JPH06269293A - マウスcd48に対するモノクローナル抗体 - Google Patents

マウスcd48に対するモノクローナル抗体

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JPH06269293A
JPH06269293A JP5060087A JP6008793A JPH06269293A JP H06269293 A JPH06269293 A JP H06269293A JP 5060087 A JP5060087 A JP 5060087A JP 6008793 A JP6008793 A JP 6008793A JP H06269293 A JPH06269293 A JP H06269293A
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cells
mouse
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monoclonal antibody
antibody
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JP5060087A
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Kazunori Kato
和則 加藤
Harue Okada
晴恵 岡田
Takeshi Takanashi
剛 高梨
Hideo Yakida
秀雄 八木田
Yasushi Okumura
康 奥村
Motomi Nakada
元巳 中田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マウスCD48に対するモノクローナル抗体
を提供する。 【構成】 マウスT細胞株MBL-2で免疫感作した動
物の脾細胞とマウスのミエローマ細胞から、MBL細胞
とCD2分子の反応性を阻害する抗体を生産するハイブ
リドーマを作成し、このハイブリドーマが産出する抗体
がマウスCD48と特異的に反応してこれを免疫沈降さ
せることを立証した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はモノクローナル抗体に関
し、さらに詳しくは、マウスの細胞表面分子であるCD
48に特異的に反応するモノクローナル抗体、該モノク
ローナル抗体を産生するハイブリドーマおよび該ハイブ
リドーマの製造方法、ならびに、免疫関連細胞の解析に
おけるこの抗体の使用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】免疫の応答機構は多種類の細胞および調
節因子が複雑に相互作用を行うことにより機能してお
り、この機構を解明することにより、免疫関係疾患の発
症機構が明らかなるとともに、その治療への応用が期待
される。この免疫応答機構は、免疫系の細胞がその細胞
の表面分子を介して細胞どうしで結合することが第1段
階となる。その後、互いに細胞がその結合によるシグナ
ル伝達により活性化され、種々の調節因子の産生や新た
な細胞表面分子の発現が惹起される。この第1段階にお
ける細胞間の結合に重要な役割を担うのが、接着分子と
総称される細胞膜表面上の機能分子である。これらの分
子についての解説は、FASEB Journalvol.4,19
90やAnnual Review of Immunology vol.8,199
0等多くの文献に記載されている。これらの分子は、大
きく分けると免疫グロブリンスーパーファミリーとイン
テグリンファミリーに分けることができる。
【0003】免疫グロブリン(Ig)は免疫応答の中核を
なす物質で、約100残基のアミノ酸より構成される基
本ドメイン構造を有している。このドメイン構造には約
60残基は離れたシステインにより形成されるループ構
造とβシート構造の存在が示されており、このドメイン
構造は免疫グロブリン以外にもT細胞抗原レセプター、
CD4、CD8、CD2等、多くの蛋白質に保持されて
おり、免疫グロブリンスーパーファミリーと称される。
【0004】CD2は2つのIgのCドメイン構造を持
った分子量約50kDaの糖蛋白で、T細胞、NK細胞な
ど広範に分布する。CD2は当初、ヒツジ赤血球とロゼ
ットを形成するT細胞上のレセプターとして同定された
が、APC(antigen presenting cell:抗原提示細胞)
上の同じIgスーパーファミリーに属するLFA(Lymph
ocyte function-associated antigen)−3をリガンドと
して結合し、抗原非依存性の細胞間接着分子として働
く。また、CD2はTCR/CD3を介さないT細胞活
性化の代替経路としても知られており、この現象から、
CD2はTCR/CD3複合体が発現する以前の未熟胸
腺細胞の増殖において中心的役割を果たしていると考え
られている。このようにCD2は、生体内においてリガ
ンドであるLFA−3と会合してT細胞−抗原提示細
胞、あるいはキラー細胞−ターゲット細胞の結合を強固
にするだけではなく、細胞内にシグナル伝達をし得る機
能的分子であることが明らかになってきた。
【0005】またCD2は、マウスにおいてはT細胞、
NK細胞の他、B細胞にも発現していることが明らかに
なっている。さらには、CD2のリガンドは従来LFA
−3のみと考えられていたが、CD48分子もCD2の
リガンドであるという報告がなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】CD2のリガンドであ
るLFA−3、CD48の探索および解析は、ヒトにお
いてはLFA−3遺伝子、抗LFA−3抗体、CD48
遺伝子等の取得により in vitro での解析が進んでい
た。しかしマウスにおいては、これらのリガンドの遺伝
子はもとより、モノクローナル抗体の取得もできておら
ず、そのためマウスにおけるCD2の役割については、
in vitro、in vivo ともに解析ができていなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような状況下で、本
発明者等は上記課題に対し種々検討した結果、マウスの
CD48に対するモノクローナル抗体を作製すれば、C
D2−CD48を介した細胞間相互作用についての解析
が進むのではないかと考え、鋭意検討を重ねた結果、C
D48に反応するモノクローナル抗体および該抗体を産
生するハイブリドーマの取得に成功し、本発明を完成さ
せるに至った。すなわち、本発明はマウスCD48に特
異的に反応するモノクローナル抗体、該モノクローナル
抗体を産生するハイブリドーマおよび該ハイブリドーマ
の製造方法に関するものである。
【0008】本発明に係るマウスCD48に対するモノ
クローナル抗体および該モノクローナル抗体を産生する
ハイブリドーマは、以下のようにして製造することがで
きる。すなわち、 CD48を発現していると考えられるマウスT細胞
株(MBL−2)(順天堂大学医学部免疫学教室より入手
可能)を抗原として、ハムスターを免疫感作し、 ハムスターの脾細胞とマウスのミエローマ細胞とを
融合させて、MBL−2細胞とCD2との反応を阻害す
るモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを選択
し、 上記で得たハイブリドーマを適当な条件下で培養
してモノクローナル抗体を回収し、このモノクローナル
抗体を用いてCD48を発現している細胞のCD48分
子と反応することを免疫沈降により特定し、さらに免疫
沈降後のサンプルのアミノ酸シークエンスを行うことに
より、最終的にCD48に対するモノクローナル抗体を
産生するハイブリドーマを選択し、 上記で得たハイブリドーマを培養することにより
該モノクローナル抗体を生産し、これを回収する。
【0009】
【発明の効果】本発明のCD48に対するモノクローナ
ル抗体は、マウスCD48と特異的に反応することか
ら、以下に述べるような種々の用途が考えられる。すな
わち、CD2を発現している細胞と、そのリガンドであ
るCD48を発現している細胞との相互作用を、本発明
のモノクローナル抗体を用いて解析することによって、
CD2−CD48を介したT細胞の活性化機序、あるい
はB細胞の機能発現を理解することができる。
【0010】また、近年T細胞の活性化のメカニズムは
T細胞抗原レセプターに抗原・MHCの結合以外に第2
の系路が必要とされており、この第2の系路が欠如した
状態で抗原刺激が起きるとT細胞の不活化からトレラン
ス(寛容)が誘導されると考えられている。本発明の抗体
は、その第2の系路である可能性の高いCD2−CD4
8の系を阻害することが可能であるので、トレランス誘
導のメカニズムを解明するのに役立つと同時に、拒絶反
応を防止する新たな免疫抑制剤開発のための有効な武器
となる。
【0011】
【実施例】以下に実施例を示すがCD2の調製は(1)及
び(1)’のどちらでもよい。 (1)可溶性CD2(CD2−Rg)の調製 ベクターの構築 ヒトIgGのFc部分をコードするCDNAが組み込まれ
たCDM8ベクター(ハーバード大学 Dr.B.Seed
より供与)5μgを制限酵素BamHI 5単位、XbaI
5単位と37℃で1時間反応させることにより切断し、
得られたFcフラグメント(Rg)をpBlueuscript II S
K(+)(Stratagene製)のBamHI、XbaIサイトに挿入
した。これをXhoI、BamHIサイトで切断し、pBlue
uscript II SK(+)−RgのXhoI、BamHIフラグ
メントを作製した。一方マウスCD2については、CD
2 cDNA(順天堂大学医学部免疫学教室から入手可能)
5μgを制限酵素HpaIで切断した後、BamHIメチラ
ーゼを用いてHpaIフラグメントのBamHIサイトをメ
チル化した。その後、HpaIフラグメントの両端にBam
HIアダプターを付与した。その後、制限酵素XhoI、
BamHI切断によりCD2フラグメントを調製した。こ
うして得られたXhoI、BamHI CD2フラグメント
を pBlueuscriptII SK(+)−RgのXhoI、BamH
Iフラグメントに挿入した。その後、XhoI、Notで切
断し、生じたCD2−Rgフラグメントを、XhoI、No
tで切断したBCMGSneo(順天堂大学医学部免疫学教
室から入手可能)に挿入し、マウスCD2−Rg発現ベク
ターの構築を終了した。
【0012】 CD2−Rgの調製 セルポレーター(BRL製)を用いたエレクトロポレーシ
ョン法を用いて、マウスミエローマP3U1(ATCC
CRL 1597)にCD2−Rg発現ベクターを、導入
した。G418(ギブコ製)耐性の細胞を選別後、遺伝子
導入細胞を培養し、その培養上清を回収し、これをCD
2−Rg溶液とした。
【0013】 CD2−Rgの解析1 上記で調製したCD2−Rgの活性をFACS(蛍光細胞
分析分離装置)で調べた。MBL−2細胞106個に対
し、CD2−Rg溶液1mlを添加し、4℃で1時間反応
させた。その後、PBSで2回穏やかに遠心洗浄した
後、FITC標識抗ヒトIgG(カルタゴ製)で染色し
た。4℃30分間の反応の後、2回穏やかに遠心洗浄
し、次いでPBS 200μlと合わせ、FACScan
(B.D.製)(フローサイトメーター)にて細胞の蛍光強度
を測定したところ、図1の(a)に示すように染色される
ことがわかった。
【0014】 CD2−Rgの解析2 また、得られたものがCD2の可溶性キメラタンパク質
であることを確認するためにマウスCD2に対する抗体
を用いて阻害実験を試みた。と同様、マウスMBL−
2細胞106個に対し、マウスCD2に対する抗体であ
るRM2−1抗体(生化学工業製)とあらかじめインキュ
ベートしておいたCD2−Rg溶液1mlを加え、4℃で
1時間反応させた。その後、と同様、FLTC−抗ヒ
トIgGと反応させ、FACScanにて細胞の蛍光強度を
測定したところ、図1の(b)に示すように、MBL−2
細胞とCD2−Rgの反応を完全に阻害し、調製したタ
ンパク質が目的のCD2−Rgであることを確認した。
【0015】(1)’CD2分子の調製 CD2分子の精製 マウスCD2を発現しているMBL−2細胞から抗CD
2抗体(RM2−1:生化学工業)を用いてCD2分子を
精製した。具体的には、まず、マウスMBL−2細胞を
1×1010個培養し、1500rpmで5分間の遠心分離
によりMBL−2を回収した後、PBSにて1回遠心洗
浄した。上清吸引後、MBL−2のペレットに5mlの溶
菌緩衝液(1%NP−40、20mM Tris−HCl、
150mM NaCl、2mM CaCl2、2mM MgC
2、10μM A−PMSF、50μg/ml トリプシン
インヒビター)を加え、よく撹拌した後、氷上にて30
分間放置した。その後、15000rpmで10分間遠心
した後、上澄液を回収した。ラットIgGをCNBr活
性化セファロースゲル(ファルマシア製)に結合したもの
500μlに対し、回収した上澄液4mlを入れ、4℃で
一晩反応させ、非特異的結合タンパク質を除去した。そ
の後、12000rpmで1分間の遠心分離によりゲルを
沈降させ、上清を回収した。回収した上清を、抗CD2
抗体をCNBr活性化セファロースゲルに結合したもの
1mlに混合した。これを4℃で一晩反応させ、CD2分
子と抗CD2抗体を結合させた。洗浄液(0.5%NP−
40、20mM Tris−HCl、0.6M NaCl)で
2回洗浄した後、溶出液(0.1% NP−40、150m
M NaCl、50mMグリシン−HCl、pH3.0)でC
D2分子を溶出させた。溶出させたCD2の純度は10
〜20%SDS−PAGE用ゲル(第一化学製)を用いた
電気泳動にて確認した。1×1010個のMBL−2細胞
より2μgのCD2分子を回収することができた。
【0016】 CD2分子の解析 上記(1)’ので得られたものがCD2分子であること
を確認するために、マウスCD2に対する抗体を用いて
阻害実験を試みた。マウスMBL−2細胞106個に対
し、CD2分子100ngを添加し、4℃で1時間反応さ
せた。その後FITC−標識抗マウスCD2抗体で染色
した。4℃で30分間の反応の後、2回穏やかに遠心洗
浄し、次いでPBS200μlとあわせ、FACS(フ
ローサイトメーター)にて蛍光強度を測定したところ、
染色されず、CD2分子に間違いないことを確認した。
図2は精製したCD2分子とMBL−2細胞の反応をF
ACSで調べた図であり、(a)はMBL−2とCD2に
対する抗体の反応をみたもの、(b)は(a)の反応を今回
得たCD2分子で阻害した結果である。
【0017】(2)免疫感作 アルメニアンハムスターにT細胞リンホーマMBL−2
を1匹当り1×107個腹腔内に接種した。次いで、1
0日後から10日間間隔で4回同一ハムスターにMBL
−2細胞を接種することにより、免疫感作した。
【0018】(3)融合 最終免疫の3日後に上記ハムスターから脾臓を取り出し
た。取り出した脾臓を細断後、メッシュで濾過し、RP
MI1640培地に浮遊させ、脾細胞を1×108個得
た。この脾細胞とマウス由来の8−アザグアニン耐生株
(ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェ
ラーゼ欠損株)PA−I(2×107個)(順天堂大学医学
部免疫学教室より入手可能)とを約5:1の割合で混合
し、遠心した(1500rpm、5分)。得られた細胞のペ
レットに、50%ポリエチレングリコール4000(メ
ルク製)/RPMI1640溶液2mlを、37℃の温水
中で撹拌しながら1分間を要して加えた。これにRPM
I1640液15mlを撹拌しながら6分間要して加え、
細胞融合を行った。融合後、大量(約40ml)のRPMI
1640液を加え、遠心分離(1500rpm、5分)して
上清を除去した。次いで、ヒポキサンチン(100μ
M)、アミノプテリン(0.4μM)、チミジン(10μ
M)を含む10%FCS−RPMI1640培地(HAT
培地)を用いて、脾細胞が1×106個/mlになるように
調製した。
【0019】(4)ハイブリドーマの選択 上記(3)で調製した細胞浮遊液を96ウェルマイクロプ
レート5枚に200μlずつ分注し、37℃、5%CO2
下にあるCO2インキュベータで細胞を培養した。1週
間後には、ハイブリドーマのみがコロニーを形成して、
増殖していることが確認できた。
【0020】(5)抗体のスクリーニング 得られたハイブリドーマが産生する抗体がCD48分子
を発現しているマウスMBL−2とマウスCD2−Rg
との反応を阻害するか否かをFACSで調べた。MBL
−2を回収後、フィッシャーチューブに細胞を1×10
6個ずつ入れ、培養上清およびマウスCD2−Rgを20
0μl入れ、氷上で20分反応させ、PBSで遠心洗浄
(3000rpm、1分、3回)し、FITC−抗ヒトIgG
(Fc)(カルタゴ製)(100倍希釈)を100μl入れ、氷
上で20分反応させ、PBSで2回遠心洗浄を行い、P
BS200μlに懸濁後、FACScanで測定した。な
お、上記(1)'で調製したCD2分子を使用する場合に
は、上記FITC-抗ヒトIgG(Fc)に代えて、FI
TC-抗マウスCD2抗体(RM2-1)(生化学工業)を用
いる。
【0021】(6)クローニング (5)で選択したウェルで増殖しているハイブリドーマを
限界希釈法でクローニングした。希釈後の細胞濃度が1
個/ウェルとなるように10%FCS−RPMI164
0培地で希釈し、96ウェルプレートに200μlずつ
分注した。約1週間後、ハイブリドーマの増殖が認めら
れ、コロニーがある程度の大きさになってから、上記
(5)の方法で再度抗体の検出を行った。この操作を2回
繰り返し、安定にMBL−2細胞とマウスCD2−Rg
の反応を阻害する抗体を産生するクローンを1種得るこ
とができた。このクローンをHM48−1と命名し、免
疫沈降を行うことにより、マウスCD48分子に対する
モノクローナル抗体かどうかチェックした。
【0022】(7)免疫沈降 MBL−2細胞、CTLL−2細胞(ATCC TIB
214)を75cm2培養フラスコ中で10%FCS-RP
MI1640培地にて1×107個培養した。1500r
pm、5分の遠心分離によりMBL−2およびCTLL−
2を回収した後、PBSにて1回遠心洗浄した。その
後、HBSS(ハンクス緩衝液)で3回遠心洗浄した。
【0023】 細胞のビオチン化 上澄液吸引後、0.1M HEPES(ヘペス)緩衝液(p
H8.0)含有の生理食塩水2mlに懸濁した。その後、
10mg/mlのSulfo NHS−ビオチンを20μl入
れ、40分室温でローテーターを用いて反応させた。そ
の後、4℃に冷却したRPMI1640溶液にて3回遠
心洗浄した。
【0024】 細胞の溶解 ビオチン化した細胞のペレットに400μlの溶菌緩衝
液(1%NP−40、20mM、Tris−HCl、150m
M、NaCl、2mM CaCl2、2mM MgCl2、10μ
M A−PMSF(フェニルメチルスルホニルクロライ
ド)、50μg/mlトリプシンインヒビター)を加え、よ
く撹拌した後、氷上にて30分間放置した。その後、1
5000rpmで10分間遠心した後、上澄液を回収し
た。これを200μlずつ2本に分けた。
【0025】 プレクリアー(preclear) 正常ハムスターIgGをCNBr活性化セファロースゲ
ル(ファルマシア製)に結合させたビーズ100μlを回
収した上澄液200μlに入れ、4℃で一晩反応させ、
非特異的結合タンパク質を除去した。その後、1200
0rpm、1分間の遠心分離によりゲルを沈降させ、上清
を回収した。
【0026】 免疫沈降 回収した上清1本目には、今回樹立したハイブリドーマ
HM48−1が産生する抗体をCNBr活性化セファロ
ースゲル(ファルマシア製)に結合したビーズ100μl
を、もう1本には、マウスおよびラットの血清をCNB
r活性化セファロースゲルに結合したビーズ100μl
を入れ、4℃で2時間反応させた。洗浄液(0.5%N
P−40、20mM Tris−HCl、0.6M NaCl)
で3回遠心洗浄した後、ゲルに2%SDSを含むサンプ
ル緩衝液(10%グリセロール、5% 2−メルカプトエ
タノール、2%SDS、0.625M Tris−HCl(p
H6.8)、BPB(ブロモ・フェノール・ブルー)1mg
/100ml)を20μl入れ、5分間煮沸した。その後、
4%〜20%のSDS−PAGEゲル(第1化薬製)を用
い電気泳動した。電気泳動後、トランスブロットシステ
ム(バイオラッド製)を用いてニトロセルロース膜(ミリ
ポア製)に移した。
【0027】 発色反応 ニトロセルロースをブロックエース(大日本製薬製)に浸
し、1時間放置し、ブロッキングした。その後、ABC
溶液(アビジン−ビオチン化ペルオキシダーゼ混合液)
(ベクター社、Vectastain ABCキット)に浸し、3
0分間反応させた。0.05%ツイーン20/PBSに
て3回洗浄(10分インキュベート×3)した。その後、
アマシャムのECLウェスタンブロッティングディテク
ションシステムの発色キットを用いて反応させた。その
後、X線フィルムで露光し、ハイブリドーマHM48−
1と反応するタンパク質を検出した。その結果HM48
−1は、還元下で50,000、非還元下で45,000
のバントを示した。この結果を図3に示す。
【0028】(8)シークエンシング このHM48−1ハイブリドーマが産生する抗体が免疫
沈降する物質がCD48分子であるかどうかを調べるた
めにタンパク質のN末端のアミノ酸のシークエンスを行
った。
【0029】まず、MBL−2細胞1×1010個から
(7)の免疫沈降の手順に従って得られた物質を、4%〜
20%のSDS−PAGEゲルに電気泳動した。このゲ
ルをポリビニルジン・ジフルオリド(PVDF)膜にトラ
ンスファーした。その後、クマシーブリリアントブルー
染色液にてタンパク質を染色した後、クリーンレーザー
を用いて、タンパク質のバンドがある膜をカットした。
カットした膜は、プロテインシーケンサー(ABI製、
477Aモデル)を用いてシークエンスした。その結
果、図4に示すように、その配列はマウスCD48分子
とN末端から17番までにおいて13個一致し、マウス
CD48分子であることを確認した。
【0030】この結果、HM48−1は、CD48を免
疫沈降することができ、本抗体はマウスCD48に対す
る抗体であることを確認した。なお、本抗体産生株HM
48−1は微生物工業技術研究所に寄託されている(受
託日:平成5年2月16日,受託番号:FERM P-1
3433)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 CD2−RgとMBL−2の反応をFACS
で調べた結果を示すグラフである。
【図2】 CD2分子とMBL−2の反応をFACSで
調べた結果を示すグラフである。
【図3】 HM48−1により沈降されるCD48分子
の電気泳動写真の模写図である。
【図4】 HM48−1により沈降されるCD48分子
のアミノ酸配列である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/53 Y 8310−2J 33/577 B 8310−2J //(C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 八木田 秀雄 東京都文京区本郷2−1−1 順天堂大学 医学部免疫学教室内 (72)発明者 奥村 康 東京都文京区本郷2−1−1 順天堂大学 医学部免疫学教室内 (72)発明者 中田 元巳 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マウスの細胞表面分子であるCD48分
    子に特異的に反応するモノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】 IgG型のハムスター抗体である請求項
    1のモノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】 次の各段階: (i) 齧歯類動物をマウスT細胞株(MBL−2)で免疫感
    作し; (ii) 該齧歯類動物から脾臓を摘出して脾細胞の懸濁液
    を調製し; (iii) 該脾細胞の懸濁液をマウスのミエローマ細胞と融
    合促進剤の存在下で混合して両細胞を融合し; (iv) 融合した細胞を、未融合のミエローマ細胞を支持
    しない媒質中で希釈して培養し; (v) ハイブリドーマを含有する各ウェルの上清液につい
    て、MBL細胞とCD2分子の反応性を阻害する抗体の
    存在を確認し; (vi) 所望の抗体を産生するハイブリドーマを選択した
    後、限界希釈法により単一クローンにし; (vii) その単一クローンのハイブリドーマの培養上清液
    からなる抗体を回収する;からなることを特徴とする、
    請求項1のモノクローナル抗体の製造法。
  4. 【請求項4】 該齧歯類動物がアルメニアンハムスター
    に属し、該ミエローマ細胞がPA−Iである請求項3の
    製造法。
  5. 【請求項5】 マウスの細胞表面に存在するCD48分
    子に特異的に反応するモノクローナル抗体を産生するハ
    イブリドーマHM48−1。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000014203A1 (fr) * 1998-09-02 2000-03-16 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Procede de preparation d'une fraction de cellule contenant des cellules souches hematopoietiques
US7510877B2 (en) 2003-09-26 2009-03-31 The Regents Of The University Of Michigan Hematopoietic stem cell identification and isolation
WO2010117059A1 (ja) * 2009-04-10 2010-10-14 国立大学法人大阪大学 形質細胞の腫瘍性増殖をきたす疾患の治療薬

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