JPH06280716A - 斜め噴射型燃料噴射弁及びその製造方法 - Google Patents

斜め噴射型燃料噴射弁及びその製造方法

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JPH06280716A
JPH06280716A JP7192293A JP7192293A JPH06280716A JP H06280716 A JPH06280716 A JP H06280716A JP 7192293 A JP7192293 A JP 7192293A JP 7192293 A JP7192293 A JP 7192293A JP H06280716 A JPH06280716 A JP H06280716A
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injection valve
fuel injection
cap member
mold
molding
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JP7192293A
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Hideo Nakai
英夫 中井
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Mitsubishi Motors Corp
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Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、斜め方向に燃料を噴射する斜め噴
射型燃料噴射弁とその製造方法に関し、吸気ポートに対
してほぼ直交方向から取り付けられて、その取付部が吸
気ポート内に突出しないようにし、吸気抵抗の少ないス
トレートポートの構成に役立たせることを目的とする。 【構成】 燃料噴射弁Aの先端部5に、底部7aと筒部
7bとの合体により形成される筒状有底キャップ部材7
が設けられ、その底部7aに斜め下方向に傾斜して開口
する先細形漏斗状噴射口13が設けられるように構成さ
れる。又、筒状有底キャップ部材7が二重成形法又はイ
ンサート成形法により、傾斜した噴射口13を有する底
部7aと、これと一体になる筒部7bが合体されて製作
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、斜め方向に燃料を噴射
する斜め噴射型燃料噴射弁及びこの燃料噴射弁の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】図18,19は直下方向すなわち軸線方
向に燃料を噴射する従来の燃料噴射弁を示すもので、図
18は燃料噴射弁の一部切断正面図、図19は先端部キ
ャップ部材の断面図である。また、図20,21はいず
れもこのような従来型の燃料噴射弁を取り付けた状態の
2例を示す吸気ポートの断面図である。
【0003】図18に示すものは、通常の電磁式燃料噴
射弁Aであるが、図中、1は燃料噴射弁Aの主体部、2
は燃料導入部,3は配線コネクタ部であり、主体部1の
内部には、図示しないソレノイドコイルにて作動される
プランジャが内蔵されている。そして、このプランジャ
と連動するニードル弁4の先端が,燃料噴射弁先端部5
の底部中央に設けられた噴射穴6の内辺に当接されて、
ソレノイドコイルへの通電によりニードル弁4が後退す
ると噴射穴6が開かれ、噴射穴6から燃料噴射弁の軸線
方向、即ち直下方向に向けて燃料が噴射されるようにな
っている。
【0004】また、図18に示す従来の燃料噴射弁は、
先端部5の先に、図19に示すような筒状有底のキャッ
プ部材7が設けられ、底部中央の軸線方向に開口される
逆円錐形の噴射口8から、燃料が一段と拡散されて噴射
されるようになっている。なお、図18中の符号7cは
筒状有底キャップ部材7の縁部を示している。このよう
な、軸線方向(直下方向)へ燃料噴射される燃料噴射弁
を吸気ポートに取り付けて、燃料の噴射を燃焼室11方
向へ向けるためには、図20に示すように、燃料噴射弁
Aの取付部9を吸気ポート10の内壁から突き出して形
成し、燃料噴射弁Aを斜め方向から取り付けるようにし
なければならない。
【0005】また、燃料噴射弁Aの取付部を吸気ポート
10内へ突き出させないようにして燃料の噴射を燃焼室
11方向へ向けるためには、図21に示すように吸気ポ
ート10を屈曲構成とし、この屈曲部12に燃料噴射弁
Aを燃焼室11方向へ向けて取り付けるようにしなけれ
ばならない。ところで、従来より高性能型の吸気ポート
としては、吸気流抵抗の少ないストレートポートが要求
されるものであるが、図20に示すように燃料噴射弁A
の取付部9を吸気ポート内へ突き出させると、吸気通路
を狭めて吸気圧損を増大させることになり、また、図2
1に示すように吸気通路を狭めないで曲げた構造にする
と、吸気流は曲折部分でストレートな流れが妨げられて
吸気流抵抗が増大することになる。
【0006】そのため、燃料噴射弁Aの噴射を斜め方向
に噴射するようにして、燃料噴射弁Aを吸気ポート10
の軸線に対し起立する方向から取り付けるようにする
と、上記のように燃料噴射弁Aの取付部9を吸気ポート
10内へ突出させることなく、また吸気ポート10に屈
曲部12を形成させることなくして、燃焼室方向へ向け
燃料を噴射させることが可能となるもので、そのために
斜め噴射型の燃料噴射弁がストレートポートの構成にお
いては有効である。
【0007】なお、図20,21において、符号14は
エンジンのシリンダヘッド、15は吸気弁を示してい
る。また、軸線方向噴射の燃料噴射弁を、その取付部が
吸気ポート内へ突き出さないようにして取り付けるため
には、燃料噴射弁を後退して取り付ければよいが、この
場合には燃料噴射弁の先端部分において、吸気ポート内
壁に凹所部分が形成されて、吸気流のストレートな流れ
を阻害することになる。
【0008】さらに、上記のような考え方とは別に、燃
料を斜め方向に噴射する燃料噴射弁が特開平2−575
3号公報により提案されている。この燃料噴射弁では、
噴射穴から噴射される燃料を斜め方向の噴射口の傾斜壁
に衝突させて、この衝突によって燃料を拡散して噴射さ
せることを目的としている。したがって、この燃料噴射
弁では、傾斜口の内方で燃料の拡散が行なわれるため、
傾斜口の内径は開口まで少なくとも同じ太さ乃至は拡大
して形成される必要があり、しかも傾斜口の傾斜角度が
余り傾くと、噴射力が弱められることになるので、ある
程度垂直に近い状態で形成されることになり、吸気ポー
ト内に突出する取付部が形成されていて、ストレートポ
ートの構成を阻害する結果となる。また、この燃料噴射
弁では、斜め噴射通路がストレート通路となっているの
で、噴射方向を制御することはできても、燃料微粒化に
重要な噴霧角を制御することはできない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記した
従来の軸線方向噴射型の燃料噴射弁では、ストレートポ
ートの構成は到底至難であり、また従来の斜め方向噴射
型の燃料噴射弁では、斜め噴射の目的が異なり噴射口の
傾斜角を大きくすることができないので、ストレートポ
ートの構成を充分に達成することは困難であることに加
えて、噴霧角の制御ができない。
【0010】そのため、ストレートポートの構成を達成
するためには、燃料噴射弁を吸気ポートのほぼ直交方向
から取り付けるとともに、燃料を急角度の傾斜をもたせ
て、拡散噴射させるようにしなければならないという課
題がある。また、このような急角度の拡散噴射を実現す
る燃料噴射弁を得るためには、先端部に急傾斜する噴射
口を簡単な手段により形成する製造手段が生産上必要で
ある。
【0011】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、斜め下方に急角度をもって燃料を拡散噴射し
うる燃料噴射弁を提供して、ストレートポートの達成を
実現可能にするとともに、このような燃料噴射弁を容易
に製作し得るようにした、斜め噴射型燃料噴射弁及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の請求
項1記載の斜め噴射型燃料噴射弁は、先端部より斜め下
方へ向けて燃料を噴射しうる斜め噴射型燃料噴射弁にお
いて、該燃料噴射弁の先端部に底部と筒部との合体によ
り形成される筒状有底キャップ部材が設けられ、該筒状
有底キャップ部材の底部に、斜め下方へ向けて開口し且
つ開口へ至る程順次先細となる漏斗状噴射口が形成され
ていることを特徴としている。
【0013】また、本発明の請求項2記載の斜め噴射型
燃料噴射弁の製造方法は、上下動するコア金型と該コア
金型に対して斜め上方向から上下動するスライドピン金
型とにより、先細形漏斗状傾斜噴射口を有するキャップ
部材底部を形成し、続いて、該コア金型と該コア金型に
対して直上方向から上下動するキャビティ金型とによ
り、該キャップ部材底部と合体するキャップ部材筒部を
成形する二重成形方法によって、斜め噴射型燃料噴射弁
の先端部に設けられる筒状有底キャップ部材が形成され
ることを特徴としている。
【0014】さらに、本発明の請求項3記載の斜め噴射
型燃料噴射弁の製造方法は、コア金型に、予め製作され
た先細形漏斗状傾斜噴射口を有する筒状有底キャップ部
材底部をセットし、つぎに、該コア金型と該コア金型に
対して直上方向から上下動するキャビティ金型とによ
り、該筒状有底キャップ部底部とともに該筒部を一体に
成形するインサート成形方法によって、斜め噴射型燃料
噴射弁の先端部に設けられる筒状有底キャップ部材が形
成されることを特徴としている。
【0015】このとき、別のコア金型と該別のコア金型
に対して直上方向から上下動するキャビティ金型とによ
り、該筒状有底キャップ部材底部を予め製作しておいた
り(請求項4)、機械加工により、該筒状有底キャップ
部材底部を予め製作しておいたりしてもよい(請求項
5)。
【0016】
【作用】上述の本発明の請求項1記載の斜め噴射型燃料
噴射弁では、燃料噴射弁の先端部に設けられる筒状有底
キャップ部材の底部に斜め下方向に開口する開口部の細
くなった漏斗状噴射口から斜め方向に燃料が拡散して噴
射されるので、燃料噴射弁を吸気ポートと直交する角度
から取り付けても、燃料は燃焼室方向に向けて良く噴射
され、しかも、燃料噴射弁を吸気ポートに直交する角度
から取り付けることにより、吸気ポート内へその取付部
を突出させることがなく、ストレートポートの構成を達
成できる。
【0017】また、本発明の請求項2記載の斜め噴射型
燃料噴射弁の製造方法では、燃料を斜め方向に噴射する
傾斜噴射口を底部に有する筒状有底キャップ部材を製作
するのに、1台の成形装置により、まず傾斜噴射口をも
つ底部を成形し、続いて、この底部と一体になる筒部を
成形する二重成形方法によって製作する。さらに、本発
明の請求項3〜5記載の斜め噴射型燃料噴射弁の製造方
法では、燃料を斜め方向に噴射する傾斜噴射口を底部に
有する筒状有底キャップ部材を製作するのに、まず傾斜
噴射口をもつ底部を予め製作しておき、つぎに、この底
部を筒部の成形とともにインサートするインサート成形
方法によって製作する。
【0018】
【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例につい
て説明すると、図1〜17は本発明による斜め噴射型燃
料噴射弁とその製造方法の実施例を示すもので、図1は
先端部を断面して示す燃料噴射弁の正面図、図2は筒状
有底キャップ部材のみの断面図、図3は本燃料噴射弁を
取り付けた吸気ポートの断面図、図4は本発明の他の実
施例を示す燃料噴射弁先端部の断面図、図5は図4に示
す筒状有底キャップ部材の上面図、図6は図4,5の噴
射口のみの斜視図であり、図7〜11は二重成形法によ
る筒状有底キャップ部材の製造工程を説明するためのも
ので、図7は製造工程に入る前の各金型の模式的断面
図、図8は底部を成形している状態の模式的断面図、図
9は底部の成形を終わり上金型を引き上げた状態の模式
的断面図、図10は底部と連続して筒部を成形している
状態の模式的断面図、図11は全成形が終了し上金型を
引き上げた状態の模式的断面図であり、図12〜17は
インサート成形法による筒状有底キャップ部材の製造工
程を説明するためのもので、図12は底部を成形する前
の上下金型の模式的断面図、図13は底部を成形してい
る状態の模式的断面図、図14は底部の成形を終了し上
金型を引き上げた状態の模式的断面図、図15は成形さ
れた底部を別の金型に移した状態の模式的断面図、図1
6は底部とともに筒部を成形している状態の模式的断面
図、図17は成形が終了し上金型を引き上げた状態の模
式的断面図であり、図1〜17中、図18〜21と同じ
符号はほぼ同様の部分を示している。
【0019】さて、図1において、本燃料噴射弁Aの主
体部1の内部には、図示しないソレノイドコイル,プラ
ンジャ等が内蔵され、このプランジャと連動するニード
ル弁4の先端が、燃料噴射弁Aの先端部5の底部中央に
設けられた噴射穴6の内辺に当接されるとともに、ソレ
ノイドコイルへの通電によるプランジャおよびニードル
弁4の後退により噴射穴6が開かれると、噴射穴6から
燃料が噴射されるようになっていることは、従来と同じ
である。
【0020】また、先端部5には、成形品よりなる筒状
有底キャップ部材7が取り付けられるようになってお
り、この筒状有底キャップ部材7の底部7aには、図2
に拡大して示すように、内方が噴射穴6と対向し外方が
底部7aの側部または底面周辺寄りに開口されしかも開
口へ至る程順次先細となっている漏斗状噴射口13が傾
斜した状態にて形成されている。
【0021】すなわち、この先細形漏斗状噴射口13
は、燃料噴射弁Aの軸線に対し大きく傾斜して形成され
ているため、燃料を燃料噴射弁Aの先端から斜め側下方
に向けて噴射し、しかも開口が細くなった漏斗状をして
いるため、燃料をよく霧化拡散して噴射させる機能を持
つほか、噴射口13のテーパ角を調節することにより噴
霧角を自在に制御できる機能も持っている。
【0022】なお、図2中の符号7bは筒状有底キャッ
プ部材7の筒部、7cは筒状有底キャップ部材7の縁部
を示している。また、この筒状有底キャップ部材7は機
械加工品であってもよい。したがって、図3に示すよう
に吸気ポート10に、これとほぼ直交する角度から本燃
料噴射弁Aを取り付けても、燃焼室11方向へ向けて正
しく燃料噴射を行なわせることができるのである。
【0023】なお、図3中、14はエンジンシリンダヘ
ッド、15は吸気弁を示しており、更に点線と矢印は燃
料の噴射状態と噴射方向とを示している。上述の構成に
より、燃料噴射弁を吸気ポートに対して斜め方向から取
り付けるための吸気通路への取付部の突出をなくし、ま
た、取付部を突出させないために、吸気ポートを屈曲さ
せ構造とする必要もなくストレートポートの構成が容易
になるものである。
【0024】つぎに、本発明の燃料噴射弁の斜め噴射を
行なわせるための傾斜噴射口を有する筒状有底キャップ
部材の成形による製造方法について説明する。この実施
例では、その製造方法として2種類の成形方法を採用し
ている。すなわち、2工程の成形作業を1台の成形機に
より連続して行なう二重成形方法と、先に製作した部分
を別の成形機に移して他の部分とともに成形するインサ
ート成形方法とを採用している。
【0025】まず、図7〜11に示す二重成形による製
造方法について説明すると、図7は成形前の金型の状態
を示しており、この金型の下型は固定するコア金型(以
下、コアという)21と、その中央部に嵌挿されて上下
動するスライドコア金型(以下、スライドコアという)
22とからなり、スライドコア22の上面には、筒状有
底キャップ部材底部7aの底面を成形する雌面22a
と、後で述べるピン型25bを受ける穴面22bが刻設
されており、また、このスライドコア22は、スプリン
グ23により常時上方に押し上げられ係止部22cによ
り係止されて、その上面がコア22の上面とやや下がっ
た段差をもたされた状態の所定位置で止まるようになっ
ている。
【0026】一方、この金型の上型はコア21と対向し
て上下動しするキャビティ金型24と、キャビティ金型
24の側方に連設されて斜め方向からスライドコア22
の上面と対向するスライドピン金型25とから成り、キ
ャビティ金型24の下面にはスライドコア22と対向す
る雄型24aとその基部周縁に輪形溝24bが形成され
ている。
【0027】また、スライドピン金型25の下面には、
筒状有底キャップ部材底部7aの上面を成形する雄面2
5aが刻設されるとともに、前述した穴面22bと対向
する円錐状のピン型25bと、凹所25cが刻設されて
いる。したがって、スライドピン金型25を降下させる
と、コア21の上面に当たってスライドコア22との間
に筒状有底キャップ部材底部7aを成形するための空間
(キャビティ)が形成されて型締めが行なわれるように
なっている。
【0028】また、スライドピン金型25を元に戻し
て、キャビティ金型24を降下させると、押されて下に
降りたスライドコア22と、スライドコア22が摺動す
る摺動穴27の側面と、雄型24aとの間に、筒状有底
キャップ部材筒部7bを成形するための空間(キャビテ
ィ)が形成されて型締めが行なわれるようになってい
る。
【0029】そして、これらの金型21,22,24,
25において、図7の矢印aのようにスライドピン金型
25を斜め方向に降下させると、図8のようにスライド
ピン金型25はコア21に当たってスライドコア22と
対向し、ピン型25bが穴面22b内に進入した状態と
なる。そこで、注入口26より、凹所25cを経由して
成形材料を矢印bのように注入することにより、傾斜し
た噴射口13を有する底部7aが成形される。
【0030】そして、スライドピン金型25を図8の矢
印cのように斜め方向に上昇させて元に戻すと、図9に
示す状態となる。つづいて、図9の矢印dのようにキャ
ビティ金型24を降下させて、雄型24aにて矢印eの
ように成形した筒状有底キャップ部材底部7aとともに
スライドコア22を押し下げて、図10の状態とする。
【0031】そこで、注入口26より輪形溝24bを経
由して矢印fのように成形材料を注入すると、摺動穴2
7と雄型24aと筒状有底キャップ部材底部7aとの間
の空間(キャビティ)部分で図10ように筒部7bが成
形されて、筒状有底キャップ部材底部7aと一体の筒状
有底キャップ部材7が成形される。さらに、図10の矢
印gのようにキャビティ金型24を上昇させると、スラ
イドコア22もスプリング23により押し上げられ、図
11のように成形された筒状有底キャップ部材7を押し
出して、全成形作業が終了する。
【0032】また、この成形と同時に、雄型24aの基
部周辺の輪状溝24bにより、筒状有底キャップ部材7
の上縁に縁部7cが形成される。上記の二重成形法によ
れば、底部7aに軸線に対して急な角度で傾斜するよう
な先細形の漏斗状噴射口13を有する筒状有底キャップ
部材7、すなわち、図2に示す底部7aの側下方に開口
するような急傾斜の噴射口をもつ筒状有底キャップ部材
7でも容易且つ確実に製作することができ、先に述べた
ストレートポートの構成に有効な斜め噴射型燃料噴射弁
を簡単に提供し得るものである。
【0033】つぎに、図12〜17に示すインサート成
形による製造方法について説明すると、このインサート
成形では、図12〜14に示す底部成形用の上下金型
と、図15〜17に示す筒部成形用の上下金型と2種類
の成形金型が使用される。図12は成形前の底部成形用
金型の状態を示しており、この金型は、下型としての固
定した底部成形用コア金型(以下、底部成形コアとい
う)31と、上型としての、底部成形コア31と対向し
て上方向から上下動する底部成形用キャビティ金型32
とからなっている。
【0034】そして、底部成形コア31の上面には、筒
状有底キャップ部材底部7aの底面を成形する傾斜した
雌面31aと、後で述べるピン型32bを受ける穴面3
1bが縦垂直方向に刻設されており、また底部成形用キ
ャビティ金型32の下面には、底部成形コア31の雌面
31aと対向して底部7aの上面を成形する雄面32a
が刻設され、且つ、前述し穴面31bと対向する垂直方
向の円錐状のピン型32bが刻設されている。
【0035】したがって、底部成形キャビティ金型32
を降下させると、底部成形コア31の上面に当たって、
雌面31aと雄面32aとの間に筒状有底キャップ部材
底部7aを成形するための空間(キャビティ)が形成さ
れて、型締めが行なわれるようになっている。すなわ
ち、図12の矢印iのように底部成形用キャビティ金型
32を降下して、底部成形用キャビティ金型32と底部
成形コア31とを当接すると、図13の状態となる。
【0036】そこで、注入口33より成形材料を矢印j
のように注入することにより、斜め方向の先細形漏斗状
憤出口13を有する底部7aが成形されるので、矢印k
のように底部成形用キャビティ金型32を上昇させて、
図14の状態にしたあと、成形品としての筒状有底キャ
ップ部材底部7aを取り出す。つぎに、図15は成形前
の筒部成形用金型を示しており、この金型は、下型とし
て固定する筒部成形用コア金型(以下、筒部成形コアと
いう)35と、上型として筒部成形コア35と対向して
上方向から上下動する筒部成形用キャビティ金型34と
からなっている。
【0037】そして、筒部成形コア35には、成形した
筒状有底キャップ部材底部7aを底面35aに定置する
凹所35bが形成され、また筒部成形用キャビティ金型
34には凹所35bに進入する雄型34aとその基部周
縁に輪形溝34bが形成されている。したがって、筒部
成形用キャビティ金型34が降下して、雄型34aが凹
所35b内に進入すると、凹所35bと雄型34aとの
間に筒状有底キャップ部材筒部7bを成形するための空
間(キャビティ)が形成されて、型締めが行なわれるよ
うになっている。
【0038】そして、図15の矢印pのように筒部成形
用キャビティ金型34を降下して、筒部成形用キャビテ
ィ34と筒部成形コア35を当接すると、図16の状態
となる。そこで、注入口36より成形材料を矢印mのよ
うに注入することにより、底部7aと一体の筒部7bが
成形されるので、矢印nのように筒部成形用キャビティ
金型34を上昇させ、図17の状態にして、成形品とし
ての筒状有底キャップ部材7を取り出し、全成形作業が
終了する。
【0039】また、この成形と同時に筒部成形用キャビ
ティ金型34の輪形溝34bにより、筒部7bの上端に
縁部7cが形成される。なお、上記において、筒状有底
キャップ部材底部7aを予め機械加工により製作してお
き、この機械加工された筒状有底キャップ部材底部7a
を筒部成形コア35の凹所35bにインサートするよう
にしてもよい。このような手法を採用すれば、図12〜
17の行程のうち図12〜14の行程が機械加工行程に
置き換えられる。
【0040】上記のインサート成形法によっても、二重
成形法によるものと同様に、底部7aに軸線に対して急
な角度で傾斜するような先細形の漏斗状噴射口13を有
する筒状有底キャップ部材7を容易且つ確実に製作する
ことができ、ストレートポートの構成に有効な斜め噴射
型燃料噴射弁を簡単に提供し得るものである。なお、本
発明の他の実施例として、図4〜6に示すような斜め噴
射口13aを形成するようにしてもよい。
【0041】すなわち、この例による噴射口13aは、
図6に示すように一方はほぼ垂直状の側面で、他方は急
な傾斜側面からなる先細形漏斗状噴射口として、筒状有
底キャップ部材7の底部7aに形成されており、垂直状
側面を燃焼室11側にして吸気ポート10に取り付けら
れるものである。この筒状有底キャップ部材7は、前の
実施例のように2工程成形によることなく、1工程で成
形できるという利点があるが、前の例のような急角度の
噴射を自在に選択することはできない。
【0042】しかしながら、急角度の傾斜噴射によっ
て、吸気ポート10への燃料噴射弁Aの取付角度を直交
状態に近づけて、ストレートポート実現に役立つ点にお
いては有効である。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の斜め噴射
型燃料噴射弁によれば、先端部より斜め下方へ向けて燃
料を噴射しうる斜め噴射型燃料噴射弁において、該燃料
噴射弁の先端部に底部と筒部との合体により形成される
筒状有底キャップ部材が設けられ、該筒状有底キャップ
部材の底部に、斜め下方へ向けて開口し且つ開口へ至る
程順次先細となる漏斗状噴射口が形成されているので、
燃料噴射弁を吸気ポートの軸線と直交する方向から取り
付けても良く燃焼室方向へ向けて拡散霧化して噴射し得
るほか、噴射口のテーパ角を調節することにより噴霧角
を自在に制御できるもので、従来の軸線方向噴射の燃料
噴射弁のように、燃料噴射弁を吸気ポートに対して斜め
方向から取り付けるための吸気通路への取付部の突出を
なくして、高性能型ストレートポートの構成を容易に達
成し得る利点がある。
【0044】また、本発明の斜め噴射型燃料噴射弁の製
造方法によれば、上下動するコア金型と該コア金型に対
して斜め上方向から上下動するスライドピン金型とによ
り、先細形漏斗状傾斜噴射口を有するキャップ部材底部
を形成し、続いて、該コア金型と該コア金型に対して直
上方向から上下動するキャビティ金型とにより、該キャ
ップ部材底部と合体するキャップ部材筒部を成形する二
重成形方法によって、斜め噴射型燃料噴射弁の先端部に
設けられる筒状有底キャップ部材が形成されるので、燃
料噴射弁に取り付けられて燃料を斜め方向に噴射させる
筒状有底キャップ部材の製作を容易にし、ストレートポ
ートの構成に有効な、斜め噴射型燃料噴射弁を容易に提
供し得る利点がある。
【0045】さらに、本発明の斜め噴射型燃料噴射弁の
製造方法によれば、コア金型に、予め製作された先細形
漏斗状傾斜噴射口を有する筒状有底キャップ部材底部を
セットし、つぎに、該コア金型と該コア金型に対して直
上方向から上下動するキャビティ金型とにより、該筒状
有底キャップ部底部とともに該筒部を一体に成形するイ
ンサート成形方法によって、斜め噴射型燃料噴射弁の先
端部に設けられる筒状有底キャップ部材が形成されるの
で、燃料噴射弁に取り付けられて燃料を斜め方向に噴射
させる筒状有底キャップ部材の製作を容易にし、ストレ
ートポートの構成に有効な、斜め噴射型燃料噴射弁を容
易に提供し得る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による斜め噴射型燃料噴射弁の一実施例
を示す一部切断正面図である。
【図2】本発明による筒状有底キャップ部材の断面図で
ある。
【図3】本燃料噴射弁を取り付けた吸気ポートの断面図
の断面図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す燃料噴射弁先端部の
断面図である。
【図5】図4の実施例による筒状有底キャップ部材の上
面図である。
【図6】図5の筒状有底キャップ部材の傾斜噴射口の斜
視図である。
【図7】本発明による二重成形法により筒状有底キャッ
プ部材を成形する金型の模式的断面図である。
【図8】二重成形法により筒状有底キャップ部材の底部
を成形している状態の模式的断面図である。
【図9】二重成形法により底部の成形を終わり上金型を
引き上げた状態の模式的断面図である。
【図10】二重成形法により筒状有底キャップ部材の筒
部を成形している状態の模式的断面図である。
【図11】二重成形法による全成形が終了し上金型を引
き上げた状態の模式的断面図である。
【図12】本発明によるインサート成形法により筒状有
底キャップ部材の底部を成形する金型の模式的断面図で
ある。
【図13】インサート成形法により筒状有底キャップ部
材の底部を成形している状態の模式的断面図である。
【図14】インサート成形法により底部の成形を終了し
上金型を引き上げた状態の模式的断面図である。
【図15】インサート成形法により成形した底部を別の
金型に移した状態の模式的断面図である。
【図16】インサート成形法により底部とともに筒部を
成形している状態の模式的断面図である。
【図17】インサート成形法による全成形が終了し上金
型を引き上げた状態の模式的断面図である。
【図18】従来例による軸線方向噴射型燃料噴射弁の一
例を示す一部切断正面図である。
【図19】従来例による筒状有底キャップ部材の断面図
である。
【図20】従来例の軸線方向噴射型燃料噴射弁を吸気ポ
ートに取り付けた状態の一例を示す断面図である。
【図21】従来例の軸線方向噴射型燃料噴射弁を吸気ポ
ートに取り付けた状態の他例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 主体部 2 燃料導入部 3 配線コネクタ部 4 ニードル弁 5 先端部 6 噴射穴 7 筒状有底キャップ部材 7a 底部 7b 筒部 7c 縁部 8 逆円錐形噴射口 9 取付部 10 吸気ポート 11 燃焼室 12 屈曲部 13 先細形漏斗状噴射口 14 シリンダヘッド 15 吸気弁 21 コア金型(コア) 22 スライドコア金型(スライドコア) 22a,31a 雌面 22b,31b 穴面 22c 係止部 23 スプリング 24 キャビティ金型 24a,34a 雄型 24b,34b 輪形溝 25 スライドピン金型 25a,32a 雄面 25b,32b ピン型 25c,34b 凹所 26,33,36 注入口 31 底部成形用コア金型(底部成形コア) 32 底部成形用キャビティ金型 34 筒部成形用キャビティ金型 35 筒部成形用コア金型(筒部成形コア) 35a 底面 A 燃料噴射弁

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部より斜め下方へ向けて燃料を噴射
    しうる斜め噴射型燃料噴射弁において、該燃料噴射弁の
    先端部に底部と筒部との合体により形成される筒状有底
    キャップ部材が設けられ、該筒状有底キャップ部材の底
    部に、斜め下方へ向けて開口し且つ開口へ至る程順次先
    細となる漏斗状噴射口が形成されていることを特徴とす
    る、斜め噴射型燃料噴射弁。
  2. 【請求項2】 上下動するコア金型と該コア金型に対し
    て斜め上方向から上下動するスライドピン金型とによ
    り、先細形漏斗状傾斜噴射口を有するキャップ部材底部
    を形成し、続いて、該コア金型と該コア金型に対して直
    上方向から上下動するキャビティ金型とにより、該キャ
    ップ部材底部と合体するキャップ部材筒部を成形する二
    重成形方法によって、斜め噴射型燃料噴射弁の先端部に
    設けられる筒状有底キャップ部材が形成されることを特
    徴とする、斜め噴射型燃料噴射弁の製造方法。
  3. 【請求項3】 コア金型に、予め製作された先細形漏斗
    状傾斜噴射口を有する筒状有底キャップ部材底部をセッ
    トし、つぎに、該コア金型と該コア金型に対して直上方
    向から上下動するキャビティ金型とにより、該筒状有底
    キャップ部底部とともに該筒部を一体に成形するインサ
    ート成形方法によって、斜め噴射型燃料噴射弁の先端部
    に設けられる筒状有底キャップ部材が形成されることを
    特徴とする、斜め噴射型燃料噴射弁の製造方法。
  4. 【請求項4】 別のコア金型と該別のコア金型に対して
    直上方向から上下動するキャビティ金型とにより、該筒
    状有底キャップ部材底部を予め製作しておくことを特徴
    とする請求項3記載の斜め噴射型燃料噴射弁の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 機械加工により、該筒状有底キャップ部
    材底部を予め製作しておくことを特徴とする請求項3記
    載の斜め噴射型燃料噴射弁の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112177804A (zh) * 2020-09-16 2021-01-05 上海空间推进研究所 适用于空间装置的低温发动机
CN112177804B (zh) * 2020-09-16 2021-10-29 上海空间推进研究所 适用于空间装置的低温发动机

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