JPH0627B2 - 園芸用装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 イ．発明の分野 本発明は、一般的に園芸用装置に関し、より一層明確に
述べるならば、改良され簡素化された立て園芸用装置に
関する。

ロ．先行の技術 米国特許第４１６１０８５号、米国特許第４０６５８７
６号、および米国特許第１７５２５９７号により代表さ
れる、垂直方向に方向決めされた庭園を作るための園芸
用構造物は、本技術分野において一般的に周知である。

本発明の発明者と同じ発明者による米国特許第４１６１
０８５号は、それを貫通して伸長する植物開口部を有す
るたわみプラスチック薄板を有する園芸用構造物を説明
している。前記薄板は、垂直方向に配置されると、一定
量の成育媒体を受けるための変化する横断面積を有する
垂直方向に伸長する第１継目なし壁包囲体を形成する。
カバー・スリップが、各開口部に着脱自在に取り付けら
れて開口部を覆い、媒体と水分との包囲体からの脱出を
防止する。種子または植物を成育媒体の中に埋め込んで
開口部を経由して伸ばし得るようにするために、カバー
・スリップは、開口部から除去可能である。第１包囲体
に類似する第２継目なし壁包囲体は、第１包囲体と垂直
方向に整合して装着されることができ、ストリップ・ウ
ィービング（strip weaving）または複数個の結合クリ
ップにより第１包囲体に固定される。媒体に対して給水
を行なうために、給水部材が、最上部包囲体の上端部に
隣接する媒体の中に配置される。最上部包囲体は、好適
にはカバーを具備し、最下部包囲体は、好適には底部支
持部材に装着される。

前述の米国特許第４１６１０８５号と同様に本発明の発
明者と同じ発明者による米国特許第４０６５８７６号
は、土を収容した大型プラスチック袋の中に収納された
剛性支持具を一形態において有する可搬式園芸用構造物
を説明している。前記支持具は、大型円形基部と、土の
中心部を貫通して上方へ伸長し袋の頂部から外部へ伸長
する支持柱とを有する。各支持具の基部は、軸線方向孔
を有する。そして、この形態の庭園を次々に積み重ねる
ために、別の支持具の柱の上端部を前記軸線方向孔の中
へ挿入することができる。小さい穴が、ライナまたは袋
に切削され、種子または植物が、露出した土に植えられ
る。これにより、これらの種子または植物の芽は、穴か
ら外部へ伸びることが可能になる。

米国特許第１７５２５９７号は、立て園芸用構造物を支
持するために地中に装着された支持柱を開示している点
で興味深い。前記園芸用構造物の基部は、支持柱の自由
端部を受ける中央盲孔を有する。

ハ．発明の要約 本発明は、構造が簡単でしかも用途の広い園芸用装置の
提供を目的とする。

本発明による園芸用装置は、一体に成形され、後に複数
の部分に分割して使用される園芸用装置にして、前記複
数の部分は、少なくとも１つの側部で画定された中空の
本体部分であって、この本体部分の長さにわたってほぼ
一様な横断面積と周囲形状に有する本体部分と、この本
体部分にほぼ相似の縮小した周囲形状を有し、該本体部
分の頂部開口に嵌め込んで該本体部分に係止される頂部
部分とを含み、前記本体部分が該本体部分に一体の底部
閉鎖端を備え、前記底部閉鎖端が前記本体部分にほぼ相
似の縮小した周囲形状を有して、該本体部分との間に底
部肩部を形成し、前記頂部部分には、前記底部閉鎖端を
受入れ可能な形状の凹部と前記底部肩部を支えるための
端部が設けられ、前記本体部分の側部および前記頂部部
分には多数の植物用開口が形成され、前記植物用開口は
それぞれ取り外し自在なカバー・スリップによって覆わ
れていることを特徴とする。

この構成によれば、園芸用装置は、本体部分の上下に頂
部部分と底部閉鎖端とを備えたほぼ一様な横断面積と周
囲形状の簡単な構造であるので、設計が簡単であると共
に、プラスチック材料の型成形等で容易かつ安価に製造
することが出来る。使用に当たっては、本体部分から頂
部部分を分割し、土などの成育媒体を本体部分に入れ、
頂部部分を頂部開口に嵌め込んで本体部分を閉じる。そ
の後、本体部分の側部および頂部部分の植物用開口から
必要に応じてカバー・スリップを取り外し、成育媒体に
種子や植物を植え込めばよく、使用が非常に簡単であ
る。また、底部閉鎖端を別の園芸用装置の頂部部分に嵌
め込んで幾つかの園芸用装置を縦につなぐことが出来、
さらに、複数の園芸用装置を互いに接するように横に並
べて置くと、直線や曲がりくねった形の壁状構造を容易
に形成することが出来る。この場合、隣接した園芸用装
置の互いに整合する植物開口からカバー・スリップを取
り外して、植物の根が横方向へ隣接した園芸用装置内へ
延びるようにすれば、壁状構造がより堅固なものとな
る。その様な壁構造は、生け垣や、大きな室内空間の間
仕切りとしても好適である。この様に、本発明の園芸用
装置は広範囲な用途を提供するものである。

現在の世界の諸地域、特に世界のいわゆる低開発国にお
ける恒久的且つ継続的な問題は、水および（または）耕
作可能な土地の欠乏である。明らかな食糧不足が存在し
ない国においても、例えば都市のアパート生活者のよう
な多数の人々は、耕作可能な土地に近付くことがほとん
どできないか、または全くできない。これらの問題およ
び他の問題は、本発明の簡単で安価な園芸用装置により
最小限にされ得る。

本発明とその利点とは、以下の本発明の詳細な説明によ
り、より一層明らかになろう。

ニ．実施例 添付図面と関連させて、本発明の細部を説明する。

第１図には、好適には成形により製造される単位包囲体
１２が示されている。前記単位包囲体１２は、第２図か
ら第５図までにより一層詳細に示されている本発明の園
芸用装置の好ましい実施例を形成するために使用され
る。前記包囲体１２は、中空本体部材１４を有し、前記
中空本体部材１４は、横断面積と周囲部形状とがその長
さにわたりほぼ均一である。好ましい周囲部形状は、ほ
ぼ長方形であるが、中空本体部材１４は、例えば第８図
に示した円形のような他の任意の適当な形状に形成して
よい。包囲体１２は、さらに、底部閉鎖端部部分１６と
頂部閉鎖端部部分１８とを有する。前記の底部閉鎖端部
部分１６と頂部閉鎖端部部分１８とは、それぞれ、中空
本体部材１４と実質的に同じ周囲部形状、すなわち長方
形の周囲部形状を有するが、そこで中空本体部材１４と
端部部分１６，１８とが一体に結合または合同する底部
肩部２０と頂部肩部２２とのそれぞれを形成するため
に、減少した横断面積を有する。

第１図から第４図までについて説明すると、園芸用装置
は、頂部肩部２２を包含する頂部端部部分１８を第１図
の点線２４にほぼ沿って中空本体部材１４から切断する
ことにより形成される。切断された頂部端部部分１８
は、裏返しにされて盆カバーを形成し、頂部肩部２２が
中空本体部材１４の切断端部に係合するかまたはもたれ
る状態で中空本体部材１４の切断端部に装着されて、第
２図に示したように単一園芸用装置を形成する。２つ以
上の園芸用装置を積み重ねる場合には、頂部端部部分１
８が切断されている別の包囲体１２の底部端部部分１６
を、底部肩部２０が下中空本体部材１４の切断端部にも
たれる状態で下中空本体部材１４の切断端部に装着し、
盆カバー１８を上中空本体部材１４の切断端部に装着す
る。２つ以上の積み重ねられた園芸用装置を利用する際
には、水と肥料とを最上部の構造物の頂部端部部分１８
の中へ導入してよい。最上部の構造物の頂部端部部分１
８の中へ導入された水と肥料とは、下の装置の中へ滴下
し得る。

中空本体部材１４と頂部端部部分１８とは、以下に説明
するように中空本体部材１４の中に置かれた例えば土ま
たは堆肥のような成育媒体３２（第３図）に接近し得る
ように、第１図から第５図までで最も良く分るように複
数個の隔置された開口部２６を具備する。底部端部部分
１６は、第５図で最もよく分るように、好適には、水ま
たは水・肥料混合物が、上園芸用装置の中の成育媒体３
２を保持しつつ積み重ねられた園芸用装置の間を通り得
るように、複数個の比較的小さい穴３３を具備する。成
育媒体３２と水分とが開口部２６を経由して脱出するの
を防止するため、カバー・スリップ２８が、着脱自在に
開口部２６を覆うように、第６図に示すように配置され
る。各カバー・スリップ２８は、カバー部分を有し、前
記カバー部分は、補足的開口部２６の高さと幅とに実質
的に等しい高さＨと幅Ｗとを有する。各カバー・スリッ
プ２８は、さらに、４つのフラップ３０を包含し、前記
の４つのフラップ３０は、補足的開口部２６の幅よりも
若干小さい幅を有する。各カバー・スリップ２８は、次
に説明するようにして、中空本体部材１４と頂部端部部
分１８とに着脱自在に取り付けられる。すなわち、垂直
方向に対向するフラップ３０または水平方向に対向する
フラップ３０のいずれかを相互に向けて圧縮し、フラッ
プ３０を中空本体部材１４または頂部端部部分１８の外
側から開口部２６へ挿入し、フラップ３０を解放して、
フラップ３０が中空本体部材１４または頂部端部部分１
８の内面に係合して開口部２６を効果的に覆うようにす
る。中空本体部材１４は、さらに、持ち上げ作業を容易
にするために、取手等を受ける凹部２３，２５を具備す
る。好適には、前記取手を所定位置に保持する締め具を
受けるために、穴２７，２９が凹部２３，２５の中に配
置される。

成育媒体３２を中空本体部材１４の中へ導入する前に、
好適には、中空本体部材１４の開口部２６の全てをカバ
ー・スリップ２８で覆う。盆カバー１８を除去し、切断
開放頂部を経由して中空本体部材１４に育成媒体３２を
充填し、盆カバー１８を再び装着する。種子または植物
３４を栽培したい時は、所望数のカバー・スリップ２８
を除去し、種子または植物３４を好適には手で接近可能
な育成媒体３４の中へ埋め込む。最良の結果を得るため
には、苗が容易に開口部２６を通り包囲体１２を出て空
気と日光との中へ伸びられるように、栽培する種子は、
開口部２６の近くにまくべきである。成育期の終了時
に、植物の幹を切断し、カバー・スリップ２８を再び装
着し、植物の根の物質が適当な位置において腐敗して成
育媒体３２を肥やすことができるようにする。

第７図および第９図には、それらの側部壁３６が衝合関
係または並置関係をなして結合されている１対の園芸用
装置１２が示されている。任意数の前記園芸用装置１２
を並置関係に結合するか、または、点線で示したように
１つの角部３８のみに沿って結合して、長い直線状の壁
または長い曲りくねった壁を形成することができる。さ
らに、園芸用装置１２を積み重ねて、任意の高さの壁を
形成することができる。園芸用装置１２を並置関係に結
合する場合には、好適には、隣接する側部壁３６のカバ
ー・スリップ２８を除去する。この目的は、１つの園芸
用装置１２の中の根が、横方向に伸びて隣接する園芸用
装置１２の中へ入り得るようにすることにある。

園芸用装置１２の壁のための支持装置は、支持柱４０を
有し、前記支持柱４０は、園芸用装置１２の衝合する側
部壁３６の対向する溝４２により形成された開口部の中
に装着される。支持柱４０は、成育媒体３２と接触しな
い。支持柱４０の下端部は、好適には、図示しない地中
の適当な開口部の中に着脱自在に装着されるので、個々
の園芸用装置１２の除去と交換とを可能にするために容
易に除去され得る。さらに、円筒形のものとして図示し
た積み重ねられた園芸用装置１２の単一列は、第８図に
示したように単一支持柱４４により支持され得る。この
場合、前記単一支持柱４４は、底部端部部分１６と盆カ
バー１８との心合せされた中央開口部２６を貫通して伸
長し、地中の開口部４６の中へ入る。支持柱４０が不必
要な場合は、対向する溝４２を省略し、隣接する側部壁
３６の間の根の連絡を増大させてよい。

園芸用装置１２を側部壁３６が衝合関係をなすように結
合するか、または、１対の補足的角部３８のみに沿って
結合する構造物は、中空本体部材１４の各角部３８から
横方向に伸長する複数個の心合せされ隔置されたＶ字形
突起４８を有する。各角部３８に沿った突起４８の各列
は、前記各列を貫通して伸長する心合せされた開口部５
０を有する。対角線方向に対向する角部３８の突起４８
は、角部３８に沿って縦方向に相互に心合せされてい
る。しかし、１対の対角線方向角部３８の突起４８は、
他の対の対角線方向角部３８の補足的突起４８と縦方向
に食い違っている。従って、１対の園芸用装置１２を第
７図に示したようにそれらの側部壁３６が衝合関係をな
すように位置決めすると、接合する角部３８にある園芸
用装置１２の食い違った突起４８と開口部５０とが、相
互に対して動いて相互に心合せされる。園芸用装置１２
は、棒５２を突起４８の心合せされた開口部５０に挿入
することにより結合される。園芸用装置１２の角度的方
向決めを可能にするため、園芸用装置１２は、１対の角
部３８に沿ってのみ結合される。これにより、園芸用装
置１２は、相対的枢軸回転運動を行ない得る。２つの園
芸用装置１２を積み重ねる際には、隣接する園芸用装置
１２を結合するために使用したその同じ棒５２を延長し
て、積み重ねられた垂直方向園芸用装置１２を結合して
よい。

本発明の現在好ましいと考えられる実施例を図示し詳細
に説明したが、本発明を知った当業者が種々の変形変更
を案出し得ることは認識されよう。これらの変形変更の
全ては、添付した特許請求の範囲の範囲と精神との範囲
内にあるものとする。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の園芸用装置の好ましい実施例を形成
するために使用される好適には成形により製造される単
位包囲体の正面立面図、 第２図は、第１図の包囲体で形成される立て園芸用装置
の好ましい実施例の上端部を示す分割正面立面図、 第３図は、第２図の完成した園芸用装置のその諸部分を
切り欠いた側面立面図、 第４図は、第２図の園芸用装置の頂面平面図、 第５図は、第２図の園芸用装置の底面図、 第６図は、植物開口部を覆うカバー・スリップの正面立
面図、 第７図は、１対の園芸用装置が２つの角部に沿って結合
されているところを実線で示し、単一角部に沿って結合
されているところを点線位置で示す頂面平面図、 第８図は、中央支持柱に装着された１対の円筒形園芸用
装置を示す、前記の１対の円筒形園芸用装置の諸部分を
切り欠いた第２図に類似の正面立面図、および、 第９図は、第７図に示したように結合された園芸用装置
対の部分側面立面図である。 １２…包囲体、１４…本体部材、１６…底部端部部分、
１８…頂部端部部分、２０…底部肩部、２２…頂部肩
部、２６…植物開口部、２８…カバー、３２…成育媒
体、３４…植物、３６…側部壁、３８…角部、４０…支
持柱、４２…溝、４４…柱、４８…突起、５０…開口
部、５２…棒

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一体に成形され、後に複数の部分に分割し
   て使用される園芸用装置にして、前記複数の部分は、少
   なくとも１つの側部で画定された中空の本体部分であっ
   て、この本体部分の長さにわたってほぼ一様な横断面積
   と周囲形状を有する本体部分と、この本体部分にほぼ相
   似の縮小した周囲形状を有し、該本体部分の頂部開口に
   嵌め込んで該本体部分に係止される頂部部分とを含み、
   前記本体部分が該本体部分に一体の底部閉鎖端を備え、
   前記底部閉鎖端が前記本体部分にほぼ相似の縮小した周
   囲形状を有して、該本体部分との間に底部肩部を形成
   し、前記頂部部分には、前記底部閉鎖端を受け入れ可能
   な形状の凹部と前記底部肩部を支えるための端部が設け
   られ、前記本体部分の側部および前記頂部部分には多数
   の植物用開口が形成され、前記植物用開口はそれぞれ取
   り外し自在なカバー・スリップによって覆われているこ
   とを特徴とする園芸用装置。
2. 【請求項２】特許請求の範囲第１項記載の園芸用装置に
   おいて、前記底部閉鎖端には多数の液体用開口が形成さ
   れる園芸用装置。
3. 【請求項３】特許請求の範囲第２項に記載の園芸用装置
   において、前記頂部部分の開口の内の１つと前記底部閉
   鎖端の開口のうちの１つとは、前記本体部分の長手方向
   へ互いに整合し、支持柱を受けるための開口となる園芸
   用装置。
4. 【請求項４】特許請求の範囲第１項から第３項までのい
   ずれか一項記載の園芸用装置において、前記本体部分は
   ４つの側部と角部を有するほぼ長方形の周囲形状であ
   り、前記角部のうちの少なくとも１つに、互いに隔置さ
   れ且つ各々が前記本体部分から横方向へ延在した複数の
   突起が設けられ、これら突起は、前記本体部分の長手方
   向へ整合した、別の本体部分への連結用の棒を受けるた
   めの開口をそれぞれ形成されている園芸用装置。
5. 【請求項５】特許請求の範囲第４項に記載の園芸用装置
   において、前記突起は前記角部のうちの隣接した少なく
   とも２つに形成され、一方の角部の突起は前記本体部分
   の横方向に関して他方の角部の突起と食い違い状に配置
   される園芸用装置。
6. 【請求項６】特許請求の範囲第４項または第５項に記載
   の園芸用装置において、前記４つの側部のうちの少なく
   とも１つには前記本体部分の長手方向へ延びる溝が形成
   され、この溝は、該溝が隣接した別の本体部分の側部の
   溝と協同して支持柱を受けるための開口を画定する位置
   に設けられる園芸用装置。