JPH0627436U - 後軸操舵装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、構造が簡単で、軽量かつ信頼性が
高い機械式の後輪操舵装置を提供する事を目的としてい
る。 【構成】 スプリングシート３に窓を設けてアクスル１
を移動自在に挿入し、ハンドルを切って車両がロールし
たときにアクスル１が同相側に操舵されるようリンクを
設けている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、リーフスプリング式サスペンションの後軸を操舵する後軸操舵装置 の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

車両の走行安定性を向上するために後軸操舵装置は種々知られており、例えば 特開昭６２−１９４９７６号公報に示されるものは、図１０、図１１の様に後軸 をトルクロッドＲ１、Ｒ２で支持し、シリンダＳと図示しない制御装置とでロッ ドを伸縮制御し操舵するようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の技術は油圧機器、制御装置や各種のセンサ等が必要で構 造が複雑で重量が重くなり、信頼性の問題もある。

【０００４】 本考案は、構造が簡単で、軽量かつ信頼性が高い機械式の後輪操舵装置を提供 する事を目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案によれば、スプリングと一体に設けたスプリングシートと、そのスプリ ングシート内を前後方向に移動自在に設けたアクスルと、フレームに一端を回動 自在に取付けたコンプレッションロッドと、そのコンプレッションロッドの他端 にボールジョイントを介して一端を取り付けたスイングアームと、そのスイング アームの他端にスイングアームから直角方向に伸びるプッシュプルレバーと、そ のプッシュプルレバーに球面滑り軸受けを介して設けたドローバーと、そのドロ ーバーに固着したアクスルとにより構成している。

【０００６】

【作用】 上記のように構成された後輪操舵装置において、車両の旋回時に、例えばハン ドルを左に切ると、車両は右側にロールし、内輪側は浮き外輪側は沈む。この時 、従来は後軸の右スプリングシート部は後軸のジオメトリ等のため後方にわずか 移動し、後軸は前軸と異相に操舵されたことになる（オーバステア側）。

【０００７】 本願の構造では、車両がロールしたときにスイングアームの先端はコンプレッ ションロッドで拘束されているので、スイングアームはスプリングシートの軸支 点回りに時計方向に回転させられる。また左後輪は右側と反対に反時計方向に回 転する。したがって、アクスルチューブはプッシュプルレバーにより右側は前方 に押し出され、左側は後方におしだされ、後輪はアンダステア傾向となる前輪と 同相側に操舵される。

【０００８】

【実施例】

以下、図面を参照して、本考案の実施例を説明する。

【０００９】 図１において、フレーム２５にはスプリングブラケット２６、２７が固着され 、そのスプリングブラケト２６、２７にはリーフスプリング２１が取付けられ、 スプリングにはスプリングシート３が複数のＵボルト２２とナット２３とで取付 けられている。

【００１０】 また、スプリングシート３には窓３ａが設けられ、その窓３ａには方形断面の アクスルチューブ１が移動自在に挿入されている。そして、図３〜図５をも参照 して、スプリングシート３のボス３ｂにはスイングアーム８が一体に構成された 軸８ａで揺動自在に取付けられ、その軸８ａのスプライン部にはプッシュプルレ バー５の一端が取付けられている。

【００１１】 また、そのプッシュプルレバー５の他端は球面滑り軸受け６を介してアクスル １に設けられたドローバー４に枢着されている。なお、スプリングシート３とア クスル１との間には円滑な移動のためにアクスルシート２が上下に設けられてい る。

【００１２】 ここで、Ｐはアクスルの中心、ａはスプリングシートの中心の軌跡を示し、Ｑ、 Ｑ´については後述する。

【００１３】 そして、図２をも参照して、スイングアーム８の他端は、フレーム２５に固着 されたロッドシャフト１６に揺動自在に一端を取付けれたコンプレッションロッ ド１４の他端に設けられたチューブ１７の端部のボールジョイント１８に取付け られている。

【００１４】 したがって、図９に示すように、例えば左にハンドルを切ると、車両は右にロ ールし右側のコンプレッションロッド１４はフレームと共に下げられる。

【００１５】 そして、図６、図７を参照して、スイングアーム８がＤのように押し下げられ 、それによってプッシュプルレバー５を介してドローバー４がアクスル１をスプ リングシート３の中で左に移動させる。

【００１６】 同時に、左側ではフレームはロールによってあげられるので、アクスル１は右 側と反対方向に移動される。

【００１７】 その結果、図８、図９を参照して、右側のアクスル１の中心Ｐはθ度前方に移 動してＱ´に来る。このとき左側のスプリングシートの断面ではアクスルの中心 は後方のＲ´にきている。

【００１８】 したがって、従来はＱ，Ｒに来てオーバステア側（異相側）に操舵されていた アクスルが、Ｑ´、Ｒ´にきてアンダステア側（同相側）に操舵される。

【００１９】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように構成されているので、中高速走行時の走行安定 性が向上する。また、アクチュエータ等を使用しないでメカニカルに構成してい るので信頼性が高く、構造簡単で軽量かつコストが安い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す後軸部の構成を示す側
面図。

【図２】図１のＸ−Ｘ断面図。

【図３】図１の要部を示す側断面図。

【図４】図３のＡ矢視図。

【図５】スプリングシートの正面図。

【図６】図３の作動時を示す側断面図。

【図７】図６のＢ矢視図。

【図８】作動時の状態を説明する後軸の平面図。

【図９】作動時の状態を説明するシャシの平面図。

【図１０】従来の技術の例を示す後軸の平面図。

【図１１】従来の技術の例を示す後軸の側面図。

【符号の説明】

１…アクスル ３…スプリングシート ４…ドローバー ５…プッシュプルレバー ６…球面滑り軸受け ８…スイングアーム １４…コンプレッションロッド １６…ロッドシャフト １７…チューブ １８ボールジョイント ２１…リーフスプリング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スプリングと一体に設けたスプリングシ
   ートと、そのスプリングシート内を前後方向に移動自在
   に設けたアクスルと、フレームに一端を回動自在に取付
   けたコンプレッションロッドと、そのコンプレッション
   ロッドの他端にボールジョイントを介して一端を取り付
   けたスイングアームと、そのスイングアームの他端にス
   イングアームから直角方向に伸びるプッシュプルレバー
   と、そのプッシュプルレバーに球面滑り軸受けを介して
   設けたドローバーと、そのドローバーに固着したアクス
   ルとにより構成したことを特徴とする後軸操舵装置。