JPH0627076A - 鋼材のh▲2▼sを含む水溶液中での電気化学的測定方法 - Google Patents
鋼材のh▲2▼sを含む水溶液中での電気化学的測定方法Info
- Publication number
- JPH0627076A JPH0627076A JP4181379A JP18137992A JPH0627076A JP H0627076 A JPH0627076 A JP H0627076A JP 4181379 A JP4181379 A JP 4181379A JP 18137992 A JP18137992 A JP 18137992A JP H0627076 A JPH0627076 A JP H0627076A
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- JP
- Japan
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- aqueous solution
- steel material
- sulfide
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- Pending
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- Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)
- Investigating And Analyzing Materials By Characteristic Methods (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 H2S を含む水溶液中での鋼材の電気化学的測
定方法を提供する。 【構成】 H2S を含んだ水溶液環境で鉄鋼材料の水素透
過試験あるいは硫化物応力腐食割れ試験を行うにあた
り、該水溶液を0.5m/s以上の速度で流動させることによ
り、硫化物を生成させることがなく、これによって正確
に水素透過速度を測定すること、あるいは一定の条件下
で硫化物応力腐食割れ試験を行うことを可能とする。
定方法を提供する。 【構成】 H2S を含んだ水溶液環境で鉄鋼材料の水素透
過試験あるいは硫化物応力腐食割れ試験を行うにあた
り、該水溶液を0.5m/s以上の速度で流動させることによ
り、硫化物を生成させることがなく、これによって正確
に水素透過速度を測定すること、あるいは一定の条件下
で硫化物応力腐食割れ試験を行うことを可能とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼材のH2S を含む水溶
液中での電気化学的測定方法に関する。
液中での電気化学的測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】H2S を含んだ水溶液環境で鉄鋼材料の耐
H2S 性(以下、耐サワー性という)を評価する手段の一
つに、電気化学的手法による水素透過量の測定(たとえ
ば、吉沢四郎著「鉄鋼材料の表面と水素ぜい性(金属表
面技術,Vol.32(1981), No.1,p.2-12 )」参照) があ
る。
H2S 性(以下、耐サワー性という)を評価する手段の一
つに、電気化学的手法による水素透過量の測定(たとえ
ば、吉沢四郎著「鉄鋼材料の表面と水素ぜい性(金属表
面技術,Vol.32(1981), No.1,p.2-12 )」参照) があ
る。
【0003】この方法は、当該材料の薄い試験片の片面
から水素を侵入せしめ、他面においてその水素原子をイ
オン化させ、その経時変化より水素の拡散定数と含有量
を求めるものである。
から水素を侵入せしめ、他面においてその水素原子をイ
オン化させ、その経時変化より水素の拡散定数と含有量
を求めるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の測定方法においては、水素を侵入せしめる側の
環境にH2S を含んだ水溶液を用いると、反応により鉄の
硫化物被膜が試験片表面に生成し、反応を抑制すること
になるため材料特性を正確に求めることができないとい
う問題があった。
た従来の測定方法においては、水素を侵入せしめる側の
環境にH2S を含んだ水溶液を用いると、反応により鉄の
硫化物被膜が試験片表面に生成し、反応を抑制すること
になるため材料特性を正確に求めることができないとい
う問題があった。
【0005】すなわち、図1の水素透過曲線(水素イオ
ン化電流の時間的推移)のJmax は当該材料の拡散速度
や表面濃度を求めるための重要な因子であるが、通常、
H2Sを含んだ水溶液中では上述したように反応が抑制さ
れるために、水素イオン化電流はJmax に到達後に減少
することになる。また、このJmax そのものも真の値で
はなく、本来ならばさらに高いJmax ′であるかもしれ
ないものが、硫化物被膜のため反応が抑制されることに
より、Jmax となって現れていることもあり得る。
ン化電流の時間的推移)のJmax は当該材料の拡散速度
や表面濃度を求めるための重要な因子であるが、通常、
H2Sを含んだ水溶液中では上述したように反応が抑制さ
れるために、水素イオン化電流はJmax に到達後に減少
することになる。また、このJmax そのものも真の値で
はなく、本来ならばさらに高いJmax ′であるかもしれ
ないものが、硫化物被膜のため反応が抑制されることに
より、Jmax となって現れていることもあり得る。
【0006】このようなことから、実際はH2S を含んだ
環境であっても、水素透過量の測定においては硫化物被
覆が生成せず、図1のJmax ′の曲線を与えるアルカリ
環境での陰極チャージ法が採用されているのが一般的で
ある。このため、材料間の相対的な比較や材料中に侵入
した水素の挙動は把握できても、実際に類似したH2S環
境での挙動は把握し得ないという問題があった。
環境であっても、水素透過量の測定においては硫化物被
覆が生成せず、図1のJmax ′の曲線を与えるアルカリ
環境での陰極チャージ法が採用されているのが一般的で
ある。このため、材料間の相対的な比較や材料中に侵入
した水素の挙動は把握できても、実際に類似したH2S環
境での挙動は把握し得ないという問題があった。
【0007】また、H2S 環境で行われる硫化物応力腐食
割れ試験においても、試験片表面に鉄の硫化物被膜が生
成して表面積効果が現れることがあり、たとえ環境条件
が同じであっても試験片形状が異なると、その結果に大
差のでることがあったのである。本発明は、上記のよう
な従来技術の有する課題を解決すべくしてなされたもの
であって、H2S を含んだ環境であっても硫化物の影響を
受けずに正確な耐サワー性の評価を可能とした電気化学
的測定方法を提供することを目的とする。
割れ試験においても、試験片表面に鉄の硫化物被膜が生
成して表面積効果が現れることがあり、たとえ環境条件
が同じであっても試験片形状が異なると、その結果に大
差のでることがあったのである。本発明は、上記のよう
な従来技術の有する課題を解決すべくしてなされたもの
であって、H2S を含んだ環境であっても硫化物の影響を
受けずに正確な耐サワー性の評価を可能とした電気化学
的測定方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、H2S を含んだ
水溶液環境で鉄鋼材料の水素透過試験あるいは硫化物応
力腐食割れ試験を行うにあたり、該水溶液を0.5m/s以上
の速度で流動させることを特徴とする鋼材のH2S を含む
水溶液中での電気化学的測定方法である。
水溶液環境で鉄鋼材料の水素透過試験あるいは硫化物応
力腐食割れ試験を行うにあたり、該水溶液を0.5m/s以上
の速度で流動させることを特徴とする鋼材のH2S を含む
水溶液中での電気化学的測定方法である。
【0009】
【作 用】本発明者は、上記課題がH2S を含んだ環境で
生成する鉄の硫化物被膜に起因することに鑑み、強制的
に皮膜の生成を防止すれば、アルカリ環境での陰極チャ
ージ法と同様の効果が得られることに着目し、試験液を
強制的に流動させることにより、流れの機械的エネルギ
ーを試験片表面に与えることができ、皮膜の生成を定常
的に防止し得ることを見出したものである。
生成する鉄の硫化物被膜に起因することに鑑み、強制的
に皮膜の生成を防止すれば、アルカリ環境での陰極チャ
ージ法と同様の効果が得られることに着目し、試験液を
強制的に流動させることにより、流れの機械的エネルギ
ーを試験片表面に与えることができ、皮膜の生成を定常
的に防止し得ることを見出したものである。
【0010】ここで、水溶液の流動速度を0.5m/s以上に
限定した理由について説明すると、流動速度が0.5m/s未
満では流れの機械的エネルギーが不足して硫化物被膜が
生成するため、0.5m/s以上にすれば実質的に鉄鋼材料表
面に硫化物被膜を生成させることがない。なお、本発明
法によれば、試験液が十分攪拌されるため、拡散層によ
る濃度分極も低減することができるという副次的効果も
ある。
限定した理由について説明すると、流動速度が0.5m/s未
満では流れの機械的エネルギーが不足して硫化物被膜が
生成するため、0.5m/s以上にすれば実質的に鉄鋼材料表
面に硫化物被膜を生成させることがない。なお、本発明
法によれば、試験液が十分攪拌されるため、拡散層によ
る濃度分極も低減することができるという副次的効果も
ある。
【0011】
【実施例】液温24℃の5%NaCl+0.5 %CH3COOH 水溶液
を用いて、1気圧H2S 飽和条件で水素透過速度を測定す
る際に本発明法を適用した。用いた試験片は0.25%C−
1.0 %Cr−0.6 %Moを代表成分とし降伏応力が69.6kgf/
mm2 の高張力鋼から3mm厚に加工したものである。この
とき、水溶液の流動は、水溶液をポンプで送ることによ
り与えた。この回転速度を段階的に変化したときのイオ
ン化電流のJmax (図2参照)を測定した結果を表1に
示した。
を用いて、1気圧H2S 飽和条件で水素透過速度を測定す
る際に本発明法を適用した。用いた試験片は0.25%C−
1.0 %Cr−0.6 %Moを代表成分とし降伏応力が69.6kgf/
mm2 の高張力鋼から3mm厚に加工したものである。この
とき、水溶液の流動は、水溶液をポンプで送ることによ
り与えた。この回転速度を段階的に変化したときのイオ
ン化電流のJmax (図2参照)を測定した結果を表1に
示した。
【0012】
【表1】
【0013】この表の結果から明らかなように、水溶液
の回転速度を0.5m/s以上とした本発明例は、Jmax がい
ずれも高く、したがって試験片に硫化物被膜が発生して
いないことがわかる。
の回転速度を0.5m/s以上とした本発明例は、Jmax がい
ずれも高く、したがって試験片に硫化物被膜が発生して
いないことがわかる。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、水
溶液を0.5m/s以上の速度で流動させるようにしたので、
H2S を含んだ環境であっても硫化物を生成させることが
なく、これによって正確に水素透過速度を測定すること
が可能である。また、硫化物腐食割れ試験においても、
一定の条件下で行うことが可能である。
溶液を0.5m/s以上の速度で流動させるようにしたので、
H2S を含んだ環境であっても硫化物を生成させることが
なく、これによって正確に水素透過速度を測定すること
が可能である。また、硫化物腐食割れ試験においても、
一定の条件下で行うことが可能である。
【図1】従来法で測定された水素透過曲線の一例を示す
特性図である。
特性図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 H2S を含んだ水溶液環境で鉄鋼材料の
水素透過試験あるいは硫化物応力腐食割れ試験を行うに
あたり、該水溶液を0.5m/s以上の速度で流動させること
を特徴とする鋼材のH2S を含む水溶液中での電気化学的
測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4181379A JPH0627076A (ja) | 1992-07-08 | 1992-07-08 | 鋼材のh▲2▼sを含む水溶液中での電気化学的測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4181379A JPH0627076A (ja) | 1992-07-08 | 1992-07-08 | 鋼材のh▲2▼sを含む水溶液中での電気化学的測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0627076A true JPH0627076A (ja) | 1994-02-04 |
Family
ID=16099704
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4181379A Pending JPH0627076A (ja) | 1992-07-08 | 1992-07-08 | 鋼材のh▲2▼sを含む水溶液中での電気化学的測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0627076A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102023128A (zh) * | 2010-12-13 | 2011-04-20 | 首钢总公司 | 一种附有硫铁化合物管线钢的氢渗透行为测试方法 |
US11035836B2 (en) * | 2018-07-31 | 2021-06-15 | Saudi Arabian Oil Company | Methods of generating and corrosion testing aqueous gas streams prepared from aqueous acid and salt precursor solutions |
-
1992
- 1992-07-08 JP JP4181379A patent/JPH0627076A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102023128A (zh) * | 2010-12-13 | 2011-04-20 | 首钢总公司 | 一种附有硫铁化合物管线钢的氢渗透行为测试方法 |
US11035836B2 (en) * | 2018-07-31 | 2021-06-15 | Saudi Arabian Oil Company | Methods of generating and corrosion testing aqueous gas streams prepared from aqueous acid and salt precursor solutions |
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