JPH0628590B2 - 卵細胞等の保定装置 - Google Patents

卵細胞等の保定装置

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JPH0628590B2
JPH0628590B2 JP10716787A JP10716787A JPH0628590B2 JP H0628590 B2 JPH0628590 B2 JP H0628590B2 JP 10716787 A JP10716787 A JP 10716787A JP 10716787 A JP10716787 A JP 10716787A JP H0628590 B2 JPH0628590 B2 JP H0628590B2
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syringe
physiological fluid
microtube
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retention
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雅巳 山根
昭三 尾川
栄一 成茂
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NARUMO KAGAKU KIKAI KENKYUSHO KK
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NARUMO KAGAKU KIKAI KENKYUSHO KK
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、マイクロツールを利用して卵細胞等を処理す
る際に、該卵細胞等を吸着し保持する保定装置に係り、
特に、簡易な機構で卵細胞等に損傷を与えることのない
吸着力で保持し得る保定装置に関する。
「従来の技術」 一般に、卵細胞は、外被である透明帯(Empty Zone Pel
lucida)内から胚を取出して切断分離し、斯る分離胚を
他の卵細胞からの分離胚と組合わせるなどして、再び透
明帯に還納して母体に移植することが行われている。透
明帯は、還納された分離胚を外的刺激から守り、更には
母体への着床がしやすいといった利点を有している。
又、分離胚が還納された透明帯は、様々な観点から多岐
に亘って利用されている。例えば、優良品種を大量に生
産する場合、優良母体から得られた卵細胞を2〜4分割
し、分離胚をそれぞれ透明帯に還納して再び母体に戻す
といった方法が採られている。更に、キメラマウスを利
用して雌雄決定機構の解析する場合においても、上記透
明帯は必需品となっている。その他、透明帯は、採卵や
冷凍保存の際に損傷した部分を取り除き、健康な部分を
集めて透明帯内に還納するといった卵細胞の有効利用を
図る上でも使用されている。
従来、透明帯を作成するには、第4図に示す如く、保定
用微細管1に卵細胞2を吸着させて保持し、該保定用微
細管1に対し卵細胞2をおいて1本のカッテイングニー
ドル3を対向させておく。該カッテイングニードル3は
手動マニピュレータに取付けられて自由に移動操作でき
るようになっている。そして、手動マニピュレータを操
作してカッテイングニードル3を移動させ、上記卵細胞
2に切口4を形成する。次に保定用微細管1の吸引動作
を停止させて、第5図に示す如く卵細胞2を180度反
転させ、卵細胞2の切口4と反対側の後部をカッテイン
グニードル3の先部で押えながら、保定用微細管1内を
逆に加圧させて、該保定用微細管1の先端から切口4を
経て卵細胞2内に向け、生理的に不活性な性質を呈する
シリコーンオイル等の生理液を吐出させ、これにより卵
細胞2の透明帯2a内から胚2bを洗い流す方法が採ら
れていた。
上記保定用微細管1は第6図に示す如く、チューブ5を
介してシリンジ6に接続されて、内部相互間を連通させ
ると共に、斯る内部に生理液を充填しておく。一方シリ
ンジ6にはピストン7を出入れ自在に嵌入させてある。
そして、シリンジ6からピストン7を引き出してシリン
ジ6内に負圧を生ぜしめ、チューブ5を介して保定用微
細管1内も負圧にし、斯る負圧を利用して保定用微細管
1の先端に卵細胞2を吸着し、上記の如きカッテイング
ニードル3で卵細胞2を処理する際に移動不能に保持す
るものである。
「発明が解決しようとする問題」 しかし、従来の保定装置は、シリンジ6からピストン7
を引出して、該シリンジ6内を負圧にし、斯る負圧を利
用して保定用微細管1の先端に卵細胞2を吸着し保持す
ることから、得るべき負圧の度合いがピストン7を引出
した長さに対応するシリンダ6の内容積に比例するた
め、負圧の圧力変化が極めて大きく負圧の度合いを微細
にかつ高精度に変化させることが容易なことではなく、
仮りに負圧の圧力変化を所望する値に微細にかつ高精度
に調整しようとすると、シリンジ6と保定用微細管1と
の間に圧力変換器を介在させる必要が生じて、構成の複
雑化を招くばかりであった。特にシリンジ6とピストン
7との摺接面の抵抗も大きく、高精度に位置決めしてシ
リンジ6からピストン7を引出すことは容易なことでは
ない。つまり、卵細胞2を保持する際に保定用微細管1
内の負圧の度合いが小さいと、上記の如き卵細胞2の処
理中に、斯る卵細胞2が保定用微細管1の先端から不用
意に落下し、逆に負圧の度合いが大き過ぎると、卵細胞
2自体が塑性変形をして細胞傷害を招くことになる。し
かも、卵細胞2を処理すべき者が直接手でピストン7を
引出し操作するから、時間が経過するにつれて外圧を受
けてピストン7が戻り、シリンジ6の内圧が外部と平衡
を保つべく作用するので、卵細胞の処理に可成りの熟練
を必要として操作が極めて煩瑣になるといった問題があ
った。
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、保定用微細管に卵
細胞等を吸着し保持させるのに、最適な値の負圧力を得
るべく微細に調整でき、又斯る圧力調整に際して圧力変
換器を何等介在させる必要がなく、しかもフィードバッ
ク制御に頼ることなく開ループで高精度に調整できて極
めて利便性のある卵細胞等の保定装置を提供することを
目的とする。
「発明が解決しようとする手段」 本発明は、上記目的を達成するために、マイクロツール
で卵細胞等を処理するための生理液を入れた処理容器
と、該処理容器の生理液中において前記卵細胞を吸着し
て保持するための保定用微細管と、前記処理容器の生理
液に浸漬された前記保定用微細管にチューブにて接続さ
れ、内部に生理液が満たされたシリンジと、該シリンジ
を、前記処理容器中の生理液液面を基準として上昇さ
せ、これによるシリンジ内生理液液面の上昇による前記
保定用微細管からの生理液吐出による吐出力、および、
前記処理容器中の生理液液面を基準として該シリンジを
下降させ、これによるシリンジ内生理液液面の低下によ
る生理液の保定用微細管からのシリンジ内流入による吸
引力によって保定操作等の卵細胞処理を行うために、当
該シリンジを上昇および下降させる微小回転動作可能な
モータとを備える構成とするものである。
「作用」 本発明は、上記手段において、モータを駆動させてシリ
ンジを下降させると、シリンジ内の生理液液面が低下
し、この低下により処理容器中の生理液が保定用微細管
からシリンジ内に流入する。このシリンジを下降させた
ときのシリンジ内の負圧を利用して卵細胞等の保定処理
を行う。
また、前記モータにてシリンジを上昇させると、このシ
リンジ内の生理液が保定用微細管から吐出する。このと
きの吐出力を利用して卵細胞内の胚の取り出し等の処理
を行う。
「実施例」 以下に、本発明に係る卵細胞等の保定装置の一実施例を
図面に基づき説明する。第1図は、卵細胞11に切口を
形成して、該切口から透明帯外に胚を取り出す処理装置
の構成を示すもので、図中12はステージ、13はシャ
ーレである。シャーレ13内には生理的に不活性な性質
を呈するシリコーンオイル等生理液を注入させておき、
該液中に上記卵細胞11を浸漬する。該卵細胞11は、
保定用微細管14の先端に吸着し保持されるものであ
る。保定用微細管14は、スタンド等保持部材15に固
定する。一方、上記シャーレ13内にカッテイングニー
ドル、オープニングニードル及びインジェクションニー
ドルから成る3本のマイクロツール16が臨ませてあ
る。マイクロツール16は、三針マニピュレータ17に
取り付けてある。三針マニピュレータ17は、上記オー
プニングニードルの針先をカッテイングニードルの針先
に合致させ、又離間自在に移動させることができ、更に
インジェクションニードルをカッテイングニードルとオ
ープニングニードルとの間に配置し、該インジェクショ
ンニードルの先端をカッテイングニードルの針先とオー
プニングニードルの針先との間で進退自在に移動させる
ことができるようになっている。インジェクションニー
ドルは先端から生理液を適時吐出できるようになってい
る。三針マニピュレータ17は、マイクロマニピュレー
タ18に装着されている。マイクロマニピュレータ18
はミクロン単位で三針マニピュレータ17を縦横高さ方
向(X軸 Y軸、Z軸方向)に移動させるもので、X
軸、Y軸及びZ軸のそれぞれ専用の油圧シリンダと、該
油圧シリンダのダイヤフラムに押圧されるピストンとを
備え、油圧シリンダ内の油圧を図示しない操作部で変化
させ、該変化分に応じてピストンと一体なスライダー
を、つまり三針コンピュレータ17をそれぞれ移動させ
る油圧形式を用いている。シャーレ13の上方にはコン
デンサレンズ19を介してランプ20を配設し、又シャ
ーレ13の下方には対物レンズ21及びミラー22を介
してテレビカメラ23を配設する。テレビカメラ23に
代えて顕微鏡の使用も可能である。
上記保定用微細管14は、第2図に示す如くテフロンチ
ューブ24を介して保定装置Aに接続する。保定装置A
は、上記シャーレ13の近傍に設置される支持台25を
有し、該支持台25の一面に、アクリル樹脂など透明な
材質から成るガイドパイプ26をビス等で固設する。ガ
イドパイプ26の筒壁には、その長手方向に沿う長孔2
7を設けておく。上記テフロンチューブ24にはシリン
ジ28を接続するが、該シリンジ28は有底筒状に形成
されて、斯る底部にL字型ジョイント29を介してテフ
ロンチューブ24が接続される継口を有している。シリ
ンジ28の上下両端部にはドーナツ形状のスペーサ3
0,31を嵌着する。スペーサ30,31が嵌着された
シリンジ28は、上記ガイドパイプ26に上下動自在に
遊嵌する。そして、シリンジ28の継口には、上記テフ
ロンチューブ24をガイドパイプ26の長孔27に遊挿
した後、L字型ジョイント29を介して接続する。上部
側のスペーサ30には、糸等吊材32の一端を結着す
る。吊材32の他端側は、スプール33に巻回されるよ
うになっている。スペール33は、ステッピングモータ
34に連結させて回転できるようになっている。上記支
持台25の上部に脚材35を介して取付台36を設けて
おき、該取付台36に上記ステッピングモータ34を据
付ける。上記スプール33は取付台36と支持台25と
の間に回転可能に配設する。ステッピングモータ34は
図示しない制御装置により任意の回転角が得られるよう
に制御されることは勿論である。
そして、シャーレ13内の生理液中に臨ませた保定用微
細管14の先端からテフロンチューブ24を介してシリ
ンジ28内に至るまで生理液を充填させておき、上記保
定用微細管14の先端をシャーレ13内の生理液中に開
放させた状態でガイドパイプ26に対するシリンジ28
の上下位置の初期設定を行う。次に上記マイクロツール
16を利用して処理を行うべき卵細胞11を保定用微細
管14の先端に当てて、第3図に示す如く上記ステッピ
ングモータ34を駆動させ、シリンジ28を下降させれ
ば、保定用微細管14内に上記初期設定位置からのシリ
ンジ28の下降量に比例した値の負圧が生じ、斯る負圧
により卵細胞11を吸着し保持する。つまり、上記ステ
ッピングモータ34の最小回転角を1ステップとし、1
ステップだけステッピングモータ34を回転させた時
に、シリンジ28が上記初期設定位置から0.105cm
だけ下降すると仮定し、又生理液の比重を0.945
〔g/cm3〕とすれば、ステッピングモータ34の単位
ステップ当たりに得られる負圧Gは、G=0.105 X 0.94
5 = 9.92 X 10-2〔gf/cm2〕となる。従って、ステッ
ピングモータ34を1ステップづつ回転させてシリンジ
28を下降させても卵細胞11に対して急激にかつ過大
な圧力変化が作用して損傷するといった事態の発生がな
く、卵細胞11を保定用微細管14で吸着させる際、最
適な負圧力を得るのに微細に調整できるものである。又
逆にステッピングモータ34を逆転させてスプール33
に吊材32を巻回し、上記シリンジ28を上昇させれ
ば、該シリンジ28の上昇量に見合う量の生理液を保定
用微細管14の先端からシャーレ13内に吐出させるこ
とができる。尚、第3図は、説明上シャーレ13の側壁
を貫通させて保定用微細管14の先端を斯るシャーレ1
3内に臨ませたが、使用する際には、第1図に示す如く
保定用微細管14を単にシャーレ13の側壁上端の上方
からシャーレ13の生理液中に臨ませるものである。又
上記生理液は培養液であってもよいこと勿論である。
「発明の効果」 以上説明のように、本発明に係る卵細胞等の保定装置
は、微小回転動作可能なモータによってシリンジを上下
動させ、シリンジの上昇時における保定用微細管からの
生理液の吐出による吐出力およびシリンジの下降時にお
ける保定用微細管からの生理液の流入による負圧を利用
して保定等の卵細胞処理を行うようにしたので、圧力変
換器等を介在させることなく、また、フィードバック制
御に頼ることもなく、開ループ制御の極めて簡単な構造
でもって高精度に卵細胞の吸着力等を調整可能な利便性
の高い卵細胞等の保定装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る卵細胞等の保定装置を利用して
卵細胞をマイクロツールで処理する際の構成図、第2図
は本発明に係る卵細胞等の保定装置の斜視図、第3図は
保定装置の動作を示す説明図、第4図及び第5図は、従
来の保定装置及びマイクロツールを利用して卵細胞を処
理する過程を示す説明図、第6図は従来の保定装置の構
成図である。 11……卵細胞、13……シャーレ 14……保定用微細管、24……テフロンチューブ 26……ガイドパイプ、28……シリンジ 32……吊材、33……スプール 34……ステッピングモータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 成茂 栄一 東京都中野区本町3丁目17番10号 株式会 社成茂科学器械研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−501687(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マイクロツールで卵細胞等を処理するため
    の生理液を入れた処理容器と、 該処理容器の生理液中において前記卵細胞を吸着して保
    持するための保定用微細管と、 前記処理容器の生理液に浸漬された前記保定用微細管に
    チューブにて接続され、内部に生理液が満たされたシリ
    ンジと、 該シリンジを、前記処理容器中の生理液液面を基準とし
    て上昇させ、これによるシリンジ内生理液液面の上昇に
    よる前記保定用微細管からの生理液吐出による吐出力、
    および、前記処理容器中の生理液液面を基準として該シ
    リンジを下降させ、これによるシリンジ内生理液液面の
    低下による生理液の保定用微細管からのシリンジ内流入
    による吸引力によって保定操作等の卵細胞処理を行うた
    めに、当該シリンジを上昇および下降させる微小回転動
    作可能なモータとを備えたことを特徴とする卵細胞等の
    保定装置。
JP10716787A 1987-04-30 1987-04-30 卵細胞等の保定装置 Expired - Lifetime JPH0628590B2 (ja)

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JPH01206986A JPH01206986A (ja) 1989-08-21
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1985000314A1 (en) * 1983-06-30 1985-01-31 Institut Biokhimii I Fiziologii Mikroorganizmov Ak Method and device for performing microoperations on cells

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JPH01206986A (ja) 1989-08-21

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