JPH06290890A - 無電極放電灯点灯装置及びこれを用いた照明装置 - Google Patents

無電極放電灯点灯装置及びこれを用いた照明装置

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JPH06290890A
JPH06290890A JP7356593A JP7356593A JPH06290890A JP H06290890 A JPH06290890 A JP H06290890A JP 7356593 A JP7356593 A JP 7356593A JP 7356593 A JP7356593 A JP 7356593A JP H06290890 A JPH06290890 A JP H06290890A
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JP
Japan
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discharge lamp
electrodeless discharge
diode
parasitic
diodes
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JP7356593A
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Ichiro Yokozeki
一郎 横関
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マッチング回路で意図的にミスマッチを生じ
させた場合でも寄生ダイオードが逆回復せず、スイッチ
ング素子を保護することにより、支障なく調光可能にす
ること。 【構成】 スイッチング素子4,5を含む高周波変換部
3で生成した高周波エネルギーを、励起コイルLc を備
えたマッチング手段2を介して無電極放電灯1に高周波
電磁エネルギーとして投入し点灯させるようにした無電
極放電灯点灯装置において、寄生ダイオードD1 ,D2
を有する前記スイッチング素子4,5に直列に前記寄生
ダイオードD1 ,D2 を流れる電流を阻止するための保
護ダイオードD31〜D34,D41〜D44を接続し、寄生ダ
イオードD1 ,D2 を導通不可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発光管内に電極を有し
ない無電極放電灯用の無電極放電灯点灯装置及びこれを
用いた照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、放電灯はフィラメント電極を有
するものが用いられ、フィラメント電極間に電圧を印加
することにより放電点灯させるようにしている。しか
し、フィラメント電極の損傷等により寿命が短いという
欠点を有する。
【0003】このようなことから、近年では、電極を持
たない無電極放電灯が開発され、長寿命であることか
ら、ランプ交換が極めて面倒な個所などへの適用が期待
されている。このような無電極放電灯に対する点灯装置
としては、放電灯内に励起コイルを介して少なくとも数
MHz以上の高周波電磁エネルギーを投入することによ
り、無電極放電を形成維持するように構成される。つま
り、放電灯点灯装置は無電極放電灯に対して電気的に直
接接続されたものではなく、磁気的に結合したものとさ
れている。
【0004】また、このような装置においては、励起コ
イルは、一般に、放電灯を挿入するために空心であっ
て、かつ、放電灯から放射された光を遮ぎらないように
数ターン程度のものとしているため、放電灯内に大きな
電力を投入するためには、励起コイルにも大電流を流す
ことになる。従って、高周波変換部にも大電流を流すこ
とになる。また、もし、逆に、高周波変換部に流す電流
を小さくし、電圧を大きくしたとしても、一般に、FE
Tのドレイン・ソース間のオン抵抗が耐圧の2乗に比例
する等の理由により、実用的ではなく、むしろ、FET
の出力容量による動作への影響を考慮すると好ましくな
い。
【0005】図9はこのような無電極放電灯点灯装置の
概略を示すものである。まず、無電極放電灯1はその発
光管内にヨウ化ナトリウム等の金属ハロゲン化物及びキ
セノン等のバッファガスによるガスが封入されたもの
で、等価的に、抵抗Ra とインダクタンスLa との並列
回路として示される。このような無電極放電灯1に対し
て磁気結合させるための励起コイルLc を有するマッチ
ング回路(マッチング手段)2が設けられている。この
マッチング回路2は励起コイルLc (抵抗Rc 分を有す
る)に直列でLC共振回路を形成するコンデンサC
s と、励起コイルLcに並列なコンデンサCp とにより
構成され、高周波変換部3の出力側に接続されている。
この高周波変換部3は直流端子間に直列に接続された一
対のスイッチング素子、ここではFET(電界効果型ト
ランジスタ)4,5を主体として構成され、バラストド
ライバ等を介してこれらのFET4,5が高速で交互に
オン・オフスイッチング動作するように設定されてい
る。
【0006】このような構成において、FET4,5が
高速でスイッチング動作することにより、高周波変換部
3に対する直流入力は高周波エネルギーに変換され、マ
ッチング回路2で無電極放電灯1とマッチングする周波
数の高周波電磁エネルギーがこの無電極放電灯1に投入
されて、点灯維持することになる。ここに、マッチング
がとれていないと、高周波変換部3の負担が増えるとと
もに、無電極放電灯1が点灯しない不点現象を生じ得る
不都合がある。
【0007】ところが、無電極放電灯1の光出力を調
整、即ち、調光点灯を考えた場合、最も簡易な方法とし
て、マッチング回路2において意図的にミスマッチを生
じさせて無電極放電灯1への入力を減らすことが考えら
れる。例えば、後述するように、モータ等の駆動手段を
用いてコンデンサCs の容量を可変させる構成が考えら
れる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、FET4,
5はそのドレイン・ソース間に並列接続された状態の寄
生ダイオードD1 ,D2 を有するため、上記のような調
光方式を採用すると、不都合を生ずる。即ち、ミスマッ
チを生じさせると、高周波変換部3の出力電流(従っ
て、出力側からの還流電流)の振幅、位相がともに変化
し、この高周波変換部3中の寄生ダイオードD1 ,D2
が導通→逆バイアスへの状態移行により、いわゆる逆回
復状態に陥ってしまう可能性がある。これらの寄生ダイ
オードD1 ,D2 は一度短絡モードに陥ると、一般にF
ET4,5が破壊されてしまい、点灯装置を保護する上
で問題となる。
【0009】また、この種のFET4,5に関する実装
上の問題点もある。これらのFET4,5のチップは、
例えば、図10に示すように、回路基板6の表面上にF
ET4,5の各外部端子(ここでは、ゲート用外部端子
4 ,G5 、ソース用外部端子S4 ,S5 、ドレイン用
外部端子D4 ,D5 、ケルビン・ソース用外部端子KS
4 ,KS5 であり、ソース用外部端子S5 とドレイン用
外部端子D4 とは共通化されている)をマウントし、各
々のドレイン用外部端子D4 ,D5 上にFET4,5の
チップをマウントしたものである。そして、FET4の
チップについては、そのゲート端子4G とゲート用外部
端子G4 とがボンディングワイヤ7により電気的に接続
され、ソース端子4S とソース用外部端子S4 ,ケルビ
ン・ソース用外部端子KS4 とがボンディングワイヤ7
により電気的に接続されている。FET5側についても
同様であり、ゲート端子5G とゲート用外部端子G5
がボンディングワイヤ7により電気的に接続され、ソー
ス端子5S とソース用外部端子S5 ,ケルビン・ソース
用外部端子KS5 とがボンディングワイヤ7により電気
的に接続されている。
【0010】このようなFET実装方式によると、FE
T4,5のチップ上のソース端子4S ,5S と回路基板
6上のソース用外部端子S4 ,S5 との間の距離が長く
なり、これらの間を結ぶボンディングワイヤ7が大きな
寄生インダクタンスを生ずるものとなり、回路動作上、
以下のような不都合を生じている。
【0011】まず、FET4を例にとり、その実装方法
から考えられる寄生インダクタンス分の割付けを図11
を参照して説明する。ポイントP(a)・P(e)間は
回路基板6上のドレイン用外部端子D4 からこのFET
4のチップ裏面のドレイン端子4D との間に発生する寄
生インダクタンスL分を示す。この電流経路は平面状で
あるので、このL分は小さいと考えられる。同様に、ポ
イントP(e)・P(f)間はチップ内部の電流経路に
発生する寄生インダクタンスL分を示すが、多数のチャ
ネルが並列に構成されているFET構造からして、この
L分も小さいと推論できる。しかし、ポイントP(f)
・P(b)間はチップ表面のソース端子S4 から回路基
板6のソース用外部端子S4 との間の寄生インダクタン
スL分を表し、この経路途中にあるボンディングワイヤ
7は構造的に前述した他のL分よりも大きくなる。ちな
みに、ゲートとケルビン・ソースとの間のループには、
ポイントP(g)・P(c)とポイントP(f)・P
(d)間に寄生インダクタタンスL分が考えられ、これ
らもボンディングワイヤ7による大きめのL分となる
が、これらがもたらす回路動作への影響は、ここでは本
質的な問題ではないので、本例では考慮しないものとす
る。よって、もし、FET4周辺の寄生インダクタンス
L分が回路動作に影響を与えるのであれば、問題にしな
ければならないのは、ポイントP(f)・P(b)間の
寄生インダクタンスL分ということになる。FET5側
についても同様である。
【0012】このようなポイントP(f)・P(b)間
の寄生インダクタンスL分は、高速スイッチング動作時
にFET4,5のドレイン・ソース間電圧に大きなリン
ギングを生じさせるものとなる。このため、このリンギ
ングがFET4,5のドレイン・ソース間の耐圧を越
え、装置を破壊させてしまう不都合がある。かといっ
て、この不都合を回避するために、ドレイン・ソース間
の耐圧の大きなFETを用いると、FETの導通損が増
加してしまう不都合が生ずる。また、このようなリンギ
ングによって、FET4,5の出力容量Coss による充
放電ロスが増加するという不都合もある。
【0013】また、高速スイッチング動作時のFETチ
ップ自身にかかる正確な電圧は、上述したようなFET
の構造上の理由及び高周波動作を理由に、観測が非常に
困難なものである。よって、このような点灯装置を開発
する場合、通常の放電灯点灯装置の場合に比べ、リンギ
ング解消等を考慮しなければならず、多大な時間を要す
るものとなる。
【0014】さらには、このような寄生インダクタンス
L分によって生ずる高周波変換部3からの出力電流のリ
ンギングは意図しない高周波となる。このため、図9に
示すマッチング回路2において励起コイルLc 側でな
く、インピーダンスの低いコンデンサCp 側を通過する
ことになり、無電極放電灯1にエネルギーを投入する励
起コイルLc の電気磁気エネルギー変換作用に寄与しな
いものとなる。
【0015】以上のように、上記のようなリンギング電
流が装置の光出力向上に寄与しないだけでなく、マッチ
ング回路22でのロスのみを増加させるという不都合を
まねくことを意味する。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、スイッチング素子を含む高周波変換部で生成した高
周波エネルギーを、励起コイルを備えたマッチング手段
を介して無電極放電灯に高周波電磁エネルギーとして投
入し点灯させるようにした無電極放電灯点灯装置におい
て、寄生ダイオードを有する前記スイッチング素子に直
列に前記寄生ダイオードを流れる電流を阻止する保護ダ
イオードを接続した。
【0017】この際、請求項2記載の発明では、保護ダ
イオードを、並列接続された複数個のダイオードとし
た。
【0018】さらに、請求項3記載の発明では、スイッ
チング素子を、電界効果型トランジスタとした。
【0019】この際、請求項4記載の発明では、電界効
果型トランジスタのソース端子とこの電界効果型トラン
ジスタを実装する基板上のソース端子との間に生ずる寄
生インダクタンス値を3nH以下に設定した。
【0020】請求項5記載の発明では、これらの請求項
1,2,3又は4記載の無電極放電灯点灯装置と、無電
極放電灯と、器具本体とよりなる照明装置とした。
【0021】
【作用】請求項1記載の発明においては、スイッチング
素子に直列に前記寄生ダイオードを流れる電流を阻止す
る保護ダイオードが接続されているので、マッチング回
路で意図的にミスマッチを生じさせた場合でも寄生ダイ
オードが逆回復するようなことがなく、よって、ミスマ
ッチによる調光を支障なく行えるものとなる。
【0022】ここに、請求項2記載の発明においては、
スイッチング素子を流れる電流が大電流であり、逆回復
特性に優れたものが要求される場合であっても、保護ダ
イオードが並列接続された複数個のダイオードによるた
め、個々のダイオードの負担は軽いものとなり、支障の
ない対応がとれるものとなる。
【0023】これらの場合において、請求項3記載の発
明のように、スイッチング素子が電界効果型トランジス
タの場合、特に効果的に作用するものとなる。
【0024】一方、請求項4記載の発明においては、ス
イッチング素子を電界効果型トランジスタとする場合に
おいて、そのソース端子とこの電界効果型トランジスタ
を実装する基板上のソース端子との間に生ずる寄生イン
ダクタンス値を3nH以下に設定したので、寄生インダ
クタンスに起因するリンギングを軽減させ得るととも
に、このリンギングによる電界効果型トランジスタの放
電ロスの増加も抑制され、電界効果型トランジスタの保
護とともに装置全体の効率向上を図れるものとなる。
【0025】請求項5記載の発明においては、このよう
な作用を示す無電極放電灯点灯装置を搭載した照明装置
としたので、装置の保護や回路効率の向上を図りつつ、
簡単に調光機能を持たせることが可能となる。
【0026】
【実施例】本発明の一実施例を図1ないし図8に基づい
て説明する。図9ないし図11で示した部分と同一部分
は同一符号を用いて示す。本実施例では、まず、マッチ
ング回路2に対して意図的にミスマッチを生じさせる調
光手段8が付加されている。この調光手段8はモータ9
を駆動源としてコンデンサCs の容量を可変させるもの
であり、調光レベルに応じて予めモータ9の回転角が設
定されている。
【0027】しかして、本実施例ではFET4,5に対
して寄生ダイオードD1 ,D2 とは逆向きとした保護ダ
イオードD3 ,D4 が直列に接続されている。より具体
的には、FET4側に対しては互いに並列接続された4
つの保護ダイオードD31〜D 34が接続され、FET5側
に対しては互いに並列接続された4つの保護ダイオード
41〜D44が接続されている。ここに、これらの保護ダ
イオードD31〜D44は、寄生インダクタンス等の回路動
作への影響を考慮し、回路の対称動作を妨げない端子に
挿入される。図示例は、FET4に対してはドレイン
側、FET5に対してはソース側に接続されているが、
FET4に対してはソース側としFET5に対してはド
レイン側として対称的に接続してもよい。何れにして
も、FET4,5はケルビン・ソース端子を有するもの
とされ、各々ドライブ・トランス等の絶縁手段を介して
駆動されなければならない。
【0028】このような構成において、調光レベルに応
じてモータ9を駆動し、コンデンサCs の容量を加減さ
せると、マッチング回路2ではミスマッチを生じ、無電
極放電灯1に投入される入力(高周波電磁エネルギー)
が減少し、無電極放電灯1は調光レベルに応じた調光点
灯状態となる。このようなミスマッチ時、FET4,5
に並列な寄生ダイオードD1 ,D2 が逆回復状態に陥る
可能性があるが、本実施例の場合、FET4,5に直列
(従って、寄生ダイオードD1 ,D2 にも直列)な保護
ダイオードD3 ,D4 が接続されているので、還流電流
が流れるのが強制的に阻止されることになる。つまり、
寄生ダイオードD1 ,D2 は導通不可能であり、ミスマ
ッチ時でもFET4,5は保護されることになる。よっ
て、簡単にして支障のない調光制御が可能となる。
【0029】ところで、保護ダイオードD3 ,D4 は基
本的には1つずつでよい。しかし、本実施例のようにス
イッチング素子としてFET4,5を用いている場合、
ドレイン電流は大電流になることが予想されるので、保
護ダイオードD3 ,D4 としては、余程、逆回復特性に
優れていなければならない。しかし、現状で入手可能な
ダイオードでは単体でこのような大きなドレイン電流を
通じた直後の逆バイアス時の負担が大き過ぎると予想さ
れる。そこで、本実施例では、保護ダイオードD31〜D
34,D41〜D44として、複数個(例えば、4個)のダイ
オードを並列接続することで、1つのダイオード当りの
順方向電流を小さくして、このような負担を軽減させる
ようにしたものである。また、複数個のダイオードを並
列接続した構成とすれば、各ダイオードの等価的な寄生
インダクタンスも低下することとなり、回路動作上から
も好ましいものとなる。
【0030】なお、無電極放電灯1の調光時には、その
再点弧電圧が低下することによって、無電極放電灯1に
エネルギーを投入するコイル電圧を小さくすることがで
きる。また、後述するように、FET4,5の出力容量
oss への充放電の経路が保護ダイオードD3 ,D4
よって制限されるため、零ボルト・スイッチング動作は
行えなくなる。
【0031】次に、このようなFET4,5の実装につ
いて検討する。まず、前述したように寄生インダクタン
スL分がどの程度回路動作に影響を及ぼすかについての
シミュレーションについて説明する。前述したように、
寄生インダクタンスL分が回路動作に対して影響を及ぼ
す点として、ロスの増加とオフ時のリンギングによる耐
圧オーバーが挙げられるが、ここでは、特に、オフ時の
リンギングについて、図2に示すような等価的なモデル
でシミュレーションを行ったものである。即ち、FET
4,5を理想スイッチSW1 ,SW2 と出力容量
oss1,Coss2と寄生ダイオードD1 ,D2 との並列モ
デルによって構成し、FETチップ自身にかかるドレイ
ン・ソース間電圧VDSを観測できるようにしたものであ
る。
【0032】なお、回路定数は、直流電圧Vdc=75.
94V、FET4モデル側のゲート・ソース間電圧V
gs1 =5.059V、FET5モデル側のゲート・ソー
ス間電圧Vgs2 =5.059V(ただし、Vgs1 とは1
80°位相が異なる)、抵抗Ra =5.655Ω、抵抗
c =0.03Ω、オン時のドレイン・ソース間抵抗R
on DS1 =RonDS2 =0.05Ω、出力容量Coss1=C
oss2=550pF、容量Cs =569.5pF、容量C
p =420pF、インダクタンスLa =32.85n
H、インダクタンスLc =151nH、La ・Lc 間の
結合係数k=0.37とした。このような条件下に、ボ
ンディングワイヤ7による寄生インダクタンスL分であ
るLps1 ,Lps2 を、3nHから7.5nHまで、1.
5nHずつ増加させて、ドレイン・ソース間電圧VDS
測定するシミュレーションを行ったところ、図3(a)
〜(d)に示すような結果が得られたものである。ま
た、高周波変換部3の出力電流ICsとしては、図4
(a)〜(d)に示すような結果が得られたものであ
る。
【0033】このような結果によれば、リンギングが生
じているのが分かる。ここに、リンギングにより生ずる
不都合な点を検討する。寄生インダクタンスL分によっ
て電圧波形や電流波形にリンギングが生ずると、出力容
量Coss1,Coss2からの放電ロスと、無電極放電灯1に
入力しない高調波成分によるロスが増加する。前者のロ
スは、2つのFET4,5でCoss *VDS 2 *f(f
は、周波数)だけ無駄なエネルギーが出力容量Coss
授受されるために生じる。例えば、20V分の電荷を出
力容量Coss が充電している場合、約3Wのロスとな
る。これは、例えば300Wとする点灯システム全般か
ら見れば1%弱であり、許容範囲内のロスといえる。ま
た、無電極放電灯1に入力しない高調波電力は、このよ
うな放電ロスに比べると同じ程度かそれ以下になるもの
と推定できる。これは、例えば図4から電流波形のリン
ギングは比較的次数が高く全体に正弦波状であること
と、電圧波形のn次高調波は基本波に対して1/n以下
の振幅しかないことに注目すればよい。波形から偶数次
の高調波は無視して最も大きい3次高調波電力を考えて
も、せいぜい、数%である。従って、リンギングによる
ロス増加の面から見た不都合な点は、始動時の低効率に
注目すれば、現時点では重要な問題ではない。
【0034】一方、寄生インダクタンスL分によるドレ
イン・ソース間の電圧波形のリンギングは、このL分が
大きくなってリンギングの周波数が低くなると、リンギ
ングの振幅が大きくなる傾向にある。図3に示すシミュ
レーション結果の例によると、寄生インダクタンスL分
が7.5nHではドレイン・ソース間の電圧VDSがFE
Tの耐圧100Vを越えてしまっている。回路の他の部
分に対しても同様に数nH程度のL分を挿入してシミュ
レートしたところ、電源周り(実際の回路では、コンデ
ンサCp 周り)のL分が同様の影響を生ずることが分か
ったものである。当然、これらの寄生インダクタンスL
分は小さければ小さい程よく、特に、ボンディングワイ
ヤ7の寄生インダクタンスL分は組立後には外部から手
の加えようがないので、極力小さくさせる必要がある。
【0035】何れにしても、これらのシミュレーション
結果によれば、FET4,5のソース端子4S ,5S
回路基板6上のソース用外部端子(ソース端子)S4
5との間の寄生インダクタンス値が3nH以下となれ
ば、FET4,5の耐圧などの点から、十分であるとい
える。
【0036】そこで、具体的にボンディングワイヤ7に
よるこの寄生インダクタンスL分をどの程度低減させる
ことができるかを検討する。ボンディングワイヤ7のL
分は、複数のワイヤの並列化による低減とこれらのワイ
ヤ間の相互L分の増加との兼ね合いで決まる。即ち、図
10中にも示したように、例えば3本のボンディングワ
イヤ7によりこの部分の接続を行えば、L分を低減させ
得るが、試作結果によれば、3本以上の並列化によって
もL分の抑制は1.4nH程度が限界で、さらに低減さ
せるにはボンディングワイヤ7の長さ(距離)を短くす
ることが必要といえる。
【0037】このような検討結果に基づく、寄生インダ
クタンスL分を3nH以下に低減化させるために効果的
な構造を下記に説明する。ここでは、FET4側を例に
とり、説明する。まず、図5及び図6に示すように、回
路基板6上のソース用外部端子S4 上にFET4のチッ
プと同一高さのヒートシンク8をソース用外部端子S4
よりもFET4側に近付けて設け、このヒートシンク8
を利用してFET4のソース端子4S との間を数本のボ
ンディングワイヤ7により接続することにより、接続距
離を最短とし、その寄生インダクタンスL分が最小とな
るようにしたものである。
【0038】或いは、図7(a)に示すように、回路基
板6自体にFET4の高さ分の段差部9を形成し、ソー
ス用外部端子S4 とソース端子4S とが同一高さとな
り、両者間を接続するボンディングワイヤ7の長さが最
小となるようにしてもよい。また、同図(b)に示すよ
うに、ボンディングワイヤ7に代えて、タブ(TAB)
10によりソース用外部端子S4 とソース端子4S との
間を接続するタブ構造として、この部分の寄生インダク
タンスL分を小さくするようにしてもよい。さらには、
同図(c)に示すように、タブ10についてもその折り
曲げ構造を廃止するため、回路基板6自体にFET4の
高さ分の段差部11を形成し、同一高さとされたソース
用外部端子S4 とソース端子4S との間をタブ12によ
り接続することにより、一層寄生インダクタンスL分を
小さくするようにしてもよい。
【0039】ところで、前述したような構造とされた無
電極点灯装置13は、例えば図8に示すように、無電極
放電灯1とともに器具本体14に搭載された照明装置1
5として用いられる。図示例の照明装置15は例えば舞
台やスタジオなどで用いられる投光用照明装置である。
このため、器具本体14は無電極点灯装置13等を内蔵
する筐体基部14aと無電極放電灯1を覆う筐体状のガ
ラスカバー14bとにより構成されている。なお、照明
装置15自体は図示しないスタンド等に支持されてい
る。また、無電極放電灯1について付記すると、本例で
は、ガスが封入された発光管16とこの発光管16を密
閉的に覆う外観バルブ17とにより形成され、外観バル
ブ17の周囲には励起コイルLc が配設されている。外
観バルブ17はリフレクタ17aと整光体17bとによ
り形成されている。
【0040】このような照明装置15によれば、FET
4,5等のスイッチング素子ないしは装置の保護を図り
つつ、ロスも少ない回路動作の下に、簡単な構成の調光
機能を持たせて任意に調光照明できるものとなる。
【0041】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、スイッチ
ング素子を含む高周波変換部で生成した高周波エネルギ
ーを、励起コイルを備えたマッチング手段を介して無電
極放電灯に高周波電磁エネルギーとして投入し点灯させ
るようにした無電極放電灯点灯装置において、寄生ダイ
オードを有する前記スイッチング素子に直列に前記寄生
ダイオードを流れる電流を阻止する保護ダイオードを接
続したので、寄生ダイオードが導通不可能となるため、
マッチング回路で意図的にミスマッチを生じさせた場合
でも寄生ダイオードが逆回復するようなことがなく、よ
って、ミスマッチによる調光を支障なく行うことができ
る。
【0042】この際、請求項2記載の発明によれば、保
護ダイオードを、並列接続された複数個のダイオードと
したので、スイッチング素子を流れる電流が大電流であ
り、逆回復特性に優れたものが要求される場合であって
も、個々のダイオードの負担が軽いものとなり、支障の
ない対応をとることができる。
【0043】さらに、請求項3記載の発明によれば、ス
イッチング素子を、電界効果型トランジスタとしたの
で、特に効果的に作用するものとなる。
【0044】この際、請求項4記載の発明では、電界効
果型トランジスタのソース端子とこの電界効果型トラン
ジスタを実装する基板上のソース端子との間に生ずる寄
生インダクタンス値を3nH以下に設定した。
【0045】一方、請求項4記載の発明によれば、スイ
ッチング素子を電界効果型トランジスタとする場合にお
いて、そのソース端子とこの電界効果型トランジスタを
実装する基板上のソース端子との間に生ずる寄生インダ
クタンス値を3nH以下に設定したので、寄生インダク
タンスに起因するリンギングを軽減させ得るとともに、
このリンギングによる電界効果型トランジスタの放電ロ
スの増加も抑制でき、電界効果型トランジスタの保護と
ともに装置全体の効率向上を図れるものとなる。
【0046】請求項5記載の発明によれば、このような
効果を示す無電極放電灯点灯装置を搭載した照明装置と
したので、装置の保護や回路効率の向上を図りつつ、簡
単に調光機能を持たせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す回路図である。
【図2】シミュレーション用の等価回路である。
【図3】VDSについてのシミュレーション結果を示す特
性図である。
【図4】高周波変換部の出力電流についてのシミュレー
ション結果を示す特性図である。
【図5】FET実装例を示す斜視図である。
【図6】その縦断側面図である。
【図7】各種変形例を示す縦断側面図である。
【図8】投光用の照明装置例を示す縦断側面図である。
【図9】従来例を示す回路図である。
【図10】FET実装例を示す平面図である。
【図11】寄生インダクタンス分を含めて示すFETの
等価回路である。
【符号の説明】
1 無電極放電灯 2 マッチング手段 3 高周波変換部 4,5 電界効果型トランジスタ=スイッチング素
子 6 基板 13 無電極放電灯点灯装置 14 器具本体 Lc 励起コイル D1 ,D2 寄生ダイオード D31〜D44 保護ダイオード

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スイッチング素子を含む高周波変換部で
    生成した高周波エネルギーを、励起コイルを備えたマッ
    チング手段を介して無電極放電灯に高周波電磁エネルギ
    ーとして投入し点灯させるようにした無電極放電灯点灯
    装置において、寄生ダイオードを有する前記スイッチン
    グ素子に直列に前記寄生ダイオードを流れる電流を阻止
    する保護ダイオードを接続したことを特徴とする無電極
    放電灯点灯装置。
  2. 【請求項2】 保護ダイオードを、並列接続された複数
    個のダイオードとしたことを特徴とする請求項1記載の
    無電極放電灯点灯装置。
  3. 【請求項3】 スイッチング素子を、電界効果型トラン
    ジスタとしたことを特徴とする請求項1又は2記載の無
    電極放電灯点灯装置。
  4. 【請求項4】 電界効果型トランジスタのソース端子と
    この電界効果型トランジスタを実装する基板上のソース
    端子との間に生ずる寄生インダクタンス値を3nH以下
    に設定したことを特徴とする請求項3記載の無電極放電
    灯点灯装置。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3又は4記載の無電極放
    電灯点灯装置と、無電極放電灯と、器具本体とよりなる
    ことを特徴とする照明装置。
JP7356593A 1993-03-31 1993-03-31 無電極放電灯点灯装置及びこれを用いた照明装置 Pending JPH06290890A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006516804A (ja) * 2003-01-31 2006-07-06 ラクシム コーポレーション 誘電体導波路を備えたマイクロ波力によるプラズマランプ
JP2008193839A (ja) * 2007-02-06 2008-08-21 Toshiba Corp 半導体スイッチおよび当該半導体スイッチを適用した電力変換装置

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