JPH06286301A - 7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン還元体による呈色方法 - Google Patents
7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン還元体による呈色方法Info
- Publication number
- JPH06286301A JPH06286301A JP5093862A JP9386293A JPH06286301A JP H06286301 A JPH06286301 A JP H06286301A JP 5093862 A JP5093862 A JP 5093862A JP 9386293 A JP9386293 A JP 9386293A JP H06286301 A JPH06286301 A JP H06286301A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compd
- reductant
- tetracyanoquinodimethane
- coloration
- tcnq
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Color Printing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 無機化合物、有機化合物、有機金属化合物ま
たは生体成分を、安価に簡便に識別でき、蛍光発色性も
示す視認性の良い呈色性化合物による呈色方法を提供す
る。 【構成】 固体支持体中に保持されたp−フェニレンジ
マロノニトリルと7,7,8,8−テトラシアノキノジメ
タンとからなる化合物と無機化合物、有機化合物、有機
金属化合物または生体成分とを反応させることによる呈
色方法。 【効果】 無機化合物、有機化合物、有機金属化合物ま
たは生体成分と反応して独特の呈色及び蛍光発色性を示
す。従来の方法に比べ、簡便かつ安価でより多種類の物
質の識別に利用できる。自己診断薬、医療用簡易測定
法、産業用簡易検出法、光学記録媒体、マーキング法、
各種センサー、各種インキ、塗料、シンチレーター、夜
間表示灯、非常灯、信号灯または水難救助灯等広範囲に
用いられる。
たは生体成分を、安価に簡便に識別でき、蛍光発色性も
示す視認性の良い呈色性化合物による呈色方法を提供す
る。 【構成】 固体支持体中に保持されたp−フェニレンジ
マロノニトリルと7,7,8,8−テトラシアノキノジメ
タンとからなる化合物と無機化合物、有機化合物、有機
金属化合物または生体成分とを反応させることによる呈
色方法。 【効果】 無機化合物、有機化合物、有機金属化合物ま
たは生体成分と反応して独特の呈色及び蛍光発色性を示
す。従来の方法に比べ、簡便かつ安価でより多種類の物
質の識別に利用できる。自己診断薬、医療用簡易測定
法、産業用簡易検出法、光学記録媒体、マーキング法、
各種センサー、各種インキ、塗料、シンチレーター、夜
間表示灯、非常灯、信号灯または水難救助灯等広範囲に
用いられる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無機化合物、有機化合
物、有機金属化合物または生体成分を呈色させる方法に
関する。
物、有機金属化合物または生体成分を呈色させる方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】化1で表される7,7,8,8−テトラシ
アノキノジメタン(以下TCNQと略記)は、1960
年に米国Du Pont社の研究者等によって始めて合成さ
れた電子受容性物質(アクセプター)であり、以来、電
子供与性物質(ドナー)との組合わせにより数多くの電
荷移動錯体が合成されてきた。これらの実用的な研究と
して、感熱素子、導電性付与剤、記録媒体または表示素
子等各分野で活発な研究が展開されてきたが、現在、工
業化されているのは、本発明者らにより開発された電荷
移動錯体(特願昭63−104184号公報)等のコン
デンサーの固体電解質への適用のみである。また、化2
で表されるα−ヒドロ−α,α,α',α'−テトラシアノ
−p−キシレンラジカル(以下HTCNQと略記)及び
化3で表されるp−フェニレンジマロノニトリル(以下
H2TCNQと略記)は、TCNQを還元することによ
り得られる。
アノキノジメタン(以下TCNQと略記)は、1960
年に米国Du Pont社の研究者等によって始めて合成さ
れた電子受容性物質(アクセプター)であり、以来、電
子供与性物質(ドナー)との組合わせにより数多くの電
荷移動錯体が合成されてきた。これらの実用的な研究と
して、感熱素子、導電性付与剤、記録媒体または表示素
子等各分野で活発な研究が展開されてきたが、現在、工
業化されているのは、本発明者らにより開発された電荷
移動錯体(特願昭63−104184号公報)等のコン
デンサーの固体電解質への適用のみである。また、化2
で表されるα−ヒドロ−α,α,α',α'−テトラシアノ
−p−キシレンラジカル(以下HTCNQと略記)及び
化3で表されるp−フェニレンジマロノニトリル(以下
H2TCNQと略記)は、TCNQを還元することによ
り得られる。
【0003】
【化1】
【0004】
【化2】
【0005】
【化3】
【0006】現在、臨床検査に用いられている試験方法
は、従来の水溶液反応による化学的定量分析(湿式化
学)から水溶液反応を用いない化学的定量分析(乾式化
学)へと移ってきている。乾式化学は、固体支持体とし
て、ろ紙に代りに多層分析フィルム(展開層、試薬層等
種々の機能層を重ねた多層構造のフィルムで疎水性の透
明支持体に接着したもの)が用いられるようになり、急
速に進歩してきた。一例である尿試験紙法では、pH、
グルコース、タンパク、潜血、ケトン体、ウロビリノウ
ゲン、ビリルビン、亜硝酸塩、白血球、ビタミンC等が
測定できる。乾式化学は、湿式化学で必要とされた検体
の前処理や希釈、試薬の調製や保存、溶液中で定量反応
を行うための反応容器の準備や使用後の処理並びに検体
及び試薬の秤量、希釈、混合、配列等の繁雑な操作が全
て省略できるため、ベットサイドの簡易検査法として今
後さらに大きく発展することが期待される。しかしなが
ら、乾式化学で用いられる試験紙は、比較的高価であ
り、かつ検査の判定には特別な自動分析装置が必要とな
る。また、最近、個人レベルにおける自主健康管理への
関心が高まるなか、手軽に健康の自己チェックができる
簡易試験紙が市販されてきているが、測定項目が単一で
かつ高価なものが多い。
は、従来の水溶液反応による化学的定量分析(湿式化
学)から水溶液反応を用いない化学的定量分析(乾式化
学)へと移ってきている。乾式化学は、固体支持体とし
て、ろ紙に代りに多層分析フィルム(展開層、試薬層等
種々の機能層を重ねた多層構造のフィルムで疎水性の透
明支持体に接着したもの)が用いられるようになり、急
速に進歩してきた。一例である尿試験紙法では、pH、
グルコース、タンパク、潜血、ケトン体、ウロビリノウ
ゲン、ビリルビン、亜硝酸塩、白血球、ビタミンC等が
測定できる。乾式化学は、湿式化学で必要とされた検体
の前処理や希釈、試薬の調製や保存、溶液中で定量反応
を行うための反応容器の準備や使用後の処理並びに検体
及び試薬の秤量、希釈、混合、配列等の繁雑な操作が全
て省略できるため、ベットサイドの簡易検査法として今
後さらに大きく発展することが期待される。しかしなが
ら、乾式化学で用いられる試験紙は、比較的高価であ
り、かつ検査の判定には特別な自動分析装置が必要とな
る。また、最近、個人レベルにおける自主健康管理への
関心が高まるなか、手軽に健康の自己チェックができる
簡易試験紙が市販されてきているが、測定項目が単一で
かつ高価なものが多い。
【0007】一方、蛍光塗料やインキは、種々の条件下
で視認性が高く、広告、宣伝、装飾、標識、計器等広い
分野で使用されている。しかし、一般に蛍光塗料やイン
キは、隠蔽力及び耐候性に劣るため、下地を白色にして
から2〜3回の重ね塗りが必要となり、その作業は煩雑
である。蛍光塗料やインキで用いられている集光色素系
色素は、高度の蛍光性と高度の光堅牢性が要求されてく
るが、なかなか満足できるものが得られていなかった。
で視認性が高く、広告、宣伝、装飾、標識、計器等広い
分野で使用されている。しかし、一般に蛍光塗料やイン
キは、隠蔽力及び耐候性に劣るため、下地を白色にして
から2〜3回の重ね塗りが必要となり、その作業は煩雑
である。蛍光塗料やインキで用いられている集光色素系
色素は、高度の蛍光性と高度の光堅牢性が要求されてく
るが、なかなか満足できるものが得られていなかった。
【0008】このように広い範囲で使用される蛍光塗料
やインキで用いられている集光系色素について、高度の
蛍光性と高度の光堅牢性をもち、かつマトリクスに対し
て不利な作用を持たない集光性色素の出現が望まれてい
た。
やインキで用いられている集光系色素について、高度の
蛍光性と高度の光堅牢性をもち、かつマトリクスに対し
て不利な作用を持たない集光性色素の出現が望まれてい
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような問題点を解決し、無機化合物、有機化合物、有機
金属化合物または生体成分を、安価で簡便に識別でき、
蛍光発色性も示す視認性の良い呈色性化合物による呈色
方法を提供することである。
ような問題点を解決し、無機化合物、有機化合物、有機
金属化合物または生体成分を、安価で簡便に識別でき、
蛍光発色性も示す視認性の良い呈色性化合物による呈色
方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決する手段】本発明者らは、種々検討した結
果、TCNQ還元体であるHTCNQとH2TCNQと
からなる化合物による呈色方法が、上記の目的を解決す
ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
果、TCNQ還元体であるHTCNQとH2TCNQと
からなる化合物による呈色方法が、上記の目的を解決す
ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、TCNQ還元体であ
るHTCNQとH2TCNQとからなる化合物と、無機
化合物、有機化合物、有機金属化合物または生体成分と
を反応させることによる呈色方法である。
るHTCNQとH2TCNQとからなる化合物と、無機
化合物、有機化合物、有機金属化合物または生体成分と
を反応させることによる呈色方法である。
【0012】本発明で用いるTCNQ還元体は、TCN
Q及び水酸化カリウムないしは水酸化ナトリウムとの反
応生成物を酸で処理した後、分離精製して得られる。こ
の際、オースポレインを反応系に加えると、生成物の収
率が向上する。
Q及び水酸化カリウムないしは水酸化ナトリウムとの反
応生成物を酸で処理した後、分離精製して得られる。こ
の際、オースポレインを反応系に加えると、生成物の収
率が向上する。
【0013】本発明で用いるTCNQ還元体は、HTC
NQとH2TCNQとからなり、H2TCNQが、HTC
NQ1に対してモル比で1より大から10未満の範囲で
ある。
NQとH2TCNQとからなり、H2TCNQが、HTC
NQ1に対してモル比で1より大から10未満の範囲で
ある。
【0014】また、本発明で用いるTCNQ還元体は、
TCNQとH2TCNQとをジオキサン等の有機溶媒中
で反応させることによっても得ることができる。
TCNQとH2TCNQとをジオキサン等の有機溶媒中
で反応させることによっても得ることができる。
【0015】固体支持体であるろ紙に、炭酸リチウム、
炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸ルビジウム、炭酸
セシウム等の金属塩の水溶液をスポットして乾燥した
後、TCNQ還元体のジオキサン溶液を、ろ紙にハケで
塗布し、ジオキサンを乾燥させると各々のスポットが目
視によっても鮮明で特性的な呈色を示す。また、これら
は、紫外線光の元で高度の蛍光性を示す。
炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸ルビジウム、炭酸
セシウム等の金属塩の水溶液をスポットして乾燥した
後、TCNQ還元体のジオキサン溶液を、ろ紙にハケで
塗布し、ジオキサンを乾燥させると各々のスポットが目
視によっても鮮明で特性的な呈色を示す。また、これら
は、紫外線光の元で高度の蛍光性を示す。
【0016】上記の金属塩として、炭酸塩以外に、硝酸
塩、硫酸塩、塩化物塩、チオ硫酸塩、リン酸塩、ロダン
塩または他の一般的な金属塩を用いた場合でも同様の呈
色及び蛍光性を示す。
塩、硫酸塩、塩化物塩、チオ硫酸塩、リン酸塩、ロダン
塩または他の一般的な金属塩を用いた場合でも同様の呈
色及び蛍光性を示す。
【0017】さらに、イミダゾール類やフルオレイン等
一般的な有機化合物、トリ(2−ピリジル)アミンの六
配位コバルト(II)錯体等の金属錯体あるいはビリル
ビンやウロビリノーゲン等の生体成分を用いた場合でも
鮮明な呈色及び蛍光性を示す。
一般的な有機化合物、トリ(2−ピリジル)アミンの六
配位コバルト(II)錯体等の金属錯体あるいはビリル
ビンやウロビリノーゲン等の生体成分を用いた場合でも
鮮明な呈色及び蛍光性を示す。
【0018】これらの化合物をスポットする場合、水な
いしは有機溶媒に溶解させて行う。
いしは有機溶媒に溶解させて行う。
【0019】また、予めTCNQ還元体のジオキサン溶
液をろ紙に含浸させて乾燥した後、上記の化合物から任
意の数種類を溶かしたジオキサン溶液中に浸し、取り出
すと、各々の保持時間に応じた距離に鮮明な呈色が観察
される。
液をろ紙に含浸させて乾燥した後、上記の化合物から任
意の数種類を溶かしたジオキサン溶液中に浸し、取り出
すと、各々の保持時間に応じた距離に鮮明な呈色が観察
される。
【0020】さらに、上記の化合物の濃度が極端に低く
目視観察が困難な場合は、紫外線光を照射すると明確に
判別ができる。
目視観察が困難な場合は、紫外線光を照射すると明確に
判別ができる。
【0021】このように、本発明で用いるTCNQ還元
体は、それ自体としては蛍光性を示さないが、上記の化
合物と反応させると特性的な蛍光を発する。
体は、それ自体としては蛍光性を示さないが、上記の化
合物と反応させると特性的な蛍光を発する。
【0022】本発明で用いるろ紙以外の固体支持体とし
ては、鉱物質微粉体からなる担体並びにポリマーないし
はフィルムを含有したものまたはこれらを組み合わせた
多層構造支持体が可能であるが、もちろん呈色を目的と
する化合物の種類と特性に応じて支持体の種類と構造は
この限りではない。
ては、鉱物質微粉体からなる担体並びにポリマーないし
はフィルムを含有したものまたはこれらを組み合わせた
多層構造支持体が可能であるが、もちろん呈色を目的と
する化合物の種類と特性に応じて支持体の種類と構造は
この限りではない。
【0023】また、本発明で用いるTCNQ還元体は、
用途に応じ、マイクロカプセル化したり、ポリマー中に
保持または分散する等、その形態にとらわれず用いるこ
とができる。
用途に応じ、マイクロカプセル化したり、ポリマー中に
保持または分散する等、その形態にとらわれず用いるこ
とができる。
【0024】本発明で用いるTCNQ還元体は、それ自
体はほとんど呈色しないが、他の化合物と反応させると
非常に強い呈色を示す場合が多く、加えて、独特の強い
蛍光発色性を示すため、自己診断薬、医療用簡易測定
法、産業用簡易検出法の他、光学記録媒体、各種イン
キ、塗料、シンチレーターあるいは視認性が必要とされ
る夜間表示灯、非常灯、信号灯または水難救助灯等に用
いることができる。また、各種作業用ないしは工事用の
マーキング等や各種センサーにも用いることができる。
体はほとんど呈色しないが、他の化合物と反応させると
非常に強い呈色を示す場合が多く、加えて、独特の強い
蛍光発色性を示すため、自己診断薬、医療用簡易測定
法、産業用簡易検出法の他、光学記録媒体、各種イン
キ、塗料、シンチレーターあるいは視認性が必要とされ
る夜間表示灯、非常灯、信号灯または水難救助灯等に用
いることができる。また、各種作業用ないしは工事用の
マーキング等や各種センサーにも用いることができる。
【0025】
【実施例】本発明に用いるTCNQ還元体の合成例及び
本発明の実施例を以下に示す。なお、本発明は、これら
の実施例により、なんら限定されない。
本発明の実施例を以下に示す。なお、本発明は、これら
の実施例により、なんら限定されない。
【0026】実施例1 TCNQ8.168g、オースポレイン6.124g及び水酸化カ
リウム4.488gをミルに入れ、2時間混合粉砕した後、
ビーカーに移し、6モルの塩酸溶液を加えた。反応生成
物を酢酸エチル層に抽出し、ロータリーエバポレーター
で酢酸エチルを留去し、黄緑色沈澱を得た。これをジオ
キサンで再結晶して黄緑色結晶6.271gを得た。さらに
メタノ−ルで再結晶を繰り返し、TCNQ還元体である
黄緑色柱状結晶(融点227℃)を得た。TCNQ還元体
のKBr法による赤外線吸収スペクトルでは、オースポ
レインの特性吸収は全く見られず、H2TCNQの示す
特性吸収以外に、波長2226、842及び468cm-1にHTCN
Qの特性吸収が見られた。またTCNQ還元体の元素分
析値を表1に示す。
リウム4.488gをミルに入れ、2時間混合粉砕した後、
ビーカーに移し、6モルの塩酸溶液を加えた。反応生成
物を酢酸エチル層に抽出し、ロータリーエバポレーター
で酢酸エチルを留去し、黄緑色沈澱を得た。これをジオ
キサンで再結晶して黄緑色結晶6.271gを得た。さらに
メタノ−ルで再結晶を繰り返し、TCNQ還元体である
黄緑色柱状結晶(融点227℃)を得た。TCNQ還元体
のKBr法による赤外線吸収スペクトルでは、オースポ
レインの特性吸収は全く見られず、H2TCNQの示す
特性吸収以外に、波長2226、842及び468cm-1にHTCN
Qの特性吸収が見られた。またTCNQ還元体の元素分
析値を表1に示す。
【0027】実施例2 ジオキサン100ml、H2TCNQ0.3066g及びTCNQ0.
1021g(モル比で3:1)を冷却器付き200mlのナスフ
ラスコに入れ、温度80℃で30分間加熱還流させた。放冷
して冷却した後、ろ過して黄緑色結晶0.3241gを得た。
これをジオキサンで再結晶して、TCNQ還元体である
黄緑色柱状結晶(融点227℃)を得た。TCNQ還元体
のKBr法による赤外線吸収スペクトルは、H2TCN
Qの示す特性吸収以外に、波長2226、842及び468cm-1に
HTCNQの特性吸収が見られた。またTCNQ還元体
の元素分析値を表1に示す。
1021g(モル比で3:1)を冷却器付き200mlのナスフ
ラスコに入れ、温度80℃で30分間加熱還流させた。放冷
して冷却した後、ろ過して黄緑色結晶0.3241gを得た。
これをジオキサンで再結晶して、TCNQ還元体である
黄緑色柱状結晶(融点227℃)を得た。TCNQ還元体
のKBr法による赤外線吸収スペクトルは、H2TCN
Qの示す特性吸収以外に、波長2226、842及び468cm-1に
HTCNQの特性吸収が見られた。またTCNQ還元体
の元素分析値を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】実施例3 炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸ル
ビジウム及び炭酸セシウムの1wt%水溶液0.01mlをろ紙
(縦0.5cm×横5cm)上に各々滴下して乾燥させた。実
施例1で得たTCNQ還元体0.050gをジオキサン10ml
に溶かした溶液を調製し、その1mlを該ろ紙上にハケで
塗布したところ、瞬時に各々の滴下点が特性的な呈色を
示した。このろ紙を暗所に移し、紫外線ランプの元で観
察すると、各々の滴下点が高度の蛍光性を示した。
ビジウム及び炭酸セシウムの1wt%水溶液0.01mlをろ紙
(縦0.5cm×横5cm)上に各々滴下して乾燥させた。実
施例1で得たTCNQ還元体0.050gをジオキサン10ml
に溶かした溶液を調製し、その1mlを該ろ紙上にハケで
塗布したところ、瞬時に各々の滴下点が特性的な呈色を
示した。このろ紙を暗所に移し、紫外線ランプの元で観
察すると、各々の滴下点が高度の蛍光性を示した。
【0030】実施例4 市販の簡易分離分析用エムポアTLC(オクタデシル
系、2cm×10cm、(株)ユニフレックス製)に実施例3
で調製したTCNQ還元体のジオキサン溶液2mlをスプ
レーで均一に塗布した後、温度110℃で20分間乾燥し
た。イミダゾール0.01g、トリ(2−ピリジル)アミン
の六配位コバルト(II)錯体0.01g及びビタミンC0.
01gをジオキサン100mlに溶かした。この溶液2mlを展開
層に取り、上記のエムポアTLCに5分間展開させた。
風乾した後、エムポアTLC上に各々特性的な呈色をし
た3種類の分離帯が見られた。これらは、イミダゾー
ル、トリ(2−ピリジル)アミンの六配位コバルト(I
I)錯体及びビタミンCの各々の標準保持時間と一致し
た。
系、2cm×10cm、(株)ユニフレックス製)に実施例3
で調製したTCNQ還元体のジオキサン溶液2mlをスプ
レーで均一に塗布した後、温度110℃で20分間乾燥し
た。イミダゾール0.01g、トリ(2−ピリジル)アミン
の六配位コバルト(II)錯体0.01g及びビタミンC0.
01gをジオキサン100mlに溶かした。この溶液2mlを展開
層に取り、上記のエムポアTLCに5分間展開させた。
風乾した後、エムポアTLC上に各々特性的な呈色をし
た3種類の分離帯が見られた。これらは、イミダゾー
ル、トリ(2−ピリジル)アミンの六配位コバルト(I
I)錯体及びビタミンCの各々の標準保持時間と一致し
た。
【0031】
【発明の効果】本発明で用いるTCNQ還元体は、それ
自体はほとんど呈色しないが、無機化合物、有機化合
物、有機金属化合物または生体成分と反応して独特の呈
色及び蛍光発色性を示す。本発明のTCNQ還元体によ
る呈色方法は、従来に比べ、簡便かつ安価でより多種類
の物質の識別に利用できる。本発明のTCNQ還元体に
よる呈色方法は、自己診断薬、医療用簡易測定法、産業
用簡易検出法、光学記録媒体、マーキング法または各種
センサー、津用独特の蛍光発色性を利用した各種イン
キ、塗料、シンチレーターあるいは視認性が必要とされ
る夜間表示灯、非常灯、信号灯または水難救助灯等に広
い範囲に用いることができる。
自体はほとんど呈色しないが、無機化合物、有機化合
物、有機金属化合物または生体成分と反応して独特の呈
色及び蛍光発色性を示す。本発明のTCNQ還元体によ
る呈色方法は、従来に比べ、簡便かつ安価でより多種類
の物質の識別に利用できる。本発明のTCNQ還元体に
よる呈色方法は、自己診断薬、医療用簡易測定法、産業
用簡易検出法、光学記録媒体、マーキング法または各種
センサー、津用独特の蛍光発色性を利用した各種イン
キ、塗料、シンチレーターあるいは視認性が必要とされ
る夜間表示灯、非常灯、信号灯または水難救助灯等に広
い範囲に用いることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 7,7,8,8−テトラシアノキノジメ
タン還元体と、無機化合物、有機化合物、有機金属化合
物または生体成分とを反応させることによる呈色方法。 - 【請求項2】 7,7,8,8−テトラシアノキノジメ
タン還元体が、α−ヒドロ−α,α,α’,α’−テト
ラシアノ−p−キシレンラジカルとp−フェニレンジマ
ロノニトリルとからなる化合物であることを特徴とする
請求項1に記載の呈色方法。 - 【請求項3】 7,7,8,8−テトラシアノキノジメ
タン還元体が7,7,8,8−テトラシアノキノジメタ
ン及び水酸化カリウムないしは水酸化ナトリウムとの反
応生成物を酸で処理した後、分離精製して得られること
を特徴とする請求項1に記載の呈色方法。 - 【請求項4】 7,7,8,8−テトラシアノキノジメ
タン還元体が、p−フェニレンジマロノニトリルと7,
7,8,8−テトラシアノキノジメタンとを有機溶媒中
で反応させるかまたは固体反応させることにより得られ
ることを特徴とする請求項1に記載の呈色方法。 - 【請求項5】 7,7,8,8−テトラシアノキノジメ
タン還元体が、ろ紙または鉱物質微粉体からなる担体並
びに多層構造フィルムまたはポリマー等を構成成分とす
る固体支持体中に保持されていることを特徴とする請求
項1から4のいずれか1項に記載の呈色方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5093862A JPH06286301A (ja) | 1993-03-30 | 1993-03-30 | 7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン還元体による呈色方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5093862A JPH06286301A (ja) | 1993-03-30 | 1993-03-30 | 7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン還元体による呈色方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06286301A true JPH06286301A (ja) | 1994-10-11 |
Family
ID=14094256
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5093862A Pending JPH06286301A (ja) | 1993-03-30 | 1993-03-30 | 7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン還元体による呈色方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06286301A (ja) |
-
1993
- 1993-03-30 JP JP5093862A patent/JPH06286301A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Li et al. | Recent progress in fluorescent probes for metal ion detection | |
Kumar et al. | Colorimetric and NIR fluorescence receptors for F− ion detection in aqueous condition and its Live cell imaging | |
El-Sewify et al. | Dual colorimetric and fluorometric monitoring of Bi3+ ions in water using supermicroporous Zr-MOFs chemosensors | |
EP1817290B1 (en) | Luminescent indicator dye and optical sensor | |
Sheng et al. | A new colorimetric chemosensor for Hg2+ based on coumarin azine derivative | |
US5648270A (en) | Methods of sensing with fluorescent conjugates of metal-chelating nitrogen heterocycles | |
JP4472795B2 (ja) | 蛍光イオノホア化合物 | |
US9908877B2 (en) | Imidazo[1,5-a]pyridinium ion fluorophores, and methods of making and using the same | |
Chakravarty et al. | PVA-based nanobiosensor for ultrasensitive detection of folic acid by fluorescence quenching | |
Uglov et al. | Optical methods for the detection of heavy metal ions | |
Farhi et al. | A quinoline-based fluorescent probe for selective detection and real-time monitoring of copper ions–a differential colorimetric approach | |
JPH0240985B2 (ja) | ||
Han et al. | Rhodamine 6G loaded zeolitic imidazolate framework-8 (ZIF-8) nanocomposites for highly selective luminescent sensing of Fe3+, Cr6+ and aniline | |
Gupta et al. | A naphthalimide-based solid state luminescent probe for ratiometric detection of aluminum ions: in vitro and in vivo applications | |
Christ et al. | Chemical sensing and imaging based on photon upconverting nano-and microcrystals: a review | |
Ambrosi et al. | PluS Nanoparticles as a tool to control the metal complex stoichiometry of a new thio-aza macrocyclic chemosensor for Ag (I) and Hg (II) in water | |
Zhang et al. | Well-defined organic fluorescent nanomaterials with AIE characteristics for colorimetric/UV-vis/fluorescent multi-channel recognition of Zn 2+ with multiple applications in plant cells and zebrafish | |
Yan et al. | Lanthanide metal-organic framework as a paper strip sensor for visual detection of sulfonamide with smartphone-based point-of-care platform | |
Su et al. | Dual-target optical sensors assembled by lanthanide complex incorporated sol–gel-derived polymeric films | |
Lu et al. | Multifunctional lanthanide MOFs with active sites as new platforms for smart sensing of methylmalonic acid and anti-counterfeiting applications | |
Saini et al. | A highly fluorescent sensor based on hybrid nanoparticles for selective determination of furosemide in aqueous medium | |
Sandhu et al. | Ratiometric fluorophore for quantification of iodide under physiological conditions: applications in urine analysis and live cell imaging | |
Wang et al. | Decoding and quantitative detection of antibiotics by a luminescent mixed-lanthanide-organic framework | |
Zhang et al. | Highly pH-stable lanthanide MOFs: a tunable luminescence and ratiometric luminescent probe for sulfamethazine | |
Al-Qaysi et al. | A luminescent europium complex for wide-range pH sensors and sensor microtiterplates |