JPH06274036A - 現像ローラ及び現像装置 - Google Patents

現像ローラ及び現像装置

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JPH06274036A
JPH06274036A JP5061812A JP6181293A JPH06274036A JP H06274036 A JPH06274036 A JP H06274036A JP 5061812 A JP5061812 A JP 5061812A JP 6181293 A JP6181293 A JP 6181293A JP H06274036 A JPH06274036 A JP H06274036A
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JP
Japan
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resin
magnet
developing
weight
pole
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Application number
JP5061812A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhide Goseki
康秀 後関
Masayoshi Shimamura
正良 嶋村
Kenji Fujishima
健司 藤島
Kazunori Saiki
一紀 齊木
Michiko Orihara
美智子 折原
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
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  • Magnetic Brush Developing In Electrophotography (AREA)
  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂被覆層を有する現像スリーブと、その内
部に配置された樹脂磁石を有する現像ローラで、樹脂被
覆層形成時の加熱処理により熱変形しない樹脂磁石を有
する現像ローラを提供すること。 【構成】 現像ローラ3は、素管18上に加熱処理工程
を経て樹脂被覆層17が形成された現像スリーブ14
と、このスリーブ14内にキャップ22、23により支
持された磁石ローラ13とを有しており、磁石ローラ1
3の磁石本体15は、線膨張係数が6×10-5/℃以下
の樹脂をバインダとする樹脂磁石である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体あるい
は静電記録誘電体等の潜像保持体上に形成された静電潜
像を現像するための現像装置、及び現像装置に用いられ
る現像ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に実用化されている現像ロー
ラとしては、アルミニウム、ステンレススチール等の金
属円筒管(現像スリーブ)とその円筒管内部に磁石を配
置させたものが用いられる。
【0003】一成分磁性現像剤(以下磁性トナーとも言
う)は、現像スリーブに担持されて静電潜像を現像する
現像領域に搬送される。
【0004】磁性トナーは現像スリーブとの摩擦により
静電潜像を現像する為の摩擦電荷を得る。
【0005】しかしながら、このようなスリーブにおい
ては、トナー層(トナーコート)むら、コート不良、ゴ
ースト、現像画像の濃度低下等の、種々の不具合が生ず
ることがある。例えば、スリーブが繰り返し回転を行っ
ていくうちにスリーブ上にコーティングされたトナーの
帯電量がスリーブとの接触により高く成り過ぎ、トナー
が静電的鏡映力により、スリーブ表面上で不動状態とな
り、スリーブから潜像保持体上の潜像に移動しなくな
る。所謂、チャージアップ現象が特に低湿下で起こりや
すい。
【0006】これは、スリーブの金属表面に極く薄い金
属酸化被膜が生じ、これが過剰帯電したトナーの電荷の
リークを妨害している為であると推定されている。
【0007】いずれにせよ、トナーのこのようなチャー
ジアップが発生すると、上層のトナーはトリボを持ちに
くくなる為、ライン画像の細りやベタ黒画像の画像濃度
うす等の生じた画像となる。
【0008】更に、潜像の画像部(トナー消費部)と非
画像部とではトナー消費量が異なる為、スリーブ上のト
ナー層状態が変り、帯電状態が異なってしまう為、一度
画像濃度の高いベタ画像を現像したスリーブ上の位置が
次に現像位置にきて、ハーフトーン画像を現像すると、
画像上にベタ画像の跡が現われてしまう現象、所謂、ゴ
ースト現象が生じやすい。
【0009】又、最近では現像画像の高画質化の為に、
トナーの小粒径化が図られている。解像力、シャープネ
ス等を上げ、潜像を忠実に再現する為に、トナーの重量
平均粒径で約6〜9μmのものを用いるのが一般的であ
る。斯かる小粒径トナー中には平均粒径より小なる微粉
トナーが相当な割合で含まれているが、微粉トナーは重
量当たりの表面積が大である為、特に過剰帯電しやす
く、従って斯様な小粒径トナーを使用する場合は、前記
の不都合が更に顕著になる。
【0010】このような現象を解決する方法として、従
来の金属円筒管スリーブの代わりに、特開平2−105
181号公報、特開平3−36570号公報等に記載の
如く、金属円筒管の表面にバインダ樹脂、導電性微粉
末、固体潤滑剤微粉末等からなる樹脂被覆層を形成し、
現像装置に用いる方法の提案がなされている。この方法
を用いることにより、前記現象が低減される。
【0011】これは、過剰帯電したトナーのリークサイ
ドが確保できること、静電的鏡映力によるスリーブへの
トナー付着力を弱めることができること等によるものと
思われる。
【0012】いずれにせよ、上記樹脂被覆層は、バイン
ダ樹脂、導電性粉末、固体潤滑剤粉末を溶剤で混練した
塗料を金属円筒管に塗布し、次いでこれを加熱処理して
樹脂被覆を乾燥、固化させて形成される。
【0013】ところで、スリーブ内に配置する磁石とし
て、磁性粉体をプラスチックバインダーで結着した所謂
樹脂磁石(プラスチックマグネット)が多用されてい
る。
【0014】
【発明が解決しようとしている課題】このような樹脂磁
石を内部に装着した金属円筒に、前記の塗料を塗装して
加熱処理を施した現像ローラを使用した処、現像画像上
に、現像ローラ長手方向に関して濃度ムラが生じてしま
った。
【0015】そこで検討すると、スリーブ内部に配置さ
れている樹脂磁石が上記加熱処理によって変形をきたし
ており、その為スリーブ表面での磁束密度分布が現像ロ
ーラ長手方向に関して不均一となっていて、これが原因
で上記の濃度ムラが発生したことが判明した。
【0016】そこで本発明の目的は、円筒体内部に樹脂
磁石が装着された状態で加熱処理されて円筒体表面に樹
脂被覆層が形成された現像ローラであって、前述の画像
濃度ムラの発生を防止できる現像ローラと、斯かる現像
ローラを備えた現像装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決する為の手段】本発明の現像ローラは、現
像剤を担持して静電潜像を現像する現像領域に搬送する
現像ローラに於いて、円筒体と、この円筒体表面に形成
された樹脂被覆層と、磁性粉をバインダ樹脂で結着した
磁石と、この磁石を上記円筒体の内部に支持する支持手
段と、を有し、上記樹脂被覆層は、上記磁石が上記円筒
体内に支持されている状態で加熱処理されており、上記
磁石のバインダ樹脂の線膨張係数は6×10-5/℃以下
であることを特徴とする現像ローラである。尚、本明細
書では、線膨張係数はASTM D696の試験法で測
定されるものとする。
【0018】本発明の現像装置は、現像剤を収容する容
器と、この現像容器から現像剤を搬出して静電潜像を現
像する現像領域に搬送する現像ローラと、現像ローラが
現像領域に搬送する現像剤層の厚みを規制する規制部材
とを備えた現像装置に於いて、現像ローラとして前記の
現像ローラを使用することを特徴とする現像装置であ
る。
【0019】
【実施例】図2は本発明の一実施例の説明図である。
【0020】現像装置10は、一成分磁性現像剤、所謂
磁性トナー11を収容した容器12を備えている。
【0021】容器12の開口部には現像スリーブ14が
配置されている。スリーブ14の内部には磁石ロール1
3が静止配置されている。
【0022】ロール13は、軸16と、この軸16に固
定された樹脂磁石15とからなる。磁石15は図示例で
はN1 、N2 、S1 、S2 の4つの磁極を有している。
磁極S1 は、スリーブ14と矢印方向に回転する電子写
真感光ドラム1が微小間隙を介して対向する現像領域
2、即ち、ドラム1に形成されている静電潜像にスリー
ブ14からトナーが付与され、この潜像が可視化される
現像領域2に磁界を形成する。この磁界は磁性トナーが
画像の背景部に付着する所謂カブリを防止する。
【0023】磁極N1 は、矢印方向に回転するスリーブ
14が現像領域13に搬送するトナー層11′の厚みを
規制するのに寄与する。
【0024】即ち、スリーブ14を間にして、磁極N1
に対向して鉄等の磁性体のブレード19が配置されてい
る。上記磁極N1 からの磁力線がこのブレード19に集
中し、トナー層11′の層厚を規制する磁界カーテンが
形成される。
【0025】上記の如くして形成されたトナー層11′
の厚みは、現像領域2に於いて、スリーブ14とドラム
1の最小間隙よりも薄い。従って、本例では、トナーが
スリーブ14から飛翔してドラム1に付着する。所謂非
接触現像が行われる。しかし、本発明はトナーの磁気ブ
ラシをドラム1に接触させて潜像を現像する所謂接触現
像にも適用できる。
【0026】磁極S2 は容器12内の磁性トナーをスリ
ーブ14表面に磁気的に吸引するのに寄与し、磁極N2
は、現像領域13を通過したスリーブ14上のトナーを
容器12内に戻すのに寄与する。
【0027】スリーブ14と同軸に、スリーブ14の両
端側にスペーサローラ20が設けられている。このスペ
ーサローラ20はドラム1の両端側に圧接して、スリー
ブ14とドラム1間の間隙を一定に保持している。現像
領域2でのスリーブ14とドラム1間の最小間隙は50
〜500μmに設定されている。
【0028】現像効率を高める為に、スリーブ14に最
大電圧と最小電圧が交互に繰り返される振動バイアス電
圧が電源21から印加される。斯かる振動バイアス電圧
は交流電圧に直流電圧を重畳する等によって得られる。
いずれにせよ、斯かる振動バイアス電圧によって現像領
域2に振動電界が形成され、これによってトナーは静電
潜像の画像部に飛翔付着する。もちろん、スリーブ14
に非振動の、一定レベルの直流バイアス電圧を印加して
もよい。
【0029】磁性トナーはスリーブ14との摩擦によっ
て静電潜像を現像する為の摩擦電荷を得る。反転現像を
行う装置ではトナーは静電潜像と同極性に、正規現像を
行う装置ではトナーは静電潜像と逆極性に帯電される。
【0030】前述した如きトナーの過剰なチャージアッ
プを防止する為に、現像スリーブ14はアルミニウム、
ステンレス鋼等の金属円筒(素管)18の表面に、樹脂
被覆層17を設けたものが使用される。
【0031】上記樹脂被覆層17は、合成樹脂バインダ
ーに、導電性微粒子として例えばカーボンブラック微粒
子が分散されている。更に、固体潤滑剤微粒子として例
えばグラファイト微粒子が分散されている。
【0032】カーボンブラックは過剰に帯電したトナー
から電荷をリークさせ、トナー電荷量を適量レベルに制
御するのに寄与する。グラファイト微粒子も、過剰帯電
したトナーから電荷をリークさせ、トナー電荷量を適量
レベルに制御するのに寄与する。このようにして、過剰
にチャージアップした微粉トナーがスリーブ表面に極く
薄い層状に静電的に強固に付着してしまうのを防止す
る。
【0033】更にグラファイト微粒子は、この固体潤滑
性により、トナーのスリーブに対する付着力を弱め、上
述の微粉トナーの極く薄い層の形成を妨害する。
【0034】合成樹脂バインダーとしては、例えば熱硬
化性のフェノール樹脂が使用できる。
【0035】いずれにせよ、如上の樹脂被覆層17は耐
酸化性の被膜であるから、長期にわたってトナーの過剰
チャージアップを防止でき、従って、細線の忠実な現
像、高濃度画像の形成、ゴースト現象の防止を長期間に
わたって可能とする。
【0036】尚、上述の樹脂被覆層17の具体例につい
ては後に詳述するが、層17の厚みは0.5乃至30μ
m、体積抵抗は10-3乃至102 Ω・cmが適当であ
る。
【0037】磁石本体15は前述の如く、樹脂磁石であ
る。通常、マグネットロールは金属、あるいはプラスチ
ックの中心軸体16の回りを前記磁石の成型体15で取
り囲んだ形態で構成される。製造の方法としては、軸体
16を中心として直接成型する方法、成型されたマグネ
ットピースを軸体16を中心として張り合わせロール状
に成型する方法、中空の成型磁石体に軸体16を挿入接
着して作成する方法などがある。
【0038】成型体15の形成方法としては、バインダ
ー樹脂及び磁性粉体を混合後、ロールミル、エクストル
ーダー等を利用して混練分散し、冷却後、粉砕し、ペレ
ット化して原料とする。これを再度溶融させ、圧縮成
型、射出成型などにかけてマグネットピースあるいは円
筒体状の成型体を得る。この際、金型中で磁場をかけ、
材料を磁場配向させても良い。もちろん、軸体16を中
心として、一体に成型しても良い。軸体16を有するマ
グネットロールは、一旦脱磁された後、図2の磁極を有
するように成型体15に均一に着磁されスリーブ内に配
置されるマグネットロール13とされる。
【0039】尚、軸16と着磁部である磁石本体15と
は、同一の材料により、射出成型等によって一体成型さ
れてもよい。
【0040】上記バインダー樹脂の例については後述す
る。バインダー樹脂で結着される。
【0041】又、磁性粉体としては、六方晶フェライ
ト、サマリウム−コバルト系合金、ネオジウム−鉄−硼
素系合金等が用いられる。磁性粉体の配合比としては、
バインダー樹脂100重量部に対して、100〜200
0重量部程度の磁性粉体を用いる。
【0042】図11により、現像ローラ3の構造を更に
詳述する。
【0043】現像ローラ3は、前述のように現像スリー
ブ14と磁石ローラ13を備えている。
【0044】現像ローラ14は、更にスリーブ14の両
端にキャップ部材22、23を有している。キャップ部
材22、23の夫々の大径部221、231は、スリー
ブ14の金属円筒18の両端部内面に嵌合されている。
そしてキャップ部材22、23は、圧入、又は接着、又
はカシメ等の手法により、スリーブ14に固定されてい
る。
【0045】現像ローラ3は、更に、上記キャップ部材
22、23に保持された軸受24、25を有している。
この軸受24、25は、磁石本体15の長手方向両端側
に於いて、マグネットロール13の軸16を支持してい
る。これにより、スリーブ14はマグネットロール13
に対して相対的に回転可能である。
【0046】前記キャップ部材22、23の軸部22
2、232は、夫々、前記容器12の側壁121、12
2に保持された軸受26、27に回転自在に支持されて
いる。これにより、スリーブ14は図2の矢印方向に回
転可能である。
【0047】キャップ部材23の軸部232は中空であ
り、この中空部をマグネットローラ13の軸16の一方
の端部が貫通して外部に出ている。そして軸16の一端
部161は、側壁122に固定されたアーム28に固定
されている。これにより、スリーブ14が回転しても、
マグネットローラ13は静止状態に保持される。
【0048】前記キャップ部材22、23の軸部22
2、232は、夫々軸受29、30を支持しており、そ
して軸受29、30には、夫々前記スペーサローラ20
が支持されている。このスペーサローラ20は、前述し
たようにドラム1の両端部に当接してスリーブ14とド
ラム1間の間隙を一定に維持する。
【0049】キャップ部材22の軸部222にはギア3
1が固定されている。このギア31は不図示の駆動力伝
達ギアに噛合し、スリーブ14の回転駆動力を受け、ス
リーブ14を図2の矢印方向に回転させる。
【0050】さて、スリーブ14の樹脂被覆層17を形
成する前に、金属円筒18、マグネットロール13、キ
ャップ部材22、23が図1の形状に組み立てられる。
【0051】この組立工程は任意のものが採用できる
が、その一例を言えば、まず金属円筒(素管)18の一
端部に、軸受24を図の如く固定保持したキャップ部材
22が前記の如くして固着され、次いでマグネットロー
ル13が素管18内に挿入されてその軸16の一方の端
部が軸受24に嵌入され、次いで軸受25を固定保持し
たキャップ部材23を、軸受25をマグネットロール軸
16に嵌合させつつ素管18の他端部に嵌入し、キャッ
プ部材23を前記の如くして素管18に固着する。
【0052】このようにマグネットロール13と素管1
8がキャップ部材22、23により一体化された後、樹
脂被覆層17となる塗料を素管に塗装するのであるが、
必要に応じて、その前に、軸部22、232を基準とし
て素管を研削加工し、素管18が、回転軸に関して、長
手方向に沿って、均一な真円度を有するようにしてもよ
い。
【0053】又、素管18への塗料の塗布前に素管18
の表面を不定形砥粒や球状粒子によってブラスト処理し
てもよい。このようにして粗面化された素管18の表面
に対しては樹脂被覆層17の付着力が増大し、又、樹脂
被覆層17の表面が適度な粗さを有することになってト
ナーの搬送力を向上し、トナーの摩擦帯電量を適度なレ
ベルに制御する効果が向上する。しかし、素管18の表
面を粗面化処理することは必須ではない。
【0054】尚、素管18を上記のように粗面化処理す
る工程は、素管に、部材13、22、23を組付ける
前、又は後に、必要ならば実施すればよい。
【0055】いずれにせよ、前記の如く、樹脂被覆層1
7となる塗料は、キャップ部材22、23によりマグネ
ットローラ13が内部に支持された状態の素管18の表
面に塗布される。この塗布はスプレー法、ディッピング
法等、公知の適当な方法で実施される。
【0056】前述の様に、現像スリーブの素管18の表
面に樹脂被膜17を形成する際には、被膜用途料が、溶
剤と樹脂、必要に応じて顔料等から成るために、素管1
8に塗工後の溶剤の除去、さらには、バインダ樹脂の硬
化あるいはキュアリングのために、素管18の塗料膜に
高い温度をかける必要がある。その際にマグネット15
に用いられるバインダ樹脂の熱膨張が大きい場合はマグ
ネット15が変形してしまう。即ち、マグネットロール
13は素管18内に保持された状態で加熱されるので、
熱膨張すると不均一な力がかかり、歪みが生じ、その際
に生じた変形が冷却後も元に戻らなくなる。そのための
磁力の不均一化や低下を引き起こし、画像のカブリが生
じたり、スリーブ上のコートムラを起こし、不均一な画
像となるなどの悪影響が生ずる。
【0057】本発明は斯る不都合を解決するものであ
る。検討の結果、マグネット15に用いられるバインダ
樹脂の線膨張係数が小さい場合ほど変形は小さく、結果
として加熱、冷却後のマグネット15の磁力の変化が少
ないことがわかった。更に、磁力の変化が実用上問題の
ない範囲に押さえるためにはマグネット15に用いるバ
インダ樹脂の線膨張係数がASTM D696の試験方
法において6×10−5/℃以下の値を示すものを用い
ることが良いということが判った。
【0058】尚、上記の加熱処理は公知の加熱炉中で行
われるものである。
【0059】マグネット15のバインダ樹脂として使用
できる、より小さい線膨張係数を有する樹脂および、該
樹脂のおよその線膨張係数[×10−5/℃](カッコ
内)としては、例えば、ポリカーボネート(2.0〜
8.0)、ナイロン6(2.0〜10)、ナイロン66
(2.5〜10)、変性ポリフェニレンオキサイド
(2.5〜8)、ポリブチレンテレフタレート(3.0
〜10)、ポリフェニレンサルファイド(1.0〜3.
0)、ポリスルホン(5.5)、ポリエーテルスルホン
(2.0〜6.0)、ポリアリレート(2.0〜6.
5)、全芳香族ポリエステル(〜3.0)、ポリエーテ
ルエーテルケトン(2.5〜5.0)、ポリアミドイミ
ド(1.5〜4.0)、ポリエーテルイミド(2.0〜
5.5)、メタクリル樹脂(3.0〜8.0)、フェノ
ール樹脂(1.0〜6.0)、ユリア樹脂(2.5)、
メラミン樹脂(1.5〜4.5)、エポキシ樹脂(2.
0〜6.5)等が挙げられ、樹脂の線膨張係数が6[×
10−5/℃]以下のグレードを用いることが好まし
い。勿論、本発明の主旨に沿った材料であれば良く、こ
の限りではない。
【0060】これらの樹脂成形材料には、必要に応じ
て、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、ガラス、タル
ク等の無機充填材を添加してあっても良く、成形に際し
て用いても良い。
【0061】また、必要に応じて、炭化水素類、金属石
けん、脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル類等の滑
剤を少量添加して用いても良い。
【0062】次に現像ローラーのスリーブ表面に形成さ
れる樹脂被膜17について説明する。
【0063】被膜用バインダ樹脂材料としては、一般に
公知の樹脂が使用可能である。例えば、スチレン系樹
脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリ
アミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹
脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、
ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコン樹脂、ポリイミ
ド樹脂等を使用することができる。
【0064】樹脂中に添加される導電性微粉末として
は、導電性カーボンブラックや、アルミニウム、銅、ニ
ッケル、銀等の金属粉体、酸化アンチモン、酸化インジ
ウム、酸化チタン、酸化スズ等の導電性金属酸化物、金
属短繊維、カーボンファイバー等が挙げられる。
【0065】これらの添加量としては、バインダ樹脂に
対して、0.1〜300%、好ましくは1〜150%で
ある。
【0066】バインダ樹脂中に添加される固体潤滑剤微
粒子としては、例えばグラファイト、二硫化モリブデ
ン、窒化硼素、ステアリン酸亜鉛等であり、これらの添
加量としてはバインダ樹脂に対して、0.1〜400
%、好ましくは1〜200%程度である。
【0067】スリーブの被覆層17の表面には適度な微
細凹凸が形成されることが好ましい。微細凹凸を形成す
ることによりトナーの搬送性が向上し、トナーの摩擦帯
電の制御も向上する。適度な微細凹凸の大きさとして
は、一般的には、中心線平均粗さRa(JIS B06
01)の表記方法において、0.3〜5.0(μm)程
度、好ましくは0.5〜3.0(μm)程度である。
【0068】顔料を多量に分散した塗料においては、塗
工後に適度な微細凹凸がそのままで形成するが、微細凹
凸の大きさを調整したい場合には、前記の如く金属円筒
管18上に予め、サンドブラストややすりによって凹凸
を形成し、その上に塗工をおこなうことも可能である。
【0069】また、上記微細凹凸を形成するために、塗
料中に粒径が0.1〜30μm程度の添加剤粒子を添加
しても良い。このような凹凸形成材料としては、例え
ば、ポリエチレン、フェノール、ポリメチルメタクリレ
ート、ナイロン、シリコン、ポリフッ化ビニリデン等の
球状樹脂粒子、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄
等の金属酸化物粉末、銅、亜鉛、シンチュウ等の金属微
粉末等を必要な表面粗さに合わせるように選択して用い
れば良い。
【0070】上記樹脂被覆層17の材質、つまりバイン
ダ樹脂の種類、添加される導電性微粉末等の添加剤の種
類、使用されるトナーとの組み合わせや、使用される現
像プロセス条件との組み合わせにより選定される。樹脂
層17の形成時の加熱温度は、主としてバインダ樹脂の
性質により決定される。
【0071】次に、具体的実例を説明する。
【0072】〈実施例1〉次のような磁性トナーを作成
した。
【0073】ポリエステル樹脂 100重量部 マグネタイト 100重量部 負電荷制御剤 4重量部 低分子量ポリプロピレン 4重量部
【0074】上記の原料混合物をヘンシェルミキサーに
て混合した後、2軸式のエキストルーダーを用いて混練
を行い、その後冷却し、ハンマーミルにて粗粉砕を行っ
た。次にジェットミルで微粉砕を行い、次いでエルボー
ジェット分級機により分級を行い、トナー粒度の調整を
行った。コールター社製マルチサイザーIIに,100
μmアパーチュアーを取付け、粒度分布を測定したとこ
ろ、重量平均粒径7.0μm、4μm以下の粒子の個数
パーセントが18.5%、10.08μm以上の重量パ
ーセントが1.5%の粒度分布を有するトナーであっ
た。次にトナー100重量部に対して、コロイダルシリ
カ1.2重量部を、ヘンシェルミキサーにより外添混合
した後、150メッシュの篩いで篩って現像剤(トナ
ー)とした。
【0075】マグネット15は次のようなものを用い
た。
【0076】六方晶系フェライト粉体 320重量部 ポリフェニレンサルファイド樹脂 〈線膨張係数2.5×10−5/℃〉 40重量部 ステアリン酸鉛 2重量部
【0077】上記材料を、ヘンシェルミキサーで混合し
た後、ロールミルで混練を行い、冷却後粉砕してペレッ
ト化した。このペレットを用いて、射出成形機によりい
くつかの扇柱状の成形物とした。これを用い、ステンレ
ス製軸16の周囲にはりあわせる形で、再度加圧成形を
行い、円柱状の成形体とした。次にこの成形体に着磁を
行い、図2に示されるような、4極の磁石とした。この
磁石の磁力の強さを測定した。測定は、磁極の中心位置
で且つ現像スリーブ素管18の外表面で行い、測定ヘッ
ドをスリーブ長手方向に走査して行った。この時のN1
極は830±15G(ガウス)(但し、平均値±変位幅
を示す)、S1極は970±20G、N2極は780±2
0G、S2極は550±15Gであった。
【0078】次にこのマグネットを現像スリーブ素管1
8に組み込み、両端にフランジ22、23を取付け接着
した。
【0079】次に、この現像スリーブ表面に不定形の砥
粒(アランダム#250)を用いてブラスト処理を行っ
た。
【0080】次に、この現像スリーブに樹脂層の塗工を
行った。塗工用の塗料としては、次のような塗料を用い
た。
【0081】フェノール樹脂 100重量部 カーボンブラック 50重量部 アルミナ微粉末 10重量部 2−プロパノール/メタノール混合液 300重量部
【0082】上記原料を室温に調整しながらサンドミル
にて分散を行い、分散後の粘度が約40mPaの分散液
(塗料)を得た。塗工ブース内に温調装置と、ワークを
回転させる回転装置と、上下に移動するスプレーガンを
備えた塗工装置により、この塗料を用いて、現像スリー
ブ素管18の塗工を行った。塗工はマグネットローラ1
3を素管18内に内蔵したままで行った。塗工後155
℃のオーブンに入れ、50分間乾燥させた。乾燥後の樹
脂層17の膜厚は8μm、塗膜17の体積固有抵抗値は
1.15Ωcmであった。また、小坂研究所製の表面粗
さ測定装置SE−3300を用いて、送りスピード0.
5mm/sec.、測定長さ2.5mm、粗さカットオ
フλc=0.8、オートレベリングONにて測定した結
果、表面粗さRa=0.59μmであった。
【0083】次に、この現像ローラーのマグネットの磁
力について、再度測定を行った。その結果、スリーブ表
面上で、N1極は825±20G、S1極は965±20
G、N2極は770±25G、S2極は545±20Gの
値を示し、磁力の変化は、ほとんど起こらなかった。
【0084】次にこの現像ローラーを用いて静電潜像を
現像し、画質の評価を行った。現像は、23℃/10%
RHの低湿環境と、32℃/85%RHの高温高湿環境
で行った。現像には、キヤノン社製、GP−55複写機
を、現像バイアス設定を変更可能なように改造を行って
用いた。その現像装置は図2に模式的に図示した通りで
ある。A4サイズ紙5万枚の耐久テストを行い、画質の
評価を行った。ベタ黒画像の画像濃度は、耐久を通じ
て、23℃/10%RHの環境ではD=1.47±0.
07の範囲に、32℃/85%RHの環境では、D=
1.38±0.08の範囲に入っており、ベタ黒やハー
フトーンの一様性も全く問題なく、ベタ画像上のスジや
オビ等の発生はなかった。また解像力やラインの飛び散
り等の現象も起こらなかった。また、23℃/10%R
Hの環境においても、ゴーストの発生は全くと言って良
いほどなかった。なお、画像濃度はマクベス反射濃度計
で測定した値である。
【0085】耐久テスト、現像ローラーを分解し、マグ
ネットロールの変形を確認したが、マグネットロールの
伸び縮み、また反りや曲がりは見られず、レーザー測長
器により、軸芯からマグネットロール表面までの寸法測
定を行った結果、マグネットロール作成時からの変化
は、ほとんど無く、マグネットロール表面はほぼ水平で
あった。
【0086】〈比較例1〉実施例1において、現像スリ
ーブの表面に樹脂層17を設けず、ブラスト処理のみで
画出し評価を行った。現像スリーブの表面粗さは0.6
2μmとした。23℃/10%RHでのスリーブゴース
トがかなり悪く、ゴーストが、かなりはっきりわかる画
像が出ていた。さらに、32℃/85%RHでのカブリ
が、実施例に比べ悪いレベルであった。
【0087】〈比較例2〉実施例1において、ポリフェ
ニレンサルファイド樹脂の替わりにポリ塩化ビニル樹脂
〈線膨張係数12.0×10−5/℃〉を用いてマグネ
ットロールを作成し、実施例1と同様の方法により現像
スリーブ上に樹脂層17の形成を行った。樹脂層17の
膜厚、抵抗は同等であった。表面粗さもRa=0.61
μmと同等にした。この現像ローラーの塗工前の磁力
は、素管表面上で、N1極が830±15G、S1極が9
60±20G、N2極は770±20G、S2極は545
±15Gであった。塗工、乾燥硬化後に再度磁力を測定
したところ、スリーブ表面上で、N1極は710±85
G、S1極は810±110G、N2極は625±85
G、S2極は495±70Gと、大きく変化していた。
この現像ローラーを用いて、実施例1と同様にして現像
を行ったところ、カブリは劣悪で、ベタ画像にも多くの
スジやオビ状の濃淡が発生していた。また、画像濃度も
低かった。現像ローラーを分解し、レーザー測長器を用
いて、軸芯に対するマグネットロール表面の水平度をチ
ェックしたところ、マグネットロールの膨らみ形状及び
表面の波打ち状態がかなりあることが確認された。加熱
により変形をきたし、寸法変化が起こったことにより、
このような磁力変化が生じたものと見ることができる。
【0088】〈実施例2〉トナーとしては、次のような
磁性トナーを用いた。
【0089】 スチレン−ブチルアクリレート樹脂 100重量部 マグネタイト 95重量部 負電荷制御剤 4重量部 低分子量ポリプロピレン 4重量部
【0090】分級後の粒度分布は、重量平均粒径が6.
9μm、4μm以下の粒子の個数パーセントが20.1
%、10.08μm以上の粒子の重量パーセントが1.
2%であった。これにコロイダルシリカ1.2重量%
を、外添混合し、篩って、現像剤(トナー)とした。
【0091】マグネット15としては、次のようなもの
を用いた。
【0092】六方晶系フェライト粉体 300重量部 ポリカーボネート樹脂 〈線膨張係数4.5×10−5/℃〉 36重量部 ステアリン酸亜鉛 2重量部
【0093】上記材料を用い、実施例1とほぼ同様の方
法で4極のマグネットロールを作成した。さらに同様に
現像スリーブ素管18に組み込んだ。
【0094】現像スリーブ素管に実施例1と同様のブラ
スト処理を施した後、下記の塗料を用いて現像スリーブ
に樹脂層を形成した。
【0095】シリコーン樹脂 100重量部 カーボンブラック 50重量部 アミノ変性シリコンオイル処理シリカ微粉末 5重量部 n−ヘキサン 650重量部
【0096】上記原料を室温に調整しながらサンドミル
にて分散を行い、分散後の粘度が約35mPaの分散液
を得た。これを実施例1と同様に塗工を行い、塗工後1
30℃の雰囲気で70分加熱し、樹脂を硬化させた。乾
燥後の樹脂層17の膜厚は8μm、塗膜17の体積固有
抵抗値は1.25Ωcmであった。また表面粗さRaは
0.63μmであった。
【0097】樹脂層17形成前のマグネット磁力は、素
管表面上で、N1極が850±15G、S1極は990±
20G、N2極は720±15G、S2極は520±15
Gであったのに対して、樹脂層形成の為の加熱後のマグ
ネットの磁力は、スリーブ表面上で、N1極が850±
20G、S1極は980±20G、N2極は715±20
G、S2極は520±20Gであり、ほとんど変化を起
こさなかった。
【0098】次にこの現像ローラーを用いて実施例1と
同様にして、A4サイズ紙5万枚の耐久テストを行い、
画質評価を行った。ベタ黒画像の画像濃度は、耐久を通
じて、23℃/10%RHの環境ではD=1.45±
0.05の範囲に、32℃/85%RHの環境では、D
=1.36±0.09の範囲に入っており、ベタ黒やハ
ーフトーンの一様性も全く問題なく、ベタ画像上のスジ
やオビ等の発生はなかった。また解像力やラインの飛び
散り等の現象も起こらなかった。また、23℃/10%
RHの環境においても、ゴーストの発生は全くと言って
良いほどなかった。
【0099】〈比較例3〉トナーは、実施例2で用いた
トナーを使用した。
【0100】実施例2で用いたマグネットロールの、ポ
リカーボネート樹脂に替えて、ポリプロピレン樹脂〈線
膨張係数11.0×10−5/℃のもの〉を用いてマグ
ネットロールを作成し、実施例2と同様の方法により、
現像スリーブ上に樹脂層17の形成を行った。樹脂層1
7の膜厚8μm、体積固有抵抗値1.27Ωcm、表面
粗さRa=0.65μmであり、同等の樹脂層とした。
この現像ローラーの塗工前の磁力は、素管表面上で、N
1極が840±15G、S1極が980±20G、N2
は730±15G、S2極は525±15Gであった。
塗工、硬化後に再度磁力を測定したところ、スリーブ表
面上で、N1極は815±65G、S1極は950±75
G、N2極は700±55G、S2極は515±55G
と、中心値の変化および変位幅は比較例2程は大きくな
いが、実施例2に比較すると、磁力の一様性が低下して
いた。この現像ローラーを用いて、実施例2と同様に画
出しを行ったところ、ベタ黒やハーフトーンで白スジや
白オビの目立つ画像であった。特にハーフトーンでは、
白オビがめだった。また、カブリは、23℃/10%R
H、32℃/85%RHの両環境共に、実施例2のサン
プルより劣った。
【0101】〈実施例3〉トナーとしては、次の様な磁
性トナーを用いた。
【0102】スチレン−ブチルアクリレート−マイレン
酸−n−ブチルハーフエステル共重合体 100重量部 マグネタイト 105重量部 負電荷制御剤 2重量部 低分子量ポリプロピレン 4重量部
【0103】分級後の粒度分布は、重量平均粒径が7.
2μm、4μm以下の粒子の個数パーセントが18.3
%、10.08μm以上の粒子の重量パーセントが1.
7%であった。これにコロイダルシリカ1.2重量%、
外添混合し、篩って、現像剤(トナー)とした。
【0104】マグネット15としては、次のようなもの
を用いた。
【0105】六方晶系フェライト粉体 300重量部 ポリスルホン樹脂 〈線膨張係数5.5×10−5/℃〉 40重量部 ステアリン酸鉛 2重量部
【0106】上記材料を用い、実施例1とほぼ同様の方
法で4極のマグネットロールを作成した。さらに同様に
現像スリーブ素管18に組み込んだ。
【0107】現像スリーブ素管に実施例1と同様のブラ
スト処理を施した後、下記の塗料を用いて現像スリーブ
に樹脂層を形成した。
【0108】シリコーン樹脂 100重量部 カーボンブラック 60重量部 n−ヘキサン 640重量部
【0109】上記原料を室温に調整しながらサンドミル
にて分散を行い、分散後の粘度が約35mPaの分散液
(塗料)を得た。これを実施例1と同様に塗工を行い、
塗工後150℃の雰囲気で50分加熱し、樹脂を硬化さ
せた。乾燥後の樹脂層17の膜厚は8μm、塗膜17の
体積固有抵抗値は1.54Ωcmであった。また表面粗
さRaは0.67μmであった。
【0110】樹脂層17形成前のマグネット磁力は、素
管表面上で、N1極が855±15G、S1極は970±
20G、N2極は760±20G、S2極は560±20
Gであったのに対して、樹脂層形成の為の加熱硬化後の
マグネットの磁力は、スリーブ表面上で、N1極が86
0±20G、S1極は965±15G、N2極は755±
20G、S2極は560±20Gであり、ほとんど変化
を起こさなかった。
【0111】次にこの現像ローラーを用いて実施例1と
同様にしてA4サイズ紙5万枚の耐久テストを行い、画
質評価を行った。ベタ黒画像の画像濃度は、耐久を通じ
て、23℃/10%RHの環境ではD=1.46±0.
07の範囲に、32℃/85%RHの環境では、D=
1.36±0.08の範囲に入っており、ベタ黒やハー
フトーンの一様性も全く問題なく、ベタ画像上のスジや
オビ等の発生はなかった。また解像力やラインの飛び散
り等の現象も起こらなかった。また、23℃/10%R
Hの環境においても、ゴーストの発生は全くと言って良
いほどなかった。
【0112】〈実施例4〉トナーとしては、次の様な磁
性トナーを用いた。
【0113】スチレン−ブチルアクリレート−マイレン
酸−n−ブチルハーフエステル共重合体 70重量部 スチレン−ブチルアクリレート樹脂 30重量部 マグネタイト 100重量部 負電荷制御剤 2重量部 低分子量ポリプロピレン 4重量部
【0114】分級後の粒度分布は、重量平均粒径が7.
0μm、4μm以下の粒子の個数パーセントが21.3
%、10.08μm以上の粒子の重量パーセントが1.
7%であった。これにコロイダルシリカ1.2重量%、
外添混合し、篩って、現像剤(トナー)とした。
【0115】マグネット15としては、次のようなもの
を用いた。
【0116】六方晶系フェライト粉体 340重量部 ポリカーボネート樹脂 〈線膨張係数3.0×10−5/℃〉 40重量部 ステアリン酸鉛 2重量部
【0117】上記材料を用い、実施例1とほぼ同様の方
法で4極のマグネットロールを作成した。さらに同様に
現像スリーブ素管に組み込んだ。
【0118】現像スリーブ素管に実施例1と同様のブラ
スト処理を施した後、下記の塗料を用いて現像スリーブ
に樹脂層17を形成した。
【0119】フェノール樹脂 100重量部 結晶性グラファイト 35重量部 カーボンブラック 5重量部 ナイロン樹脂粒子 20重量部 2−プロパノール/メタノール混合液 320重量部
【0120】上記原料を室温に調整しながらサンドミル
にて分散を行い、分散後の粘度が約40mPaの分散液
(塗料)を得た。これを実施例1と同様に塗工を行い、
塗工後150℃の雰囲気で50分加熱し、樹脂を硬化さ
せた。乾燥後の樹脂層17の膜厚は8μm、塗膜17の
体積固有抵抗値は0.99Ωcmであった。また表面粗
さRaは0.67μmであった。
【0121】樹脂層17形成前のマグネットの磁力は、
素管表面上で、N1極が845±15G、S1極は965
±15G、N2極は775±15G、S2極は555±1
5Gであったのに対して、樹脂層形成の為の加熱硬化後
のマグネットの磁力は、スリーブ表面上で、N1極が8
40±20G、S1極は960±20G、N2極は780
±15G、S2極は560±20Gであり、ほとんど変
化を起こさなかった。
【0122】次にこの現像ローラーを用いて実施例3と
同様にしてA4サイズ紙5万枚の耐久テストを行い、画
質評価を行った。結果は実施例3とほとんど変わらず、
ベタ黒画像の画像濃度は、耐久を通じて、23℃/10
%RHの環境ではD=1.48±0.06の範囲に、3
2℃/85%RHの環境では、D=1.37±0.08
の範囲に入っており、ベタ黒やハーフトーンの一様性も
全く問題なく、ベタ画像上のスジやオビ等の発生はなか
った。また解像力やラインの飛び散り等の現象も起こら
なかった。また、23℃/10%RHの環境において
も、ゴーストの発生は全くと言って良いほどなかった。
【0123】〈比較例4〉トナーは、実施例4で用いた
トナーを使用した。
【0124】実施例4で用いたマグネット15の、線膨
張係数3.0×10−5/℃のポリカーボネート樹脂に
替えて、樹脂線膨張係数8.0×10−5/℃のポリカ
ーボネート樹脂を用いてマグネット15を作成し、実施
例4と同様の方法により、現像スリーブ上に樹脂層17
の形成を行った。樹脂層17の膜厚8μm、体積固有抵
抗値0.98Ωcm、表面粗さRa=0.65μmであ
り、同等の樹脂層とした。この現像ローラーの塗工前の
磁力は、素管表面上で、N1極が840±15G、S1
が980±20G、N2極は730±15G、S2極は5
25±15Gであった。塗工、硬化後に再度磁力を測定
したところ、スリーブ表面上で、N1極は825±50
G、S1極は960±65G、N2極は715±50G、
2極は515±45Gと、中心値の変化および変位幅
は比較例2程は大きくないが、実施例4に比較すると、
磁力の一様性が低下していた。この現像ローラーを用い
て、実施例4と同様に画出しを行ったところ、ベタ黒や
ハーフトーンで白スジや白オビがやや目立つ画像であっ
た。特にハーフトーンでは、白オビがめだった。また、
カブリは、23℃/10%RH、32℃/85%RHの
両環境共に、実施例4のサンプルより劣った。
【0125】ところで、樹脂マグネットのバインダ樹脂
として、ガラス繊維を分散した、所謂ガラス繊維強化樹
脂を使用すれば材料選択の範囲が広がり、成型の容易
性、添加物の分散の容易性の観点からも良好な結果が得
られる。
【0126】本発明に利用できる、小さい線膨張係数を
有する、ガラス繊維強化樹脂および、該ガラス繊維強化
樹脂の線膨張係数[×10−5/℃](カッコ内)の例
としては、ポリカーボネート+グラスファイバー〈G
F〉30%含有(2.7)、ポリオキシメチレン+GF
25%(6.0)、ナイロン6+GF30%(2.
5)、ナイロン66+GF30%(3.0)、変性ポリ
フェニレンオキサイド+GF30%(2.5)、ポリブ
チレンテレフタレート+GF30%(2.0)、ポリエ
チレンテレフタレート+GF30%(2.5)、ポリフ
ェニレンサルファイド+GF40%(2.2)、ポリス
ルホン+GF30%(2.5)、ポリエーテルスルホン
+GF30%(2.3)、ポリアリレート+GF15%
(4.0)、全芳香族ポリエステル+GF30〜40%
(〜2.0)、ポリエーテルエーテルケトン+GF30
%(1.1〜2.7)、ポリミドイミド+GF30%
(1.8)、ポリエーテルイミド+GF30%(2.
0)等が挙げられる。勿論、本発明の主旨に沿った材料
であれば、この限りではない。
【0127】これらの樹脂成形材料には、必要に応じ
て、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、ガラス、タル
ク等の無機充填材を添加してあっても良く、成形に際し
て用いても良い。
【0128】また、必要に応じて、炭化水素類、金属石
けん、脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル類等の滑
剤を少量添加して用いても良い。
【0129】次に、具体例を説明する。
【0130】〈実施例5〉次のような一成分磁性トナー
を作成した。
【0131】スチレン−ブチルアクリレート−マイレン
酸−n−ブチルハーフエステル共重合体 100重量部 マグネタイト 85重量部 負電荷制御剤 4重量部 低分子量ポリプロピレン 4重量部
【0132】上記の原料混合物をヘンシェルミキサーに
て混合した後、2軸式のエキストルーダーを用いて混練
を行い、その後冷却し、ハンマーミルにて粗粉砕を行っ
た。次にジェットミルで微粉砕を行い、次いでエルボー
ジェット分級機により分級を行い、トナー粒度の調整を
行った。コールター社製マルチサイザーIIに、100
μmアパーチュアーを取付け、粒度分布を測定したとこ
ろ、重量平均粒径8.3μm、4μm以下の粒子の個数
パーセントが10.7%、12.7μm以上の重量パー
セントが1.8%の粒度分布を有するトナーであった。
次にトナー100重量部に対して、コロイダルシリカ
1.0重量部およびチタン酸ストロンチウム微粉末2.
0重量部を、ヘンシェルミキサーにより外添混合した
後、100メッシュの篩いで篩って現像剤(トナー)と
した。
【0133】マグネット15は次のようなものを用い
た。
【0134】六方晶系フェライト粉体 350重量部 ガラス繊維含有ポリエチレンテレフタレート樹脂 52
重量部 (樹脂40重量部、ガラス繊維12重量部。線膨張係数
2.5×10−5/℃) ステアリン酸鉛 1重量部
【0135】上記材料を、ヘンシェルミキサーで混合し
た後、ロールミルで混練を行い、冷却後粉砕してペレッ
ト化した。このペレットを用いて、射出成形機によりい
くつかの扇柱状の成形物とした。これを用い、ステンレ
ス製軸16の周囲にはりあわせる形で、再度加圧成形を
行い、円柱状の成形体とした。次にこの成形体に着磁を
行い、図2に示されるような、4極の磁石とし、現像ロ
ールのマグネットロールとして用いた。この磁石の磁力
の大きさは、素管表面上で、N1極は800±15G
(ガウス)(但し、平均値±変位幅を示す)、S1極は
990±20G、N2極は770±20G、S2極は57
0±15Gであった。
【0136】次にこのマグネットを現像スリーブ素管1
8に組み込み、両端にフランジ22、23を取付け接着
した。
【0137】次に、この現像スリーブ素管表面に不定形
の砥粒(アランダム#250)を用いてブラスト処理を
行った。
【0138】次に、この現像スリーブ素管に樹脂層の塗
工を行った。塗工用の塗料としては、次のような塗料を
用いた。
【0139】 ポリメチルメタクリレート樹脂 100重量部 結晶性グラファイト 42重量部 カーボンブラック 4重量部 ニグロシン染料 4重量部 トルエン 600重量部
【0140】ポリメチルメタクリレート樹脂をトルエン
中に投入し、120℃に加熱しながら還流を行い、樹脂
をトルエンに溶解させた。次にこれを冷却させた後に、
結晶性グラファイトおよびカーボンブラックを投入し、
サンドミルに移して分散を行った。分散後の粘度は約3
0mPaであった。塗工ブース内に温調装置と、ワーク
を回転させる回転装置と、上下に移動するスプレーガン
を備えた塗工装置により、この塗料を用いて、現像スリ
ーブ素管18の塗工を行った。塗工は素管18内にマグ
ネット13を内蔵したままで行った。塗工後120℃の
オーブンに入れ、30分間乾燥させた。さらに雰囲気温
度を170℃に上げ、熱処理を40分行った。乾燥後の
樹脂層17の膜厚は12μm、塗膜17の体積固有抵抗
値は0.92Ωcmであった。また、小坂研究所製の表
面粗さ測定装置SE−3300を用いて、送りスピード
0.5mm/sec.、測定長さ2.5mm、粗さカッ
トオフλc=0.8、オートレベリングONにて測定し
た結果、表面粗さRa=0.84μmであった。
【0141】次に、この現像ローラーのマグネットの磁
力について、再度測定を行った。その結果、スリーブ表
面上で、N1極は805±20G、S1極は980±20
G、N2極は765±20G、S2極は570±20Gの
値を示し、磁力の変化は、ほとんど起こらなかった。
【0142】次にこの現像ローラーを用いて実施例1と
同様にしてA4サイズ紙5万枚の耐久テストを行い、画
質評価を行った。ベタ黒画像の画像濃度は、耐久を通じ
て、23℃/10%RHの環境ではD=1.42±0.
06の範囲に、32℃/85%RHの環境では、D=
1.34±0.09の範囲に入っており、ベタ黒やハー
フトーンの一様性も全く問題なく、ベタ画像上のスジや
オビ等の発生はなかった。また解像力やラインの飛び散
り等の現象も起こらなかった。また、23℃/10%R
Hの環境においても、スリーブゴーストの発生は全くと
言って良いほどなかった。なお、画像濃度はマクベス反
射濃度計で測定した値である。
【0143】耐久テスト後、現像ローラーを分解し、マ
グネットロールの変形を確認したが、マグネットロール
の伸び縮み、また反りや曲がりは見られず、レーザー測
長器により、軸芯からマグネットロール表面までの寸法
測定を行った結果、マグネットロール作成時からの変化
は、ほとんど無く、マグネットロール表面はほぼ水平で
あった。
【0144】〈比較例5〉実施例5において、現像ロー
ラーの表面に樹脂層17を設けず、ブラスト処理のみで
画出し評価を行った。現像スリーブの表面粗さは0.8
4μmとした。23℃/10%RHでのゴーストがかな
り悪く、ゴーストが、かなりはっきりわかる画像が出て
いた。さらに、32℃/85%RHでのカブリが、実施
例に比べ悪いレベルであった。
【0145】〈比較例6〉実施例5において、ポリエチ
レンテレフタレート樹脂とガラス繊維を用いずにポリ塩
化ビニル樹脂〈線膨張係数11.0×10−5/℃のも
の〉52重量部のみを用いてマグネット15を作成し、
実施例5と同様の方法により現像スリーブ上に樹脂層1
7の形成を行った。樹脂層17の膜厚、抵抗は同等であ
った。表面粗さもRa=0.83μmと同等にした。こ
の現像ローラーの塗工前の磁力は、素管表面上で、N1
極が810±20G、S1極が980±20G、N2極は
770±15G、S2極は570±20Gであった。塗
工、熱処理後に再度磁力を測定したところ、スリーブ表
面上で、N1極は700±80G、S1極は845±10
0G、N2極は700±85G、S2極は495±60G
と、大きく変化していた。この現像ローラーを、実施例
1と同様に現像を行ったところ、カブリは劣悪で、ベタ
画像にも多くのスジやオビ状の濃淡が発生していた。ま
た、画像濃度も低かった。現像ローラーを分解し、レー
ザー測長器を用いて、軸芯に対するマグネットロール表
面の水平度をチェックしたところ、マグネットロールの
膨らみ形状、及び表面の波打ち状態がかなりあることが
確認された。加熱により変形をきたし、寸法変化及び磁
気配向性が変化し、このような磁力変化につながったと
見ることができる。
【0146】〈実施例6〉トナーとしては、次のような
磁性トナーを用いた。
【0147】ポリエステル樹脂 100重量部 マグネタイト 80重量部 負電荷制御剤 4重量部 低分子量ポリプロピレン 4重量部
【0148】分級後の粒度分布は、重量平均粒径が8.
5μm、4μm以下の粒子の個数パーセントが9.2
%、12.7μm以上の粒子の重量パーセントが1.2
%であった。これにコロイダルシリカ1.0重量%おお
よびチタン酸ストロンチウム微粉末1.5重量%を、外
添混合し、篩って、現像剤(トナー)とした。
【0149】マグネット15としては、次のようなもの
を用いた。
【0150】六方晶系フェライト粉体 330重量部 ガラス繊維含有ポリカーボネート樹脂 52重量部 (樹脂40重量部、ガラス繊維12重量部。線膨張係数
2.0×10−5/℃) ステアリン酸亜鉛 1重量部
【0151】上記材料を用い、実施例5とほぼ同様の方
法で4極のマグネットロールを作成した。さらに同様に
現像スリーブに組み込んだ。
【0152】現像スリーブ素管に実施例1と同様のブラ
スト処理を施した後、下記の塗料を用いて現像スリーブ
に樹脂層17を形成した。
【0153】シリコーン樹脂 100重量部 結晶性グラファイト 45重量部 カーボンブラック 5重量部 n−ヘキサン 600重量部
【0154】上記原料を室温に調整しながらサンドミル
にて分散を行い、分散後の粘度が約35mPaの分散液
(塗料)を得た。これを実施例1と同様に塗工を行い、
塗工後130℃の雰囲気で70分加熱し、樹脂を硬化さ
せた。乾燥後の樹脂層17の膜厚は12μm、塗膜17
の体積固有抵抗値は0.95Ωcmであった。また表面
粗さRaは0.85μmであった。
【0155】樹脂層17形成前のマグネットの磁力は、
素管表面上で、N1極が840±15G、S1極は980
±20G、N2極は750±15G、S2極は570±1
5Gであったのに対して、樹脂層形成、硬化後のマグネ
ットの磁力は、スリーブ表面上で、N1極が835±2
0G、S1極は980±20G、N2極は745±20
G、S2極は575±20Gであり、ほとんど変化を起
こさなかった。
【0156】次にこの現像ローラーを用いて実施例1と
同様にして、A4サイズ紙5万枚の耐久テストを行い、
画質評価を行った。ベタ黒画像の画像濃度は、耐久を通
じて、23℃/10%RHの環境ではD=1.43±
0.06の範囲に、32℃/85%RHの環境では、D
=1.34±0.08の範囲に入っており、ベタ黒やハ
ーフトーンの一様性も全く問題なく、ベタ画像上のスジ
やオビ等の発生はなかった。また解像力やラインの飛び
散り等の現象も起こらなかった。また、23℃/10%
RHの環境においても、ゴーストの発生は全くと言って
良いほどなかった。
【0157】〈比較例7〉トナーは、実施例6で用いた
トナーを使用した。
【0158】実施例6で用いたマグネットロールの、ポ
リカーボネート樹脂とガラス繊維を用いる替わりに、ポ
リプロピレン樹脂〈線膨張係数11.0×10−5/℃
のもの〉のみ52重量部を用いてマグネットロールを作
成し、実施例6と同様の方法により、現像スリーブ上に
樹脂層17の形成を行った。樹脂層の膜厚12μm、体
積固有抵抗値0.94Ωcm、表面粗さRa=0.84
μmであり、同等の樹脂層とした。この現像ローラーの
塗工前の磁力は、素管表面上で、N1極が835±15
G、S1極が960±20G、N2極は750±15G、
2極は570±15Gであった。塗工、硬化後に再度
磁力を測定したところ、スリーブ表面上で、N1極は8
30±65G、S1極は955±70G、N2極は745
±55G、S2極は555±60Gと、中心値の変化お
よび変位幅は比較例6程は大きくないが、実施例6に比
較すると、磁力の一様性が低下していた。この現像ロー
ラーを用いて、実施例6と同様に現像を行ったところ、
ベタ黒やハーフトーンで白スジや白オビの目立つ画像で
あった。特にハーフトーンでは、白オビがめだった。ま
た、カブリは、23℃/10%RH、32℃/85%R
Hの両環境共に、実施例6のサンプルより劣った。
【0159】〈実施例7〉トナーとしては、次の様な磁
性トナーを用いた。
【0160】 スチレン−2−エチルヘキシルアクリレート樹脂 30
重量部 スチレン−ブチルアクリレート樹脂 70重量部 マグネタイト 90重量部 負電荷制御剤 2重量部 低分子量ポリプロピレン 6重量部
【0161】分級後の粒度分布は、重量平均粒径が8.
7μm、4μm以下の粒子の個数パーセントが8.7
%、12.7μm以上の粒子の重量パーセントが0.2
%であった。これにコロイダルシリカ1.0重量%を、
外添混合し、篩って、現像剤(トナー)とした。
【0162】マグネットロールとしては、次のようなも
のを用いた。
【0163】六方晶系フェライト粉体 350重量部 ガラス繊維含有ナイロン6樹脂 52重量部 (樹脂40重量部、ガラス繊維12重量部。線膨張係数
2.5×10−5/℃) ステアリン酸亜鉛 1重量部
【0164】上記材料を用い、実施例1とほぼ同様の方
法で4極のマグネットロールを作成した。さらに同様に
現像スリーブ素管に組み込んだ。
【0165】現像スリーブ素管に実施例1と同様のブラ
スト処理を施した後、下記の塗料を用いて現像スリーブ
に樹脂層17を形成した。
【0166】フェノール樹脂 100重量部 結晶性グラファイト 52重量部 カーボンブラック 4重量部 ニグロシン染料 4重量部 2−プロパノール/メタノール混合液 370重量部
【0167】上記原料を室温に調整しながらサンドミル
にて分散を行い、分散後の粘度が約55mPaの分散液
(塗料)を得た。これを実施例1と同様に塗工を行い、
塗工後155℃の雰囲気で50分加熱し、樹脂を硬化さ
せた。乾燥後の樹脂層17の膜厚は12μm、塗膜17
の体積固有抵抗値は0.79Ωcmであった。また表面
粗さRaは0.88μmであった。
【0168】樹脂層17形成前のマグネットの磁力は、
素管表面上で、N1極が850±20G、S1極は970
±15G、N2極は760±15G、S2極は580±2
0Gであったのに対して、樹脂層形成、硬化後のマグネ
ットの磁力は、スリーブ表面上で、N1極が845±2
0G、S1極は970±15G、N2極は760±20
G、S2極は580±20Gであり、ほとんど変化を起
こさなかった。
【0169】次にこの現像ローラーを用いて実施例1と
同様にしてA4サイズ紙5万枚の耐久テストを行い、画
質評価を行った。ベタ黒画像の画像濃度は、耐久を通じ
て、23℃/10%RHの環境ではD=1.43±0.
05の範囲に、32℃/85%RHの環境では、D=
1.35±0.08の範囲に入っており、ベタ黒やハー
フトーンの一様性も全く問題なく、ベタ画像上のスジや
オビ等の発生はなかった。また解像力やラインの飛び散
り等の現象も起こらなかった。また、23℃/10%R
Hの環境においても、ゴーストの発生は全くと言って良
いほどなかった。
【0170】〈実施例8〉トナーとしては、次の様な磁
性トナーを用いた。
【0171】スチレン−ブチルアクリレート−マイレン
酸−n−ブチルハーフエステル共重合体 50重量部 スチレン−ブチルアクリレート共重合体 50重量部 マグネタイト 90重量部 負電荷制御剤 3重量部 低分子量ポリプロピレン 4重量部
【0172】分級後の粒度分布は、重量平均粒径が8.
4μm、4μm以下の粒子の個数パーセントが10.0
%、12.7μm以上の粒子の重量パーセントが1.1
%であった。これにコロイダルシリカ1.0重量%、外
添混合し、篩って、現像剤(トナー)とした。
【0173】マグネットロールとしては、次のようなも
のを用いた。
【0174】六方晶系フェライト粉体 330重量部 ガラス繊維含有ナイロン6樹脂 48重量部 (樹脂40重量部、ガラス繊維8重量部。線膨張係数
2.7×10-5/℃) ステアリン酸鉛 2重量部
【0175】上記材料を用い、実施例5とほぼ同様の方
法で、4極のマグネットロールを作成した。さらに同様
に現像スリーブ素管に組み込んだ。
【0176】現像スリーブ素管に実施例1と同様のブラ
スト処理を施した後、下記の塗料を用いて現像スリーブ
に樹脂層17を形成した。
【0177】フェノール樹脂 100重量部 結晶性グラファイト 54重量部 カーボンブラック 6重量部 2−プロパノール/メタノール混合液 640重量部
【0178】上記原料を室温に調整しながらサンドミル
にて分散を行い、分散後の粘度が約50mPaの分散液
(塗料)を得た。これを実施例1と同様に塗工を行い、
塗工後155℃の雰囲気で50分加熱し、樹脂を硬化さ
せた。乾燥後の樹脂層17の膜厚は12μm、塗膜17
の体積固有抵抗値は0.78Ωcmであった。また表面
粗さRaは0.89μmであった。
【0179】樹脂層17形成前のマグネットの磁力は、
素管表面上で、N1極が855±15G、S1極は975
±20G、N2極は755±15G、S2極は570±1
5Gであったのに対して、樹脂層形成の為の加熱後のマ
グネットの磁力は、スリーブ表面上で、N1極が850
±20G、S1極は980±20G、N2極は750±1
5G、S2極は570±20Gであり、ほとんど変化を
起こさなかった。
【0180】次にこの現像ローラーを用いて実施例1と
同様にしてA4サイズ紙5万枚の耐久テストを行い、画
質評価を行った。結果は実施例7とほとんど変わらず、
ベタ黒画像の画像濃度は、耐久を通じて、23℃/10
%RHの環境ではD=1.42±0.06の範囲に、3
2℃/85%RHの環境では、D=1.35±0.08
の範囲に入っており、ベタ黒やハーフトーンの一様性も
全く問題なく、ベタ画像上のスジやオビ等の発生はなか
った。また解像力やラインの飛び散り等の現象も起こら
なかった。また、23℃/10%RHの環境において
も、ゴーストの発生は全くと言って良いほどなかった。
【0181】尚、以上の実施例は回転スリーブ内に磁石
を固定支持したものであるが、本発明は磁石を回転させ
て潜像を現像するものにも適用できる。また磁石の極数
も4極に限らない。
【0182】また、現像剤の層厚を規制する部材として
は、磁性ブレード19の代わりに非磁性ブレードも使用
できるし、またシリコーンゴムブレードやウレタンゴム
ブレード、或いはリン青銅等の金属板ばねをスリーブに
圧接させて現像領域に搬送される現像剤の層厚を規制し
てもよい。
【0183】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
トナーの過剰なチャージアップを防ぐことができ、十分
な濃度のライン画像及びベタ黒画像を得られ、ゴースト
の発生がなく、均一なハーフトーン画像が得られ、ベタ
画像の濃度ムラがない高品位の画像を形成することがで
きるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の縦断面図。
【図2】本発明の一実施例の説明図。
【符号の説明】
3 現像ロール 14 現像スリーブ 15 磁石 17 樹脂被覆層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齊木 一紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 折原 美智子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現像剤を担持して静電潜像を現像する現
    像領域に搬送する現像ローラに於いて、円筒体と、この
    円筒体表面に形成された樹脂被覆層と、磁性粉をバイン
    ダ樹脂で結着した磁石と、この磁石を上記円筒体の内部
    に支持する支持手段と、を有し、上記樹脂被覆層は、上
    記磁石が上記円筒体内に支持されている状態で加熱処理
    されており、上記磁石のバインダ樹脂の線膨張係数は6
    ×10-5/℃以下であることを特徴とする現像ローラ。
  2. 【請求項2】 上記磁石のバインダ樹脂はガラス繊維が
    分散されている樹脂である請求項1の現像ローラ。
  3. 【請求項3】 前記樹脂被覆層中には導電性粒子が分散
    されている請求項1又は2の現像ローラ。
  4. 【請求項4】 前記樹脂被覆層中には更に固体潤滑材が
    分散されている請求項3の現像ローラ。
  5. 【請求項5】 現像剤を収容する容器と、この現像容器
    から現像剤を搬出して静電潜像を現像する現像領域に搬
    送する現像ローラと、現像ローラが現像領域に搬送する
    現像剤層の厚みを規制する規制部材とを備えた現像装置
    に於いて、上記現像ローラは、円筒体と、この円筒体表
    面に形成された樹脂被覆層と、磁性粉をバインダ樹脂で
    結着した磁石と、この磁石を上記円筒体の内部に支持す
    る支持手段と、を有し、上記樹脂被覆層は、上記磁石が
    上記円筒体内に支持されている状態で加熱処理されてお
    り、上記磁石のバインダ樹脂の線膨張係数は6×10-5
    /℃以下であることを特徴とする現像装置。
  6. 【請求項6】 上記磁石のバインダ樹脂はガラス繊維が
    分散されている樹脂である請求項5の現像装置。
  7. 【請求項7】 前記樹脂被覆層中には導電性粒子が分散
    されている請求項5又は請求項6の現像装置。
  8. 【請求項8】 前記樹脂被覆層中には更に固体潤滑材が
    分散されている請求項7の現像装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH096128A (ja) * 1995-04-17 1997-01-10 Fuji Xerox Co Ltd 一成分現像剤担持体および一成分現像装置
JP2009271328A (ja) * 2008-05-08 2009-11-19 Bando Chem Ind Ltd 電子写真装置用導電性エラストマー部材
JP2010120055A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 Edl Kk 中空軸を有するフランジ組立体、現像ロール、軸付平板状部材、ローラ部材、及び中空軸を有するフランジ組立体の製造方法
CN101979151A (zh) * 2010-10-21 2011-02-23 富美科技有限公司 一种磁辊自动喷漆设备
JP2016061820A (ja) * 2014-09-16 2016-04-25 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 現像装置及びそれを備えた画像形成装置
JP2021002553A (ja) * 2019-06-20 2021-01-07 日立金属株式会社 磁性材、積層磁性体および積層コア、並びに、磁性材の製造方法および積層磁性体の製造方法

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