大力f81maxが生ずる際に最も大きな駆動ト
ルクを必要とするのである。その後、力f81は減少して
行って、最後に式(4)で表される力f1に等しくなるの
である。
【0016】図14に、上記シャフト2の回転角度の変
化(すなわち、最前進位置に在るフィンガFの変遷)によ
って輸液チューブ4に加えられる力の変化、換言すれ
ば、ステッピングモータ1の回転角度に対する必要最小
トルクTr1の変化を示す。
【0017】以上のように、上記ステッピングモータ1
がシャフト2を回転させるのに必要な最小トルクTr1は
シャフト2の回転角度によって変化する。その場合、ス
テッピングモータ1はこの変化するトルク中における最
大トルクの場合でもシャフト2を回転させる必要があ
る。そこで、図15に示すように、ステッピングモータ
1には常時上記最大トルクを発生させるに充分な電流を
供給して、一定の駆動トルクTcによってモータ1を回
転すればよいことなる。ところが、その際には、各フィ
ンガF1〜F8がパッキングプレート3を押すのに必要な
力が最大でない場合にも、上記一定の駆動トルクTcに
よってシャフト2を回転させるので、電流が過剰となっ
て斜線で示した部分に対応する電力の無駄が生ずるので
ある。
【0018】上述のような無駄を解消するためには種々
の方法が考えられる。例えば、第1の方法では、輸液チ
ューブ4を押圧しているフィンガの位置によって予め輸
液動作の1サイクルを幾つかに分割し、この分割した領
域毎にステッピングモータ1の駆動電流を設定して記憶
しておく。そして、上記シャフト2にエンコーダを取り
付けて、図16に示すように、センサによって現在輸液
チューブ4を押圧しているフィンガの位置を演算する
(ステップS1,ステップS2)。その結果、第1フィンガ
1および第8フィンガF8が輸液チューブ4を押圧して
いる場合には第1の駆動電流I1を設定し(ステップS3,
ステップS4)、第4フィンガF4および第5フィンガF
5が輸液チューブ4を押圧している場合には第2の駆動
電流I2を設定し(ステップ3,ステップS5)、第2フィン
ガF2,第3フィンガF3,第6フィンガF6および第7フ
ィンガF7が輸液チューブ4を押圧している場合には第
3の駆動電流I3を設定する(ステップ3,ステップS6)。
こうして、検出された1サイクル中におけるフィンガの
位置に応じて、各フィンガF1〜F8の駆動に必要なトル
クをステッピングモータ1に発生させるのである。
【0019】また、第2の方法では、予め輸液動作の1
サイクルを幾つかに分割し、この分割した領域毎に輸液
ポンプを駆動するのに必要なステッピングモータ1の初
期電流値を記憶手段に記憶しておく。そして、ステッピ
ングモータ1のシャフト2に取り付けられたホトインタ
ラプタによって、現在輸液ポンプが輸液動作の1サイク
ル中におけるどの領域に在るか及びステッピングモータ
1が脱調しているかを検出可能にする。そして、図17
に従って、制御手段によって輸液動作1サイクル中にお
ける現在の領域を検出し(ステップS11〜ステップS1
3)、その検出結果に応じた初期電流値をステッピングモ
ータ1に供給する(ステップS14)。そして、ステッピン
グモータ1が脱調していなければ供給する電流値を下げ
(ステップS15,ステップS18〜ステップS20)、ステッ
ピングモータ1が脱調していれば供給する電流値を上げ
る(ステップS15,ステップS16)。
【0020】その際に、上記輸液動作の1サイクル中に
おけるある領域における電流値が変化すれば、その電流
値を新たに上記記憶手段に記憶する。
【0021】こうして、上述の動作を繰り返すことによ
って、その検出した輸液動作1サイクル中における領域
に対応して、輸液チューブ4を押しているフィンガが輸
液圧送するのに必要な駆動トルクを賄うに必要充分な電
流をステッピングモータ1に供給するのである。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、図8に
示す蠕動式輸液ポンプにおいては、パッキングプレート
3とそれを押している圧縮スプリングS1〜S5との構造
により、各フィンガF1〜F8が夫々輸液チューブ4を介
してパッキングプレート3を押す際の反力が異なる。そ
のために、各フィンガF1〜F8に対応した偏心カムC1
〜C8を回転させる際の必要最小トルクTr1も、図15
に示すように変化する。これに対して、上記ステッピン
グモータ1を常時一定の駆動トルクTcでシャフト2を
駆動すると、図中斜線で示す領域に対応した電力の無駄
が生ずることになる。
【0023】そこで、上述のように、予め各フィンガF
1〜F8を動作させるのに必要な駆動電流値をブロック単
位で記憶して検出された回転位相に応じた駆動電流値を
読み出してステッピングモータ1の回転を制御したり、
ステッピングモータ1の回転状態を検出しながらステッ
ピングモータ1への供給電流値をブロック単位で制御し
て必要なトルクを得たりするのである。
【0024】ところが、その場合においても、図18に
示すように、実際に必要なトルクは各フィンガF1〜F8
とパッキングプレート3とで輸液チューブ4を閉塞する
のに必要な最小の力に応じたトルクTr1で十分であるか
ら、各ブロック内においてこれよりも大きな駆動トルク
Tbが発生している場合には電力が無駄であるという問
題がある。
【0025】そこで、この発明の目的は、輸液チューブ
を閉塞するのに必要最小な一定の力によって各フィンガ
を駆動可能な蠕動式輸液ポンプを提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明は、モータによって回転されるシャフト
に所定の位相差を有して積層して取り付けられた複数の
偏心カムの夫々に追従する個々のフィンガが一定方向に
前進後退を繰り返し、上記複数のフィンガに押圧面を対
向させて配置されたパッキングプレートの上記押圧面と
上記複数のフィンガの先端の間に配設された輸液チュー
ブを上記複数のフィンガの先端によって順次押し絞り、
上記輸液チューブ内の輸液を圧送する蠕動式輸液ポンプ
において、上記パッキングプレートの押圧面と最前進位
置に在る各フィンガの先端との間の距離を、各フィンガ
が上記輸液チューブを介して上記パッキングプレートの
押圧面を順次押圧した際に夫々のフィンガには必要最小
の同じ力が加わるような距離に成したことを特徴として
いる。
【0027】また、第2の発明は、第1の発明の蠕動式
輸液ポンプであって、上記複数の偏心カムの夫々および
上記複数のフィンガの夫々は同じ形状を成し、上記パッ
キングプレートは、その押圧面の中央部が窪んでいる形
状に成したことを特徴としている。
【0028】また、第3の発明は、第1の発明の蠕動式
輸液ポンプであって、上記パッキングプレートの押圧面
は平坦に成し、上記複数のフィンガの夫々は同形状に成
し、上記複数の偏心カムの夫々は、より内側に積層され
る偏心カム程その最大半径が小さくなるように成したこ
とを特徴としている。
【0029】また、第4の発明は、第1の発明の蠕動式
輸液ポンプであって、上記パッキングプレートの押圧面
は平坦に成し、上記複数の偏心カムの夫々は同形状に成
し、上記複数のフィンガの夫々は、より内側に積層され
るフィンガ程その先端から上記偏心カムへの追従面まで
の距離が短くなるような形状に成したことを特徴として
いる。
【0030】
【作用】第1の発明では、モータによってシャフトが回
転されて、このシャフトに所定の位相差を有して積層し
て取り付けられた複数の偏心カムが回転される。そうす
ると、上記複数の偏心カムの夫々に追従して個々のフィ
ンガが一定方向に前進後退を繰り返す。こうして、パッ
キングプレートの押圧面と上記複数のフィンガの先端と
の間に配設されている輸液チューブが上記複数のフィン
ガの先端によって順次押し絞られて、上記輸液チューブ
内の輸液が圧送される。
【0031】その際に、上記パッキングプレートの押圧
面と最前進位置に在る各フィンガの先端との間の距離
は、各フィンガが上記輸液チューブを介して上記パッキ
ングプレートの押圧面を順次押圧した際に夫々のフィン
ガには必要最小の同じ力が加わるような距離に設定され
ている。したがって、上記モータによって、上記必要最
小の同じ力を夫々のフィンガに供給可能な必要最小の一
定のトルクで上記シャフトが回転されて、少ない電力で
上記輸液チューブ内の輸液が圧送される。
【0032】また、第2の発明では、上記パッキングプ
レートが、その押圧面の中央部が窪んでいる形状に形成
されている。その結果、上記パッキングプレートの押圧
面と最前進位置に在る各フィンガの先端との間の距離
は、各フィンガが上記輸液チューブを介して上記パッキ
ングプレートの押圧面を順次押圧した際に夫々のフィン
ガには必要最小の同じ力が加わるような距離となる。し
たがって、少ない電力で上記輸液チューブ内の輸液が圧
送される。
【0033】また、第3の発明では、上記複数の偏心カ
ムの夫々は、より内側に積層される偏心カム程その最大
半径が小さくなっている。その結果、上記パッキングプ
レートの押圧面と最前進位置に在る各フィンガの先端と
の間の距離は、各フィンガが上記輸液チューブを介して
上記パッキングプレートの押圧面を順次押圧した際に夫
々のフィンガには必要最小の同じ力が加わるような距離
となる。したがって、少ない電力で上記輸液チューブ内
の輸液が圧送される。
【0034】また、第4の発明では、上記複数のフィン
ガの夫々は、より内側に積層されるフィンガ程その先端
から上記偏心カムへの追従面までの距離が短くなってい
る。その結果、上記パッキングプレートの押圧面と最前
進位置に在る各フィンガの先端との間の距離は、各フィ
ンガが上記輸液チューブを介して上記パッキングプレー
トの押圧面を順次押圧した際に夫々のフィンガには必要
最小の同じ力が加わるような距離となる。したがって、
少ない電力で上記輸液チューブ内の輸液が圧送される。
【0035】
【実施例】以下、この発明を図示の実施例により詳細に
説明する。図1は本実施例の蠕動式輸液ポンプにおける
要部拡大断面図である。また、図2は図1に示す蠕動式
輸液ポンプが設置された静脈注入装置の正面図であり、
図3は図2に示す静脈注入装置の扉を開いて上記蠕動式
輸液ポンプを露呈させた状態の斜視図であり、図4は図
2に示す静脈注入装置の背面図である。
【0036】本実施例の蠕動式輸液ポンプの説明に入る
に先立って、図2乃至図4に従って上記蠕動式輸液ポン
プが設置されている静脈注入装置について説明する。
【0037】この静脈注入装置は、2つのポンプヘッド
を有する電気機械的な陽圧蠕動式の静脈注入装置であっ
て指定の輸液セットと共に用いられる。上記静脈注入装
置のRAM(ランダム・アクセス・メモリ)へ格納するプロ
グラムはキーパネルから入力される。そして、一方のポ
ンプヘッドに係る第2経路の薬液用のプログラムに基づ
いて設定された補助輸液流量から、同一ポンプヘッドに
係る第1経路の薬液用のプログラムに基づいて設定され
る主輸液流量に切り換えることが可能になっている。さ
らに、患者の安全性を高めるために、気泡検出,上流閉
塞検出,下流閉塞検出等の各種警報機能を備えている。
【0038】図2において、11は電源スイッチであ
る。この電源スイッチ11を押すことによって静脈注入
装置の電源が投入され、電源スイッチ11をもう一度押
すことによって電源が切れる。尚、電源投入時には、自
動的に自己テストが一時的に行われるようなっている。
また、この電源スイッチ11の入/切とは無関係に、静
脈注入装置が交流電源に接続されている場合には内蔵電
池が充電されるようになっている。
【0039】警報/警告表示器12には、本静脈注入装
置に係る総ての警報及び警告が表示される。また、プロ
ミグラミング表示器13には、主輸液及び補助輸液の夫
々に係るプロミグラミングされた輸液流量および輸液予
定量や実際に輸液された量等の輸液に関する総てのプロ
グラム情報が表示される。尚、上記輸液流量は“ml/時
間"の単位で表示され、輸液予定量および輸液量は“ml"
の単位で表示される。
【0040】主輸液用キー14a〜14cは一つの輸液の
みを実施する場合に操作される。ここで、主輸液用キー
14aは輸液流量を入力するためのキーであり、主輸液
用キー14bは輸液予定量を入力するためのキーであ
り、主輸液用キー14cは蠕動式輸液ポンプを始動する
ためのキーである。上記各主輸液用キー14a〜14cに
よる入力は、蠕動式輸液ポンプが停止状態にある場合,
輸液が完了した後および主輸液中モードである場合のみ
に可能になっている。また、補助輸液キー19a〜19c
は補助輸液を行う際に操作される。ここで、補助輸液キ
ー19aは輸液流量を入力するためのキーであり、補助
輸液用キー19bは輸液予定量を入力するためのキーで
あり、補助輸液用キー19cは蠕動式輸液ポンプを始動
するためのキーである。上記総ての輸液用の数値データ
は数値キー15から入力される。また、16はクリアキ
ーである。
【0041】停止キー17は輸液をマニュアルで停止す
る際に押圧される。そして、蠕動式輸液ポンプが停止し
た後蠕動式輸液ポンプに対して2分間何も実施されない
場合には、警告ブザーが鳴るようになっている。その際
に、ブザー停止キー18が押圧されると、警報/警告音
が2分間だけ一時的に停止する。但し、警報/警告表示
器12の表示状態はブザー停止キー18の操作とは独立
している。
【0042】ランプ20a〜20cは静脈注入装置の動作
状態を表示するランプである。このうち、赤色の警報ラ
ンプ20aは、警報モード中に点滅してオペレータに直
ちに適切な処置が必要であることを視覚的に知らせる。
また、緑色のLED(発光ダイオード)で成る輸液中ラン
プ20bは、輸液中に点灯して蠕動式輸液ポンプが停止
すると消灯する。黄色のLEDで成る警告ランプ20c
は、警報モード中に点灯して処置が必要な状態であるこ
とを視覚的に知らせる。その際には、警報/警告表示器
12に警報の原因が表示される。
【0043】リセットキー21は、上記蠕動式輸液ポン
プが停止状態にある場合に押圧されると、記憶されてい
る既に輸液された量(主輸液の量と補助輸液の量との和)
の値を“0"にリセットする。また、輸液量キー22が
押圧されると、既に輸液された量(主輸液の量と補助輸
液の量との和)の値がプログラミング表示器13に表示
される。そして、その後は登録されている主輸液と補助
輸液の輸液流量および輸液予定量の表示に戻る。バック
ライトキー23は、蠕動式輸液ポンプが交流電源で動作
中に押圧されると警報/警告表示器12およびプログラ
ミング表示器13の背面照明を点灯し、再び押圧される
と消灯する。但し、蠕動式輸液ポンプが内蔵電池で動作
している際には、バックライトキー23が押圧されてい
る間のみ背面照明が点灯する。
【0044】緑色のLEDで成る充電中ランプ25は、
本静脈注入装置が交流電源に接続されている間に点灯し
て、内蔵電池が充電中であることを表示する。上記扉6
は扉ハンドル6aによって開閉される。すなわち、この
扉ハンドル6aを充分に上方の位置まで持ち上げた状態
で手前に引くと扉6が開き、図3の状態となるのであ
る。以下、図3について説明する。
【0045】図3において、26は圧力低下センサであ
る。この圧力低下センサ26は、薬液ビン(薬液バッグ)
と蠕動式輸液ポンプ27との間に設置された輸液セット
にフィルタ目詰まり等の異常が生じて、輸液セットに圧
力低下が生じたことを検知する。上記蠕動式輸液ポンプ
27は、後に詳述するような構造を有する指定の輸液セ
ット用に設計された直線蠕動式の輸液ポンプである。圧
力上昇センサ28は、上記蠕動式輸液ポンプ27と患者
との間に設置された輸液セットに閉塞等の異常が生じて
輸液チューブ内に圧力上昇が生じたことを検知する。
【0046】気泡センサ29は、輸液チューブ内に規定
量以上に発生した気泡を検知する。また、セーフティ・
クランプ30は、扉6が開かれたときに自動的に輸液チ
ューブを閉塞して輸液の自由流下を防止する。
【0047】次に、図4に従って本静脈注入装置の裏面
について説明する。図4において、31は電源コードホ
ルダである。パネルロック・スイッチ32は、上述の各
種設定条件をロックして、オペレータ以外の人が不用意
に各操作キーやスイッチに触れても蠕動式輸液ポンプ2
7の動作が不測に変更されることを回避する。ヒューズ
ホルダ33には、指定されたタイムラグ式のヒューズが
内蔵される。
【0048】その他、34は警報ブザーの音量調整つま
み、35は電源コード用プラグ、36は電池部、37は
スタンド用ポールクランプ、38はナースセンターで監
視する際に使用するナースコールコネクタ部、39は上
記ブザーである。
【0049】図5は上記静脈注入装置の制御系を示すブ
ロック図である。但し、既に図2乃至図4において説明
した各構成要素の詳細については省略し、その他主なも
のに付いて簡単に説明する。
【0050】ROM(リード・オンリ・メモリ)41には本
静脈注入装置の制御プログラムが格納される。また、R
AM42には、キーパネル44から入力された主輸液お
よび補助輸液に係るプログラムが格納される。モータ駆
動回路45,ステッピングモータ1およびモータ回転位
相検出回路47は、何れも蠕動式輸液ポンプ27の動作
を制御する。CPU(中央演算処理装置)40は、ROM
41に格納された制御プログラムに従って上述の各機器
を制御し、種々の静脈注入処理動作を実行する。
【0051】次に、本実施例に係る最も重要な構成であ
る上記蠕動式輸液ポンプ27について説明する。本実施
例における蠕動式輸液ポンプ27の基本的構造は、図8
に示す従来の蠕動式輸液ポンプの構造と大略同じ構造を
有している。したがって、その基本的構造および動作に
ついての詳細な説明は省略する。また、本実施例の説明
においては、必要に応じて図8で用いられている符号お
よび番号を用いる。
【0052】各フィンガF1〜F8は、ステッピングモー
タ1の回転に伴って上述のように前進と後退とを繰り返
し、輸液チューブを介してパッキングプレートを押す。
その際に、圧縮スプリングS1〜S5が圧縮されることに
よって得られるパッキングプレートからの反力f1〜f8
と上記各フィンガF1〜F8がパッキングプレートを押す
力とによって、輸液チューブ4を閉塞する。そして、こ
の動作を第1フィンガF1から順に第8フィンガF8まで
繰り返すことによって、輸液チューブを順次押し絞って
輸液を行うのである。
【0053】その際に、従来の蠕動式輸液ポンプのよう
に、各フィンガF1〜F8が夫々の位置でパッキングプレ
ートを同じ距離xだけ押せば、図14に示すように、第
1フィンガF1および第8フィンガF8の必要トルクは大
きく、第2フィンガF2,第3フィンガF3,第6フィンガ
6および第7フィンガF7の必要トルクは小さく、第4
フィンガF4および第5フィンガF5の必要トルクはやや
大きくなるのである。上記第8フィンガF8が輸液チュ
ーブ4の閉塞から開放へ移行する際には、下流側からの
圧力によって逆流が起こらないように第1フィンガF1
は既に閉塞を終了しておく必要がある。その結果、第1
フィンガF1と第8フィンガF8とが同時に輸液チューブ
4を閉塞しているために、第1フィンガF1と第8フィ
ンガF8の場合には他の場合に比べて約2倍の力を必要
とするのである。
【0054】図1は上記蠕動式輸液ポンプ27の要部拡
大断面図である。本実施例における特徴は、ステッピン
グモータ1によってシャフト2が駆動されて各偏心カム
1〜C8が所定の位相差で回転した際に、第2フィンガ
2から第7フィンガF7までの各フィンガによって輸液
チューブを閉塞する際に必要な最小の力を同じにするの
である。そのために、本実施例においては、パッキング
プレート51の押圧面52の中央部を窪ませている。
【0055】こうすることによって、従来では全フィン
ガF1〜F8について同じ値であった各フィンガF1〜F8
がパッキングプレートに接触してから押し切るまでの移
動量xが、パッキングプレート51の窪みの形状に応じ
て各フィンガF1〜F8毎に異なる。その結果、上述の式
(3)によって求まる各圧縮スプリングS1〜S5の変位量
1〜x5もパッキングプレート51の窪みの形状に応じ
て減少して、上述した式(4)〜式(7),式(11)〜式(1
4)中における各項(x・yi/lj)が小さくなるのである。こ
うして、各フィンガF2〜F7に加わる力f2〜f7の夫々
がパッキングプレート51の窪みの形状に応じて小さく
なって、各フィンガF2〜F7がパッキングプレート51
を押すのに必要な最小の力がほぼ同じになるのである。
【0056】図6は、上記パッキングプレート51を使
用した本実施例の蠕動式輸液ポンプ27におけるステッ
ピングモータ1の必要最小トルクTr2を、従来のパッキ
ングプレート3を使用した蠕動式輸液ポンプにおけるス
テッピングモータ1の必要最小トルクTr1と比較して示
す。図6により、第3フィンガF3の動作時点から第6
フィンガF6の動作時点までの斜線で示した領域のトル
クが改善されていることが分かる。したがって、本実施
例によれば、蠕動式輸液ポンプ27を駆動するのに必要
な電力を少なくできる。
【0057】さらに、本実施例においては、上述のよう
に、第3フィンガF3の動作時点から第6フィンガF6
動作時点までの必要最小トルクTr2がフラットになって
いる。したがって、図7に示すように、ステッピングモ
ータ1の駆動トルクTmを第1フィンガF1および第8フ
ィンガF8が動作する期間における高トルクと各フィン
ガF2〜F7が動作する期間における低トルクとの2段に
設定すればよい。そして、各フィンガF2〜F7が動作す
る期間における必要最小トルクTr1はフラットであるた
めにその期間における駆動トルクTmを必要最小トルク
Tr1にほぼ等しくして、電力の無駄を少なくできるので
ある。
【0058】このように、本実施例においては、上記パ
ッキングプレート51の押圧面52の中央部を窪ませて
いるので、各フィンガF2〜F7が輸液チューブ4を介し
てパッキングプレート51を押す際に各フィンガF2
7に加わる力f2〜f7を、輸液チューブ4を閉塞する
のに必要最小限の一定の力にできる。その結果、各フィ
ンガF2〜F7を駆動する際に、ステッピングモータ1は
一定の必要最小限の駆動トルクでシャフト2を回転すれ
ばよい。したがって、本実施例によれば、従来の蠕動式
輸液ポンプに対するより簡単な変更で消費電力の大幅な
減少を図ることができる。
【0059】上記実施例においては、パッキングプレー
ト51の押圧面52の中央部を窪ませることによって各
フィンガF2〜F7に加わる力f2〜f7を一定にしてい
る。しかしながら、この発明はこれに限定されるもので
はなく、各フィンガF1〜F8における先端から偏心カム
1〜C8への追従面までの長さを上記パッキングプレー
ト51の押圧面52の対応する箇所の窪み量と同じ量だ
け短くしてもよい。あるいは、各フィンガF1〜F8にお
ける最前進時の先端位置が上記パッキングプレート51
の押圧面52の対応する箇所の窪み量と同じ量だけ後退
した位置になるように各偏心カムC1〜C8の形状を変更
してもよい。要は、上記パキングプレートの押圧面と最
前進位置に在る各フィンガの先端との間の距離が、各フ
ィンガが輸液チューブ4を介してパキングプレートの押
圧面を順次押圧した際に夫々のフィンガには必要最小の
同じ力が加わるような距離になればよいのである。
【0060】また、上記実施例においては、上記フィン
ガの数を8個とし、圧縮スプリングの数を5個とし、各
偏心カムを45度ずつずらしてシャフトに取り付けてい
る。しかしながら、この発明はこれに限定されるもので
はなく、適宜に設定しても構わない。
【0061】
【発明の効果】以上より明らかなように、第1の発明の
蠕動式輸液ポンプは、モータによって駆動されて一定方
向に前進後退を繰り返す複数のフィンガに対向して配置
されたパッキングプレートの押圧面と最前進位置に在る
各フィンガの先端との間の距離を、各フィンガが輸液チ
ューブを介して上記パッキングプレートの押圧面を順次
押圧した際に夫々のフィンガには必要最小の同じ力が加
わるような距離に成したので、上記輸液チューブを閉塞
するのに必要最小な一定の力によって各フィンガを駆動
できる。したがって、この発明によれば、上記モータの
駆動トルクを必要最小のフラットなトルクに設定して、
消費電力を減少し且つ電力の無駄を少なくできる。
【0062】また、第2の発明の蠕動式輸液ポンプは、
上記パッキングプレートをその押圧面の中央部が窪んで
いる形状に成したので、上記パッキングプレートの押圧
面と最前進位置に在る各フィンガの先端との間の距離
は、各フィンガが上記輸液チューブを介して上記パッキ
ングプレートの押圧面を順次押圧した際に夫々のフィン
ガには必要最小の同じ力が加わるような距離になる。し
たがって、上記輸液チューブを閉塞するのに必要最小な
一定の力によって各フィンガを駆動できる。
【0063】また、第3の発明の蠕動式輸液ポンプは、
上記複数の偏心カムの夫々を、より内側に積層される偏
心カム程その最大半径が小さくなるように成したので、
上記パッキングプレートの押圧面と最前進位置に在る各
フィンガの先端との間の距離は、各フィンガが上記輸液
チューブを介して上記パッキングプレートの押圧面を順
次押圧した際に夫々のフィンガには必要最小の同じ力が
加わるような距離になる。したがって、上記輸液チュー
ブを閉塞するのに必要最小な一定の力によって各フィン
ガを駆動できる。
【0064】また、第4の発明の蠕動式輸液ポンプは、
上記複数のフィンガの夫々を、より内側に積層されるフ
ィンガ程その先端から上記偏心カムへの追従面までの距
離が短くなるように成したので、上記パッキングプレー
トの押圧面と最前進位置に在る各フィンガの先端との間
の距離は、各フィンガが上記輸液チューブを介して上記
パッキングプレートの押圧面を順次押圧した際に夫々の
フィンガには必要最小の同じ力が加わるような距離にな
る。したがって、上記輸液チューブを閉塞するのに必要
最小な一定の力によって各フィンガを駆動できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の蠕動式輸液ポンプにおける要部拡大
断面図である。
【図2】図1に係る蠕動式輸液ポンプが設置された静脈
注入装置の正面図である。
【図3】図2に示す静脈注入装置の部分斜視図である。
【図4】図2に示す静脈注入装置の背面図である。
【図5】図2に示す静脈注入装置における制御系のブロ
ック図である。
【図6】図1に示す蠕動式輸液ポンプにおけるステッピ
ングモータの必要最小トルクを示す図である。
【図7】図1に示す蠕動式輸液ポンプにおけるステッピ
ングモータの駆動トルクの一例を示す図である。
【図8】従来の蠕動式輸液ポンプの断面図である。
【図9】1組の偏心カムとフィンガの動作の説明図であ
る。
【図10】図8に示す各偏心カムの取り付け方法の説明
図である。
【図11】蠕動式輸液ポンプによる輸液送り出し動作の
説明図である。
【図12】図8に示す蠕動式輸液ポンプの要部寸法を示
す図である。
【図13】図12に示す蠕動式輸液ポンプの力学系を示
す図である。
【図14】図12に示す蠕動式輸液ポンプにおけるステ
ッピングモータの必要最小トルクを示す図である。
【図15】図12に示す蠕動式輸液ポンプにおけるステ
ッピングモータを一定の駆動トルクで駆動する場合の説
明図である。
【図16】図12に示す蠕動式輸液ポンプにおけるステ
ッピングモータを駆動する際の電力無駄を少なくする例
のフローチャートである。
【図17】図16とは異なる例のフローチャートであ
る。
【図18】ステッピングモータの駆動トルクを回転位相
のブロック毎に一定に設定する場合の説明図である。
【符号の説明】
1…ステッピングモータ、 2…シャフト、4
…輸液チューブ、 6…扉、27…蠕動
式輸液ポンプ、 51…パッキングプレート、
52…押圧面、 C1〜C8…偏心カ
ム、F1〜F8…フィンガ、 S1〜S5…圧
縮スプリング。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータによって回転されるシャフトに所
    定の位相差を有して積層して取り付けられた複数の偏心
    カムの夫々に追従する個々のフィンガが一定方向に前進
    後退を繰り返し、上記複数のフィンガに押圧面を対向さ
    せて配置されたパッキングプレートの上記押圧面と上記
    複数のフィンガの先端との間に配設された輸液チューブ
    を上記複数のフィンガの先端によって順次押し絞り、上
    記輸液チューブ内の輸液を圧送する蠕動式輸液ポンプに
    おいて、 上記パッキングプレートの押圧面と最前進位置に在る各
    フィンガの先端との間の距離を、各フィンガが上記輸液
    チューブを介して上記パッキングプレートの押圧面を順
    次押圧した際に夫々のフィンガには必要最小の同じ力が
    加わるような距離に成したことを特徴とする蠕動式輸液
    ポンプ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の蠕動式輸液ポンプであ
    って、 上記複数の偏心カムの夫々及び上記複数のフィンガの夫
    々は同じ形状を成し、 上記パッキングプレートは、その押圧面の中央部が窪ん
    でいる形状に成したことを特徴とする蠕動式輸液ポン
    プ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の蠕動式輸液ポンプであ
    って、 上記パッキングプレートの押圧面は平坦に成し、 上記複数のフィンガの夫々は同じ形状を成し、 上記複数の偏心カムの夫々は、より内側に積層される偏
    心カム程その最大半径が小さくなるように成したことを
    特徴とする蠕動式輸液ポンプ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の蠕動式輸液ポンプであ
    って、 上記パッキングプレートの押圧面は平坦に成し、 上記複数の偏心カムの夫々は同じ形状を成し、 上記複数のフィンガの夫々は、より内側に積層されるフ
    ィンガ程その先端から上記偏心カムへの追従面までの距
    離が短くなるように成したことを特徴とする蠕動式輸液
    ポンプ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11507860A (ja) * 1996-04-10 1999-07-13 バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド 医療用注入ポンプ
JP2005013412A (ja) * 2003-06-25 2005-01-20 Terumo Corp 蠕動式輸液装置

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