JPH06292477A - ラン科植物の組織培養法 - Google Patents

ラン科植物の組織培養法

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JPH06292477A
JPH06292477A JP8490493A JP8490493A JPH06292477A JP H06292477 A JPH06292477 A JP H06292477A JP 8490493 A JP8490493 A JP 8490493A JP 8490493 A JP8490493 A JP 8490493A JP H06292477 A JPH06292477 A JP H06292477A
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JP
Japan
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plb
tissue
plant
tissue culture
pieces
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP8490493A
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English (en)
Inventor
Tomoko Tomuro
知子 戸室
Toru Kashima
亨 鹿島
Kazuhiko Shoji
和彦 庄司
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 組織培養によるラン科植物の生産における幼
苗の生産効率を向上させる。 【構成】 ラン科植物の生長点の組織片を液体培地にて
培養して得たPLB1を肥大生長させた後、茎葉が未形
成な状態で液体培地より取り出し、メス等を用いて複数
個に切断する。この際、切断は、切断の結果得られた組
織片を構成する細胞のうち少なくとも1個が無傷のまま
残存するよう行い、かつPLB1の切片の個数は可能な
限り多くする。分割して得た組織片1a〜1hを液体培
地に浸漬して培養を行うと、やがて新たなPLBが形成
され、これらのPLBがある程度肥大生長したところで
PLBを再分化用の個体培地に移植すると、PLBが萌
芽を開始し、複数個の植物体が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラン科植物の生長点を
無菌的に摘出して培養し、形成されたプロトコーム状球
体から植物体を再分化させるラン科植物の組織培養方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ラン科植物は、接き木や挿し木のような
栄養繁殖が困難で、かつ開花まで長期間を要するため増
殖率が低く、しかも遺伝的分離が多いため、目的とする
品質の個体を大量に得るには不適当な植物とされ、ま
た、ウィルス汚染株が多いことも問題となっていた。し
かし、組織培養法の確立により、現在では、多くのラン
科植物において、安定した品質で、かつウィルスフリー
な個体を大量に生産することが可能となっている。
【0003】これらラン科植物の組織培養法について、
デンドロビウム属の組織培養を例として説明する。ま
ず、生長しつつある新芽を消毒、水洗した後、生長点を
含む茎頂または側芽を切り取る。次いで、切り取った茎
頂または側芽から生長点を包む葉を取り除いて生長点を
露出させ、0.2〜3.0mm程度の組織片として摘出
する。
【0004】摘出した組織片を液体培地に浸漬し、振蘯
培養を行うと、約1カ月程度でプロトコーム状球体(以
下、PLBと略す。)と呼ばれる組織塊が形成され、更
に培養を続けることにより、PLBが自然に分割して増
殖する。これらのPLBがある程度肥大生長したところ
で、PLBを再分化用の個体培地に移植すると、PLB
はやがて萌芽を開始し、複数個の植物体が形成される。
そして、これらの植物体がある程度伸長生長したところ
で最終培地に移植して発根を促すことにより、圃場栽培
可能な幼苗が得られる。なお、上記操作のうち、生長点
の摘出以降の操作は、全て無菌的環境下で行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、デンドロビ
ウム属を始め複茎性の生長様式を採るラン科植物の組織
培養においては、形成されたPLBを増殖させる場合、
PLBが自然に分割、増殖するのを待つ方法が採られて
いた。しかしながら、PLBの自然増殖には長時間を要
し、しかも、増殖中のPLBは茎葉形成率が高く、変異
を生じやすいため、幼苗の生産効率が低いという問題が
あった。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、PLB増殖率の向上と、
増殖中のPLBにおける茎葉形成率の低下による、幼苗
の生産効率向上である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ラン科植物の
生長点を無菌的に摘出して培養し、形成されたPLBか
ら植物体を再分化させるラン科植物の組織培養法におい
て、前記PLBの形成後、前記PLBに茎葉が形成され
るまでの間に前記PLBを複数の組織片に切断し、この
組織片を更に培養して得られたPLBから前記植物体を
再分化させることをその特徴とするものである。
【0008】
【作用】本発明のラン科植物の組織培養法においては、
PLBの形成後、前記PLBに茎葉が形成されるまでの
間に前記PLBを複数の組織片に切断して培養すること
により、PLBの数が増加し、かつ前記組織片を更に培
養して得られたPLBにおける茎葉形成率が低下する。
【0009】
【実施例】以下、図面に基づき、本発明の実施例につい
て、デンドロビウム属の組織培養を例として更に詳しく
説明する。なお、本発明は、上記従来の組織培養法のう
ち、特にPLBの増殖行程に関する改良であるため、組
織培養法の他の行程についてはその説明を省略する。
【0010】図1は、生長点の組織片を液体培地にて振
蘯もしくは回転培養して得たPLB1を、直径が約5〜
10mm程度となるまで肥大生長させたものである。本
発明の組織培養法では、このPLB1を液体培地より取
り出し、メス等を用いて複数個に切断するが、切断され
るPLB1は茎葉が未形成である必要がある。これは、
切断されるPLB1に茎葉が形成されていると、切断に
より得られた組織片を液体培地中にて培養中、前記組織
片から形成されたPLBに茎葉が形成される可能性があ
るためである。
【0011】また、切断は、切断により得られた組織片
を構成する細胞のうち少なくとも1個が無傷のまま残存
するよう行うことが望ましく、かつPLB1の分割個数
は可能な限り多くする。
【0012】ここで、前記組織片中に、少なくとも1個
の細胞を無傷のまま残存させる理由は、前記組織片中に
おける全ての細胞に傷が付くと、前記組織片が枯死する
ためである。また、PLB1の切断回数を可能な限り多
くする理由は、PLB1の切断回数が少ない程、前記組
織片から形成されたPLBに茎葉が形成される可能性が
増大し、かつPLB1の切断回数が多い程、個々の前記
組織片から形成されたPLBの生長率が向上するためで
ある。図1の場合、PLB1は符号1a〜1hで示す8
個の組織片に切断される。
【0013】この組織片1a〜1hを液体培地に浸漬
し、振蘯もしくは回転培養を行うと、約一ヶ月程度で新
たなPLBが形成される。そして、更に培養を続け、こ
れらのPLBがある程度肥大生長したところでPLBを
再分化用の個体培地に移植すると、PLBはやがて萌芽
を開始し、複数個の植物体が形成される。なお、上記操
作は全て無菌的環境下で行う。
【0014】ここで、本発明の組織培養法においては、
PLB1を複数個に切断することによりPLBの個数を
増加させたため、短時間で多くのPLBが得られる。更
に、切断により得られたPLBにおける茎葉の形成率も
低下する。従って、幼苗の生産効率を大幅に向上させる
ことができる。しかも、切断により得られたPLBは生
長が速いので、幼苗の生産効率が更に向上する。
【0015】なお、本実施例ではデンドロビウム属の組
織培養法について説明したが、本発明の組織培養法は、
デンドロビウム属のみならず、ファノプレシス等他のラ
ン科植物に対して広く適用可能な方法である。
【0016】
【実験例】以下に実験例を示し、本発明の効果について
説明する。表1は、デンドロビウム属に属するラン科植
物の茎頂に形成された生長点から組織片を摘出し、この
組織片から形成された重量約500mgのPLBを所定回
数切断して得た組織片をそれぞれ液体培地にて60日間
培養し、形成されたPLBの個数およびその生体重、6
0日後の生長率、および生体重の平均倍加時間を調査し
たものである。
【0017】ここで、液体培地にはムラシゲ=スクーグ
培地を用い、培養条件としては、温度を25℃定温、照
明を蛍光灯で24時間/日とし、組織片各5個ずつを1
実験区として、それぞれ静置培養および振蘯培養を行っ
た。また、実験は全て無菌的環境下で行った。
【0018】
【表1】
【0019】注:表1中の区は、 a,f(比較例1,3):茎葉(shoot)が分化中のP
LBで切断しないもの b,g(比較例2,4):茎葉が未形成のPLBで切断
しないもの c,h(実施例1,4):茎葉が未形成のPLBを1回
切断(2分割)したもの d,i(実施例2,5):c,hを更に1回切断(2分
割)したもの e,j(実施例3,6):d,iを更に1回切断(2分
割)したものをそれぞれ示す。
【0020】また、表1中、「PLB(S)」は茎葉(Shoo
t)が形成されたPLBを示し、()内の数値は、平均
生体重(g)を示す。更に、表1中、「切片の個数」
(*を付したもの)は、切断の結果、1つのPLB塊か
ら得られた切片の個数を、「培養後の状態」(**を付
したもの)は、供試試験管数をそれぞれ示す。
【0021】表1の結果からわかる通り、PLB切片の
個数が多い(切断回数が多い)程、前記組織片から形成
されたPLBに茎葉が形成される可能性が低下する傾向
がある。また、PLB切片の個数が多い程、個々の前記
組織片から形成されたPLBの生長率が向上し、それに
伴い生体重の平均倍加時間が短縮する。
【0022】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の組織培養法
によれば、短時間で多くのPLBを得ることが可能であ
る。従って、幼苗の生産効率を大幅に向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るPLB切断の例を示すものであ
る。
【符号の説明】
1 プロトコーム状球体(PLB) 1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h 組
織片

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラン科植物の生長点を無菌的に摘出して
    培養し、形成されたプロトコーム状球体から植物体を再
    分化させるラン科植物の組織培養法において、 前記プロトコーム状球体の形成後、前記プロトコーム状
    球体が茎葉を形成するまでの間に前記プロトコーム状球
    体を複数の組織片に切断し、この組織片を更に培養して
    得られた新たなプロトコーム状球体から前記植物体を再
    分化させることを特徴とするラン科植物の組織培養法。
  2. 【請求項2】 切断の結果得られた前記組織片中に、少
    なくとも1個の細胞が無傷のまま残存していることを特
    徴とする請求項1記載のラン科植物の組織培養法。
JP8490493A 1993-04-12 1993-04-12 ラン科植物の組織培養法 Withdrawn JPH06292477A (ja)

Priority Applications (1)

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JP8490493A JPH06292477A (ja) 1993-04-12 1993-04-12 ラン科植物の組織培養法

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JP8490493A JPH06292477A (ja) 1993-04-12 1993-04-12 ラン科植物の組織培養法

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JPH06292477A true JPH06292477A (ja) 1994-10-21

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JP8490493A Withdrawn JPH06292477A (ja) 1993-04-12 1993-04-12 ラン科植物の組織培養法

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JP (1) JPH06292477A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0800762A1 (en) * 1996-04-03 1997-10-15 Sapporo Breweries Ltd. Method for producing phalaenopsis clone plants through root tip culture

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0800762A1 (en) * 1996-04-03 1997-10-15 Sapporo Breweries Ltd. Method for producing phalaenopsis clone plants through root tip culture

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